JP2015081372A - 接触型無電解スズメッキ方法 - Google Patents

接触型無電解スズメッキ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 亜鉛を用いた接触式の無電解メッキ方式により、被メッキ物上にスズ皮膜を均一に形成する。【解決手段】 (A)可溶性第一スズ塩と、(B)金属亜鉛と、(C)オキシカルボン酸類、アミノカルボン酸類などの錯化剤と、(D)カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた界面活性剤を含有する酸性無電解スズメッキ浴に被メッキ物を浸漬して、金属亜鉛(B)と被メッキ物を接触させ、被メッキ物を介して亜鉛の溶解で生じた電子を2価スズイオンに供給して被メッキ物上にスズを析出させる接触無電解スズメッキ方法である。2価スズイオンの特定の錯化剤(オキシカルボン酸類など)と特定種の界面活性剤が共存するため、2価スズイオンの浴中での安定化と、被メッキ物上での亜鉛からスズイオンへの電子の授受を促進させて、被メッキ物上に金属スズを円滑に析出させる。【選択図】 なし

Description

本発明は接触型無電解スズメッキ方法に関して、浴中の金属亜鉛粉体が被メッキ物に接触して電子を授受することで、浴中の2価のスズイオンが還元されて被メッキ物上にスズ皮膜を形成する新規のメッキ方法を提供する。
無電解方式のスズメッキでは、従来、レドックス系還元剤を利用して銅などの被メッキ物上に浴中の2価スズイオンからスズ皮膜を形成するものが知られている。
例えば、特許文献1は、所定の有機スルホン酸と、レドックス系還元剤としての3価チタン塩と、2価スズ塩とを含有する無電解スズメッキ浴であり、3価チタン塩が酸化する際に放出した電子を2価スズイオンに供給して、金属スズを析出させるものである。
特許文献2、特許文献3、特許文献4も、レドックス系還元剤を用いた無電解メッキを基本原理とする点で共通する。
また、特許文献5は、レドックス系還元剤としての第一の金属イオン(チタン、コバルト、鉄、クロムなど)で第二の金属イオン(スズ、ニッケル、コバルト、金、銀、銅など)を還元して析出させることを基本原理とし、酸化されて還元力を失った第一の金属イオンを電解還元により再活性化することを特徴とする。
一方、特許文献6には、レドックス還元型の無電解メッキではなく、導電性媒体を利用した無電解メッキ方法が記載される。
即ち、析出金属に対して電気化学的に卑な導電性媒体を用意し、スズ、ニッケル、コバルト塩などを含有するメッキ浴に当該導電性媒体と電極が形成された被メッキ物を混合し、被メッキ物と導電性媒体を回転、揺動などで接触させながら無電解メッキを行い、被メッキ物上にスズ、ニッケル、コバルトなどのメッキ皮膜を形成する無電解メッキ方法である(請求項1〜2、8、10)。
上記被メッキ物(電極)はニッケル、銅、銀などであり、導電性媒体はアルミニウム、亜鉛、鉄、マンガン、クロム、インジウムなどである(請求項4、10、段落65の表1)。
特公昭59−034229号公報 特開平6−101056号公報 WO2008/081637号公報 WO2009/157334号公報 特開2000−355774号公報 特開2003−183844号公報
上記特許文献6の接触式の無電解メッキにおいては、導電性媒体を構成する金属(アルミニウム、亜鉛、鉄、マンガン、クロムなど)は電極を構成する金属(ニッケル、銅、銀など)よりも電気化学的に卑であるが、メッキ浴中で導電性媒体の金属片を被メッキ物と混合させると、溶解した電極金属片は導電性媒体により影響を受け、電極金属の電位は卑方向にシフトするため、メッキ浴に可溶性塩として含有されるスズ、ニッケルなどが電極金属より電気化学的に貴になり、電極上に析出するというメカニズムが説明される(段落25)。
例えば、同文献6の実施例1(段落68〜71)では、撹拌により銅電極(被メッキ物)と導電性媒体(平均径1ミリの亜鉛)を接触させながら、銅電極上にニッケル皮膜を形成し、さらにその上にスズ皮膜を形成している。
この場合、スズ皮膜を形成するための無電解メッキ浴(pH6)は、スズ塩と、オキシカルボン酸塩と、ノニオン系界面活性剤と、還元剤(ホルムアルデヒドなど)を含有している(段落71)。
そこで、列挙した前記レドックス還元型の無電解メッキではなく、導電性媒体を利用した特許文献6を出発点に、スズメッキ浴中に導電性媒体として例示された亜鉛を銅板(被メッキ物)と共存させて無電解メッキを行うことを試みた。
先ず、亜鉛の板を銅板と共に浴中に浸漬しても、電気化学的な理由で亜鉛板にスズが優先析出してしまうので、上記文献6の実施例1に準拠したメッキ浴を用いて、亜鉛の粉体を銅板に接触させながら無電解スズメッキ(つまり、接触式の無電解メッキ)を行ったが、銅板上にスズ皮膜を均一に析出させるには至らなかった。
本発明は、亜鉛を用いた接触式の無電解メッキ方式により、被メッキ物上にスズ皮膜を均一に形成することを技術的課題とする。
本発明者らは、亜鉛の粉体を用いた接触式の無電解スズメッキを鋭意研究した結果、スズ皮膜を円滑に析出させるには、メッキ浴にオキシカルボン酸類、アミノカルボン酸類などの所定の錯化剤に含有し、さらに界面活性剤を共存させるとともに、当該界面活性剤の種別の選択が重要であることを突き止めた。
前記特許文献6のスズメッキ浴では、界面活性剤としてポリエチレングリコールを含有しているが、このようなノニオン系の界面活性剤ではなく、カチオン系、或いは両性から選ばれた特定種の界面活性剤を共存させると、銅板などの被メッキ物上にスズ皮膜を均一に析出できることを見い出して、本発明を完成した。
即ち、本発明1は、(A)可溶性第一スズ塩と、
(B)金属亜鉛と、
(C)オキシカルボン酸類、アミノカルボン酸類、ポリアミン類、ポリカルボン酸類よりなる群から選ばれた錯化剤の少なくとも一種と、
(D)カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた界面活性剤の少なくとも一種
とを含有する酸性無電解スズメッキ浴に被メッキ物を浸漬して、
上記金属亜鉛(B)と被メッキ物とを接触させて、被メッキ物上にスズを析出させることを特徴とする接触型無電解スズメッキ方法。
本発明2は、上記本発明1において、オキシカルボン酸類(C)が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、ゴルコヘプトン酸、グリコール酸、乳酸、トリオキシ酪酸、アスコルビン酸、イソクエン酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ロイシン酸、シトラマル酸、及びこれらの塩よりなる群から選ばれたオキシカルボン酸類の少なくとも一種であることを特徴とする接触型無電解スズメッキ方法である。
本発明3は、上記本発明1又は2において、アミノカルボン酸類(C)が、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、イミノジプロピオン酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、メタフェニレンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N′,N′−四酢酸、ジアミノプロピオン酸、グルタミン酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、オルニチン、システイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、(S、S)−エチレンジアミンコハク酸及びこれらの塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする接触型無電解スズメッキ方法である。
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、ポリアミン類(C)が、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミンよりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする接触型無電解スズメッキ方法である。
本発明5は、上記本発明1〜4のいずれかにおいて、ポリカルボン酸類(C)が、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン酸、シュウ酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸及びこれらの塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする接触型無電解スズメッキ方法である。
本発明では、酸性メッキ浴中にスズより電気化学的に卑な亜鉛を含有しても、亜鉛の接触のない状態では被メッキ物(銅板など)にスズの析出はないが、撹拌、振動、揺動などを加えて金属亜鉛を被メッキ物に接触させると、被メッキ物に触れた瞬間に金属亜鉛は溶解して電子を放出し、被メッキ物に臨む2価スズイオンに電子を供給する。即ち、銅板などの被メッキ物の表面を介して金属亜鉛と浴中の2価スズイオンとの間で電子の授受が行われ、被メッキ物上に金属スズが析出するのである。
この場合、スズメッキ浴中には2価スズイオンの錯化剤としてのオキシカルボン酸類、アミノカルボン酸類などが含まれるとともに、カチオン系、両性から選ばれた特定種の界面活性剤が共存するため、2価スズイオンの浴中での安定化と、被メッキ物表面への亜鉛の吸着と亜鉛からスズイオンへの電子の授受を円滑に進行させて、亜鉛から放出された電子がスズイオンを還元して被メッキ物上に金属スズを析出させることになる。
ちなみに、浴中に被メッキ物と金属亜鉛を非接触状態で浸漬すると、浴中のスズイオンと亜鉛との間に置換メッキ反応が起こるが、被メッキ物(銅板など)にスズは析出しない(後述の比較例1参照)。
これに対して、導電性媒体を被メッキ物と共にメッキ浴に共存させる前記特許文献6では、被メッキ物である電極金属片(ニッケル、銅、銀など)は導電性媒体(アルミニウム、亜鉛、鉄、マンガン、クロムなど)により影響を受け、電極金属(被メッキ物)の電位は卑方向にシフトするため、メッキ浴中に可溶性塩として含まれるスズ、ニッケルなどの金属が相対的に貴になって電極上に析出すると説明されるが(段落25)、本発明では、詳細なメカニズムは不明な部分もあるが、被メッキ物の電極電位がシフトするのではなく、メッキ浴に投入される金属亜鉛が被メッキ物に接触して電子を放出し、被メッキ物近傍の2価スズイオンに電子を供給して還元し、金属スズが析出する。
本発明は、可溶性第一スズ塩(A)と、金属亜鉛(B)と、所定の錯化剤と、カチオン系、両性から選ばれた特定種の界面活性剤(D)を含有する酸性無電解スズメッキ浴に被メッキ物を浸漬し、金属亜鉛(B)を被メッキ物に接触させて、被メッキ物上にスズを析出させる接触型無電解スズメッキ方法である。
本発明の無電解スズメッキ浴に含有される上記可溶性第一スズ塩(A)は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、スルホコハク酸、p−フェノールスルホン酸などの有機スルホン酸の第一スズ塩を初め、ホウフッ化第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、塩化第一スズ、亜スズ酸ナトリウム、亜スズ酸カリウム、ピロリン酸第一スズなどである。
可溶性第一スズ塩の浴中の含有量は0.001〜1.0モル/L、好ましくは0.01〜0.5モル/L、より好ましくは0.02〜0.3モル/Lである。
上記金属亜鉛(B)の形態については、粒子、粉末、塊状物、小切片などであり、メッキ浴への円滑な溶解性の見地から、粒子の場合には0.1〜100μm程度の大きさが一般的で、好ましくは0.5〜50μmであり、より好ましくは1.0〜30μmである。
金属亜鉛の含有量は0.01〜0.5モル/L、好ましくは0.02〜0.2モル/Lである。
本発明の無電解メッキ浴は酸性浴であり、金属亜鉛を円滑に溶解する。浴のpHは6以下が一般的で、好ましくはpH1〜5、より好ましくはpH3〜4である。
上記錯化剤(C)は2価スズイオンに作用してメッキ浴を安定させるための添加剤であり、オキシカルボン酸類、アミノカルボン酸類、ポリアミン類、ポリカルボン酸類よりなる群から選ばれる。
オキシカルボン酸類には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、ゴルコヘプトン酸、グリコール酸、乳酸、トリオキシ酪酸、アスコルビン酸、イソクエン酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ロイシン酸、シトラマル酸、及びこれらの塩が挙げられる。
アミノカルボン酸類には、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、イミノジプロピオン酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、メタフェニレンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N′,N′−四酢酸、ジアミノプロピオン酸、グルタミン酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、オルニチン、システイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、(S、S)−エチレンジアミンコハク酸及びこれらの塩が挙げられる。
ポリアミン類には、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミンなどが挙げられる。
ポリカルボン酸類が、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン酸、シュウ酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸及びこれらの塩が挙げられる。
上記錯化剤は単用又は併用でき、その浴中の含有量は0.01〜2.0モル/L、好ましくは0.1〜1.0モル/Lである。
本発明の無電解スズメッキ浴に含有する界面活性剤には、カチオン系、両性の界面活性剤を選択することが必要である。
上記カチオン系界面活性剤としては、モノ〜トリアルキルアミン塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、トリメチルアルキルアンモニウム塩、ベンジルジメチルアルキルアンモニウム塩などが挙げられる。
上記カチオン系界面活性剤を一般式で表すと、下記の第4級アンモニウム塩(a)、ピリジニウム塩(b)などが挙げられる。
(R1・R2・R3・R4N)+・X- …(a)
(式(a)中、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R1、R2及びR3は同一又は異なるC1〜C20アルキル、R4はC1〜C10アルキル又はベンジルを示す。)
R6−(C5H5N−R5)+・X- …(b)
(式(c)中、C5H5Nはピリジン環、Xはハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C5アルカンスルホン酸又は硫酸、R5はC1〜C20アルキル、R6はH又はC1〜C10アルキルを示す。)
塩形態のカチオン系界面活性剤の具体例としては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、ラウリルジメチルエチルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルエチルアンモニウム塩、ジメチルベンジルラウリルアンモニウム塩、セチルジメチルベンジルアンモニウム塩、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム塩、トリメチルベンジルアンモニウム塩、トリエチルベンジルアンモニウム塩、ヘキサデシルピリジニウム塩、ラウリルピリジニウム塩、ドデシルピリジニウム塩、ステアリルアミンアセテート、ラウリルアミンアセテート、オクタデシルアミンアセテートなどが挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。また、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化、或はスルホン酸化付加物も使用できる。
代表的なカルボキシベタイン、或はイミダゾリンベタインは、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−ウンデシル−1−カルボキシメチル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、2−オクチル−1−カルボキシメチル−1−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられ、硫酸化及びスルホン酸化付加物としてはエトキシル化アルキルアミンの硫酸付加物、スルホン酸化ラウリル酸誘導体ナトリウム塩などが挙げられる。
上記スルホベタインとしては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、N−ココイルメチルタウリンナトリウム、N−パルミトイルメチルタウリンナトリウムなどが挙げられる。アミノカルボン酸としては、ジオクチルアミノエチルグリシン、N−ラウリルアミノプロピオン酸、オクチルジ(アミノエチル)グリシンナトリウム塩などが挙げられる。
上記特定種の界面活性剤は単用又は併用でき、その含有量は0.01〜50g/L、好ましくは0.05〜10g/Lである。
本発明の無電解スズメッキ浴には上記主要成分の外に、界面活性剤、酸化防止剤、光沢剤、半光沢剤、pH調整剤などの各種添加剤を含有できる。
本発明は、カチオン系、両性の特定種の界面活性剤をメッキ浴に選択添加することを特徴とするが、これら特定種以外の通常のノニオン系、或いはアニオン系の界面活性剤を添加することを排除するものではなく、メッキ皮膜の外観、緻密性、平滑性、密着性などの改善に寄与する。
上記アニオン系界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。
上記ノニオン系界面活性剤としては、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシルリン酸(塩)、ソルビタンエステル、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合させたものなどが挙げられる。
上記酸化防止剤は可溶性第一スズ塩の第二スズ塩への酸化を防止する目的で含有され、次亜リン酸類を初め、アスコルビン酸又はその塩、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、フロログルシン、クレゾールスルホン酸又はその塩、フェノールスルホン酸又はその塩、カテコールスルホン酸又はその塩、ハイドロキノンスルホン酸又はその塩、ヒドラジンなどが挙げられる。
上記光沢剤、或は半光沢剤としては、ベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、2,4,6−トリクロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、フルフラール、1−ナフトアルデヒド、2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、3−アセナフトアルデヒド、ベンジリデンアセトン、ピリジデンアセトン、フルフリルデンアセトン、シンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、サリチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、グルタルアルデヒド、パラアルデヒド、バニリンなどの各種アルデヒド、トリアジン、イミダゾール、インドール、キノリン、2−ビニルピリジン、アニリン、フェナントロリン、ネオクプロイン、ピコリン酸、チオ尿素類、N―(3―ヒドロキシブチリデン)―p―スルファニル酸、N―ブチリデンスルファニル酸、N―シンナモイリデンスルファニル酸、2,4―ジアミノ―6―(2′―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―エチル―4―メチルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、2,4―ジアミノ―6―(2′―ウンデシルイミダゾリル(1′))エチル―1,3,5―トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール、2−メルカトプトベンゾチアゾール、2―メチルベンゾチアゾール、2―アミノベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メトキシベンゾチアゾール、2―メチル―5―クロロベンゾチアゾール、2―ヒドロキシベンゾチアゾール、2―アミノ―6―メチルベンゾチアゾール、2―クロロベンゾチアゾール、2,5―ジメチルベンゾチアゾール、5―ヒドロキシ―2―メチルベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール類などが挙げられる。
上記pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の各種の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸類、ホウ酸類、リン酸類、シュウ酸、コハク酸等のジカルボン酸類、乳酸、酒石酸等のオキシカルボン酸類などの有機酸、或は、アンモニア水、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の各種の塩基などが挙げられる。
本発明では、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金などの被メッキ物を酸性メッキ浴に浸漬するとともに、メッキ浴に投入した金属亜鉛を被メッキ物に接触させることが必要である。
この場合、銅、銅合金、ニッケル又はニッケル合金などの被メッキ物(つまり、素地)には、予備処理を行うことが好ましく、例えば、当該素地をパラジウム塩の溶液に浸漬して、金属パラジウムによる触媒核を付与する予備処理を施した後、本発明の接触型無電解メッキを行うことが好適である。
上記接触形態としては撹拌、振動(例えば、超音波振動等)、揺動などの任意の操作が挙げられ、金属亜鉛を被メッキ物に均一接触させることが重要で、被メッキ物の表面において亜鉛と2価スズイオンの間に電子が授受されるようにする。即ち、金属亜鉛と被メッキ物の接触により、被メッキ物を介して亜鉛の溶解で生じた電子が2価スズイオンに供給され、被メッキ物上にスズが析出する。
メッキ工程では所定の無電解スズメッキが行われ、浴温は10〜80℃、析出速度を増す点では40℃以上が好ましいが、当該条件に制限されるものではない。
本発明の無電解メッキによりスズ皮膜を形成する対象の被メッキ物が電子部品である場合、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、半導体集積回路、抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、スイッチ、リード線などが好適である。
以下、本発明の接触型無電解スズメッキ浴並びに当該浴を用いて接触型無電解メッキを行った実施例、上記実施例で得られたスズ皮膜の外観評価試験例を順次説明する。
上記実施例、試験例の「部」、「%」は基本的に重量基準である。
尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されることなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
《接触型無電解スズメッキ方法の実施例》
下記の実施例1〜14のうち、実施例1は錯化剤にオキシカルボン酸塩、界面活性剤にカチオン性界面活性剤を使用した基本例であり、実施例2は基本例の可溶性第一スズ塩を変更した例、実施例3〜4は基本例のオキシカルボン酸類を変更した例、実施例5は基本例の錯化剤をアミノカルボン酸類に変更した例、実施例6は基本例の錯化剤をポリカルボン酸類に変更した例、実施例7は基本例のpHを下げた例、実施例8は基本例の錯化剤をポリアミン類に変更しpHを下げた例、実施例9は基本例の界面活性剤を両性に変更した例、実施例10は基本例のカチオン性界面活性剤の種類を変更した例、実施例11は前記実施例2の可溶性第一スズ塩とオキシカルボン酸類と金属亜鉛の濃度を変更した例、実施例12は前記実施例2の可溶性第一スズ塩と金属亜鉛の濃度を変更し、錯化剤にオキシカルボン酸類とアミノカルボン酸類を併用し、界面活性剤の種類を変更した例、実施例13は前記実施例2の錯化剤と界面活性剤の種類を変更した例、実施例14は前記実施例2の錯化剤と界面活性剤の種類を変更し、錯化剤の濃度を変更した例である。
一方、下記の比較例1〜4のうち、比較例1は金属亜鉛と被メッキ物である銅板とを非接触条件下で無電解メッキした例、比較例2は本発明の界面活性剤を含有しないブランク例、比較例3は本発明の特定の界面活性剤ではなく、ノニオン系界面活性剤を含有した冒述の特許文献6の準拠例、比較例4は本発明の錯化剤を含有しないブランク例である。
(1)実施例1
先ず、次のパラジウム触媒核の付与浴に25mm×25mmの銅板を浸漬し、下記の条件で銅素地に触媒核を付与した。
[パラジウム触媒核付与浴]
塩化パラジウム(Pd2+として) 1000mg/L
塩酸 0.1モル/L
[触媒核付与条件]
浴温:30℃
時間:60秒
続いて、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、メッキ浴中に触媒付与した銅板を浸漬するとともに、平均粒径5mμ程度の金属亜鉛粒子を多数投入し(投入量は下記の浴組成の亜鉛粒子の量参照)、スターラーで撹拌して金属亜鉛粒子が銅板に均一接触するようにして、下記のメッキ条件で接触型無電解スズメッキを行った。
[酸性無電解スズメッキ浴]
メタンスルホン酸第一スズ 0.08モル/L
クエン酸3ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:3.80μm
(2)実施例2
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
硫酸第一スズ 0.08モル/L
クエン酸3ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:4.50μm
(3)実施例3
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
メタンスルホン酸第一スズ 0.08モル/L
グルコン酸ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:3.50μm
(4)実施例4
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
メタンスルホン酸第一スズ 0.08モル/L
リンゴ酸 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:3.30μm
(5)実施例5
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
メタンスルホン酸第一スズ 0.08モル/L
ニトリロ三酢酸3ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:2.50μm
(6)実施例6
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
メタンスルホン酸第一スズ 0.08モル/L
コハク酸 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:2.00μm
(7)実施例7
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
メタンスルホン酸第一スズ 0.08モル/L
クエン酸3ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 1.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:1.50μm
(8)実施例8
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
メタンスルホン酸第一スズ 0.08モル/L
エチレンジアミン 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 2.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:1.80μm
(9)実施例9
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
メタンスルホン酸第一スズ 0.08モル/L
クエン酸3ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
2−N−オクチル−N−カルボキシメチル−N−
カルボキシメトキシエチルイミダゾリウムベタイン 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:4.00μm
(10)実施例10
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
メタンスルホン酸第一スズ 0.08モル/L
クエン酸3ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
セチルトリメチルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:3.50μm
(11)実施例11
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
硫酸第一スズ 0.06モル/L
クエン酸3ナトリウム 0.4モル/L
亜鉛粒子 0.07モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:3.60μm
(12)実施例12
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
硫酸第一スズ 0.07モル/L
クエン酸3ナトリウム 0.3モル/L
ニトリロ三酢酸3ナトリウム 0.1モル/L
亜鉛粒子 0.07モル/L
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:3.00μm
(13)実施例13
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
硫酸第一スズ 0.08モル/L
コハク酸2ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:3.40μm
(14)実施例14
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
硫酸酸第一スズ 0.08モル/L
シュウ酸2ナトリウム 0.2モル/L
ニトリロ三酢酸3ナトリウム 0.2モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
2−N−オクチル−N−カルボキシメチル−N−
カルボキシメトキシエチルイミダゾリウムベタイン 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:3.10μm
(15)比較例1
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴した。続いて、下記の組成で無電解スズメッキ浴を建浴し、メッキ浴中に触媒付与した銅板(被メッキ物)を浸漬するとともに、当該銅板から離間させて平均粒径1mm程度の金属亜鉛の塊状物10個程度を収容したザルを浸漬し、金属亜鉛が入ったザルを被メッキ物から非接触の状態に保持して無電解スズメッキを行った。
硫酸第一スズ 0.08モル/L
クエン酸3ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛の塊状物 0.08モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:0μm
(16)比較例2
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴した。続いて、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
硫酸第一スズ 0.08モル/L
クエン酸3ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:0μm
(17)比較例3
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴した。続いて、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
硫酸第一スズ 0.08モル/L
クエン酸3ナトリウム 0.3モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ジブチル−β−ナフトールポリエトキシレート(EO15) 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:0μm
(18)比較例4
上記実施例1と同じ条件で25mm×25mmの銅板にパラジウム触媒核を付与した後、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴した。続いて、次の組成で酸性無電解スズメッキ浴を建浴し、実施例1と同じ操作で接触型無電解スズメッキを行った。
硫酸第一スズ 0.08モル/L
亜鉛粒子 0.08モル/L
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド 0.1g/L
pH 3.0
[メッキ条件]
浴温:40℃
時間:60分
膜厚結果:0μm
《スズ皮膜の外観評価試験例》
そこで、上記実施例1〜14並びに比較例1〜4の各無電解スズメッキの操作後に、被メッキ物である銅板を目視観察して、銅板に形成されたスズメッキ皮膜の外観の優劣を次の基準で評価した。
○:メッキ皮膜は均一な灰色外観を呈した。
△:メッキ皮膜は不均一でムラのある灰色外観であった。
×:無メッキであった。
下表Aはその結果である。尚、各実施例及び比較例では、銅板に形成されたスズ皮膜の膜厚を記載したが、下表でも当該膜厚を併記する。「−−」はスズ皮膜の析出がなかったことを示す。
[表A] 皮膜外観 膜厚(μm) 皮膜外観 膜厚(μm)
実施例1 ○ 3.80 比較例1 × −−
実施例2 ○ 4.50 比較例2 × −−
実施例3 ○ 3.50 比較例3 × −−
実施例4 ○ 3.30 比較例4 × −−
実施例5 ○ 2.50
実施例6 ○ 2.00
実施例7 ○ 1.50
実施例8 ○ 1.80
実施例9 ○ 4.00
実施例10 ○ 3.50
実施例11 ○ 3.60
実施例12 ○ 3.00
実施例13 ○ 3.40
実施例14 ○ 3.10
《スズ皮膜の総合評価》
上表Aによれば、スズメッキ浴中に銅板(被メッキ物)と金属亜鉛を非接触で離間浸漬して無電解メッキを行った比較例1では、亜鉛がスズより電気化学的に卑であるため、電気化学的に貴なスズが亜鉛塊状物の表面に置換析出したが、本発明のメッキ対象である銅板にはスズの析出は認められなかった。
本発明の特定の界面活性剤を含有しない比較例2、或いは、本発明の特定の界面活性剤とは異なるノニオン性界面活性剤を含有した比較例3では、実施例1(基本例)と同様の接触型無電解メッキを行ったが、銅板にスズの析出はなかった。本発明では電荷を有するカチオン系、或いは両性の界面活性剤を使用するが、比較例2では界面活性剤を使用せず、また、比較例3では電荷のないノニオン性界面活性剤を使用したことが、これがスズの析出しない結果に影響したものと思われる。
本発明の錯化剤を含有しない比較例4でも、同様に接触メッキを行ったが、銅板にスズの析出はなかった。
これに対して、本発明の錯化剤と特定の界面活性剤を含有し、且つ、銅板に金属亜鉛粉末を接触させて無電解メッキを行った実施例1〜14では、いずれも銅板にスズが析出し、且つ、スズ皮膜は均一な灰色外観を呈した。
従って、先ず、実施例1〜14を比較例1と対比すると、被メッキ物である銅板上にスズ皮膜を析出させるためには、当該銅板に金属亜鉛を接触した状態下で無電解メッキすることの重要性が裏付けられた。
即ち、銅板(被メッキ物)の金属表面が亜鉛からスズイオンへの電子の授受の場になり、亜鉛が銅板に接触しなければ亜鉛から放出された電子はスズイオンには受け渡されないことが判断できる。
次いで、実施例1〜14を比較例2〜5と対比すると、接触状態で無電解メッキを行っても、メッキ浴に特定の錯化剤並びに界面活性剤の含有がなければスズ皮膜の析出はなく、これら所定成分を含有することの重要性が確認できた。
そこで、実施例1〜14について詳述すると、本発明の錯化剤としてオキシカルボン酸類を含有した実施例1〜4、7、9〜11、アミノカルボン酸類を含有した実施例5、ポリアミン類を含有した実施例8、ポリカルボン酸類を含有した実施例6、13では、共に均一なスズ皮膜が得られた。当然ながら、オキシカルボン酸類とアミノカルボン酸類を併用した実施例12、ポリカルボン酸類とアミノカルボン酸類を併用した実施例14でも、均一なスズ皮膜が得られた。
界面活性剤については、両性界面活性剤を含有した実施例9、12〜14と、カチオン性界面活性剤を含有したその他の実施例では、均一なスズ皮膜が得られる点は共通であった。
酸性域のpHを変化させた実施例1、7〜8、或いは、成分が共通でその濃度を変化させた実施例2と11では、均一なスズ皮膜が得られる点に差異はなかった。但し、実施例1と7に見るように、スズ膜厚を厚くするには弱酸性浴の方が有利である。
また、実施例1、実施例2、実施例9では、相対的にスズ皮膜が厚く析出した。

Claims (5)

  1. (A)可溶性第一スズ塩と、
    (B)金属亜鉛と、
    (C)オキシカルボン酸類、アミノカルボン酸類、ポリアミン類、ポリカルボン酸類よりなる群から選ばれた錯化剤の少なくとも一種と、
    (D)カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた界面活性剤の少なくとも一種
    とを含有する酸性無電解スズメッキ浴に被メッキ物を浸漬して、
    上記金属亜鉛(B)と被メッキ物とを接触させて、被メッキ物上にスズを析出させることを特徴とする接触型無電解スズメッキ方法。
  2. オキシカルボン酸類(C)が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、ゴルコヘプトン酸、グリコール酸、乳酸、トリオキシ酪酸、アスコルビン酸、イソクエン酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、ロイシン酸、シトラマル酸、及びこれらの塩よりなる群から選ばれたオキシカルボン酸類の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の接触型無電解スズメッキ方法。
  3. アミノカルボン酸類(C)が、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、イミノジプロピオン酸、1,3−プロパンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、メタフェニレンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N′,N′−四酢酸、ジアミノプロピオン酸、グルタミン酸、ジカルボキシメチルグルタミン酸、オルニチン、システイン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、(S、S)−エチレンジアミンコハク酸及びこれらの塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の接触型無電解スズメッキ方法。
  4. ポリアミン類(C)が、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミンよりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接触型無電解スズメッキ方法。
  5. ポリカルボン酸類(C)が、コハク酸、グルタル酸、マロン酸、アジピン酸、シュウ酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、メサコン酸及びこれらの塩よりなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接触型無電解スズメッキ方法。
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