JP2015085637A - 積層板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
導体層をめっきにより形成するにあたり、銅箔のマット面がプリプレグと接合するように銅箔とプリプレグとを一体成型し、その後銅箔を除去して、銅箔のマット面を利用してプリプレグの表面を粗化する方法も考えられる。しかしながら、このような方法では粗度が大きくなりすぎるため、さらなる配線の微細化には不向きである。
〔1〕工程(A)有機支持体に、厚さが1μm〜10μmであり、かつ鉛筆硬度が2B以上である熱硬化性樹脂組成物層が設けられた接着シートを準備する工程と、
工程(B)前記熱硬化性樹脂組成物層同士が互いに対向するように配置された2枚の前記接着シートの間に1枚以上のプリプレグを配置し、減圧下、200℃以上で加熱及び加圧して一体成型する工程と
を含む積層板の製造方法。
〔2〕前記熱硬化性樹脂組成物が無機充填材を含み、前記熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合に、該無機充填材の含有量が15質量%以上80質量%以下である、〔1〕に記載の積層板の製造方法。
〔3〕前記無機充填材の含有量が35質量%以上60質量%以下である、〔2〕に記載の積層板の製造方法。
〔4〕前記熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂、硬化剤を含む、〔1〕〜〔3〕のいずれか1つに記載の積層板の製造方法。
〔5〕前記熱硬化性樹脂組成物が有機充填材を含み、前記熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合に、有機充填材の含有量が1質量%以上10質量%以下である、〔1〕〜〔4〕のいずれか1つに記載の積層板の製造方法。
〔6〕前記有機支持体のガラス転移温度が100℃以上である、〔1〕〜〔5〕のいずれか1つに記載の積層板の製造方法。
〔7〕前記有機支持体の厚さが5μm〜50μmである、〔1〕〜〔6〕のいずれか1つに記載の積層板の製造方法。
〔8〕前記(B)工程が、2枚以上のプリプレグを用い、プリプレグ同士の間にさらに内層回路基板を配置して一体成型する工程である、〔1〕〜〔7〕のいずれか1つに記載の積層板の製造方法。
〔9〕前記熱硬化性樹脂組成物層の最低溶融粘度が20000ポイズ以上である、〔1〕〜〔8〕のいずれか1つに記載の積層板の製造方法。
〔10〕工程(C)前記有機支持体を剥離する工程をさらに含む、〔1〕〜〔9〕のいずれか1つに記載の積層板の製造方法。
〔11〕工程(D)スルーホールを形成する工程をさらに含む、〔1〕〜〔10〕のいずれか1つに記載の積層板の製造方法。
〔12〕前記(C)工程の後に、工程(E)積層板を粗化処理する工程をさらに含む、〔10〕に記載の積層板の製造方法。
〔13〕前記工程(E)の後に、工程(F)めっきにより導体層を形成する工程をさらに含む、〔12〕に記載の積層板の製造方法。
〔14〕工程(G)前記導体層を用いて配線層を形成する工程をさらに含む、〔13〕に記載の積層板の製造方法。
以下、本発明の積層体の製造方法について詳細に説明する。
まず、有機支持体に、厚さが1μm〜10μmであり、かつ鉛筆硬度が2B以上である熱硬化性樹脂組成物層が設けられた接着シートを準備する、工程(A)を行う。
また工程(A)における接着シートとしては、例えば、予め製造され、所定の貯蔵条件で貯蔵されていた接着シートを用いることができる。
接着シートに用いられる有機支持体は、対向する2つの主面を有する板状体又はフィルムからなる構造体である。有機支持体として、長尺のフィルム状の構造体を用いることもできる。
熱硬化性樹脂組成物層は、厚さが1μm〜10μmであることが好ましい。熱硬化性樹脂組成物層の厚さは、硬化体とした後に粗化工程を実施することができることを条件として特に限定されない。
熱硬化性樹脂組成物層の鉛筆硬度は2B以上である。具体的には、鉛筆硬度が2B以上、すなわち2Bと等しい程度の硬度であるか又は2Bよりも大きな硬度(例えば2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H)であることが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物層の最低溶融粘度は、本発明の目的を損なわないことを条件として特に限定されないが、好ましくは20000ポイズ以上であり、より好ましくは40000ポイズ以上であり、さらに好ましくは70000ポイズ以上である。樹脂組成物層の最低溶融粘度の上限は、本発明の目的を損なわないことを条件として特に制限されない。
熱硬化性樹脂組成物層の形成に用いられる樹脂組成物は、硬化体とするときの熱膨張率を低下させて硬化体とプリプレグ等との熱膨張率の差によるクラック、回路歪みなどの不具合の発生を抑制し、溶融粘度の過度の低下を抑制する観点から、熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合に、無機充填材の含有量が15質量%以上80質量%以下となるように含むことが好ましく、無機充填材の含有量を35質量%以上60質量%以下とすることがより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、硬化体としたときの粗度ムラを抑制する観点から、有機充填材を含むことが好ましい。有機充填材は、熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合に、含有量が1質量%以上10質量%以下となるように含有することが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、ナフトールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂及びトリメチロール型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
硬化剤としては、前記エポキシ樹脂を硬化する機能を有する限り特に限定されないが、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、及びシアネートエステル系硬化剤が挙げられる。硬化剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、及びポリスルホン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤等が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。用い得る難燃剤の例としては三光(株)製「HCA−HQ」が挙げられる。難燃剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。熱硬化性樹脂組成物層中の難燃剤の含有量は特に限定はされないが、0.5質量%〜10質量%の範囲であることが好ましく、1質量%〜9質量%の範囲であることがより好ましく、1.5質量%〜8質量%の範囲であることがさらに好ましい。
熱硬化性樹脂組成物層の形成のために用いる熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、例えば熱硬化性樹脂組成物層あるいは硬化体の特性を調整することを目的とする他の添加剤を含んでいてもよく、かかる他の添加剤としては、例えば、有機銅化合物、有機亜鉛化合物及び有機コバルト化合物等の有機金属化合物、並びに増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、及び着色剤等の樹脂添加剤等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物層を形成するための熱硬化性樹脂組成物の塗布膜の乾燥処理は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の任意好適な乾燥方法により実施することができる。この乾燥処理により塗布膜は熱硬化性樹脂組成物層とされる。
次に、熱硬化性樹脂組成物層同士が互いに対向するように配置された2枚の接着シートの間に1枚以上のプリプレグを配置し、減圧下、200℃以上で加熱及び加圧して一体成型する、工程(B)を行う。
プリプレグは、シート状繊維基材中に樹脂組成物を含浸させたシート状の構造体である。本発明の積層板の製造方法に用いられ得るプリプレグとしては、積層板の用途に応じた任意好適なプリプレグを用いることができる。プリプレグは市販のプリプレグを用いてもよい。市販のプリプレグとしては、例えば、日立化成(株)製 GEA−800Gが挙げられる。
次に、真空熱プレス工程による積層板の具体的な製造工程の例を説明する。
まず真空熱プレス装置に、熱硬化性樹脂組成物層同士が互いに対向するように配置された2枚の接着シートの間に1枚以上のプリプレグを配置するように積層した積層構造をセットする。
積層構造は、クッション紙、ステンレス板(SUS板)等の金属板、離型フィルムなどを介して真空熱プレス装置にセットすることが好ましい。積層構造は、例えば、クッション紙/金属板/離型フィルム/積層構造(例えば、接着シート/プリプレグ/接着シート)/離型フィルム/SUS板/クッション紙の順に積層されて真空熱プレス装置にセットされる。
ここで記号「/」はこれを挟むように示されている構成要素同士が互いに接するように配置されていることを意味している(以下、積層構造の説明等において同様である。)。
2枚以上のプリプレグを用いる場合、熱硬化性樹脂組成物の組成、シート状繊維基材の材料、厚さのうちの1以上が互いに異なっていてもよい。
本発明の積層板の製造方法は、有機支持体を剥離する工程(C)、スルーホールを形成する工程(D)、粗化処理する工程(E)、めっきにより導体層を形成する工程(F)、導体層をパターニングして配線層を形成する工程(G)をさらに含み得る。これらの工程(C)乃至工程(G)は、本発明の目的を損なわないことを条件として、当業者に公知の任意好適な工程とすることができる。
工程(C)は、有機支持体を剥離する工程である。この工程(C)により、有機支持体は剥離され、除去されて接着シートの熱硬化性樹脂組成物層が硬化された硬化体の表面が露出する。工程(C)は、遅くとも工程(E)の前までに実施されるが、好ましくは工程(D)の後であって、工程(E)の前に実施されることが好ましい。
工程(D)は、形成された積層板に穴あけ加工する工程であり、この穴あけ加工により積層板を貫通するスルーホールを形成する工程である。工程(D)は、例えば、ドリル、レーザー(炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等)、プラズマ等の手段により行うことができる。形成されたスルーホールは、例えば積層板の両主面側それぞれに設けられた導体層(配線層)同士を電気的に接続するために用いられる。工程(D)は、遅くとも工程(E)の前までに行われ、工程(C)の前に実施されることが好ましい。
工程(E)は、積層板、すなわち露出した硬化体の表面を粗化処理する工程である。工程(E)は、遅くとも工程(G)の前までに行われ、工程(C)及び工程(D)の後に実施されることが好ましい。
工程(F)は、粗化された表面にめっきにより導体層を形成する工程である。工程(F)は、工程(E)の後に実施される。
工程(G)は、形成された導体層に基づいて配線層を形成する工程である。工程(G)は、工程(F)の後に実施される。工程(G)としては、例えば、形成された導体層(めっきシード層)上に配線層を形成するセミアディティブ法、フルアディティブ法、形成された導電層をパターニングして配線層とするサブトラクティブ法などによって行うことができる。
まず、接着シートの熱硬化性樹脂組成物層に由来する硬化体の粗化処理された表面に、無電解めっき法により導体層(めっきシード層)を形成する。次いで、形成されためっきシード層上に、所望の配線パターンに対応してめっきシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出しためっきシード層上に、電解めっき法により厚膜化された導体層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なめっきシード層をエッチング工程などにより除去して、所望の配線パターンを有する配線層を形成することができる。
本発明の積層板は、半導体装置の製造に用いられるコア基板等の絶縁性基材、多層プリント配線板等の配線板の材料として用いることができる。
配線板は、本発明の積層板を用いて、下記(I)及び(II)の工程を含む方法により製造することができる。
(I)まず、上述の通り配線層が設けられた本発明の積層板を準備し、支持体とこの支持体に設けられた樹脂組成物層を備える接着フィルムを、樹脂組成物層が配線層と接合するように貼り合わせる工程、
(II)樹脂組成物層を硬化して絶縁層を形成する工程
工程(II)における樹脂組成物層の硬化は、樹脂組成物の組成に応じた任意好適な処理とすることができる。
工程(II)の後、粗化処理を行って配線層を形成する。配線層の形成は、既に説明したセミアディティブ法等の公知の方法により行うことができる。
アルキド系樹脂(日立化成ポリマー社製、テスファイン303、固形分48質量%、トルエン及びイソプロピルアルコールを4:1の割合で含む溶媒との混合液)100質量部と、p−トルエンスルホン酸の溶液(日立化成ポリマー社製、ドライヤー900、固形分50質量%、トルエン及びイソプロピルアルコールを4:1の割合で含む溶媒との混合液)2.5質量部を、トルエン及びイソプロピルアルコールを4:1の割合で含む溶媒を用いて固形分濃度1.5質量%に希釈した混合液を離型剤として用意し、この離型剤を乾燥後の厚さが0.1μmとなるように有機支持体に塗布し、150℃で1分間乾燥させて、ガラス転移温度が100℃以上の有機支持体である離型層付き有機支持体(有機支持体1、2)を得た。
有機支持体1:PENフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「テオネックス Q83」、厚さ25μm、ガラス転移温度120℃)の一方の主面に上記の離型層が設けられている離型層付き有機支持体
有機支持体2:ポリイミドフィルム((株)カネカ製「アピカルAH」、厚さ25μm、ガラス転移温度300℃以上)の一方の主面に有機支持体1と同様の上記離型層が設けられている離型層付き有機支持体
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品、エポキシ当量169)8部、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4032SS」、エポキシ当量約144)3部、ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)6部、ビフェニル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、エポキシ当量約288)15部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX6954BH30」、不揮発成分30質量%(MEK及びシクロヘキサノンの1:1溶液との混合液))30部を、ソルベントナフサ5部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、トリアジン骨格含有フェノールノボラック系硬化剤(DIC(株)製「LA−7054」、水酸基当量125、不揮発成分60%のMEK溶液)12部、ナフトール系硬化剤(新日鐵化学(株)製「SN485」、水酸基当量215、不揮発成分60%のMEK溶液)10部、硬化促進剤(4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、不揮発成分5質量%のMEK溶液)2部、アダクト型硬化促進剤(三菱化学(株)製P200H50、不揮発成分50%)2部、ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製「KS-1」)を不揮発成分15%のエタノールとトルエンとの1:1溶液)20部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製「SOC2」、単位面積当たりのカーボン量0.39mg/m2)20部、有機充填材であるゴム粒子(アイカ工業(株)製、スタフィロイドAC3816N)(無機充填材)8部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス1を調製した。樹脂ワニス1の不揮発成分換算の組成を表1に示す。
有機支持体1の離型層側に、樹脂ワニス1を均一に塗布し、80℃〜140℃(平均120℃)で3分間乾燥させた後、さらに180℃で4分間乾燥させて、熱硬化性樹脂組成物層の厚さが3μmである接着シート1を作製した。なお、熱硬化性樹脂組成物層の厚さは、接触式層厚計((株)ミツトヨ製、MCD−25MJ)を用いて測定した(以下の例においても同様である。)。
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品、エポキシ当量約169)5部、ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)12部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP−7200H」、エポキシ当量約275)9部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、不揮発成分30質量%(MEK及びシクロヘキサノンの1:1溶液との混合液))20部を、ソルベントナフサ30部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC−8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)40部、硬化促進剤(北興化学(株)製TBPDA:テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、不揮発成分5質量%のMEK溶液)6部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.24μm、(株)アドマテックス製「SOC1」、単位面積当たりのカーボン量0.36mg/m2)(無機充填材)100部、有機充填材としてゴム粒子(ガンツ化成(株)製、スタフィロイドAC3816N)5部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス2を調製した。樹脂ワニス2の不揮発成分換算の組成を表1に示す。
有機支持体2の離型層側に、樹脂ワニス2を均一に塗布し、80℃〜140℃(平均120℃)で3分間乾燥させて、熱硬化性樹脂組成物層の厚さが5μmである接着シート2を作製した。
有機支持体1の離型層側に、樹脂ワニス1を均一に塗布し、80℃〜140℃(平均120℃)で3分間乾燥させて、熱硬化性樹脂組成物層の厚さが3μmである接着シート3を作製した。
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品、エポキシ当量約169)5部、ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)12部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP−7200H」、エポキシ当量約275)9部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、不揮発成分30質量%(MEK及びシクロヘキサノンの1:1溶液との混合液))20部を、ソルベントナフサ30部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC−8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)40部、硬化促進剤(北興化学(株)製TBPDA:テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、不揮発成分5質量%のMEK溶液)6部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.24μm、(株)アドマテックス製「SOC1」、単位面積当たりのカーボン量0.36mg/m2)(無機充填材)220部、有機充填材としてゴム粒子(ガンツ化成(株)製、スタフィロイドAC3816N)5部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス3を調製した。樹脂ワニス3の不揮発成分換算の組成を表1に示す。
有機支持体1の離型層側に、樹脂ワニス3を均一に塗布し、180℃で5分間乾燥させる乾燥処理を3回行って、熱硬化性樹脂組成物層の厚さが5μmである接着シート4を作製した。
有機支持体2の離型層側に、樹脂ワニス2を均一に塗布し、80℃〜120℃(平均100℃)で2分間乾燥させて、熱硬化性樹脂組成物層の厚さが5μmである接着シート5を作製した。
有機支持体2の離型層側に、樹脂ワニス2を均一に塗布し、80℃〜140℃(平均120℃)で3分間乾燥させて、接着シート6を作製した。
ビスフェノール型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製「ZX1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との1:1混合品、エポキシ当量約169)5部、ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量約185)12部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP−7200H」、エポキシ当量約275)9部、フェノキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7553BH30」、不揮発成分30質量%(MEK及びシクロヘキサノンの1:1溶液との混合液))20部を、ソルベントナフサ30部に撹拌しながら加熱溶解させた。室温にまで冷却した後、そこへ、活性エステル系硬化剤(DIC(株)製「HPC−8000−65T」、活性基当量約223、不揮発成分65質量%のトルエン溶液)40部、硬化促進剤(北興化学(株)製TBPDA:テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、不揮発成分5質量%のMEK溶液)6部、フェニルアミノシラン系カップリング剤(信越化学工業(株)製、「KBM573」)で表面処理された球形シリカ(平均粒径0.24μm、(株)アドマテックス製「SOC1」、単位面積当たりのカーボン量0.36mg/m2)(無機充填材)280部、有機充填材としてゴム粒子(ガンツ化成(株)製、スタフィロイドAC3816N)5部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、樹脂ワニス4を調製した。樹脂ワニス4の不揮発成分換算の組成を表1に示す。
有機支持体2の離型層側に、樹脂ワニス4を均一に塗布し、80℃〜140℃(平均120℃)で3分間乾燥させて、厚さが5μmである接着シート7を作製した。
接着シート1〜5それぞれの熱硬化性樹脂組成物層の最低溶融粘度を測定した。(株)ユー・ビー・エム社製 型式Rheosol−G3000を使用して、樹脂量を1gとし、直径18mmのパラレルプレートを使用し、開始温度60℃から終了温度200℃まで、昇温速度を5℃/分とし、測定温度間隔を2.5℃とし、振動を1Hzとし、ひずみを1degとする測定条件にて最低溶融粘度(poise)を測定した。結果を表2に示す。
上記の接着シート1〜5それぞれの熱硬化性樹脂組成物層の鉛筆硬度を、JIS K5600−5−4に従って測定した。結果を表2に示す。
(1)内層回路基板の粗化処理工程
250mm×250mm角のサイズの内層回路形成済みガラス布基材エポキシ樹脂積層板[内層回路の厚さ18μm、基板の厚さ0.3mm、パナソニック(株)製R1515A]の両面をメック(株)製CZ8100に浸漬して銅表面の粗化処理を行なった。
接着シート1を、真空熱プレス装置(北川精機(株)製 商品名VH1−1603)を用いて、成型し積層体とした。
構造:クッション紙(阿波製紙(株)製 AACP−9N、厚さ800μm)/SUS板(厚さ1mm)/離型フィルム(旭硝子(株)製 アフレックス 50N NT、厚さ50μm)/接着シート1/プリプレグ(日立化成(株)製 GEA−800G:厚さ0.06mm)/内層回路基板/プリプレグ/接着シート1/離型フィルム/SUS板/クッション紙
温度:室温(常温)から205℃に至るまで昇温率5℃/分で昇温し、205℃で90分間ホールドし、その後降温率5℃/分で室温に至るまで降温
押圧力:室温からの昇温開始時に押圧力を50kgf/cm2としてこれを降温終了時までホールド
雰囲気の圧力:70mm/hg〜74mm/hg(9.3×10−3MPa〜9.9×10−3MPa)
剥離可能:○
剥離不可:×
得られた積層体を、まず膨潤液である、アトテックジャパン(株)のジエチレングリコールモノブチルエーテル含有のスエリングディップ・セキュリガントPに60℃で10分間浸漬した。次に粗化液である、アトテックジャパン(株)のコンセントレート・コンパクトP(KMnO4:60g/L及びNaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で20分間浸漬した。積層体の水洗処理後、最後に中和液として、アトテックジャパン(株)のリダクションソリューシン・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬した。その後、130℃で15分間乾燥した。以上の処理により熱硬化性樹脂組成物層の表面を粗化処理(及びデスミア処理)した。
粗化処理後の積層板を、非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして得られる数値により表面粗度(Ra値)を求めた。得られた積層板3枚について、1枚あたり各5点、合計15点の測定を行い、Ra値の15点での平均値と、表面粗度の最大値と最小値との差(表面粗度のばらつき)を求めた。
(表面粗度の最大値と最小値との差)が150nm未満であった積層板を○と判定した。
(表面粗度の最大値と最小値との差)が150nm以上であった積層板を×と判定した。
粗化処理された積層板の表面に導体層を形成するため、無電解銅めっき工程(アトテックジャパン(株)製の薬液を使用した無電解銅めっき工程)を行った。この工程は無電解銅めっき層の厚さが1μmとなるように行った。無電解銅めっき工程及び電解銅めっき工程の詳細は下記の通りである。
1.アルカリクリーニング(積層板の表面の洗浄及び電荷調整)
Cleaning cleaner Securiganth 902(商品名)を用いて60℃で5分間洗浄した。
2.ソフトエッチング(無電解銅めっき層の洗浄)
硫酸酸性ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液を用いて30℃で1分間洗浄した。
3.プレディップ(Pd付与のための積層板の表面の電荷調整)
Pre. Dip Neoganth B(商品名)を用いて室温で1分間処理した。
4.アクティヴェーター(積層板の表面へのPd付与)
Activator Neoganth 834(商品名)を用いて35℃で5分間処理した。
5.還元(積層板に付与されたPdの還元)
Reducer Neoganth WA(商品名)及びReducer Acceralator 810 mod.(商品名)の混合液を用いて30℃で5分間処理した。
6.無電解銅めっき(積層板の表面(付与されたPdの表面)に銅を析出させる)
Basic Solution Printganth MSK-DK(商品名)、Copper Solution Printganth MSK(商品名)、Stabilizer Printganth MSK-DK(商品名)及びReducer Cu(商品名)の混合液を用いて35℃で20分間処理した。
次いで、電解銅めっき工程を行い、厚さの総計が30μmとなるように厚膜化された導体層(銅層)を形成した。さらに190℃で60分間のアニール処理を行い、導体層付き積層板を製造した。
導体層付き積層板の導体層に、幅10mm、長さ100mmの部分領域を囲む切込みをいれ、その一端側を剥がしてつかみ具(株式会社ティー・エス・イー、オートコム型試験機 AC−50C−SL)で掴み、室温(25℃)中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重(kgf/cm(N/cm))を測定した。成型された導体層付き積層板3枚について、各5点/枚、合計15点の測定を行い、導体層付き積層板ごとの平均値及びピール強度のばらつき(ピール強度の最大値と最小値との差)を求めた。
(ピール強度の最大値と最小値との差)が0.15kgf/cm未満:○
(ピール強度の最大値と最小値との差)が0.15kgf/cm以上:×
導体層付き積層板について、ピーク温度260℃のリフロー装置(日本アントム(株)製「HAS−6116」)を用い、IPC/JEDEC J−STD−020Cに準拠した温度プロファイルで模擬的なリフロー工程を10回繰り返した。その後、導体層と熱硬化性樹脂組成物層との間の密着状態、すなわち剥離異常の有無を視覚的に確認した。評価は、下記の基準により行った。結果を表2に示す。
異常なし:○
剥離異常あり:×
接着シート1の代わりに接着シート2を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、製造、測定、評価を行った。なお、「(2)真空熱プレス工程」においては、温度を「まず室温から230℃に至るまで5℃/分の昇温率で昇温させ、230℃で90分間ホールドし、その後室温に至るまで5℃/分降温の降温率で降温」させている。
接着シート1の代わりに接着シート3を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、製造、測定、評価を行った。なお、「(2)真空熱プレス工程」においては、温度を「まず室温から205℃に至るまで5℃/分の昇温率で昇温させ、205℃で90分間ホールドし、その後室温に至るまで5℃/分降温の降温率で降温」させている。
接着シート1の代わりに接着シート4を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、製造、測定、評価を行った。なお、「(2)真空熱プレス工程」においては、温度を「まず室温から205℃に至るまで5℃/分の昇温率で昇温させ、205℃で90分間ホールドし、その後室温に至るまで5℃/分降温の降温率で降温」させている。
接着シート1の代わりに接着シート5を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、製造、測定、評価を行った。なお、「(2)真空熱プレス工程」は、温度を「まず室温から230℃に至るまで5℃/分の昇温率で昇温させ、230℃で90分間ホールドし、その後室温に至るまで5℃/分の降温率で降温」させている。
接着シート1の代わりに接着シート6を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、製造、測定、評価を行った。なお、「(2)真空熱プレス工程」は、温度を「まず室温から230℃に至るまで5℃/分の昇温率で昇温させ、230℃で90分間ホールドし、その後室温に至るまで5℃/分の降温率で降温」させている。
接着シート1の代わりに接着シート7を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、製造、測定、評価を行った。なお、「(2)真空熱プレス工程」は、温度を「まず室温から230℃に至るまで5℃/分の昇温率で昇温させ、230℃で90分間ホールドし、その後室温に至るまで5℃/分の降温率で降温」させている。
Claims (14)
- 工程(A)有機支持体に、厚さが1μm〜10μmであり、かつ鉛筆硬度が2B以上である熱硬化性樹脂組成物層が設けられた接着シートを準備する工程と、
工程(B)前記熱硬化性樹脂組成物層同士が互いに対向するように配置された2枚の前記接着シートの間に1枚以上のプリプレグを配置し、減圧下、200℃以上で加熱及び加圧して一体成型する工程と
を含む積層板の製造方法。 - 前記熱硬化性樹脂組成物が無機充填材を含み、前記熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合に、該無機充填材の含有量が15質量%以上80質量%以下である、請求項1に記載の積層板の製造方法。
- 前記無機充填材の含有量が35質量%以上60質量%以下である、請求項2に記載の積層板の製造方法。
- 前記熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂、硬化剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層板の製造方法。
- 前記熱硬化性樹脂組成物が有機充填材を含み、前記熱硬化性樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合に、有機充填材の含有量が1質量%以上10質量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層板の製造方法。
- 前記有機支持体のガラス転移温度が100℃以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層板の製造方法。
- 前記有機支持体の厚さが5μm〜50μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層板の製造方法。
- 前記(B)工程が、2枚以上のプリプレグを用い、プリプレグ同士の間にさらに内層回路基板を配置して一体成型する工程である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層板の製造方法。
- 前記熱硬化性樹脂組成物層の最低溶融粘度が20000ポイズ以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層板の製造方法。
- 工程(C)前記有機支持体を剥離する工程をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層板の製造方法。
- 工程(D)スルーホールを形成する工程をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層板の製造方法。
- 前記(C)工程の後に、工程(E)積層板を粗化処理する工程をさらに含む、請求項10に記載の積層板の製造方法。
- 前記工程(E)の後に、工程(F)めっきにより導体層を形成する工程をさらに含む、請求項12に記載の積層板の製造方法。
- 工程(G)前記導体層を用いて配線層を形成する工程をさらに含む、請求項13に記載の積層板の製造方法。
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