JP5232503B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
一方、ABS樹脂に代表されるゴム強化スチレン系樹脂は、優れた物性バランスおよび成形加工性を有しており、広範な分野に利用されている。
このため、近年ゴム強化スチレン系樹脂とポリ乳酸からなる樹脂組成物が多数提案されている。しかしながら、これら組成物は、耐熱性等の物性バランスならびに高湿度環境下での耐久性が不充分で、かつ着色時の発色性、さらには成形品でのウエルド外観が悪く、今後ポリ乳酸の利用分野を拡大する上で大きな障害となっている。
本発明におけるポリ乳酸(A)とは、ポリ乳酸および乳酸とヒドロキシカルボン酸との共重合体を意味する。とうもろこしなどの植物から得られたでんぷんを発酵させて、乳酸とし、化学合成にてポリマー化したものである。
乳酸としては、L−および/またはD−乳酸、乳酸の二量体であるラクトンなどが挙げられる。さらに乳酸と共重合可能なヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシカプロン酸などが挙げられ、1種又は2種以上使用できる。
本発明においては、市販されているポリL−乳酸が好ましい。
ポリ乳酸の分子量には特に制限ないが、物理的、熱的特性の面より重量平均分子量が3万以上が好ましい。
ポリ乳酸としては、三井化学社製「LACEA」、米国Nature WorksLLC社製「Nature Works」、ユニチカ社製「テラマック」、東レ社製「エコディア」、三菱樹脂社製「エコロージュ」などの名称で市販されているのもを利用できる。
ゴム強化スチレン系樹脂(B)を構成することのできるゴム状重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−スチレン共重合体、イソプレン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレン共重合体、ポリクロロプレンなどのジエン系ゴム、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン−1−非共役ジエン共重合体、またポリブチルアクリレートなどのアクリル系ゴム、ポリオルガノシロキサン系ゴム、さらにはこれら2種以上のゴムからなる複合ゴム等が挙げられ、1種又は2種以上用いることができる。これらのうち、特にジエン系ゴムが好ましい。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等挙げられ、一種又は二種以上用いることができる。特にアクリロニトリルが好ましい。
芳香族ビニル系単量体ならびにシアン化ビニル系単量体と共に用いることのできる他の共重合可能な単量体としては、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸系単量体、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系単量体などが挙げられ、それらはそれぞれ1種又2種以上用いることができる。
本発明においては上記ゴム強化スチレン系樹脂(B)中のゴム状重合体の濃度を上述の範囲内に調整するため、スチレン系単量体またはスチレン系単量体とシアン化ビニル系単量体および必要に応じて他の共重合可能な単量体の1種または2種以上とを共重合してなるスチレン系共重合体樹脂(D)を配合することができる。
スチレン系単量体またはスチレン系単量体とシアン化ビニル系単量体および必要に応じて他の共重合可能な単量体としては、上記ゴム強化スチレン系樹脂(B)の構成成分として挙げたものが挙げられる。さらに耐熱性付与を目的とした場合、スチレン系単量体としては、α−メチルスチレンが好ましく、またN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系単量体を用いることが好ましい。
塊状重合法や溶液重合法では、塩析工程がないため、乳化重合法よりも本発明には適しているが、用いる原料のブタジエンゴム等には、その重合工程において使用したアルカリ金属及びアルカリ金属塩が少量残留しているので、その凝固工程において酸、例えば炭酸、クエン酸等による中和処理を強化し、水に難溶性の塩として沈殿・分離させることより、アルカリ金属含有量を低減させたブタジエンゴムを使用することが好ましい。
共重合可能な他のビニル系単量体としては、ゴム強化スチレン系樹脂(B)で記述した芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、マレイン酸無水物、またはマレイミド系単量体から選ばれた1種以上のものを用いることができる。さらにはこれらの他にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸系単量体などが挙げられ、それらはそれぞれ1種又2種以上用いることができる。
本発明における樹脂組成物は、ポリ乳酸(A)1〜80重量%、ゴム強化スチレン系樹脂(B)89〜10重量%および上記共重合体(C)10〜60重量%から構成されるものであるが、かかる範囲外でも本発明の目的とする特性を発揮することができない。
以下に実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。
A−1:三井化学(株)製 LACEA H−400
B−1:公知の塊状重合法に基づき、スチレン51重量部、アクリロニトリル18重量部、エチルベンゼン25重量部、スチレン・ブタジエンゴム10重量部を反応原料とし、ゴム分19重量%、スチレン61重量%、アクリロニトリル20重量%のゴム強化スチレン系樹脂を得た。得られた樹脂中のアルカリ金属含有量は、0.003重量%であった。
C−1:メタアクリル酸メチル85重量部およびスチレン15重量部を公知の塊状重合法により共重合を行い共重合体C−1を製造した。
C−2:メタアクリル酸メチル95重量部およびスチレン5重量部を公知の塊状重合法により共重合を行い共重合体C−2を製造した。
C−3:メタアクリル酸メチル85重量部、スチレン10重量部、N−フェニルマレイミド5重量部を公知の塊状重合法により共重合を行い共重合体C−3を製造した。
C−4:メタアクリル酸メチル70重量部およびスチレン30重量部を公知の塊状重合法により共重合を行い共重合体C−4を製造した。
C−5:ポリメタクリル酸メチル(住友化学(株)製 スミペックスMG−SS)
D−1:スチレン75重量部およびアクリロニトリル25重量部を公知の塊状重合法により共重合を行い共重合体D−1を製造した。
D−2:電気化学(株)製スチレン・N−フェニルマレイミド共重合体、デンカIP MS−NC
E−1:日清紡績(株)製カルボジライトLA−1
上記のポリ乳酸(A)、ゴム強化スチレン系樹脂(B)、共重合体(C)、スチレン系共重合体樹脂(D)、加水分解抑制剤(E)を表1に示す配合割合で混合し、30mmニ軸押出機を用いて220℃で溶融混練し、ペレット化した後、射出成形機にて各種試験片を作成した。物性を評価した結果を表1に示す。なお、評価方法は以下のとおり。
○耐衝撃性: ISO 179に準拠し、ノッチ付きのシャルピー衝撃値を測定した。単位:kJ/m2
○耐熱性: ISO 75に準拠し、荷重0.45MPaの荷重たわみ温度を測定した。
○耐久性: 65℃、95%RHにて湿熱テストを実施し、耐衝撃性の保持率が90%以下になる時間を耐久性能とした。
○発色性: 表1に示したポリ乳酸(A)、ゴム強化スチレン系樹脂(B)、ゴム強化(未強化)アクリル系樹脂(C)、加水分解抑制剤(D)の混合物100重量部に対して、1重量部のカーボンブラック(三菱化学(株)製カーボンブラックMA600B)を配合して、上記同様に混練し、ペレット化した後、射出成形機にて90mm×150mm×3mmtの成型品を作成した。得られた成型品を、分光光度計(村上色彩技術研究所製)により、L*を測定した。なお、黒色成型品であるので、L*の値が10以下を発色性○、11〜15を△、15以上を×とした。
○ウエルド外観: 2点ゲートの90mm×150mm×3mmtの成型品中央部を、目視にてウエルドラインが確認できないものを○、確認できるものを×とした。
Claims (3)
- ポリ乳酸(A)1〜80重量%、ゴム強化スチレン系樹脂(B)89〜10重量%および(メタ)アクリル酸エステル系単量体80〜99.5重量%と芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、マレイン酸無水物から選ばれた1種以上のビニル系単量体0.5〜20重量%との共重合体(C)10〜60重量%からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。(ただし、ゴム質重合体(a)にビニル系単量体またはビニル系単量体混合物をグラフト共重合せしめてなるゴム含有グラフト共重合体(I)1〜40重量部、少なくとも2種類のビニル系単量体を共重合せしめてなるビニル系共重合体(II)5〜50重量部、脂肪族ポリエステル(III)5〜60重量部、および不飽和カルボン酸アルキルエステル(d)(共)重合体(IV)0.1〜20重量部を含有してなる樹脂組成物100重量部に対して、分子量が200から1000でありかつ沸点が150℃以上であるリン系安定剤(V)を0.1〜5重量部含有する熱可塑性樹脂組成物を除く)
- 共重合体(C)が(メタ)アクリル酸エステル系単量体80〜99.5重量%と芳香族ビニル系単量体0.5〜20重量%との共重合体である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- ゴム強化スチレン系樹脂(B)のアルカリ金属含有量が0.01重量%以下である請求項1または2の何れかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
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