JP2015081285A - ディスプレイ基板用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
これらのデバイスにはガラス基板上に様々な電子素子、例えば、薄膜トランジスタや透明電極等が形成されているが、このガラス材料を柔軟かつ軽量な樹脂材料に替えることで、パネル自体の薄型化や軽量化、フレキシブル化が図れる。そして、その樹脂材料としては、ポリイミドが注目を集めており、ポリイミドフィルムに関する種々の報告がなされている。(例えば特許文献1,2参照)。
ところで、ディスプレイの基板として用いるには、透明性に優れるだけでなく、リタデーションが低い材料であることが望ましい。リタデーション(位相差)とは、複屈折率と膜厚と積であって、複屈折率とは、面内方向と垂直方向の屈折率の差であるが、大きなリタデーションは、ディスプレイの表示品質の低下を招く原因となり得る(例えば特許文献3参照)。
また、本発明は、透明性に優れるだけでなく、リタデーションが低く、さらに柔軟性に優れるという特徴をも有する、ディスプレイのベースフィルムとしてより好適な樹脂薄膜を与えるディスプレイ基板用樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち、
1.(A)式(1−1)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸、
(式中、X1は、4価の有機基を表し、Y1は、2価の有機基を表す。)
(B)式(2)で表されるジイミド化合物、
〔式中、R1およびR2は、互いに独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、R3〜R6は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、フェニル基で置換されてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、もしくはフェニル基で置換されてもよい炭素数2〜20のアルキニル基を表すか、またはR3とR4もしくは/およびR5とR6は、互いに結合して、式(3)〜(12)から選ばれる2価の基を表し、
(式中、R7は、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、n3は、0〜4の整数を表し、R7が複数存在する場合、各R7は、互いに同一であっても異なっていてもよい。)L1は、式(L−1)〜(L−19)から選ばれる2価の基を表し、n1およびn2は、0〜4の整数を表す。〕
および(C)有機溶媒を含むディスプレイ基板用樹脂組成物、
2.前記ポリアミック酸が、式(1−2)で表される繰り返し単位を50%以上含有するポリアミック酸である1のディスプレイ基板用樹脂組成物、
〔式中、X2は、式(X−1)〜(X−14)から選ばれる4価の基を表し、
(式中、R8は、水素原子またはメチル基を表し、R9は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基を表し、mは、1または2を表し、qは、1または2を表し、各R8は、互いに同一であっても異なっていてもよく、R9が複数存在する場合、各R9は、互いに同一であっても異なっていてもよい。)Y2は、式(Y−1)〜(Y−6)から選ばれる2価の基を表す。〕
3.1または2のディスプレイ基板用樹脂組成物を用いて作製されるディスプレイ基板用樹脂薄膜、
4.3のディスプレイ基板用樹脂薄膜を備える画像表示装置、
5.1または2のディスプレイ基板用樹脂組成物を用いるディスプレイ基板用樹脂薄膜の製造方法、
6.3のディスプレイ基板用樹脂薄膜を用いる画像表示装置の製造方法
を提供する。
また、本発明は、透明性に優れ、さらにリダデーションが低く、さらに柔軟性にも優れたディスプレイの基板材料としてより好適な樹脂薄膜を与える樹脂組成物とそのような樹脂薄膜を提供する。
本発明のディスプレイ基板用樹脂組成物は、(A)成分として、式(1−1)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸を含む。
X1としては、酸二無水物から誘導される4価の基が挙げられ、このような酸無水物の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルフィド二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−メチルフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−(2,3−ジメチルフェニレン)ビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4,4’−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、2,6−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)2,2−ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ビフェニル二無水物、2,2−ビス〔(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、N,N’−(2,2’−ビス{トリフルオロメチル}−[1,1’−ビフェニル] −4,4’−ジイル)ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロキシベンゾフラン−5−カルボキシアミド)等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ジ(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジエチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジプロピル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジブチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジペンチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジヘキシル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジシクロペンチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(ジオキソテトラヒドロフリル−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、メチルノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタノン−α’−スピロ−2’’−(メチルノルボルナン)−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、メチルノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘキサノン−α’−スピロ−2’’−(メチルノルボルナン)−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロプロパノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロブタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロヘプタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロオクタノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロノナノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロウンデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロドデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロトリデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロテトラデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−シクロペンタデカノン−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−(メチルシクロペンタノン)−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物、ノルボルナン−2−スピロ−α−(メチルシクロヘキサノン)−α’−スピロ−2’’−ノルボルナン−5,5’’,6,6’’−テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族酸無水物が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらは単独でも、2種以上を混合して用いることもできる。用いる酸二無水物は、所望の特性を勘案して適宜選択することができる。
R9は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基を表し、qは、1または2を表し、mは、ベンゼン環に置換するR9の数を示し、1または2を表すが、R9は、トリフルオロメチル基が好ましく、qは2が好ましく、mは1が好ましい。なお、R9が複数存在する場合、各R9は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
炭素数1〜20のアルキル基の具体例としては、炭素数1〜60のアルキル基の具体例としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、基等が挙げられる。
その具体例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル基、ノナフルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,6−ウンデカフロオロヘキシル基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基などが挙げられる。
n1およびn2は、ベンゼン環に置換するR1およびR2の数を示し、0〜4の整数であるが、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。
フェニル基で置換されてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、フェニルエチニル基等が挙げられるが、これに限定されるわけではない。
その他、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基としては、上記と同様のものが挙げられる。
n3は、ベンゼン環に置換するR7の数を示し、0〜4の整数を表す。
有機溶媒は、(A)成分および(B)成分を良好に溶解し得る溶媒であれば特に限定されるものではないが、その具体例としては、m−クレゾール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−プロポキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−イソプロポキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−sec−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、γ−ブチロラクトン等のプロトン性溶媒などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、平坦性の高い樹脂薄膜を再現性よく得ることを考慮すると、式(13)または(14)で表される有機溶媒が好ましい。
(式中、各R’は、互いに独立に、炭素数1〜4のアルキル基を表し、hは、1〜5の整数を表す。)
(式中、X1およびY1は、前記と同じ意味を示す。)
式(16)で表されるジアミンの例としては、Y1を誘導するジアミンの具体例として挙げた上記ジアミンが挙げられる。
なお、式(1−2)で表される繰り返し単位を50モル%以上含有するポリアミック酸を合成する場合には、X2で表される構造を含む酸二無水物の割合が、用いる酸二無水物成分全体の50モル%以上、Y2で表される構造を含むジアミン成分の割合が、用いるジアミン成分全体の50モル%以上、という仕込み条件にてポリアミック酸の合成を行う。
具体例としては、m−クレゾール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−プロポキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−イソプロポキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−sec−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、3−tert−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピルアミド、γ−ブチロラクトン等のプロトン性溶剤等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
反応時間は、反応温度や原料物質の反応性に依存するため一概に規定できないが、通常1〜100時間程度である。
以上説明した方法によって、目的とするポリアミック酸を含む反応溶液を得ることができる。
触媒の使用量は、式(17)で表されるジアミンに対して0.01〜200モル%が好ましく、特に、0.1〜100モル%が好適である。
脱水剤としては、カルボン酸無水物、カルボジイミド等の一般的に使用されるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは酢酸無水物であり、その使用量は、式(17)で表されるジアミンに対して、通常1〜100重量部程度である。
具体例としては、非プロトン性極性有機溶媒類(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラメチルウレア、スルホラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、脂肪族炭化水素類(ペンタン、ヘキサン、c−ヘキサン、オクタン、デカン、デカリン、石油エーテル等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、アルコキシアルカン類(ジメトキシエタン、ジエトキシエタン等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)などが挙げられ、これは単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。またジアミンと酸二無水物を反応させる工程と、脱水閉環反応の工程とでは、別々の溶媒を用いることもできる。
反応終了後は、常法に従って後処理をし、目的とするジイミド化合物を得ることができる。
希釈や濃縮に用いる溶媒は、特に限定されるものではなく、例えば、上記反応の反応溶媒の具体例と同様のものが挙げられ、それらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、平坦性の高い樹脂薄膜を再現性よく得ることを考慮すると、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましい。
また、ジイミド化合物のワニス総質量に対する濃度は、作製する薄膜の厚みやワニス粘度等を勘案して適宜設定するものではあるが、通常1〜40質量%程度、好ましくは 5〜30質量%程度である。
また、ワニスの粘度も、作製する薄膜の厚み等勘案し適宜設定するものではあるが、特に5〜50μm程度の厚さの樹脂薄膜を再現性よく得ること目的とする場合、通常、25℃で500〜50,000mPa・s程度、好ましくは1,000〜20,000mPa・s程度である。
基体(基材)としては、例えば、プラスチック(ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、エポキシ、メラミン、トリアセチルセルロース、ABS、AS、ノルボルネン系樹脂等)、金属、木材、紙、ガラス、スレート等が挙げられるが、得られる樹脂薄膜が良好な剥離性を示すことから、ガラス基体が最適である
また、得られる樹脂薄膜の耐熱性と線膨張係数特性を考慮すると、塗布した樹脂組成物を50℃〜100℃で5分間〜2時間加熱した後に、そのまま段階的に加熱温度を上昇させて最終的に375℃超〜450℃で30分〜4時間加熱することが望ましい。
特に、塗布した樹脂組成物は、50℃〜100℃で5分間〜2時間加熱した後に、100℃超〜200℃で5分間〜2時間、次いで、200℃超〜375℃で5分間〜2時間、最後に375℃超〜450℃で30分〜4時間加熱することが好ましい。
加熱に用いる器具は、例えばホットプレート、オーブン等が挙げられる。加熱雰囲気は、空気下であっても不活性ガス下であってもよく、また、常圧下であっても減圧下であってもよい。
NMP:N−メチルピロリドン(関東化学(株)製)
PDA:p−フェニレンジアミン(東京化成工業(株)製)
TFMB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル) ビフェニル‐4,4’ −ジアミン(東京化成工業(株)製)
BAPB:4,4'−ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル(和歌山精化工業(株)製)
BABP:ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン (ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケトン) (Changzhou Sunlight Pharmaceutical Co., Ltd.製)
FAL:9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン (JFEケミカル(株)製)
6FDA:2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物(Sigma−Aldrich Co.LLC.(製))
CF3−BP−TMA:N,N’−(2,2’−ビス{トリフルオロメチル}−[1,1’−ビフェニル] −4,4’−ジイル)ビス(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロキシベンゾフラン−5−カルボキシアミド)
BMI−70:ビス−(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン(ケイアイ化成(株)製)
BMI−80:ビス−{4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル}プロパン(ケイアイ化成(株)製)
〔製造例1〕CF3−BP−TMAの合成
ポリテトラフルオロエチレン製のシール栓に4枚羽根撹拌翼を具備したステンレス製撹拌棒を備えた撹拌機、窒素導入管を備えた、500mLのガラス製セパラブルフラスコに、トリメリット酸無水物クロライド67.4gを入れ、酢酸エチル190gとn−ヘキサン190gからなる混合溶媒を加えて溶解させ、溶液Aを調製した。更に別の容器にTFMB25.6gを酢酸エチル72gとn−ヘキサン72gからなる混合溶媒を加えて溶解させ、脱酸剤としてプロピレンオキサイド9.2gを加えて溶液Bを調製した。
エタノールアイスバス中で−20℃程度に冷却下で、溶液Aに攪拌下溶液Bを滴下して3時間攪拌し、その後室温で12時間攪拌した。析出物を濾別し、酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶媒(体積比1:1)でよく洗浄した。その後、濾別し、60℃で12時間、さらに120℃で12時間真空乾燥して収率70%で白色の生成物を得た。
〔製造例2〕ポリマー1(P1)の合成
窒素雰囲気下で、TFMB32.7g、PDA4.50g、およびBAPB0.81gをNMP672gに溶解させ、そこへCF3−BP−TMA78.3gおよび6FDA11.7gを加え、23℃で24時間撹拌してポリマーを得た。得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は50000、分子量分布は3.1であった。
窒素雰囲気下、TFMB5.44g、FDA1.33g、およびBABP0.156gをNMP 80gに溶解あせ、そこへCF3−BP−TMA11.4gおよび6FDA1.70gを加え、23℃で24時間撹拌してポリマーを得た。得られたポリマーのMwは30000、分子量分布は2.6であった。
〔実施例1〜4および比較例1〜2〕
表1に従い、ポリマー溶液、BMIおよび溶媒を混合し、その混合物を室温で10時間程度攪拌して樹脂組成物を調製した。なお、樹脂組成物はろ過してから、後述の樹脂薄膜の製造に使用した。
〔実施例5〜8および比較例3〜4〕
実施例1〜4、比較例1〜2の樹脂組成物をバーコーターでガラス基板上に塗布し、減圧下で、110℃で10分間、次いで230℃30分間、次いで400℃120分間、順次ベークして樹脂薄膜を製造した。そして、得られた各樹脂薄膜について、下記の評価を行った。評価結果を表2に示す。
(株)ULVAC製 接触式膜厚測定器 Dektak 3STを用いて測定した。
(株)島津製作所製 自記分光光度計 UV−3100PCを用い、450nmでの透過率を測定した。
大塚電子(株)製 PETS−R&Dを用いて測定した。なお、リタデーションは、550nmでのリタデーションについて記載する。
得られた樹脂薄膜を指で折り曲げることで自己支持性を評価した。この際、90度に折り曲げても割れない程度の柔軟性がある場合を○、それ以外の場合を×とした。なお、次の方法で剥離した樹脂薄膜を用いた。
膜厚、透過率およびリタデーションの測定に用いた、ガラス基板に形成された樹脂薄膜をガラス基板ごと70℃の純水中に静置してガラス基板から剥離した。
Claims (6)
- (A)式(1−1)で表される繰り返し単位を有するポリアミック酸、
(式中、X1は、4価の有機基を表し、Y1は、2価の有機基を表す。)
(B)式(2)で表されるジイミド化合物、
〔式中、R1およびR2は、互いに独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、
R3〜R6は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、フェニル基で置換されてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、もしくはフェニル基で置換されてもよい炭素数2〜20のアルキニル基を表すか、またはR3とR4もしくは/およびR5とR6は、互いに結合して、式(3)〜(12)から選ばれる2価の基を表し、
(式中、R7は、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のハロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し、n3は、0〜4の整数を表し、R7が複数存在する場合、各R7は、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
L1は、式(L−1)〜(L−19)から選ばれる2価の基を表し、
n1およびn2は、0〜4の整数を表す。〕
および
(C)有機溶媒
を含むディスプレイ基板用樹脂組成物。 - 前記ポリアミック酸が、式(1−2)で表される繰り返し単位を50%以上含有するポリアミック酸である請求項1記載のディスプレイ基板用樹脂組成物。
〔式中、X2は、式(X−1)〜(X−14)から選ばれる4価の基を表し、
(式中、R8は、水素原子またはメチル基を表し、R9は、フッ素原子またはトリフルオロメチル基を表し、mは、1または2を表し、qは、1または2を表し、各R8は、互いに同一であっても異なっていてもよく、R9が複数存在する場合、各R9は、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
Y2は、式(Y−1)〜(Y−6)から選ばれる2価の基を表す。〕
- 請求項1または2記載のディスプレイ基板用樹脂組成物を用いて作製されるディスプレイ基板用樹脂薄膜。
- 請求項3記載のディスプレイ基板用樹脂薄膜を備える画像表示装置。
- 請求項1または2記載のディスプレイ基板用樹脂組成物を用いるディスプレイ基板用樹脂薄膜の製造方法。
- 請求項3記載のディスプレイ基板用樹脂薄膜を用いる画像表示装置の製造方法。
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