JP2015086276A - 二軸配向ポリエステルフィルムおよび磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カルボキシル末端基濃度が10〜30eq/ton以下であり、幅方向の湿度膨張係数が0〜6ppm/%RH、幅方向の厚み斑が10%以下、幅方向のヤング率が7GPa以上、フィルム厚みが6μm以下である二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】 図1
Description
二軸配向ポリエステルフィルムの幅方向の寸法安定性を向上させるためにポリマーアロイや共重合などによりフィルムの湿度膨張係数を低減する技術が開発されてきた(特許文献1〜3)。これらの技術は、フィルムの走行性と平滑性を両立したり、更なる高密度化記録を達成するためにフィルムを薄くし、高強度化し湿度膨張係数を低減させる目的で、二軸配向度を高くすると、温度に対する寸法安定性が著しく悪化したり、製膜時の過度の延伸により厚み斑が発生しやすく、製膜時のフィルム破れが多発し、安定に二軸配向フィルムが製造できずに、また、磁気記録媒体の製造工程では、二軸配向ポリエステルフィルムの微細な厚み斑がフィルムの場所による熱収縮のバラツキを生じさせ磁気記録媒体の表面性が悪化するなどの問題がある。
(2)長手方向の動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)のピーク温度が125〜180℃であることを特徴とする、上記(1)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(3)100℃で30分間処理した時の幅方向の熱収縮率が0.3〜1.5%であることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(4)微小融解ピーク温度(T−meta)が160〜210℃であり、長手方向の屈折率(nMD)と幅方向の屈折率(nTD)と厚み方向の屈折率(nZD)の平均で示される平均屈折率(n_bar)が1.590〜1.680であることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(5)平均粒径が0.060〜0.60μmの不活性粒子を0.02〜0.5質量%含有する層を少なくとも1層有することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(6)長手方向のヤング率が3.5〜5GPaであることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(7)塗布型デジタル記録方式の磁気記録媒体用ベースフィルムとして用いることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
(8)上記(6)または(7)に記載の二軸配向ポリエステルフィルムをベースフィルムとして用いたことを特徴とする磁気記録媒体。
本発明のポリエチレンテレフタレートをポリマーアロイとする場合、他の熱可塑性樹脂は、ポリエステルと相溶するポリマーが好ましく、ポリエーテルイミド樹脂などがより好ましい。ポリエーテルイミド樹脂としては、例えば以下で示すものを用いることができる。
上記R1、R2としては、例えば、下記式群に示される芳香族残基を挙げることができる。
このポリエーテルイミドは、“ウルテム”の商品名で、SABICイノベーティブプラスチック社より入手可能であり、「Ultem(登録商標)1000」、「Ultem(登録商標)1010」、「Ultem(登録商標)1040」、「Ultem(登録商標)5000」、「Ultem(登録商標)6000」および「Ultem(登録商標)XH6050」シリーズや「Extem(登録商標) XH」および「Extem(登録商標) UH」の登録商標名等で知られているものである。
POxHyMz ・・・(I)
(ここで、xは2〜4の整数、yは1または2、zは1または2であり、Mはアルカリ金属である。)
緩衝剤の含有量は、0.1モル/t以上5.0モル/t以下であることが好ましい。更に好ましくは0.2モル/t以上3.0モル/t以下である。0.1モル/t以上であると、カルボキシル末端基濃度を本発明の下限以上に調節しやすくなり、製膜時に幅方向の高配向化が進みやすくなる。5.0モル/t以下であると、過剰なアルカリ金属によって分解反応が促進されることはなく、分子量が低下しにくくなり、延伸工程において十分な分子鎖の絡み合いが得られやすく、延伸応力の分散が効率的に出来やすく、延伸破れも発生しにくくなる。また、寸法安定性、機械特性の低下も起こりにくい傾向にある。
本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、長手方向のヤング率が3.5〜5GPaがより好ましい。長手方向のヤング率が上記範囲内であると、磁気記録媒体用に用いた場合に磁気記録媒体の保管時の張力による保存安定性がより良好となる。5GPa以下であると、二軸配向ポリエステルフィルムの製膜時のMD延伸倍率を大きく上げることは必要でなく、製膜性が安定しやすい。長手方向のヤング率のさらに好ましい範囲は3.5〜4.5GPa、さらにより好ましい範囲は3.8〜4.4GPaである。長手方向のヤング率はMD延伸倍率で制御することができる。MD倍率が高いほどMDヤング率が高くなる。
強磁性金属粉末 : 100質量部
変成塩化ビニル共重合体 : 10質量部
変成ポリウレタン : 10質量部
ポリイソシアネート : 5質量部
2−エチルヘキシルオレート : 1.5質量部
パルミチン酸 : 1質量部
カーボンブラック : 1質量部
アルミナ : 10質量部
メチルエチルケトン : 75質量部
シクロヘキサノン : 75質量部
トルエン : 75質量部
(バックコートの組成)
カーボンブラック(平均粒径20nm) : 95質量部
カーボンブラック(平均粒径280nm): 10質量部
アルミナ : 0.1質量部
変成ポリウレタン : 20質量部
変成塩化ビニル共重合体 : 30質量部
シクロヘキサノン : 200質量部
メチルエチルケトン : 300質量部
トルエン : 100質量部
磁気記録媒体は、例えば、データ記録用途、具体的にはコンピュータデータのバックアップ用途(例えばリニアテープ式の記録媒体(LTO4やLTO5など))や映像などのデジタル画像の記録用途などに好適に用いることができる。
本発明における特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次の通りである。
原料チップまたはフィルムサンプルをベンジルアルコール/クロロホルム(質量比7/3)混合溶液に完全溶解させ、指示薬としてフェノールレッドを用いた。これを基準液(0.025Nの水酸化カリウム溶液(エタノール溶液))を用いて滴定し、その滴定量よりカルボキシル末端基濃度(eq/ton)を求めた。
フィルムの幅方向に対して、下記条件にて測定を行い、3回の測定結果の平均値を本発明における湿度膨張係数とする。
試料サイズ:フィルム長手方向10mm×フィルム幅方向12.6mm
荷重:0.5g
測定回数:3回
測定温度:30℃
測定湿度:40%RHで6時間保持し寸法を測定し時間40分で80%RHまで昇湿し、80%RHで6時間保持したあと支持体幅方向の寸法変化量ΔL(mm)を測定する。次式から湿度膨張係数(ppm/%RH)を算出する。
アンリツ製フィルムシックネステスタKG601A及び電子マイクロメーターK306Cを用いて、フィルム長手方向に1m長、50mm幅でサンプリングした。サンプル幅に対して中央部(C)および両エッジ部からそれぞれ15mmの地点(C1、C2)の合計3点について、フィルムの長手方向に沿って連続的に厚みを測定し、その最大値Ta、最小値Tb,平均値Tcから次式により算出した。なお、フィルム厚みは平均値Tcとした。
(4)屈折率
JIS−K7142(2008年)に従って、下記測定器を用いて測定した。
光源:ナトリウムD線
測定温度:25℃
測定湿度:65%RH
マウント液:ヨウ化メチレン、屈折率1.74以上の場合は硫黄ヨウ化メチレンを用いた。
複屈折Δn=(nMD−nTD)
nMD;フィルム長手方向の屈折率
nTD;フィルム幅方向の屈折率
nZD;フィルム厚み方向の屈折率
(5)ヤング率
ASTM−D882(1997年)に準拠してフィルムのヤング率を測定した。なお、インストロンタイプの引張試験機を用い、条件は下記のとおりとした。5回の測定結果の平均値を本発明におけるヤング率とした。
試料サイズ:
フィルム幅方向のヤング率測定の場合
フィルム長手方向2mm×フィルム幅方向12.6mm
(つかみ間隔はフィルム幅方向に8mm)
フィルム長手方向のヤング率測定の場合
フィルム幅方向2mm×フィルム長手方向12.6mm
(つかみ間隔はフィルム長手方向に8mm)
引張り速度:1mm/分
測定環境:温度23℃、湿度65%RH
測定回数:5回。
(6)長手方向の動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)のピーク温度
JIS−K7244(1999年)に従って、セイコーインスツルメンツ社製の動的粘弾性測定装置”DMS6100”を用いて求めた。サンプルサイズは幅4mm×長さ50mmとして、フィルムの長手方向が50mmとなるようにサンプルを整えチャック間距離が20mmとなるようにセットしチャックからはみ出したフィルムは取り除いた。引張モード、駆動周波数は1Hz、チャック間距離は20mm、昇温速度は2℃/minの測定条件にて、各フィルムの粘弾性特性の温度依存性を測定した。この測定結果から、tanδが極大となるときの温度をそのフィルムのtanδのピーク温度と定義した。
(7)熱収縮率
フィルムをMD方向あるいはTD方向に幅10mm長さ300mmに切り、150mm間隔にマーキングし支持板に一定張力(5g)下で固定した後、マーキング間隔の原長a(mm)を測定する。次に、無荷重下で100℃の熱風オーブン中で30分間静置処理し、原長測定と同様にしてマーキング間隔b(mm)を測定する。下記の式により熱収縮率を求め、5本の平均値を用いる。
(8)微小融解ピーク温度(T−meta)
JIS−K7121(1987年)に従って、示差走査熱量計として、セイコーインスツルメンツ社製DSC(RDC220)、データ解析装置として同社製ディスクステーション(SSC/5200)を用いて、試料5mgをアルミニウム製受皿上、25℃から300℃まで、昇温速度20℃/分で昇温した。そのとき、観測される融解の吸熱ピークのピーク温度を融点(Tm)、Tmより低温側に現れる微小吸熱ピーク温度をT−metaとした。Tmのピーク面積から算出される熱量を融解熱量ΔHmとする。
(9)不活性粒子の平均粒径
フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍で観察する。この時、写真上で1cm以下の粒子が確認できた場合はTEM観察倍率を5万倍に変えて観察する。TEMの切片厚さは約100nmとし、場所を変えて100視野測定し、写真に撮影された単分散した粒子全てについて等価円相当径をもとめ、その平均を不活性粒子の平均粒径とした。ここで、1万倍で観察した写真上に不定形の凝集粒子が確認できた場合、これは粒子の平均粒径の計算には含めないこととした。
(10)不活性粒子の含有量
ポリマー1gを1N−KOHメタノール溶液200mlに投入して加熱還流し、ポリマーを溶解した。溶解が終了した該溶液に200mlの水を加え、ついで該液体を遠心分離器にかけて粒子を沈降させ、上澄み液を取り除いた。粒子にはさらに水を加えて洗浄、遠心分離を2回繰り返した。このようにして得られた粒子を乾燥させ、その質量を量ることで粒子の含有量を算出した。
(11)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃の温度で測定した溶液粘度から、下式に基づいて、固有粘度[η]を計算した。
ηsp/C=[η]+K[η]2×C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1であり、Cは溶媒100mlあたりの溶解ポリマー質量(g/100ml、通常1.2)であり、Kはハギンス定数(0.343とした)である。また、溶液粘度と溶媒粘度は、オストワルド粘度計を用いて測定した。
(12)ろ波中心線うねり Wc
ISO4287−1997に従って、小坂研究所製のsurf−corder ET−4000Aを用いて、ろ波中心線うねりWcを測定した。条件は下記のとおりであり、10回の測定の平均値をもって値とした。
解析ソフト:i−star
触針先端半径:0.5μm
測定長 :0.5mm
針圧 :50μN
カットオフ値:高域−0.08mm、低域−0.8mm
レベリング:直線(全域)
フィルター:ガウス
倍率 縦×20万倍 横×500倍
(13)幅寸法安定性
1m幅にスリットしたフィルムを、張力200Nで搬送させ、支持体の一方の表面に下記に従って磁性塗料および非磁性塗料を重層塗布し12.65mm幅にスリットし、パンケーキを作成する。次いで、このパンケーキから長さ200m分をカセットに組み込んで、磁気テープとした。
磁性層形成用塗布液
バリウムフェライト磁性粉末 100部
(板径:20.5nm、板厚:7.6nm、
板状比:2.7、Hc:191kA/m(≒2400Oe)
飽和磁化:44Am2/kg、BET比表面積:60m2/g)
ポリウレタン樹脂 12部
質量平均分子量 10,000
スルホン酸官能基 0.5meq/g
α−アルミナ HIT60(住友化学社製) 8部
カーボンブラック #55(旭カーボン社製)
粒子サイズ0.015μm 0.5部
ステアリン酸 0.5部
ブチルステアレート 2部
メチルエチルケトン 180部
シクロヘキサノン 100部
非磁性層形成用塗布液
非磁性粉体 α酸化鉄 100部
平均長軸長0.09μm、
BET法による比表面積 50m2/g
pH 7
DBP吸油量 27〜38ml/100g
表面処理層Al2O3 8質量%
カーボンブラック 25部
“コンダクテックス”(登録商標)SC−U
(コロンビアンカーボン社製)
塩化ビニル共重合体 MR104(日本ゼオン社製) 13部
ポリウレタン樹脂 UR8200(東洋紡社製) 5部
フェニルホスホン酸 3.5部
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 2部
メチルエチルケトン 205部
シクロヘキサノン 135部
上記の塗布液のそれぞれについて、各成分をニ−ダで混練した。1.0mmφのジルコニアビーズを分散部の容積に対し65%充填する量を入れた横型サンドミルに、塗布液をポンプで通液し、2,000rpmで120分間(実質的に分散部に滞留した時間)、分散させた。得られた分散液にポリイソシアネ−トを非磁性層の塗料には5.0部、磁性層の塗料には2.5部を加え、さらにメチルエチルケトン3部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
レーザー発振器1、受光部2:レーザー寸法測定機 キーエンス社製LS−5040
荷重検出器3:ロードセル NMB社製CBE1−10K
恒温恒湿槽:(株)カトー社製SE−25VL−A
荷重4:分銅(長手方向)
試料サイズ:幅1/2inch×長さ250mm
保持時間:5時間
測定回数:3回測定。
2つの条件でそれぞれ幅寸法(LA、LB)を測定し、次式にて寸法変化率を算出した。具体的には、次の基準で幅寸法安定性を評価した。
B条件:29℃80%RH 張力0.5N
幅寸法変化率(ppm)=106×((LB−LA)/LA)
◎◎:幅寸法変化率の最大値が450(ppm)未満
◎:幅寸法変化率の最大値が450(ppm)以上500(ppm)未満
○:幅寸法変化率の最大値が500(ppm)以上600(ppm)未満
△:幅寸法変化率の最大値が600(ppm)以上700(ppm)未満
×:幅寸法変化率の最大値が700(ppm)以上
(14)保存安定性
上記(13)と同様に、作製したカセットテープのカートリッジからテープを取り出し、次の2つの条件でそれぞれ幅寸法(LC、LD)を測定し、次式にて幅寸法変化率を算出した。
◎:幅寸法変化率の最大値が50(ppm)未満
○:幅寸法変化率の最大値が50(ppm)以上100(ppm)未満
△:幅寸法変化率の最大値が100(ppm)以上150(ppm)未満
×:幅寸法変化率の最大値が150(ppm)以上
(15)製膜安定性
フィルムの製膜性について、下記の基準で評価した。
回転型真空重合装置を用いて、上記のPETペレット(原料−1)を0.1kPaの減圧下230℃の温度で長時間加熱処理し、固相重合を行った(原料−1k)。加熱処理時間が長いほど固有粘度は高くなる。処理時間が1時間で固有粘度が0.60、5時間で固有粘度が0.70、15時間で固有粘度が0.80である。
押出機E1、E2の2台を用い、280℃に加熱された押出機E1には、A層原料として、固相重合を4時間実施したPETペレット(原料−1k)を84質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、平均粒径0.30μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2a)10質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1k)を94質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。
表1および2に示すように、PETペレット(原料−1)の固有粘度、固相重合の時間を変更したPETペレット(原料−1k)をA,B層に用いた。また、A層の積層厚み、TD延伸2温度を変更した以外は全て実施例1と同様にして厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
表1および2に示すように、PETペレット(原料−1)の固有粘度、固相重合の時間を変更したPETペレット(原料−1k)をA,B層に用いた。また、A層の積層厚み、熱固定温度を変更した以外は全て実施例1と同様にして厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
A層原料として、固相重合を15時間実施したPETペレット(原料−1k)を91.5質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、平均粒径0.45μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2b)を2.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1k)を94質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製し、TD延伸2温度を表2の通りに変更した以外は実施例1と同様にして厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
A層原料として、固相重合を4時間実施したPETペレット(原料−1k)を91.5質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、平均粒径0.45μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2b)を2.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1k)を94質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製し、延伸条件を表2の通りに変更して厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
押出機E1、E2の2台を用い、280℃に加熱された押出機E1には、A層原料として、固相重合を3時間実施したPETペレット(原料−1k)88.5質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、平均粒径0.30μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2a)5質量部、平均粒径0.45μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2b)を0.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1k)を94質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。延伸条件を表2に示した通りに変更して厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
A層原料として、固相重合を8時間実施したPETペレット(原料−1k)を用いた。A層積層厚みを表1に示した通りに変更した以外は実施例6と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
A層原料として、固相重合を4時間実施したPETペレット(原料−1k)88.5質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、平均粒径0.30μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2a)5質量部、平均粒径0.45μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2b)を0.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1k)を94質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。延伸条件を表2に示した通りに変更して厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
押出機E1、E2の2台を用い、280℃に加熱された押出機E1には、A層原料として、実施例3で用いたPETペレット(原料−1k)を76.5質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、平均粒径0.1μmのコロイダルシリカ粒子含有ペレット(原料−2e)を10質量部 平均粒径0.30μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2a)を7.5質量部を配合し180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1k)94質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部を配合し180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し積層未延伸フィルムを作製した。延伸条件を表2に示した通りに変更して厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
A層原料として、実施例4で用いたPETペレット(原料−1k)を76.5質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、平均粒径0.10μmのコロイダルシリカ粒子含有ペレット(原料−2e)を10質量部 平均粒径0.30μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2a)を7.5質量部を配合し180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1k)94質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部を配合し180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し積層未延伸フィルムを作製した。延伸条件を表2の通りに変更して厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
A層原料として、実施例1で用いた酢酸マグネシウム四水和物の添加量を0.6質量部に変更した以外は同様の方法でエステル交換反応を行い、交換反応が終了した反応内容物を重合装置へ移行し、反応系を230℃から最終重合温度を290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を0.1kPaまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに90分とした。最終温度、最終圧力に到達した後、2時間(重合を始めて3.5時間)反応させ、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートのPETペレットを作成(原料−1)し、該PETペレット(原料−1)を91.5質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、平均粒径0.45μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2b)を2.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1)を94質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製し、延伸条件を表2の通りに変更して厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
A層原料として、実施例1で用いたリン酸トリメチルの5質量%エチレングリコール溶液を1質量部(リン酸トリメチルとして0.05質量部)に変更し、リン酸二水素ナトリウム2水和物は添加しなかった。
A層原料として実施例2で用いたPETペレット(原料−1k)を91.5質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、平均粒径0.45μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2b)を2.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1)を94質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製し、延伸条件を表2の通りに変更して厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
延伸条件を表2の通り変更する以外は、全て実施例2と同様にして二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
A層原料として、固相重合を30時間実施したPETペレット(原料−1k)88.5質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部、平均粒径0.30μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2a)5質量部、平均粒径0.45μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2b)を0.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1k)を94質量部、2成分組成物ペレット(原料−3)6質量部を配合し、180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。延伸条件を表2の通りに変更して厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
A層原料として、実施例2で用いたPETペレット(原料−1k)94.5質量部、平均粒径0.30μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2a)5質量部、平均粒径0.45μmの架橋ポリスチレン粒子含有ペレット(原料−2b)を0.5質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。同じく280℃に加熱された押出機E2には、B層原料として、A層で用いたPETペレット(原料−1k)を100質量部を180℃で3時間減圧乾燥した後に供給した。これらを2層積層するべくTダイ中で積層厚み比(A層|B層)=1|10とし、B層側がキャストドラム面側になるように合流させ、表面温度25℃のキャストドラムに静電荷を印加させながら密着冷却固化し、積層未延伸フィルムを作製した。延伸条件を表2に示した通りに変更してこの積層未延伸フィルムをロール式延伸機にて長手方向に延伸(MD延伸1)した後、得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、長手方向に直角な幅方向に延伸し(TD延伸1)、さらに続いて同時二軸延伸式ステンターに導き長手方向幅方向に同時に1.7倍づつ延伸した(MD延伸2・TD延伸2)。引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで熱処理を施し、さらに120℃の温度で徐冷処理を行い厚さ4.8μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
2:受光部
3:荷重検出器
4:荷重
5:フリーロール
6:フリーロール
7:フリーロール
8:フリーロール
9:磁気テープ
10:レーザー光
Claims (8)
- カルボキシル末端基濃度が10〜30eq/ton以下であり、幅方向の湿度膨張係数が0〜6ppm/%RH、幅方向の厚み斑が10%以下、幅方向のヤング率が7GPa以上、フィルム厚みが6μm以下である二軸配向ポリエステルフィルム。
- 長手方向の動的粘弾性測定における損失正接(tanδ)のピーク温度が125〜180℃であることを特徴とする請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 100℃で30分間処理した時の幅方向の熱収縮率が0.3〜1.5%であることを特徴とする請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 微小融解ピーク温度(T−meta)が160〜210℃であり、長手方向の屈折率(nMD)と幅方向の屈折率(nTD)と厚み方向の屈折率(nZD)の平均で示される平均屈折率(n_bar)が1.590〜1.680であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 平均粒径が0.060〜0.60μmの不活性粒子を0.02〜0.5質量%含有する層を少なくとも1層有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 長手方向のヤング率が3.5〜5GPaであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 塗布型デジタル記録方式の磁気記録媒体用ベースフィルムとして用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
- 請求項6または7に記載の二軸配向ポリエステルフィルムをベースフィルムとして用いたことを特徴とする磁気記録媒体。
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