JP2014009295A - セルロースエステル組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、セルロースエステル組成物に関する。
セルロースアセテート等のセルロースエステルは一般的に熱可塑性が乏しいため、通常は可塑剤を含む組成物として使用されている。
特許文献1は、脂肪酸セルロースエステル系樹脂組成物に関する発明であり、公知の可塑剤を配合できることが記載されている(段落番号0023)。
特許文献2は、平均置換度2.7以下のセルロースエステル、可塑剤及び充填剤で構成された樹脂組成物に関する発明である。可塑剤としては、リン酸エステル等を使用できることが記載されている(段落番号0020)。
特許文献1は、脂肪酸セルロースエステル系樹脂組成物に関する発明であり、公知の可塑剤を配合できることが記載されている(段落番号0023)。
特許文献2は、平均置換度2.7以下のセルロースエステル、可塑剤及び充填剤で構成された樹脂組成物に関する発明である。可塑剤としては、リン酸エステル等を使用できることが記載されている(段落番号0020)。
本発明は、高い熱可塑性を有するセルロースエステル組成物を提供することを課題とする。
本発明は、(A)セルロースエステル100質量部に対して、(B)下記式(I)で表されるリン酸エステル混合物からなる可塑剤1〜50質量部を含有するセルロースエステル組成物を提供する。
(一般式(I)で表されるリン酸エステル混合物中、nは0、1、2から選ばれる数であり、n=1のリン酸エステルの含有割合がHPLC(高速液体クロマトグラフィー)により測定して90面積%以上であり、n=0のリン酸エステルの含有割合が5面積%以下である。)
本発明のセルロースエステル組成物は、高い熱可塑性を有している。
本発明の組成物は、セルロースエステルと上記一般式(I)で表されるリン酸エステル混合物からなる可塑剤を含むものである。
一般式(I)で表されるリン酸エステル混合物は、一般式(I)中のnは0、1、2から選ばれる数であり、n=1のリン酸エステルの含有割合がHPLCで測定して90面積%以上、n=0のリン酸エステルの含有割合が5面積%以下のものであり、n=2のリン酸エステルは残部割合となる。なお、一般式(I)で表されるリン酸エステル混合物中、nが3以上のものがごく少量含まれてもよい。
一般式(I)中、n=1のリン酸エステルの含有割合が90面積%以上であると、熱可塑性を高めることができる。
一般式(I)中、n=0のリン酸エステル(トリフェニルフォスフェイト;TPP)は、樹脂に対する可塑化効果は高いものの、環境への悪影響(魚毒性等)防止や射出成形時の金型汚染防止の観点から5面積%以下であり、できるだけ少ないことが望ましい。また、5面積%を超えると、成形後の成形品の変形や寸法変化が問題となる。
一般式(I)で表されるリン酸エステル混合物からなる可塑剤は、製造例に記載の方法で製造することができる。
一般式(I)で表されるリン酸エステル混合物は、一般式(I)中のnは0、1、2から選ばれる数であり、n=1のリン酸エステルの含有割合がHPLCで測定して90面積%以上、n=0のリン酸エステルの含有割合が5面積%以下のものであり、n=2のリン酸エステルは残部割合となる。なお、一般式(I)で表されるリン酸エステル混合物中、nが3以上のものがごく少量含まれてもよい。
一般式(I)中、n=1のリン酸エステルの含有割合が90面積%以上であると、熱可塑性を高めることができる。
一般式(I)中、n=0のリン酸エステル(トリフェニルフォスフェイト;TPP)は、樹脂に対する可塑化効果は高いものの、環境への悪影響(魚毒性等)防止や射出成形時の金型汚染防止の観点から5面積%以下であり、できるだけ少ないことが望ましい。また、5面積%を超えると、成形後の成形品の変形や寸法変化が問題となる。
一般式(I)で表されるリン酸エステル混合物からなる可塑剤は、製造例に記載の方法で製造することができる。
本発明の組成物で用いる(A)成分のセルロースエステルは公知のものであり(例えば、特許文献1、2に記載されているもの)、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートを挙げることができる。
その他、ポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテート、アセチルメチルセルロース、アセチルエチルセルロース、アセチルプロピルセルロース、アセチルヒドロキシエチルセルロース、アセチルヒドロキシプロピルセルロース等も挙げることができる。
その他、ポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテート、アセチルメチルセルロース、アセチルエチルセルロース、アセチルプロピルセルロース、アセチルヒドロキシエチルセルロース、アセチルヒドロキシプロピルセルロース等も挙げることができる。
(A)成分のセルロースエステルは、平均置換度が2.7以下のセルロースアセテートが好ましい。
(A)成分のセルロースエステルの重合度は、粘度平均重合度が100〜1000、好ましくは100〜500である。
(A)成分のセルロースエステルの重合度は、粘度平均重合度が100〜1000、好ましくは100〜500である。
本発明の組成物中の(A)成分と(B)成分の含有割合は、(A)成分100質量部に対して、(B)成分が1〜50質量部であり、好ましくは5〜30質量部である。
本発明の組成物は、用途に応じて公知の熱可塑性樹脂を含有することができる。
公知の熱可塑性樹脂としては、ABS樹脂、AS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂等を挙げることができる。
公知の熱可塑性樹脂の含有割合は、(A)成分のセルロースエステルとの合計量中、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
公知の熱可塑性樹脂としては、ABS樹脂、AS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂等を挙げることができる。
公知の熱可塑性樹脂の含有割合は、(A)成分のセルロースエステルとの合計量中、40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
本発明の組成物には、一般式(II)で表されるリン酸エステルを除く、公知の可塑剤も含有することができる。
例えば、
芳香族カルボン酸エステル[フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸ジC1-12アルキルエステル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸C1-6アルコキシC1-12アルキルエステル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸C1-12アルキル・アリール−C1-3アルキルエステル、エチルフタリルエチレングリコレート、ブチルフタリルブチレングリコレートなどのC1-6アルキルフタリルC2-4アルキレングリコレート、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシルなどのトリメリット酸トリC1-12アルキルエステル、ピロメリット酸テトラオクチルなどのピロメリット酸テトラC1-12アルキルエステルなど]、
脂肪酸エステル[アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ブトキシエトキシエチル・ベンジル、アジピン酸ジブトキシエトキシエチルなどのアジピン酸エステル、アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジブチル、アゼライン酸ジオクチルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチルなどのセバシン酸エステル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチルなど]、
多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど)の低級脂肪酸エステル[トリアセチン、ジグリセリンテトラアセテートなど]、
グリコールエステル(ジプロピレングリコールジベンゾエートなど)、
クエン酸エステル[クエン酸アセチルトリブチルなど]、
アミド類[N−ブチルベンゼンスルホンアミドなど]、
エステルオリゴマー(カプロラクトンオリゴマーなど)などを含有してもよい。
これらの可塑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
例えば、
芳香族カルボン酸エステル[フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシルなどのフタル酸ジC1-12アルキルエステル、フタル酸ジメトキシエチルなどのフタル酸C1-6アルコキシC1-12アルキルエステル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸C1-12アルキル・アリール−C1-3アルキルエステル、エチルフタリルエチレングリコレート、ブチルフタリルブチレングリコレートなどのC1-6アルキルフタリルC2-4アルキレングリコレート、トリメリット酸トリメチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ2−エチルヘキシルなどのトリメリット酸トリC1-12アルキルエステル、ピロメリット酸テトラオクチルなどのピロメリット酸テトラC1-12アルキルエステルなど]、
脂肪酸エステル[アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ブトキシエトキシエチル・ベンジル、アジピン酸ジブトキシエトキシエチルなどのアジピン酸エステル、アゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジブチル、アゼライン酸ジオクチルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチルなどのセバシン酸エステル、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチルなど]、
多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど)の低級脂肪酸エステル[トリアセチン、ジグリセリンテトラアセテートなど]、
グリコールエステル(ジプロピレングリコールジベンゾエートなど)、
クエン酸エステル[クエン酸アセチルトリブチルなど]、
アミド類[N−ブチルベンゼンスルホンアミドなど]、
エステルオリゴマー(カプロラクトンオリゴマーなど)などを含有してもよい。
これらの可塑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の組成物は、さらに充填剤を含有することができる。
充填剤としては、繊維状充填剤、非繊維状充填剤(粉粒状又は板状充填剤など)が含まれ、例えば、特許文献2(特開2005−194302号公報)の段落番号0025〜0032に記載のものを挙げることができる。
充填剤の含有割合は、(A)成分のセルロースエステル100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、より好ましくは5〜40質量部、さらに好ましくは5〜30質量部である。
充填剤としては、繊維状充填剤、非繊維状充填剤(粉粒状又は板状充填剤など)が含まれ、例えば、特許文献2(特開2005−194302号公報)の段落番号0025〜0032に記載のものを挙げることができる。
充填剤の含有割合は、(A)成分のセルロースエステル100質量部に対して、5〜50質量部が好ましく、より好ましくは5〜40質量部、さらに好ましくは5〜30質量部である。
本発明の組成物は、特許文献2(特開2005−194302号公報)の段落番号0035〜0042に記載のエポキシ化合物、段落番号0043〜0052に記載の有機酸、チオエーテル、亜リン酸エステル化合物等の安定化剤を含有することができる。
本発明の組成物は、用途に応じて、慣用の添加剤、例えば、他の安定化剤(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、耐光安定剤など)、着色剤(染料、顔料など)、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、分散剤、流動化剤、ドリッピング防止剤、抗菌剤等を含んでいてもよい。
本発明の組成物は、例えば、各成分をタンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー、ニーダーなどの混合機を用いて乾式又は湿式で混合して調製してもよい。
さらに、前記混合機で予備混合した後、一軸又は二軸押出機などの押出機で混練してペレットに調製する方法、加熱ロールやバンバリーミキサー等の混練機で溶融混練して調製する方法を適用することができる。
さらに、前記混合機で予備混合した後、一軸又は二軸押出機などの押出機で混練してペレットに調製する方法、加熱ロールやバンバリーミキサー等の混練機で溶融混練して調製する方法を適用することができる。
本発明の組成物は、射出成形、押出成形、真空成形、異型成形、発泡成形、インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成形、ガス注入成形等によって各種成形品に成形することができる。
本発明の組成物は、例えば、OA・家電機器分野、電気・電子分野、通信機器分野、サニタリー分野、自動車等の輸送車両分野、家具・建材等の住宅関連分野、雑貨分野等の各パーツ、ハウジング等に使用することができる。
製造例1(一般式(I)で表されるリン酸エステルの製造)
温度計、滴下漏斗を装着した200 ml三つ口フラスコ中に、窒素雰囲気下、アセトニトリル100 ml、レゾルシノール 5.0 gとピリジン9.0 gを入れ、40℃で攪拌した。ここにジフェニルリン酸クロライド26.8 gを20分間で滴下して、40℃で4時間反応させた。
反応混合物を白色固体が析出し始めるまで減圧濃縮した後、酢酸エチル150 mlを加え、水150 mlで2回、2規定塩酸150 mlで2回、10 % 炭酸ナトリウム水溶液150 mlで1回の順に洗浄した。
有機層から目的物を再結晶させて吸引濾過により白色固体として式(I)で表されるリン酸エステルを回収した(収率 90 %,一般式(I)中、n=1の割合が96.4面積%,n=0の割合が1.5面積%、n=2の割合が1.5面積%、n=3以上の割合が0.6面積%)。
温度計、滴下漏斗を装着した200 ml三つ口フラスコ中に、窒素雰囲気下、アセトニトリル100 ml、レゾルシノール 5.0 gとピリジン9.0 gを入れ、40℃で攪拌した。ここにジフェニルリン酸クロライド26.8 gを20分間で滴下して、40℃で4時間反応させた。
反応混合物を白色固体が析出し始めるまで減圧濃縮した後、酢酸エチル150 mlを加え、水150 mlで2回、2規定塩酸150 mlで2回、10 % 炭酸ナトリウム水溶液150 mlで1回の順に洗浄した。
有機層から目的物を再結晶させて吸引濾過により白色固体として式(I)で表されるリン酸エステルを回収した(収率 90 %,一般式(I)中、n=1の割合が96.4面積%,n=0の割合が1.5面積%、n=2の割合が1.5面積%、n=3以上の割合が0.6面積%)。
なお、一般式(I)のn=0、1、2のリン酸エステルの含有割合の測定は、次の方法で行った。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)分析により得られたクロマトグラムのピーク面積比から含有割合を決定した。
カラム:東ソー株式会社製、ODS−80TM
溶離液:メタノール90体積%−水10体積%
検知器の波長:254nm
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)分析により得られたクロマトグラムのピーク面積比から含有割合を決定した。
カラム:東ソー株式会社製、ODS−80TM
溶離液:メタノール90体積%−水10体積%
検知器の波長:254nm
製造例2
温度計、塩化水素回収装置を接続したコンデンサーを装着した500ml三つ口フラスコ中に、窒素雰囲気下、レゾルシノール55.1g(0.5モル)、オキシ塩化燐429.3g(2.8モル)、塩化マグネシウム0.7gを入れ、3時間かけて105℃まで昇温して反応させた。発生した塩化水素は回収装置にて回収した。
その後、105℃を維持したまま1.7kPaまで減圧し過剰のオキシ塩化燐を回収し、1,3-フェニレンビス(ジクロロホスフェート)を主成分とする生成物を得た。室温まで冷却した後、窒素雰囲気下、183.4g(1.95モル)のフェノールを追加した。4時間かけて140℃まで昇温して反応させ、さらに140℃で1時間維持して反応を完結させた。発生した塩化水素は回収装置にて回収した。
反応生成物を1規定の塩酸で洗浄して触媒を除去し、次いで炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、さらに湯洗いを2回行うことで酸性不純物を除去した。水蒸気トッピングを行い過剰のフェノール等を除去し、次のリン酸エステル210.4g(収率80.1%)を得た。
一般式(I)中、n=1の割合が83.8 面積%,n=2の割合が13.4 面積%、n=0の割合が0.8面積%、n=3以上の割合が2.0面積%。
温度計、塩化水素回収装置を接続したコンデンサーを装着した500ml三つ口フラスコ中に、窒素雰囲気下、レゾルシノール55.1g(0.5モル)、オキシ塩化燐429.3g(2.8モル)、塩化マグネシウム0.7gを入れ、3時間かけて105℃まで昇温して反応させた。発生した塩化水素は回収装置にて回収した。
その後、105℃を維持したまま1.7kPaまで減圧し過剰のオキシ塩化燐を回収し、1,3-フェニレンビス(ジクロロホスフェート)を主成分とする生成物を得た。室温まで冷却した後、窒素雰囲気下、183.4g(1.95モル)のフェノールを追加した。4時間かけて140℃まで昇温して反応させ、さらに140℃で1時間維持して反応を完結させた。発生した塩化水素は回収装置にて回収した。
反応生成物を1規定の塩酸で洗浄して触媒を除去し、次いで炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、さらに湯洗いを2回行うことで酸性不純物を除去した。水蒸気トッピングを行い過剰のフェノール等を除去し、次のリン酸エステル210.4g(収率80.1%)を得た。
一般式(I)中、n=1の割合が83.8 面積%,n=2の割合が13.4 面積%、n=0の割合が0.8面積%、n=3以上の割合が2.0面積%。
製造例3
温度計、塩化水素回収装置を接続したコンデンサーを装着した500ml三つ口フラスコ中に、窒素雰囲気下、レゾルシノール55.1g(0.5モル)、オキシ塩化燐858.6g(5.6モル) 、塩化マグネシウム0.7gを入れ、3時間かけて105℃まで昇温して反応させた。発生した塩化水素は回収装置にて回収した。
その後、105℃を維持したまま10kPaまで 減圧して過剰のオキシ塩化燐を回収し、1,3-フェニレンビス(ジクロロホスフェート)を主成分とする生成物を得た。室温まで冷却した後、窒素雰囲気下、198.2g(2.11モル) のフェノールを追加した。4時間かけて140℃まで昇温して反応させ、さらに140℃で1時間維持し反応を完結させた。発生した塩化水素は回収装置にて回収した。
反応生成物を1規定の塩酸で洗浄し触媒を除去、次いで炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、さらに湯洗いを2回行うことで酸性不純物を除去した。水蒸気トッピングを行い過剰のフェノール等を除去し、次のリン酸エステル311.5g(収率83.2%)を得た。
一般式(I)中、n=1の割合が85.1面積%、n=0の割合が11.3面積%、n=2の割合が3.0面積%、n=3以上の割合が0.6面積%。
温度計、塩化水素回収装置を接続したコンデンサーを装着した500ml三つ口フラスコ中に、窒素雰囲気下、レゾルシノール55.1g(0.5モル)、オキシ塩化燐858.6g(5.6モル) 、塩化マグネシウム0.7gを入れ、3時間かけて105℃まで昇温して反応させた。発生した塩化水素は回収装置にて回収した。
その後、105℃を維持したまま10kPaまで 減圧して過剰のオキシ塩化燐を回収し、1,3-フェニレンビス(ジクロロホスフェート)を主成分とする生成物を得た。室温まで冷却した後、窒素雰囲気下、198.2g(2.11モル) のフェノールを追加した。4時間かけて140℃まで昇温して反応させ、さらに140℃で1時間維持し反応を完結させた。発生した塩化水素は回収装置にて回収した。
反応生成物を1規定の塩酸で洗浄し触媒を除去、次いで炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、さらに湯洗いを2回行うことで酸性不純物を除去した。水蒸気トッピングを行い過剰のフェノール等を除去し、次のリン酸エステル311.5g(収率83.2%)を得た。
一般式(I)中、n=1の割合が85.1面積%、n=0の割合が11.3面積%、n=2の割合が3.0面積%、n=3以上の割合が0.6面積%。
実施例1、比較例1〜3
(株)東洋精機製作所製のバッチ式混練装置"ラボプラストミル“に表1に示すセルロースアセテートと、式(I)のリン酸エステル、比較用成分を投入し、設定温度210℃、ブレードの回転数100r/m、混練時間5分の条件で混練して各組成物を得た。
実施例1、比較例1、2で得られた組成物については、プレス成形機を用い、設定温度210℃で、3.2mm厚の板状サンプルを作製した。その板状サンプルからUL-94規定の試験片を切出して試験用サンプルとした。
(株)東洋精機製作所製のバッチ式混練装置"ラボプラストミル“に表1に示すセルロースアセテートと、式(I)のリン酸エステル、比較用成分を投入し、設定温度210℃、ブレードの回転数100r/m、混練時間5分の条件で混練して各組成物を得た。
実施例1、比較例1、2で得られた組成物については、プレス成形機を用い、設定温度210℃で、3.2mm厚の板状サンプルを作製した。その板状サンプルからUL-94規定の試験片を切出して試験用サンプルとした。
(熱可塑性)
熱可塑性は、上記条件で混練中および混練後の状態を観察して評価した。
混練物が均質な塊状になっている場合を「○」(熱可塑性あり)と表示し、混練物の一部のみ塊状になっている場合を「△」(熱可塑性不十分)と表示し、混練物が塊状になっておらず、セルロースアセテートが粉体のままである場合を「×」(熱可塑性なし)と表示した。
熱可塑性は、上記条件で混練中および混練後の状態を観察して評価した。
混練物が均質な塊状になっている場合を「○」(熱可塑性あり)と表示し、混練物の一部のみ塊状になっている場合を「△」(熱可塑性不十分)と表示し、混練物が塊状になっておらず、セルロースアセテートが粉体のままである場合を「×」(熱可塑性なし)と表示した。
(透明性)
ISO13468−1に準拠し、3mm厚の平板の全光線透過率を測定した。
全光線透過率が50%以上の場合「○」、50%未満の場合「×」と表示した。
ISO13468−1に準拠し、3mm厚の平板の全光線透過率を測定した。
全光線透過率が50%以上の場合「○」、50%未満の場合「×」と表示した。
(湿熱処理による変形)
熱プレスで80×50×2(mm)の試験片を複数枚作製し、65℃×85%RH・300時間処理したときの変形の程度について、湿熱処理後のものと湿熱処理していないものとを直接対比して、目視で判断した。
○:変形が全くないか、ほとんどない。
×;明らかに変形している。
熱プレスで80×50×2(mm)の試験片を複数枚作製し、65℃×85%RH・300時間処理したときの変形の程度について、湿熱処理後のものと湿熱処理していないものとを直接対比して、目視で判断した。
○:変形が全くないか、ほとんどない。
×;明らかに変形している。
(難燃性)
UL−94に規定されている垂直燃焼試験を行った。試験片の厚さは3.2mmである。
UL−94に規定されている垂直燃焼試験を行った。試験片の厚さは3.2mmである。
(A)成分
セルロースアセテート:(株)ダイセル製、商品名「L50」、置換度2.5、粘度平均重合度180
(B)成分
製造例1のリン酸エステル、
セルロースアセテート:(株)ダイセル製、商品名「L50」、置換度2.5、粘度平均重合度180
(B)成分
製造例1のリン酸エステル、
(B)成分の比較成分
製造例2、3のリン酸エステル、大八化学工業(株)から難燃剤として販売されている商品名PX−200を使用した。PX−200の構造を下記式に示す。
製造例2、3のリン酸エステル、大八化学工業(株)から難燃剤として販売されている商品名PX−200を使用した。PX−200の構造を下記式に示す。
本発明の一般式(I)のリン酸エステル混合物からなる可塑剤(製造例1の可塑剤)をセルロースアセテートに配合することによって、熱可塑性および難燃性を付与することができた。
製造例2の可塑剤を使用した比較例1では、熱可塑性が劣り、成形体の透明性も劣っていた。
製造例3の可塑剤を使用した比較例2では、湿熱条件下での形状安定性において劣っていた。
市販のリン酸エステル系難燃剤を使用した比較例3では、熱可塑性が付与できず、塊状の混練物を得ることができなかったため、試験用サンプルが作製できず、難燃性試験を実施できなかった。
製造例2の可塑剤を使用した比較例1では、熱可塑性が劣り、成形体の透明性も劣っていた。
製造例3の可塑剤を使用した比較例2では、湿熱条件下での形状安定性において劣っていた。
市販のリン酸エステル系難燃剤を使用した比較例3では、熱可塑性が付与できず、塊状の混練物を得ることができなかったため、試験用サンプルが作製できず、難燃性試験を実施できなかった。
Claims (4)
- (A)成分のセルロースエステルが、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートから選ばれるものである請求項1記載のセルロースエステル組成物。
- (A)成分のセルロースエステルが、置換度2.7以下のセルロースアセテートである、請求項1記載のセルロースエステル組成物。
- さらに充填剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載のセルロースエステル組成物。
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2012
- 2012-06-29 JP JP2012147121A patent/JP2014009295A/ja active Pending
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