JP2015086333A - 熱可塑性セルロースエステル組成物 - Google Patents

熱可塑性セルロースエステル組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】高い熱可塑性を有しており、難燃性、機械的強度、透明性が優れた成形体が得られる熱可塑性セルロースエステル組成物の提供。
【解決手段】(A)セルロースエステルおよび(B)下記式(1)で示されるリン酸エステル化合物を含有する熱可塑性セルロースエステル組成物。
【化1】
Figure 2015086333

(式中、R1およびR2は、各々独立して炭素原子数1〜5の直鎖または分岐状のアルキル基であり、mおよびkは、各々独立して0〜5の整数であり、Aは、炭素原子数1〜5の直鎖または分岐状のアルキレン基であり、qは、1〜5の整数であり、nは、1または2である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性セルロースエステル組成物に関する。
セルロースアセテート等のセルロースエステルは一般的に熱可塑性が乏しいため、通常は可塑剤を含む組成物として使用されている。さらに用途に応じて難燃性が要求される場合には難燃剤が配合される。
特許文献1は、平均置換度2.7以下のセルロースエステル、可塑剤および充填剤で構成された樹脂組成物に関する発明である。可塑剤としては、リン酸エステル等を使用できることが記載されており(段落番号0020)、実施例ではTPP(トリフェニルホスフェート)を使用している。
特許文献2および3には、様々なリン酸エステルがセルロースエステルの難燃剤や可塑剤として使用できることが記載されている。
しかしながら、セルロースエステル組成物の熱可塑性、難燃性、機械的強度および透明性のバランスが、まだ充分ではない。
特開2005−194302号公報 特開平05−271471号公報 特開平09−52979号公報
本発明は、高い熱可塑性を有しており、難燃性、機械的強度、透明性が優れた成形体が得られる熱可塑性セルロースエステル組成物を提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、(A)セルロースエステルおよび(B)下記式(1)で示されるリン酸エステル化合物を含有する熱可塑性セルロースエステル組成物を提供する。
Figure 2015086333
(式中、
1およびR2は、各々独立して炭素原子数1〜5の直鎖または分岐状のアルキル基であり、
mおよびkは、各々独立して0〜5の整数であり、
Aは、炭素原子数1〜5の直鎖または分岐状のアルキレン基であり、
qは、1〜5の整数であり、
nは、1または2である。)
本発明の組成物は、高い熱可塑性を有しており、難燃性、機械的強度、透明性が優れた成形体を得ることができる。
<(A)成分>
本発明の組成物で用いる(A)成分のセルロースエステルは公知のものであり(例えば、特許文献1に記載されているもの)、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等を挙げることができる。
その他、ポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテート、アセチルメチルセルロース、アセチルエチルセルロース、アセチルプロピルセルロース、アセチルヒドロキシエチルセルロース、アセチルヒドロキシプロピルセルロース等も挙げることができる。その中でもセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネートおよびセルロースアセテートブチレートが好ましい。
これらのセルロースエステルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(A)成分のセルロースエステルは、セルロースアセテートが特に好ましい。成形性及び機械的特性の点から、平均置換度は好ましくは2.7以下であり、より好ましくは2〜2.7であり、さらに好ましくは2〜2.5である。
(A)成分のセルロースエステルの重合度は、特に制限されず、粘度平均重合度は好ましくは100〜1000、より好ましくは100〜500であり、さらに好ましくは100〜400である。
<(B)成分>
本発明の組成物で用いる(B)成分は、下記式(1)で示されるリン酸エステル化合物である。
(B)成分は、本発明の組成物から得られる成形体に対して難燃性を付与すると共に、組成物に対して熱可塑性を付与することができる成分である。
Figure 2015086333
式(1)中、R1およびR2は、各々独立して炭素原子数1〜5の直鎖または分岐状のアルキル基であり、好ましくは炭素原子数1〜3の直鎖または分岐状のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素原子数1のアルキル基である。
式(1)中、mおよびkは、各々独立して0〜5の整数であり、好ましくは0〜2の整数であり、さらに好ましくは0である。
式(1)中、Aは、炭素原子数1〜5の直鎖または分岐状のアルキレン基であり、好ましくは炭素原子数2〜4の直鎖または分岐状のアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素原子数2のアルキレン基である。
式(1)中、qは、1〜5の整数であり、好ましくは1〜3の整数であり、さらに好ましくは1である。
式(1)中、nは、1または2であり、好ましくは1である。
本発明の組成物中の(A)成分と(B)成分の含有割合は、組成物の熱可塑性および難燃性の観点から、(A)成分100質量部に対して(B)成分は5〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
<(C)成分>
本発明の組成物は、(C)成分のアジピン酸エステル系化合物を含有することができる。
(C)成分のアジピン酸エステル系化合物は、可塑剤として作用する成分であり、(B)成分と併用することで流動性と衝撃強度をより高めることができる。
(C)成分のアジピン酸エステル系化合物は、アジピン酸と芳香族アルコールとのエステル、アジピン酸と脂肪族アルコールとのエステル、並びにアジピン酸と芳香族アルコールおよび脂肪族アルコールとの混基エステルなどを挙げることができるが、アジピン酸と芳香族アルコールおよび脂肪族アルコールとの混基エステルの単独化合物または混合物が好ましい。
アジピン酸と芳香族アルコールおよび脂肪族アルコールとの混基エステルとしては、ベンジルアルキルジグリコールアジペートが好ましく、ベンジルアルキルジグリコールアジペートを単独で使用してもよいし、ベンジルアルキルジグリコールアジペートを含むアジピン酸と芳香族アルコールとのエステルおよび/またはアジピン酸と脂肪族アルコールとのエステルの混合物を使用してもよい。
ベンジルアルキルジグリコールアジペートを含む混合物を使用するときは、ベンジルアルキルジグリコールアジペートの含有量が35質量%以上であるものが好ましい。
ベンジルアルキルジグリコールアジペートのアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。
また、アルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらにより好ましい。
特に直鎖状の炭素数1〜4のアルキル基を有する、ベンジルメチルジグリコールアジペート、ベンジルエチルジグリコールアジペート、ベンジルn-プロピルジグリコールアジペート、及びベンジルn-ブチルジグリコールアジペートが好ましい。
アジピン酸と脂肪族アルコールとのエステルとしては、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジメトキシエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエトキシエチルなどを挙げることができる。
アジピン酸と芳香族アルコールとのエステルとしては、アジピン酸ジフェニル、アジピン酸ジベンジル、アジピン酸ジクレジルおよびアジピン酸ジキシリルなどを挙げることができる。
本発明の組成物中の(C)成分の含有割合は、(A)成分100質量部に対して(C)成分は3〜40質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
(C)成分を含有するときの(B)成分と(C)成分の合計含有量は、(A)成分100質量部に対して20〜50質量部が好ましく、25〜45質量部がより好ましい。
(C)成分を含有するときの(B)成分と(C)成分の含有割合は、(B)成分30〜70質量%、(C)成分70〜30質量%が好ましく、(B)成分40〜65質量%がより好ましく、(C)成分60〜35質量%がより好ましい。
前記の範囲で(B)成分と(C)成分を含有することで、特に流動性と衝撃強度をバランス良く高めることができる。
また、本発明の組成物は、本願発明の特徴を阻害しない範囲で必要に応じて、その他の公知の可塑剤も含有することができる。
例えば、
芳香族カルボン酸エステル[フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸ジC1-12アルキルエステル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸C1-6アルコキシC1-12アルキルエステル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸C1-12アルキル・アリール−C1-3アルキルエステル、エチルフタリルエチレングリコレート、ブチルフタリルブチレングリコレートなどのC1-6アルキルフタリルC2-4アルキレングリコレート、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシルなどのトリメリット酸トリC1-12アルキルエステル、ピロメリット酸テトラオクチルなどのピロメリット酸テトラC1-12アルキルエステルなど]、
脂肪酸エステル[アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジブチル、アゼライン酸ジオクチルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチルなどのセバシン酸エステル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチルなど]、
多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど)の低級脂肪酸エステル[トリアセチン、ジグリセリンテトラアセテートなど]、
グリコールエステル(ジプロピレングリコールジベンゾエートなど)、
クエン酸エステル[クエン酸アセチルトリブチルなど]、
アミド類[N−ブチルベンゼンスルホンアミドなど]、
エステルオリゴマー(カプロラクトンオリゴマーなど)などを含有してもよい。
これらの可塑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の組成物は、用途に応じて公知の熱可塑性樹脂を含有することができる。
公知の熱可塑性樹脂としては、ABS樹脂、AS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂等を挙げることができる。
公知の熱可塑性樹脂の含有割合は、(A)成分のセルロースエステルとの合計量中、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
本発明の組成物は、さらに必要に応じて充填剤を含有することができる。
充填剤としては、繊維状充填剤、非繊維状充填剤(粉粒状又は板状充填剤など)が含まれ、繊維状充填剤としては、例えば、有機繊維(天然繊維、紙類など)、無機繊維(ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維など)、金属繊維などが挙げられる。これらの繊維状充填剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
非繊維状充填剤としては、例えば、鉱物質粒子(タルク、マイカ、ゼオライト、ケイソウ土、焼成珪成土、カオリン、セリサイト、ベントナイト、スメクタイト、クレー、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、ガラスフレーク、ミルドファイバー、ワラストナイトなど)、ホウ素含有化合物(窒化ホウ素、炭化ホウ素、ホウ化チタンなど)、金属炭酸塩(炭酸マグネシウム、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど)、金属珪酸塩(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、アルミノ珪酸マグネシウムなど)、金属酸化物(アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウムなど)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、金属硫酸塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウムなど)、金属炭化物(炭化ケイ素、炭化アルミニウム、炭化チタンなど)、金属窒化物(窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタンなど)、ホワイトカーボン、各種金属箔などが挙げられる。これらの非繊維状充填剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
充填剤の含有割合は、(A)成分のセルロースエステル100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、より好ましくは5〜40質量部、さらに好ましくは5〜30質量部である。
本発明の組成物は、さらに必要に応じてエポキシ化合物、並びに有機酸、チオエーテルおよび亜リン酸エステル化合物などの安定化剤を含有することができる。
エポキシ化合物としては、例えば、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル化合物、グリシジルエーテル化合物、グリシジルアミン化合物、長鎖脂肪族エポキシ化合物などが挙げられる。これらのエポキシ化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
有機酸としては、pKa値1以上(好ましくは2以上)の弱有機酸が使用され、例えば、モノカルボン酸類[脂肪族カルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸などのC2-10脂肪族カルボン酸など)、脂環族カルボン酸(シクロヘキサンカルボン酸など)、芳香族カルボン酸(安息香酸、ナフトエ酸などのC7-12芳香族ポリカルボン酸など)など]、ポリカルボン酸類[脂肪族飽和ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸などのC2-10脂肪族飽和ポリカルボン酸など)、脂肪族不飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ソルビン酸などのC4-10脂肪族不飽和ポリカルボン酸など)、脂環族ポリカルボン酸(1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などのC8-10脂環族ポリカルボン酸など)、芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、トリメリット酸などのC8-12芳香族ポリカルボン酸など)など]、オキシカルボン酸類[脂肪族オキシカルボン酸(グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸などのC2-10脂肪族オキシカルボン酸など)、芳香族オキシカルボン酸(サリチル酸、オキシ安息香酸、没食子酸などのC7-12芳香族オキシカルボン酸など)など]、オキシポリカルボン酸類[脂肪族オキシポリカルボン酸(酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などのC2-10脂肪族オキシポリカルボン酸など)など]、複素環式カルボン酸(ピリジンカルボン酸など)、芳香族スルホン酸(ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸などのC6-10芳香族ポリカルボン酸など)などが挙げられる。これらの有機酸は、無水物又は水和物であってもよい。これらの有機酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
チオエーテル化合物としては、例えば、ジラウリル−3,3′−チオジブロピオネート、ジトリデシル−3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジパルミチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3′−チオジブロピオネート、ラウリルステアリル−3,3′−チオジプロピオネート、パルミチルステアリル−3,3′−チオジプロピオネートなどのジアルキル−チオジカルボキシレートなどが使用できる。これらのチオエーテル化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
亜リン酸エステル化合物としては、例えば、トリアリールホスファイト(トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスファイト、トリナフチルホスファイトなど)、ジアリールアルキルホスファイト(ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイトなどのジアリールC1-18アルキルホスファイトなど)、アリールジアルキルホスファイト(フェニルジイソオクチルホスファイトなどのアリールC1-18ジアルキルホスファイトなど)、トリアルキルホスファイト(トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ−n−ブチルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリイソデシルホスファイトなどのトリC1-18アルキルホスファイトなど)、ジアルキルホスファイト(ジラウリルホスファイトなどのジC1-18アルキルホスファイトなど)、アルキルアリール単位を含むホスファイト[トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、ジノニルフェニル−o−ビフェニルホスファイトなどのトリス(C1-18アルキル−アリール)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなど]、脂肪族カルボン酸亜リン酸エステル(トリステアリルホスファイトなどのC1-18脂肪族カルボン酸亜リン酸エステルなど)、アルキレンオキシド単位含むホスファイト(ポリジプロピレングリコールノニルフェニルホスフェート、テトラフェニルジプロピレングリコールホスファイトなど)、サイクリックネオペンタン単位を含むホスファイト[サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイトなど]、ジホスファイト類(ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ジドデシルペンタエリスリトールジイソシアネート、4,4′−イソプロピリデンジフェニルジドデシルジホスファイトなど)、トリホスファイト類[ヘプタシスジプロピレングリコールトリホスファイト、ヘキサ・トリデシル−1,1,3−トリ(3−t−ブチル−6−メチル−4−オキシフェニル)−3−メチルプロパントリホスファイト]などが挙げられる。これらの亜リン酸エステル化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の組成物は、用途に応じて慣用の添加剤、例えば、他の安定化剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、耐光安定剤など)、着色剤(染料、顔料など)、(B)成分以外の難燃剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、分散剤、流動化剤、ドリッピング防止剤、抗菌剤等を含んでいてもよい。
本発明の組成物は、例えば、各成分をタンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー、ニーダーなどの混合機を用いて乾式又は湿式で混合して調製してもよい。
さらに、前記混合機で予備混合した後、一軸又は二軸押出機などの押出機で混練してペレットに調製する方法、加熱ロールやバンバリーミキサー等の混練機で溶融混練して調製する方法を適用することができる。
本発明の組成物は、射出成形、押出成形、真空成形、異型成形、発泡成形、インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成形、ガス注入成形等によって各種成形品に成形することができる。
本発明の組成物から得られる成形体は、難燃性や機械的強度が優れていることから、例えば、OA・家電機器分野、電気・電子分野、通信機器分野、サニタリー分野、自動車等の輸送車両分野、家具・建材等の住宅関連分野、雑貨分野等の各パーツ、ハウジングなどに使用することができる。
また本発明の(A)および(B)成分、または(A)、(B)および(C)成分からなる組成物から得られる成形体は、難燃性や機械的強度と共に、実施例に記載の方法で測定される全光線透過率を80%以上にすることができるため、従来の用途で透明性や意匠性が要求される用途にも使用することができる。
また本発明の(A)および(B)成分、または(A)、(B)および(C)成分からなる組成物に対して他の任意成分を配合することで、難燃性、機械的強度および透明性のレベルを調整しながら、さらに用途範囲を広げることができる。例えば、無機充填剤などの他の添加剤を配合することで、成形体としては不透明であるが、難燃性レベルを維持したまま、機械的強度を高めることができる。
本発明を以下の実施例、比較例および製造例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。
製造例1((C)成分のベンジルメチルジグリコールアジペート)
温度計、攪拌機、コンデンサーおよび水分け装置を備えた1リットルの四つ口フラスコにアジピン酸146.1g(1モル)、ベンジルアルコール 129.8g(1.2モル)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル144.2g(1.2モル)、パラトルエンスルホン酸0.95g、トルエン120gを入れ、水分け装置を用いて生成する水を抜き出しながら、8時間還流して反応させた。
炭酸ナトリウム2.9gと水を用いて中和した後、水洗、脱溶剤、水蒸気蒸留にて残存溶剤、残存アルコールを除去し、酸価0.03KOHmg/gのベンジルメチルジグリコールアジペートを収率96.9%で得た。
製造例2((B)成分の2−フェノキシエチルジフェニルホスフェート)
温度計、攪拌機、コンデンサー、塩化水素回収装置、および減圧装置を備えた1リットルの四つ口フラスコにDPC268.5g(1モル、大八化学工業(株)製)、2−フェノキシエタノール138.0g(1モル)、塩化マグネシウム0.24g、トルエン92gを入れ、塩化水素回収装置で発生する塩化水素を回収しながら、100℃で常圧条件下2時間撹拌した後、120℃で67kPaの減圧条件下で撹拌して反応させた。
得られた反応混合物を希塩酸で洗浄後、中和、水洗、脱溶剤、水蒸気蒸留にて残存溶剤などを除去し、酸価0.02KOHmg/gの2−フェノキシエチルジフェニルホスフェートを収率94%で得た。
実施例および比較例
ヘンシェルミキサーを用いて、ミキサー内の摩擦熱で70℃以上となるように表1に示す各成分からなる組成物を攪拌混合した後、二軸押出機(シリンダー温度:200℃、ダイス温度:220℃)に供給し、押し出してペレット化した。
得られたペレットを、射出成形機に供給して、シリンダー温度210℃、金型温度50℃、成形サイクル30秒(射出15秒、冷却時間15秒)の条件で試験片を射出成形して、各評価試験に使用した。
<使用成分>
(A)成分
セルロースアセテート:(株)ダイセル製、商品名「L50」、置換度2.5、粘度平均重合度180
(B)成分
(B−1)製造例2で得た2−フェノキシエチルジフェニルホスフェート(式(1)において、mおよびk=0、A=エチレン基、q=1、n=1)
(B)成分の比較成分
(B−2)商品名「PX−200」,縮合型リン酸エステル,大八化学工業(株)製
(B−3)商品名「CR−741」,縮合型リン酸エステル,大八化学工業(株)製
(B−4)商品名「PX−110」、モノマー型リン酸エステル、大八化学工業(株)製
(B−2)、(B−3)、(B−4)は、いずれも難燃剤として汎用されているものである。
(C)成分
製造例1で得たベンジルメチルジグリコールアジペート
<測定方法>
(1)熱可塑性の評価
(株)東洋精機製作所製のバッチ式混練装置”ラボプラストミル“に、表1に示す各成分を投入し、設定温度210℃、ブレードの回転数100r/m、混練時間3分の条件で混練した。この混練過程において熱可塑性の評価を行った。
熱可塑性は、上記条件で混練後の状態を目視で観察して、混練物が均一な塊状になっている場合を「○」(熱可塑性あり)と評価し、混練物が塊状になっておらず、セルロースアセテートが粉体のままである場合を「×」(熱可塑性なし)と評価した。
(2)MFR
ISO1133に基づいて、200℃、荷重5kgで測定した。
(3)引張強さ
ISO527に準拠して、試験片の引張強さを測定した(引張強さ単位:MPa)。
(4)曲げ強さ・曲げ弾性率
ISO178に準拠して測定した(単位:MPa)。
(5)シャルピー衝撃
ISO179/1eAに準拠して測定した(単位:KJ/m2
(6)加熱変形温度(HDT)
ISO75に準拠し、荷重1.80MPaで測定した(単位:℃)。
(7)透明性(全光線透過率)
ASTM D1003に準じて試験片(3mm厚み)の全光線透過率を測定した(単位:%)
(8)燃焼試験
UL−94に規定されている垂直燃焼試験を行った。試験片の厚さは1.5mmである。
Figure 2015086333
実施例1、2と実施例3〜6との対比から明らかなとおり、(B)成分を使用することによって、セルロースエステルに可塑剤を配合しない場合でも、難燃性と熱可塑性の両方が優れている組成物を得ることができた。
また実施例3〜6から明らかなとおり、可塑剤として作用する(C)成分のアジピン酸エステル系化合物を使用することによって、(B)成分の含有量を減らした場合でも、高い流動性と衝撃強度を得ることができた。
比較例1、2、3から明らかなとおり、難燃剤として公知のリン酸エステルを使用した場合には、熱可塑性が得られず、成形することができなかった。

Claims (5)

  1. (A)セルロースエステルおよび(B)下記式(1)で示されるリン酸エステル化合物を含有する熱可塑性セルロースエステル組成物。
    Figure 2015086333
    (式中、
    1およびR2は、各々独立して炭素原子数1〜5の直鎖または分岐状のアルキル基であり、
    mおよびkは、各々独立して0〜5の整数であり、
    Aは、炭素原子数1〜5の直鎖または分岐状のアルキレン基であり、
    qは、1〜5の整数であり、
    nは、1または2である。)
  2. (A)成分100質量部に対して(B)成分5〜50質量部を含有する、請求項1記載の熱可塑性セルロースエステル組成物。
  3. さらに(A)成分100質量部に対して(C)アジピン酸エステル系化合物を3〜40質量部含有する請求項1または2記載の熱可塑性セルロースエステル組成物。
  4. (A)成分のセルロースエステルが、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートから選ばれるものである請求項1〜3のいずれか1項記載の熱可塑性セルロースエステル組成物。
  5. (A)成分のセルロースエステルが、置換度2.7以下のセルロースアセテートである、請求項1〜4のいずれか1項記載の熱可塑性セルロースエステル組成物。
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