JP2015083663A - 電気絶縁用樹脂組成物及びその硬化物並びにこれを用いたコイル、固定子、回転機及び高電圧機器 - Google Patents

電気絶縁用樹脂組成物及びその硬化物並びにこれを用いたコイル、固定子、回転機及び高電圧機器 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁硬化物の電気的特性及び機械的特性の向上と、樹脂組成物の粘度の抑制とを両立する。【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、微粒子と、を含み、これらを混合して硬化した際に、エポキシ樹脂と硬化剤との開環反応により形成される重合体に包み込まれた微粒子が複数の線状の凝集体を形成し、凝集体がデンドライト状の構造となるものであって、微粒子の基材は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン又は窒化ホウ素で形成されたものであり、基材の表面には、親水基及び疎水基が共存している電気絶縁用樹脂組成物を絶縁材料とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電気絶縁用樹脂組成物及びその硬化物並びにこれを用いたコイル、固定子、回転機及び高電圧機器に関する。
モールド変圧器、スイッチギア、インバータ、モータ及び発電機に代表される高電圧機器においては、省エネルギー及び省資源化の観点から、小型化による高効率化が進められている。
高電圧機器に適用される絶縁システムでは、絶縁樹脂を使用した複合材料が用いられている。高電圧機器の小型化が進むと、絶縁層の薄肉化によるクラック発生及び絶縁劣化が問題となる。したがって、絶縁樹脂の更なる電気的特性及び機械的特性の向上が必須である。
以降、電気的特性とは、絶縁材料に高電圧を印加した際に絶縁破壊に至るまでの時間をいい、機械的特性とは、破壊靭性値のことをいう。また、電気的特性及び機械的特性をまとめて「電気的・機械的特性」とも呼ぶ。
電気的・機械的特性の向上には、樹脂に微粒子を添加した樹脂材料が有効である。特に、粒径が200nm以下の微粒子は、微粒子の体積に対する表面の面積が大きく、少量の添加で樹脂の特性を改善できることが期待されている。
以降、平均粒子径200nm以下のシリカ粒子を「ナノシリカ」と呼ぶこととする。
粒子表面が未処理で親水性のナノシリカを絶縁樹脂に添加すると、樹脂内でナノシリカが均一に分散する。一方、疎水化したナノシリカを絶縁樹脂に添加すると、樹脂内でナノシリカが複数の線状の凝集体を形成し、デンドライト状の構造となる。このことは、特許文献1に開示されている。特許文献1には、ナノシリカがデンドライト状の構造を有すると、微粒子が均一分散した構造に比べて、絶縁劣化やクラックの伸展を抑制する効果が高く、絶縁材料の電気的・機械的特性が向上することが記載されている。
一方、絶縁劣化に関しては、熱による樹脂の劣化の問題がある。これが原因となって樹脂が破壊する場合がある。
特許文献2には、必要な絶縁材の厚さあるいは容積を小さくして、回転電機のコンパクト化及び低コスト化を図ることを目的として、高熱伝導性の絶縁材料を樹脂に分散した絶縁層を有する回転電機が開示されている。特許文献2には、熱伝導率が5W/(m・K)以上の高熱伝導性の絶縁材料としては、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、炭化ケイ素などがあること、特に熱伝導率が30W/(m・K)以上で、体積抵抗が1013Ωcm以上の酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウムなどがよいこと、これらの高熱伝導性の絶縁材料は、平均粒径20μm以下の粒子の形状で用いることが記載されている。
特開2012−057121号公報 特開2000−224792号公報
特許文献1の絶縁材料においては、樹脂に添加する微粒子の表面は、メチル基で疎水化して極性を顕著に低くしたものであり、かつ、疎水化率が高いため、微粒子の添加量が少ない場合であっても混合液の粘度が著しく上昇する。このため、高電圧機器に適用する際、生産効率が低下してしまう点で改善の余地があった。
一方、特許文献2に記載されている高熱伝導性の絶縁材料の粒子は、粒径以外に詳細な構成が示されていない。
本発明の目的は、絶縁硬化物の電気的特性及び機械的特性の向上と、樹脂組成物の粘度の抑制とを両立することにある。
本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、微粒子と、を含み、これらを混合して硬化した際に、微粒子が複数の線状の凝集体を形成し、凝集体がデンドライト状の構造となるものであって、微粒子の基材は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン又は窒化ホウ素で形成されたものであり、基材の表面には、親水基及び疎水基が共存していることを特徴とする。
本発明によれば、絶縁材料の電気的特性及び機械的特性の向上と、樹脂粘度の抑制とを両立することができる。
実施例1の樹脂硬化物の断面を示すSEM画像である。 実施例1、2、比較例1、2、5の硬化前の混合液の40℃における粘度を示すグラフである。 絶縁破壊試験に用いた試料の形状を示す側面図である。 絶縁破壊試験に用いた試料の形状を示す上面図である。 実施例1、2及び比較例1、2、5の電気的特性評価の結果を示すグラフである。 三点曲げ試験に用いた試験片の形状及び三点曲げ試験の概要を示す斜視図である。 実施例3〜5及び比較例3、4、6の硬化前の混合液の60℃における粘度を示すグラフである。 高熱伝導フィラ及び微粒子により樹脂硬化物の内部に形成された構造並びに高伝熱経路を示す模式図である。 固定子コイルの断面を示す模式図である。 固定子コイルの断面の一部を拡大して絶縁材の微細構造を示す模式図である。 本発明の絶縁材の微細構造を示す模式断面図である。 絶縁材の内部のナノ粒子及び高熱伝導材の配置を示す模式図である。 絶縁材の内部のナノ粒子及び高熱伝導材を構成する原子の配置並びにこれらの原子間距離を示す模式図である。 図11Aの原子間距離のずれと六員環構造の分子間結合エネルギーとの関係を示すグラフである。 本発明の高熱伝導材を構成する原子の配置を示す模式図である。 本発明のナノ粒子を構成する原子の配置を示す模式図である。 本発明のナノ粒子を構成する原子の配置を示す模式図である。 本発明の高熱伝導材とナノ粒子との結合構造を示す模式図である。 本発明の高熱伝導材とナノ粒子との結合構造を示す模式図である。 本発明の高熱伝導材同士の結合構造を示す模式図である。 親水性ナノシリカの粒径と絶縁課電寿命との関係を示すグラフである。 疎水性ナノシリカの粒径と絶縁課電寿命との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を説明する。以下に述べる実施形態は、本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、少なくともエポキシ樹脂(主剤)、硬化剤及び微粒子を含む。これらを撹拌して得られるチキソ性の混合液を真空脱泡した上で、所定温度で所定時間加熱し、硬化させることにより電気絶縁用樹脂硬化物が得られる。以下では、硬化前の樹脂組成物及び硬化後の樹脂硬化物を「絶縁材料」と呼ぶ場合がある。
絶縁材料の諸特性を向上させるため、混合液に更に添加剤を加えてもよい。
本発明の絶縁材料の適用先としては、例えば、回転機内の固定子コイル周囲の絶縁層が挙げられる。絶縁層を形成するためには固定子コイル導体周囲に巻いたテープへ混合液を含浸後、熱硬化させて絶縁層を形成する樹脂含浸方式と、予め混合液を塗布したテープをコイル導体に巻き、熱硬化させて絶縁層を形成するレジンリッチ方式の2方式があり、本発明はそのどちらにも適用可能である。
前述のテープは、少なくともマイカ及び補強材を含む。補強材は、絶縁層を補強する部材であり、代表的なものはガラスクロスである。補強材の他の例としては、ガラス不織布、ポリエステル不織布、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルムなどが挙げられる。マイカは、絶縁層の電気的特性、機械的特性及び熱伝導性を向上させる働きを持つ。テープは、これらの他に、硬化剤やフィラ等を含むものであってもよい。
前述の混合液は、生産効率の観点から、後述する比較例2の混合液(親水性ナノシリカ10wt%添加のビスフェノールA型エポキシ樹脂液)の粘度を基準(1.0)として規格化した場合に、樹脂含浸方式では40℃における粘度が0.1p.u.以上、5p.u.未満であることが望ましい。レジンリッチ方式では60℃における粘度が0.1p.u.以上、1000p.u.未満であることが望ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂は、分子内に2個の炭素原子と1個の酸素原子からなるエポキシ基を2個以上含む化合物であって、適宜の硬化剤によって当該エポキシ基を開環反応させ、樹脂硬化物とし得る化合物であればどのようなものでも適用することができる。具体的には、エピクロルヒドリンとビスフェノール類などの多価フェノール類や多価アルコールとの縮合によって得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂や、エピクロルヒドリンとカルボン酸との縮合によって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートやエピクロルヒドリンとヒダントイン類との反応によって得られるヒダントイン型エポキシ樹脂のような複素環式エポキシ樹脂を、その好適な例として挙げることができる。また、これらは、単独若しくは2種以上の混合物として適用することができる。
本発明における硬化剤は、適宜のエポキシ樹脂を開環反応させ、樹脂硬化物とし得る化合物であればどのようなものでも適用することができる。具体的には、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミノアミドなどのアミン系化合物、脂環式酸無水物などの酸無水物系化合物を、その好適な例として挙げることができる。
本発明における微粒子は、平均粒子径がナノメートルオーダの金属酸化物を基材とするものであって、基材の表面に存在するヒドロキシ基等の親水基をシランカップリング剤により修飾したものである。すなわち、当該微粒子は、アルキル基、フルオロアルキル基その他の疎水基を有し、かつ、ヒドロキシ基等の親水基と縮合反応を生じるメトキシ基、エトキシ基その他の反応基を有するシランカップリング剤により、基材の表面を修飾したものである。シランカップリング剤の量を調整することにより、ヒドロキシ基の一部が基材の表面に残るようにすることができる。これにより、基材の表面に親水基及び疎水基が共存する状態とすることができる。
基材の好適な具体例としては、シリカ(二酸化ケイ素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、チタニア(酸化チタン)及び窒化ホウ素を挙げることができる。微粒子の平均粒子径は、5〜200nmであることが好ましく、5〜100nmであることが更に好ましい。これらを単独若しくは2種以上の混合物として適用することができる。微粒子の表面の修飾基は、疎水基である炭素数1〜8のアルキル基が好ましい。
なお、微粒子の基材が窒化ホウ素の場合、その表面に親水基を付加するため、微粒子の基材を大気中で加熱する等の酸化処理を施してもよい。
以下、粒子表面における疎水基の存在比率を下記式(1)で定義される疎水化率(mol%)で表す。
疎水化率(mol%)=100{M/(M+MOH)} …(1)
但し、Mは粒子表面における疎水基のモル数、MOHは粒子表面における親水基のモル数である。ここで、M及びMOHは、Si−NMRの定量スペクトルにより算出することができる。
疎水化率は20〜80mol%であることが好ましい。20mol%未満の場合、粒子表面は親水性官能基であるエポキシ基を有するエポキシ樹脂との親和性が高くなり、樹脂内でデンドライト状の構造を形成せずに均一分散して、充分な電気的・機械的特性を得ることができない。90mol%以上の場合、粒子表面とエポキシ樹脂との親和性が著しく低くなり、高粘度化する。最適域である20〜80mol%の場合、微粒子が樹脂内でデンドライト状の構造を形成するのと同時に混合液の粘度を低く抑えることができる。後述の図4に示すパラメータサーベイの結果から、疎水化率が低下すると絶縁破壊時間が短くなることがわかっている。言い換えると、電気的特性が低下する。また、機械的特性も低下する。
また、微粒子のエポキシ樹脂への添加量は、3〜15質量%であることが好ましい。15質量%より多い場合、硬化前の粘度が高くなりすぎ、3質量%未満の場合、期待する電気的・機械的特性を得ることができない。なお、微粒子の更に好ましい添加量の範囲は、5〜15質量%である。
本発明における添加剤として、例えば絶縁材料の熱伝導率向上を目的とした高熱伝導フィラや絶縁材料の機械的特性向上を目的としたコアシェル型フィラを挙げることができる。高熱伝導フィラの材料としては、具体的には、窒化ホウ素、窒化アルミニウム及びアルミナをその好適な例として挙げることができる。フィラの形状は、球状、針状、扁平状のいずれでもよく、フィラの長手(長軸)と短手(短軸)との寸法比は1〜10、短手寸法(短軸寸法)は0.1〜10μmであることが望ましい。
添加剤として高熱伝導フィラを加えることにより、樹脂硬化物内に微粒子の線状の凝集体が高熱伝導フィラ同士をつなぐ構造が生じる。
なお、本明細書においては、「添加剤」とは、疎水化や親水化といった表面処理を施していない粒径が大きいものをいい、粒径がナノメートルオーダであって表面処理を施してある「微粒子」とは区別する。
図7は、樹脂硬化物の微細構造を模式的に示したものである。
本図において、樹脂硬化物71には、微粒子72及び高熱伝導フィラ73が混合されている。高熱伝導フィラ73は、マイカであってもよい。
微粒子72及び高熱伝導フィラ73は共に、エポキシ樹脂よりも熱伝導率が高い。このため、樹脂硬化物71中に微粒子72と高熱伝導フィラ73との複合による熱伝達率の高い経路(高伝熱経路74)が生じる。その結果、微粒子72又は高熱伝導フィラ73が無い場合に比べて、樹脂硬化物71全体の熱伝導率が向上する。
質量部で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を45、酸無水物硬化剤を45、ナノシリカを10用意し、これらを昇温して充分に撹拌し、チキソ性の混合液を作製した。ナノシリカは、平均一次粒径12nmで疎水化率80mol%にメチル基修飾したものである。
混合液の40℃における粘度をコーン・プレート型粘度計で測定したところ、せん断速度10(1/s)以上、100(1/s)未満の流れ場において5p.u.未満であった。混合液を真空脱泡した後、所定温度で所定時間加熱し、樹脂硬化物を作製した。
図1は、本実施例の樹脂硬化物の断面SEM画像を示したものである。
本図に示すように、樹脂硬化物1の中には、ナノシリカの凝集体2が形成されている。この凝集体2は、細長い線状の形状を有し、複数の線状の塊が樹枝状に集合した状態である。言い換えると、凝集体2は、等方的なデンドライト状(樹枝状)の構造を有している。本図から、線状の部分の幅はおおよそ100〜200nm、長さは500〜2000nmであることがわかる。
実施例1のナノシリカについて疎水化率のみ変更した混合液を作製した。本実施例においては、疎水化率を20mol%とした。実施例1と同様にして、この混合液から樹脂硬化物を作製した。
混合液の粘度を実施例1と同じ条件で測定したところ、5p.u.未満であった。樹脂硬化物中のナノシリカは、等方的に複数の線状の凝集体を形成し、デンドライト状の構造を有していた。
質量部で、フェノールノボラック型エポキシ樹脂を85、脂肪族ポリアミン硬化剤を5、ナノシリカを10用意し、これらを昇温して充分に撹拌し、チキソ性の混合液を作製した。ナノシリカは、平均一次粒径12nmで疎水化率80mol%にメチル基修飾したものである。
混合液の60℃における粘度をE型粘度計で測定したところせん断速度10(1/s)以上、100(1/s)未満の流れ場において1000p.u.未満であった。混合液を真空脱泡した後、所定温度で所定時間加熱し、樹脂硬化物を作製した。樹脂硬化物中のナノシリカは、実施例1と同様に、等方的に複数の線状の凝集体を形成し、デンドライト状の構造を有していた。
実施例3のナノシリカについて疎水化率のみ変更した混合液を作製した。本実施例においては、疎水化率が20mol%とした。実施例3と同様にして、この混合液から樹脂硬化物を作製した。
混合液の粘度を実施例3と同じ条件で測定したところ、1000p.u.未満であった。樹脂硬化物中のナノシリカは、等方的に複数の線状の凝集体を形成し、デンドライト状の構造を有していた。
実施例3と同様の混合液を作製する際、窒化ホウ素粒子20質量部を更に加えたものを作製した。窒化ホウ素粒子の平均粒径は、約10μmである。この混合液を用いて樹脂硬化物を作製した。
混合液の粘度を実施例3と同じ条件で測定したところ、1000p.u.未満であった。樹脂硬化物中のナノシリカは、等方的に複数の線状の凝集体を形成し、デンドライト状の構造を有していた。すなわち、ナノシリカは、図7に示す構造に類似する構造を有し、ナノシリカの線状の凝集体が窒化ホウ素粒子をつなぐ構造となっていた。
本実施例は、回転機用固定子コイルに関するものである。
まず、回転機用固定子コイルの周囲に、ガラスクロスと、集成マイカシートとから構成されたテープを巻いた。コイルを実施例1の混合液で満たした樹脂含浸槽に所定時間浸漬することにより、コイルの周囲のテープ層に混合液を含浸した。コイルを樹脂含浸槽から取り出し、所定温度・圧力で所定時間加熱・加圧することにより、コイル導体の周囲に絶縁層を形成した。
固定子コイル及び周囲の絶縁層の断面を観察すると、主に樹脂硬化物から構成された樹脂層、主にガラスクロス及び樹脂硬化物から構成される補強層、主にマイカシート及び樹脂硬化物から構成されるマイカ層の3層から構成されていた。各層の樹脂硬化物中のナノシリカは、等方的に複数の線状の凝集体を形成し、デンドライト状の構造を有していた。
本実施例も、回転機用固定子コイルに関するものである。
実施例3の混合液を塗布したガラスクロスを集成マイカシートの上に付設することによりテープを作製した。これを回転機向け固定子コイル導体に巻き、所定温度・圧力で所定時間加熱・加圧することでコイル導体周囲に絶縁層を形成した。絶縁層の断面を観察すると、主に樹脂硬化物から構成される樹脂層、ガラスクロス及び樹脂硬化物から構成される補強層、マイカシート及び樹脂硬化物から構成されるマイカ層の3層から構成されていた。各層の樹脂硬化物中のナノシリカは、等方的に複数の線状の凝集体を形成し、デンドライト状の構造を有していた。
実施例5の混合液を用いて実施例7と同じ条件でテープ及びコイル導体周囲の絶縁層を作製した。絶縁層の断面を観察すると、主に樹脂硬化物から構成される樹脂層、ガラスクロス及び樹脂硬化物から構成される補強層、マイカシート及び樹脂硬化物から構成されるマイカ層の3層から構成されていた。各層の樹脂硬化物中のナノシリカは、等方的に複数の線状の凝集体を形成し、デンドライト状の構造を有していた。樹脂層及び補強層の樹脂硬化物においては、図7に示すように、ナノシリカの線状の凝集体が窒化ホウ素粒子をつなぐ構造を有していた。マイカ層においては、ナノシリカの線状の凝集体が窒化ホウ素及びマイカをつなぐ構造を有していた。
(比較例1)
実施例1のナノシリカについて疎水化率のみを90mol%に変更した混合液を作製し、樹脂硬化物を作製した。混合液の粘度を実施例1と同じ条件で測定したところ、5p.u.以上であった。樹脂硬化物中のナノシリカは、複数の線状の凝集体を形成し、デンドライト状の構造を有していた。
(比較例2)
実施例1のナノシリカについて疎水化率のみを0mol%に変更した混合液を作製し、樹脂硬化物を作製した。混合液の粘度を実施例1と同じ条件で測定したところ、5p.u.未満であった。樹脂硬化物中のナノシリカは、均一に分散していた。
(比較例3)
実施例3のナノシリカについて疎水化率のみを90mol%に変更した混合液を作製し、樹脂硬化物を作製した。混合液の粘度を実施例3と同じ条件で測定したところ、1000p.u.以上であった。樹脂硬化物中のナノシリカは、等方的に複数の線状の凝集体を形成し、デンドライト状の構造を有していた。
(比較例4)
実施例3のナノシリカについて疎水化率のみを0mol%に変更した混合液を作製し、樹脂硬化物を作製した。混合液の粘度を実施例3と同じ条件で測定したところ、1000p.u.未満であった。樹脂硬化物中のナノシリカは、均一に分散していた。
(比較例5)
実施例1からナノシリカを除いた混合液を作製し、樹脂硬化物を作製した。混合液の粘度を実施例1と同じ条件で測定したところ、5p.u.未満であった。
(比較例6)
実施例3からナノシリカを除いた混合液を作製し、樹脂硬化物を作製した。混合液の粘度を実施例3と同じ条件で測定したところ、1000p.u.未満であった。
(比較例7)
実施例5からナノシリカを除いた混合液を作製し、樹脂硬化物を作製した。混合液の粘度を実施例3と同じ条件で測定したところ、1000p.u.未満であった。
(比較例8)
比較例6の混合液を用いて実施例7と同じ条件でテープ及びコイル導体周囲の絶縁層を作製した。絶縁層の断面を観察すると、主に樹脂硬化物から構成される樹脂層、ガラスクロス及び樹脂硬化物から構成される補強層、マイカシート及び樹脂硬化物から構成されるマイカ層の3層から構成されていた。
(比較例9)
比較例7の混合液を用いて実施例7と同じ条件でテープ及びコイル導体周囲の絶縁層を作製した。絶縁層の断面を観察すると、主に樹脂硬化物から構成される樹脂層、ガラスクロス及び樹脂硬化物から構成される補強層、マイカシート及び樹脂硬化物から構成されるマイカ層の3層から構成されていた。
(比較例10)
比較例7の混合液を用いて実施例7と同じ条件でテープ及びコイル導体周囲の絶縁層を作製した。絶縁層の断面を観察すると、主に樹脂硬化物から構成される樹脂層、ガラスクロス及び樹脂硬化物から構成される補強層、マイカシート及び樹脂硬化物から構成されるマイカ層の3層から構成されていた。
図2は、実施例1、2及び比較例1、2、5の混合液の40℃における粘度の測定結果を示したものである。横軸はナノシリカ表面の疎水化率であり、縦軸は比較例2の混合液粘度を1.0として規格化した粘度である。
本図から、ナノシリカの疎水化率が高くなるほど、混合液の粘度が高くなる傾向があり、80mol%を超えると粘度が非常に高くなることがわかる。これは、ナノシリカ表面とエポキシ樹脂との親和性が低下するためである。疎水化率が80mol%以下であれば、粘度を5p.u.未満に抑えられることがわかる。
図6は、実施例3〜5及び比較例3、4、6の混合液の60℃における粘度の測定結果を示したものである。横軸はナノシリカ表面の疎水化率であり、縦軸は図2の縦軸と同様の基準で規格化した粘度である。
本図から、ナノシリカの疎水化率が高くなるほど、混合液の粘度が高くなる傾向にはあり、80mol%を超えると粘度が非常に高くなることがわかる。これは、ナノシリカ表面とエポキシ樹脂の親和性が低下するためである。疎水化率が80mol%以下であれば、粘度を1000p.u.未満に抑えられることがわかる。
表1は、実施例1、2及び比較例1、2、5の樹脂硬化物中におけるナノシリカの構造体についての評価結果を示したものである。
Figure 2015083663
本表から、疎水化率が20mol%以上の場合に、ナノシリカが樹脂硬化物中でデンドライト状の構造体を形成していることがわかる。
つぎに、絶縁材料の電気的特性を検証するため、絶縁破壊試験を行った。対象としたものは、実施例1、2及び比較例1、2、5である。これらの混合液をそれぞれ、金属製の型に流し込み、電極針を挿入し、実施例1の条件で脱泡・硬化することにより、試料を作製した。
図3Aは、絶縁破壊試験に用いた試料の形状を示す側面図である。また、図3Bは、その上面図である。
これらの図に示すように、作製した試料(樹脂硬化物31)は円柱状であり、樹脂硬化物31の中心軸に試料の上面部から電極針32を埋め込んである。電極針32は、直径が1mm、先端の中心角が30°、先端の曲率半径5μmである。樹脂硬化物31の底面には、導電性塗料33を塗布し、乾燥し、平板電極(図示していない)の表面に接着してある。電極針32の先端部と導電性塗料33との距離(ギャップ)は3mmである。
この試料をシリコーン油中に入れ、電極針32と平板電極との間に15kVrms、50Hzの電圧を印加し、絶縁破壊が起きるまでの時間を計測した。各条件につき5個の試料を作製し、絶縁破壊時間の平均値を算出した。
図4は、絶縁破壊試験の評価結果を示したものである。横軸はナノシリカ表面の疎水化率であり、縦軸は規格化した絶縁破壊時間である。縦軸の絶縁破壊時間は、ナノシリカを添加していない比較例5の絶縁破壊時間を1.0として規格化したものである。
本図から、絶縁破壊時間は、疎水化率0mol%では比較例5の2.5倍の向上にとどまっているが、疎水化率20mol%以上では比較例5の10倍以上にまで向上することがわかる。なお、疎水化率が90mol%以上で特性のバラつきが大きくなったのは、混合液の粘度が高く、真空脱泡時に液中の気泡が充分に脱泡されなかったためと推定される。
実施例3、4及び比較例3、4、6で作製した混合液を用いて同様の試料を作製し、絶縁破壊試験を実施したところ、同様の結果が得られた。
表2は、この結果を示したものである。
Figure 2015083663
本表から、疎水化率20mol%以上では、ナノシリカを添加していない比較例6に比べて絶縁破壊時間が10倍以上にまで向上することがわかる。
樹脂硬化物の機械的特性を検証するため、三点曲げ試験を行った。対象としたものは、実施例1、2及び比較例1、2、5である。これらの混合液をそれぞれ、金属製の型に流し込み、実施例1の条件で脱泡・硬化することにより、試料を作製した。
図5は、三点曲げ試験に用いた試験片の形状を示す斜視図である。
本図に示すように、試験片51は、細長い直方体状であり、長軸の中央部に鋭角のノッチ52を有する。三点曲げ試験を行う際は、ノッチ52を下向きにし、2つの支点53で支持した状態で、試験片51の上面の中央部に荷重54を加える。2つの支点53の間の距離は、60mmである。
三点曲げ試験は、ASTM D5045に準拠し、試験片51が破壊されるまで荷重54をかけることにより、破壊靭性値を測定した。
この結果も表1に示してある。
ナノシリカを添加していない比較例5の試験片の破壊靭性値を1.0として規格化してある。
本表から、破壊靭性値は、疎水化率0mol%では10%の向上にとどまるが、疎水化率20mol%以上では20%向上することがわかる。
実施例3、4、比較例3、4、6で作製した混合液を用いて同様の試験片作製および破壊靭性試験を実施したところ、同様の結果が得られた。
この結果は表2に示してある。
本表から、疎水化率20mol%以上では、ナノシリカを添加していない比較例6に比べて、破壊靭性値が20%向上することがわかる。
他方、樹脂硬化物の熱伝導性に関して実施例5と比較例7とを比較したところ、実施例5は、比較例7に比べて熱伝導率が1.5倍高かった。これは、実施例5の樹脂硬化物においてはナノシリカの線状の凝集体が窒化ホウ素をつなぐ構造を有していたためである。
以上の結果より、疎水化率20〜80mol%のナノシリカをエポキシ樹脂に添加することにより、混合液の粘度上昇を抑制しつつ、電気的、機械的特性の高い絶縁材料が得られることが示された。また、高熱伝導フィラが存在する系では疎水化ナノシリカをエポキシ樹脂に添加することにより熱伝導性の高い絶縁材料が得られることが示された。
以下、本発明の実施形態についてもう1つの観点から説明する。
図8Aは、固定子コイルの断面を模式的に示したものである。
本図において、固定子コイル80は、導線81(被覆素線)を積層し、全体を絶縁材82で被覆した構成を有する。
図8Bは、固定子コイルの断面の一部を拡大して絶縁材の微細構造を模式的に示したものである。
本図においては、導線81の周囲を覆う絶縁材82の内部構造を示している。固定子コイル80は、アース86を有する。
絶縁材82は、ボイド83を含み、このボイド83を起点としてクラック84が生じる場合がある。このクラック84は、高電圧が印加された場合の弱点となることがあり、電気トリー85が発生することもある。本図においては、電気トリー85がボイド83を通過して伝播した状態を示している。
図9は、本発明の絶縁材の微細構造の詳細を模式的に示したものである。
本図に示すように、エポキシ樹脂硬化物91には、ナノ粒子92(微粒子)及び高熱伝導材93が混合されている。トリー94が発生した場合でも、ナノ粒子92又は高熱伝導材93がトリー94の伝播を妨げるため、絶縁破壊が生じにくくなっている。同様に、クラックの進展も妨げられる。
図10は、絶縁材の内部のナノ粒子及び高熱伝導材の配置を模式的に示したものである。
本図においては、ナノ粒子凝集体101の内部に高熱伝導材102が入り込んでいる。
図12は、本発明の高熱伝導材を構成する原子の配置を示す模式図である。本図は、高熱伝導材が窒化ホウ素の場合である。
窒化ホウ素は、ホウ素原子121と窒素原子122との結合により六角形状(ハニカム形状)となっている。
図13Aは、本発明のナノ粒子を構成する原子の配置を示す模式図である。
シリカは、酸素原子131とケイ素原子132との結合により六角形状の結晶面を有している。
図13Bは、本発明のナノ粒子を構成する原子の配置を示す模式図である。
アルミナは、酸素原子131とアルミニウム原子133との結合により六角形状の結晶面を有している。
図14Aは、本発明の高熱伝導材とナノ粒子との結合構造を示す模式図である。
具体的には、窒化ホウ素とシリカとが隣接している場合におけるホウ素141、窒素142、酸素143及びケイ素144の配置を示している。
図14Bは、本発明の高熱伝導材とナノ粒子との結合構造を示す模式図である。
具体的には、窒化ホウ素とアルミナとが隣接している場合におけるホウ素141、窒素142、酸素143及びアルミニウム145の配置を示している。
図14Cは、本発明の高熱伝導材同士の結合構造を示す模式図である。
具体的には、窒化ホウ素同士が隣接している場合におけるホウ素141及び窒素142の配置を示している。
絶縁部材(電気絶縁用樹脂硬化物)は、高熱伝導材(窒化ホウ素BN)と、集成マイカと、エポキシ樹脂硬化物とで構成されている。エポキシ樹脂硬化物は、BNと同一の六員環構造を持つ平均粒子径が7nmのSiO(酸化シリコン)を基材とする疎水性ナノシリカ5質量%を含むものである。この絶縁部材を用いて絶縁課電寿命及び熱伝導率の評価を行った。
六員環構造における原子間距離(結合距離)は、Si−O(0.164nm)、B−N(0.145nm)である。これらの結合距離の差は20%以下である。
図11Aは、絶縁材の内部のナノ粒子及び高熱伝導材を構成する原子の配置並びにこれらの原子間距離を模式的に示したものである。
本図においては、高熱伝導材を構成する六員環111、ナノ粒子を構成する六員環112、高熱伝導材を構成する六員環内の隣接原子間の結合距離113(d)、及びナノ粒子を構成する六員環内の隣接原子間の結合距離114(d)を示している。
数値計算により、結合距離113、114から結合距離のずれを算出した。そのずれの定義式は、下記式(2)で表される。
(結合距離のずれ)=|(d−d)/d|×100 …(2)
すなわち、結合距離のずれは、結合距離113と結合距離114との差を結合距離114で割り、その絶対値を算出し、百分率で表したものである。
図11Bは、図11Aの原子間距離のずれと六員環構造の分子間結合エネルギーとの関係を示すグラフである。横軸に上記式(2)で算出された結合距離のずれをとり、縦軸に六員環構造の分子間結合エネルギーをとっている。
本図から、結合距離のずれが20%以下の領域で六員環構造の分子間結合エネルギーが高くなっていることがわかる。これは、水素結合が生じていることを示している。一方、結合距離のずれが20%を超える領域では、六員環構造の分子間結合エネルギーが低く、水結合が生じていない、すなわち、非結合であることを示している。
高熱伝導材BN(窒化ホウ素)のB(ボロン)、N(窒素)と、疎水性ナノシリカのO(酸素)、Si(シリコン)との間は、水素結合的な結合である。これにより、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)上の疎水性ナノシリカとの分子間結合が増大する。このため、疎水性ナノシリカと高熱伝導材との間の距離が縮小する。さらには、ナノシリカを構成するシリカ自体の熱伝導率がエポキシ樹脂にくらべ3倍大きいこと、及び、ナノシリカが網目構造(図9、10)で面状に分布することから、熱伝導性が高くなる。このため、疎水性ナノシリカを入れない場合に比べ、絶縁材全体の熱伝導率を1.25倍向上できる。
変形例として、疎水性ナノシリカの代わりに親水性ナノシリカを用いた場合、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)と親水性ナノシリカとの分子間結合の増大により、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)の近傍のエポキシ樹脂硬化物の電気トリーの進展と機械的なクラックとに対する耐性を向上できる。
図15は、親水性ナノシリカの粒径と絶縁課電寿命との関係を示すグラフである。
本図から、粒子径が100nm以下の場合に絶縁課電寿命が向上することがわかる。粒子径が25nmの場合、絶縁課電寿命は、粒子径が100nmの場合に比べて2倍以上となっている。
図16は、疎水性ナノシリカの粒径と絶縁課電寿命との関係を示すグラフである。
本図から、粒子径が100nm以下の場合に絶縁課電寿命が向上することがわかる。粒子径が25nmの場合、絶縁課電寿命は、粒子径が100nmの場合に比べて5倍以上となっている。
図15及び16から、粒子径が50nm以下の場合に絶縁課電寿命が更に向上することがわかる。これにより、課電絶縁寿命と破壊靭性とを向上することができる。
本実施例により、回転機器の固定子コイルのエポキシ樹脂の絶縁部材の熱劣化と電気的な破壊に対する耐性を向上でき、回転機の小形化を図ることができる。
本実施例の絶縁部材は、発電機、電動機、変圧器、遮断機、変換機その他の高電圧機器にも適用可能である。
本実施例においては、実施例9のシリカの代わりにアルミナを用いている。すなわち、疎水性ナノアルミナである。この疎水性ナノアルミナは、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)と同じ六員環構造を有し、平均粒子径12nmのアルミナを基材とする。本実施例のエポキシ樹脂硬化物は、この疎水性ナノアルミナを5質量%含有する。六員環構造における原子間距離(結合距離)は、Al−O(0.170nm)、B−N(0.145nm)である。これらの結合距離の差は20%以下である。高熱伝導材BN(窒化ホウ素)のB(ボロン)、N(窒素)と、疎水性ナノアルミナのO(酸素)、Al(アルミニウム)との間は、水素結合的な結合である。
これにより、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)上の疎水性ナノアルミナとの分子間結合を増大できる。このため、疎水性ナノアルミナと高熱伝導材との間の距離が縮小する。さらには、ナノアルミナを構成するアルミナ自体の熱伝導率がエポキシ樹脂にくらべ50倍大きいこと、及び、ナノアルミナが(図9、10)で面状に分布することから、熱伝導性が高くなる。このため、疎水性ナノアルミナを入れない場合に比べ、絶縁材全体の熱伝導率を1.5倍向上できる。
さらに、変形例として、疎水性ナノシリカの代わりに親水性ナノアルミナを用いた場合、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)との親水性ナノアルミナとの分子間結合の増大により、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)の近傍のエポキシ樹脂硬化物の電気トリーの進展と機械的なクラックとに対する耐性を向上できる。これにより、絶縁課電寿命及び破壊靭性を向上することができる。
本実施例により、回転機器の固定子コイルのエポキシ樹脂の絶縁材の熱劣化と電気的な破壊に対する耐性を向上でき、実施例9より回転機の小形化を図れる。
本実施例の絶縁部材は、発電機、電動機、変圧器、変換機等にも適用可能である。
本実施例のエポキシ樹脂硬化物は、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)と同じ六員環構造を有する平均粒子径が12nmの親水性ナノシリカ若しくは親水性ナノアルミナを10質量%含有する。他の構成は、実施例9と同じである。
実施例9、10と同様に、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)と親水性ナノシリカ若しくは親水性ナノアルミナとの分子間結合が増大し、親水性ナノ粒子と高熱伝導材との間の距離が縮小する。さらには、ナノ粒子自体の熱伝導率がエポキシ樹脂硬化物にくらべ大きいことから、絶縁部材全体の熱伝導率を10%向上できる。
さらに、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)との親水性ナノ粒子の分子間結合の増加により、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)の近傍のエポキシ樹脂の電気トリー進展と機械的なクラックに対する耐性を向上できる。これにより、課電絶縁寿命と破壊靭性を向上出来る。
本実施例においては、実施例9、10に比べ、回転機器の固定子コイルのエポキシ樹脂の高温時の絶縁材の耐熱性を向上でき、かつ、回転機の高耐熱が要求される環境における使用において高信頼化を図れる。
本実施例の絶縁部材は、発電機、電動機、変圧器、変換機等にも適用可能である。
本実施例のエポキシ樹脂硬化物は、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)と同じ六員環構造を有する平均粒子径が20nmのナノ窒化ホウ素を5質量%含有する。他の構成は、実施例9と同じである。
高熱伝導材BN(窒化ホウ素)のB(ボロン)、N(窒素)と、ナノ窒化ホウ素のN(窒素)、B(ボロン)との間は、水素結合的な結合である。
これにより、高熱伝導材BN(窒化ホウ素)上のナノ窒化ホウ素との分子間結合力が向上する。このため、ナノ窒化ホウ素と高熱伝導材(BN)との間の距離が縮小する。さらには、ナノ窒化ホウ素を構成する窒化ホウ素自体の熱伝導率がエポキシ樹脂にくらべ非常に高いことから、ナノ窒化ホウ素を入れない場合に比べ、絶縁材全体の熱伝導率を1.75倍向上できる。
本実施例により、回転機器の固定子コイルのエポキシ樹脂の絶縁材の熱伝導率を大幅に向上でき、実施例9〜11より、回転機の小形化を図れる。
本実施例の絶縁部材は、発電機、電動機、変圧器、変換機等にも適用可能である。
なお、以下では、Si−O、Al−O、B−N等を「隣接する異種原子ペア」又は「隣接する異種元素ペア」と呼ぶことがある。
ナノ粒子内(微粒子内)の隣接する異種原子ペアの原子間距離と、高熱伝導フィラ内の隣接する異種元素ペアの原子間距離との差は20%以内とする。これにより、ナノ粒子と高熱伝導材との分子間結合が増大し、ナノ粒子を高熱伝導材に近づけることができる。これにより、絶縁材の高熱伝導率を更に向上することができる。
これに加え、ナノ粒子としてナノシリカ若しくはナノアルミナを用いると、これらはSi−O−Si−O−Si−O−若しくはAl−O−Al−O−Al−O−の六員環構造を有する。ここで、高熱伝導材としてBN(窒化ホウ素)若しくはアルミナを選ぶ。これらの最安定構造は、B−N−B−N−B−N−若しくはAl−O−Al−O−Al−O−の六員環構造を有する。このように、ナノ粒子及び高熱伝導材は六員間環構造を有し、かつ、その原子間距離はSi−O(0.164nm)、Al−O(0.170nm)、B−N(0.145nm)となる。何れの組合せでも原子間距離が20%以内で一致するので、ナノ粒子と高熱伝導材の六員環構造間の分子間結合エネルギーは大きくなる。このため、高熱伝導材とナノ粒子の間隔を小さくすることが出来る。なお、原子間距離が20%以上の組み合わせでは、図11Bに示すとおり、高熱伝導材とナノ粒子を構成する分子間結合エネルギーが大きく低減することを解析で確認している。
これに加え、網目構造を持つナノ粒子で高熱伝導材を取り囲むことが望ましい。これにより、ナノ粒子が面状に分布し、熱伝導率が更に高められる。また、高熱伝導材の劈開方向に直交する方向における電気トリーや、機械的なクラックの発生が更に抑えられる。このため、絶縁課電寿命と破壊靭性を更に向上できる。さらには、ナノ粒子の表面を疎水性修飾基若しくは親水性修飾基で構成することにより、ナノ粒子の構造をデンドライト・網目型から分散型に調整できる。
さらには、樹脂にシランカップリング材若しくは高分散ポリマを添加することにより、樹脂の原料粘度を低減することができ、ナノ粒子の樹脂内の分散性を向上できる。
これに加え、樹脂に積層マイカ、集成マイカ又ははがしマイカを添加することにより、絶縁材の絶縁耐性や機械強度を高められる。
これに加え、回転子の固定子コイルの導線間がマイカと高熱伝導材と樹脂で構成され、かつ、そのマイカ若しくは高熱伝導材の周囲を、平均粒径200nm以下のナノシリカ若しくはナノアルミナ又はこれらの混合物により取り囲むことで、回転子及び固定子のコイル絶縁の熱伝導率、絶縁課電寿命及び破壊靭性を、ナノ粒子無添加に比べ向上できる。
本発明によれば、絶縁硬化物の劈開方向に直交する方向の電気トリー進展や機械的なクラックに対する耐性を向上させることと、高熱伝導材以外の樹脂硬化物の高熱伝導化とを両立することができる。
また、本発明によれば、樹脂に含まれる高熱伝導材の周囲に、前記樹脂より熱伝導率が高く、かつ、平均粒子径200nm以下のナノ粒子を配置させることで、高熱伝導樹脂が含まれていない樹脂に比べ、樹脂の熱伝導率を大幅に向上できる。
さらに、本発明によれば、高熱伝導材以外の樹脂部分の高伝導率化が可能となり、ナノ粒子が含まれていない場合にくらべて熱伝導率を向上できる。さらには、高熱伝導材の劈開方向と垂直な方向での電気トリーや機械的なクラックに対する耐性を向上できるので、高熱伝導材を含有した樹脂の絶縁課電寿命と破壊靭性を向上できる。
1、31、71:樹脂硬化物、2:凝集体、32:電極針、33:導電性塗料、51:試験片、52:ノッチ、53:支点、54:荷重、72:微粒子、73:高熱伝導フィラ、74:高伝熱経路、80:固定子コイル、81:導線、82:絶縁材、83:ボイド、84:クラック、85:電気トリー、86:アース、91:エポキシ樹脂硬化物、92:ナノ粒子、93:高熱伝導材、94:トリー、101:ナノ粒子凝集体、102:高熱伝導材。

Claims (19)

  1. エポキシ樹脂と、硬化剤と、微粒子と、を含み、
    これらを混合して硬化した際に、前記微粒子が複数の線状の凝集体を形成し、前記凝集体がデンドライト状の構造となるものであって、
    前記微粒子の基材は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン又は窒化ホウ素で形成されたものであり、
    前記基材の表面には、親水基及び疎水基が共存していることを特徴とする電気絶縁用樹脂組成物。
  2. 前記微粒子の含有量が3〜15質量%である、請求項1記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  3. 前記微粒子の平均粒子径が5〜200nmである、請求項1又は2に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  4. 前記親水基は、ヒドロキシ基であり、前記疎水基は、炭素数1〜8のアルキル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  5. 下記式(1)で表される疎水化率が20〜80mol%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
    疎水化率(mol%)=100{M/(M+MOH)} …(1)
    (式中、Mは前記微粒子の表面における疎水基のモル数であり、MOHは前記微粒子の表面における親水基のモル数である。)
  6. さらに、高熱伝導フィラを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  7. エポキシ樹脂と、硬化剤と、微粒子と、を混合して硬化した材料であって、
    前記微粒子は、線状の凝集体を形成した状態であり、
    前記凝集体は、デンドライト状の構造を有し、
    前記微粒子の基材は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン又は窒化ホウ素で形成されたものであり、
    前記基材の表面には、親水基及び疎水基が共存していることを特徴とする電気絶縁用樹脂硬化物。
  8. さらに、高熱伝導フィラを含む、請求項7記載の電気絶縁用樹脂硬化物。
  9. 積層した導線と、その周囲を覆う絶縁層と、を有し、
    前記絶縁層は、マイカ層と、補強材層と、樹脂硬化物層と、を含み、
    前記樹脂硬化物層は、請求項7又は8に記載の電気絶縁用樹脂硬化物で形成された層である、コイル。
  10. 前記マイカ層は、集成マイカ又ははがしマイカと、前記樹脂硬化物と、を含む、請求項9記載のコイル。
  11. 前記補強材層は、ガラスクロス、ガラス不織布、ポリエステル不織布、ポリエステルフィルム又はポリイミドフィルムと、前記樹脂硬化物と、を含む、請求項9又は10に記載のコイル。
  12. 前記樹脂硬化物は、高熱伝導フィラを更に含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載のコイル。
  13. 請求項9〜12のいずれか一項に記載のコイルを備えた、固定子。
  14. 請求項9〜12のいずれか一項に記載のコイルを備えた、回転機。
  15. エポキシ樹脂と、硬化剤と、微粒子と、高熱伝導フィラと、を混合して硬化した材料であって、
    前記微粒子は、前記エポキシ樹脂と前記硬化剤との開環反応により形成された重合体に包み込まれ線状の凝集体を形成した状態であり、
    前記凝集体は、デンドライト状の構造を有し、
    前記微粒子の基材の表面には、親水基及び疎水基が共存しており、
    前記高熱伝導フィラの周囲には、前記微粒子が配置され、
    前記微粒子は、前記重合体より熱伝導率が高く、かつ、平均粒子径が200nm以下であることを特徴とする電気絶縁用樹脂硬化物。
  16. 前記微粒子の基材は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、窒化ホウ素又はマイカで形成されたものである、請求項15記載の電気絶縁用樹脂硬化物。
  17. 前記微粒子内の隣接する異種原子ペアの原子間距離と、前記高熱伝導フィラ内の隣接する異種元素ペアの原子間距離との差が20%以内である、請求項15又は16に記載の電気絶縁用樹脂硬化物。
  18. 前記高熱伝導フィラは、窒化ホウ素若しくはアルミナ又はこれらの混合物である、請求項15〜17のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂硬化物。
  19. 請求項15〜18のいずれか一項に記載の電気絶縁用樹脂硬化物を用いた、高電圧機器。
JP2014180027A 2013-09-11 2014-09-04 電気絶縁用樹脂組成物及びその硬化物並びにこれを用いたコイル、固定子、回転機及び高電圧機器 Pending JP2015083663A (ja)

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