JP2017100401A - 積層フィルム、積層体及びその製造方法、並びに、プリント配線板の製造方法 - Google Patents

積層フィルム、積層体及びその製造方法、並びに、プリント配線板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導体層とめっきプロセス用樹脂層との接着強度の低下を抑制することが可能な樹脂組成物層を用いた積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】熱硬化性樹脂を含有する組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層と、めっきプロセス用樹脂層を得るための樹脂組成物層と、キャリアフィルムと、をこの順に積層することにより積層体を得る工程を備える、積層体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層フィルム、積層体及びその製造方法、並びに、プリント配線板の製造方法に関する。
従来、多層配線板は、熱プレス工程を経て製造されている。この熱プレス工程は、片面又は両面に内層回路を有する回路基板上に、絶縁層となる部材(例えば、繊維基材に樹脂組成物を含浸若しくは塗布して得られるプリプレグ、又は、繊維基材を含まない樹脂フィルム)と、金属箔とを積層し、加熱及び加圧することによって行われる。また、熱プレス工程は、生産性の高さから多く用いられている。
そして、近年、電子機器の小型化及び高集積化に伴い、多層配線板の微細配線化が求められている。微細配線を形成する方法としては、セミアディティブ法(樹脂層の表面に無電解銅めっきを施した後、必要な部分のみに電解銅めっきを行い、不要な部分の銅めっき層をエッチングによって除去し回路を形成する方法)が好適に用いられている。この方法によれば、エッチング除去する銅めっき層(例えば、表面粗さの小さな絶縁層の表面に形成された銅めっき層)の厚みが薄いほど、更なる微細配線化が可能である。
このような状況において、下記特許文献1には、無電解銅めっきにより得られる導体層の接着力を向上させることを目的するアディティブ用樹脂組成物層をプリプレグの表面に設ける技術が提案されている。このような技術においては、金属箔付きBステージ樹脂組成物シートをプリプレグと共にプレスして成形することで、セミアディティブ法に用いられる金属張積層板が得られる。
特開2003−251739号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、プレス工程時に、絶縁層となる部材(前記プリプレグ)の構成成分が、めっきプロセス用樹脂層を得るための樹脂組成物層(前記アディティブ用樹脂組成物層)又はめっきプロセス用樹脂層(前記樹脂組成物層の硬化物)中に移行してしまい、導体層とめっきプロセス用樹脂層との接着強度が低下することがある。そのため、このような接着強度の低下を抑制しつつ、プリント配線板及び各種積層体を得ることが求められている。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、導体層とめっきプロセス用樹脂層との接着強度の低下を抑制することが可能な樹脂組成物層を用いた積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、このような積層体を得るための積層フィルムを提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記積層体を用いて得られるプリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下に示す製造方法が上記目的に沿うものであることを見出し、本発明に到達した。
本発明に係る積層体の製造方法の第1実施形態(めっきプロセス用樹脂層を得るための樹脂組成物層を備える積層体の製造方法)は、熱硬化性樹脂を含有する組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層と、めっきプロセス用樹脂層を得るための樹脂組成物層と、キャリアフィルムと、をこの順に積層することにより積層体を得る工程を備える。
第1実施形態に係る積層体の製造方法によれば、導体層とめっきプロセス用樹脂層との接着強度の低下を抑制することが可能な樹脂組成物層を備える積層体を得ることができる。絶縁層に含まれる組成物が、硬化が進んだCステージ硬化物であるため、絶縁層の構成成分が前記樹脂組成物層又はめっきプロセス用樹脂層中に移行することが抑制されることにより上記効果が得られると推測される。この場合、未硬化状態において前記樹脂組成物層又はめっきプロセス用樹脂層への移行が生じ得る材料であっても使用可能であり、材料の選択範囲を広く確保できる。
第1実施形態に係る積層体の製造方法は、前記キャリアフィルムと前記樹脂組成物層とを有する積層フィルムを前記絶縁層に積層することにより前記積層体を得る態様であってもよい。
第1実施形態に係る積層体の製造方法は、前記絶縁層と前記樹脂組成物層と前記キャリアフィルムとをプレス又はラミネートにより積層する態様であってもよく、前記絶縁層と前記樹脂組成物層と前記キャリアフィルムとをラミネートにより積層する態様が好ましい。
前記絶縁層における前記樹脂組成物層側の表面の表面粗さRaは、0.6μm以下であることが好ましい。
前記樹脂組成物層は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、フェノール性水酸基を有するポリアミドと、無機充填材と、を含んでいてもよい。前記無機充填材の比表面積は、20m/g以上であることが好ましい。
前記キャリアフィルムは、有機フィルムであることが好ましく、ポリイミドフィルム又はポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであってもよい。
前記キャリアフィルムの厚みは、1〜100μmであることが好ましい。
前記樹脂組成物層を備える積層体は、前記樹脂組成物層と前記キャリアフィルムとの間に離型層を更に備えていてもよい。前記離型層は、アルキド樹脂を含有してもよい。
本発明に係る積層体の一実施形態は、熱硬化性樹脂を含有する組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層と、めっきプロセス用樹脂層を得るための樹脂組成物層と、キャリアフィルムと、をこの順に備える。
本発明に係る積層フィルムの一実施形態は、めっきプロセス用樹脂層を得るための樹脂組成物層と、当該樹脂組成物層を支持するキャリアフィルムと、を備え、熱硬化性樹脂を含有する組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層と積層される。
本発明に係る積層体の製造方法の第2実施形態(導体層を備える積層体の製造方法)は、第1実施形態に係る積層体の製造方法により得られた積層体の前記樹脂組成物層、前記一実施形態に係る積層体の前記樹脂組成物層、又は、前記積層フィルムの前記樹脂組成物層を熱硬化することにより、めっきプロセス用樹脂層を備える積層体を得る熱硬化工程と、前記めっきプロセス用樹脂層を備える積層体にビアを形成するビア形成工程と、前記キャリアフィルムを除去するフィルム除去工程と、前記ビア形成工程及び前記フィルム除去工程の後に前記めっきプロセス用樹脂層の表面を粗化する粗化工程と、前記粗化工程の後に前記めっきプロセス用樹脂層上にめっきによって導体層を形成することにより積層体を得る工程と、を備える。第2実施形態に係る積層体の製造方法によれば、導体層とめっきプロセス用樹脂層との接着強度の低下を抑制することが可能な積層体を得ることができる。
第2実施形態に係る積層体の製造方法は、前記フィルム除去工程を前記ビア形成工程の後に備えることが好ましい。
前記めっきプロセス用樹脂層の厚みは、0.1〜20μmであることが好ましい。
第2実施形態に係る積層体の製造方法は、前記熱硬化工程において、熱硬化温度が80〜300℃であり、硬化時間が15〜180分である態様が好ましい。
本発明に係るプリント配線板の製造方法は、第2実施形態に係る積層体の製造方法により得られた積層体に回路を形成する工程を備える。本発明に係るプリント配線板の製造方法によれば、導体層とめっきプロセス用樹脂層との接着強度の低下を抑制することが可能なプリント配線板を得ることができる。
本発明によれば、導体層とめっきプロセス用樹脂層との接着強度の低下を抑制することが可能な樹脂組成物層を用いた積層体及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、このような積層体を得るための積層フィルムを提供することができる。さらに、本発明によれば、前記積層体を用いて得られるプリント配線板の製造方法を提供することができる。
本発明によれば、熱硬化性樹脂を含有する組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層の積層体又はプリント配線板の製造への応用を提供することができる。本発明によれば、熱硬化性樹脂を含有する組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層と、めっきプロセス用樹脂層を得るための樹脂組成物層とを備える積層体の、導体層を備える積層体、又は、プリント配線板の製造への応用を提供することができる。本発明によれば、導体層を備える積層体の、プリント配線板の製造への応用を提供することができる。
レーザー加工後のキャリアフィルム及びめっきプロセス用樹脂層の表面状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はそれに対応するメタクリルを意味する。「(メタ)アクリロイル」等の他の類似の表現においても同様である。
本明細書において「積層体」は、2以上の層を備える構造を有する。例えば、積層体の構造としては、少なくとも絶縁層(例えばプリプレグの硬化物)とキャリアフィルム(例えばポリイミドフィルム)とを含む積層構造であってもよく、少なくとも絶縁層(例えばプリプレグの硬化物)と導体層とを含む積層構造であってもよい。
なお、本明細書において「Cステージ硬化物を含む絶縁層」とは、絶縁層のうち少なくとも一層がCステージ硬化物から構成されていることを意味する。
第1実施形態に係る積層体(プライマー用樹脂層を備える積層体。以下、「プライマー用樹脂層付積層体」という)は、絶縁層とプライマー用樹脂層(例えばプライマー用樹脂組成物層)とキャリアフィルムとを積層方向においてこの順に備えている。プライマー用樹脂層付積層体は、例えば、絶縁層と、絶縁層上に配置されたプライマー用樹脂層と、プライマー用樹脂層上に配置されたキャリアフィルムと、を備えている。プライマー用樹脂層は、プライマー(めっきプロセス用樹脂層、接着補助層、プライマー層)を得るための樹脂組成物層であり、硬化してプライマーとなる層である。なお、プライマー用樹脂層付積層体の構成部材は、絶縁層、プライマー用樹脂層及びキャリアフィルムのみに限定されるものではなく、プライマー用樹脂層付積層体は、絶縁層、プライマー用樹脂層及びキャリアフィルムの各層間に他の層を更に備えていてもよい。
本実施形態に係る積層フィルムは、プライマー用樹脂層付積層体と同様のプライマー用樹脂層及びキャリアフィルムを備えており、プライマー用樹脂層と、当該プライマー用樹脂層を支持するキャリアフィルムと、を備える。本実施形態に係る積層フィルムは、プライマー用樹脂層付積層体を得るために用いられる積層フィルムであり、本実施形態に係る積層フィルムと、熱硬化性樹脂を含有する組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層とが積層されることによりプライマー用樹脂層付積層体が得られる。
第2実施形態に係る積層体(導体層を備える積層体。以下、「導体層付積層体」という)は、絶縁層とプライマーと導体層とを積層方向においてこの順に備えている。導体層付積層体は、例えば、絶縁層と、絶縁層上に配置されたプライマーと、プライマー上に配置された導体層と、を備えている。導体層付積層体には、ビアが形成されている。導体層付積層体は、プライマー用樹脂層付積層体を用いて得ることができる。なお、導体層付積層体の構成部材は、絶縁層、プライマー及び導体層のみに限定されるものではなく、導体層付積層体は、絶縁層、プライマー及び導体層の各層間に他の層を更に備えていてもよい。
本実施形態に係るプリント配線板は、回路(導体回路。配線等)を備えている。本実施形態に係るプリント配線板は、導体層付積層体を用いて得ることが可能であり、導体層付積層体の導体層に回路を形成することにより得ることができる。
以下、プライマー用樹脂層付積層体の製造方法、導体層付積層体の製造方法、及び、プリント配線板の製造方法について更に説明する。
<プライマー用樹脂層付積層体の製造方法>
プライマー用樹脂層付積層体の製造方法は、熱硬化性樹脂を含有する絶縁層用組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層と、プライマー用樹脂層と、キャリアフィルムと、をこの順に積層することによりプライマー用樹脂層付積層体を得る工程を備える。
前記Cステージ硬化物は、熱硬化性樹脂を含有する絶縁層用組成物をCステージまで硬化した状態の硬化物であり、絶縁層用組成物をCステージまで硬化してなる硬化物である。前記Cステージ硬化物は、例えば、加熱硬化した場合においてDSC(示差走査熱量測定)にて発熱がほとんど観察できない状態である。本明細書において、Cステージ硬化物の状態とは、DSCにより得られる加熱前後の発熱量の差が5J/g以下である状態であり、具体的には、DSCによる発熱量の測定において、絶縁層用組成物の発熱量(加熱前)と、絶縁層用組成物を230℃1時間の条件で加熱した後の絶縁層用組成物の発熱量(加熱後)との変化量が5J/g以下である状態である。発熱量は、例えば、ティー・エイ・インスツルメント社製DSC、Q200(商品名)を用いて、測定温度50〜300℃、昇温速度10℃/分の条件により測定することができる。加熱前後の変化量は、導体層とプライマーとの接着強度の低下を抑制しやすくする観点から、3J/g以下が好ましく、2J/g以下がより好ましい。
熱硬化性樹脂としては、加熱等により三次元架橋構造を形成するものであればどのようなものを用いてもよく、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂等が挙げられる。絶縁層用組成物及び絶縁層は、ガラスクロス等の繊維基材を更に含有していてもよい。
Cステージ硬化物を含む絶縁層としては、例えば、回路を有する絶縁基板(内層基板)上にプリプレグを配置した後、金属箔で挟んでプレス成形すると共にプリプレグを硬化させ、次いで、金属箔をエッチングして得られる積層体における前記プリプレグの硬化物が挙げられる。プリプレグとしては、日立化成株式会社製の商品名「GEA−679FG(R)」、「GEA−700G」、「GEA−705G」等が挙げられる。金属箔としては、例えば、日本電解株式会社製の商品名「YGP−12」、古河電気工業株式会社製の商品名「GTS−12」、「F2−WS」等の銅箔が挙げられる。
絶縁層におけるプライマー用樹脂層側の表面の表面粗さRaは、プライマー用樹脂層及びプライマーの成形性を向上させる観点から、0.6μm以下が好ましく、0.4μm以下がより好ましく、0.2μm以下が更に好ましい。絶縁層の前記表面粗さRaは、例えば、Veeco社製の表面形状測定装置Wyko NT9100(商品名)を用いて測定することができる。測定範囲は、例えば、0.120mm×0.095mmの範囲である。
絶縁層には、絶縁層とプライマー用樹脂層との接着強度、及び、絶縁層とプライマーとの接着強度を更に高めることを目的として、プラズマ処理、コロナ処理等の表面処理を適宜施してもよい。
プライマー用樹脂層付積層体の製造方法では、キャリアフィルムとプライマー用樹脂層とが積層された状態でキャリアフィルムとプライマー用樹脂層とを絶縁層に積層することによりプライマー用樹脂層付積層体を得ることができる。例えば、前記Cステージ硬化物を含む絶縁層に、キャリアフィルムを備える積層体(積層フィルム。以下、「キャリアフィルム付積層体」という。キャリアフィルム付プライマー用樹脂組成物層)を積層してプライマー用樹脂層付積層体を作製してもよい。キャリアフィルム付積層体は、キャリアフィルムと、キャリアフィルムに積層されたプライマー用樹脂層とを有している。すなわち、キャリアフィルム付積層体は、プライマーを得るためのプライマー用樹脂層と、当該プライマー用樹脂層を支持するキャリアフィルムと、を備えている。この場合、例えば、プライマー用樹脂層がキャリアフィルムよりも絶縁層側に位置する状態(キャリアフィルムが外側に位置する状態)でキャリアフィルム付積層体を絶縁層に積層する。キャリアフィルム付積層体は、セミアディティブ法により導体回路を形成することが可能な積層体であり、キャリアフィルムにプライマー用樹脂組成物(絶縁樹脂組成物)を塗工及び乾燥してプライマー用樹脂層を形成することにより得ることができる。
プライマー用樹脂層付積層体は、プライマー用樹脂層とキャリアフィルムとの間に離型層を更に備えていてもよい。例えば、プライマー用樹脂層付積層体を得るためのキャリアフィルム付積層体は、キャリアフィルムと、キャリアフィルム上に配置された離型層と、離型層上に配置されたプライマー用樹脂層とを備えていてもよい。離型層の詳細は後述する。
絶縁層、プライマー用樹脂層及びキャリアフィルムの積層方法としては、配線板製造工程に用いられる一般的な方法を用いることができる。積層方法としては、プレス、ラミネート等が挙げられる。プレスとしては、熱プレス、真空加圧プレス等が挙げられる。ラミネートとしては、真空ラミネート、ホットロールラミネート等が挙げられる。積層方法としては、生産効率を向上させる観点から、ラミネートが好ましく、真空ラミネート又はホットロールラミネートがより好ましい。ラミネートにより積層する場合、高温を必要としないため、耐熱性が比較的低いキャリアフィルム(PETフィルム等)を用いることができる。プレス条件としては、例えば、温度100〜250℃、圧力0.2〜10MPaで10〜180分加圧する条件が挙げられる。ラミネート条件としては、例えば、温度80〜140℃、圧着圧力0.3〜1.0MPaで成形する条件が挙げられる。
プライマー用樹脂層は、例えば、硬化性(例えば熱硬化性)を有している。プライマー用樹脂層は、例えば、(A)エポキシ樹脂(以下、「(A)成分」という)と、(B)硬化剤(以下、「(B)成分」という)と、(C)フェノール性水酸基を有するポリアミド(以下、「(C)成分」という)と、(D)無機充填材(以下、「(D)成分」という)と、を含むことができる。なお、プライマー用樹脂層の構成成分は、これらの成分に限定されるものではなく、例えば、(C)成分及び/又は(D)成分を含まない態様であってもよく、エポキシ樹脂に代えて尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂等の熱硬化性樹脂を用いる態様であってもよい。
(A)成分としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。アラルキル型エポキシ樹脂は、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アラルキルノボラック型エポキシ樹脂であることが好ましい。アラルキル型エポキシ樹脂は、ビフェニル構造を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂であることが好ましい。ビフェニル構造を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂は、分子中にビフェニル誘導体の芳香族環を含有したアラルキルノボラック型のエポキシ樹脂である。ビフェニル構造を有するアラルキルノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、下記式(1)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。

[式(1)中、pは、1〜5を示す。]
式(1)で示されるエポキシ樹脂の市販品としては、日本化薬株式会社製の商品名「NC−3000」(p=1.7)、「NC−3000H」(p=2.8)等が挙げられる。
(A)成分の含有量は、耐薬品性を向上させる観点から、溶剤を除いたプライマー用樹脂層の全固形分を基準として、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましい。(A)成分の含有量は、導体層との接着性を更に向上させる観点から、溶剤を除いたプライマー用樹脂層の全固形分を基準として、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、55質量%以下が更に好ましい。これらの観点から、(A)成分の含有量は、溶剤を除いたプライマー用樹脂層の全固形分を基準として20〜70質量%が好ましい。
(B)成分としては、(A)成分であるエポキシ樹脂の硬化剤を用いることができる。(B)成分としては、フェノール樹脂類、酸無水物類、アミン類、ヒドラジット類、イミダゾール類等を用いることができる。フェノール樹脂類としては、ノボラック型フェノール樹脂(クレゾールノボラック型フェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック型フェノール樹脂等)、レゾール型フェノール樹脂等を用いることができる。酸無水物類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等を用いることができる。アミン類としては、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素、BFアミン錯体等を用いることができる。イミダゾール類としては、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等を用いることができる。(B)成分としては、耐薬品性及び耐熱性を向上させる観点から、ノボラック型フェノール樹脂が好ましい。(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イミダゾール類及びBFアミン錯体は、潜在性の熱硬化剤であり、反応促進剤として用いることもできる。潜在性の熱硬化剤としては、樹脂組成物の保存安定性、Bステージ状態(半硬化状態)の樹脂組成物の取り扱い性、及び、はんだ耐熱性を向上させる観点から、イミダゾール類が好ましく、2−フェニルイミダゾール及び2−エチル−4−メチルイミダゾールがより好ましい。
イミダゾール類の含有量は、反応性を向上させる観点から、(A)成分100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましい。イミダゾール類の含有量は、樹脂組成物の保存安定性を向上させる観点から、(A)成分100質量部に対して、5.0質量部以下が好ましく、4.5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましい。これらの観点から、イミダゾール類の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜5.0質量部が好ましく、0.5〜4.5質量部がより好ましく、1〜3質量部が更に好ましい。
プライマー用樹脂層は、硬化促進剤を更に含有してもよい。硬化促進剤としては、例えばリン系硬化促進剤を使用することができる。
リン系硬化促進剤としては、リン原子を含有し、エポキシ樹脂の硬化反応を促進させる化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば、第三ホスフィン(第三級ホスフィン)とキノン類との付加物が挙げられる。第三ホスフィンとしては、特に限定するものではないが、例えば、ジブチルフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン等の、アリール基を有する第三ホスフィンが挙げられる。また、キノン類としては、o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ジフェノキノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノン等が挙げられる。リン系硬化促進剤としては、接着性に加えて耐熱性及び保存安定性を向上させる観点から、トリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物が好ましい。
(B)成分におけるエポキシ基と反応可能な活性基(水酸基、酸無水物基等)の当量比は、導体層との接着強度を更に向上させる観点から、(A)成分のエポキシ基1当量に対して、0.5当量以上が好ましく、0.7当量以上がより好ましく、0.8当量以上が更に好ましい。前記当量比は、ガラス転移温度(Tg)及び絶縁性を向上させる観点から、(A)成分のエポキシ基1当量に対して、1.5当量以下が好ましく、1.3当量以下がより好ましく、1.2当量以下が更に好ましい。これらの観点から、前記当量比は、(A)成分のエポキシ基1当量に対して0.5〜1.5当量が好ましい。
(C)成分としては、特に制限されるものではないが、フェノール性水酸基を有するポリブタジエン変性ポリアミド(以下、「(C1)成分」という)を用いることができる。(C1)成分としては、例えば、(c11)ジアミンと、(c12)フェノール性水酸基を有するジカルボン酸と、(c13)フェノール性水酸基を有しないジカルボン酸と、(c14)両末端にカルボキシル基を有するポリブタジエンと、をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等の有機溶剤中で、好ましくは触媒である亜リン酸エステル及びピリジン誘導体の存在下で反応させ、カルボキシル基とアミノ基とを重縮合させることにより合成されるフェノール性水酸基含有ポリブタジエン変性ポリアミドが挙げられる。(C1)成分の市販品としては、例えば、日本化薬株式会社製の商品名「BPAM−155」が挙げられる。(C)成分((C1)成分等)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。(c11)ジアミン、(c12)フェノール性水酸基を有するジカルボン酸、(c13)フェノール性水酸基を有しないジカルボン酸、及び、(c14)両末端にカルボキシル基を有するポリブタジエンのそれぞれは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(c11)ジアミンとしては、芳香族ジアミン、脂肪族ジアミン等が挙げられる。
芳香族ジアミンの具体例としては、ジアミノベンゼン、ジアミノトルエン、ジアミノフェノール、ジアミノジメチルベンゼン、ジアミノメシチレン、ジアミノニトロベンゼン、ジアミノジアゾベンゼン、ジアミノナフタレン、ジアミノビフェニル、ジアミノジメトキシビフェニル、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジメチルジフェニルエーテル、メチレンジアミン、メチレンビス(ジメチルアニリン)、メチレンビス(メトキシアニリン)、メチレンビス(ジメトキシアニリン)、メチレンビス(エチルアニリン)、メチレンビス(ジエチルアニリン)、メチレンビス(エトキシアニリン)、メチレンビス(ジエトキシアニリン)、イソプロピリデンジアニリン、ジアミノベンゾフェノン、ジアミノジメチルベンゾフェノン、ジアミノアントラキノン、ジアミノジフェニルチオエーテル、ジアミノジメチルジフェニルチオエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルスルホキシド、ジアミノフルオレン等が挙げられる。
脂肪族ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ヒドロキシプロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘプタンジアミン、ヘキサンジアミン、ジアミノジエチルアミン、ジアミノプロピルアミン、シクロペンタンジアミン、シクロヘキサンジアミン、アザペンタンジアミン、トリアザウンデカジアミン等が挙げられる。
(c12)フェノール性水酸基を有するジカルボン酸としては、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシフタル酸、ヒドロキシテレフタル酸、ジヒドロキシイソフタル酸、ジヒドロキシテレフタル酸等が挙げられる。
(c13)フェノール性水酸基を有しないジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、両末端にカルボキシル基を有するオリゴマー等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、メチレン二安息香酸、チオ二安息香酸、カルボニル二安息香酸、スルホニル二安息香酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、(メタ)アクリロイルオキシコハク酸、ジ(メタ)アクリロイルオキシコハク酸、(メタ)アクリロイルオキシリンゴ酸、(メタ)アクリルアミドコハク酸、(メタ)アクリルアミドリンゴ酸等が挙げられる。
(c14)両末端にカルボキシル基を有するポリブタジエンの数平均分子量は、200〜10000が好ましく、500〜5000がより好ましい。
(C)成分を用いることで、プライマーと導体層との接着強度が更に向上する傾向にある。このような効果が得られる理由は、必ずしも明らかではないが、次のような理由が考えられる。すなわち、(C)成分は、(A)成分であるエポキシ樹脂と反応可能であるため、(C)成分を用いると、エポキシ樹脂の良好な耐熱性を維持したまま、樹脂の強靭化が可能となる。さらに、導体層が銅を含む場合、銅との接着性の高いアミド基を有するため、銅を含む導体層との更に高い接着強度が得られる傾向にある。
(C)成分の含有量は、プライマー用樹脂層及びプライマーの強靭性を向上させる観点、及び、緻密な粗化形状が得られやすく導体層との接着強度を向上しやすくする観点から、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上が更に好ましい。(C)成分の含有量は、耐熱性を向上させる観点、及び、粗化工程時の薬液への耐性が確保されやすく導体層との接着強度を向上しやすくする観点から、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して30質量部以下が好ましく、28質量部以下がより好ましく、26質量部以下が更に好ましい。
(D)成分としては、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、熱伝導性及び難燃性を向上させる観点から、シリカ、アルミナ及び水酸化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を使用することが好ましく、シリカを使用することがより好ましい。(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(D)成分の比表面積は、絶縁層上に微細配線を形成しやすくする観点から、20m/g以上が好ましく、30m/g以上がより好ましく、50m/g以上が更に好ましく、60m/g以上が特に好ましい。(D)成分の形状は、球形である必要はなく、破砕形状等であってもよく、要求特性に応じて調整することができる。このような比表面積の(D)成分を用いると、めっきプロセスにおける粗化処理後の表面粗さを小さくなり、微細な配線が容易に形成可能になる傾向にある。
(D)成分の比表面積は、当業者が通常用いる測定方法で求めることができる。比表面積の測定方法としては、例えば、BET法が挙げられる。BET法は、吸着占有面積の分かった分子を試料の表面に液体窒素の温度で吸着させ、分子の吸着量から試料の比表面積を求める方法である。BET法としては、例えば、不活性気体の低温低湿物理吸着を用いた方法が挙げられる。
(D)成分の含有量は、限定されるものではないが、例えば、粗化処理後に良好な表面形状を維持する観点から、溶剤を除いたプライマー用樹脂層の全固形分を基準として10質量%以下であってもよい。
(D)成分としては、耐湿性を向上させる観点から、シランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理を施した無機充填材を用いることができる。(D)成分としては、分散性を向上させる観点から、疎水性化処理を施した無機充填材を用いることができる。
(D)成分としては、日本アエロジル株式会社製の商品名「AEROSIL R972」(ヒュームドシリカ、比表面積:110±20m/g(カタログ値))、「AEROSIL R202」(比表面積:100±20m/g(カタログ値))、シーアイ化成株式会社製の商品名「NanoTek」(アルミナ、比表面積:55m/g(カタログ値))、株式会社アドマテックス製の商品名「SO−C1」(球状シリカ、比表面積:17m/g(カタログ値))等が挙げられる。
(D)成分は、分散性を高める目的でニーダー、ボールミル、ビーズミル、3本ロール、ナノマイザー等を用いた既知の混練方法又は分散方法により分散してもよい。
プライマー用樹脂層を得るための樹脂組成物の調製方法としては、特に制限はなく、従来公知の調製方法を用いることができる。プライマー用樹脂層を得るための樹脂組成物は、樹脂組成物に用いられる反応促進剤((B)成分に該当する成分を除く)、チキソ性付与剤、界面活性剤、カップリング剤等の一般的な各種添加剤を適宜含有してもよい。
プライマー用樹脂層を得るための樹脂組成物は、作業性を向上させる観点から、溶剤中で成分を混合し希釈又は分散させてワニスの形態で用いることが好ましい。例えば、溶剤中に(A)〜(D)成分と、必要に応じて各種添加剤(反応促進剤等)とを加えた後、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、自転公転式分散方式等の各種混合方式を用いて混合及び撹拌することによりワニスを調製することができる。各成分を充分に混合及び撹拌した後、泡がなくなるまで静置してワニスを得ることができる。ワニス中の溶剤を除く固形分含量は、塗工性等を向上させる観点から、5〜50質量%が好ましい。
溶剤としては、メチルエチルケトン、キシレン、トルエン、アセトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチルエトキシプロピオネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることができる。溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。樹脂組成物における溶剤の割合は、特に制限されるものではなく、樹脂組成物の塗膜を形成する設備にあわせて調整することができる。
キャリアフィルム付積層体は、プライマー用樹脂層を得るための樹脂組成物を用いてキャリアフィルム上にプライマー用樹脂層を形成することにより作製することができる。キャリアフィルム付積層体を作製する方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、ダイコーター、グラビアコーター、コンマコーター等によりキャリアフィルムに樹脂組成物(例えば樹脂組成物ワニス)を塗工した後に乾燥処理する方法が挙げられる。塗工性を向上させる観点から、ダイコーター又はグラビアコーターを用いることが好ましい。
樹脂組成物を塗工した後の乾燥処理において、乾燥温度は、例えば60〜180℃程度であり、乾燥時間は、例えば1〜10分程度である。乾燥温度が60℃以上であり且つ乾燥時間が1分以上である場合、乾燥が充分に進行し、プライマー内にボイドが発生することを容易に抑制することができる。乾燥温度が180℃以下であり且つ乾燥時間が10分以下である場合、乾燥が進み過ぎて樹脂フロー量が低下することを容易に抑制することができる。
乾燥後のプライマー用樹脂層の厚みは、目的により適宜選択されるが、キャリアフィルムへの塗工性を向上させる観点、及び、当該プライマー用樹脂層を用いて得られるプリント配線板を薄型化する観点から、0.1〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
キャリアフィルムとしては、COレーザー等のレーザーによる加工が可能であるフィルムが好ましい。キャリアフィルム付きのままレーザー加工することにより、プライマーの表面が保護され、ビアの品質が向上する。例えば、図1は、レーザー加工後のキャリアフィルム及びプライマーの表面状態を示す図である。図1(a)及び図1(b)は、プライマーと、プライマー上に配置されたキャリアフィルムとを有する積層体に対してキャリアフィルム側からレーザー加工を施したときのキャリアフィルムの表面状態(図1(a))及びプライマーの表面状態(図1(b))を示している。図1(c)は、プライマーと、プライマー上に配置されたキャリアフィルムとを有する積層体からキャリアフィルムを剥離した後にプライマーにレーザー加工を施したときのプライマーの表面状態を示している。図1(a)及び図1(b)に示されるように、キャリアフィルムを剥離する前にレーザー加工を施した場合には、キャリアフィルムにビアリング(via−ring、図中の符号VR)が形成されているものの、プライマーにビアリングは形成されておらず、キャリアフィルムによりプライマーの表面が保護されることが分かる。一方、図1(c)に示されるように、キャリアフィルムを剥離した後にレーザー加工を施した場合には、プライマーにビアリング(図中の符号VR)が形成されていることが分かる。
キャリアフィルムとしては、目的により適宜選択されるが、金属箔(銅箔等)、有機フィルムなどが挙げられる。キャリアフィルムとしては、表面平滑性及びキャリアフィルムの除去性を向上させる観点から、有機フィルムが好ましい。有機フィルムとしては、例えばポリイミドフィルム又はPETフィルムを用いることができる。
キャリアフィルムには、離型処理を施していない市販のフィルム(有機フィルム等)に離型剤を塗工及び乾燥して離型層を形成することもできる。離型剤としては、シリコーン系、フッ素系、ポリオレフィン系、アルキド樹脂系、アミノ樹脂系等の離型剤を適宜用いることができる。離型剤中に架橋構造が得られることにより離型剤の構成成分のプライマー用樹脂層又はプライマーへの移行を容易に抑制しやすくする観点から、熱硬化型の離型剤が好ましい。熱硬化型の離型剤としては、アルキド樹脂及びアミノ樹脂を含む離型剤等が挙げられる。市販の離型剤としては、例えば、日立化成ポリマー株式会社製の商品名「テスファイン303」及び「テスファイン314」が挙げられる。これらの離型剤は、必要に応じて易滑剤、帯電防止剤等を含有していてもよい。離型処理を施していない市販の有機フィルムとしては、帝人株式会社製の商品名「G2」等のPETフィルム、宇部興産株式会社製の商品名「ユーピレックス25S」等のポリイミドフィルムが挙げられる。
キャリアフィルムとしては、離型処理を施した有機フィルムが好ましい。離型処理を施した市販のキャリアフィルムとしては、例えば、東レフィルム加工株式会社製の商品名「セラピールBX9」、及び、ユニチカ株式会社製の商品名「ユニピールTR1」が挙げられる。
キャリアフィルムの厚みは、目的により適宜選択されるが、取扱性、及び、レーザー等によるビア形成性を向上させる観点から、1〜100μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、10〜50μmが更に好ましい。
プライマー用樹脂層付積層体におけるプライマーの厚みは、目的により適宜選択されるが、キャリアフィルムへの塗工性を向上させる観点、及び、当該プライマーを用いて得られるプリント配線板を薄型化する観点から、0.1〜20μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
<導体層付積層体の製造方法>
導体層付積層体の製造方法は、熱硬化工程と、ビア形成工程と、剥離工程と、フィルム除去工程と、粗化工程と、導体層形成工程と、を備える。フィルム除去工程は、ビア形成工程の後に行われてもよく、ビア形成工程の前に行われてもよい。粗化工程は、ビア形成工程及びフィルム除去工程の後に行われる。導体層形成工程は、粗化工程の後に行われる。
熱硬化工程では、プライマー用樹脂層付積層体の製造方法により得られたプライマー用樹脂層付積層体のプライマー用樹脂層(キャリアフィルム付積層体により供給されたプライマー用樹脂層であってもよい)を熱硬化することにより、少なくともプライマーを備える積層体(以下「プライマー付積層体」という)を得る。フィルム除去工程の前におけるプライマー付積層体は、例えば、絶縁層とプライマーとキャリアフィルムとを積層方向においてこの順に備える。フィルム除去工程の後におけるプライマー付積層体は、例えば、絶縁層とプライマーとを備える。
熱硬化工程における熱硬化条件は、使用するプライマーにより適宜選定される。めっきプロセスにおける粗化工程後の表面粗さを小さくする観点、及び、導体層との接着強度を更に向上させる観点から、熱硬化温度が80〜300℃であり、且つ、硬化時間が15〜180分であることが好ましい。
熱硬化工程における熱硬化には、クリーンオーブンを用いることができる。また、キャリアフィルム付積層体の酸化を抑制するため、窒素等の不活性ガスの雰囲気中で硬化を行ってもよい。
ビア形成工程では、プライマー付積層体にビアを形成する。ビア形成工程では、少なくともプライマーにビアを形成し、プライマー付積層体がキャリアフィルムを備えている場合には、プライマー及びキャリアフィルムにビアを形成することができる。フィルム除去工程では、キャリアフィルムをプライマーから剥離してキャリアフィルムを除去することにより、絶縁層とプライマーとを備える積層体を得る。
ビア形成工程におけるビア形成では、一般的に配線板製造工程において用いられる方法を用いることができる。ビア形成に用いられる方法としては、ドリル、COレーザー、YAGレーザー等が挙げられる。
粗化工程では、プライマーの表面を粗化する。粗化する方法としては、例えば、デスミア処理が挙げられる。デスミア処理の方法としては、特に制限されるものではないが、過マンガン酸ナトリウム水溶液を用いる方法、プラズマによる方法等を用いることができる。キャリアフィルムを除去した後にデスミア処理を行うことにより、ビア形成の際に発生するスミアを除去することができると共に、プライマーの表面に微細な凹凸が形成され、導体層との高い接着強度を発現しやすい。デスミア処理は、キャリアフィルムを除去した後に加えて、キャリアフィルムを除去する前に行ってもよい。キャリアフィルムを除去する前のデスミア処理の方法は、キャリアフィルムを除去した後のデスミア処理の方法と同一であってもよく、異なっていてもよい。
導体層形成工程では、セミアディティブ法に用いられる公知の方法を用いることができる。例えば、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行った後、無電解めっき液に浸漬してプライマーの表面全面に厚み0.3〜1.5μmの無電解めっき層(導体層)を析出させる。必要に応じて、電解めっきを更に行って、必要な厚みに調整することができる。無電解めっきに用いる無電解めっき液としては、公知の無電解めっき液を用いることが可能であり、特に制限はない。また、電解めっきについても公知の方法を用いることが可能であり、特に制限はない。これらのめっきとしては、銅めっきが好ましい。
また、必要に応じて、セミアディティブ法の前処理として、導体層との接着強度を更に向上させる観点から、プライマーに表面処理を施すこともできる。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理等が挙げられる。これらの処理は、適用するプライマーの種類により適宜選択される。
導体層付積層体における導体層側のプライマー表面の表面粗さRaは、微細配線形成性を向上させる観点から、0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。プライマーの前記表面粗さRaは、例えば、Veeco社製の表面形状測定装置Wyko NT9100(商品名)を用いて測定することができる。測定範囲は、例えば、0.120mm×0.095mmの範囲である。
<プリント配線板の製造方法>
本実施形態に係るプリント配線板の製造方法は、導体層付積層体の製造方法により得られた導体層付積層体に回路を形成することによりプリント配線板を得る工程を備える。例えば、導体層付積層体の導体層における不要な箇所をエッチング除去してもよいし、前記の導体層形成工程において予めマスクパターンを形成しておくことにより回路パターンとして導体層を得てもよい。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、例えば、「好ましい」と記載されていても、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明は、その技術思想、又は、その主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
次に、実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
<プライマー用樹脂組成物の調製>
(調製例1)
(C)成分であるフェノール性水酸基含有ポリブタジエン変性ポリアミド(日本化薬株式会社製、商品名「BPAM−155」)1.8gに、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を15.9g配合した。続いて、(A)成分であるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名「NC−3000H」)5.0g、及び、(B)成分であるクレゾールノボラック型フェノール樹脂(DIC株式会社製、商品名「KA1165」)2.1gを加えた。次に、(B)成分(硬化剤)である2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名「2PZ」)0.050gを添加した後、DMAc及びメチルエチルケトンからなる混合溶剤で希釈した。そして、(D)成分であるシリカフィラー(ヒュームドシリカ、日本アエロジル株式会社製、商品名「AEROSIL R972」、比表面積:110±20m/g(カタログ値))0.50gを加えた後、分散機(吉田機械興業株式会社製、商品名「ナノマイザー」)を用いて均一なプライマー用樹脂組成物A(固形分含量:約25質量%)を得た。
(調製例2)
(C)成分であるフェノール性水酸基含有ポリブタジエン変性ポリアミド(日本化薬株式会社製、商品名「BPAM−155」)1.8gに、N−メチルピロリドン(NMP)を30.0g配合した。続いて、(A)成分であるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名「NC−3000H」)5.0g、及び、(B)成分であるビスフェノールAノボラック型フェノール樹脂(三菱化学株式会社製、商品名「YLH129」)2.0gを加えた。次に、(B)成分(硬化剤)である2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名「2PZ」)0.050gを添加した後、NMP及びメチルエチルケトンからなる混合溶剤で希釈した。そして、(D)成分であるアルミナフィラー(シーアイ化成株式会社製、商品名「NanoTek」、比表面積:55m/g(カタログ値))0.50gを加えた後、分散機(吉田機械興業株式会社製、商品名「ナノマイザー」)を用いて均一なプライマー用樹脂組成物B(固形分含量:約20質量%)を得た。
<導体層付積層体の製造>
(実施例1)
(1)絶縁層の作製
回路を有する絶縁基板上にプリプレグ(日立化成株式会社製、商品名「GEA−679FG(R)」、40μm厚)を重ね、その上下に銅箔(古河電気工業株式会社製、商品名「GTS−12」)を粗化面が外側に位置するように重ねた。さらに、鏡板及びクッション紙を重ね、プレス機を用いて3.0MPa、180℃で60分加熱硬化させて積層サンプルを得た。そして、エッチングにより銅箔を除去し、絶縁層(プリプレグの硬化物)を有する積層体を作製した。
絶縁層の230℃1時間加熱前後の発熱量の変化をティー・エイ・インスツルメント社製DSC Q200(商品名)を用いて下記条件にて測定した結果、0.3J/gであった。これにより、絶縁層がCステージ硬化物から構成されていることが確認された。
[DSC測定条件]
測定温度:50〜300℃
昇温速度:10℃/分
絶縁層の表面の表面粗さ(Ra)をVeeco社製の表面形状測定装置Wyko NT9100(商品名)を用いて下記条件で測定した結果、0.17μmであった。
[測定条件]
内部レンズ:1倍
外部レンズ:50倍
測定範囲:0.120mm×0.095mm
測定深度:10μm
測定方式:垂直走査型干渉方式(VSI方式)
(2)キャリアフィルム付積層体の作製
上記(調製例1)で得られた樹脂組成物Aを、キャリアフィルムとしてのPETフィルム(ユニチカ株式会社製、商品名「ユニピールTR1」、厚み38μm)上に塗布し、100℃で10分間乾燥処理することにより、厚み10μmのプライマー用樹脂層を有するキャリアフィルム付積層体を作製した。
(3)プライマー付積層体の作製
真空加圧式ラミネーターを用いて、上記工程(2)で得られたキャリアフィルム付積層体を、上記工程(1)で得られた積層体の片面に、プライマー用樹脂層がキャリアフィルムよりも絶縁層側に位置するように積層してプライマー用樹脂層付積層体を得た、次に、230℃、60分間の硬化条件にて熱硬化処理することによりプライマー付積層体を作製した。プライマーの厚みは5μmであった。
(4)ビアの形成
日立ビアメカニクス株式会社製のCOレーザー加工機「LCO−1B21型」を用いて、ビーム径80μm、周波数500Hz、パルス幅5μsec、ショット数7の条件で、上記工程(3)で作製したプライマー付積層体にビアを形成した。
(5)デスミア処理
上記工程(4)で得られたビアを有する基板のキャリアフィルムを剥離して粗化用基板を得た。次に、スウェリングディップセキュリガントP(1000mL/L、アトテック社製、商品名)及び水酸化ナトリウム(NaOH:3g/L)の混合液(膨潤液)を80℃に加温し、この混合液に粗化用基板を5分間浸漬した。次いで、コンセントレートコンパクトCP(640mL/L、アトテック社製、商品名)及び水酸化ナトリウム(NaOH:40g/L)の混合液(粗化液)を80℃に加温し、10分間浸漬した。引き続き、リダクションソリューションセキュリガントP500(200mL/L、アトテック社製、商品名)及び硫酸(HSO:100mL/L)の混合液(中和液)を40℃に加熱し、5分間浸漬した。
次いで、無電解めっきの前処理として、コンディショナー液としてのクリーナーセキュリガント902(40mL/L、アトテック社製、商品名)に60℃で5分間浸漬した後、水洗した。次に、プレディップ工程として、プレディップネオガントB(20mL/L、アトテック社製、商品名)及び硫酸(1mL/L)の混合液に25℃で1分浸漬した。次に、触媒付与工程として、アクチベーターネオガント834コンク(40mL/L、アトテック社製、商品名)、水酸化ナトリウム(4g/L)及びホウ酸(5g/L)の混合液に35℃で5分浸漬した。次に、還元工程として、リデューサーネオガントWA(5mL/L、アトテック社製、商品名)及びリデューサーアクセラレーター810mod(100mL/L、アトテック社製、商品名)の混合液に25℃で1分浸漬した。最後に、無電解銅めっき工程として、ベーシックソリューションプリントガントMSK(80mL/L、アトテック社製、商品名)、カッパーソリューションプリントガントMSK(40mL/L、アトテック社製、商品名)、リデューサーCu(14mL/L、アトテック社製、商品名)及びスタビライザープリントガントMSK(3mL/L、アトテック社製、商品名)の混合液に28℃で15分浸漬し、厚み約0.5μmの銅めっき被膜を形成した。そして、乾燥機を用いて80℃で15分間乾燥した後、硫酸銅電解めっきを行った。その後、アニール処理を170℃で30分間行い、絶縁層(絶縁樹脂層)の表面上に厚さ30μmの導体層を形成し、導体層付積層体を得た。
(実施例2)
実施例1の工程(2)において、PETフィルム(商品名「ユニピールTR1」)に代えて、日立化成ポリマー株式会社製の離型剤(商品名「テスファイン303」)を塗布したポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、商品名「ユーピレックス25S」)を用いた以外は、実施例1と同様に導体層付積層体を得た。
(実施例3)
実施例1の工程(2)において、樹脂組成物Aに代えて、上記(調製例2)で得られた樹脂組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様に導体層付積層体を得た。
(実施例4)
実施例1の工程(1)において、プリプレグを日立化成株式会社製の商品名「GEA−700G」(40μm厚)に変更した以外は、実施例1と同様に導体層付積層体を得た。絶縁層の230℃1時間加熱前後の発熱量の変化を実施例1と同様に測定した結果、0.2J/gであった。これにより、絶縁層がCステージ硬化物から構成されていることが確認された。絶縁層の表面の表面粗さ(Ra)を実施例1と同様に測定した結果、0.18μmであった。
(実施例5)
実施例1においてキャリアフィルムを剥離してからレーザー加工によりビアを形成したこと以外は、実施例1と同様に導体層付積層体を得た。
(比較例1)
実施例1の工程(1)で作製した積層体に代えて、次のとおりに作製した積層体を用いた。回路を有する絶縁基板上にプリプレグ(絶縁層、日立化成株式会社製、商品名「GEA−679FG(R)」、40μm厚)を重ねた後、実施例1の工程(2)で得られたキャリアフィルム付積層体を、プライマー用樹脂層がキャリアフィルムよりも絶縁層側に位置するように重ねた。そして、真空加圧式ラミネーターを用いて成形した後、乾燥機を用いて180℃、60分の硬化条件にて熱硬化した。このようにして得られた積層体を用いて、実施例1の工程(4)以降を行い、導体層付積層体を得た。キャリアフィルム付積層体を重ねる前の絶縁層の230℃1時間加熱前後の発熱量の変化を実施例1と同様に測定した結果、46J/gであった。これにより、絶縁層が、Cステージ硬化物から構成されておらず、Bステージ硬化物から構成されていることが確認された。
(比較例2)
比較例1で用いたプリプレグ(絶縁層)を日立化成株式会社製の商品名「GEA−700G」(40μm厚)に変更した以外は比較例1と同様にして導体層付積層体を得た。キャリアフィルム付積層体を重ねる前の絶縁層の230℃1時間加熱前後の発熱量の変化を実施例1と同様に測定した結果、6.4J/gであった。これにより、絶縁層が、Cステージ硬化物から構成されておらず、Bステージ硬化物から構成されていることが確認された。
<導体層/樹脂層の接着強度>
実施例及び比較例で得た各導体層付積層体の導体層の一部をエッチング処理して幅10mm、長さ100mmの外層回路を形成した。次に、前記外層回路が形成された導体層の一端を導体層/樹脂層界面で剥がした。そして、導体層の前記一端をつかみ具でつかみ、引張り速度約50mm/分、室温(25℃)中で垂直方向に引き剥がしたときの荷重を接着強度として測定した。測定結果を表1に示す。
<表面粗さ(Ra)>
実施例及び比較例で得た各導体層付積層体の導体層をエッチング処理により除去し、露出したプライマーの表面の表面粗さ(Ra)をVeeco社製の表面形状測定装置Wyko NT9100(商品名)を用いて下記条件にて測定した。
[測定条件]
内部レンズ:1倍
外部レンズ:50倍
測定範囲:0.120mm×0.095mm
測定深度:10μm
測定方式:垂直走査型干渉方式(VSI方式)
<レーザー加工後の表面観察>
実施例及び比較例で得た各導体層付積層体のビアホール表面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、商品名「S−4700」)を用いてプライマー表面を観察した。プライマーの表面にビアリングが形成されていない場合を「A」と評価し、プライマーの表面にビアリングが形成される場合を「B」と評価した。測定結果を表1に示す。図1(a)及び図1(b)は、実施例2の観察結果であり、図1(c)は、実施例5の観察結果である。
表1から、実施例1〜5では、優れた接着強度が得られることが確認された。また、実施例1〜4では、プライマーの表面にビアリングが形成されることなくビアを形成できることが確認された。比較例1及び2では、接着強度が低いことが確認された。
VR…ビアリング。

Claims (19)

  1. 熱硬化性樹脂を含有する組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層と、めっきプロセス用樹脂層を得るための樹脂組成物層と、キャリアフィルムと、をこの順に積層することにより積層体を得る工程を備える、積層体の製造方法。
  2. 前記キャリアフィルムと前記樹脂組成物層とを有する積層フィルムを前記絶縁層に積層することにより前記積層体を得る、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記絶縁層と前記樹脂組成物層と前記キャリアフィルムとをプレス又はラミネートにより積層する、請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記絶縁層と前記樹脂組成物層と前記キャリアフィルムとをラミネートにより積層する、請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記絶縁層における前記樹脂組成物層側の表面の表面粗さRaが0.6μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  6. 前記樹脂組成物層が、エポキシ樹脂と、硬化剤と、フェノール性水酸基を有するポリアミドと、無機充填材と、を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  7. 前記無機充填材の比表面積が20m/g以上である、請求項6に記載の積層体の製造方法。
  8. 前記キャリアフィルムが有機フィルムである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  9. 前記キャリアフィルムがポリイミドフィルム又はポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  10. 前記キャリアフィルムの厚みが1〜100μmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  11. 前記積層体が、前記樹脂組成物層と前記キャリアフィルムとの間に離型層を更に備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  12. 前記離型層がアルキド樹脂を含有する、請求項11に記載の積層体の製造方法。
  13. 熱硬化性樹脂を含有する組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層と、めっきプロセス用樹脂層を得るための樹脂組成物層と、キャリアフィルムと、をこの順に備える、積層体。
  14. めっきプロセス用樹脂層を得るための樹脂組成物層と、当該樹脂組成物層を支持するキャリアフィルムと、を備え、
    熱硬化性樹脂を含有する組成物のCステージ硬化物を含む絶縁層と積層される、積層フィルム。
  15. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法により得られた積層体の前記樹脂組成物層、請求項13に記載の積層体の前記樹脂組成物層、又は、請求項14に記載の積層フィルムの前記樹脂組成物層を熱硬化することにより、めっきプロセス用樹脂層を備える積層体を得る熱硬化工程と、
    前記めっきプロセス用樹脂層を備える積層体にビアを形成するビア形成工程と、
    前記キャリアフィルムを除去するフィルム除去工程と、
    前記ビア形成工程及び前記フィルム除去工程の後に前記めっきプロセス用樹脂層の表面を粗化する粗化工程と、
    前記粗化工程の後に前記めっきプロセス用樹脂層上にめっきによって導体層を形成することにより積層体を得る工程と、を備える、積層体の製造方法。
  16. 前記フィルム除去工程を前記ビア形成工程の後に備える、請求項15に記載の積層体の製造方法。
  17. 前記めっきプロセス用樹脂層の厚みが0.1〜20μmである、請求項15又は16に記載の積層体の製造方法。
  18. 前記熱硬化工程において、熱硬化温度が80〜300℃であり、硬化時間が15〜180分である、請求項15〜17のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  19. 請求項15〜18のいずれか一項に記載の製造方法により得られた積層体に回路を形成する工程を備える、プリント配線板の製造方法。
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