JP2015086252A - 樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

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圭太 秋葉
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利春 蔵田
勝典 今野
Katsunori Konno
勝典 今野
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宝晃 岡田
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Abstract

【課題】低環境負荷であり、耐熱性に優れる樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供すること。
【解決手段】(A)スチレン系樹脂1〜99質量部および(B)D−乳酸成分の比率が2.5モル%以下のポリ乳酸1〜99質量部の合計100質量部に対して、(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体1〜10質量部および(D)結晶化核剤0.1〜5質量部とからなる樹脂組成物を構成とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、低環境負荷であり、耐熱性に優れた樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供する。
近年、地球温暖化の問題から二酸化炭素の低減が求められており、見かけ上二酸化炭素を排出しない「カーボンニュートラル」な材料としてバイオマスプラスチックが注目されている。中でも、とうもろこし、キャッサバ、さとうきび等から得られるでん粉を原料とし、でんぷんの発酵によって得られた乳酸モノマーを重合させたポリ乳酸は早くから実用化され、その生産量も多い。しかしながら、ポリ乳酸は耐熱性および成形性に劣るため、その用途は、食品容器、食品包装等の用途に限定されてしまう。
そこで、上記ポリ乳酸の問題点を改善するため、従来の石油系樹脂とのポリマーアロイが近年検討されている。
石油系樹脂の中でも、スチレン系樹脂は成形性に優れており、その用途は多岐にわたる。その中で、汎用ポリスチレンやゴム変性ポリスチレンは、容器、包装、日用雑貨等の分野で幅広く使用され、難燃性を付与させた難燃ポリスチレンはパーソナルコンピュータ、プリンター、複写機等のOA機器、TV、オーディオ等の家電製品等の分野で使用されている。
また、ポリ乳酸の耐熱性向上させる方法としてはポリ乳酸の結晶化がある。しかしながら、ポリ乳酸の結晶化には、成形条件として100℃以上の成形温度が必要であるため、産業利用での生産性に劣る。
そこで、ポリ乳酸の耐熱性および生産性を同時に解決するための手段として、特定の結晶化核剤を用いた下記技術が報告されている(特許文献1)。しかしながら、本発明者が検討を行ったところ、当該結晶化核剤の添加はスチレン樹脂とポリ乳酸のポリマーアロイにおいて効果を発揮しなかった。
WO2005/079894号公報
本発明はこのような現状を鑑み、上記の問題点を解決し、低環境負荷かつ、耐熱性に優れた樹脂組成物およびそれからなる成形体を提供することである。
(A)スチレン系樹脂1〜99質量部および(B)D−乳酸成分の比率が2.5モル%以下のポリ乳酸1〜99質量部の合計100質量部に対して、(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体1〜10質量部および(D)結晶化核剤0.1〜5質量部とからなる樹脂組成物であることを特徴とする。
また、本発明は上記樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする成形体を提供する。
本発明で得られる樹脂組成物は、耐熱性に優れるため、容器・包装分野に加えてOA機器や家電部品等での使用が有利になる。
図1は、実施例1のDSC測定チャートである。縦軸は、Heat Flow[熱流](W/g)及びTemp[温度](℃)を示し、横軸は、時間[Time](s)を示す。また、1は示差走査熱量曲線(Heat Flow vs. Time)を示し、2は温度曲線(Temp vs. Time)を示す。
本発明において使用する(A)スチレン系樹脂とは、芳香族ビニル化合物を重合して得られるものであり、必要に応じて共役ジエン系ゴム状重合体を加えてゴム変性を行ってもよい。重合方法としては公知の方法、例えば、塊状重合法、塊状・懸濁二段重合法、溶液重合法等により製造することができる。芳香族ビニル化合物系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の公知のものが使用できるが、好ましくはスチレンである。また、これらの芳香族ビニル化合物系単量体と共重合可能なアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のスチレン系単量体や無水マレイン酸等以外の単量体も、スチレン系樹脂組成物の性能を損なわない程度ものであれば良い。さらに本発明ではジビニルベンゼン等の架橋剤をスチレン系単量体に対し添加して重合したものであっても差し支えない。
本発明の(A)スチレン系樹脂のゴム変性に用いる共役ジエン系ゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダムまたはブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、スチレン−イソプレンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴムなどが挙げられるが、特にポリブタジエン、スチレン−ブタジエンのランダム、ブロック又はグラフト共重合体が好ましい。また、これらは一部水素添加されていても差し支えない。
このような(A)スチレン系樹脂の例として、ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、MS樹脂(メチルメタクリレート−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレンプロピレン−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体)等が挙げられる。
本発明で使用する(B)ポリ乳酸には、ポリ(L−乳酸)が用いられる。二酸化炭素排出量削減という観点から、植物由来原料が好ましい。
(B)ポリ(L−乳酸)の場合、D−乳酸成分の比率によってその結晶化速度が異なる。本発明樹脂組成物の耐熱性および成形性を考慮すると、D−乳酸成分の比率は0.0〜2.5モル%とすることが好ましい。特に好ましくは0.0〜1.5モル%の範囲である。
(B)ポリ乳酸の分子量は、重量平均分子量(Mw)が5万〜40万であることが好ましく、特に好ましくは10〜30万の範囲である。重量平均分子量(Mw)が5万未満だと成形体の機械的特性や耐熱性に劣り、40万を超えると成形性が低下するため好ましくない。
本発明においては、(A)スチレン系樹脂と(B)ポリ乳酸の合計を100質量部とした時に、(A)スチレン系樹脂が1〜99質量部、(B)ポリ乳酸が1〜99質量部である。環境負荷低減の観点から、(B)ポリ乳酸の配合量は20〜80質量部が特に好ましい。
本発明の(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体は、芳香族ビニルと共役ジエンとを重合して得られることを特徴とするブロック共重合体である。
本発明の(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体は、重量平均分子量が1万未満だと成形品の耐熱性を著しく低下させ、30万を超えると流動性を低下させる。よって、ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は1万≦Mw≦30万が好ましく、特に好ましくは5万≦Mw≦25万である。
本発明の(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体は、共重合体中のスチレン含有量が10〜50質量%である。好ましくは共重合体中の芳香族ビニル含有量が10〜40質量%、特に好ましくは15〜40質量%である。共重合体中の芳香族ビニル含有量が10質量%未満であるとブロック共重合体自身の耐熱性を低下させ、50質量%以上であると本発明樹脂組成物の結晶化促進効果に乏しい。
(A)スチレン系樹脂と(B)ポリ乳酸の合計を100質量部とした時、(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体の配合量は、1〜10質量部である。(C)ブロック共重合体が1質量部未満だと結晶化速度が向上せず、10質量部を超えるても結晶化速度は向上しない。好ましくは2〜10質量部、特に好ましくは2〜5質量部である。
(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体を得るために用いられる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、特にスチレンが好ましい。
(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体を得るために用いられる共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンが好ましく、特に好ましくは1,3−ブタジエンである。
(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体において、(C)ブロック共重合体を相溶性の改善等の理由により水素添加および官能基化による変性を行ってもよい。
本発明で使用する(D)結晶化核剤としては、無機系結晶化核剤もしくは/および有機系結晶化核剤が用いられる。これらの(D)結晶化核剤は単独もしくは複数を併用して用いてもよい。
無機系結晶化核剤としては、硫酸バリウム、燐酸三カルシウム、炭酸カルシウム、燐酸ソーダ、フッ化カルシウム、アルミニウム硅酸塩やマグネシウム硅酸塩などが挙げられる。特に、アルミニウム硅酸塩としてはカオリン、マグネシウム硅酸塩としてはタルク、またアルミニウム−マグネシウム硅酸塩としてはマイカが挙げられる。中でも結晶化速度の観点から、タルクが好ましい。
有機系結晶化核剤としては、有機アミド化合物、有機ヒドラジド化合物、カルボン酸エステル系化合物、有機スルホン酸塩、フタロシアニン系化合物、メラミン系化合物、および有機ホスホン酸塩などが挙げられる。中でも結晶化速度の観点から、有機スルホン酸塩、および有機ホスホン酸塩が好ましい。
(A)スチレン系樹脂と(B)ポリ乳酸の合計を100質量部とした時、(D)結晶化核剤の配合量は、0.1〜5質量部である。(D)結晶化核剤が0.1質量部未満だと、結晶化速度が向上せず、5質量部を超えると成形品の外観が悪化するため好ましくない。好ましくは0.5〜5質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部である。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の要旨を超えない範囲で各種添加物、例えば難燃剤、染顔料、着色防止剤、滑剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、充填剤、相溶化剤等の公知の添加剤、酸化チタンやカーボンブラックなどの着色剤などの改質剤を添加できる。これらの添加方法は特に限定される訳では無く、公知の方法、例えば、使用する(A)スチレン系樹脂もしくは(B)ポリ乳酸の重合開始前、重合途中の反応液に対して、または重合終了後、及び(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体および(D)結晶化核剤を配合する際、更には、押出機や成形機においても添加することができる。
本発明の樹脂組成物の混合方法は、公知の混合技術を適用することが出来る。例えばミキサー型混合機、V型他ブレンダー、及びタンブラー型混合機等の混合装置であらかじめ予備混合しておいた混合物を、更に溶融混練することで均一な樹脂組成物とすることが出来る。溶融混練にも特に制限はなく公知の溶融技術を適用出来る。好適な溶融混練装置として、バンバリー型ミキサー、ニーダー、ロール、単軸押出機、特殊単軸押出機、及び二軸押出機等がある。更に押出機等の溶融混練装置の途中から難燃剤等の添加剤を別途に添加する方法がある。
本発明の樹脂組成物から成形品を得る成形法には特に制限は無いが、好ましくは真空成形および射出成形である。
以下に本発明を参考例、実施例及び比較例によって詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(A)スチレン系樹脂には汎用ポリスチレン(GPPS)を使用した。以下にその製造方法を記す。完全混合型撹拌槽である第1反応器と第2反応器及び静的混合器付プラグフロー型反応器である第3反応器を直列に接続して重合工程を構成した。各反応器の容量は、第1反応器を39リットル、第2反応器を39リットル、第3反応器を16リットルとした。スチレン84.0質量%、エチルベンゼン16.0質量%の混合溶液を作成し、スチレンに対して2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを質量基準で400ppm混合し、原料溶液とした。2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンは、日油株式会社製パーテトラAを使用した。この原料溶液を毎時11.2kgの割合で第1反応器へ連続的に供給した。各反応器の反応温度は、第1反応器で116℃、第2反応器で120℃、第3反応器では、流れの方向に沿って温度勾配をつけ、中間部分で140℃、出口部分で150℃となるよう調整した。続いて、第3反応器より連続的に取り出した重合体を含む溶液を直列に2段より構成される予熱器付き真空脱揮槽に導入し、未反応スチレン及びエチルベンゼンを分離した後、ストランド状に押し出しして冷却した後、切断してペレットとした。なお、1段目の脱揮槽内の樹脂温度は160℃に設定し、真空脱揮槽の圧力は65kPaとし、2段目の脱揮層内の樹脂温度は235℃に設定し、真空脱揮槽の圧力は0.4kPaとした。
得られた(A)スチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)は38万であった。
(B)ポリ乳酸には、(B−1)海正生物材料社製の商品名REVODA190(D−乳酸成分の比率0.5モル%)を用いた。
(B−1)ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)は20万であった。
実施例3では、(B)ポリ乳酸に、(B−2)海正生物材料社製の商品名REVODA110(D−乳酸成分の比率2.5モル%)を用いた。
(B−2)ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)は20万であった。
比較例2では、(B)ポリ乳酸に、(B−3)海正生物材料社製の商品名REVODA101(D−乳酸成分の比率4.5モル%)を用いた。
(B−3)ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)は20万であった。
(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体には、(C−1)スチレンと1,3−ブタジエンのブロック共重合体であるクレイトン社製の商品名DX410(Mw:23万、スチレン含有量:18%、ブタジエン含有量82%)を用いた。
(D)結晶化核剤には、タルクである富士タルク工業社製の商品名KPタルクを用いた。
実施例6では、(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体に、(C−2)スチレンと1,3−ブタジエンの水添ブロック共重合体であるクレイトン社製の商品名G1652(Mw:7万、スチレン含有量:24%、ブタジエン含有量:76%)を用いた。
実施例7では、(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体に、(C−3)スチレンとイソプレンのブロック共重合体であるクレイトン社製の商品名D1111(Mw:18万、スチレン含有量:22%、イソプレン含有量78%)を用いた。
実施例10では、(D)結晶化核剤にフェニルホスホン酸亜鉛である日産化学工業社製の商品名エコプロモートを用いた。
実施例11では、(D)結晶化核剤に5−スルホイソフタル酸ジメチルカリウムである竹本油脂社製の商品名LAK−301を用いた。
次に、本発明の樹脂組成物の混合方法を述べる。(A)ポリ乳酸、(B)スチレン系樹脂、(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体を表に示す量にて配合し、これら全成分をヘンシェルミキサー(三井三池化工社製、FM20B)にて予備混合し、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)に供給してストランドとし、水冷してからペレタイザーへ導きペレット化した。この際、シリンダー温度200℃、供給量30kg/時間とした。なお、比較例についても、同様の操作を行った。
実施例及び比較例に示した各種測定は以下の方法により実施した。
<分子量>
重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、次の条件で測定した。
GPC機種:昭和電工株式会社製Shodex GPC−101
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製 PLgel 10μm MIXED−C
移動相:クロロホルム
試料濃度:0.2質量%
温度:オーブン40℃
検出器:示差屈折計
本発明における各成分の分子量測定は、単分散ポリスチレンの溶出曲線より各溶出時間における分子量を算出し、ポリスチレン換算の分子量として算出したものである。
<スチレンおよびブタジエン含有量>
(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体の芳香族ビニル含有量および共役ジエン含有量の測定はJIS K 6231−2に準拠し、熱分解ガスクロマトグラフを用いて行った。
<試験片作成>
射出成形機:日本製鋼所株式会社製J100E−P
シリンダー温度:220℃
金型温度:表1〜4記載
金型保持時間:30秒
得られたペレットを温度70℃×3時間で加熱乾燥後、射出成形機にて、JIS K 7139に記載のA型試験片(ダンベル)を成形した。
<耐熱性>
本発明における樹脂組成物の耐熱性は樹脂組成物中の(B)ポリ乳酸の結晶化指標で評価した。
結晶化指標の測定は、上記にて作製したA型試験片(ダンベル)を小片に切り取り、示差走査熱量計による昇温測定の際、得られた結晶融解熱量ΔHmと結晶化熱量ΔHcから下記計算式を用いて評価した。
計算式:(|ΔHm|−|ΔHc|)/((B)ポリ乳酸の配合量(wt%)/100)
示差走査熱量計:リガク製TG−DTA8120
測定温度:25〜200℃
昇温速度:10℃/min
本発明では樹脂組成物の結晶化指標が25J/g未満だと成形品としての耐熱性が不十分であるため、25J/g以上を合格とした。
下記表1〜4に結果を示した。
Figure 2015086252
Figure 2015086252
Figure 2015086252
Figure 2015086252
表1、表2および表3の実施例より、本発明の樹脂組成物は、低い金型温度で結晶化が進行し、耐熱性に優れていることがわかる。
一方、表4の比較例より、本発明の規定を満足しない樹脂組成物は、低い金型温度および短時間で結晶化が十分に進行しないため、耐熱性に劣る。

(B)ポリ乳酸のみを用いた場合、金型温度は110℃近傍でないと十分に結晶化が進行せず成形性に劣る(比較例1)。(B)ポリ乳酸のD−乳酸成分の比率が2.5モル%以上であると結晶化が十分に進行しない(比較例2)。(A)スチレン系樹脂および(B)ポリ乳酸が規定内であっても(C)ブロック共重合体の配合量が規定より少ないと、結晶化が十分に進行しない(比較例3)。また、(D)結晶化核剤の配合量が規定量より少なくても結晶化が十分に進行しない(比較例4)。
本発明の樹脂組成物は、低環境負荷であり、耐熱性に優れているため、食品トレイや包装ラップ等の容器包装分野に加えてOA機器や家電部品等の家電分野での利用が有利になる。

Claims (2)

  1. (A)スチレン系樹脂1〜99質量部および(B)D−乳酸成分の比率が2.5モル%以下のポリ乳酸1〜99質量部の合計100質量部に対して、(C)芳香族ビニルと共役ジエンからなるブロック共重合体1〜10質量部および(D)結晶化核剤0.1〜5質量部とからなる樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物を成形して得られる成形体。
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