JP5641673B2 - Gi値低減剤及びgi値が低減された食品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、GI(グリセミック・インデックス)値低減剤、GI値が低減された食品の製造方法に関する。
近年、他の先進国同様わが国でも飽食と運動不足に伴うカロリーの過剰摂取による肥満症、糖尿病などの生活習慣病と呼ばれる現代病が増加している。そのような現代病を予防する方法としては、運動療法や食事療法が行われている。
食事療法としては、栄養バランスの調整、カロリーコントロール等の従来からの方法に加え、近年では、GI値の低い食品を糖尿病や肥満症などの治療に用いることが検討されている。GI値とは、食品中の糖質の量は同じでも、血糖値の上昇が食品の質によって異なることを数値で表したものであり、該GI値は、ブドウ糖を摂取した時の血中濃度−時間曲線下面積(AUC、Area Under the blood concentration−time curve)を100として各食品の上昇比率を数値化したものである。同じ量の糖質を含む食品でも、よりGI値が低い食品では、食品の吸収速度が遅く、食後の血糖値の上昇がゆるやかで高血糖の状態を少しでも防ぐことができる。
したがって、このようなGI値を低減できる調整剤の研究が種々行われている。例えば、特定の水溶性高分子の分解物を主成分とするGI値低減剤(例えば、特許文献1参照)や、加熱された大豆に真菌を加えて発酵分解処理することによってアミラーゼ活性を調整したGI値調整組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。しかし、これらは大豆粉末とドライフル−ツ及び/又は難消化性デキストリンを含むものではなく、大豆粉末、ドライフル−ツ及び/又は難消化性デキストリンの組合せとGI値の低減効果の関連性については言及されていない。
さらに、水溶性高分子を主成分とする消化吸収抑制剤が知られている(例えば、特許文献3参照)。水溶性高分子として、大豆多糖類や難消化性デキストリンが開示されているが、これらの特定の組合せとGI値低減効果の関連性については言及されておらず、GI値低減効果も充分なものではない。
したがって、大豆粉とドライフル−ツ及び/又は難消化性デキストリンを含むことで充分なGI値低減効果が得られるGI値低減剤及びGI値が低減された食品の製造方法についてはいまだ知られていないのが現状である。
特開2007−49908号公報 特開2007−129987号公報 特開2004−242567号公報
本発明は、大豆粉末並びにドライフル−ツ及び/又は難消化性デキストリンを含むことで食品のGI値を低減することができるGI値低減剤を提供することを目的とする。また、該GI値低減剤を添加することを特徴とするGI値が低減された食品(以下、低GI値組成物と言うこともある)の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、大豆粉末並びにドライフル−ツ及び/又は難消化性デキストリンを含むことで、食品のGI値を低減することができることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることによって完成したものである。
即ち、本発明は、下記態様の発明を提供する:
項1.大豆粉末並びにドライフル−ツ及び/又は難消化性デキストリンを含むGI値低減剤。
項2.ドライフルーツが、アプリコット、パパイヤ、サンザシ、クコの実、アップル、オレンジ、パイナップル、マンゴー、ココナッツ、クランベリー、カカオマスおよびブドウからなる群から選ばれる1種以上のフルーツの乾燥物である請求項1記載のGI値低減剤。
項3.請求項1または2記載のGI値低減剤を食品に添加することを特徴とするGI値が低減された食品の製造方法。
本発明のGI値低減剤は、大豆粉末並びにドライフル−ツ及び/又は難消化性デキストリンを含むことで、食品のGI値を大幅に低減することができる。また、本発明の製造方法により得られた低GI値組成物は、高GI値をもたらす糖質甘味料が含まれており充分な甘味を発現できる場合であっても、GIの増加を抑制できる、つまり、該組成物摂取後の血糖値の上昇を抑制することができるものである。
1.GI値低減剤
本発明は、大豆粉末並びにドライフル−ツ及び/又は難消化性デキストリンを含むGI値低減剤に関する。以下、本発明のGI値低減剤について、その構成成分及び使用形態等について詳説する。
1−1.大豆粉末
本発明で用いる大豆粉末は、生大豆をそのまま粉砕して得られる粉末、生大豆を加熱処理した後に粉砕して得られた粉末のいずれも使用できるが、生大豆を加熱処理した後に粉砕したものが好ましい。
生大豆を加熱処理した後に粉砕する場合、該大豆粉末の水溶性窒素指数(NSI、Nitrogen Solubility Index)は、55〜70であることが好ましい。また、大豆粉末のリポキシゲナーゼ(LOX、Lipoxigenase)値が20以下であることが好ましく、2〜10であることがより好ましい。さらに、n−ヘキサナールを含まないか又は生大豆中に含まれる量を100%としたときの相対値で10%以下の量で含み、かつ10重量%の濃度となるように水に溶解させた液の糖度屈折率(ブリックス値)が3.0〜6.0であることが好ましく、5.0〜6.0であることがより好ましい。
ここで、NSIは、日本油脂協会制定の食品成分検査分析法に従って測定されるものであり、この値が55〜70の範囲にある場合は、大豆の加熱処理による蛋白質の熱変性が少なく、得られる大豆粉末の溶解性が高いものであり、該大豆粉末を含む本発明のGI値低減剤を食品に添加した際に食感にザラツキが残らないものである。
LOX値は、文献(Methods in Enzymology, 1962, No.5, p.539)記載の方法に従うリポキシゲナーゼ(LOX)の力価測定法により求められる値である。LOXは、ハイドロパーオキシダーゼ(HPO)と共に、大豆の青臭みの原因となる例えばリノール酸などの多不飽和脂肪酸の分解によるn−ヘキサナールの生成に関与する酵素である。
また、ブリックス値(糖度屈折率)とは、大豆粉末の溶解性(分散性)及び加工適性を示す一つの指標であり、該ブリックス値が大きいほど溶解性に優れており、加工適性が良好であることを意味する。この値が3.0〜6.0の範囲にある場合は、溶解性及び加工適性に優れるものである。
大豆粉末におけるn−ヘキサナール含量は、該粉末を液状にした場合に大豆臭(青臭み)を感じないものとして規定される。この青臭みを感じないn−ヘキサナール含量は、生大豆(非加熱)中に含まれるn−ヘキサナール量を100%としたときの相対値で10%程度を上限とするものである。
以下、生大豆を加熱処理した後に粉砕する場合について説明をする。
生大豆を加熱処理した後に粉砕して大豆粉末を製造する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、大豆の皮を剥き、離脱した皮を分離し、加熱処理し、粉末化する方法を挙げることができる。このような方法としては、例えば、特開2006−129877号公報に記載の加工大豆粉末素材の製造方法を挙げることができる。
原料大豆としては、その品種などに限定なく、各種のものを利用できる。該原料大豆は、一般的なこの種の加熱大豆加工品の製造と同様に予め割豆、破砕豆、虫食豆、他の種子類、異物などを取り除くための精選処理及び大豆の表面に付着している土ほこりなどを取り除くための水洗などの洗浄処理を行うことができる。
大豆の皮を剥ぎ、離脱した皮を分離する方法としては、特に限定されるものではなく、適当な脱皮機、補助脱皮機などを用いて脱皮処理する。
脱皮した大豆を加熱する方法としては、例えば、大豆と水蒸気とを接触させることにより行うことができる。加熱条件としては、大豆が65〜105℃の温度を30秒〜30分間保つ条件で行うことが好ましく、95〜105℃の温度を120〜210秒間保つ条件で行うことがより好ましい。
加熱処理後の大豆を粉末化する方法としては、通常の粉末化のための各種装置などを用いて実施することができる。該装置としては粉砕処理機、磨砕処理機などを挙げることができる。具体的粉末化処理は、例えば、先ずロールがけにより圧偏してフレーク状とし、次いで乾燥し、最終的にグラインダーなどを用いて磨砕することにより行われる。
上記における乾燥は、特に限定されるものではないが、一般には、大豆フレークの含水量が3〜6重量%程度になるように行われることが好ましい。
粉末化処理は、加熱処理後に冷却して行われる必要はなく、従って加温条件下に実施されてもよいが、その際、採用される温度条件は、前記加熱処理の際の条件よりも充分に低いものとする。
また、粉末化の程度も、特に限定されるものではないが、一般には、平均粒子径が約50μm程度以下とすることが好ましい。また、平均粒子径150μm以上の粒子が10%以下となるようにすることが好ましい。
かくして、前述した各種の優れた物性を有する大豆粉末を得ることができる。
また、本発明においては、得られた大豆粉末をさらに焼成したものも用いることができる。焼成条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、50〜250℃で、1〜180分で焼成することが好ましい。
1−2.難消化性デキストリン
本発明で用いる難消化性デキストリンは、加熱処理したデンプンをアミラーゼで加水分解し、未分解物より難消化性成分を分取して脱塩、脱色して得ることが出来る。市販の難消化性デキストリンとしては、例えばファイバーソル2E(商品名、松谷化学工業(株)製)などがある。
本発明においては、難消化性デキストリンをさらに焼成したものを用いることもできる。焼成条件としては、特に限定されるものではないが、例えば、50〜250℃で、1〜180分で焼成することが好ましい。
難消化性デキストリンは、大豆粉末100重量部に対して、10〜100重量部含むことが好ましく、30〜80重量部含むことがより好ましい。難消化性デキストリンの配合比が前記範囲内にあることで、充分なGI値低減効果を得ることができる。
1−3.ドライフルーツ
本発明で用いるドライフルーツとしては、特に限定されないが、例えば、アプリコット、パパイヤ、サンザシ、クコの実、アップル、オレンジ、パイナップル、マンゴー、ココナッツ、クランベリー、カカオマス、ブドウ(レーズン)、プラム、プルーン、カリン、フィグ、ピーチ、カキ、ペアー、ナツメヤシ等のフルーツの乾燥物を挙げることができる。また、オレンジピール等も用いることができる。これらの中でも、GI値低減効果が大きい点から、アプリコット、パパイヤ、サンザシ、クコの実、アップル、オレンジ、パイナップル、マンゴー、ココナッツ、クランベリー、カカオマスおよびブドウなどの乾燥物が好ましい。これらのドライフルーツは、1種単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ドライフルーツは、大豆粉末100重量部に対して、50〜200重量部含むことが好ましく、80〜150重量部含むことがより好ましい。ドライフルーツの配合比が前記範囲内にあることで、充分なGI値低減効果を得ることができる。
1−4.その他配合物等
本発明のGI値低減剤の組合せとしては、大豆粉末およびドライフルーツ;大豆粉末および難消化性デキストリン;大豆粉末、ドライフルーツおよび難消化性デキストリンが挙げられるが、これらはいずれも、該GI値低減剤を添加した食品のGI値を低減することができる。
また、その構成成分としては、大豆粉末とドライフルーツ、大豆粉末と難消化性デキストリンの2成分のみ、または、大豆粉末とドライフルーツと難消化性デキストリンの3成分のみからなるものであってもよく、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で賦形剤等のその他の成分を含有するものであってもよい。
1−5.使用形態
本発明のGI値低減剤は、食品のGI値を低減するために食品に添加して使用されるものであり、GI値の低減を目的とする食品添加剤として提供することができるものである。
添加対象となる食品に対する本発明のGI値低減剤の添加量については、該食品の形態や種類等に応じて適宜設定すればよい。例えば、GI値低減剤添加後の食品中で、該剤が10〜90重量%、好ましくは25〜70重量%を満たすように添加すればよい。GI値低減剤の添加量を前記範囲内にすることで、添加した食品のGI値を充分に低下することができる。
本発明のGI値低減剤を添加することができる食品形態としては、特に限定されるものではなく、糖質を含む全ての食品形態に添加することができるが、例えば肉、魚介類、野菜類を含むスープ類や、パン、麺類、小麦粉ミックス、クッキー等の焼き菓子類、練り製品、餅等やアイスクリーム、ドリンク類等を挙げることができる。これらの中でも、本発明のGI値低減剤のGI値低減効果を顕著に発現することができる点から、焼き菓子類が好ましい。
2.低GI値組成物の製造方法
本発明は、前記GI値低減剤を食品に添加することを特徴とするGI値が低減された食品(低GI値組成物)の製造方法に関する。
本発明のGI値低減剤を食品に添加することで、食品のGI値を低減することができるものであり、つまり、本発明は、GI値低減剤を食品に添加することで、食品のGI値を低減する方法をも提供するものである。
さらに、本発明は、前記GI値低減剤を前述の各食品形態に添加した低GI値組成物を提供するものである。
低GI値組成物中で、本発明のGI値低減剤は例えば10〜90重量%、好ましくは25〜70重量%含まれている。GI値低減剤の含有量を前記範囲内にすることで、添加した食品のGI値を充分に低下することができる。
より具体的には、大豆粉末は、低GI値組成物中10〜50重量%含むことが好ましく、15〜40重量%含むことがより好ましい。大豆粉末の配合量を前記範囲内にすることで、充分なGI値低減効果を得ることができる。
難消化性デキストリンは、低GI値組成物中5〜50重量%含むことが好ましく、10〜40重量%含むことがより好ましい。難消化性デキストリンの配合量を前記範囲内にすることで、充分なGI値低減効果を得ることができる。
ドライフルーツは、低GI値組成物中10〜50重量%含むことが好ましく、15〜40重量%含むことが好ましい。ドライフルーツの配合量を前記範囲内にすることで、充分なGI値低減効果を得ることができる。
本発明の製造方法により得られた低GI値組成物のGI値としては、1〜50であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、本発明のGI値低減剤を含まない食品に比べてGI値を低減できるものである。
本発明の製造方法により得られた低GI値組成物から調製される各種食品形態としては、前記同様のものを挙げることができるが、これらは、糖質が入っており充分な甘味を発現できるにもかかわらず、GI値が低減されたものであり、肥満治療用食品、糖尿病治療用食品、メタボリックシンドローム予防用または治療用食品として用いることができる。
以下に、本発明で提供する低GI値組成物の中でも好ましい実施態様である焼き菓子の製造方法について説明する。なお、ここで「焼き菓子」とは、生地を適当に賦型後、加熱焼成して製品とされるものを意味する。
本発明の製造方法により得られる低GI値組成物には、前記GI値低減剤以外に、添加する食品形態に応じて必要な配合物を適宜配合することができる。
配合物としては、糖類、動物性蛋白質素材、脂質、食塩、種子、イースト、酵素、膨張剤、食品添加物などを挙げることができる。
糖類としては、砂糖、グラニュー糖などの高GI値を有する糖類甘味料を挙げることができる。従来、高GI値をもたらす糖類甘味料は、低GI値の食品への配合が忌避されていたが、本発明のGI値低減剤を添加することにより、これらの高GI値をもたらす糖類甘味料を含みながらも、最終的組成物において充分なGI値低減効果が得られるものである。
動物性蛋白質素材としては、例えば牛乳、脱脂乳などの乳製品の他、カゼイン、アルブミン、グロブリンなどの乳蛋白、ゼラチン、全卵、卵白、卵黄、全卵粉末などを挙げることができる。これらの中でも全卵を用いることが好ましい。動物性蛋白質材料を添加する場合は、低GI値組成物中0.5〜20重量%であることが好ましい。
脂質としては、公知の各種の食用油脂類を用いることができ、特に限定されるものではないが、例えば、米油、綿実油、コーン油、大豆油、オリーブ油、ヒマワリ油、カカオ脂、ゴマ油、サフラワー油、落花生油、バター、ラード、ヤシ油、ナッツ油、パーム油、菜種油、マーガリン、ショートニング等の動植物油を挙げることができ、これらを1種単独で又は2種以上混合して使用することができる。これらの中では、バターが好ましい。脂質を添加する場合は、低GI値組成物中0.5〜20重量%であることが好ましい。
種子としては、通常焼き菓子等に利用されている公知の各種の種子類を用いることができ、たとえば、アーモンドなどを挙げることができる。種子を添加する場合は、低GI値組成物中0.5〜20重量%であることが好ましい。
酵素としては、例えば、製菓用に一般によく知られている各種のプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼなどを例示することができる。
膨張剤としては、食品業界で汎用されている、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウムなど及びこれらを含むものを例示することができる。その代表例としては市販のベーキングパウダーを例示することができる。
さらに、焼き菓子である低GI値組成物には、前記成分の他に、必要に応じて、栄養価を高めたり、風香味を付与したり、着色したりする目的で用いられる種々の添加物を更に含有することができる。
該添加物としては、調製する各種食品形態において通常用いられている添加物を挙げることができ、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
そのような添加物としては、例えば、栄養価増強を目的とする各種ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン、葉酸、パントテン酸など)、ミネラル類(カルシウム、鉄、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、クロールなどの塩類)などを挙げることができる。また該添加剤には、風香味付与を目的とする香料(合成香料及び天然香料)、天然甘味剤(ソーマチン、ステビアなど)及び合成甘味剤(サッカリン、スクラロース、アスパルテームなど)、醤油、味噌、化学調味料、風味物質(チーズ、チョコレートなど)など、着色を目的とするカラメル、天然着色料など、その他、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)、安定剤、防腐剤などをそれぞれ例示できる。これらの添加剤はそれぞれ1種単独でも2種以上組合わせても利用することができる。
本発明の製造方法においては、まず上記各成分を調合し、混合、混練して生地を作製する。上記各成分の混合、混練による生地の調製は、得られる生地が均一になるように適宜通常の装置、条件などを利用して行うことができる。
例えば、まず粉末状の各原料成分を秤量、混合し、混合粉末に水及び水分を多く含む液状動物性蛋白質素材(牛乳、全卵等)を混合する。この際、水及び液状蛋白質素材は予め約50℃程度に加温して用いることもでき、これによって得られる生地の温度を約30〜50℃程度に上げて生地を柔かくして、引続く生地の成型を容易にすることができる。
次いで上記で得られる生地を任意の形状に賦形乃至成型する。この賦形乃至成型は、通常の方法に従い、例えばデポジター、圧延ローラーなどを用いて行うことができる。その際の形状は任意のものとすることができる。製造の容易性、得られる食品の食べやすさなどを考慮すれば、通常、厚さ5〜50mm程度の板状体、直径5〜50mm程度の棒状体などとするのが好ましい。これら成型物の大きさ及び長さは最終製品の食べ易さ、取扱いの容易さなどを考慮して適宜定めればよい。必要に応じ生地又は最終成型物を裁断してもよい。
次いで、上記生地成型物を加熱焼成する。加熱焼成の条件は、使用した原料素材、生地の水分含量などに応じて適宜選択でき、一般に製菓製造において採用されているそれらの条件と特に異なるものではない。通常、加熱温度範囲は約60〜250℃の範囲から選ばれ、加熱時間は約2〜60分の範囲から選ばれる。
上記加熱焼成のための熱源としては、特に制約はなく熱水、蒸気、電気ヒーター、ガスオーブンなどの燃焼熱を利用するもの、電子レンジなどのマイクロ波、遠赤外線、赤外線などの各種のものを用いることができる。
以下、試験例及び実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
製造例1(大豆粉の調製)
遺伝子組み換えでない大豆を用いた。該大豆を脱皮しやすく割れやすい状態になるまで、90℃の温度で0.5〜5分間加熱した。
脱皮機及び補助脱皮機(原田産業(株)製の選別脱皮システムを利用した)を用いて皮を剥いで半割に分割して脱皮大豆を得た。
得られた脱皮大豆を冷却して、脱皮大豆を密閉した装置((株)日阪製作所製RIC−15T)内に均等に入れ、大豆が100℃の温度に達するまで装置内に生蒸気を送り続けて、大豆を140秒間100℃に保った。
次に蒸気を止め、熱く蒸されている大豆を、熱いうちにロールの隙間を0.6〜1.0mmにセットしたローラーミルのローラー間に通して、フレーク状処理大豆(全体に多数の亀裂がある)を得た。
得られた大豆フレークを、網状のパンに薄く広げ、80℃に設定した箱型熱風乾燥機に入れて3〜6重量%の含水量となるまで乾燥した。フレーク温度は80℃以下に保たれるように調整した。その後、30℃あるいはそれ以下に冷した。
次いで、大豆フレークを、エアーグラインダーを用いて60℃以下の低温で粉砕した。該粉砕は、平均粒子径が150μm以上のものが10%以下になるように行った。
得られた大豆粉末について、下記方法により物性を評価した。その結果、NSIは61.9、LOX値は4.1、n−ヘキサナール含有率0%(相対値)、ブリックス値5.05であった。
参考例1
製造例1と同様にして得られた、半割に分割した脱皮大豆を冷却後、乾燥し、次いで同様にエアーグラインダーを用いて60℃以下の低温で粉砕して比較大豆粉末素材試料を調製した。
<NSI測定方法>
食品成分検査における公的分析法の一つである基準油脂分析試験法(日本油脂協会制定の分析法)の1.1.4.6水溶性窒素定数の中の1.1.4.6.A−71水溶性窒素指数(標準法)、又はAOCS(The American Oil Chemist’s Society,米国)の公式分析法BA−11−65 NSIに従う方法で分析した。
<LOX値の測定>
文献(Methods in Enzymology, 1962, No.5, p.539)に記載の酵素番号:1.13.1.12リポキシゲナーゼの力価の測定方法に従って分析した。
<n−ヘキサナールの測定>
供試試料中のn−ヘキサナール量を液体クロマトグラフィーにより分析した。本発明試料の測定値は、参考例1で調製した試料における液体クロマトグラフィー分析結果を100%とする相対値(%)にて表示した。
<ブリックス値の測定>
試料を10%となるように水に溶解し、攪拌器で撹拌後、内容物が沈殿しない間に、京都電子工業(株)製屈折計RA−510にて分析した。このブリックス値は、蔗糖10%液のブリックス値を10(基準)として、試料中の水溶性固形分の含量を相対的に表すものである。
実施例1(焼き菓子の製造)
下記表1に示す各成分の所定量を混合し、ミキサー(HOBART社製、N−50型)で、低速にて4分間混合して生地を調製した。
Figure 0005641673
圧延機を用いて、得られた生地を約300mm×約500mm×20mm(厚さ)の板状に伸ばし、これを15mm×120mmの長方形に切断後、ガスオーブンにて180〜210℃の条件で8〜15分間焼成して、焼き菓子試料を得た。得られた焼き菓子30g中の糖質量は11.7gであった。
得られた焼き菓子試料について、下記試験例1および2を行った。その結果、得られた焼き菓子試料のGI値は、6±5であった。
<試験例1>
GI値の測定方法
1)無作為に選んだ成人男女各4名(合計8名)をパネラーとして、摂取前の血糖値を測定する。
2)糖質が50gとなるように準備した実施例1の焼き菓子試料(129g)をパネラーに摂食させ、摂取後15、30、45、60、75、90、120分後の血糖値を測定し、摂取前血糖値からの上昇値(8人の平均値)を求める。
3)また、基準試験として、50gのブドウ糖をパネラーに摂取させ、同様に、摂取前血糖値からの上昇値(8人の平均値)を求める。
4)それぞれの値をグラフ化し、基線(0mg/dl)より上の面積のみの曲線下面積(AUC)を測定する。下記式により試料のGI値を決定する。
GI値=((実施例1試料のAUC)/(ブドウ糖のAUC))×100
図1にそれぞれの時間の血糖値の結果を示す。なお、図1の結果は8人の平均値である。
<試験例2>
インスリン濃度の測定方法
1)無作為に選んだ成人男女各4名(合計8名)をパネラーとして、摂取前のインスリン濃度を測定する。
2)糖質が50gとなるように準備した実施例1の焼き菓子試料(129g)をパネラーに摂食させ、摂取後15、30、45、60、75、90、120分後のインスリン濃度を測定し、8人の平均値を求める。
3)また、比較試験として、50gのブドウ糖をパネラーに摂取させ、同様に、摂取後のインスリン濃度を測定し、8人の平均値を求める。結果を図2に示す。なお、図2の結果は8人の平均値である。
図1、2の結果より、本発明のGI値低減剤を添加した焼き菓子は、摂取後の血糖上昇、インスリン分泌量が抑制されていることがわかる。
図1は、実施例1で得られた焼き菓子試料およびブドウ糖摂取後の血糖値を示すグラフである。 図2は、実施例1で得られた焼き菓子試料およびブドウ糖摂取後のインスリン濃度を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 砂糖、及びグラニュー糖から選択される高GI値をもたらす糖類甘味料を含有する食品のGI値低減用である、大豆粉末、ドライフルーツ及び難消化性デキストリンを含むGI値低減用食品添加物。
  2. 大豆粉末100重量部に対して、30〜80重量部の難消化性デキストリン、及び80〜150重量部のドライフルーツを含有する、請求項1に記載のGI値低減用食品添加物。
  3. 添加対象となる食品に対して、含有量が10〜90重量%となる量で添加される請求項1又は2に記載のGI値低減用食品添加物。
  4. GI値低減用食品添加物であって、これを添加して得られる食品の後記GI値測定方法によって測定されるGI値が1〜20である請求項1〜のいずれか1項に記載のGI値低減用食品添加物。
    <GI値測定方法>
    1)無作為に選んだ成人男女各4名(合計8名)をパネラーとして、摂取前の血糖値を測定する。
    2)糖質が50gとなる量の食品試料をパネラーに摂食させ、摂取後15、30、45、60、75、90、120分後の血糖値を測定し、摂取前血糖値からの上昇値(8人の平均値)を求める。
    3)また、基準試験として、50gのブドウ糖をパネラーに摂取させ、同様に、摂取前血糖値からの上昇値(8人の平均値)を求める。
    4)それぞれの値をグラフ化し、基線(0mg/dl)より上の面積のみの曲線下面積(AUC)を測定する。次式により試料のGI値を決定する。
    GI値=((食品試料のAUC)/(ブドウ糖のAUC))×100。
  5. ドライフルーツが、アプリコット、パパイヤ、サンザシ、クコの実、アップル、オレンジ、パイナップル、マンゴー、ココナッツ、クランベリー、カカオマスおよびブドウからなる群から選ばれる1種以上のフルーツの乾燥物である請求項1〜のいずれか1項に記載のGI値低減用食品添加物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のGI値低減用食品添加物を砂糖、及びグラニュー糖から選択される高GI値をもたらす糖類甘味料を含有する食品に添加することを特徴とする、砂糖、及びグラニュー糖から選択される高GI値をもたらす糖類甘味料を含有し、かつGI値が低減された食品の製造方法。
  7. 砂糖、及びグラニュー糖から選択される高GI値をもたらす糖類甘味料を含有する食品のGI値を低減させる方法であって、当該食品に請求項1〜のいずれか1項に記載のGI値低減用食品添加物を配合することを特徴とする方法。
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