JPH11277864A - 孔版印刷方法 - Google Patents

孔版印刷方法

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JPH11277864A
JPH11277864A JP9991998A JP9991998A JPH11277864A JP H11277864 A JPH11277864 A JP H11277864A JP 9991998 A JP9991998 A JP 9991998A JP 9991998 A JP9991998 A JP 9991998A JP H11277864 A JPH11277864 A JP H11277864A
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JP9991998A
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Hiroyuki Amamiya
裕之 雨宮
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の孔版印刷においては、被印刷基材に印
刷後、印刷インキが硬化する前に被印刷基材から版を剥
離し、その後に印刷インキを硬化するため、インキのレ
ベリングにより厚盛りで精度のよい立体印刷物が得られ
なかった。 【解決手段】 被印刷基材11に孔版12を重ね合わせ、そ
の上に電離放射線硬化性樹脂をバイダーとするインキ14
を載せてスキージ15を摺動させることにより孔版の孔部
13からインキ14を押し出して被印刷基材11に印刷する(
a図) 。 次に、被印刷基材11と孔版12を接触した状態
で、被印刷基材11側から電離放射線16を照射し、孔版の
孔部13に充填された未硬化のインキ14を硬化すると共
に、被印刷基材11に硬化したインキ14aを接着させる(
b図) 。印刷インキが十分硬化した後に、被印刷基材11
から孔版12を剥離して印刷シート1を作製する( c図
)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板、
フレキシブルプリント基板、メンブレンスイッチ等の電
子部品の印刷、計器の目盛り印刷、視野選択フィルム、
研磨シート、プラズマディスプレーの障壁等の作製、及
び化粧シート等の表面加飾製品の印刷方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、スクリーン印刷は厚盛り印刷がで
きるために、ポスター、ディスプレーの印刷、プラスチ
ック、ガラス、陶器等の容器の絵付け、プリント配線、
電子部品の印刷、計器の目盛り印刷等に使用されてい
る。特に、プリント配線、電子部品の印刷にはメタルマ
スクが多く使用されている。また、インキ層を厚盛りに
する手法として、グラビア印刷による厚盛り印刷も行わ
れている。更に、厚盛り印刷とは別に、プラスチックシ
ート表面に凹凸模様を形成する方法として、熱可塑性樹
脂製のシートを加熱により軟化させて、この上に凹版を
加圧して、軟化したシートに凹凸模様を賦型する熱エン
ボス法が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、 従来、通常
のスクリーン印刷においては、印刷インキが硬化する前
に、版と被印刷基材を剥離し、被印刷基材から版を剥離
後に印刷インキを硬化するため、インキのレベリングに
より精度のよい立体印刷物が得られない。また、インキ
のレベリングにより、インキの塗膜の厚も30μ程度が
限界である。また、グラビア印刷法による厚盛り印刷の
場合は、凹版凹部のインキが被印刷基材に100%転移
しないこと、及びインキのレベリングにより凹版凹部の
形状を忠実に被印刷基材に転移させることはできないた
め、高精細な厚盛り印刷ができない。また、プラスチッ
クシート表面に熱エンボス法により凹凸模様を形成する
方法は、凹版とシートを剥離する際に、型崩れが生じて
高精細な凹凸を形成することは困難である。また、軟化
したシートに凹版で賦型した後、シートを十分冷却して
から凹版とシートを剥離すると、剥離が困難になると同
時に、生産スピードが低下する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、以下のような孔版印刷方法を採用した。孔版を用い
た印刷方法において、孔版を被印刷基材に接触させて孔
版の穿孔より印刷インキを被印刷基材上に押出し、被印
刷基材と孔版が接触している状態で印刷インキを硬化さ
せて被印刷基材に硬化したインキを接着させた後、孔版
と被印刷基材を剥離することにより被印刷基材に厚盛り
で且つ高精細に印刷することを特徴とする孔版印刷方法
とした。また、前記印刷インキが希釈溶剤を含まないイ
ンキであることを特徴とする孔版印刷方法とした。更
に、前記印刷インキのバインダー樹脂が電離放射線硬化
性樹脂であることを特徴とする孔版印刷方法とした。
【0005】即ち、本発明は、インキのバインダーとし
て紫外線硬化性樹脂又は電子線硬化性樹脂等の電離放射
線硬化性樹脂を用いて、孔版の穿孔からインキを押し出
して被印刷基材に印刷し、孔版と被印刷基材を接触した
状態で電離放射線を照射して電離放射線硬化性樹脂から
なるインキを硬化させ、インキが硬化してから孔版を剥
離して、被印刷基材に版の形状を忠実に印刷できるよう
にした印刷方法である。従って、従来の孔版のようなイ
ンキのレベリングがなくなり、厚盛り印刷の場合でも、
孔版の形状に適合した高精細な凸状の印刷層を形成する
ことができる。また、本発明においては、インキのバイ
ンダーとして電離放射線硬化性樹脂を使用し、希釈溶剤
を使用しないため、インキが硬化してもその体積変化は
非常に少ないので、被印刷基材に版の形状を忠実に印刷
できる。そのため、凸状の高い厚盛り印刷でも、従来の
印刷方法に比較して、高精細に印刷模様を形成すること
ができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照にして本発明
の実施の形態をを詳しく説明する。図1は本発明の孔版
印刷方法の各工程を示した説明図である。図2は本発明
の孔版印刷方法を用いて、輪転方式で被印刷基材に印刷
するときの模式断面図である。図3は実施例1によりP
ETフィルムに印刷するときの説明図である。図4は実
施例2によりPETフィルムに印刷するときの説明図で
ある。図5は本発明の孔版印刷方法で作製した印刷シー
トをディスプレーの防眩シートに用いたときの説明図で
ある。
【0007】本発明の孔版印刷方法は、図1(a)に示
すように、紙又はプラスチックシート(又はフィルム)
等の被被印刷基材11に孔版12を重ね合わせ、更にそ
の上に電離放射線硬化性樹脂をバイダーとするインキ1
4を載せてスキージ15を摺動させることにより、孔版
の画線部の貫通孔(以下孔版孔部13とする)からイン
キ14を押し出して被印刷基材11に印刷する。即ち、
孔版の孔部13からインキ14を押出して、被印刷基材
11と孔版の孔部13で形成された凹部にインキ14を
充填する。
【0008】次に、図1(b)に示すように、被印刷基
材11と孔版12を接触した状態で、被印刷基材11側
から電離放射線を照射して、孔版の孔部13に充填され
たインキを硬化すると共に、被印刷基材11に硬化した
インキ14aを接着させる。電離放射線として紫外線を
使用する場合は、被印刷基材11は透明で紫外線を透過
する材質である必要がある。即ち、被印刷基材11とし
ては透明なプラスチックシート(又はフィルム)が多く
使用される。しかし、孔版として石英ガラス等のような
透明な紫外線を透過する材質を使用する場合は、紫外線
を孔版側から照射することができるので、被印刷基材1
1は必ずしも透明である必要がない。また、電離放射線
として電子線を使用する場合は、被印刷基材11は透明
である必要はなく、電子線を透過する材質であれば全て
使用することができる。即ち、電子線を使用する場合
は、被印刷基材11として、紙、プラスチックシート
(又はフィルム)、又はこれらの積層材が使用できる。
【0009】次いで、印刷インキが十分硬化した後、図
1(c)に示すように、被印刷基材11から孔版12を
剥離して、印刷シート1を得る。インキ14が硬化して
から孔版12を剥離するので、被印刷基材11に形成さ
れた印刷形状は、孔版の孔部13の形状を忠実に再現で
きるため、厚盛りで高精細な模様でも形成することがで
きる。特に、印刷形状が厚盛りの場合(凸部が高い場
合)でも、インキが硬化してから孔版を剥離するので、
従来の孔版印刷に比較して、インキのレベリングがない
ので、孔版の孔部13の形状と同じ印刷形状を形成する
ことができる。
【0010】本発明の孔版印刷方法は、図2に示すよう
に、シリンダー状の孔版12を用いて、長尺の被印刷基
材11に連続的に印刷することもできる。即ち、被印刷
基材11として長尺の透明なプラスチックシート(又は
フィルム)を用い、このプラスチックシートをニップロ
ール18によってシリンダー状の孔版12に接触させな
がら、電離放射線硬化性樹脂をバインダーとするインキ
14をシリンダー状の孔版12の内側からスキージ15
によって孔版の孔部13に押し込んで充填する。
【0011】次いで、被印刷基材11とシリンダー状の
孔版12が接触した状態で、シリンダー状の孔版12の
回転によって、未硬化のインキ14を充填した孔版の孔
部13は、次の電離放射線照射工程に移動し、電離放射
線照射装置17から電離放射線16(例えば紫外線)を
被印刷基材11側から照射してインキ14を硬化させ
る。孔版の孔部13と被印刷基材11の間に充填された
未硬化のインキ14は、電離放射線の照射によって硬化
されると共に、硬化したインキ14aは被印刷基材11
の表面に強固に接着する。次に、硬化したインキ14a
が接着した被印刷基材11は剥離ロール19によってシ
リンダー状の孔版12から剥離され、硬化したインキ1
4aからなる模様を形成した印刷シート1が得られる。
得られた印刷シート1は厚盛り印刷の場合でも、版の形
状を忠実に再現したものとなる。
【0012】尚、上記孔版印刷方法において、電離放射
線16として電子線を使用する場合は、被印刷基材11
は透明である必要はなく、紙、着色プラスチックシート
又は紙とプラスチックフィルムの積層シート等電子線を
透過する材質であれば全て使用することができる。ま
た、シリンダー状の孔版12として石英ガラス等のよう
な紫外線を透過する材質を使用する場合は、紫外線を孔
版12側から照射することができるので、被印刷基材1
1は必ずしも透明である必要はない。
【0013】本発明に用いられる孔版としては、メッシ
ュスクリーン、メタルマスク等公知の方法で作製した孔
版が使用できるが、インキのバインダーに用いられる電
離放射線硬化性樹脂との離型性を考慮するとメタルマス
クが好ましい。
【0014】本発明に使用される被印刷基材としては、
ポリエチレンテレフタレート(以下PETとする)、ポ
リブチレンテレフタレート(以下PBTとする)、ポリ
エチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹脂、
ポリエチレン(以下PEとする)、ポリプロピレン(以
下PPする)、ポリメチルペンテン、オレフィン系樹脂
熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
塩化ビニル(以下PVCとする)、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ABS、ポリアミド、アクリル樹脂、エ
チレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンー酢酸ビニル共
重合体ケン化物等のシート(又はフィルム)が使用でき
る。また、電離放射線硬化性樹脂を硬化させるために、
電離放射線として電子線を用いる場合は、不透明な紙、
不織布、アルミニウム箔等の金属箔、又はこれらの素材
とプラスチックシート(又はフィルム)を積層した積層
材も使用できる。
【0015】本発明に用いられる電離放射線硬化性樹脂
としては、公知の紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂
が主に使用される。これらの樹脂としては、分子中にア
クリロイル基、メタアクリロイル基、アクリロイルオキ
シ基等の重合性不飽和基、エポキシ基、チオール基等を
二個以上有する多官能のプレポリマー、オリゴマー及び
/又は単量体を主成分とする液状組成物が使用される。
これらのプレポリマー、オリゴマー又は単量体の例とし
ては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、
ポリエステルアクリレート、シリコンアクリレート等の
アクリレート、ウレタンメタアクリレート、エポキシメ
タアクリレート、ポリエステルメタアクリレート、シリ
コンメタアクリレート等のメタアクリレート、不飽和ポ
リエステル、ポリチオール、ポリビニルピロリドン等が
ある。好ましくは、アクリレート、エポキシアクリレー
ト、シリコンアクリレート、シロキサン等の高架橋密度
型のものを用いる方がよい。
【0016】前記プレポリマー、オリゴマーの例として
は、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の
不飽和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、
ポリエーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレー
ト、メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポ
リエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレ
タンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオ
ールアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレ
ート類、カチオン重合型エポキシ化合物等が挙げられ
る。分子量としては、通常250〜10,000程度の
ものが用いられる。ラジカル重合性不飽和基を有するポ
リマーとしては、上記ポリマーの重合度を10,000
程度以上としたものが用いられる。
【0017】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビ
ニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエー
テル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。カチオン重合
性官能基を有する単量体の例としては、上記カチオン重
合性官能基を有するプレポリマーの単量体が利用でき
る。チオール基を有する単量体の例としては、トリメチ
ロールプロパントリチオグリコレート、ジペンタエリス
リトールテトラチオグリコレート等がある。ラジカル重
合性不飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)ア
クリレート化合物の単官能単量体、例えば、メチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙
げられる。
【0018】ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単
量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0019】電離放射線硬化性樹脂に用いられる単量体
の例としては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチ
レン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸−2−エ
チルヘキシル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸
ブトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸メトキ
シブチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル
類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタク
リル酸エトキシメチル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、アクリル
酸−2−(N、N−ジエチルアミノ)エチル、メタクリ
ル酸−2−(N、N−ジメチルアミノ)エチル、アクリ
ル酸−2−(N、N−ジベンジルアミノ)エチル、メタ
クリル酸(N、N−ジメチルアミノ)メチル、アクリル
酸−2−(N、N−ジジエチルアミノ)プロピル等の不
飽和酸の置換アミノアルコールエステル類、アクリルア
ミド、メタクリルアミド等の不飽和カルボン酸アミド、
エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリート等の化合物、ジプロピレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールアクリレート、
プロピレングリコールジメタクリレート、ジエチレング
リコールジメタクリレート等の多官能性化合物、及び/
又は、分子中に2個以上のチオール基を有するポリチオ
ール化合物、例えば、トリメチロールプロパントリチオ
グリコレート、トリメチロールプロパントリチオプロピ
レート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコール等
がある。
【0020】単量体の選定に際しては、硬化物の可撓性
が要求される場合は塗工適性上支障の無い範囲で単量体
の量を少なめにしたり、1官能又は2官能アクリレート
単量体を用い比較的低架橋密度の構造とする。又、硬化
物の耐熱性、硬度、耐溶剤性等を要求される場合には塗
工適性上支障の無い範囲で単量体の量を多めにしたり、
3官能以上のアクリレート系単量体を用い高架橋密度の
構造とするのが好ましい。1、2官能単量体と3官能以
上の単量体を混合し塗工適性と硬化物の物性とを調整す
ることも出来る。
【0021】以上の様な1官能アクリレート系単量体と
しては、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキシルア
クリレート、フェノキシエチルアクリレート等が挙げら
れる。2官能アクリレート系単量体としては、エチレン
グリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート等が、3官能以上のアクリレート系単量
体としてはトリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
【0022】電離放射線硬化性樹脂を紫外線又は可視光
線にて硬化させる場合には、電離放射線硬化性樹脂の中
に光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を
有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベン
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合し
て用いることができる。また、カチオン重合性官能基を
有する樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジ
アゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニ
ウム塩、メタセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エス
テル等を単独又は混合物として用いることができる。
尚、これらの光重合開始剤の添加量としては、該電離放
射線硬化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重
量部程度である。
【0023】電離放射線硬化性樹脂には、必要に応じ
て、熱可塑性樹脂、充填剤、光重合開始剤等を加えて孔
版用インキをを調製する。
【0024】電離放射線硬化性樹脂を硬化させる電離放
射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合、架
橋しうるエネルギー量子を有するものを意味し、紫外
線、可視光線、X線、電子線、α線等があるが、通常、
紫外線又は電子線が使用される。被印刷基材が透明な場
合は、紫外線が使用できるが、被印刷基材が紫外線を透
過しない不透明な場合は電子線を使用する必要がある。
しかし、孔版として紫外線を透過する透明な材質を使用
し、紫外線を孔版側から照射する場合は、被印刷基材は
必ずしも透明である必要はない。紫外線照射装置として
は、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、
カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライ
ドランプ等の光源が使用される。電子線照射装置として
は、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧
器型、絶縁コア変圧器型或いは直線型、ダイナミトロン
型、高周波型等の各種電子線加速器が用いられる。
【0025】そして、電子線を照射する場合、加速電圧
100〜1000KeV、好ましくは100〜300K
eVで照射し、吸収線量としては、通常、1〜300k
Gy(キログレイ)程度である。吸収線量が1kGy未
満では、塗膜の硬化が不十分となり、又、照射量が30
0kGyを超えると硬化した塗膜及び基材が黄変した
り、損傷したりする。また、紫外線照射の場合、その照
射量は50〜1000mJ/cm2 の範囲が好ましい。
紫外線照射量が50mJ/cm2 未満では、塗膜の硬化
が不十分となり、また、照射量が1000mJ/cm2
を超えると硬化した塗膜が黄変したりする。電離放射線
の照射方法として、先ず紫外線を照射して電離放射線硬
化性樹脂を少なくとも表面が指触乾燥する程度以上に硬
化させ、而る後に、電子線を照射して塗膜を完全に硬化
させる方法もある。
【0026】
【実施例】以下、実施例に基づいて、図面を参照にして
本発明を更に詳しく説明する。 (実施例1)先ず、孔版として図3(a)に示すよう
に、メタルマスク12aをエッチング法によって作製し
た。メタルマスクの孔部13a(画線部)の形状は、孔
部の幅50μ、孔部の深さ200μ、孔部と孔部の間隔
を100μとした平行直線のパターンとした。次に、図
3(b)に示すように、透明な被印刷基材として厚さ3
8μのPETフィルム11aを用い、このPETフィル
ム11aの上にメタルマスク12aを重ね合わせ、公知
の孔版印刷方法によりスキージ15を摺動させることに
よりインキ14をメタルマスクの孔部13aに押し込
み、メタルマスクの孔部13aとPETフィルム11a
に間に形成される凹部に未硬化のインキ14を充填し
た。尚、インキは不飽和ポリエステル系紫外線硬化性樹
脂に、光重合開始剤4重量%、着色顔料としてカーボン
ブラック30重量%添加したもの(粘度3000cps
/25℃)を用いた。
【0027】次に、図3(c)に示すように、メタルマ
スクの孔部13aに未硬化のインキ14を充填した状態
で、紫外線照射工程に移動し、出力160W/cmの高
圧水銀灯2灯を装備した紫外線照射装置17aから紫外
線16aを照射量が800J/cm2 になるように照射
して未硬化のインキ14を硬化させると共に、硬化した
インキ14aをPETフィルム11aに接着した。次い
で、図3(d)に示すように、インキが十分硬化した
後、PETフィルム11aからメタルマスク12aを剥
離して、凸条の微細な平行直線パターンからなる印刷P
ETフィルム1aを作製した。インキが硬化してからメ
タルマスクを剥離したので、PETフィルム上に形成さ
れた凸条の平行直線はメタルマスクの孔部13aの形状
を忠実に再現させることができた。
【0028】(実施例2)図4に示すように、孔版とし
てシリンダー状のメタルマスク12aをエッチング法に
よって作製した。メタルマスクの孔部13a(画線部)
の形状は、孔部の幅50μ、孔部の深さ200μ、孔部
と孔部の間隔100μの平行直線とした。被印刷基材と
して実施例1と同様に厚さ38μmのPETフィルム1
1aを用い、このPETフィルム11aを、図4に示す
ように、上記シリンダー状のメタルマスク12aを用い
た印刷装置に供給し、ニップロール18によってPET
フィルム11aをシリンダー状のメタルマスク12aに
接触させ、PETフィルム11aがシリンダー状のメタ
ルマスク12aに接触している状態で、メタルマスクの
内側にインキ(実施例1で用いたインキと同様のインキ
を使用)を供給し、スキージ15によってメタルマスク
の孔部13aに押し込み、PETフィルム11aとメタ
ルマスクの孔部13aによって形成された凹部に未硬化
のインキ14を充填した。
【0029】次に、シリンダー状のメタルマスク12a
が回転して、前記未硬化のインキ14が充填された後メ
タルマスクの孔部13aが電子線照射装置17bの位置
にきたとき、図4に示すように、PETフィルム11a
側から電子線16bを照射して未硬化のインキ14を硬
化すると共に、硬化したインキ14aをPETフィルム
11aに接着させた。電子線照射条件は、加速電圧20
0keVで、吸収線量が30kGy(キログレイ)とし
た。次いで、シリンダー状のメタルマスク12aの回転
に伴って、硬化したインキ14aが充填されているトメ
タルマスクの孔部13aが剥離ロール19に移動したと
き、剥離ロールによってPETフィルム11aはシリン
ダー状のメタルマスク12aから剥離されて、図4に示
すような硬化したインキ14aからなる微細な凸条の平
行直線パターンを有する印刷PETフィルム1aが得ら
れた。
【0030】実施例1及び実施例2で作製した印刷PE
Tフィルムを、図5に示すように、ディスプレーの防眩
フィルムとして使用した。その結果、実施例1、2で作
製した凸条の平行直線パターンを有する印刷PETフィ
ルム1aは、凸条部20の形状が均一で且つ高さが従来
のものに比較して高く(200μ)できているので、室
内天井に設けられいる蛍光灯等の外光(入射光)24
は、図5に示すように、防眩フィルム21に形成されて
いる凸条部20(凸条平行直線)によって妨げられて、
観察者25の位置からは、ディスプレー22からの反射
光は見えなくなり、ディスプレー22からは表示内容の
透過光23だけが見えるようになり、非常に見やすいデ
ィスプレー画面となった。即ち、本発明によって作製し
た印刷シートは、方向選択性光線調整シートとしてその
光の方向選択性に優れており、ディスプレーの防眩シー
トとして優れた防眩効果を示した。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インキのバインダーとして紫外線硬化性樹脂又は電子線
硬化性樹脂等の電離放射線硬化性樹脂を用いて、孔版の
孔部からインキを押し出して被印刷基材に印刷し、孔版
と被印刷基材を接触した状態で電離放射線を照射して電
離放射線硬化性樹脂からなるインキを硬化させ、インキ
が硬化してから孔版を剥離するので、被印刷基材に孔版
の形状を忠実に印刷できる。従来の孔版印刷ではインキ
のレベリングにより、精度のよい立体印刷ができなかっ
たが、本発明によれば、インキが硬化してから孔版を剥
離するので、インキのレベリングの影響がなくなり、厚
盛り印刷の場合でも高精細な凸状の高い印刷層を形成す
ることができる。また、インキのバインダーとして電離
放射線硬化性樹脂を使用し、希釈溶剤を使用しなため、
インキが硬化しても未硬化のインキと比較して、その体
積変化が非常に少ないので、被印刷基材に版の形状を忠
実に印刷することができる。そのため、本発明の印刷方
法で作製した印刷シートを方向選択性光線調整シートと
して使用した場合、光の方向選択性に優れており、ディ
スプレーの防眩シートとして非常に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の孔版印刷方法の各工程を示した説明図
である。
【図2】本発明の孔版印刷方法を用いて、輪転方式で被
印刷基材に印刷するときの模式断面図である。
【図3】実施例1によりPETフィルムに印刷するとき
の説明図である。
【図4】実施例2によりPETフィルムに印刷するとき
の説明図である。
【図5】本発明の孔版印刷方法で作製した印刷シートを
ディスプレーの防眩シートに用いたときの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 印刷シート 1a 印刷PETフィルム 11 被被印刷基材 11a PETフィルム 12 孔版 12a メタルマスク 13 孔版の孔部 13a メタルマスクの孔部 14 インキ(未硬化のインキ) 14a 硬化したインキ 15 スキージ 16 電離放射線 16a 紫外線 16b 電子線 17 電離放射線照射装置 17a 紫外線照射装置 17b 電子線照射装置 18 ニップロール 19 剥離ロール 20 凸条部 21 防眩シート 22 ディスプレー 23 透過光 24 外光(入射光) 25 観察者

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔版を用いた印刷方法において、孔版を
    被印刷基材に接触させて孔版の穿孔より印刷インキを被
    印刷基材上に押出し、被印刷基材と孔版が接触している
    状態で印刷インキを硬化させて被印刷基材に硬化したイ
    ンキを接着させた後、孔版と被印刷基材を剥離すること
    により、被印刷基材に厚盛りで且つ高精細な模様を印刷
    することを特徴とする孔版印刷方法。
  2. 【請求項2】 前記印刷インキが希釈溶剤を含まないイ
    ンキであることを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷
    方法。
  3. 【請求項3】 前記印刷インキのバインダー樹脂が電離
    放射線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1及び
    請求項2に記載の孔版印刷方法。
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