JP2015084687A - えん麦のふすま由来の食品組成物およびその製造方法 - Google Patents

えん麦のふすま由来の食品組成物およびその製造方法 Download PDF

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【課題】 本発明は、えん麦のふすま、とりわけハダカエンバクのふすま由来の食品組成物およびその製造方法の提供。【解決手段】 えん麦のふすまを粉砕し、その細胞壁を物理的に破壊してβ−グルカンを破砕物中に遊離させる粉砕工程と、破砕物に、フィターゼ、セルラーゼ、リゾチーム、およびキシラーゼからなる群から選択される少なくとも一つの酵素を作用させる工程とを少なくとも含んでなる方法により得られた組成物は、β−グルカンに加えて、食物繊維、タンパク質、脂質、ミネラルなど、有用な栄養素、栄養成分を豊富に含んでなる。【選択図】 図1

Description

本発明は、えん麦のふすまから得られた食品組成物およびその製造方法に関し、詳しくは、えん麦のふすまを原料とし、ふすまに含有されるβ−グルカン、食物繊維、その他の栄養素を、より体に吸収・利用し易い形態で含む食品組成物およびその製造方法に関する。
えん麦は、オートミール、押し麦、ロールドえん麦などに加工して食用とするのが一般的である。えん麦の外皮(すなわち、ふすま)は除去されて食用とされるのが通常であるが、全粒を加工対象とすることもある。前者の場合、ふすまに含まれる成分を有効利用することができず、また後者の場合、胚乳に含まれる糖質が含有されることとなり、得られた食品は例えば糖尿病患者には適合し難いものとなる可能性がある。
えん麦のふすまは、β−グルカン、繊維成分、その他の栄養素を含む。例えば、β−グルカンは、血糖値上昇抑制効果やコレステロール低下作用を有しており、生活習慣病の予防に有効であることが知られている。β−グルカンの単離し、またその濃度を上げて、これを利用しようとする試みがなされている。例えば、水や有機溶剤を使ってβ−グルカンを抽出し、乾燥して濃度を高める方法(例えば、特開2003−081999号公報(特許文献1)、特開2005−082517号公報(特許文献2)、特開2003−286175号公報(特許文献3)。さらに、β−グルカンの分子量に着目し、高分子量および低分子量のβ−グルカンを所定割合で得含む組成物が提案されている(特開2009−263655号公報(特許文献4)。しかしながら、これらの提案は、β−グルカンのみに着目し、その生理活性を利用しようとするものであり、ふすまに含まれる他の成分の利用を意図するものではない。
えん麦のふすまには、食物繊維、ミネラル、脂質、タンパク質、アミノ酸などが含まれている。食物繊維、特に水溶性食物繊維には、便秘改善、血液中のグルコース吸収抑制、及び長期間服用によるコレステロール低減効果など様々な生理活性を持ち、生活習慣病の改善効果があることが広く知られている。他の成分も、食物からバランスの良い摂取が望まれる栄養成分である。
しなしながら、ふすまのままでは、それら成分を十分にヒトが吸収・利用できず、加工が必要となる。また、ふすまの加工品には、一般に食感に粒状感、すなわちザラザラした感覚が残ることが多く、この食感の悪さがふすま加工品の利用の幅を狭めているとも言える。
えん麦のふすまを加工する方法として、例えば、ふすまを微粉砕し、細胞壁を破壊してフリーな状態のβ−グルカン濃度を高める方法が提案されている(例えば、米国特許6,060,519号(特許文献5)、WO2004/099257A1公報(特許文献6))。しかしながら、これら提案はあくまでβ−グルカンに着目した加工方法であり、ふすまに含まれる成分の総合的な生理活性の発揮を意図したものとは言い難い。また、微粉砕の場合、取り扱いが難しく、食品としての利用に制限が生じる。さらに、糖質はそのまま加工品に残るものと思われ、血糖値をコントロールしたい場合には、その利用が制限されると考えられる。
また、β−グルカンを含有する穀類ふすま製品の製造法が提案されている(特表2011−515077号公報(特許文献7))。この方法にあっては、熱機械加工処理工程と呼ばれる処理における温度が40〜70℃とされている。
特開2003−081999号公報 特開2005−082517号公報 特開2003−286175号公報 特開2009−263655号公報 米国特許6,060,519号 WO2004/099257A1公報 特表2011−515077号公報
本発明者らは、今般、えん麦のふすま、とりわけハダカエンバクのふすまを、特定の方法で加工することにより、β−グルカンのみならず、食物繊維、その他の栄養素を、より体に吸収・利用し易い形態で含む食品組成物が得られるとの知見を得た。本発明は係る知見に基づくものである。
従って、本発明は、えん麦のふすま、とりわけハダカエンバクのふすま由来の食品組成物およびその製造方法の提供をその目的としている。
そして、本発明による食品組成物は、えん麦のふすまから得られる食品組成物であって、
β−グルカンを10質量%以上、
食物繊維を30質量%以上、
タンパク質を18質量%以上、
脂肪を8質量%以上、
糖質を40質量%以下
含んでなることを特徴とするものである。
また、本発明による食品組成物の製造方法は、
えん麦のふすまを粉砕し、その細胞壁を物理的に破壊してβ−グルカンを破砕物中に遊離させる粉砕工程と、
前記破砕物に、フィターゼ、セルラーゼ、リゾチーム、およびキシラーゼからなる群から選択される少なくとも一つの酵素を作用させる工程と
を少なくとも含んでなることを特徴とするものである。
実施例により得られた本発明による食品組成物が含有するβ−グルカンの分子量分布を示した図である。
食品組成物の成分組成および用途
本発明による食品組成物は、えん麦のふすま、特に好ましくはハダカエンバクのふすまから得られる組成物であって、β−グルカンに加えて、食物繊維、タンパク質、脂質、ミネラルなど、有用な栄養素、栄養成分を豊富に含んでなる。具体的には、
β−グルカンを10質量%以上、
食物繊維を30質量%以上、
タンパク質を18質量%以上、好ましくは18〜22質量%、
脂肪を8質量%以上、好ましくは8〜12質量%、
糖質を40質量%以下
含んでなることを特徴とする。
特に、β−グルカンについては、原料のふすまと比較して、低分子量のβ−グルカンを相対的に多く含む。具体的には、分子量30万を超えるβ−グルカンの量が減り、30万以下の成分が相対的に増えた組成となる。その結果、β−グルカンの吸収が容易となり、β−グルカンの血糖値上昇抑制効果、コレステロール低下作用等の効果を、未処理のふすまを摂取するときに比べて少量の摂取量で得ることができる。
また、本発明による食品組成物は、糖質の含有量が少なく、食物繊維が比較的多く含まれることと相まって、血糖値の上昇が穏やかでかつ値が低い性質を有する。すなわち、本発明による食品組成物は低GI(Glycemic Index)であるとの特徴を有する。特に、糖質を取れないII型糖尿病患者とその予備群に対し、インスリン分泌促進、血糖値上昇抑制等糖尿病改善に効果を示す。さらに、便秘改善、血液中のグルコース吸収抑制、及び長期間服用によるコレステロール低減効果が期待できる。本発明の好ましい態様によれば、含まれる糖質の内、デンプンをβ化することで、デンプンの吸収を抑制できるとの効果が得られる。
また、本発明の好ましい態様によれば、食品組成物の脂質の80質量%以上が不飽和脂肪酸である。
本発明による食品組成物は、えん麦ふすまそのものの味と香りを有しており、そのまま食することができる。上記のとおり、本発明による食品組成物は、β−グルカンに加えて、食物繊維、タンパク質、脂質、ミネラルなど、有用な栄養素、栄養成分を含んでなることから、健康食品として提供される。
さらに本発明による食品組成物は、これを他の食品に添加して、その食品の商品価値を上げる食品添加物として用いることが出来る。従って、本発明によれば、本発明による食品組成物を含んでなる食品添加物が提供される。例えば、牛乳、ヨーグルト、味噌汁、などに溶かして飲用することもでき、また麺類、パン、焼き菓子類などに添加することも可能である。従って、さらに本発明によれば、本発明による食品組成物または上記食品添加物を含んだ食品が提供される。後記するように微粉化工程に付された食品組成物は、口当たりが滑らかなものとされ、従来、ふすまを含む食品にあった口当たりの悪さを大きく改善するものである。
製造方法
本発明による食品組成物は以下の方法により好ましく製造することが出来る。
えん麦およびふすま
本発明において、えん麦には、欧米皮付えん麦(Covered Oat)および中国裸えん麦(Naked Oat)が含まれ、具体的には普通種(Avena sativa)、東方種(Avena orientalis Schreb)、地中海種(Avena byzantine Koch)、中国裸(Avena nuda)が含まれる。また、ふすまとは、えん麦の外皮を意味する。本明細書において、ふすまと外皮とは同義に用いることとする。
本発明の好ましい態様において、えん麦として中国裸えん麦(Avena nuda)を用いる。中国裸えん麦はハダカエンバクともよばれる。本発明者らの得た知見によれば、このハダカエンバクのふすまは、他の種のえん麦のふすまと比較して、β−グルカン量、タンパク質量、脂質、特に不飽和脂肪酸量が高く、他方、糖質含有量が低いものであった。このようなハダカエンバクのふすまから、本発明による方法により加工することで、優れた食品組成物が得られる。
本発明による食品組成物の由来であり、また原料となるえん麦は、その粒子を洗浄し、乾燥した後、製粉機でえん麦粉と表面のふすまに分離する。えん麦粉は、食用として利用してよく、本発明にあっては、通常は廃棄されるふすまを利用する。本発明の好ましい態様によれば、この製粉機による処理の前にえん麦を焙煎してもよく、焙煎は100〜120℃程度で、5〜10分間程度行われるのがよい。
粉砕工程
本発明において、えん麦のふすまは、まず、粉砕工程に付され、この工程では、その細胞壁を物理的に破壊してβ−グルカンを破砕物中に遊離させることを主たる目的とする。粉砕は、物理的な圧力を加えることにより行われ、この加圧粉砕は、加熱下に行われることが好ましい。加えられる圧力は、通常、40〜150Kg/cm程度が好ましい。また、粉砕工程中、その摩擦により発熱するが、積極的に加熱するか、あるいは過剰な加熱を防ぐために、温度制御されることが好ましい。本発明の好ましい態様によれば、この粉砕工程中、ふすまは、75℃〜150℃の温度範囲に置かれることが好ましく、より好ましくは80〜150℃である。さらに本発明の好ましい態様によれば、温度は段階的に制御されることが好ましく、例えば、80〜90℃の段階、次に110〜120℃の段階、そしては130〜140℃の段階と温度を上げながら粉砕工程を行うことが好ましい。粉砕処理の時間もβ−グルカンを破砕物中に遊離させることができる範囲で適宜決定されてよいが、本発明の好ましい態様によれば、20秒〜3分間程度が好ましい。さらに、上記のように温度を段階的に上げる態様にあっては、各温度において10秒〜1分以内の時間で行うことが好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、粉砕工程は、ふすまを押出機により粉砕する。押出機による圧力、熱、摩擦剪断力の複合的な粉砕処理により、効率よく細胞壁を物理的に破壊してβ−グルカンを破砕物中に遊離させることができると考えられる。押出機において、ふすまは、好ましくは加熱された管中で加熱されながら、管の内部にある回転スクリューにより、管の端末にあるノズルに向かい押し出される。本発明にあっては、この回転スクリュー軸が二本ある二軸押出機の利用が、その効率の観点から好ましい。押出機のスクリューの構造、末端のブロッキング形は特に限定されない。
本発明の好ましい態様によれば、粉砕工程に付す前に、ふすまに水を添加することが、粉砕工程の効率を上げることが出来ることから好ましい。水の量は粉砕工程の効率を勘案して適宜決定されてよいが、例えば、ふすまに対して5〜25質量%の水を添加する。水を添加したふすまは、好ましくは粉砕工程の前に、攪拌機により十分に攪拌され、水を均一に含むものとされることがこのましい。また、水の添加は、粉砕工程中において行われてもよい。
酵素を作用させる工程
本発明において、上記の粉砕工程により得られた破砕物に、次に、フィターゼ、セルラーゼ、リゾチーム、およびキシラーゼからなる群から選択される少なくとも一つの酵素を作用させる。本発明の好ましい態様によれば、これら全ての酵素を作用させる。ここで、フィターゼは、フィチン酸(フィチンリン)から無機態のリン酸を切り離す酵素を意味する。この酵素により、フェチン酸にキレート化されていたイオンが遊離され、ヒトが吸収、利用できる形態となる。また、セルラーゼは、β−グルカンのグリコシド結合を加水分解する酵素を意味する。リゾチームは、真正細菌の細胞壁を構成する多糖類を加水分解する酵素を意味する。キシラーゼとは、キシランのβ1−4結合を切断し、キシロースに分解する酵素を意味する。これら酵素により、β−グルカンを低分子量化し、また水不溶性の食物繊維の一部は水溶性となるなど、ふすまに含まれる成分を、ヒトが吸収、利用可能な形態に変化させることができる。
酵素を作用させる温度および時間は、使用する酵素の至適温度等を勘案して適宜決定されてよいが、例えば、40〜50℃、20分〜1時間が一般的である。酵素の作用中は、適宜粉砕物を攪拌することが好ましい。
酵素を作用させた後、酵素を失活させる。失活の処理は、例えば、系の温度を90〜120℃程度まで昇温することにより行われる。失活の後、系は室温まで放冷することが好ましい。
付加的工程
本発明による食品組成物は、以上の粉砕工程および酵素を作用させる工程を得て得られたものであるが、本発明の好ましい態様によれば、得られた組成物に対して以下のいずれかまたは全ての処理工程をさらに行う事が好ましい。
(a)デンプンのβ化
本発明の好ましい態様によれば、得られた組成物に含まれるデンプンをβ化して、ヒトが消化し難いものとすることが好ましい。また、β化したデンプンは、食物繊維としても機能することから好ましい。具体的には、組成物を2〜4℃の温度下に約24時間おいて、含まれるデンプンをβ化する。これによって、糖質制限にあるヒトにも提供可能なものとすることができる。
(b)乾燥・微粉化
本発明の好ましい態様によれば、得られた組成物を以下の様な乾燥・微粉化工程に付すことにより、均質な組成物が得られ、かつ口当たりの滑らかな組成物が得られる。まず、得られた組成物を湿式粉砕に付して、組成物の均質化と微細化を行い、スラリー状物を得る。得られたスラリー状物を次に乾燥工程に付す。乾燥は、例えば、ドライスプレー法、冷凍乾燥法、熱空気による乾燥等の方法があるが、一般に、高粘度のスラリー状物を乾燥させることには困難が伴う。本発明にあっては、ドラムドライヤーの利用が好ましい。好ましくは、ドラムの表面温度を120〜180℃とし、30秒〜2分程度でフレーク状のものまで乾燥することができる。このフレーク状物を粉砕機(例えば、機械ジェット式)で粉末化し、必要であればメッシュにかけて粒径を調整し、粉体状の本発明による食品組成物を得る。
(c)その他の工程
本発明の好ましい態様によれば、得られた本発明による食品組成物は、殺菌工程および金属除去工程に付され、その安全性を担保することが好ましい。殺菌は、例えばマイクロウェーブ殺菌機にて行うことができ、また金属除去はマグネット機により行なうことができる。
実施例1
ハダカエンバクのふすま40Kgを、撹拌機付き200Lタンクに仕込み、水4Lを加えて45〜50℃で30分間、攪拌速度80−100rpmで撹拌した。この混合物を二軸押出機(Delun社製、型番DL56)に仕込み、スクリューの回転速度100rpmとしながら、まず80℃で10秒間、次に110℃で10秒間、続いて130℃で10秒間、加熱しながら混合処理した。処理後、湿粉末を放置し、室温まで冷却した。
撹拌機付き500Lの反応タンクに、得られた湿粉末45Kg、水320Lを仕込み、40〜50℃まで昇温した。この反応タンクに、酵素液(新日本化学社製フィターゼ(商品名:スミチームPHY)4gを水0.5Lに溶かしたもの)を加えて30分間撹拌した後、120℃で20分撹拌して酵素失活処理を行った。処理液を450Lの冷却タンクに移し、室温にまで放冷したのち、2-4℃の温度に冷却しながら24時間撹拌して、デンプンのβ化処理を行い、スラリー状物を得た。
得られたスラリー状物を、ウェットミル(Donghua社製、型番DMJ110LA)で40〜50℃の温度に制御しながら、150rpmで処理した後、ドラムドライヤーで140℃、3分間の条件下で乾燥して、フレーク状物を得た。このフレーク状物を粉砕機(Erle社製、型番WF−30X)で粉砕して粉体を得て、ふるいにかけて、平均粒径D50が158μmの粉体とした。
こうして得られた組成物の成分を分析した。その結果は、以下の表に示されるとおりであった。
さらに、含まれるβ−グルカンの分子量分布を、原料のβ−グルカンの分子量分布とともに分析した。その結果は、図1に示されるとおりであった。
実施例2
実施例1において、二軸押出機による処理を、80℃で30秒間、110℃で30秒間、130℃で30秒間行った以外は、実施例1と同様にして組成物を得た。得られた組成物のβ−グルカンの分子量分布を分析したところ、図1に示されるとおりであった。
実施例3
フィターゼ処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして組成物を得た。組成物の調製は2回行った。得られた組成物中のフェチン酸の量を分析した。その結果は、以下の表に示されるとおりであった。
実施例4
実施例1と同様にして組成物を得た。この組成物の外観観察および栄養成分分析を行ったところ、下記の表に記載のとおりであった。
この食品組成物を、20歳以上50歳未満の男女22人に対して、以下の試験を行った。まず、1回目の試験において、全体の半数である11人に本発明による食品組成物とともに白飯を、残り11人には白飯のみを食べてもらい、1週間の休止期間を置いて、先に試験食を食べた11人は白飯のみ、白飯のみだった人には発明による食品組成物とともに白飯を食べてもらった。従って、試験期間は、前観察期間6日、1回目検査1日、1週間後に2回目検査1日の全試験過程の2週間であった。検査当日の採血ポイントは空腹時、試験食喫食後、30、60、90、120分後の計5ポイントを実施した。
被験者22人の血中のグルコース量およびインスリン量の平均値は、以下のとおりであった。
実施例5
実施例1と同様にして組成物を得た。この組成物10gをぬるま湯200mlに分散して、その食感および味を、5名のパネラーによる官能評価に付した。比較のため、えん麦粉砕品として市販の商品二つを同様の官能評価に付した。その結果は、下記の表に示されるとおりであった。

Claims (13)

  1. えん麦のふすまから得られる食品組成物であって、
    β−グルカンを10質量%以上、
    食物繊維を30質量%以上、
    タンパク質を18質量%以上、
    脂肪を8質量%以上、
    糖質を40質量%以下
    含んでなることを特徴とする、食品組成物。
  2. 前記えん麦のふすまが、ハダカエンバクのふすまである、請求項1に記載の食品組成物。
  3. 前記脂質の80質量%以上が不飽和脂肪酸である、請求項1または2に記載の食品組成物。
  4. えん麦のふすまから得られる食品組成物の製造方法であって、
    えん麦のふすまを粉砕し、その細胞壁を物理的に破壊してβ−グルカンを破砕物中に遊離させる粉砕工程と、
    前記破砕物に、フィターゼ、セルラーゼ、リゾチーム、およびキシラーゼからなる群から選択される少なくとも一つの酵素を作用させる工程と
    を少なくとも含んでなることを特徴とする、食品組成物の製造方法。
  5. えん麦が、ハダカエンバクである、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記粉砕工程が、前記ふすまを、加熱下、物理的圧力を加えて、前記ふすまの細胞壁を膨張させ破壊することにより行われる、請求項4または5に記載の製造方法。
  7. 前記物理的圧力が、摩擦剪断力である、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記破砕物に作用させる酵素が、フィチン酸を分解するのに有効な量のフィターゼである、請求項4〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 酵素を作用させた工程の後に、デンプンのβ化工程および/または微粉化工程をさらに含んでなる、請求項4〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 請求項4〜9のいずれか一項に記載の方法によって得られた、食品組成物。
  11. 血糖値上昇抑制作用および/またはコレステロール低下作用を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の食品組成物または請求項10に記載の食品組成物。
  12. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の食品組成物または請求項10に記載の食品組成物を含んでなる、食品添加物。
  13. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の食品組成物または請求項10に記載の食品組成物を含んでなる、食品。

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