JP6170654B2 - 熱可塑性セルロースエステル組成物 - Google Patents
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Description
セルロースエステル用として代表的なリン酸エステル系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート(TPP)と芳香族縮合リン酸エステルが挙げられる。
その他、ポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテート、アセチルメチルセルロース、アセチルエチルセルロース、アセチルプロピルセルロース、アセチルヒドロキシエチルセルロース、アセチルヒドロキシプロピルセルロース等も挙げることができる。
(A)成分のセルロースエステルの重合度は、粘度平均重合度が100〜1000、好ましくは100〜500程度である。
(B)成分の一般式(I)で表されるリン酸エステルは公知のものであり、特許文献2(特開2003−261711号公報)において難燃剤として記載されているものである。
(B)成分の一般式(I)で表されるリン酸エステルは、n=1のリン酸エステルを含む混合物であり、前記混合物中のn=1のリン酸エステルの割合がHPLC(高速液体クロマトグラフィー)による測定で80面積%以上であるものが好ましい。
HPLCは次の条件で測定する。
カラム:東ソー株式会社製、ODS−80TM
溶離液:メタノール90体積%−水10体積%
検知器の波長:254nm
(C)成分の芳香族リン酸エステル系難燃剤としては、芳香族縮合リン酸エステルが好ましく、例えば大八化学工業(株)製の商品名「PX−200」、商品名「CR−741」を使用することができる。
(B)成分50〜80質量%が好ましく、55〜70質量%がより好ましく、
(C)成分50〜20質量%が好ましく、45〜30質量%がより好ましい。
(C)成分を含有するときの割合は、(A)成分100質量部に対して(C)成分1〜20質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。
(D)成分のエステル系可塑剤としては、
芳香族カルボン酸エステル[フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸ジC1-12アルキルエステル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸C1-6アルコキシC1-12アルキルエステル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸C1-12アルキル・アリール−C1-3アルキルエステル、エチルフタリルエチレングリコレート、ブチルフタリルブチレングリコレートなどのC1-6アルキルフタリルC2-4アルキレングリコレート、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシルなどのトリメリット酸トリC1-12アルキルエステル、ピロメリット酸テトラオクチルなどのピロメリット酸テトラC1-12アルキルエステルなど]、
脂肪酸エステル[アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ブトキシエトキシエチル・ベンジル、アジピン酸ジブトキシエトキシエチルなどのアジピン酸エステル、アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジブチル、アゼライン酸ジオクチルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチルなどのセバシン酸エステル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチルなど]、
多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど)の低級脂肪酸エステル[トリアセチン、ジグリセリンテトラアセテートなど]、
グリコールエステル(ジプロピレングリコールジベンゾエートなど)、
クエン酸エステル[クエン酸アセチルトリブチルなど]、
エステルオリゴマー(カプロラクトンオリゴマーなど)などを挙げることができる。
(D)成分としては、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、グリセリンエステル、クエン酸エステルから選ばれるものが好ましい。
(B)成分20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、
(D)成分80〜10質量%が好ましく、70〜20質量%がより好ましい。
(B)成分と(D)成分が上記割合であると、流動性を高めることができるため、射出成形性を高める観点から好ましい。
(D)を含有するときの割合は、(A)成分100質量部に対して(D)成分5〜40質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。
充填剤としては、繊維状充填剤、非繊維状充填剤(粉粒状又は板状充填剤など)が含まれ、例えば、特許文献1(特開2005−194302号公報)の段落番号0025〜0032に記載のものを挙げることができる。
充填剤の含有割合は、(A)成分100質量部に対して、5〜50質量部が好ましい。
さらに、前記混合機で予備混合した後、一軸又は二軸押出機などの押出機で混練してペレットに調製する方法、加熱ロールやバンバリーミキサー等の混練機で溶融混練して調製する方法を適用することができる。
熱可塑化の評価:
(株)東洋精機製作所製のバッチ式混練装置”ラボプラストミル“に、表1に示す成分を投入し、設定温度210℃、ブレードの回転数100r/m、混練時間3分の条件で混練した。この混練過程において熱可塑化の評価を行った。
物性評価:
物性評価は、ヘンシェルミキサーを用いて、ミキサー内の摩擦熱で70℃以上となるように攪拌混合したものを二軸押出機(シリンダー温度:200℃、ダイス温度:220℃)に供給し、押し出してペレット化した。
得られたペレットを、射出成形機に供給して、シリンダー温度200℃、金型温度50℃、成形サイクル30秒(射出15秒、冷却時間15秒)の条件で試験片を射出成形した。得られた試験片について、特性評価を行った結果を表1に示す。
なお、比較例1、2は、熱可塑化試験の評価からも確認できるとおり、熱可塑化できず、ペレット化することができなかった。
セルロースアセテート:(株)ダイセル製、商品名「L50」、置換度2.5、粘度平均重合度180
<(B)成分>
特開2003−261711号公報の合成例1(表2)のリン酸エステルを使用した。
<(C)成分>
下記に示す商品名PX−200、商品名CR−741(いずれも大八化学工業(株)製)
商品名「DRA150」(トリアセチン)(ジグリセリンテトラアセテート):(株)ダイセル製
商品名「シトロフレックスA−2」(クエン酸アセチルトリエチル):森村商事(株)社製
熱可塑化は、上記条件で混練後の状態を目視で観察して、混練物が均一な塊状になっている場合を「○」(熱可塑性あり)と表示し、混練物が塊状になっておらず、セルロースアセテートが粉体のままである場合を「×」(熱可塑性なし)と表示した。
ISO 1133に基づいて、温度220℃及び荷重10kgで測定した。
ISO527に準拠して、試験片の引張強さおよび引張呼び歪みを測定した(引張強さ単位:MPa、呼び歪み単位:%)。
ISO178に準じて測定した(単位:MPa)。
ISO178に準拠し、曲げ弾性率を測定した(単位:MPa)。
ISO179/1eAに準じてシャルピー衝撃強さ(kJ/m2)を測定した(単位:KJ/m2)。
ISO75に準拠し、荷重1.80MPaで測定した(単位:℃)。
UL−94に規定されている垂直燃焼試験を行った。試験片の厚さは3mmである。
そして、表1の比較例1、2から確認できるとおり、(A)成分のセルロースエステルに対して本発明の(B)成分とは異なる公知の難燃剤を配合した場合には、全く熱可塑性を付与することができず、成形することができなかった。
実施例6から確認できるとおり、(B)及び(C)成分を組み合わせることで、実施例1と比べると流動性を高めることができ、一部の機械的強度も高めることができた。
実施例4、5から確認できるとおり、(B)及び(D)成分を組み合わせることで、流動性とシャルピー衝撃強さを高めることができた。
Claims (4)
- (A)成分100質量部に対して(B)成分5〜50質量部を含有する、請求項1記載の熱可塑性セルロースエステル組成物。
- さらに(A)成分100質量部に対して(C)芳香族リン酸エステル系難燃剤((B)成分を含まない)を1〜20質量部含有しており、
(B)成分と(C)成分の合計量中、(C)成分の含有割合が20〜50質量%である、請求項1又は2記載の熱可塑性セルロースエステル組成物。 - さらに(D)リン酸エステルを除くエステル系可塑剤を含有しており、
(D)成分の可塑剤の含有量が(A)成分100質量部に対して5〜40質量部である、請求項1〜3のいずれか1項記載の熱可塑性セルロースエステル組成物。
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