JP2015091644A - 銅張積層板、プリント配線板及びその使用方法 - Google Patents

銅張積層板、プリント配線板及びその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子機器の小型化・高性能化に伴う高周波化への対応を可能とする銅張積層板、プリント配線板及びその使用方法を提供する。
【解決手段】 銅張積層板は、ポリイミド絶縁層と、該ポリイミド絶縁層の少なくとも一方の面に銅箔を備えている。ポリイミド絶縁層は、熱線膨張係数が0ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内であり、数式(i);E=√ε×Tanδ ・・・(i)
[ここで、εは、空洞共振器摂動法による3GHzにおける誘電率を示し、Tanδは、空洞共振器摂動法による3GHzにおける誘電正接を示す]に基づき算出される、誘電特性を示す指標であるE値が0.009未満である。更に、銅箔は、前記ポリイミド絶縁層と接する面の二乗平均粗さ(Rq)が、0.05μm以上0.5μm未満の範囲内である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリイミド絶縁層と銅箔層を有する銅張積層板、並びにこの銅張積層板の銅箔層を配線回路加工したプリント配線板及びその使用方法に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、省スペース化の進展に伴い、薄く軽量で、可撓性を有し、屈曲を繰り返しても優れた耐久性を持つフレキシブルプリント配線板(FPC;Flexible Printed Circuits)の需要が増大している。FPCは、限られたスペースでも立体的かつ高密度の実装が可能であるため、例えば、HDD、DVD、携帯電話等の電子機器の可動部分の配線や、ケーブル、コネクター等の部品にその用途が拡大しつつある。
上述した高密度化に加えて、機器の高性能化が進んだことから、伝送信号の高周波化への対応も必要とされている。情報処理や情報通信においては、大容量情報の伝送・処理するために伝送周波数を高くする取り組みが行われており、プリント基板材料は絶縁層の薄化と絶縁層の低誘電化による伝送損失の低下が求められている。従来のポリイミドを用いたFPCは、ポリイミドの誘電率や誘電正接が高く、高周波域での伝送損失が高いため、高周波化への適応が難しかった。従って、これまでは、高周波化に対応するために、低誘電率、低誘電正接を特徴とした液晶ポリマーを誘電体層としたFPCが主に用いられている。しかしながら、液晶ポリマーは、誘電特性に優れているものの、耐熱性や金属箔との接着性に改善の余地がある。
耐熱性や接着性を改善するため、ポリイミドを絶縁層にした金属張積層体が提案されている(特許文献1)。特許文献1によると、一般的に高分子材料のモノマーに脂肪族系のものを用いることにより誘電率が低下することが知られているが、脂肪族(鎖状)テトラカルボン酸二無水物を用いて得られたポリイミドの耐熱性は著しく低いために、はんだ付けなどの加工に供する事が不可能となり実用上問題がある、とされている。また、特許文献1では、脂環族テトラカルボン酸二無水物を用いると鎖状のものに比べて耐熱性が向上したポリイミドが得られるとしている。しかしながら、このようなポリイミドフィルムは、10GHzにおける誘電率が3.2以下であるものの、誘電正接は0.01を超えるものであり、誘電特性は未だ十分ではなかった。
誘電特性を改善するため、導体回路を形成する銅箔に接するポリイミド層のイミド基濃度を制御した銅張積層板が提案されている(特許文献2)。特許文献2によると、銅箔の表面粗度Rzと銅箔に接する面の低イミド基濃度のポリイミド層の組み合わせによって、誘電特性を制御できるとしているものの、その制御には限界があり、伝送特性も十分に満足できるものではなかった。
特開2004−358961号公報 特許第5031639号公報
本発明は、電子機器の小型化・高性能化に伴う高周波化への対応を可能とする銅張積層板、プリント配線板及びその使用方法を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明者らは、銅箔における表皮効果に着目し、特定の表面状態を有する銅箔を導体層として使用するとともに、特定の誘電特性を有するポリイミドを絶縁層に使用することで、高周波領域における伝送特性に優れたFPC等の回路基板が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の銅張積層板は、ポリイミド絶縁層と、該ポリイミド絶縁層の少なくとも一方の面に銅箔を備えている。本発明の銅張積層板は、前記ポリイミド絶縁層が、下記の構成Ia及びIb:
Ia)熱線膨張係数が0ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内である;
Ib)下記の数式(i)、
=√ε×Tanδ ・・・(i)
[ここで、εは、空洞共振器摂動法による3GHzにおける誘電率を示し、Tanδは、空洞共振器摂動法による3GHzにおける誘電正接を示す]
に基づき算出される、誘電特性を示す指標であるE値が0.009未満である;
を備え、更に、前記銅箔が、下記の構成c:
c)前記ポリイミド絶縁層と接する面の二乗平均粗さ(Rq)が、0.05μm以上0.5μm未満の範囲内である;
を備えている。
本発明の銅張積層板は、前記誘電率が3.1以下であり、前記誘電正接が0.005未満であってもよい。
本発明の銅張積層板は、前記銅箔の前記ポリイミド絶縁層と接する面の算術平均高さ(Ra)が、0.2μm以下であってもよい。
本発明の銅張積層板は、前記銅箔の前記ポリイミド絶縁層と接する面の十点平均粗さ(Rz)が、1.5μm以下であってもよい。
本発明の銅張積層板は、前記ポリイミド絶縁層の10GHzにおける誘電率が3.0以下であり、誘電正接が0.005以下であってもよい。
本発明のプリント配線板は、上記のいずれかの銅張積層板の銅箔を配線回路加工してなるものである。
本発明のプリント配線板の使用方法は、上記プリント配線板を、1GHz〜40GHzの範囲内の周波数領域で使用することが好ましく、1GHz〜20GHzの範囲内の周波数領域で使用することがより好ましい。
本発明の銅張積層板は、銅箔の表皮効果による抵抗の増大を抑制することにより、ポリイミド絶縁層の誘電特性を効果的に活用できるので、高速信号伝送を必要とする電子材料として好適に用いることができる。
実施例1及び参考例1〜3の結果を示すグラフである。 シミュレーション(1)〜(6)の結果を示すグラフである。 シミュレーション(7)〜(12)の結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<銅張積層板>
本実施の形態の銅張積層板は、ポリイミド絶縁層と、該ポリイミド絶縁層の少なくとも一方の面に銅箔層を備えた銅張積層板であって、ポリイミド絶縁層の片面側のみに銅箔を備えた片面銅張積層板であってもよいし、ポリイミド絶縁層の両側に銅箔を備えた両面銅張積層板でもよい。なお、両面銅張積層板は、例えば、片面銅張積層板を形成した後、互いにポリイミド絶縁層を向き合わせて熱プレスによって圧着し形成することや、片面銅張積層板のポリイミド絶縁層に銅箔を圧着し形成すること等により得ることができる。
<ポリイミド絶縁層>
ポリイミド樹脂層を形成するポリイミドとしては、いわゆるポリイミドを含めて、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等の構造中にイミド基を有する耐熱性樹脂がある。
ポリイミド絶縁層は、熱線膨張係数が0〜30ppm/Kの範囲内にあるが、このような範囲内に制御することで、銅張積層板を形成した際の反りや寸法安定性の低下を抑制することができる。また、ポリイミド絶縁層は、単層又は複数層のポリイミド層を有するが、低熱膨張性のポリイミド層は、ベースフィルム層(絶縁樹脂層の主層)としての適用が好適である。具体的には、熱線膨張係数が1×10−6 〜30×10−6(1/K)の範囲内、好ましくは1×10−6 〜25×10−6(1/K)の範囲内、より好ましくは15×10−6 〜25×10−6(1/K)の範囲内にある低熱膨張性のポリイミド層をベースフィルム層に適用すると大きな効果が得られる。一方、上記熱線膨張係数を超えるポリイミド層も、銅箔層との接着層としての適用が好適である。このような接着性ポリイミド層として好適に用いることができるポリイミドとして、そのガラス転移温度が、例えば350℃以下であるものが好ましく、200〜320℃の範囲内にあるものがより好ましい。
ポリイミド絶縁層の厚さは、例えば、6〜50μmの範囲内であるのがよく、好ましくは9〜45μmの範囲内であることがよい。ポリイミド絶縁層の厚さが6μmに満たないと、銅張積層板の製造等における搬送時にシワが入るなどの不具合が生じるおそれがあり、一方ポリイミド絶縁層の厚さが50μmを超えると銅張積層板の製造時の寸法安定性や屈曲性等において問題が生じるおそれがある。なお、複数のポリイミド層からポリイミド絶縁層を形成する場合には、その合計の厚みが上記範囲内になるようにすればよい。
(誘電特性)
ポリイミド絶縁層は、フレキシブル回路基板(以下、「FPC」と記すことがある)等の回路基板に使用した際の高周波域における伝送特性を確保するために、絶縁樹脂層全体として、上記式(i)に基づき算出される、空洞共振器摂動法による3GHzにおける誘電特性を示す指標であるE値が0.009未満であり、好ましくは0.0025〜0.007の範囲内がよく、より好ましくは0.0025〜0.006の範囲内がよい。E値が、上記上限を超えると、FPC等の回路基板に使用した際に、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスなどの不都合が生じやすくなる。
(誘電率及び誘電正接)
ポリイミド絶縁層は、FPC等の回路基板に使用した際に、1〜40HGz帯において、液晶ポリマーを用いて作製した銅張積層板同等レベルの伝送損失とするために、3GHzにおける誘電率(ε)は、好ましくは3.1以下がよく、誘電正接(Tanδ)は、好ましくは0.005未満とすることがよい。ポリイミド絶縁層の3GHzにおける誘電率が3.1を超え、誘電正接が0.005以上であると、FPC等の回路基板に使用した際に、電気信号のロスの不都合が発生しやすくなる。
また、ポリイミド絶縁層は、FPC等の回路基板に使用した際に伝送損失を液晶ポリマー同等レベルに低下させるために、3GHzにおける誘電正接が0.005未満であることが好ましい。ポリイミド絶縁層の3GHzにおける誘電正接が0.005以上になると、FPC等の回路基板に使用した際に、高周波信号の伝送経路上で電気信号のロスが発生する。
更に、ポリイミド絶縁層は、FPC等の回路基板に使用した際に、液晶ポリマーと同等レベルに伝送損失を低下させるには、10GHzにおける誘電率が好ましくは3.0以下であり、誘電正接が0.005以下であることがよい。ポリイミド絶縁層の誘電特性をこのような範囲内に制御することによって、FPC等の回路基板に使用した際の、高周波信号の伝送経路上で伝送ロスを抑制できる。
ポリイミド絶縁層の厚さや物性のコントロールのしやすさから、ポリアミド酸溶液を銅箔上に直接塗布した後、熱処理により乾燥、硬化する所謂キャスト(塗布)法によるものが好ましい。また、ポリイミド絶縁層を複数層とする場合、異なる構成成分からなるポリアミド酸溶液の上に他のポリアミド酸溶液を順次塗布して形成することができる。ポリイミド絶縁層が複数層からなる場合、同一の構成のポリイミド前駆体樹脂を2回以上使用してもよい。
ポリイミド絶縁層を形成するために特に好適なポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸無水物を含む酸無水物成分と、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基が1級のアミノメチル基又はアミノ基に置換されてなるダイマー酸型ジアミン及び芳香族ジアミンを含むジアミン成分と、を反応させて得られるポリイミドであって、前記ダイマー酸型ジアミンが、全ジアミン成分に対し、4〜40モル%の範囲内にあるものが好ましい。
このようなポリイミドは、下記の一般式(1)及び(2)で表される構造単位を有するポリイミドが好ましい。
Figure 2015091644
[式中、Arは芳香族テトラカルボン酸無水物から誘導される4価の芳香族基、Rはダイマー酸型ジアミンから誘導される2価のダイマー酸型ジアミン残基、Rは芳香族ジアミンから誘導される2価の芳香族ジアミン残基をそれぞれ表し、m、nは各構成単位の存在モル比を示し、mは0.04〜0.4の範囲内、nは0.6〜0.96の範囲内である]
基Arは、例えば下記の式(3)又は式(4)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2015091644
[式中、Wは単結合、炭素数1〜15の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−NH−若しくは−CONH−から選ばれる2価の基を示す]
特に、ポリイミドの極性基を減らし、誘電特性を向上させるという観点から、基Arとしては、式(3)、又は式(4)中のWが単結合、炭素数1〜15の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−CO−で表されるものが好ましく、式(3)、又は式(4)中のWが単結合、炭素数1〜15の2価の炭化水素基、−CO−で表されるものがより好ましい。
なお、上記一般式(1)及び(2)で表される構成単位は、単独重合体中に存在しても、共重合体の構成単位として存在してもよい。構成単位を複数有する共重合体である場合は、ブロック共重合体として存在しても、ランダム共重合体として存在してもよい。
ポリイミドは、一般に、酸無水物とジアミンとを反応させて製造されるので、酸無水物とジアミンを説明することにより、ポリイミドの具体例が理解される。上記一般式(1)及び(2)において、基Arは酸無水物の残基ということができ、基R及び基Rはジアミンの残基ということができるので、好ましいポリイミドを酸無水物とジアミンにより説明する。
基Arを残基として有する酸無水物としては、例えば無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシジフタル酸無水物が好ましく例示される。また、酸無水物として、例えば2,2',3,3'-、2,3,3',4'-又は3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3',3,4'-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3'',4,4''-、2,3,3'',4''-又は2,2'',3,3''-p-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)-プロパン二無水物、ビス(2,3-又は3.4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1-ビス(2,3-又は3,4-ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,2,7,8-、1,2,6,7-又は1,2,9,10-フェナンスレン-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)テトラフルオロプロパン二無水物、2,3,5,6-シクロヘキサン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,8-ジメチル-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロナフタレン-1,2,5,6-テトラカルボン酸二無水物、2,6-又は2,7-ジクロロナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-(又は1,4,5,8-)テトラクロロナフタレン-1,4,5,8-(又は2,3,6,7-)テトラカルボン酸二無水物、2,3,8,9-、3,4,9,10-、4,5,10,11-又は5,6,11,12-ペリレン-テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルメタン二無水物等が挙げられる。
基Rはダイマー酸型ジアミンから誘導される2価のダイマー酸型ジアミン残基である。ダイマー酸型ジアミンとは、ダイマー酸の二つの末端カルボン酸基(‐COOH)が、1級のアミノメチル基(‐CH‐NH)又はアミノ基(‐NH)に置換されてなるジアミンを意味する。
ダイマー酸は、不飽和脂肪酸の分子間重合反応によって得られる既知の二塩基酸であり、その工業的製造プロセスは業界でほぼ標準化されており、炭素数が11〜22の不飽和脂肪酸を粘土触媒等にて二量化して得られる。工業的に得られるダイマー酸は、オレイン酸やリノール酸などの炭素数18の不飽和脂肪酸を二量化することによって得られる炭素数36の二塩基酸が主成分であるが、精製の度合いに応じ、任意量のモノマー酸(炭素数18)、トリマー酸(炭素数54)、炭素数20〜54の他の重合脂肪酸を含有する。本発明では、ダイマー酸は分子蒸留によってダイマー酸含有量を90重量%以上にまで高めたものを使用することが好ましい。また、ダイマー化反応後には二重結合が残存するが、本発明では、更に水素添加反応して不飽和度を低下させたものもダイマー酸に含めるものとする。
ダイマー酸型ジアミンの特徴として、ダイマー酸の骨格に由来する特性を付与することができる。すなわち、ダイマー酸型ジアミンは、分子量約560〜620の巨大分子の脂肪族であるので、分子のモル体積を大きくし、ポリイミドの極性基を相対的に減らすことができる。このようなダイマー酸型ジアミンの特徴は、ポリイミドの耐熱性の低下を抑制しつつ、誘電特性を向上させることに寄与すると考えられる。また、2つの自由に動く炭素数7〜9の疎水鎖と、炭素数18に近い長さを持つ2つの鎖状の脂肪族アミノ基とを有するので、ポリイミドに柔軟性を与えるのみならず、ポリイミドを非対象的な化学構造や非平面的な化学構造とすることができるので、ポリイミドの低誘電化を図ることができると考えられる。
ダイマー酸型ジアミンの仕込み量は、全ジアミン成分に対し、4〜40モル%の範囲内、好ましくは4〜30モル%の範囲内、より好ましくは4〜15モル%の範囲内がよい。ダイマー酸型ジアミンが4モル%未満であると、ポリイミドの誘電特性が低下する傾向になり、40モル%を超えると、ポリイミドのガラス転移温度の低下によって耐熱性が悪化する傾向となる。
ダイマー酸型ジアミンは、市販品が入手可能であり、例えばクローダジャパン社製のPRIAMINE1073(商品名)、同PRIAMINE1074(商品名)、コグニスジャパン社製のバーサミン551(商品名)、同バーサミン552(商品名)等が挙げられる。
また、基Rは、例えば下記の式(5)〜式(7)で表されるものを挙げることができる。
Figure 2015091644
[式(5)〜式(7)において、Rは独立に炭素数1〜6の1価の炭化水素基又はアルコキシ基を示し、Zは単結合、炭素数1〜15の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−NH−若しくは−CONH−から選ばれる2価の基を示し、nは独立に0〜4の整数を示す]
特に、ポリイミドの極性基を減らし、誘電特性を向上させるという観点から、基Rとしては、式(5)〜式(7)中のZが単結合、炭素数1〜15の2価の炭化水素基、Rが炭素数1〜6の1価の炭化水素基、nが0〜4の整数であることが好ましい。
基Rを残基として有するジアミンとしては、例えば4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2’-メトキシ-4,4’-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノベンズアニリド、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1-(4-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1-(3-アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'-(4-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、ビス[4,4'-(3-アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、2,2−ビス-[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス-[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-メチレンジ-o-トルイジン、4,4’-メチレンジ-2,6-キシリジン、4,4’-メチレン-2,6-ジエチルアニリン、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルエタン、3,3’-ジアミノジフェニルエタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジメトキシベンジジン、4,4''-ジアミノ-p-テルフェニル、3,3''-ジアミノ-p-テルフェニル、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-[1,4-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'-[1,3-フェニレンビス(1-メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p-β-アミノ-t-ブチルフェニル)エーテル、ビス(p-β-メチル-δ-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(2-メチル-4-アミノペンチル)ベンゼン、p-ビス(1,1-ジメチル-5-アミノペンチル)ベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタレン、2,4-ビス(β-アミノ-t-ブチル)トルエン、2,4-ジアミノトルエン、m-キシレン-2,5-ジアミン、p-キシレン-2,5-ジアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノピリジン、2,5-ジアミノ-1,3,4-オキサジアゾール、ピペラジン等が挙げられる。
ポリイミドの誘電特性を踏まえ、ポリイミドの前駆体の調製に好適に用いられる芳香族テトラカルボン酸無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)等を挙げることができる。その中でも、特に好ましい酸無水物としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)等を挙げることができる。これらの芳香族テトラカルボン酸無水物は、2種以上を組み合わせて配合することもできる。
上記の酸無水物の他、シロキサンテトラカルボン酸二無水物も好適に用いることができ、例えば、下記の一般式(8)で表されるシロキサンテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
Figure 2015091644
[式(8)中、R、R’は独立に3価の炭素数1〜4の脂肪族基又は芳香族基を示し、R〜Rは独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示し、nは1〜50の整数を示すが、平均繰り返し数は1〜20である]
上記の酸無水物の他、シロキサンテトラカルボン酸二無水物も好適に用いることができ、例えば、下記の一般式(9)で表されるシロキサンテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
Figure 2015091644
[式(9)中、R11及びR12は独立に2価の炭化水素基を示し、R〜Rは独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜6の炭化水素基を示し、nは1〜50の整数を示すが、平均繰り返し数は1〜20である]
また、ポリイミドの誘電特性を踏まえ、ポリイミドの前駆体の調製に好適に用いられる芳香族ジアミンとしては、例えば、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノビフェニル(VAB)、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−TB)、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,6,6’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン等を挙げることができる。その中でも、特に好ましいジアミン成分としては、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン(BAPP)、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノビフェニル(VAB)、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(m−TB)等を挙げることができる。これらの芳香族ジアミンは、2種以上を組み合わせて配合することもできる。
上記酸無水物及びジアミンはそれぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。また、上記一般式(1)及び(2)に含まれないその他のジアミン及び酸無水物を上記の酸無水物又はジアミンと共に使用することもでき、この場合、その他の酸無水物又はジアミンの使用割合は好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下とすることがよい。酸無水物及びジアミンの種類や、2種以上の酸無水物又はジアミンを使用する場合のそれぞれのモル比を選定することにより、熱膨張性、接着性、ガラス転移温度等を制御することができる。
一般式(1)及び(2)で表わされる構成単位を有するポリイミドは、上記芳香族テトラカルボン酸無水物、ダイマー酸型ジアミン及び芳香族ジアミンを溶媒中で反応させ、前駆体樹脂を生成したのち加熱閉環させることにより製造できる。例えば、酸無水物成分とジアミン成分をほぼ等モルで有機溶媒中に溶解させて、0〜100℃の範囲内の温度で30分〜24時間撹拌し重合反応させることでポリイミドの前駆体であるポリアミド酸が得られる。反応にあたっては、生成する前駆体が有機溶媒中に5〜30重量%の範囲内、好ましくは10〜20重量%の範囲内となるように反応成分を溶解する。重合反応に用いる有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチル−2−ピロリドン、2−ブタノン、ジメチルスホキシド、硫酸ジメチル、シクロヘキサノン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、トリグライム等が挙げられる。これらの溶媒を2種以上併用して使用することもでき、更にはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の併用も可能である。また、このような有機溶剤の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応によって得られるポリアミド酸溶液(ポリイミド前駆体溶液)の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
合成された前駆体は、通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、前駆体は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。前駆体をイミド化させる方法は、特に制限されず、例えば前記溶媒中で、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜24時間かけて加熱するといった熱処理が好適に採用される。
ポリイミド絶縁層は、必要に応じて、ポリイミド層中に無機フィラーを含有してもよい。具体的には、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して用いることができる。
<銅箔>
本実施の形態の銅張積層板において、銅箔は、ポリイミド絶縁層と接する面の二乗平均粗さ(Rq)が0.05μm以上0.5μm未満の範囲内であり、好ましくは0.1μm以上0.4μm以下の範囲内がよい。ここで定義される二乗平均粗さ(Rq)は、JIS B0601:2001に基づくものである。なお、銅箔の材質は、銅合金であってもよい。
本実施の形態の銅張積層板に使用する銅箔は、上記特性を充足するものであれば特に限定されるものではなく、市販されている銅箔を用いることができる。その具体例としては、圧延銅箔としては、JX日鉱日石金属株式会社製のBHY−22B−T(商品名)、同GHY5−93F−T(商品名)などが挙げられ、電解銅箔としては、古河電気工業株式会社製のF1−WS(商品名)、日本電解株式会社製のHLS(商品名)、同HLS−Type2(商品名)、同HLB(商品名)、JX日鉱日石金属株式会社製のAMFN(商品名)などが挙げられる。
信号配線に高周波信号が供給されている状態では、その信号配線の表面にしか電流が流れず、電流が流れる有効断面積が少なくなって直流抵抗が大きくなり、信号が減衰するという問題(表皮効果)がある。銅箔のポリイミド絶縁層に接する面の表面粗度を下げることで、この表皮効果による信号配線の抵抗増大を抑制できる。しかし、電気性能要求基準を満足させるために表面粗度を下げると、銅箔とポリイミド絶縁層との接着力(剥離強度)が弱くなる。そこで、電気性能要求を満足させることが可能であり、ポリイミド絶縁層との接着性を確保という観点から、表面粗さのパラメータとして、二乗平均粗さ(Rq)を制御することが重要である。すなわち、後述のシミュレーション試験の結果から、二乗平均粗さ(Rq)は、他の表面粗さの指標に比べ、表皮効果によって銅箔表面を流れる電流に対して、銅箔表面の微細な凹凸が与える影響をより的確に反映しているものと推察される。従って、銅箔におけるポリイミド絶縁層と接する面の表面粗さの指標として、二乗平均粗さ(Rq)を使用し、この二乗平均粗さ(Rq)を上記範囲内に規定することによって、ポリイミド絶縁層との接着性の確保と、配線の抵抗増大の抑制というトレード・オフの関係にある要求を同時に満足させることができる。
また、銅箔の絶縁樹脂層に接する面の表面粗度は、算術平均高さRaが0.2μm以下であることが好ましく、十点平均粗さRzが1.5μm以下であることが好ましい。
<プリント配線板>
本実施の形態のプリント配線板は、本実施の形態の銅張積層板の銅箔を常法によってパターン状に加工して配線層を形成することによって、本発明の一実施の形態であるプリント配線板の製造することができる。
以下、代表的にキャスト法の場合を例に挙げて本実施の形態のプリント配線板の製造方法について、具体的に説明する。
まず、銅張積層板の製造方法は、以下の工程(1)〜(3)を含むことができる。
工程(1):
工程(1)は、本実施の形態で用いるポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の樹脂溶液を得る工程である。
工程(2):
工程(2)は、銅箔上に、ポリアミド酸の樹脂溶液を塗布し、塗布膜を形成する工程である。銅箔は、カットシート状、ロール状のもの、又はエンドレスベルト状などの形状で使用できる。生産性を得るためには、ロール状又はエンドレスベルト状の形態とし、連続生産可能な形式とすることが効率的である。さらに、プリント配線板における配線パターン精度の改善効果をより大きく発現させる観点から、銅箔は長尺に形成されたロール状のものが好ましい。
塗布膜を形成する方法は、ポリアミド酸の樹脂溶液を銅箔の上に直接塗布した後に乾燥することで形成できる。塗布する方法は特に制限されず、例えばコンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。
ポリイミド層は、単層でもよいし、複数層からなるものでもよい。ポリイミド層を複数層とする場合、異なる構成成分からなる前駆体の層の上に他の前駆体を順次塗布して形成することができる。前駆体の層が3層以上からなる場合、同一の構成の前駆体を2回以上使用してもよい。層構造が簡単である2層又は単層は、工業的に有利に得ることができるので好ましい。また、前駆体の層の厚み(乾燥後)は、例えば、3〜100μmの範囲内、好ましくは3〜50μmの範囲内にあることがよい。
ポリイミド層を複数層とする場合、銅箔に接するポリイミド層が熱可塑性ポリイミド層となるように前駆体の層を形成することが好ましい。熱可塑性ポリイミドを用いることで、銅箔との密着性を向上させることができる。このような熱可塑性ポリイミドは、ガラス転移温度(Tg)が360℃以下であるものが好ましく、より好ましくは200〜320℃である。
また、単層又は複数層の前駆体の層を一旦イミド化して単層又は複数層のポリイミド層とした後に、更にその上に前駆体の層を形成することも可能である。
工程(3):
工程(3)は、塗布膜を熱処理してイミド化し、ポリイミド絶縁層を形成する工程である。イミド化の方法は、特に制限されず、例えば、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜60分間の範囲内の時間加熱するといった熱処理が好適に採用される。金属層の酸化を抑制するため、低酸素雰囲気下での熱処理が好ましく、具体的には、窒素又は希ガスなどの不活性ガス雰囲気下、水素などの還元ガス雰囲気下、あるいは真空中で行うことが好ましい。熱処理により、塗布膜中のポリアミド酸がイミド化し、ポリイミドが形成される。
以上のようにして、ポリイミド層(単層又は複数層)と銅箔とを有する銅張積層板を製造することができる。
また、回路基板の製造方法は、上記(1)〜(3)の工程に加え、さらに、以下の工程(4)を含むことができる。
工程(4):
工程(4)は、銅張積層板の銅箔をパターニングして配線層を形成する工程である。本工程では、銅箔を所定形状にエッチングすることによってパターン形成し、配線層に加工することによってプリント配線板を得る。エッチングは、例えばフォトリソグラフィー技術などを利用する任意の方法で行うことができる。
なお、以上の説明では、プリント配線板の製造方法の特徴的工程のみを説明した。すなわち、プリント配線板を製造する際に、通常行われる上記以外の工程、例えば前工程でのスルーホール加工や、後工程の端子メッキ、外形加工などの工程は、常法に従い行うことができる。
以上のように、本実施の形態のポリイミド絶縁層及び銅箔を使用することによって、伝送特性に優れた銅張積層板を形成することができる。また、本実施の形態のポリイミド絶縁層及び銅箔を用いることにより、FPCに代表される回路基板において、電気信号の伝送特性を改善し、信頼性を向上させることができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[熱膨張係数(CTE)の測定]
熱膨張係数は、3mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、サーモメカニカルアナライザー(Bruker社製、商品名;4000SA)を用い、5.0gの荷重を加えながら一定の昇温速度で30℃から250℃まで昇温させ、更にその温度で10分保持した後、5℃/分の速度で冷却し、240℃から100℃までの平均熱膨張係数(線熱膨張係数)を求めた。
[ガラス転移温度(Tg)の測定]
ガラス転移温度は、5mm×20mmのサイズのポリイミドフィルムを、粘弾性測定装置(DMA:TAインスツルメント社製、商品名;RSA3)を用いて、30℃から400℃まで昇温速度4℃/分、周波数1Hzで行い、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス転移温度として評価した。
[ピール強度の測定]
ピール強度は、テンシロンテスター(東洋精機製作所社製、商品名;ストログラフVE−10)を用いて、幅1mmのサンプル(基材/樹脂層で構成された積層体)の樹脂層側を両面テープによりアルミ板に固定し、基材を180°方向に50mm/分の速度で、樹脂層と基材を剥離するときの力を求めた。
[誘電率及び誘電正接の測定]
誘電率及び誘電正接は、空洞共振器摂動法誘電率評価装置(Agilent社製、商品名;ベクトルネットワークアナライザE8363B)を用い、所定の周波数における樹脂シート(硬化後の樹脂シート)の誘電率および誘電正接を測定した。なお、測定に使用した樹脂シートは、温度;24〜26℃、湿度;45〜55%の条件下で、24時間放置したものである。
[銅箔の表面粗さの測定]
1)二乗平均粗さ(Rq)の測定
触針式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、商品名;サーフコーダET−3000)を用い、Force;100μN、Speed;20μm、Range;800μmの測定条件によって求めた。なお、表面粗さの算出は、JIS−B0601:2001に準拠した方法により算出した。
2)算術平均高さ(Ra)の測定
触針式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、商品名;サーフコーダET−3000)を用い、Force;100μN、Speed;20μm、Range;800μmの測定条件によって求めた。なお、表面粗さの算出は、JIS−B0601:1994に準拠した方法により算出した。
3)十点平均粗さ(Rz)の測定
触針式表面粗さ計(株式会社小坂研究所製、商品名;サーフコーダET−3000)を用い、Force;100μN、Speed;20μm、Range;800μmの測定条件によって求めた。なお、表面粗さの算出は、JIS−B0601:1994に準拠した方法により算出した。
[伝送特性の評価]
伝送特性の評価は、銅張積層板を回路加工し、特性インピーダンスを50Ωとしたマイクロストリップ線路を回路加工した評価サンプルを使用し、回路加工した側(伝送線路側)の伝送特性を評価した。SOLT法(SHORT−OPEN−LOOD−Thru)にて校正したベクトルネットワークアナライザにより、所定の周波数領域でSパラメータを測定することにより、S21(挿入損失)で評価を行った。
実施例及び比較例に用いた略号は、以下の化合物を示す。
(A)ポリイミド原料
DDA:ダイマー酸型ジアミン(クローダジャパン株式会社製、商品名;PRIAMINE1074、炭素数;36、アミン価;205mgKOH/g、ダイマー成分の含有量;95重量%以上)
m‐TB:2,2’‐ジメチル‐4,4’‐ジアミノビフェニル
BAPP:2,2‐ビス(4‐アミノフェノキシフェニル)プロパン
TPE‐R:1,3‐ビス(4‐アミノフェノキシ)ベンゼン
ワンダミン:4,4’‐ジアミノジシクロヘキシルメタン
BAFL:9,9‐ビス(4‐アミノフェニル)フルオレン
TFMB:2,2’‐ビス(トリフルオロメチル)‐4,4’‐ジアミノビフェニル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DMAc:N,N‐ジメチルアセトアミド
(B)銅箔
銅箔(1):電解銅箔、厚さ;12μm、樹脂積層側の表面粗度Rq;0.14μm、Rz;0.64μm、Ra;0.10μm)
銅箔(2):電解銅箔、厚さ;12μm、樹脂積層側の表面粗度Rq;0.19μm、Rz;1.06μm、Ra;0.16μm)
銅箔(3):電解銅箔、厚さ;12μm、樹脂積層側の表面粗度Rq;0.27μm、Rz;1.36μm、Ra;0.21μm)
銅箔(4):電解銅箔、厚さ;12μm、樹脂積層側の表面粗度Rq;0.35μm、Rz;1.51μm、Ra;0.28μm)
銅箔(5):電解銅箔、厚さ12μm、樹脂積層側の表面粗度Rq;0.5μm、Rz;1.65μm、Ra;0.36μm)
銅箔(6):圧延銅箔、厚さ12μm、樹脂積層側の表面粗度Rq;0.24μm、Rz;1.30μm、Ra;0.18μm)
合成例1
窒素気流下で、300mlのセパラブルフラスコに、2.196gのDDA(0.0041モル)、16.367gのm‐TB(0.0771モル)及び212.5gのDMAcを投入し、室温で撹拌して溶解させた。次に、4.776gのBPDA(0.0162モル)及び14.161gのPMDA(0.0649モル)を添加した後、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、ポリアミド酸溶液aを得た。ポリアミド酸溶液aの溶液粘度は26,000cpsであった。
合成例2〜13
表1及び表2に示す原料組成とした他は、合成例1と同様にしてポリアミド酸溶液b〜mを調製した。
Figure 2015091644
Figure 2015091644
[作製例1]
厚さ18μmの電解銅箔の片面(表面粗さRz;2.1μm)に、合成例1で調製したポリアミド酸溶液aを硬化後の厚みが約25μmとなるように均一に塗布した後、120℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。更に、120℃から360℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結した。得られた金属張積層体について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、ポリイミドフィルム1を得た。なお、ポリイミドフィルム1を構成するポリイミドは、非熱可塑性であった。
ポリイミドフィルム1の熱膨張係数、ガラス転移温度、誘電率及び誘電正接を求めた。各測定結果を表3に示す。
[作製例2〜6]
表3に示すポリアミド酸溶液を使用した他は、作製例1と同様にして、作製例2〜6のポリイミドフィルム2〜6を得た。得られたポリイミドフィルム2〜6の熱膨張係数(CTE)、ガラス転移温度、誘電率及び誘電正接を求めた。各測定結果を表3に示す。
作製例1〜6の結果をまとめて表3に示す。
Figure 2015091644
[作製例7]
厚さ12μmの電解銅箔の片面(表面粗さRz;1.39μm)に、ポリアミド酸溶液hを硬化後の厚みが約2〜3μmとなるように均一に塗布した後、85℃〜110℃まで段階的な加熱処理にて乾燥し溶媒を除去した。次に、その上にポリアミド酸溶液bを硬化後の厚みが、約42〜46μmとなるように均一に塗布し、85℃〜110℃まで段階的な加熱処理にて溶媒を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液hを硬化後の厚みが約2〜3μmとなるように均一に塗布した後、85℃〜110℃まで段階的な加熱処理にて溶媒を除去した。このようにして、3層のポリアミド酸層を形成した後、120℃から320℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結して、金属張積層体7を得た。得られた金属張積層体7について、塩化第二鉄水溶液を用いて銅箔をエッチング除去して、厚さが約50μmのポリイミドフィルム7を得た。得られたポリイミドフィルム7の3GHzにおける誘電率(ε)及び誘電正接(Tanδ)は、それぞれ3.06、0.0029(E=0.0051)であり、10GHzにおける誘電率及び誘電正接は、それぞれ2.86、0.0036であった。
[実施例1]
銅箔2に、ポリアミド酸溶液hを硬化後の厚みが約2〜3μmとなるように均一に塗布した後、85℃〜110℃まで段階的な加熱処理にて乾燥し溶媒を除去した。次に、その上にポリアミド酸溶液bを硬化後の厚みが、約42〜46μmとなるように均一に塗布し、85℃〜110℃まで段階的な加熱処理にて溶媒を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液hを硬化後の厚みが約2〜3μmとなるように均一に塗布した後、85℃〜110℃まで段階的な加熱処理にて溶媒を除去した。このようにして、3層のポリアミド酸層を形成した後、120℃から320℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結して、銅張積層板1’を得た。得られた銅張積層板1’のポリイミド絶縁層側に、銅箔1を重ね合わせ、温度380℃、圧力6.7MPaの条件で15分間熱圧着して、銅張積層板1を得た。得られた銅張積層板1における熱圧着側の銅箔1とポリイミド絶縁層のピール強度は、0.96kN/mであった。銅箔1側をグランド面とし、銅箔2側を信号面として回路加工を行い、伝送特性を評価した。この結果を図1に示す。
[参考例1]
市販の液晶ポリマーフィルム1(厚さ;50μm)の両面に銅箔4を熱圧着した積層板を得た。この積層板における両面の銅箔をグランド面と信号面として回路加工を行い、伝送特性を評価した。この結果を図1に示す。
[参考例2]
市販の液晶ポリマーフィルム2(厚さ;50μm)の両面に銅箔5を熱圧着した積層板を得た。この積層板における両面の銅箔をグランド面と信号面として回路加工を行い、伝送特性を評価した。この結果を図1に示す。
[参考例3]
厚さ50μmの市販のポリイミドフィルム(3GHzにおける誘電率;>3.1、3GHzにおける誘電正接;>0.005)の両面に銅箔5を熱圧着した積層板を得た。この積層板における両面の銅箔をグランド面と信号面として回路加工を行い、伝送特性を評価した。この結果を図1に示す。
実施例1、参考例1〜3の結果を図1に示した。図1より、実施例1は、参考例1との比較において、1〜20GHzの周波数領域では同等以上の伝送特性を示していることが確認される。
[実施例2]
銅箔3に、ポリアミド酸溶液hを硬化後の厚みが約2〜3μmとなるように均一に塗布した後、85℃〜110℃まで段階的な加熱処理にて乾燥し溶媒を除去した。次に、その上にポリアミド酸溶液bを硬化後の厚みが、約42〜46μmとなるように均一に塗布し、85℃〜110℃まで段階的な加熱処理にて溶媒を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液hを硬化後の厚みが約2〜3μmとなるように均一に塗布した後、85℃〜110℃まで段階的な加熱処理にて溶媒を除去した。このようにして、3層のポリアミド酸層を形成した後、120℃から320℃まで段階的な熱処理を行い、イミド化を完結して、銅張積層板2’を得た。得られた銅張積層板2’のポリイミド絶縁層側に、銅箔1を重ね合わせ、温度380℃、圧力6.7MPaの条件で15分間熱圧着して、銅張積層板2を得た。得られた銅張積層板2における熱圧着側の銅箔1とポリイミド絶縁層のピール強度は、0.96kN/mであった。銅箔3側をグランド面とし、銅箔1側を信号面として回路加工を行い、伝送特性を評価した。この結果を図2に示す。
[実施例3]
実施例2と同様にして、銅張積層板3を得た。銅箔1側をグランド面とし、銅箔3側を信号面として回路加工を行い、伝送特性を評価した。この結果を図2に示す。
[シミュレーション試験]
次に、本発明の効果を確認したシミュレーション試験の結果について説明する。ポリイミド絶縁層の3GHzにおける誘電率及び誘電正接をそれぞれ、3.0、0.003に固定し、Rqを0〜1.0に変化させたときの結果を図2に示す。また、ポリイミド絶縁層の3GHzにおける誘電率及び誘電正接をそれぞれ、3.4、0.006に固定し、Rqを0〜1.0に変化させたときの結果を図3に示す。なお、シミュレーション試験において、グランド面と信号面のRqは同一に設定している。
シミュレーション(1)及び(7):Rq=0μm
シミュレーション(2)及び(8):Rq=0.1μm
シミュレーション(3)及び(9):Rq=0.2μm
シミュレーション(4)及び(10):Rq=0.3μm
シミュレーション(5)及び(11):Rq=0.5μm
シミュレーション(6)及び(12):Rq=1.0μm
実施例2及び3、シミュレーション(1)〜(6)の結果を図2に示し、シミュレーション(7)〜(12)の結果を図3に示した。図2より、Rqが0.5μm未満である実施例2及び3、シミュレーション(1)〜(4)に対して、Rqが0.5μm以上であるシミュレーション(5)及び(6)では、伝送損失が大きいことが確認される。また、図3より、Rqの値が小さくなるほど、ほぼ比例関係で伝送特性が良好になることが確認されるが、図2より、シミュレーション(4)及び(5)との間に若干の開きが確認される。従って、ポリイミド絶縁層の誘電特性と銅箔の表面粗さRqの相乗効果があると考えられる。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。

Claims (8)

  1. ポリイミド絶縁層と、該ポリイミド絶縁層の少なくとも一方の面に銅箔を備えた銅張積層板であって、
    前記ポリイミド絶縁層が、下記の構成Ia及びIb:
    Ia)熱線膨張係数が0ppm/K以上30ppm/K以下の範囲内である;
    Ib)下記の数式(i)、
    =√ε×Tanδ ・・・(i)
    [ここで、εは、空洞共振器摂動法による3GHzにおける誘電率を示し、Tanδは、空洞共振器摂動法による3GHzにおける誘電正接を示す]
    に基づき算出される、誘電特性を示す指標であるE値が0.009未満である;
    を備え、更に、前記銅箔が、下記の構成c:
    c)前記ポリイミド絶縁層と接する面の二乗平均粗さ(Rq)が、0.05μm以上0.5μm未満の範囲内である;
    を備えた銅張積層板。
  2. 前記誘電率が3.1以下であり、前記誘電正接が0.005未満である請求項1に記載の銅張積層板。
  3. 前記銅箔の前記ポリイミド絶縁層と接する面の算術平均高さ(Ra)が、0.2μm以下である請求項1又は2に記載の銅張積層板。
  4. 前記銅箔の前記ポリイミド絶縁層と接する面の十点平均粗さ(Rz)が、1.5μm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅張積層板。
  5. 前記ポリイミド絶縁層の10GHzにおける誘電率が3.0以下であり、誘電正接が0.005以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の銅張積層板。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅張積層板の銅箔を配線回路加工してなるプリント配線板。
  7. 請求項6に記載のプリント配線板を、1GHz〜40GHzの範囲内の周波数領域で使用するプリント配線板の使用方法。
  8. 請求項6に記載のプリント配線板を、1GHz〜20GHzの範囲内の周波数領域で使用するプリント配線板の使用方法。
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