JP2003198183A - 電磁波遮蔽シートの製造方法及び電磁波遮蔽シート - Google Patents

電磁波遮蔽シートの製造方法及び電磁波遮蔽シート

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電磁波遮蔽シートの製造方法を提供する。 【解決手段】 基材1上の樹脂層2に凹部3を賦形する
工程A、樹脂層2の表面に剥離層6を形成する工程B、
剥離層6の表面に導電性塗料11’を塗布する工程C
1、凹部以外に塗布された導電性塗料11’をワイピン
グする工程D1、及び、樹脂層平面に形成された剥離層
6を除去して凹部内に導電層4を形成する工程Fを有す
る製造方法、又は、上記工程B後、剥離層6の表面に無
電解めっき用触媒塗料11”を塗布する工程C2、ワイ
ピング工程D2、無電解めっき工程E、及び、剥離層6
の除去工程Fを有する製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波シールドが
必要な公共施設、ホール、病院、学校、企業ビル、住宅
等の壁面、ガラス面又は樹脂パネル面、又は、電磁波を
発生する機器の表示部等に使用される電磁波遮蔽シート
の製造方法及びその方法により得られた電磁波遮蔽シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】公共施設、ホール、病院、学校、企業ビ
ル、住宅等の壁面、ガラス面又は樹脂パネル面、又は、
電磁波を発生する機器の表示面等の被遮蔽面を電磁波シ
ールドする方法は、従来より種々提案されている。例え
ば、被遮蔽面上に電磁波遮蔽塗料を全面塗布する方法、
被遮蔽面上に金属箔を貼り合わせる方法、金属めっきさ
れた繊維メッシュを樹脂板に熱ラミネートしてなる電磁
波遮蔽シートを、被遮蔽面に貼り合わせる方法、導電性
繊維をメッシュ状に編んだものを被遮蔽面に貼り合わせ
る方法、等が一般的に行われている。
【0003】これらのうち、透明ガラス面、透明樹脂パ
ネル面、CRTやPDPの表示面等の被遮蔽面を電磁波
シールドする場合においては、被遮蔽面を透視可能に覆
うことができる電磁波遮蔽シートが要求されている。
【0004】そうした要求に対しては、金属めっきされ
た繊維メッシュや導電性繊維をメッシュ状に編んだもの
を樹脂板に熱ラミネートする方法により製造された電磁
波遮蔽シートA、基材上に貼り合わせた金属層をフォト
リソグラフィー法でメッシュ状にエッチングする方法に
より製造された電磁波遮蔽シートB、平面基材上に無電
解めっき用触媒塗料をパターン印刷した後に無電解めっ
きで導電層を形成する方法により製造された電磁波遮蔽
シートC、平面基材上に導電性塗料をパターン印刷して
導電層を形成する方法により製造された電磁波遮蔽シー
トD、等が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、導電性
を付与した繊維メッシュ等を利用して製造された電磁波
遮蔽シートAにおいては、熱ラミネートの際に、繊維メ
ッシュ等と樹脂板との間で歪みが生じて透視画像がゆが
んだり、熱ラミネートの際にめっき層にクラックが発生
して電磁波シールド性能が低下したりする等、その製造
方法特有の問題が生じていた。また、その製法上、導電
性を付与した繊維の太さは50μm程度が限界であり、
細径化が難しく、より透視性を向上させたり、電磁波遮
蔽シート全体の厚さを薄くすることが困難であるという
問題があった。
【0006】また、フォトリソグラフィー法を利用して
製造された電磁波遮蔽シートBにおいては、工程が多く
高コストになるという問題があった。
【0007】また、無電解めっきで導電層を形成する方
法で製造された電磁波遮蔽シートCは、例えば特開平1
1−170420号公報に記載されているが、形成され
た導電層の線幅に太りや滲み等があり、特に、透視性が
要求される用途に使用される電磁波遮蔽シートにおいて
は、外観が劣るという問題があった。さらに、電磁波遮
蔽シートCの大きさはめっきラインの大きさに依存する
ので、幅2m程度の大きな寸法からなる電磁波遮蔽シー
トを製造するには、めっきラインに供された電磁波遮蔽
シートCを2〜3枚を繋ぎ合わせる必要があり、そのた
め、繋ぎ目から電磁波がもれて遮蔽を十分に行うことが
できないおそれもあった。
【0008】また、導電性塗料を塗布して導電層を形成
する方法で製造された電磁波遮蔽シートDは、印刷時に
導電性塗料の滲みがみられ、外観が劣るという問題があ
った。
【0009】本発明の目的は、上述した問題が生じない
電磁波遮蔽シートの製造方法及びその方法により得られ
た電磁波遮蔽シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に適用される本発明に係る第1形態の電磁波遮蔽シート
の製造方法は、基材、樹脂層、導電層を有する電磁波遮
蔽シートの製造方法であって、基材上の樹脂層に凹部を
賦形する工程A、樹脂層の表面に剥離層を形成する工程
B、剥離層の表面に導電性塗料を塗布する工程C1、凹
部以外に塗布された導電性塗料をワイピングする工程D
1、及び、樹脂層平面に形成された剥離層を除去して凹
部内に導電層を形成する工程F、を有することに特徴が
ある。
【0011】この発明によれば、工程D1でワイピング
した際に、凹部以外の剥離層の一部に導電性塗料が残っ
た場合であっても、樹脂層平面に形成された剥離層を除
去することにより、凹部内のみに導電層を形成すること
ができる。
【0012】また、上記目的を達成するために適用され
る本発明に係る第2形態の電磁波遮蔽シートの製造方法
は、基材、樹脂層、導電層を有する電磁波遮蔽シートの
製造方法であって、基材上の樹脂層に凹部を賦形する工
程A、樹脂層の表面に剥離層を形成する工程B、剥離層
の表面に無電解めっき用触媒塗料を塗布する工程C2、
凹部以外に塗布された無電解めっき用触媒塗料をワイピ
ングする工程D2、凹部内の無電解めっき用触媒層上に
無電解めっきする工程E、及び、樹脂層平面に形成され
た剥離層を除去して凹部内に導電層を形成する工程F、
を有することに特徴がある。
【0013】この発明によれば、工程D2でワイピング
した際に、凹部以外の剥離層の一部に無電解めっき用触
媒塗料が残り、凹部以外の部分の無電解めっき用触媒層
上に無電形めっきされた場合であっても、樹脂層平面に
形成された剥離層を除去することにより、凹部内のみに
導電層を形成することができる。
【0014】本発明の電磁波遮蔽シートの製造方法にお
いて、前記工程Fの好ましい態様は、露出した剥離層に
熱可塑性樹脂層が形成された剥離用シートを接着し、そ
の後その剥離用シートを引き剥がすことにより、樹脂層
平面に形成された剥離層を除去して凹部内に導電層を形
成する工程であり、また、前記工程Fの好ましい他の態
様は、露出した剥離層上に熱可塑性樹脂層を形成し、そ
の熱可塑性樹脂層上に剥離用シートを接着し、その後そ
の剥離用シートを引き剥がすことにより、樹脂層平面に
形成された剥離層及び熱可塑性樹脂層を除去して凹部内
に導電層を形成する工程である。
【0015】これらの発明によれば、熱可塑性樹脂層及
び剥離用シートを利用することにより、樹脂層平面に形
成された剥離層を容易に除去して凹部内のみに導電層を
形成することができる。
【0016】以上、本発明の電磁波遮蔽シートの製造方
法によれば、凹部を設計寸法通りに形成して細径化、透
視性の向上、外観の向上、電磁波遮蔽シート全体の薄肉
化等を達成することができるので、希望した透視性や電
磁波シールド特性を有する電磁波遮蔽シートを設計通り
に製造することができる。さらに、上述した従来の製造
方法に比べて製造が容易で生産性が高く、従来の繊維メ
ッシュのような熱ラミネートに基づく歪みの問題や、導
電層の線幅の太りや滲みの問題も生じない。さらに、本
発明の電磁波遮蔽シートの製造方法によれば、ワイピン
グにより凹部以外の導電性塗料又は無電解めっき用触媒
塗料を除去する際に、凹部の縁の平面部にその導電性塗
料又は無電解めっき用触媒塗料が残ってしまう場合であ
っても、上記の工程Fにより凹部以外の導電層を除去し
て、凹部内のみに導電層を形成することができるという
格別の効果がある。
【0017】上記目的を達成するために適用される本発
明の電磁波遮蔽シートは、基材、樹脂層、導電層を有す
る電磁波遮蔽シートであって、当該導電層が、樹脂層に
賦形された凹部に剥離層を介して設けられていることに
特徴を有する。なお、本発明の電磁波遮蔽シートにおい
ては、前記導電層が、導電性塗料で形成された層又は無
電解めっきで形成された層であることが好ましい。
【0018】この発明によれば、樹脂層に形成された凹
部内に導電層が設けられるので、従来の繊維メッシュの
ような熱ラミネートに基づく問題がなく、しかも、導電
層の線幅の太りや滲みの問題も生じない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電磁波遮蔽シート
の製造方法について図面を参照しつつ説明し、さらに、
その製造方法によって得られた電磁波遮蔽シートについ
て説明する。
【0020】電磁波遮蔽シート101は、図1に示すよ
うに、工程A、工程B、工程C1、工程D1、工程Fを
順番に経ることによって製造される。また、図2に示す
ように、工程A、工程B、工程C2、工程D2、工程
E、工程Fを順番に経ることによっても製造される。こ
れらの方法によって製造された電磁波遮蔽シート101
は、基材1、樹脂層2、導電層4を有するものであり、
樹脂層2の表面に賦形された凹部3内の剥離層6の上に
導電層4が設けられた形態となる。
【0021】(工程A)工程Aは、基材1上に設けられ
た樹脂層2に凹部3を賦形する工程である。この工程A
において、樹脂層2上に所定の電磁波遮蔽パターンから
なる凹部3が形成される。
【0022】先ず、基材1について説明する。
【0023】基材1は、透明性を有するものであり、熱
可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等からなる材料で形成され
る。基材1の材質としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリナフタレンテレフタレート、アクリル樹脂、ポ
リカーボネート、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリステ
レン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロー
ス、ポリウレンタン、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテ
ル系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリアクリルニトリル
系樹脂等が挙げられ、これらの材質からなる透明又は半
透明のフィルム、シート又は板が本発明における基材1
として適用される。基材1の厚さは、電磁波遮蔽シート
101が使用される用途や要求される透視性に基づいて
任意に設定される。例えば、その用途に応じ、50μm
〜10mm程度の範囲のものが適用される。
【0024】基材1の表面には、後述する樹脂層2との
接着性を向上させるために、必要に応じてコロナ処理、
オゾン吹き付け処理又はプラズマ処理等の易接着処理を
施することができる。また、基材1の表面に、アンカー
層を形成して後述する樹脂層2との接着性を向上させる
こともできる。アンカー層は樹脂材料で形成され、基材
1と樹脂層2の両方に接着性のよいものが用いられる。
そうした樹脂としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。アンカー層
は、そうした樹脂を含む塗料を、ロールコート、スプレ
ーコート、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリ
ーン印刷等の塗工法又は印刷法で形成して設けられる。
【0025】次に、樹脂層2について説明する。
【0026】樹脂層2は、上述の基材1上に設けられる
ものであって、透明性(透明又は半透明)があり、後述
の手段により電磁波遮蔽パターンからなる凹部3が形成
されるものである。そうした樹脂層2は、電離放射線硬
化性樹脂により形成されることが好ましい。基材1上に
塗工された電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線(紫外
線、電子線等)の照射によって速やかに硬化する。その
ため、電離放射線硬化性樹脂が硬化する前に、賦形部材
によりその電離放射線硬化性樹脂の表面に凹部3が賦形
される。そして、その賦形状態を維持しつつ電離放射線
を照射することによって、所望寸法及び形状の凹部3を
有する樹脂層2が形成される。
【0027】そうした電離放射線硬化性樹脂としては、
ラジカル重合性のビニル基を有する単官能もしくは多官
能アクリレート樹脂のモノマー、オリゴマー又はプレポ
リマーが挙げられる。例えば、分子中に(メタ)アクリ
ロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等の重合性不
飽和結合、または、エポキシ基等のカチオン重合性官能
基を有するプレポリマー、モノマー又はポリマーを、1
種のみ又は2種以上適宜混合した組成物を挙げることが
できる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせ
によるポリエン/チオール系のプレポリマーからなる組
成物も用いることができる。組成物は、未硬化時に液状
のものが用いられる。
【0028】前記分子中に重合性不飽和結合を有するプ
レポリマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と多価ア
ルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポリエス
テル(メタ)アタリレート、ウレタン(メタ)アタリレ
ート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メ
タ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等
の(メタ)アクリレート類がある(なお、本明細書で
は、(メタ)アクリレートとは、アタリレート又はメタ
クリレートの意味で用いる。以下同様)。また、前記分
子中に重合性不飽和結合を有するモノマーの例として
は、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノ
マー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエ
チル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル等の単官能
(メタ)アクリル酸エステル類、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アタリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)
アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル、
(メタ)アクリル酸−2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル、(メタ)アクリル酸−2−(N,N−ジベンジ
ルアミノ)エチル等の不飽和酸の置換アミノアルコール
エステル類、(メタ)アクリルアミド等の不飽和カルボ
ン酸アミド等がある。
【0029】また、分子中にカチオン重合性官能基を有
するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ
樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹
脂等、脂肪環型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、脂肪族
系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン
系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニ
ルエーテル系樹脂、環状エーテル系樹脂、スピロ系化合
物等のプレポリマー等がある。
【0030】また、ポリエン/チオール系のプレポリマ
ーとしては、分子中に2個以上のメルカプト基を有する
ポリチオール化合物、例えば、トリメチロールプロパン
トリチオグリコレート、トリメチロールプロパントリチ
オプロピレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリ
コール等がある。一方、ポリエンとしては、ジオールと
ジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルア
ルコールを付加したもの等がある。
【0031】電離放射線硬化性樹脂は、以上の化合物を
必要に応じ1種又は2種以上混合して用いられるが、樹
脂組成物に通常の塗工適性を付与するために、前記プレ
ポリマー又はオリゴマーを5質量%以上、前記モノマー
及び/又はポリチオールを95質量%以下とすることが
好ましい。
【0032】また、硬化物の可撓性、表面硬度、剥離性
等の物性を調節するために、前記電離放射線硬化性樹脂
に対して、以下のような電離放射線非硬化性樹脂を1〜
70質量%程度混合して用いることができる。電離放射
線非硬化性樹脂としては、ウレタン系樹脂、セルロース
系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ブチラ
ール樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑
性樹脂を用いることができる。また、剥離性を向上させ
る為に、シリコーン樹脂、ワックス等の滑剤を添加する
ことができる。
【0033】特に紫外線で硬化させる場合には、前記電
離放射線硬化性樹脂組成物に光重合開始剤を添加する。
分子中にラジカル重合性不飽和結合を有する化合物に対
しては、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラ
ーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステ
ル、テトラメチルメウラムモノサルファイド、チオキサ
ントン類等がある。
【0034】分子中にカチオン重合性官能基を有する化
合物に対しては、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホ
ニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、
ベンゾインスルホン酸エステル、ジアリルヨードシル塩
等がある。又、必要に応じて更に、光増感剤としてn−
ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホ
スフィン等を混合して用いることもできる。
【0035】なお、ここで電離放射線としては、電磁波
又は荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエネルギ
ーを有するものを意味し、紫外線、可視光線、X線、電
子線、α線等があるが、通常紫外線又は電子線が用いら
れる。紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、
低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライトラン
プ、メタルハライドランプ等の光源が使用される。電子
線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラ
フト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は、直線
型、ダイナミトロン型もしくは高周波型等の各種電子線
加速器を用い、100〜1000keV、好ましくは、
100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射す
るものが使用される。
【0036】電離放射線硬化性樹脂の塗布方法として
は、グラビアリバース、ロールコート、カーテンフロー
コート、Tダイコート、キスコート等の方法が適用され
る。これらのうち、溶剤希釈した塗料を用いた場合に
は、グラビアリバース、リバースロールコート、カーテ
ンフローコート、ロールコートが好ましく、無溶剤タイ
プの塗料を用いた場合には、Tダイコートが好ましい。
特に成形版胴に塗工する場合は、インキパン中の液状組
成物に、回転する成形版胴を浸漬させる(いわゆるドブ
浸け)も可能である。こうした塗布方法により、厚さ5
〜50μmの樹脂層2が形成される。
【0037】次に、基材1上の樹脂層2に凹部3を賦形
する手段について説明する。
【0038】第1の賦形手段としては、基材上に塗工さ
れた硬化前の電離放射線硬化性樹脂表面に、所定パター
ンの凹凸を有する賦形部材を圧着し、その後その圧着状
態を維持しつつ、電離放射線を照射して電離放射線硬化
性樹脂を硬化させ、その後その賦形部材を取り外すこと
により、樹脂層2に凹部3を賦形する。
【0039】第2の賦形手段としては、所定パターンで
形成された凹凸版からなる賦形部材に直接電離放射線硬
化性樹脂を塗工し、その上に基材1を積層した後、電離
放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させるこ
とにより、樹脂層2に凹部3を賦形する。
【0040】賦形部材としては、図3および図4に示す
ようなシリンダー7が好ましく使用される。なお、樹脂
層2に凹部3を形成することが可能であれば、シリンダ
ー7以外の賦形部材や、上記以外の賦形手段を適用して
も構わないが、電離放射線硬化性樹脂を用いた上述の賦
形手段は、電離放射線により所望の賦形形態を保持させ
た状態で速やかに硬化させることができるので、透視性
に優れ、寸法精度に優れた所望形状の凹部3を樹脂層2
に形成することができる点で優れている。
【0041】ここで、図3は、シリンダー面9に電離放
射線硬化性樹脂の塗工表面を圧着した態様を示す説明図
である。また、図4は、シリンダー面9に形成された連
続凸状パターン8の一例を示す断面図である。この工程
Aにおいては、金属製のシリンダー7が好ましく使用さ
れる。シリンダー7は、大面積のものを使用できるの
で、大面積の電磁波遮蔽シートを容易に製造することが
できる。シリンダー7上には、後述する図10に示した
電磁波遮蔽パターンを樹脂層2に賦形できるように、所
定の連続凸状パターン8が形成されている。なお、シリ
ンダー7上の賦形パターンは、化学エッチング、レーザ
ー露光エッチング、切削、ミル押し、研磨、Crめっき
等により形成される。樹脂層2に凹部3を賦形する際に
は、シリンダー7を30〜80℃程度に加熱して圧着す
ることが好ましく、硬化させる前の電離放射線硬化性樹
脂に容易に電磁波遮蔽パターンを賦形することができ
る。
【0042】こうした賦形手段により形成される凹部3
は、上述した樹脂層2の片面、より具体的には基材側で
ない側の樹脂層2の表面に所定の電磁波遮蔽パターンで
形成される。なお、形成する凹部3のパターン形状、凹
部3の線幅及び凹部3の深さは、電磁波シールド性能、
透視性、用途等によって種々変化させることができ、さ
らに、凹部3の線幅や深さは、均一であっても均一でな
くてもよく、その用途や仕様により任意に変化させるこ
とができる。特に、本発明においては、上述の賦形手段
により凹部3を形成するので、凹部3の線幅を5〜10
0μmの微細な幅で形成することができ、また、凹部3
の深さも5〜50μmの深さで形成することができる。
この凹部3と、凹部以外の平面5との差(凹部3の深
さ)は、後述する剥離層6の厚さ、導電層4の厚さ、得
られた電磁波遮蔽シート101の凹み深さ(樹脂層平面
と凹部内の最上部との差:深さ)等を総合的に勘案して
設定される。
【0043】(工程B)工程Bは、樹脂層2の表面に剥
離層6を形成する工程である。この工程Bにおいて、剥
離層6は、樹脂層2の凹部3及びその凹部以外の平面5
に一様に形成される。
【0044】剥離層6は、剥離層用の塗料をグラビアリ
バース、リバースロールコート、ロールコート、キスコ
ート、ダイコート等の塗工法により、又は、グラビア印
刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の印刷法に
より、形成される。剥離層用の塗料としては、上述した
樹脂層2に対して剥離性を有するアクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂等、一般的な剥離層に使用される樹脂を含有
するものが使用される。剥離層6は、樹脂層2の凹部3
及びその凹部以外の平面5に一様に形成され、その厚さ
は、1〜10μmであることが好ましい。
【0045】塗料を構成する樹脂と溶剤との比は、樹
脂:溶剤が2:1〜1:5であることが好ましい。溶剤
の相対的な割合が大きい程、凹部内に形成された剥離層
6はその凹部3に沿った形状で窪んだ形態で形成され
る。一方、溶剤の相対的な割合が小さい場合は、凹部内
に形成された剥離層6はあまり窪まず、その凹部3を埋
めるような形態で形成される。従って、凹部内に形成さ
れた剥離層6の凹み14の程度は、剥離層用の塗料中の
樹脂成分と溶剤との比で調整することができる。例え
ば、樹脂成分と溶剤との比を2:1〜1:5の範囲内と
することにより、凹部内に形成された剥離層6の凹み1
4の程度は、凹み深さの1/3〜5/6となり、樹脂成
分と溶剤との比を10:1〜2:1の範囲内とすること
により、凹部内に形成された剥離層6の凹み14の程度
は、僅かに凹む程度となる。
【0046】剥離層6を形成した後の凹み14の深さ
は、5〜40μmであることが好ましい。この凹み14
の深さは、後述する導電層4の厚さ、得られた電磁波遮
蔽シート101の凹み14深さ等を総合的に勘案して設
定される。形成された剥離層6は、樹脂層2からは比較
的剥がれやすく、後述する熱可塑性樹脂層と良好に接着
するので、後述する工程Fにおいて容易に引き剥がすこ
とが可能となる。
【0047】(工程C1、C2)工程Cは、剥離層6の
表面に導電性塗料11’を塗布する工程(工程C1)又
は剥離層6の表面に無電解めっき用触媒塗料11’を塗
布する工程(工程C2)である。この工程において、導
電性塗料11’又は無電解めっき用触媒塗料11”は、
凹部内の剥離層上及び凹部以外の剥離層上に一様に塗布
される。
【0048】導電性塗料11’又は無電解めっき用触媒
塗料11”は、グラビアリバース、ロールコート、キス
コート、ダイコート等の塗工法により、又は、グラビア
印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の印刷法
により、剥離層上の全面に塗布される。
【0049】導電性塗料11’は、導電性塗料11’中
の溶剤含量によっても異なるが、形成される導電層4の
厚さが1〜10μmとなるように、通常、1〜20μm
の厚さで塗布される。また、無電解めっき用触媒塗料1
1”についても、無電解めっき用触媒塗料11”中の溶
剤含量によっても異なるが、形成される無電解めっき用
触媒層12の厚さが1〜3μmとなるように、通常、1
〜5μmの厚さで塗布される。
【0050】導電性塗料11’は、バインダー樹脂に金
属粒子等の導電性粒子を分散させた塗料である。バイン
ダー樹脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂等のウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、
塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポ
リエステル樹脂等の一種又は二種以上からなる樹脂、又
は、紫外線や電子線で硬化させる電離放射線硬化性樹脂
等が使用される。また、導電性粒子としては、金、銀、
銅、アルミニウム、鉄、ニッケル等の金属粒子や、カー
ボンブラック、黒鉛等の非金属粒子が使用される。導電
性粒子の形状は特に限定されないが、球、楕円、鱗片
形、針状の導電性粒子を好ましく使用でき、特に鱗片形
及び針状の導電性粒子は導電性をより向上させることが
できる。また、導電性粒子には、インジウム、スズ等の
金属又は酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛等の金属
酸化物をドープすることもできる。そうした導電性粒子
の平均粒径は、0.1〜10μmであることが好まし
い。なお、導電性塗料11’には、必要に応じてその他
の添加剤を添加することができる。また、溶剤乾燥型の
塗料とする場合には、イソプロピルアルコール等の溶剤
を使用できる。
【0051】導電性塗料11’は、形成された導電層4
の体積抵抗率が10-3〜10-6Ωcm、好ましくは10
-4〜10-5Ωcmとなるように、バインダー樹脂と導電
性粒子との含有比が調整される。例えば、導電性粒子を
バインダー樹脂中に50〜80重量%含有する導電性塗
料11’が適用される。
【0052】一方、無電解めっき用触媒塗料11”は、
バインダー樹脂と無電解めっき触媒を含み、塗布後に無
電解めっき触媒層12を形成し、その上に無電解めっき
による導電層4の形成を可能にさせるものである。な
お、ここでいう無電解めっき触媒とは、無電解めっきを
選択的に析出・成長させることができる核のことであ
り、本発明においては、貴金属コロイド粒子のことであ
る。バインダー樹脂としては、2液硬化型ウレタン樹脂
等のウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アル
キド樹脂、ポリエステル樹脂等の一種又は二種以上から
なる樹脂が使用される。貴金属コロイド粒子としては、
パラジウム、金、銀、白金等の微粒子が用いられる。特
に、パラジウムの微粒子が好ましく用いられる。貴金属
コロイド粒子の大きさは、およそ0.01〜0.1μm
であることが好ましい。こうした貴金属コロイド粒子
は、バインダー樹脂中に10〜80重量%含有させるこ
とが好ましい。
【0053】こうした無電解めっき用触媒塗料11”に
は、バインダー樹脂及び貴金属コロイドの種類及び性質
に応じて、有機溶剤系、水系、エマルジョン系の各種の
溶剤が任意に選択して用いられる。さらに、無電解めっ
き用触媒塗料11”には、必要に応じて、体質顔料、界
面活性剤、着色剤等の添加剤を含有させることができ
る。
【0054】以上のように、工程Cは、剥離層6の表面
に導電性塗料11’を塗布し、又は、剥離層6の表面に
無電解めっき用触媒塗料11”を塗布する工程である。
この工程Cにおいて、導電性塗料中又は無電解めっき用
触媒塗料中の溶剤の相対的な割合が大きい程、各塗料か
ら形成された凹部内の塗工層は、その凹部3に沿った形
状で窪んだ形態で形成される。一方、溶剤の相対的な割
合が小さい場合は、各塗料から形成された凹部内の塗工
層はあまり窪まず、その凹部3が埋まるような形態で形
成される。従って、凹部内に形成された塗工層の凹み1
4の程度は、導電性塗料中又は無電解めっき用触媒塗料
中のバインダー樹脂成分と溶剤との比で調整することが
できる。例えば、樹脂成分と溶剤との比を2:1〜1:
5の範囲内とすることにより、凹部内に形成された塗工
層の凹み14の程度は、凹み深さの1/3〜5/6程度
となり、樹脂成分と溶剤との比を10:1〜2:1の範
囲内とすることにより、凹部内に形成された層の凹み1
4の程度は、僅かに凹む程度となる。
【0055】(工程D1、D2)工程Dは、凹部以外に
塗布された導電性塗料11’をワイピングする工程(D
1)又は凹部以外に塗布された無電解めっき用触媒塗料
11”をワイピングする工程(D2)である。この工程
において、導電性塗料11’又は無電解めっき用触媒塗
料11”(以下、特に断らない限り、これらを「塗料2
2」という。)は、凹部内の塗料22を残し、剥離層上
から除去される。
【0056】ワイピングは、凹部内のみに塗料22を残
し、凹部以外に塗布された塗料22を拭き取ることであ
り、本発明においては、図5に示すように、ドクター2
1を使用して凹部以外の塗料22を除去する。ドクター
21については、鉄又は鋼をセラミックで被覆したも
の、ポリテトラフルオロエチレンからなるもの、シリコ
ンゴムからなるもの等が適宜選択して使用される。
【0057】工程Dにおいては、ワイピングにより、凹
部以外に形成された剥離層6の表面から塗料22が除去
されるが、例えば、ドクター21が凹部3を通過した後
における凹部3の縁の平面5部には塗料22が残ってし
まうことがある。
【0058】なお、この工程D(1、2)と後述する工
程F又は工程Eとの間には、ワイピングした後の剥離層
6表面に、塗料22の成分に応じた処理(例えば、乾燥
処理又は電離放射線処理等)をし、導電層4又は無電解
めっき用触媒層12を形成する工程が付加される。この
工程において、塗料22の成分に応じた処理は通常の条
件で行われ、例えば、乾燥処理にあっては40〜130
℃の熱処理を施し、電離放射線処理にあっては紫外線や
電子線を照射して、導電層4又は無電解めっき用触媒層
12を形成する。
【0059】次に、形成された導電層4および無電解め
っき用触媒層12の凹み深さについて説明する。
【0060】本発明において、凹部3に形成された導電
層4と、凹部以外の平面5に形成された導電層4との差
(凹みの深さ)は、5〜30μmであることが好まし
い。導電層4を形成した後の凹み深さは、得られる電磁
波遮蔽シート101の凹み深さとなる。
【0061】一方、凹部3に形成された無電解めっき用
触媒層12と、凹部以外の平面5に形成された無電解め
っき用触媒層12との差(凹み深さ)は、10〜30μ
mであることが好ましい。無電解めっき用触媒層12の
上には、後述する導電層4が無電解めっきにより形成さ
れるので、上記の凹みの深さは、形成される導電層4の
厚さおよび得られた電磁波遮蔽シート101の凹み深さ
を総合的に勘案して設定される。
【0062】(工程E)工程Eは、無電解めっき用触媒
層12上に無電解めっきする工程である。
【0063】無電解めっきを行う溶液としては、銅、
鉄、ニッケル、クロム、銀、金、白金、コバルト等の無
電解めっき液を使用することができる。無電解めっき
は、各々の無電解めっき液固有のめっき条件に設定する
ことによって、金属又は合金を析出させ、導電層4を形
成することができる。形成された導電層4の材質として
は、銅、鉄、ニッケル、クロム、銀、金、白金、コバル
ト等、又はそれら金属と還元剤成分であるリン、ボロン
等との合金等が挙げられる。また、2種類以上の無電解
めっきを行って、2以上の無電解めっき層を積層させた
導電層4としてもよく、例えば、導電性に優れた無電解
銅めっきをした後に黒色の無電解ニッケルめっきを施し
た導電層4とすることも可能である。無電解めっきによ
り形成された導電層4の厚さは、1〜5μmであること
が好ましい。
【0064】無電解めっきで形成した導電層4は、高い
導電性を有する点で優れており、例えば10-3〜10-6
Ωcmの体積抵抗率からなる導電層4を形成することが
できる。なお、鉄、銅、銀等の錆び易いものからなる導
電層4に関しては、最表面に錆びにくいめっき層を形成
したり、導電層上に酸化膜を形成して防錆処理してもよ
い。
【0065】本発明において、凹部3に形成された導電
層4と、凹部以外の平面5に形成された導電層4との差
(凹みの深さ)は、その後において、後述の工程D1と
工程D2の何れかが適用されるかによって任意に設定さ
れる。例えば、後述の工程D1が適用される場合には、
その凹み部分にさらに熱可塑性樹脂層32が形成される
ので、熱可塑性樹脂層32の厚さを加味して設定され
る。具体的な凹み深さとしては、5〜20μmとするこ
とが好ましい。一方、後述の工程D2が適用される場合
には、その上に熱可塑性樹脂層32が形成されないこと
を加味して設定される。具体的な凹み深さとしては、5
〜20μmとすることが好ましい。これらの凹みの深さ
は、無電解めっきの析出時間等の条件を変更することに
よって任意に調整することができ、凹部3の深さ、剥離
層6の厚さ、導電層4の厚さ(無電解めっき用触媒層1
2の厚さ)、得られた電磁波遮蔽シート101の凹み深
さにより調節される。
【0066】工程Eにおいては、上述の工程D2及びそ
の後の処理により、無電解めっき用触媒層12が凹部3
の縁の平面5部に残り、その結果、その触媒層上に無電
解めっきによる導電層4が形成されてしまうことがあ
る。
【0067】(工程F)工程Fは、樹脂層平面に形成さ
れた剥離層6を除去して凹部内に導電性塗料11’から
なる導電層又は無電解めっきからなる導電層(以下、特
に断らない限り両者を「導電層4」という。)を形成す
る工程である。この工程において、樹脂層平面に形成さ
れた剥離層6が除去されるので、例えば、上述のよう
に、凹部3の縁の平面5部に残った導電層4をきれいに
除去することができる。その結果、凹部内のみに導電層
4を形成することができる。
【0068】工程Fの一例:工程Fの一例としては、図
6に示すように、露出した剥離層6に熱可塑性樹脂層3
2が形成された剥離用シート31を接着し、その後その
剥離用シート31を引き剥がす工程を挙げることができ
る。
【0069】熱可塑性樹脂層32が形成された剥離用シ
ート31は、その熱可塑性樹脂層32と露出した剥離層
6とを貼り合わせるようにして接着される。接着は、加
熱処理(いわゆるヒートシールのこと。)及び加圧処理
により行われる。加熱温度は、使用する樹脂材料及び剥
離層6を構成する樹脂材料の種類に応じて選定される
が、通常、80〜200℃の範囲で処理される。加圧力
も、それらの樹脂材料の種類に応じて選定されるが、通
常、0.1〜4.0MPaの範囲で処理される。
【0070】熱可塑性樹脂層32を有する剥離用シート
31を剥離層6に接着する際においては、その熱可塑性
樹脂層32が凹部内の導電層4に接着しない程度に、そ
の導電層4が剥離層6の平面5から下方に凹んだ態様で
形成されていることが好ましい。こうした態様で導電層
4が形成されることにより、熱可塑性樹脂層32が導電
層4に接着することがないので、剥離用シート31が引
き剥がされる際に熱可塑性樹脂層32に接着して除去さ
れることがない。従って、熱可塑性樹脂層32を有する
剥離用シート31を剥離層6に接着する際において、予
め、剥離層平面5から下方への凹み14深さが5〜20
μmであることが好ましい。
【0071】剥離用シート31の材質としては、経済性
や耐熱性を考慮して各種の剥離用シート用の樹脂材料の
中から任意に選択して用いられる。例えば、安価なポリ
プロピレンや、耐熱性のあるポリエチレンテレフタレー
トが好ましく挙げられる。熱可塑性樹脂層32との密着
性を向上させるために、必要に応じてコロナ処理、オゾ
ン吹き付け処理又はプラズマ処理等の易接着処理を施す
ることができる。また、剥離用シート31の表面に、ア
ンカー層を形成して熱可塑性樹脂層32との接着性を向
上させることもできる。アンカー層は樹脂材料で形成さ
れ、剥離用シート31と熱可塑性樹脂層32の両方に接
着性のよいものを選択して用いる。そうした樹脂として
は、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等
が挙げられる。アンカー層は、そうした樹脂を含む塗料
を、ロールコート、スプレーコート、グラビア印刷、フ
レキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の塗工法又は印刷
法で形成して設けられる。なお、剥離用シート31の厚
さは、5〜25μm程度が好ましい。
【0072】熱可塑性樹脂層32を形成する樹脂として
は、アクリル樹脂、ポリエステル、塩化ビニル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン
等が挙げられる。これらの樹脂の中から、剥離用シート
31と熱可塑性樹脂層32との接着力、熱可塑性樹脂
層32と剥離層6との接着力、熱可塑性樹脂層32と
導電層4との接着力、導電層4と剥離層6との接着力
、樹脂層2と剥離層6との接着力、を考慮して最適
なものが選択される。その選択の基準としては、>
(、、)>の関係を条件とした。
【0073】また、無電解めっき用触媒層12を形成し
た場合においては、剥離用シート31と熱可塑性樹脂層
32との接着力、熱可塑性樹脂層32と剥離層6との
接着力、熱可塑性樹脂導電層4と導電層4との接着力
、導電層4と無電解めっき用触媒層12との接着力
、無電解めっき用触媒層12と剥離層6との接着力
、剥離層6と樹脂層2との接着力、を考慮して最適
なものが選択される。その選択の基準としては、>
(、、、)>の関係を条件とした。
【0074】熱可塑性樹脂層32を形成する樹脂塗料
は、グラビアリバース、ロールコート、キスコート、ダ
イコート等の塗工法により剥離用シート31の全面に塗
布される。そして、その後の乾燥により熱可塑性樹脂層
32が形成される。なお、熱可塑性樹脂層32の厚さ
は、凹部以外の樹脂層表面から剥離層等が剥離しやすい
ように調節され、通常、1〜10μm程度が好ましい。
【0075】工程Fの他の一例:工程Fの他の一例とし
ては、図7に示すように、露出した剥離層上に熱可塑性
樹脂層32を形成し、その熱可塑性樹脂層上に剥離用シ
ート31を接着し、その後その剥離用シート31を引き
剥がす工程を挙げることができる。
【0076】この工程で適用される熱可塑性樹脂は、上
述のものと同じものを用いることができ、上述のような
各層間の接着力を考慮して選定される。熱可塑性樹脂の
塗工手段としては、グラビアリバース、ロールコート、
キスコート、ダイコート等の塗工法、又は、グラビア印
刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等の印刷法、
が挙げられ、剥離層の全面に塗布される。そして、その
後の乾燥により剥離層6上に熱可塑性樹脂層32が形成
される。なお、熱可塑性樹脂層32の厚さは、1〜10
μm程度が好ましい。なお、この工程において、熱可塑
性樹脂層用の塗料中の溶剤の相対的な割合が大きい程、
その塗料から形成された凹部内の熱可塑性樹脂層32
は、その凹部3に沿った形状で窪んだ形態で形成され
る。一方、溶剤の相対的な割合が小さい場合は、その塗
料から形成された凹部内の熱可塑性樹脂層32はあまり
窪まず、その凹部3を埋めるような形態で形成される。
従って、凹部内に形成された熱可塑性樹脂層32の凹み
14の程度は、塗料中のバインダー樹脂成分と溶剤との
比で調整することができる。例えば、樹脂成分と溶剤と
の比を2:1〜1:5の範囲内とすることにより、凹部
内に形成された熱可塑性樹脂層32の凹み14の程度
は、凹部3の深さの1/3〜5/6程度となり、樹脂成
分と溶剤との比を10:1〜2:1の範囲内とすること
により、凹部内に形成された熱可塑性樹脂層32の凹み
14の程度は、僅かに凹む程度となる。
【0077】こうして形成された熱可塑性樹脂層と上述
した剥離用シート31を接着する。接着は、上述と同様
に、加熱処理及び加圧処理により行われ、それらの条件
は、使用する樹脂材料及び剥離用シート31を構成する
樹脂材料の種類に応じて選定されるが、上述の加熱条件
及び加圧条件と概ね同じである。
【0078】熱可塑性樹脂層32と剥離用シート31を
接着する際においては、その剥離用シート31が凹部の
熱可塑性樹脂層32に接着しない程度に、凹部内の熱可
塑性樹脂層32が凹部以外の熱可塑性樹脂層32の平面
5から下方に凹んだ態様で形成されていることが好まし
い。こうした態様で熱可塑性樹脂層32が形成されるこ
とにより、剥離用シート31が凹部3の熱可塑性樹脂層
32に接着することがないので、剥離用シート31が引
き剥がされる際に、凹部内に設けられた各層(具体的に
は熱可塑性樹脂層32及び導電層4)が除去されること
がない。従って、剥離用シート31を熱可塑性樹脂層3
2に接着する際において、予め、凹部以外の熱可塑性樹
脂層32の平面5から下方への凹み14深さが5〜20
μmであることが好ましい。
【0079】この工程Fにおいては、樹脂層平面に形成
された剥離層6が除去されるので、例えば、上述のよう
に、凹部3の縁の平面5部に残った導電層4をきれいに
除去することができる。その結果、図8に示すように、
凹部内のみに導電層4を形成することができる。こうし
て形成された導電層4は、樹脂層表面の凹部内に形成さ
れ、その導電層4の作用により、被遮蔽面を電磁波シー
ルドすることができる。
【0080】(その他の工程)凹部内に導電層4が形成
された電磁波遮蔽シートの製造方法には、更に、図9に
示すように、粘着剤層15又は接着剤層を積層する工程
を加えることができる。粘着剤層15又は接着剤層の形
成工程を経て製造された電磁波遮蔽シート101’は、
粘着剤層15又は接着剤層を介して被遮蔽面に容易に粘
着又は接着できる。
【0081】粘着剤層15又は接着剤層を形成するため
の樹脂は、溶剤系でも水系でもどちらでもよく特に限定
されない。具体的には、粘着剤層15を形成する樹脂と
しては、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリブチレ
ン、SBR、ブチルゴム、クロロプレンゴム等が挙げら
れ、接着剤層を形成する樹脂としては、アクリル樹脂、
ポリエステル、ウレタン樹脂、酢酸ビニル、スチレン等
が挙げられる。これらの樹脂は、従来公知の手段、例え
ば、グラビアリバース、ロールコート、キスコート、ダ
イコート等の塗工法、又は、グラビア印刷、フレキソ印
刷、シルクスクリーン印刷等の印刷法により、電磁波遮
蔽シートの導電層形成側の全面に塗布される。そして、
その後の乾燥により粘着剤層15又は接着剤層が形成さ
れる。なお、粘着剤層15又は接着剤層の厚さは、5〜
20μm程度が好ましい。
【0082】なお、上述したように、導電層4を形成す
る導電性樹脂の固形分と溶剤比を調整したり、無電解め
っきの析出時間等の条件及びその溶剤を揮発させる条件
等を変更することにより、樹脂層表面からやや凹んだ形
態となるように導電層4を凹部内に設けることができ
る。図9に示すように、やや凹んだ形態の溝14を有す
る樹脂層表面に粘着剤層15又は接着剤層を形成した後
の表面も、やや凹んだ形態の溝14を有している。そう
した溝14は、エア抜き用の溝として作用し、粘着剤層
15又は接着剤層側の面を被遮蔽面に張り合わせること
により、エアの混入を防ぐことができる。なお、溝14
の深さは5〜20μm程度が好ましい。溝14の深さが
20μmを超えると外観上凹み14が目立つため好まし
くなく、溝14の深さが5μm未満ではエア抜きとして
十分ではなくエア残りを発生しやすい。
【0083】(電磁波遮蔽シート)図8は、上述した工
程を経て製造された本発明の電磁波遮蔽シート101の
一例を示す断面図であり、基材1上に樹脂層2が設けら
れ、その樹脂層表面には、電磁波遮蔽パターンからなる
凹部3が賦形されており、その凹部内には、導電層4が
形成されている。図9は、さらに粘着剤層15が形成さ
れた電磁波遮蔽シート101’の一例を示す断面図であ
る。
【0084】本発明の電磁波遮蔽シートの開口率は、6
0〜90%の範囲であることが好ましい。開口率をこの
範囲とすることにより、得られた電磁波遮蔽シート10
1を、透視性が要求される用途、例えば電磁波を発生す
る各種電気機器のLCD、PDP、CRT等の表示装置
の表示面、又は、施設や家屋の透明ガラス面や透明パネ
ル面に好適に適用することができる。開口率が60%未
満では、透明性が損なわれ、開口率が90%を超える
と、シールド性能が不十分になることがある。なお、開
口率とは、導電層4が設けられる凹部3以外の開口部
が、全面積に占める面積割合のことである。
【0085】凹部の平面パターンは特に限定されない
が、図10の(A)〜(E)に示す正方格子(A)、六
角格子(B)、三角格子(C)、ストライプ格子
(D)、煉瓦積み模様(E)の平面パターンを例示する
ことができる。これらの各図において、黒い部分は、凹
部3に導電層4が形成されている部分であり、白い部分
は、凹部3が形成されていない部分である。凹部3の平
面パターンについても、領域全体を同じパターンで形成
しても、領域毎に異なるパターンで形成してもよく、そ
の用途や仕様により任意に変化させることができる。な
お、図10の(A)〜(E)に示す平面パターンのう
ち、ストライプ格子(D)は、他のパターンよりも電磁
波遮蔽効果が弱いので実用上はあまり使用されてはいな
い。
【0086】なお、凹部内には、上述した導電層4及び
剥離層6が必ず設けられているが、それら以外の層であ
って独自の作用効果を奏するものが設けられていても構
わない。
【0087】
【実施例】以下に、実施例及び比較例により、本発明を
更に具体的に説明する。
【0088】(実施例1)基材1として厚さ100μm
の透明なポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを使
用し、その片面にアクリレートモノマー及びアクリレー
トオリゴマーからなるUV硬化性樹脂を溶剤乾燥後の厚
さが30μmとなるようリバースロールコートにより塗
工した。その塗工面を、微細な凹凸パターンが形成され
たシリンダー面に圧着し、その状態で300mJ/cm
2 のUV光を照射した。UV光の照射により硬化した樹
脂層2を基材1と共に剥離して凹部3が形成された賦形
フィルムを得た。なお、シリンダー表面に形成した微細
なパターンは、銅メッキされたシリンダー表面に設けら
れたレジスト層をレーザー露光後、エッチングすること
により形成した。このとき、凸部幅が20μm、凸部間
隔が300μm、凸高さが20μmとなるように形成し
た。
【0089】シリンダー表面に形成した微細なパターン
をそのまま保持した寸法で賦形された樹脂層2の表面
に、黒に着色したアクリル樹脂系の剥離層用塗料を約1
g/m 3 となるようにグラビア印刷し、厚さ約1μmの
剥離層6を形成した。次いで、その剥離層表面の全面に
導電性塗料11’を塗布した後、凹部3にのみ導電性塗
料11’が残るようにドクター21で樹脂層表面上の導
電性塗料11’をワイピングし、その後乾燥等して厚さ
約7μmの導電層4を形成した。
【0090】次に、こうして得られた電磁波遮蔽シート
中間製造物(以下「中間製造物イ」という。)の導電層
側表面に、黒に着色したポリエステル樹脂系の熱可塑性
樹脂層用塗料を約2g/m3 となるようにグラビア印刷
し、厚さ約2μmの熱可塑性樹脂層32を形成した。熱
可塑性樹脂層32を形成した後の凹部3は、平面部分か
ら約10μm凹んだ態様を示していた。
【0091】その後、予めコロナ処理した厚さ12μm
のポリエチレンテレフタレートからなる剥離用シート3
1を、上述の熱可塑性樹脂層側から重ね、温度:160
℃、圧力:5kg/cm2 、速度:3m/分の条件で一
体化させた後、その剥離用シート31を剥離した。こう
して、凹部3のみに導電層4が形成された実施例1の電
磁波遮蔽シート101を製造した。
【0092】こうして形成された電磁波遮蔽シート10
1の外観は、凹部3のみに導電層4を設けることがで
き、透視性も良好であった。また、得られた電磁波遮蔽
シート101の全光線透過率、電磁波遮蔽度を評価し、
その結果を表1に示した。なお、全光線透過率は、直読
ヘイズメーター(東洋精機)により測定し、電磁遮蔽度
は、シールドボックス法により測定した。
【0093】(実施例2)実施例1の中間製造物イを用
い、その導電層側表面に、熱可塑性樹脂層32を有する
剥離用シート31を接着させた。なお、中間製造物イの
凹部3は、剥離層6の平面部分から約12μm凹んだ態
様を示していた。
【0094】この剥離層用シート31は、予めコロナ処
理した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートから
なる剥離用シート31上に、黒に着色したポリエステル
樹脂系の熱可塑性樹脂層用塗料を約2g/m3 となるよ
うにグラビア印刷し、厚さ約2μmの熱可塑性樹脂層3
2が形成されたものである。
【0095】中間製造物イと剥離用シート31は、温
度:160℃、圧力:5kg/cm2、速度:3m/分
の条件で両者を重ね合わせて一体化させた。その後、そ
の剥離用シート31を剥離し、凹部3のみに導電層4が
形成された実施例2の電磁波遮蔽シート101を製造し
た。
【0096】こうして形成された電磁波遮蔽シート10
1の外観は、凹部3のみに導電層4を設けることがで
き、透視性も良好であった。また、得られた電磁波遮蔽
シート101の全光線透過率、電磁波遮蔽度を評価し、
その結果を表1に示した。
【0097】(実施例3)基材1として厚さ100μm
の透明なポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを使
用し、その片面にアクリレートモノマー及びアクリレー
トオリゴマーからなるUV硬化性樹脂を溶剤乾燥後の厚
さが30μmとなるようリバースロールコートにより塗
工した。その塗工面を、微細な凹凸パターンが形成され
たシリンダー面に圧着し、その状態で300mJ/cm
2 のUV光を照射した。UV光の照射により硬化したU
V樹脂を基材1と共に剥離して凹部3が形成された賦形
フィルムを得た。なお、シリンダー表面に形成した微細
なパターンは、銅メッキされたシリンダー表面に設けら
れたレジスト層をレーザー露光後、エッチングすること
により形成した。このとき、凸部幅が20μm、凸部間
隔が300μm、凸高さが20μmとなるように形成し
た。
【0098】シリンダー表面に形成した微細なパターン
をそのまま保持した寸法で賦形された樹脂層2の表面
に、黒に着色したアクリル樹脂系の剥離層用塗料を約1
g/m 3 となるようにグラビア印刷し、厚さ約1μmの
剥離層6を形成した。次いで、その剥離層表面の全面に
無電解めっき用触媒塗料11”を塗布した後、凹部3に
のみその触媒塗料11”が残るようにドクター21で樹
脂層表面上の触媒塗料11”をワイピングし、その後乾
燥等して厚さ約2μmの触媒層12を形成した。なお、
触媒塗料11”は、パラジウムコロイド粒子が紫外線硬
化樹脂中に分散した塗料22を用いた。
【0099】次いで、銅を析出させることができる無電
解めっき液を用い、40℃の条件で厚さ2μmの無電解
めっきを行い、導電層4を形成した。形成された導電層
4は、上述の凹部以外の部分にも析出していた。
【0100】次に、こうして得られた電磁波遮蔽シート
中間製造物(以下「中間製造物ロ」という。)の導電層
側表面に、黒に着色したポリエステル樹脂系の熱可塑性
樹脂層用塗料を約2g/m3 となるようにグラビア印刷
し、厚さ約2μmの熱可塑性樹脂層32を形成した。熱
可塑性樹脂層32を形成した後の凹部3は、平面部分か
ら約13μm凹んだ態様を示していた。
【0101】その後、予めコロナ処理した厚さ12μm
のポリエチレンテレフタレートからなる剥離用シート3
1を、上述の熱可塑性樹脂層側から重ね、温度:160
℃、圧力:5kg/cm2 、速度:3m/分の条件で一
体化させた後、その剥離用シート31を剥離した。こう
して、凹部3のみに導電層4が形成された実施例3の電
磁波遮蔽シート101を製造した。
【0102】こうして形成された電磁波遮蔽シート10
1の外観は、凹部3のみに導電層4を設けることがで
き、透視性も良好であった。また、得られた電磁波遮蔽
シート101の全光線透過率、電磁波遮蔽度を評価し、
その結果を表1に示した。
【0103】(実施例4)実施例3の中間製造物ロを用
い、その導電層側表面に、熱可塑性樹脂層32を有する
剥離用シート31を接着させた。なお、中間製造物ロの
凹部3は、剥離層6の平面部分から約15μm凹んだ態
様を示していた。
【0104】この剥離層用シート31は、予めコロナ処
理した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートから
なる剥離用シート31上に、黒に着色したポリエステル
樹脂系の熱可塑性樹脂層用塗料を約2g/m3 となるよ
うにグラビア印刷し、厚さ約2μmの熱可塑性樹脂層3
2が形成されたものである。
【0105】中間製造物ロと剥離用シート31は、温
度:160℃、圧力:5kg/cm2、速度:3m/分
の条件で両者を重ね合わせて一体化させた。その後、そ
の剥離用シート31を剥離し、凹部3のみに導電層4が
形成された実施例4の電磁波遮蔽シート101を製造し
た。
【0106】こうして形成された電磁波遮蔽シート10
1の外観は、凹部3のみに導電層4を設けることがで
き、透視性も良好であった。また、得られた電磁波遮蔽
シート101の全光線透過率、電磁波遮蔽度を評価し、
その結果を表1に示した。
【0107】(比較例1、2)実施例1の中間製造物イ
を比較例1の電磁波遮蔽シートとし、実施例3の中間製
造物ロを比較例2の電磁波遮蔽シートとした。こうした
比較例1、2の電磁波遮蔽シートの外観は、凹部以外に
部分にも導電層4が形成されており、外観に劣るもので
あり、透視性もあまりよくなかった。
【0108】
【表1】
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電磁波遮
蔽シートの製造方法によれば、凹部以外の剥離層の一部
に導電層が残った場合であっても、樹脂層平面に形成さ
れた剥離層を除去することにより、凹部内のみに導電層
を形成することができる。そのため、凹部を設計寸法通
りに形成して細径化、透視性の向上、外観の向上、電磁
波遮蔽シート全体の薄肉化等を達成することができるの
で、希望した透視性や電磁波シールド特性を有する電磁
波遮蔽シートを設計通りに製造することができる。さら
に、従来の製造方法に比べて製造が容易で生産性が高
く、従来の繊維メッシュのような熱ラミネートに基づく
歪みの問題や、導電層の線幅の太りや滲みの問題も生じ
ない。
【0110】製造された本発明の電磁波遮蔽シートは、
透視性が要求される用途に対して好適に用いられるもの
であり、例えば、電磁波シールドが必要な公共施設、ホ
ール、病院、学校、企業ビル、住宅等のガラス面又は樹
脂パネル面、又は、電磁波を発生する機器の表示部等に
好ましく使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁波遮蔽シートの製造方法の一例を
示す工程フロー図である。
【図2】本発明の電磁波遮蔽シートの製造方法の他の一
例を示す工程フロー図である。
【図3】シリンダー面に電離放射線硬化性樹脂層を圧着
した態様を示す説明図である。
【図4】シリンダー面に形成された連続凸状パターンの
一例を示す断面図である。
【図5】ドクターにより凹部以外の導電性塗料を除去す
る態様を示す説明図である。
【図6】工程Eの一例を示すフロー図である。
【図7】工程Eの他の一例を示すフロー図である。
【図8】本発明の電磁波遮蔽シートの一例を示す断面図
である。
【図9】本発明の電磁波遮蔽シートの他の一例を示す断
面図である。
【図10】本発明の電磁波遮蔽シートに形成された凹部
の平面パターンの各例を示す概略図である。
【符号の説明】
101、101’ 電磁波遮蔽シート 1 基材 2 樹脂層 3 凹部 4 導電層 5 平面 6 剥離層 7 シリンダー 8 連続凸状パターン 9 シリンダー面 10 ガイドローラ 11’ 導電性塗料 11” 無電解めっき用触媒塗料 12 触媒層 14 凹み、溝 15 粘着剤層 21 ドクター 22 導電性塗料 31 剥離用シート 32 熱可塑性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/92 E04B 1/92 // B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 Fターム(参考) 2E001 DH01 FA03 GA06 GA24 GA42 HD11 HD12 HD13 HD14 JD02 KA01 LA16 MA01 4F100 AK01B AK01C AK25 AK42 AR00C AT00A BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D BA10E CC00D DD01B DD092 EH112 EH462 EH71E EH712 EJ54 GB90 HB31 JB16C JG01D JK06C JN01 4F204 AD05 AE03 AG01 AG03 AG05 EA03 EA04 EB02 EB11 EB22 EB25 EF01 EF05 EF27 EK18 5E321 AA43 AA44 AA46 BB23 BB32 BB41 CC16 GG05 GH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材、樹脂層、導電層を有する電磁波遮
    蔽シートの製造方法であって、 基材上の樹脂層に凹部を賦形する工程A、 樹脂層の表面に剥離層を形成する工程B、 剥離層の表面に導電性塗料を塗布する工程C1、 凹部以外に塗布された導電性塗料をワイピングする工程
    D1、及び、 樹脂層平面に形成された剥離層を除去して凹部内に導電
    層を形成する工程F、を有することを特徴とする電磁波
    遮蔽シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 基材、樹脂層、導電層を有する電磁波遮
    蔽シートの製造方法であって、 基材上の樹脂層に凹部を賦形する工程A、 樹脂層の表面に剥離層を形成する工程B、 剥離層の表面に無電解めっき用触媒塗料を塗布する工程
    C2、 凹部以外に塗布された無電解めっき用触媒塗料をワイピ
    ングする工程D2、 無電解めっき用触媒層上に無電解めっきする工程E、及
    び、 樹脂層平面に形成された剥離層を除去して凹部内に導電
    層を形成する工程F、を有することを特徴とする電磁波
    遮蔽シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記工程Fは、露出した剥離層に、熱可
    塑性樹脂層が形成された剥離用シートを接着し、その後
    その剥離用シートを引き剥がすことにより、樹脂層平面
    に形成された剥離層を除去して凹部内に導電層を形成す
    る工程であることを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載の電磁波遮蔽シート。
  4. 【請求項4】 前記工程Fは、露出した剥離層上に熱可
    塑性樹脂層を形成し、その熱可塑性樹脂層上に剥離用シ
    ートを接着し、その後その剥離用シートを引き剥がすこ
    とにより、樹脂層平面に形成された剥離層及び熱可塑性
    樹脂層を除去して凹部内に導電層を形成する工程である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電磁波遮
    蔽シート。
  5. 【請求項5】 基材、樹脂層、導電層を有する電磁波遮
    蔽シートであって、当該導電層が、樹脂層に賦形された
    凹部に剥離層を介して設けられていることを特徴とする
    電磁波遮蔽シート。
  6. 【請求項6】 前記導電層が、導電性塗料で形成された
    層又は無電解めっきで形成された層であることを特徴と
    する請求項5に記載の電磁波遮蔽シート。
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