JP2010080692A - 電磁波遮蔽フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷法により導電パターン層を形成した場合であっても、断線がなく導電性、電磁波遮蔽性に優れ、かつ、生産効率に優れる電磁波遮蔽フィルタを提供する。
【解決手段】透明基材の一方の面上に、透明プライマー層と、導電性組成物からなる導電パターン層と、粘着剤層とが、この順で積層された電磁波遮蔽フィルタであって、前記透明プライマー層は、前記導電パターン層が設けられる領域がその他の領域よりも厚くなるように形成されており、前記透明プライマー層の最低部から導電性パターン層の最上部までの長さは3〜25μmであり、前記粘着剤層は、層の最厚部分が40μm以上であり、前記導電パターン層の凹凸を埋めて平坦になるように設けられている
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波遮蔽フィルタに関し、より詳細には、生産効率が高く安価に製造できる電磁波遮蔽フィルタに関する。
近年、画像表示装置の大型化、薄型化に伴い、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す。)が注目を集めている。PDPは、発光にプラズマ放電を利用するため、30MHz〜1GHz帯域の不要な電磁波が外部に漏洩して他の機器(例えば、遠隔制御機器、情報処理装置等)に影響を与えるおそれがある。そのため、プラズマディスプレイ装置に用いられるプラズマディスプレイパネルの前面側(観察者側)に、画像光の透過性は維持した上で、漏洩する電磁波を遮蔽(シールド)するためのフィルム状の電磁波シールド部材を設けるのが一般的である。
プラズマディスプレイの前面などに用いることができる電磁波遮蔽部材用の材料としては、銀スパッタ薄膜、銅メッシュなどがあるが、銀スパッタ薄膜はコストが高く、また全面を被覆しているため可視光(線)透明性と電磁波遮蔽性との両立性に劣る。銅メッシュは開口部分があるため透明性は高いが、銅箔をフォトリソグラフィー法でエッチングしてメッシュ形状を作成するため、捨てる材料が多く低コスト化が難しい。また、廃液処理も必要となる。
近年、透明基材の上に導電性ペーストや無電解めっきの触媒を含むインキをグラビア印刷などパターン印刷し、その上に銅等の金属の層をめっきで析出させ細線パターンを形成した電磁波シールド部材などが提案されており(特許文献1、2)、銅箔エッチング法などよりも経済性、生産性にすぐれた方法といえる。
しかしながら、導電性インキ(導電性ペースト)のような高粘度のインキを凹版のようなインキ充填凹部を持つ版を用いる方法にて微細パターンで印刷しようとすると、印刷できないことはないがインキの転移性が悪くインキ抜けなどが多発し、断線があって、安定したパターンが形成できないという問題、および凹版凹部内のインキの転移率が低下するという問題があった。インキ抜けは、凹版上にインキを塗布し、凸部の余分なインキをドクターブレードで掻き取った後の凹部内の充填インキがその上部に凹みを生じることが原因である。この凹みは、凹版上に透明基材を圧着して透明基材上に凹部内のインキを転移する際に、透明基材とインキとの密着を妨げ、透明基材上に、インキの未転移部が発生したり、密着性に劣る転移不良が発生する。また、転移率低下は、高粘度で流動性の悪いインキは、凹版凹部内の全充填インキの一部しか透明基材上に転移しないことが原因である。両者とも、印刷された導電インキパターンの導電率の低下を招き、電磁波遮蔽特性を低下させる。
また、メッシュパターン状に形成された電磁波遮蔽部材の最上面に、他の光学機能フィルム(例えば、近赤外線吸収フィルタ、カラーフィルタ、反射防止フィルタ、保護フィルム等)を貼り合わせてディスプレイ本体に組み入れることが通常行われるが、その際、他の光学機能フィルムを貼り合わすための粘着剤層が導電パターン層上に設けられる。この粘着剤層は、通常、凹凸のあるパターン状の導電パターン層上に粘着剤を塗布することにより形成されるが、粘着剤塗布の際に凹部に気泡が混入する場合がある。この気泡は、画像光を散乱して、画像に曇りを生じ、又画像の明暗コントラストの低下、画像端部の輪郭の不鮮明化等の画質低下をもたらす。そのため、粘着剤層を形成した後にオートククレーブ等の別工程を追加して、その工程中で加熱および加圧処理をして気泡を除去する必要があった。その結果、電磁波遮蔽部材を連続的に生産することができず、生産効率の改善が求められていた。
特開2001−102792号公報 特開平11−174174号公報
本発明者らは、今般、パターン状に形成された導電パターン層の厚みと、粘着剤層との厚みとの関係に着目するとともに、各層を所定の厚みとするこのより、印刷法により導電パターン層を形成した場合であっても、断線がなく導電性、電磁波遮蔽性、透明性に優れ、かつ、生産効率に優れる電磁波遮蔽フィルタを実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、印刷法により導電パターン層を形成した場合であっても、断線がなく導電性、電磁波遮蔽性、透明性に優れ、かつ、生産効率に優れる電磁波遮蔽フィルタを提供することである。
本発明による電磁波遮蔽フィルタは、 透明基材の一方の面上に、透明プライマー層と、導電性組成物からなる導電パターン層と、粘着剤層とが、この順で積層された電磁波遮蔽フィルタであって、
前記透明プライマー層は、前記導電パターン層が設けられる領域がその他の領域よりも厚くなるように形成されており、
前記透明プライマー層の最低部から導電性パターン層の最上部までの長さは3〜25μmであり、
前記粘着剤層は、層の最厚部分が40μm以上であり、前記導電パターン層の凹凸を埋めて平坦になるように設けられている、ことを特徴とするものである。
また、本発明の態様においては、前記透明プライマー層と導電パターン層との界面が、(a)前記透明プライマー層を構成する成分と前記導電パターン層を構成する成分とが混合している領域を有する断面形態、(b)前記透明プライマー層と前記導電パターン層との界面が非直線状に入り組んでいる断面形態、および、(c)前記導電パターン層を構成する導電性組成物中に前記透明プライマー層に含まれる成分が存在している断面形態、から選択される1または2以上の断面形態を有することが好ましい。
また、本発明の態様においては、前記導電性組成物が、樹脂バインダーと、金属、黒鉛および導電有機高分子から選択される少なくとも1種以上の導電性材料とを含んでなることが好ましい。
また、本発明の態様においては、前記導電パターン層のパターニング幅が、頂部ほど細くなっていることが好ましい。
さらに、本発明の態様においては、導電パターン層が、印刷法により形成されてなることが好ましい。
本発明においては、前記透明プライマー層は、前記導電パターン層が設けられる領域がその他の領域よりも厚くなるように形成され、透明プライマー層の最低部から導電性パターン層の最上部までの長さが3〜25μmの範囲であるとともに、前記粘着層は、層の最厚部分が40μm以上とすることにより、断線がなく導電性、電磁波遮蔽性、透明性に優れ、かつ、生産効率に優れる電磁波遮蔽フィルタを実現することができる。
図1は、本発明による電磁波遮蔽フィルタの層構成を示す断面概略図である。透明基材1の一方の面に、透明プライマー層2と、導電性組成物からなる導電パターン層3(以下、単に「導電パターン層」ともいう。)、粘着剤層4とがこの順で形成されている。図1において、上方が観察者(視聴者)側であり、下方が画像表示装置側である。そして、透明プライマー層2は、導電パターン層3が設けられる領域Aがその他の領域Bよりも厚くなるように形成されている。また、透明プライマー層2の最低部(透明プライマー層の最も薄い部分)から、導電性パターン層の最上部(凸状パターンの頂部)までの長さLが3〜25μmとなっている。さらに、粘着剤層4の厚みは、その厚みが最も厚い部分(すなわち、領域Bの部分)が40μm以上である。このように、導電パターン層の厚み(L)よりも十分に厚く粘着剤層を設けることにより、導電パターン層の凹部(Bの領域)に流入する粘着剤の量を増大できる。その結果、粘着剤層を形成する際に気泡が凹部に混入したとしても、気泡を溶解および/または分解することができる。その結果、オートクレーブ等で加熱・加圧処理して残留気泡を除去する必要がなくなるため、電磁波遮蔽フィルタを長尺状のフィルムまたはシート形態で連続的に製造でき、生産効率が飛躍的に向上する。また、粘着剤層の厚みを上記の範囲とすることにより、粘着剤層を介して他の光学フィルタと貼り合わせて多機能フィルタとした場合に、耐衝撃吸収性能が向上するため、いわゆる直貼りの多機能フィルムを実現できる。したがって、製造コストを低減することができる。
また、本発明においては、図1に示すように、導電パターン層3のパターニング幅(すなわち凸部の幅ないしは線幅)が、頂部にいくほど細くなっていることが好ましい。凸部の頂部が細くなる、すなわち凸部の側面がなだらかな傾斜を有することにより、粘着剤を導電パターン層上に塗布する際に、凹部内の空気が容易に流出して粘着剤と置換するため、気泡が混入しにくく、また気泡を巻き込んだ場合であっても気泡が抜け易くなる。また、気泡がパターニングの凹部に残存した場合であっても、粘着剤層の厚みを上記した特定の厚みとすることによって、粘着剤の体積を凹部内の残留空気の体積に対してより多くできるため、粘着剤層中に気泡が分解および/または溶解し易くなる。
本発明による電磁波遮蔽フィルタの構成につき、以下、詳細に説明する。
<透明基材>
透明基材は、可視領域での透明性(光透過性)、耐熱性、機械的強度等の要求物性を考慮して、公知の材料および厚みを適宜選択すればよく、ガラス、セラミックス等の透明無機物の板、または樹脂板等の板状体の剛直物でもよい。ただし、生産性に優れるロール・トゥ・ロールでの連続加工適性を考慮すると、フレキシブルな樹脂フィルム(またはシート)が好ましい。なお、ロール・トゥ・ロールとは、巻取(ロール)から巻き出して供給し、適宜加工を施し、その後、巻取に巻き取って保管する加工方式をいう。
樹脂フィルム、樹脂板に使用される樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメタノール−テレフタール酸共重合体、エチレングリコール−テレフタール酸−イソフタール酸共重合体などのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリプロピレン、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂等である。なかでも、ポリエチレンテレフタレートはその2軸延伸フィルムが耐熱性、機械的強度、光透過性、コスト等の点で好ましい透明基材である。
透明無機物としては、ソーダ硝子、カリ硝子、硼珪酸硝子、鉛硝子等の硝子、石英、あるいはPLZT等の透明セラミックス等である。
透明基材の厚みは基本的には特に制限はなく用途等に応じ適宜選択し、フレキシブルな樹脂フィルムを利用する場合、例えば12〜500μm、好ましくは25〜200μm程度である。樹脂や透明無機物の板を利用する場合、例えば、500〜5000μm程度である。なお、透明基材の樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を添加できる。また、透明基材は、その表面に、コロナ放電処理、易接着樹脂層塗工処理などの公知の易接着処理を行ったものでもよい。
<透明プライマー層>
透明プライマー層2(以下、単にプライマー層ともいう。)は、その主目的が導電パターン層3の印刷形成時に、版から被印刷物(透明基材)へのインキ(導電性組成物)転移性を向上させ、転移後の導電性組成物と被印刷物との密着性を向上させるための層である。すなわち、透明基材および導電パターン層の双方に密着性が良く、また開口部(導電パターン層非形成部)の光透過性確保のために透明な層でもある。
また、このプライマー層2は、流動性を保持できる状態で透明基材1上に設けられ、凹版印刷時の凹版に接触している間に液状から固化させる層として形成される層であり、最終的な電磁波遮蔽層が形成されたときに固化している層である。
このようなプライマー層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、本発明においては、未硬化状態において液状(流動性)の電離放射線重合性化合物を含む電離放射線硬化性組成物を塗工、硬化(固体化)してなる層が好適に用いられる。以下、この材料を中心に詳述する。
電離放射線重合性化合物としては、電離放射線で架橋等の反応により重合硬化するモノマーおよび/またはプレポリマーが用いられる。このようなモノマーとしては、ラジカル重合性モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート類、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。尚、ここで(メタ)アクリレートとの表記は、アクリレートまたはメタクリレートを意味する。カチオン重合性モノマーとして、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどの脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどグリシジルエーテル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどビニルエーテル類、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどオキセタン類等が挙げられる。
また、プレポリマー(またはオリゴマー)としては、ラジカル重合性プレポリマーとして、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートプレポリマー、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオール系プレポリマー、不飽和ポリエステルプレポリマー等が挙げられる。その他、カチオン重合性プレポリマーとして、例えば、ノボラック系型エポキシ樹脂プレポリマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂プレポリマー等が挙げられる。
これらモノマーまたはプレポリマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、単独で用いてもよく、また、モノマーを二種類以上混合したり、プレポリマーを二種類以上混合したり、あるいはモノマー一種類以上とプレポリマー一種類以上とを混合して用いしてもよい。
電離放射線として、紫外線、または可視光線を採用する場合には、通常は、光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジカル重合性のモノマーまたはプレポリマーの場合には、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系等の化合物が、又カチオン重合系のモノマーまたはプレポリマーの場合には、メタロセン系、芳香族スルホニウム系、芳香族ヨードニウム系等の化合物が用いられる。これら光重合開始剤は、上記モノマーおよび/またはプレポリマーからなる組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加する。なお、電離放射線としては、紫外線、または電子線が代表的なものであるが、この他、可視光線、X線、γ線等の電磁波、あるいはα線、各種イオン線等の荷電粒子線を用いることもできる。
当該電離放射線硬化性組成物は、溶剤を含んでもよいが、その場合塗布後に乾燥工程が必要となるため、溶剤を含まないタイプ(ノンソルベントタイプ)であることが好ましい。
プライマー層2の厚さ(B領域)は特に限定されないが、通常は硬化後の厚さで1μm〜100μm程度となるように形成される。また、プライマー層2の厚さは、通常は、導電パターン層3とプライマー層2との合計値(図1中のA領域の導電パターン層3の頂部と透明基材1の表面との高度差)の1〜50%程度である。
<導電パターン層>
導電パターン層(電磁波遮蔽層)は、導電性組成物からなる導電パターン層3が、透明プライマー層2上に所定のパターンで設けられたものである。このパターンは、電磁波遮蔽層に通常採用されるメッシュ(格子)状、ストライプ(縞)状、あるいはスパイラル(螺旋)であってよく、その線幅と線間ピッチも通常採用されている寸法であればよい。例えば、線幅は5〜50μmとすることができ、線間ピッチは100〜500μmとすることができる。開口率(電磁波遮蔽パターンの全面積中における開口部の合計面積の占める比率)は、通常、50〜95%程度である。またメッシュやストライプ形状の電磁遮蔽パターンとは別に、それと導通を保ちつつ隣接した全ベタ等の接地パターンが設けられる場合もある。なお、本明細書中、電磁波とは周波数が上記範囲を中心とするKHz〜GHz帯近辺の電磁波のことをいう。赤外線、可視光線、紫外線、X線等は含まないものとする(例えば、赤外線帯域の周波数の電磁波は赤外線と呼称する)。
また、導電パターン層3の厚さは、その導電パターン層3の抵抗値によっても異なり、電磁波遮蔽性能と導電パターン層上への他部材の接着適性との兼ね合いから適宜設定できるが、上記したように、本発明においては、透明プライマー層の最低部から導電性パターン層の最上部までの長さLは3〜25μmの範囲内である必要がある。
この導電パターン層3は、導電性粒子とバインダー樹脂を含む導電性組成物を、後述する凹版印刷法により透明プライマー層2上に所定のパターンで形成することで得ることができる。
導電性組成物を構成する導電性粒子としては、金属、黒鉛および導電有機高分子から選択される導電性材料を挙げることができる。例えば、金、銀、白金、銅、ニッケル、錫、アルミニウムなどの低抵抗率金属の粒子、あるいは芯材粒子としての高抵抗率金属粒子、樹脂粒子、無機粒子等の表面が被覆材としての金や銀などの低抵抗率金属で被覆された粒子等を好ましく挙げることができ、形状も球状、回転楕円体状、正多面体状、截頭多面体状、鱗片状、円盤状、樹枝状、繊維状等から選ぶことができる。これらの材料や形状は適宜混合して用いてもよい。導電性粒子の大きさは種類に応じて任意に選択されるので一概に特定できないが、例えば、鱗片状の銀粒子の場合には粒子の平均粒子径が0.1〜10μm程度のものを用いることができる。導電性組成物中の導電性粒子の含有量は、導電性粒子の導電性や粒子の形態に応じて任意に選択されるが、例えば導電性組成物の固形分100質量部のうち、導電性粒子を40〜99質量部の範囲で含有させることができる。なお、本明細書において、平均粒子径というときは、粒度分布計、またはTEM(透過型電子顕微鏡)観察で測定した値を意味する。
導電性組成物を構成するバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等の樹脂を挙げることができ、電離放射線硬化性樹脂としては、透明プライマーの材料として前記した物を挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等の樹脂を挙げることができる。なお、熱硬化性樹脂を使用する場合、必要に応じて硬化触媒を添加してもよい。電離放射線硬化性樹脂を用いる場合は必要に応じて光重合開始剤を添加してもよい。
また、版の凹部への充填に適した流動性を得るために、これら樹脂は通常、溶剤に溶けたワニスとして使用する。溶剤の種類には特に制限はなく、一般的に印刷インキに用いられる溶剤を使用できる。溶剤の含有量は通常、10〜70質量%程度であるが、必要な流動性が得られる範囲でなるべく少ないほうが好ましい。また、電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、もともと流動性があるため、必ずしも溶剤を必要としない。
また、導電性組成物の流動性や安定性を改善するために、導電性や、透明プライマー層との密着性に悪影響を与えない限りにおいて適宜充填剤や増粘剤、界面活性剤、酸化防止剤、分散剤、沈降防止剤などを添加してもよい。
所定のパターンの導電性組成物からなる導電パターン層を形成するには、導電性組成物を以下のように、凹版印刷を行う。凹版印刷方法およびその結果物は、特定のプライマーを使用した新規なものであり、本願出願人により、PCT/JP2008/060427として出願されたものである。例えば、凹版の凹部のみにドクターブレードなどを利用して導電性組成物を充填し、これに液状プライマー層を片面に形成済みの透明基材を、透明プライマー層が凹版に接する向きで加圧ローラで圧着するなどして透明プライマー層を接触させて、接触している状態で透明プライマー層を液状から固体状に固化させた後、透明基材を凹版から離して離版させることで、透明基材上の固化した透明プライマー層上に導電性組成物を転移させて、印刷することができる。
印刷後、つまり離版後、まだ液状である導電パターン層3に対しては、乾燥操作、加熱操作、冷却操作、化学反応操作などを適宜行い、固化せしめて導電性の導電パターン層3を完成させる。例えば、乾燥操作は、導電性組成物中の溶剤など不要な揮発成分を除去するため、加熱操作は、該乾燥や導電性組成物の熱硬化などの必要な化学反応を促進させるため、冷却操作は、加熱熔融した熱可塑性樹脂の導電性組成物や透明プライマー層の固化促進のため、化学反応操作は、加熱によらない電離放射線照射などのその他の手段による導電性組成物や透明プライマー層の化学反応を進行させるために行う。また、導電性組成物は、版上で半硬化固化させ離版後に完全硬化させてもよい。
また、導電性組成物の固化は凹版接触中に行ってもよい。版接触中に導電性組成物を固化させるときは、凹版は導電性組成物に対しても賦形型として機能し、透明プライマー層も含めて凹版は完全な賦形型として用いることになる。この際、導電性組成物の固化方法は透明プライマー層で採用する固化方法と同じ方法でもよく、異なる方法でもよい。ただし、例えば電離放射線照射など同じ方法を採用すれば、透明プライマー層と導電性組成物とを版面上で同時に硬化可能な為、装置・工程的に簡素化でき、また類似の化学反応を採用すれば密着性の点でも有利である。
本発明においては、上記のような印刷方法を採用することで、凹版凹部内に充填された導電性組成物の上部に窪み(凹み)が生じても、液状で流動性の透明プライマー層を介して印刷するので、印刷中に透明プライマー層を該窪みに流し込み隙間なく密着させた状態にでき、その後、透明プライマー層を固化させてから透明基材を凹版から離すので、透明基材上に固化した透明プライマー層2を介して所定パターンの導電パターン層3を、細線でも、転移不足による断線や形状不良、インキ密着性不足などの印刷不良の発生なく形成できる。凹版印刷工程において、上記のように凹版凹部内に充填されたインキの表面に生じる窪みを透明プライマー層が流入、充填する結果、電磁波遮蔽フィルタは、透明プライマー層の厚みが、導電パターン層が形成されている部分(図1のA領域)の厚みが、導電パターン層が形成されていない部分(図1のB領域)の厚みよりも厚くなる。無論、このような、透明プライマー層の厚みと導電パターン層形成との関係が得られる方法であれば、上記の特定の凹版印刷方法以外の方法を用いて形成してもよいことは言うまでもない。
本発明における導電性組成物からなる導電パターン層3と透明プライマー層2との界面は図2〜4に示すような3つの態様の断面形態をとり得るものであり、導電パターン層3とプライマー層2との界面が交互に入り組んだり、あるいは界面において、両層の材料が相互に拡散し合って混在し、この界面の断面形態(界面形態ともいう。)が密着性、導電性組成物の転移性の点で好ましい結果を与えている。
界面形態の第1態様は、図2に示すように、透明プライマー層2と導電パターン層3との界面11の近傍に、透明プライマー層に含まれるプライマー成分と、導電パターン層を構成する成分とが混合する領域21(混合層)が存在している形態である。図2では界面が明確に現れているが、実際には、明瞭でない曖昧な界面が現れる。また、図2では混合領域21は、界面11を上下に挟むように存在する。この場合は、透明プライマー層中のプライマー成分と導電パターン層3中の任意の成分とが両層内に相互に侵入する場合である。なお、混合領域21は界面11の上側(透明基材とは反対側)に存在しても下側(透明基材側)に存在してもよい。混合領域21が界面11の上側に存在する場合としては、透明プライマー層中のプライマー成分が導電パターン層内に侵入し、導電パターン層中の成分が透明プライマー層内に侵入しない場合であり、一方、混合領域21が界面11の下側に存在する場合としては、導電パターン層中の任意の成分が透明プライマー層内に侵入し、透明プライマー層中のプライマー成分が導電パターン層内に侵入しない場合である。
上記した界面形態は、そもそも平坦面でない山型の透明プライマー層2上に導電パターン層3が形成されていることを以ってしても密着性が良いのに加え、上記のように界面11近傍に混合領域21を有するので、透明プライマー層2と導電パターン層3との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物が透明プライマー層2上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
界面形態の第2態様は、図3に示すように、透明プライマー層2と導電パターン層3との界面11が、透明プライマー層2側と導電パターン層3側とに交互に入り組んだ形態である。なお、この界面形態の第2態様において、入り組んだ界面は、全体としては中央が高い山型の断面形態となっている。
上記した界面形態も、第1態様の場合と同様、そもそも平坦面でない山型の透明プライマー層2上に導電パターン層3が形成されていることを以ってしても密着性が良いのに加え、上記のように界面11が入り組んだ形態になっているので、いわゆる投錨効果により、透明プライマー層2と導電パターン層3との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物が透明プライマー層2上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
界面形態の第3態様は、図4に示すように、導電パターン層3中に広く、透明プライマー層2に含まれるプライマー成分31が存在している形態である。図4ではプライマー成分31が界面11付近で多く、頂部に向かって少なくなった態様を模式的に表しているが、こうした態様には特に限定されない。プライマー成分31は、導電パターン層3の頂部から検出される程度に導電パターン層3内に侵入していてもよいし、主として界面近傍で検出される程度であってもよい。なお、第3態様において、特に、プライマー成分31が導電パターン層内に存在している領域が界面11の近傍に局在化している場合が、上記第2態様において混合領域が界面11の上側にのみ存在する形態に相当するといえる。
上記の界面形態も、上記第1および第2形態の場合と同様、そもそも平坦面でない山型の透明プライマー層2上に導電パターン層3が形成されていることを以ってしても密着性が良いのに加え、上記のようにプライマー成分31が導電パターン層3に侵入しているので、透明プライマー層2と導電パターン層3との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物が透明プライマー層2上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
導電パターン層3とプライマー層2との界面11は、上記の第1〜第3態様の界面形態少なくとも1つ有していることが好ましいが、2つ以上有していてもよく、3つの全てを有していてもよい。
導電パターン層3のみでは所望の導電性が不足する場合に、導電性をさらに向上させるために、導電パターン層上に金属層を、必要に応じ形成することができる。例えば、導電パターン層3上にめっきにより金属層を形成できる。めっきの方法としては電解めっき、無電解めっきなどの方法があるが、電解めっきは無電解めっきに比べて通電量を増やすことでめっき速度を数倍に上げることができ、生産性を著しく向上させることができるため好ましい。なお、金属層を形成した場合においては、本発明における「導電性パターン層の最上部までの長さL」は、導電性組成物の層の長さ(厚み)に加えて、金属層の長さ(厚み)も加えた長さを意味するものとする。
電解めっきの場合、導電パターン層3への給電は導電パターン層3が形成された面に接触させた通電ロール等の電極から行われるが、導電パターン層3が電解めっき可能な程度の導電性(例えば、100Ω/□以下)を有するので、電解めっきを問題なく行うことができる。金属層を構成する材料としては、導電性が高く容易にめっき可能な、銅、銀、金、クロム、ニッケル等を挙げることができる。
金属層は導電パターン層3に比べると一般的に体積抵抗率が1桁以上小さいため、導電パターン層単体で電磁波シールド性を確保する場合に比べて、必要な導電性材料の量を減らせるという利点がある。
<粘着剤層>
粘着剤層は、電磁波遮蔽フィルタを他の光学部材と貼り合わせる機能を有する他、導電パターン層の凹凸を埋めて平坦化させる機能も合わせもつ。上記したように、導電性パターン層3の最上部までの長さ(厚さないし高さでもある)が3〜25μmである場合において、粘着剤層4の厚さは、層の最厚部分、すなわち図1の領域Bの部分、が40μm以上となるように形成される。粘着剤層を構成する粘着剤としては、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリエステル樹脂等が使用できる。その他、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を使用することもできる。
また、粘着剤層には、表示装置の発光色を色調補正するため、または近赤外線等を吸収するため、近赤外線吸收剤、紫外線吸收剤、ネオン光吸收剤、各種着色色素、帯電防止剤等を含有させることができる。
粘着剤層の形成方法は、流動性のある粘着剤を、導電パターン層の凹凸を充填するように塗工する。あるいは、別途、転写シート上に予め塗工形成しておいた粘着剤層を、導電パターン層上に転写し、その後に転写シートを剥離することにより粘着剤層を形成してもよい。なお、流動性とは、Newton粘性には限らず、ダイラタンシーあるいはティキソトロピーの非Newton粘性であってもよい。粘度についても導電パターン層の凹凸を充填し得るに足る粘度であればよく、塗工または転写(粘着剤層を転写で形成する場合)時の加工条件や凹凸の程度に応じて適宜調整する。
粘着剤の塗工法としては、ロールコート、グラビアロールコート、バーコート、カーテンフローコート、ダイコート、コンマコート、スプレーコート等を好適に採用できる。
また、転写法により粘着剤層を形成する場合には、剥離基材上に、予め転写層として粘着剤層を塗工形成した構成の転写シートを準備しておく。次いで、転写シートの粘着剤層側の面が導電パターン層に対向するように、転写シートを導電パターン層上に圧着する。そして、粘着剤層がその時点において流動性を有する場合は、その状態のままで、また粘着剤層がその時点において流動性がほとんどない場合は、粘着剤層を加熱し、軟化または溶融等の方法により流動化させる。次いで、流動性の粘着剤層を導電パターン層の凹凸内に充填させ、凹凸内の空気と置換させる。なお、この過程の間、粘着剤層の導電パターン側とは反対側面は、剥離基材の平坦面と接触し、変形を規制されるため、平坦面に保たれる。その後、粘着剤層を導電パターン層側に残し、剥離基材のみを剥離除去する。
離型基材としては、特に制限されるものではないが、適度な強度と応力に対する寸法安定性(弾性率)、耐熱性(特に転写時に過熱する場合)、および表面平滑性の高いものを選択することが好ましい。また、転写層(粘着剤層)との剥離性(離型性ともいう)を確保する為に、転写層側に離型層を形成することが好ましい。例えば、厚さ20〜100μm程度の樹脂シート、または坪量20〜100g/mの紙が用いられる。樹脂シートとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂シートや、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂シートが挙げられる。紙としては上質紙、パーチメント紙、グラシン紙、硫酸紙等で地合のできるだけ均一なものが用いられる。
離型層は、離型基材自体では転写層との剥離性が不足する場合に形成される。離型層は、基材シートとの密着性が高く、かつ粘着剤層からなる転写層との剥離性の高い材料を選定する。剥離層の材料としては、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリオレフィン樹脂等が用いられる。必要に応じて、これにワックス、フッ素樹脂等からなる離型剤を添加する。離型層の厚さは、通常、0.1〜5μm程度である。
本発明による電磁波遮蔽フィルタは、各種用途に使用可能である。特に、テレビジョン受像装置、各種測定機器や計器類の表示部、各種事務用機器や電算機器の表示部、電話機等に用いられるプラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管ディスプレイ(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、電場発光(EL)ディスプレイなどの画像表示装置の前面フィルタ用として好適であり、特にプラズマディスプレイ用として好適である。また、その他、住宅、事務所、テンポ、病院、学校等の光透過性が要求される部位の電磁波遮蔽用途にも使用可能である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例により何ら限定されるものではない。
<透明プライマー層形成用組成物の調製>
下記の組成の成分を配合して透明プライマー層形成用組成物を調製した。
エポキシアクリレートプレポリマー 35重量部
ウレタンアクリレートプレポリマー 12重量部
フェノキシエチルアクリレートモノマー 44重量部
エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレートモノマー 9重量部
イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン:
商品名、チバスペシャリティケミカルズ社製) 3重量部
<導電パターン層形成用組成物の調製>
下記の組成の成分を配合して導電性組成物を調整した。
導電性粉末(平均粒径2μmの鱗片状銀粉末) 90重量部
カーボンブラック(平均粒径35nmのアセチレンブラック) 3重量部
バインダー樹脂(熱可塑性ポリエステルウレタン樹脂) 7重量部
ブチルカルビトールアセテート 35重量部
<反射防止フィルム/導電性パターン層の作製>
PET(ポリエチレンテレフタレート)の2軸延伸フィルムからなる透明基材の一方の面上に、フッ素樹脂中にシリカ微粒子を分散させた低屈折率層の反射防止膜を設けた反射防止フィルムを用意した。この透明基材の反射防止膜が設けられた面とは反対の面上に、上記の透明プライマー層形成用組成物を、厚さが5μmとなるように塗布した。次いで、開口部の線幅が20μmで線ピッチが300μm、版深20μmの正方格子状のメッシュパターンとなる凹部が形成された凹版ロールの版面に、上記の導電性組成物をピックアップロールで塗布し、ドクターブレードで凹部内以外の導電性組成物を掻き取って凹部内のみに導電性組成物を充填させた。導電性組成物を凹部内に充填させた状態の凹版ロールとニップロールとの間に、透明プライマー層が形成された上記の反射防止フィルムを、該未硬化のプライマー層側を凹版側に向けて、供給し、凹版ロールに対する押圧力によって透明プライマー層を凹部内に存在する導電性組成物の凹みに流入させ、導電性組成物と透明プライマー層とを隙間なく密着させると共に、透明プライマー層の一部を凹部内の導電性組成物内に浸透させた。その後、さらに凹版ロールが回転して高圧水銀燈からなるUVランプによって紫外線が照射され、光硬化性樹脂組成物からなる透明プライマー層を硬化させた。透明プライマー層の硬化により、凹版ロールの凹部内の導電性組成物は透明プライマー層と密着し、その後、出口側のニップロールによってフィルムおよび硬化した透明プライマー層を凹版ロールから剥離することにより、透明プライマー層上に導電パターン層を転写形成した。
このようにして得られたフィルムを、110℃で乾燥させて導電性組成物の溶剤を蒸発させて固化し、透明プライマー層上にメッシュパターンからなる導電パターン層を形成した。このとき導電パターン層が存在するパターン部分の高さは19μmであった。この場合の凹版印刷の転移率は95%であった。また、導電パターン層は、図3に示すように、パターニング部が頂部ほど細くなっていた。なお、導電パターン層の高さは、パターンが形成されていない部分(メッシュ開口部)の透明プライマー層表面からの高さである。
また、転移したメッシュパターンには、断線等の転移欠点も見られなかった。さらに、プライマー層と導電パターン層との界面の形態は、図3に示すような非直線状に交互に入り組んだ構造を有するとともに、図2に示すような界面近傍に両層の成分が混合した混合領域が認められた。
次いで、得られたフィルムに対し、銅めっきを行った。得られたフィルムを硫酸銅めっき液に浸漬し、その表面に形成されたメッシュ状の導電パターン層を陰極として、銅板を陽極として、2A/dmの電流を流して電解銅めっきを行った。銅めっき膜は、導電パターン層上に選択的に、厚さ2μmで形成した。銅メッキ膜を含めた導電パターン層の高さは、21μmであった。なお、銅メッキ膜を含めた導電パターン層の高さは、パターンが形成されていない部分(メッシュ開口部)の透明プライマー層表面からの高さである。
<導電性パターン層/粘着剤層の作製>
上記導電性パターン層フィルムのパターン層面上に、粘着剤層を形成した。先ず、PETフィルムからなる離型フィルム上に形成された厚み25μm、40μmの粘着剤層(巴川製紙所製、品名:TD06A)、PETフィルムからなる離型フィルム上に形成された厚み30μm、35μm、45μmの粘着剤層(総研化学製粘着剤、品名:SK2094 100重量部に対し硬化剤E-5XM0.3重量部とMIBK20重量部とを混合したものをアプリケーターにより塗布して70°で3分間乾燥して作製)、および175μmの粘着剤層(日東電工製、品名:CR9707)をそれぞれ一定のギャップで固定されたゴムロールと金属ロールの間に通し、上記で得られた導電パターン層フィルムのパターン層上に押し付けて貼り合わせることにより、電磁波遮蔽フィルタを得た。
<粘着剤層の充填度の評価>
得られた電磁波遮蔽フィルタについて、粘着剤層の埋め込み評価を行った。蛍光灯の光を電磁波遮蔽フィルタを介して観察し、電磁波遮蔽フィルタの透明度を目視により評価した。また、A4サイズの電磁波遮蔽フィルタのメッシュパターンの任意の縦横各3列を顕微鏡(倍率100倍)により観察した。
結果は、下記表1に示される通りであった。
Figure 2010080692
表1に示されるように、目視評価においては、厚さ25μm、30μm、35μmの粘着剤層を用いた電磁波遮蔽フィルタは、白濁して透過光がぼやけるように見えたのに対し、厚さ40μm、45μm、175μmの粘着剤層を用いた電磁波遮蔽フィルタは、その全面が透明であった。また、顕微鏡観察の結果、厚さ25μm、30μm、35μmの粘着剤層を用いた電磁波遮蔽フィルタは、メッシュパターンの格子に沿って、粘着剤層未充填部とみられる気泡が散見されたのに対し、厚さ40μm、45μm、175μmの粘着剤層を用いた電磁波遮蔽フィルタは、気泡の存在は確認できず、一様に接着剤層が充填されていた。
本発明の電磁波遮蔽フィルタの一例を示す模式的な断面図である。 導電パターン層とプライマー層との界面部分の第一の形態を示す模式的な断面図である。 導電パターン層とプライマー層との界面部分の第二の形態を示す模式的な断面図である。 導電パターン層とプライマー層との界面部分の第三の形態を示す模式的な断面図である。
符号の説明
1 透明基材
2 プライマー層
3 導電性組成物からなる導電パターン層
4 粘着剤層
11 プライマー層と導電パターン層との界面
21 混合領域
31 プライマー成分

Claims (5)

  1. 透明基材の一方の面上に、透明プライマー層と、導電性組成物からなる導電パターン層と、粘着剤層とが、この順で積層された電磁波遮蔽フィルタであって、
    前記透明プライマー層は、前記導電パターン層が設けられる領域がその他の領域よりも厚くなるように形成されており、
    前記透明プライマー層の最低部から導電性パターン層の最上部までの長さは3〜25μmであり、
    前記粘着剤層は、層の最厚部分が40μm以上であり、前記導電パターン層の凹凸を埋めて平坦になるように設けられていることを特徴とする、電磁波遮蔽フィルタ。
  2. 前記透明プライマー層と導電パターン層との界面が、(a)前記透明プライマー層を構成する成分と前記導電パターン層を構成する成分とが混合している領域を有する断面形態、(b)前記透明プライマー層と前記導電パターン層との界面が非直線状に入り組んでいる断面形態、および、(c)前記導電パターン層を構成する導電性組成物中に前記透明プライマー層に含まれる成分が存在している断面形態、から選択される1または2以上の断面形態を有する、請求項1に記載の電磁波遮蔽フィルタ。
  3. 前記導電性組成物が、樹脂バインダーと、金属、黒鉛および導電有機高分子から選択される少なくとも1種以上の導電性材料とを含んでなる、請求項1または2に記載の電磁波遮蔽フィルタ。
  4. 前記導電パターン層のパターニング幅が、頂部ほど細くなっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁波遮蔽フィルタ。
  5. 導電パターン層が、印刷法により形成されてなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電磁波遮蔽フィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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