JP2010140971A - 電磁波シールド部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン状の電磁波遮蔽層において断線がなく、アスペクト比が高く、導電性、電磁波遮蔽性にすぐれている電磁波シールド部材を提供する。
【解決手段】透明基材1と、該基材上に形成されたプライマー層2と、該プライマー層上に形成された金属鱗片状箔片4とバインダー樹脂5を含有する導電性組成物からなる凸状パターン層3とからなり、該プライマー層2のうち、該凸状パターンが形成されている凸状パターン層形成部におけるプライマー層2の厚さが、該凸状パターンが形成されていない凸状パターン層非形成部におけるプライマー層2の厚さよりも厚く、凸状パターン層中、プライマー層2との界面近傍において、金属鱗片状箔片4の反射面の配列方向が不均一である。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種用途に使用可能な電磁波シールド部材、中でも特に、画像表示装置(ディスプレイ)の前面に配置して、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽する電磁波シールド部材に関するものである。
近年、画像表示装置の大型化、薄型化に伴い、プラズマディスプレイ(PDP)が注目を集めている。
PDPは、発光にプラズマ放電を利用するため、30MHz〜1GHz帯域の不要な電磁波が外部に漏洩して他の機器(例えば、遠隔制御機器、情報処理装置等)に影響を与えるおそれがある。そのため、プラズマディスプレイ装置に用いられるプラズマディスプレイパネルの前面側(観察者側)に、画像光の透過性は維持した上で、漏洩する電磁波を遮蔽(シールド)するためのフィルム状の電磁波シールド部材を設けるのが一般的である。
プラズマディスプレイの前面などに用いることができる電磁波シールド部材用材料としては、銀スパッタ薄膜、銅メッシュなどがあるが、銀スパッタ薄膜はコストが高く、また全面を被覆しているため可視光(線)透明性と電磁波遮蔽性との両立性に劣る。銅メッシュは開口部分があるため透明性は高いが、銅箔をフォトリソグラフィー法でエッチングしてメッシュ形状を作成するため、捨てる材料が多く低コスト化が難しい。
近年、透明基材の上に導電性ペーストや無電解めっきの触媒を含むインキを凹版印刷などパターン印刷し、その上に銅をめっきで析出させ細線パターンを形成した電磁波シールド部材などが提案されており(特許文献1、2)、銅箔エッチング法などよりも経済性、生産性にすぐれた方法といえる。
しかしながら、導電性インキ(導電性ペースト)のような高粘度のインキを凹版印刷のような凹部を持つ版を用いる方法にて微細パターンで印刷しようとすると、印刷できないことはないがインキの転移性が悪くインキ抜けなどが多発し、断線があって、安定したパターンが形成できないという問題、及び凹版凹部内のインキの転移率が低下するという問題があった。インキ抜けは、凹版上にインキを塗布し、余分なインキをドクターブレードで掻き取った後の凹部内のインキがその上部に凹みを生じることが原因である。この凹みは、凹版上に透明基材を圧着して透明基材上に凹部内のインキを転写する際に、透明基材とインキとの密着を妨げ、透明基材上に、インキの未転写部が発生したり、密着性に劣る転写不良が発生する。また、転移率低下は、高粘度で流動性の悪いインキは、凹版凹部内の全充填インキの一部しか透明基材上に転移しないことが原因である。両者とも、印刷された導電インキパターンの導電率の低下を招き、電磁波遮蔽特性を低下させる。
また、金属粉と樹脂バインダーを含有する導電性ペーストを凹版印刷する従来技術の電磁波シールド部材においては、金属粉として、導電性を発現し易い金屬からなる鱗片状箔片が使用されることが多い。斯かる金属鱗片状箔片は、通常、導電性ペースト中で透明基材面に平行に配列し、その状態で導電性ペースト層が固化している。このような配列は、塗工時のローラ、ドクターブレード等の塗工ヘッドによる該鱗片状箔片へのせん断応力、塗膜中乾燥時の導電性組成物の対流が該鱗片状箔片に及ぼす力等によるものと考えられており、通常の塗工乃至印刷法の場合に不可避なものであった。
このような鱗片状箔片の配列を有する従来技術の電磁波シールド部材を、透明基材を観察者側(外来光側)に位置させて画像表示装置の前面に設置すると、透明基材面に平行に配列する金属鱗片状箔片の表面が鏡面に近い反射面となって、外来光の鏡面反射性が大であり、電磁波シールド部材が観察者には銀白色に見える。
その結果、画面は白化し、光源像が映り込み、画像コントラストが低下して、画質が不良となる。
特開2001−102792号公報 特開平11−174174号公報
本発明の目的は、パターン状の電磁波遮蔽層において断線がなく、アスペクト比が高く、導電性、電磁波遮蔽性にすぐれている電磁波シールド部材であって、透明基材を観察者側(外来光側)に位置させて画像表示装置の前面に設置する際に、外来光の鏡面反射が抑制されて、良好な画質が得られる電磁波シールド部材を提供することである。
本発明に係る電磁波シールド部材は、透明基材と、該基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に形成された金属鱗片状箔片とバインダー樹脂を含有する導電性組成物からなる凸状パターン層とからなり、該プライマー層のうち、該凸状パターンが形成されている凸状パターン層形成部におけるプライマー層の厚さが、該凸状パターンが形成されていない凸状パターン層非形成部におけるプライマー層の厚さよりも厚く、且つ該凸状パターン層形成部におけるプライマー層と凸状パターン層との界面は、(a)該プライマー層と該凸状パターン層とが非直線状に入り組んでいる断面形態、(b)該プライマー層を構成する成分と該凸状パターン層を構成する成分とが混合している層を有する断面形態、及び、(c)該凸状パターン層を構成する導電性組成物中に該プライマー層に含まれる成分が存在している断面形態、のいずれか1又は2以上の断面形態を有する、電磁波シールド部材であって、プライマー層と凸状パターン層の界面近傍において、導電性組成物中の金属鱗片状箔片の反射面の配列方向が不均一である電磁波シールド部材である。
また、本発明は、かかる電磁波シールド部材を、透明基材を観察者側(外来光側)に位置させてその前面に設置したPDPなどの画像表示装置を提供する。
本発明では、透明基材上に形成した透明樹脂からなる流動状態(液状)のプライマー層を、凹版の版面凹部に充填したパターン状の導電性ペースト層上に圧着し、その状態でプライマー層を硬化し、しかる後、凹版から離版する。その際、液状のプライマー層と凹版凹部内の液状導電性組成物層の両層が液状で圧接されて、界面が不均一な圧力分布となり、両層が交互に侵入し合い、それに伴って導電性組成物中の金属鱗片状箔片が不規則に移動して、其の配向方向が乱雑(random)化し、その状態で両層が硬化する。これに加えて、離版時に導電性組成物が液状のままの場合には、硬化プライマー層と導電性ペースト層の界面近傍において液状の導電性ペースト内に揺動等が起こるため、当該界面近傍の導電性ペースト中の金属鱗片状箔片は不均一に配列し、その後、その状態で導電性ペースト層が固化する。
そうして得られた本発明の電磁波シールド部材は、プライマー層と凸状パターン層の界面近傍において、導電性組成物中の金属鱗片状箔片の反射面の配列方向が不均一であるために、透明基材を観察者側(外来光側)に位置させて画像表示装置の前面に設置すると、かかる金屬鱗片状箔片が不均一に配列した側が観察者側に向き合い、その反射面の向き(外来光の反射方向)も各箔片毎に異なる。そのため、外来光の鏡面反射が抑制されて、画面白化や光源像映り込みがなく、画像コントラストの低下が解消され、画質が向上する。
また、プライマー層が凹版凹部内において凸状パターン層(導電性組成物層)の基材側表面に不可避的に生じる凹みを埋め、且つ両者の界面は入り組んだ構造をしているので、プライマー層と導電性組成物層の密着性は良好であり、凹版から離版する際に、導電性組成物の転移性は良好である。
その結果、転移欠陥がなく、パターン再現性が良好であり、電磁波遮蔽特性の良好な電磁波シールド部材を提供することができる。
図1は、本発明による電磁波シールド部材の一形態の層構成を示す断面の概念図である。
本発明の電磁波シールド部材は、透明基材1の一方の面に、プライマー層2、導電性組成物からなる凸状パターン層(以下、単に「凸状パターン層」ともいう。)3がこの順に形成されており、導電性組成物は、主として金属鱗片状箔片4とバインダー樹脂5から構成されている。
なお、プライマー層2の厚みは、凸状パターン層3が形成されている部分の厚みTAが凸状パターン層3が形成されていない部分の厚みTBよりも厚いという特徴的な形態を有する。こうした形態は、平坦面からなるプライマー層上に凸状パターン層3が形成されている場合に比べ、プライマー層2と凸状パターン層3との密着性にすぐれるという形態由来の効果がある。
また、導電性組成物中の金属鱗片状箔片4は、プライマー層2と凸状パターン層3の界面近傍において、不均一に(各々乱雑な向きに)配列している。
かかるパターン状の電磁波遮蔽層の特徴的な形態、及び金属鱗片状箔片の配列状態は、プライマー層の流動状態と固化状態を利用した導電性組成物の新規な印刷方法(後述)により実現されるものである。
以下、本発明の電磁波シールド部材の構成につき、詳細に説明する。
[透明基材]
透明基材1は、可視領域での透明性(光透過性)、耐熱性、機械的強度等の要求物性を考慮して、公知の材料及び厚みを適宜選択すればよく、ガラス、セラミックス等の透明無機物の板、或いは樹脂板など板状体の剛直物でもよい。ただし、生産性に優れるロール・トゥ・ロールでの連続加工適性を考慮すると、フレキシブルな樹脂フィルム(乃至シート)が好ましい。なお、ロール・トゥ・ロールとは、巻取(ロール)から巻き出して供給し、適宜加工を施し、その後、巻取に巻き取って保管する加工方式をいう。
樹脂フィルム、樹脂板の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール−1,4シクロヘキサンジメタノール−テレフタール酸共重合体、エチレングリコール−テレフタール酸−イソフタール酸共重合体などのポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリプロピレン、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂等である。なかでも、ポリエチレンテレフタレートはその2軸延伸フィルムが耐熱性、機械的強度、光透過性、コスト等の点で好ましい透明基材である。
透明無機物としては、ソーダ硝子、カリ硝子、硼珪酸硝子、鉛硝子等の硝子、或いはPLZT等の透明セラミックス、石英、蛍石等の無機結晶体等である。
透明基材の厚みは基本的には特に制限はなく用途等に応じ適宜選択し、フレキシブルな樹脂フィルムを利用する場合、例えば12〜500μm、好ましくは25〜200μm程度である。樹脂や透明無機物の板を利用する場合、例えば、500〜5000μm程度である。
なお、透明基材の樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、着色剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの公知の添加剤を添加できる。
また、透明基材は、その表面に、コロナ放電処理、易接着性樹脂層処理、下地処理などの公知の易接着処理を行ったものでもよい。
[プライマー層]
プライマー層2は、その主目的が凸状パターン層3の印刷形成時に、版から被印刷物(透明基材)へのインキ(導電性組成物)転移性を向上させ、転移後の導電性組成物と被印刷物との密着性を向上させるための層である。すなわち、透明基材及び凸状パターン層の双方に密着性が良く、また開口部(凸状パターン層非形成部)の光透過性確保のために透明な層でもある。
更に、このプライマー層2は、流動性を保持できる状態(液状)で透明基材1上に設けられ、凹版印刷時に、未硬化状態の導電性組成物が凹部内に充填された凹版に接触している間に液状から固化させる層として形成される層であり、最終的な電磁波遮蔽層が形成されたときに固化している層である。
かかるプライマー層を構成する材料としては、本来特に限定はないが、本発明では、未硬化状態において液状(流動性)の電離放射線重合性化合物を含む電離放射線硬化性組成物(電離放射線硬化性樹脂とも呼称する)を塗工、硬化(固体化)してなる層が好適に用いられる。以下、この材料を中心に詳述する。
該電離放射線重合性化合物としては、電離放射線で架橋等の反応により重合硬化するモノマー及び/又はプレポリマーが用いられる。
かかるモノマーとしては、ラジカル重合性モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート類、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート類等の各種(メタ)アクリレートが挙げられる。尚、ここで(メタ)アクリレートとの表記は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。カチオン重合性モノマーとして、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどの脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどグリシジルエーテル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどビニルエーテル類、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどオキセタン類等が挙げられる。
また、かかるプレポリマー(乃至オリゴマー)としては、ラジカル重合性プレポリマーとして、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートプレポリマー、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオール系プレポリマー、不飽和ポリエステルプレポリマー等が挙げられる。その他、カチオン重合性プレポリマーとして、例えば、ノボラック系型エポキシ樹脂プレポリマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂プレポリマー等が挙げられる。
これらモノマー、或いはプレポリマーは、要求される性能、塗布適性等に応じて、1種類単独で用いる他、モノマーを2種類以上混合したり、プレポリマーを2種類以上混合したり、或いはモノマー1種類以上とプレポリマー1種類以上とを混合して用いたりすることができる。
電離放射線として、紫外線、又は可視光線を採用する場合には、通常は、光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジカル重合性のモノマー又はプレポリマーの場合には、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系、アセトフェノン系等の化合物が、又カチオン重合系のモノマー又はプレポリマーの場合には、メタロセン系、芳香族スルホニウム系、芳香族ヨードニウム系等の化合物が用いられる。これら光重合開始剤は、上記モノマー及び/又はプレポリマーからなる組成物100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加する。
なお、電離放射線としては、紫外線、又は電子線が代表的なものであるが、この他、可視光線、X線、γ線等の電磁波、或いはα線等の各種イオン線等の荷電粒子線を用いることもできる。
当該電離放射線硬化性組成物は、溶剤を含んでもよいが、その場合塗布後に乾燥工程が必要となるため、溶剤を含まないタイプ(ノンソルベントタイプ)であることが好ましい。
プライマー層2の厚さ(TB)は特に限定されないが、通常は硬化後の厚さで1μm〜100μm程度となるように形成される。また、プライマー層2の厚さ(TB)は、通常は、凸状パターン層3とプライマー層2との合計値(総厚。図1でいうと凸状パターン層3の頂部と透明基材1の表面との高度差)の1〜50%程度である。
[導電性組成物からなる凸状パターン層]
本発明における電磁波遮蔽層は、導電性組成物からなる凸状パターン層3が、プライマー層2上に設けられたものである。該パターンは、電磁波遮蔽層に通常採用されるメッシュ(格子乃至網目)状或いはストライプ(縞模様乃至平行線群)状の他、螺旋状等他のパターンであってもよく、その線幅と線間ピッチも通常採用されている寸法であればよい。例えば、線幅は5〜50μmとすることができ、線間ピッチは100〜500μmとすることができる。開口率(電磁波遮蔽パターンの全面積中における開口部の合計面積の占める比率)は、通常、50〜95%程度である。またメッシュやストライプ形状の電磁遮蔽パターンとは別に、それと導通を保ちつつ隣接した全ベタ等の接地パターンが設けられる場合もある。
また、凸状パターン層3の厚さは、その凸状パターン層3の抵抗値によっても異なるが、電磁波遮蔽性能と該パターン層上への他部材の接着適性との兼ね合いから、その中央部(突起パターンの頂部)での測定において、通常、2μm以上50μm以下であり、好ましくは、5μm以上20μm以下である。
この凸状パターン層3は、導電性粒子とバインダー樹脂を含む導電性組成物を、後述する凹版印刷法によりプライマー層2上に所定のパターンで形成することで得ることができる。
導電性組成物を構成する導電性粒子としては、金、銀、白金、銅、ニッケル、錫、アルミニウムなどの低抵抗率金属の粒子を好ましく挙げることができ、形状は鱗片状である。導電性粒子の大きさは、例えば、平均粒子径が0.1〜10μm程度のものを用いることができる。導電性組成物中の導電性粒子の含有量は、導電性粒子の導電性に応じて任意に選択されるが、例えば導電性組成物の固形分中に、導電性粒子を40〜99質量%の範囲で含有させることができる。なお、本明細書において、平均粒子径というときは、粒度分布計で測定した値、またはTEM(透過型電子顕微鏡)観察で測定し、粒子の対角線長或いは外接球の直径で評価した値を指している。
導電性組成物を構成するバインダー樹脂としては、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも使用可能である。電離放射線硬化性樹脂としては、プライマー層の樹脂として列記したものと同様の物の中から選択すればよく、重複する記載は略す。熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂等の樹脂を挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等の樹脂を挙げることができる。なお、熱硬化性樹脂を使用する場合、必要に応じて硬化触媒或いは架橋剤を添加してもよい。
また、版の凹部への充填に適した流動性を得るために、これら樹脂は通常、溶剤に溶けたワニスとして使用する。溶剤の種類には特に制限はなく、一般的に印刷インキに用いられる溶剤を使用できる。溶剤の含有量は通常、10〜70質量%程度であるが、必要な流動性が得られる範囲でなるべく少ないほうが好ましい。
また、導電性組成物には、その流動性や安定性を改善するために、導電性や、プライマー層との密着性及び鱗片状箔片の配列に悪影響を与えない限りにおいて適宜充填剤や増粘剤、界面活性剤、酸化防止剤、分散剤、沈降防止剤、着色剤などを添加してもよい。
(凸状パターン層の形成方法)
所定のパターンの導電性組成物からなる凸状パターン層3を形成するには、導電性組成物を次のように凹版印刷する。本凹版印刷方法及びその結果物は、特定のプライマーを使用した新規なものであり、本願出願人により、PCT/JP2008/060427として出願されたものである。
例えば、凹版の凹部のみにドクターブレードなどを利用して導電性組成物を充填し、これに液状プライマー層を片面に形成済みの透明基材を、該プライマー層が凹版に接する向きで加圧ローラで圧着するなどして該プライマー層を接触させて、接触している状態でプライマー層を液状から固体状に固化させた後、透明基材を凹版から離して離版させることで、透明基材上の固化したプライマー層上に導電性組成物を転移させて、印刷することができる。
印刷後、つまり離版後、まだ液状である凸状パターン層3に対しては、乾燥、加熱、電離放射線照射、冷却などの操作を適宜行い、固化せしめて導電性の凸状パターン層3を完成させる。例えば、乾燥操作は、導電性組成物中の溶剤など不要な揮発成分を除去するため、加熱或いは電離放射線照射操作は、該乾燥や導電性組成物の熱硬化などの必要な化学反応を促進させるため、冷却操作は、加熱熔融した熱可塑性樹脂の導電性組成物やプライマー層の固化促進のために行う。
本発明では、このようにして印刷することで、凹版凹部内に充填された導電性組成物の上部に、該組成物中の溶剤乾燥、ドクターブレード掻き取り時の該組成物の引き摺り効果等により窪み(凹み)が生じても、液状で流動性のプライマー層を介して印刷するので、印刷中にプライマー層を該窪みに流し込み隙間なく密着させた状態にでき、その後、プライマー層を固化させてから透明基材を凹版から離すので、透明基材上に固化したプライマー層2を介して所定パターンの凸状パターン層3を、細線でも、転移不足による断線や形状不良、インキ密着性不足などの印刷不良の発生なく形成できる。凹版印刷工程において、かくの如く凹版凹部内に充填されたインキの表面に生じる窪みをプライマー層が流入、充填する結果、得られた本発明の電磁波シールド部材は、プライマー層の厚みが、前記凸状パターン層が形成されている部分の厚みも厚くなる。勿論、このような、本発明特有のプライマー層の厚みにおける凸状パターン層形成との関係が得られる方法であれば、上記の特定の凹版印刷方法以外の方法によってもよい。
(凸状パターン層とプライマー層の界面の断面形態)
本発明における導電性組成物からなる凸状パターン層3とプライマー層2の界面は図2〜4に示すような3つの態様の断面形態をとり得るものであり、凸状パターン層3とプライマー層2との界面が交互に入り組んだり、或いは該界面において、両層の材料が相互に拡散し合って混在し、この界面の断面形態(界面形態ともいう。)が密着性、導電性組成物の転移性、及び金属鱗片状箔片の不均一配列の点で好ましい結果を与えている。
界面形態の第1態様は、図2に示すように、プライマー層2と凸状パターン層3との界面11が、プライマー層2側と凸状パターン層3側とに交互に入り組んだ形態である。
なお、この界面形態の第1態様において、入り組んだ界面は、全体としては中央が高い山型の断面形態となっている。
こうした界面形態の第1態様は、そもそも平坦面でない山型のプライマー層2上に凸状パターン層3が形成されていることを以ってしても密着性が良いのに加え、上記のように界面11が入り組んだ形態になっているので、所謂投錨効果により、プライマー層2と凸状パターン層3との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物がプライマー層2上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
界面形態の第2態様は、図3に示すように、プライマー層2と凸状パターン層3との界面11の近傍に、プライマー層に含まれるプライマー成分と、凸状パターン層を構成する成分とが混合する領域21(混合層)が存在している形態である。図3では界面が明確に現れているが、実際には、明瞭でない曖昧な界面が現れる。また、図3では混合領域21は、界面11を上下に挟むように存在する。この場合は、プライマー層中のプライマー成分と凸状パターン層3中の任意の成分とが両層内に相互に侵入する場合である。なお、混合領域21は界面11の上側(透明基材とは反対側)に存在しても下側(透明基材側)に存在してもよい。混合領域21が界面11の上側に存在する場合としては、プライマー層中のプライマー成分が凸状パターン層内に侵入し、凸状パターン層中の成分がプライマー層内に侵入しない場合であり、一方、混合領域21が界面11の下側に存在する場合としては、凸状パターン層中の任意の成分がプライマー層内に侵入し、プライマー層中のプライマー成分が凸状パターン層内に侵入しない場合である。
こうした界面形態の第2態様も上記第1態様の場合と同様、そもそも平坦面でない山型のプライマー層2上に凸状パターン層3が形成されていることを以ってしても密着性が良いのに加え、上記のように界面11近傍に混合領域21を有するので、プライマー層2と凸状パターン層3との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物がプライマー層2上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
界面形態の第3態様は、図4に示すように、凸状パターン層3中に広く、プライマー層2に含まれるプライマー成分31が存在している形態である。図4ではプライマー成分31が界面11付近で多く、頂部に向かって少なくなって態様を模式的に表しているが、こうした態様には特に限定されない。プライマー成分31は、凸状パターン層3の頂部から検出される程度に凸状パターン層3内に侵入していてもよいし、主として界面近傍で検出される程度であってもよい。なお、第3態様において、特に、プライマー成分31が凸状パターン層内に存在している領域が界面11の近傍に局在化している場合が、上記第2態様において混合領域が界面11の上側にのみ存在する形態に相当するといえる。
こうした界面形態の第3態様も上記第1及び第2形態の場合と同様、そもそも平坦面でない山型のプライマー層2上に凸状パターン層3が形成されていることを以ってしても密着性が良いのに加え、上記のようにプライマー成分31が凸状パターン層3に侵入しているので、プライマー層2と凸状パターン層3との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物がプライマー層2上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
本発明における導電性組成物からなる凸状パターン層3とプライマー層2の界面11は、上記の第1〜第3態様の界面形態の特徴を少なくとも1つ有しているが、それらの特徴を2つ以上有していてもよく、3つの全てを有していてもよい。
本発明において、かかる特定の界面形態を生じるのは、凹版のパターン状凹部内に充填された未硬化で流動状態の導電性組成物の上に透明基材上に形成された流動状態のプライマー層が圧着される為である。その為、両層の界面が相互に押し合い、しかも該界面上の圧力分布は不均一になる為、該界面は交互に一方の層から他方の層に侵入或いは後退して、図2の如く交互に入り組んだ界面を形成する。また、両層が界面において交互に押し合う状態において、両層とも流動状態(液状)である。その為、両層の成分は互いに一方の層から他方の層に向かって、浸透、拡散、或いは溶解等によって侵入する傾向を持つ。これによって、図3或いは図4の如く、一方の層中の成分が他方の相中に侵入し混ざり合った界面を構成する。
更に、斯かる界面形態が形成される際に、導電性組成物中の金属鱗片状箔片にも不均一な配向力がかかる。これも、該金属鱗片状箔片に不均一な配列を形成する複数の要因の1つとなり得る。
なお、前記の通り、本発明においては、該プライマー層と凸状パターン層の界面近傍において、該導電性組成物中の金属鱗片状箔片の反射面(該箔片の一番広面積の面)の配列方向が不均一(乱雑)とする。斯かる鱗片状箔片の配列を形成する為には、透明基材上に形成した流動状態のプライマー層を、凹版の版面凹部に充填したパターン状の導電性ペースト層上に圧着し、その状態でプライマー層を硬化し、しかる後、凹版から離版する印刷方法にて、該導電性組成物を印刷する。その際、液状のプライマー層と凹版凹部内の液状導電性組成物層の両層が液状で圧接されて、界面が不均一な圧力分布となり、両層が交互に侵入し合い、それに伴って導電性組成物中の金属鱗片状箔片が不規則に移動して、その配向方向が乱雑(random)化し、その状態で両層が硬化する。これに加えて、離版時に導電性組成物が液状のままの場合には、硬化プライマー層と導電性ペースト層の界面近傍において液状の導電性ペースト内に揺動等が起こる為、当該界面近傍の導電性ペースト中の金属鱗片状箔片は不均一に配列し、その後、その状態で導電性ペースト層が固化する。斯くして、この様な金属鱗片状箔片の配列方向を形成することができる。
また、本発明の、より好ましい実施形態としては、該導電性組成物中の金属鱗片状箔片の反射面の配列方向を、該プライマー層と凸状パターン層の界面近傍において不均一とすることに加えて、更に、該凸状パターンの凸部表面(透明基材とは反対面側表面)近傍において、該鱗片の反射面が該凸部表面と平行乃至略平行になった状態で配列させる。このような配列も、前記特定のプライマー層を用いた印刷方法を採用するとともに、導電性組成物の粘度及び印刷条件を適宜調整することにより実現できる。
このように、該凸状パターンの凸部表面近傍において、該鱗片の反射面が該凸部表面と平行乃至略平行に配列すると、該平行に配列した鱗片状箔片同士は広面積面で接触する為、凸状パターンの電気抵抗がより低く(導電率がより高く)なり、電磁波遮蔽性が向上する。しかも、斯かる凸部は光鏡面反射性が高いが、該凸部を画像表示装置側に向けて配置することにより、外来光及び画像観察者側には、光鏡面反射性の無い該鱗片状箔片が不均一配列(配向)した面側が対向する為、外来光の反射による画像の白化、コントラスト低下等の問題を回避することができる。
(金属層)
本発明における電磁波遮蔽層は、導電性組成物からなる凸状パターン層3のみでは所望の導電性に不足する場合に、導電性を更に向上せしめるために、金属層を、必要に応じ形成することができ、凸状パターン層3上にめっきにより形成される。めっきの方法としては電解めっき、無電解めっきなどの方法があるが、電解めっきは無電解めっきに比べて通電量を増やすことでめっき速度を数倍に上げることができ、生産性を著しく向上させることができるため好ましい。
電解めっきの場合、凸状パターン層3への給電は凸状パターン層3が形成された面に接触させた通電ロール等の電極から行われるが、凸状パターン層3が電解めっき可能な程度の導電性(例えば、100Ω/□以下、より好ましくは7Ω/□以下)を有するので、電解めっきを問題なく行うことができる。金属層を構成する材料としては、導電性が高く容易にめっき可能な、銅、銀、金、クロム、ニッケル等を挙げることができる。
金属層は導電性組成物からなる凸状パターン層3に比べると一般的に体積抵抗率が1桁以上小さいため、導電性組成物からなる凸状パターン層単体で電磁波シールド性を確保する場合に比べて、必要な導電性材料の量を減らせるという利点がある。
[光学フィルタ]
こうして得られた電磁波シールド部材に光学調整層を設けて電磁波遮蔽機能と光学機能との両機能を具備する光学フィルタとして利用することができる。光学調整層としては、従来公知のものをそのまま用いればよく、例えば近赤外線吸収層、ネオン光吸収層、紫外線吸収層、反射防止層、及び防眩層等を挙げることができる。また、必要に応じて、該光学フィルタには、更に、光学機能以外の機能を発現する層を複合することができる。かかる層としては耐衝撃層、帯電防止層、ハードコート層、及び防汚層等を挙げることができる。
ここで、凸状パターン層を形成した透明基材に反射防止層などの光学調整層を直接形成すると、凸状パターン層と(プライマー層被覆)透明基材との凹凸により、反射防止層などの塗りムラや気泡の混入が起こり、気泡が画像光を散乱して画質低下をもたらし、反射防止効果なども不十分となる。この問題を解決するために、凸状パターン層と(プライマー層被覆)透明基材とで構成される凹凸を埋めて平坦化するための透明な平坦化層を設け、その上面に反射防止層などの光学調整層を設けることが好ましい。なお、平坦化層に用いる樹脂へ、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、紫外線吸収剤などを添加することもできる。この場合は、該平坦化層が光学調整層を兼務することになる。
そして、こうした電磁波シールド部材又は電磁波シールド部材を有する光学フィルタをプラズマ表示装置(PDP)、ブラウン管(CRT;陰極線管)表示装置、電場発光(EL)表示装置等のディスプレイパネルの画像表示面(前面)に装着することにより、ディスプレイ装置とすることができる。
また、本発明の電磁波シールド部材は、その他各種用途に適用可能である。例えば、住宅、事務所、病院、店舗等の建築物の窓、車両、船舶、航空機等乗り物の窓、電子レンジ、複写機、各種計器類等の画像表示装置以外の家電製品、事務機器、電気製品等の窓乃至光学的開口部等の可視光線透過製を要求される部位の電磁波を遮蔽する部材として用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
透明基材としての2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)の帯状フィルム(製造元;東洋紡績、商品名;A4300)上に、プライマー層として、エポキシアクリレートプレポリマー35質量部、ウレタンアクリレートプレポリマー12質量部、フェノキシエチルアクリレートからなる単官能アクリレートモノマー44質量部、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸トリアクリレートからなる3官能アクリレートモノマー9質量部、さらに光開始剤としてイルガキュア184(物質名;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、製造元;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)3質量部添加したものを使用した、粘度1300mPa・s(25℃、B型粘度計)の、未硬化状態で液状の紫外線硬化性樹脂を斜線版のグラビアリバース方式で20μm厚で全面にコーティングしたものを用意し、一方、版パターンが線幅20μm、ピッチ300μm、版深10μmである正方格子のメッシュパターン状凹部である凹版版胴の該凹部内に導電性組成物である銀ペーストインキ(組成;熱可塑性アクリル樹脂バインダー5質量部中に平均粒子径5μmの鱗片状の銀粒子を95質量部分散させ、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルからなる有機溶剤で希釈)を充填し、凸部の余剰の導電性組成物をドクターブレードで掻き取ったものを用意した。なお、この時、凹部内に充填された該導電性組成物の表面には凹陥部が形成されていた。次いで、該透明基材を該プライマー層側が該凹版の導電性組成物充填面側に接するように、鉄の軸芯の表面にシリコンゴムを被覆してなる押圧ロールにて押圧し、該凹陥部も含めた導電性組成物と液状プライマー層とを空隙なく密着せしめた。この状態で該透明基材側から、高圧水銀灯により紫外線を照射して紫外線硬化樹脂プライマー層を硬化させた(この時、導電性組成物は未硬化)。次いで、該透明基材、該硬化プライマー層、及びメッシュパターン上に形成された未硬化導電性組成物を、剥離ロールを介して該凹版から離型(離版)した。しかる後、該メッシュパターンに形成された導電性組成物の希釈溶剤を乾燥させて、これを硬化(固化)せしめた。かくの如くすることでPETフィルムに上記版胴表面の版パターンを転写させて電磁波シールド部材を製造した。なお、帯状透明基材の走行速度である印刷速度は10m/minでロール・トゥ・ロール方式にて連続加工した。
凹版凹部に内充填された導電性組成物上部の凹陥部はプライマー層で空隙なく充填、密着されているため、導電性組成物の転移量が向上し、転移後の導電性組成物メッシュパターンの高さは9μmであり転移率(=(印刷された導電性組成物の凸状パターン層の厚み/凹版凹部の深さ)×100=(9/10)×100)は90%であった。また、転移した該メッシュパターンには断線等の転移欠点も認められなかった。
更に、プライマー層とメッシュパターン層との界面の形態は、図2の如く非直線状に交互に入り組んだ構造を有すると共に、図3の如く界面近傍に、両層の成分が混合した混合領域が認められた。また、斯かる凸状パターン層の断面を透過型電顕微鏡写真を撮り拡大観察したところ、図1の如く、導電性組成物からなる凸状パターン層内の銀の鱗片状箔片は、その配列方向がプライマー層側近傍において不均一となり、且つ凸部表面(透明基材とは反対面側表面)近傍において、該鱗片の広面積面が該凸部表面と平行になった状態で配列していた。この電磁波シールド材の透明基材側を白色蛍光灯で該透明基材直上から1000ルックスの照度で照明し、該照射面を垂直距離が60cm且つ視線方向が該透明基材の法線と80度の角度をなす方向から目視観察した。その結果、該電磁波シールド材の表面には白化及び金属光沢は認められなかった。
[比較例1]
実施例1において、PETフィルム上にプライマー層を塗布しない以外は実施例1と同様にしてメッシュを作製した。
該電磁波シールド材は、透明基材上への導電性組成物の転写は十分でなく、凸状パターン層には断線及びパターン抜けが多発した。また、乾燥後のパターン厚さも1μmであり、転移率が著しく悪かった(転移率=(1/10)×100=10%)。且つ、斯かる凸状パターン層の断面を透過型電顕微鏡写真を撮り拡大観察したところ、導電性組成物からなる凸状パターン層内の銀の鱗片状箔片は、その配列方向が、プライマー層側近傍において均一で、該鱗片の広面積面が該透明基材表面と平行になった状態で配列していた。この電磁波シールド材の透明基材側を、実施例1と同条件にて、目視観察した。その結果、該電磁波シールド材の表面には白化及び金属光沢が認められた。
本発明の電磁波シールド部材の一例を示す模式的な断面図である。 凸状パターン層とプライマー層との界面形態が第1態様である本発明の電磁波シールド部材における電磁波遮蔽層の模式的な断面図である。 凸状パターン層とプライマー層との界面形態が第2態様である本発明の電磁波シールド部材における電磁波遮蔽層の模式的な断面図である。 凸状パターン層とプライマー層との界面形態が第3態様である本発明の電磁波シールド部材における電磁波遮蔽層の模式的な断面図である。
符号の説明
1 透明基材
2 プライマー層
3 導電性組成物からなる凸状パターン層
4 金属鱗片状箔片
5 バインダー樹脂
11 プライマー層と凸状パターン層との界面
21 混合領域
31 プライマー成分
TA 凸状パターン層が形成されている部分の厚さ
TB 凸状パターン層が形成されていない部分の厚さ

Claims (2)

  1. 透明基材と、該基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に形成された金属鱗片状箔片とバインダー樹脂を含有する導電性組成物からなる凸状パターン層とからなり、
    該プライマー層のうち、該凸状パターンが形成されている凸状パターン層形成部におけるプライマー層の厚さが、該凸状パターンが形成されていない凸状パターン層非形成部におけるプライマー層の厚さよりも厚く、
    且つ該凸状パターン層形成部におけるプライマー層と凸状パターン層との界面は、(a)該プライマー層と該凸状パターン層とが非直線状に入り組んでいる断面形態、(b)該プライマー層を構成する成分と該凸状パターン層を構成する成分とが混合している層を有する断面形態、及び、(c)該凸状パターン層を構成する導電性組成物中に該プライマー層に含まれる成分が存在している断面形態、のいずれか1又は2以上の断面形態を有する、電磁波シールド部材であって、
    プライマー層と凸状パターン層の界面近傍において、導電性組成物中の金属鱗片状箔片の反射面の配列方向が不均一であることを特徴とする電磁波シールド部材。
  2. 請求項1に記載の電磁波シールド部材を、透明基材を観察者側(外来光側)に位置させてその前面に設置した画像表示装置。
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