JP2015076745A - 圧電振動片、圧電振動子及び圧電振動片の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】振動腕部と、振動腕部の先端部に設けられた重り金属膜と、を含み、重り金属膜は、第一金属層と、第一金属層の側部を含む第一金属層の外表面全体を覆う第二金属層と、を含む。
【選択図】図8
Description
尚、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
尚、図1から図9までの説明においてはXYZ座標系を設定し、このXYZ座標系を参照しつつ各部材の位置関係を説明する。この際、圧電振動片の面と垂直な方向をZ軸方向、振動腕部の長手方向をY軸方向、Y軸方向とZ軸方向の両方と直交する方向をX軸方向とする。また、基部から振動腕部の先端に向かう方向を+Y方向とする。
(圧電振動片)
まず、本実施形態の圧電振動片1について説明する。
図1,2は、本実施形態の圧電振動片を示す図である。図1は、外観斜視図、図2(A)は平面図、図2(B)は、図2(A)の側面図である。
尚、図1,2においては、後述する圧電振動子に実装する際にパッケージの実装面と対向する対向面(一面)18aが上側(+Z方向側)となるようにして表している。
また、図1,2においては、後述する重り金属膜30の図示を省略している。
圧電振動片1は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成されたサイドアーム型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
圧電振動片1の面に垂直な方向の厚さ(Z軸方向長さ)としては、例えば、30μmとすることができる。
次に、圧電振動片1を用いた圧電振動子の一実施形態として、セラミックパッケージタイプの表面実装型振動子について説明する。
図3から6は、本実施形態の圧電振動子500を示す図であり、図3は外観斜視図、図4は圧電振動子の内部構成を示す、封口板を取り外した状態の平面図、図5は図4におけるA−A断面図、図6は圧電振動子500の分解斜視図である。
尚、図4から6においては、後述する重り金属膜30の図示を省略している。
第一ベース基板550は、平面視略長方形状に形成されたセラミックス製の基板とされている。第二ベース基板560は、第一ベース基板550と同じ外形形状である平面視略長方形状に形成されたセラミックス製の基板とされており、第一ベース基板550上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。
また、第二ベース基板560の上面は、圧電振動片1がマウントされる実装面560aとされている。
具体的には、シールリング570は、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付けによって実装面560a上に接合、あるいは、実装面560a上に形成(例えば、電解メッキや無電解メッキの他、蒸着やスパッタリング法等により)された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。
シールリング570に対する接合は、そして、この封口板540とシールリング570と第二ベース基板560の実装面560aとで画成された空間が、気密に封止された前述したキャビティCとして機能する。
凸部81の上面は、実装面560aと平行である。凸部81は、実装面560aにおける、後述する凹部660の−Y方向側に、実装面560aの幅方向(X軸方向)の中心を挟んで2つ、対称の位置に設けられている。凸部81の上面には、圧電振動片1との接続電極である一対の電極パッド610A,610Bがそれぞれ形成されている。
これら電極パッド610A,610B及び外部電極620A,620Bは、例えば、蒸着やスパッタリング法等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜であり、互いにそれぞれ導通している。
図5に示すように、第一ベース基板550には一方の外部電極620Aに導通し、第一ベース基板550を厚さ方向に貫通する一方の第一貫通電極630Aが形成されているとともに、第二ベース基板560には一方の電極パッド610Aに導通し、第二ベース基板560を厚さ方向に貫通する一方の第二貫通電極640Aが形成されている。そして、第一ベース基板550と第二ベース基板560との間には、一方の第一貫通電極630Aと一方の第二貫通電極640Aとを接続する一方の接続電極650Aが形成されている。これにより、一方の電極パッド610Aと一方の外部電極620Aとは、互いに導通している。
尚、他方の接続電極650Bは、後述する凹部660を回避するように、例えばシールリング570の下方をシールリング570に沿って延在するようにパターニングされている。
図7は本実施形態の重り金属膜30を示す平面図、図8は図7におけるB−B断面図である。
尚、図7,8においては、一対の振動腕部11,12のうち一方の振動腕部11の先端のハンマー部13に設けられた重り金属膜30について説明する。他方の振動腕部12の先端のハンマー部14に設けられた重り金属膜30については、一方のハンマー部13に設けられた重り金属膜30と同様の構成を有するため、その詳細な説明は省略する。
第一金属層31の幅(X方向の長さ)は、ハンマー本体部13Aの幅(X方向の長さ)よりも小さい。第一金属層31は、例えば銀(Ag)や金(Au)等の比重の高い金属からなる。
図9は、本実施形態の圧電振動片1を圧電振動子500に実装する手順を示す断面図であり、図4におけるA−A断面と同様の断面を示している。尚、図9においては、圧電振動子500の構成要素を適宜省略して図示している。
また、図9においては、上述した重り金属膜30の図示を省略している。
未硬化の導電性接着剤64は、圧電振動片1を第二ベース基板560上に接着できる範囲内において、特に限定されない。本実施形態においては、熱硬化性を有する接着剤である。
このとき、圧電振動片1における支持腕部15,16のマウント部15a,16aを、第二ベース基板560の凸部81上に設けられた電極パッド610A,610Bの上面610Aa,610Baに対向するようにして、未硬化の導電性接着剤64に当接させる。これにより、圧電振動片1が、圧電振動片1の対向面18aと、実装面560aと、が平行な姿勢で、第二ベース基板560上に設置される。
この工程により、硬化した導電性接着剤80によって、圧電振動片1のマウント部15a,16aと、第二ベース基板560の凸部81上に設けられた電極パッド610A,610Bと、がそれぞれ固着される。
以下に、図10から図13を用いて、本実施形態に係る圧電振動片1の製造方法について説明する。
尚、図11から図13においては、一対の振動腕部11,12のうち一方の振動腕部の先端のハンマー本体部を図示し、このハンマー本体部に重量調整層40、重り金属膜30をそれぞれ形成する様子を図示している。
また、図12,図13においては、孤立金属膜41aの図示を省略している。
先ず、水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハ(図示略)とする。
次に、ウエハをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、この後、ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行なって所定の厚みとする(図10に示すステップS1)。
例えば、ウエハの厚みを30μmとする。
尚、外形パターンは、ポリッシングが終了したウエハの両面に、図1に示す基部10、振動腕部11,12、ハンマー部13,14及び支持腕部15,16の外形形状に倣って金属膜をパターニングすることによって形成される。
この際、ウエハに形成する複数の圧電振動片1の数と同一数だけ一括してパターニングを行なう。
これにより、外形パターンでマスクされていない領域が選択的に除去され、外形パターンによってパターニングされたウエハは圧電板の外形形状に形成される。
このステップS5においては、先ず、図11(A)に示すように、振動腕部の先端部に、例えばスパッタリング法や蒸着法などにより、クロムからなる第一下地金属層34を形成した後、さらに、金からなる第二下地金属層35を第一下地金属層34の上面に積層して形成することにより、下地金属層33を形成する。
詳細には、先ず、ウエハに形成された全ての振動腕部の周波数をまとめて測定し、測定された周波数と予め定められた目標周波数との差に応じて、トリミング量を算出する。
具体的には、重量調整層40のうち振動腕部の先端(+Y方向側の端)から孤立金属膜41aにおける振動腕部の基端側(−Y方向側)の端縁を所定量超える部分までの部分にレーザー光を照射して、重量調整層40の一部を蒸発させ、トリミング量に応じて重量調整層40の一部を除去(トリミング)する。重量調整層40が除去された部分には、ハンマー本体部13Aが露出する。
例えば、微調工程は、図9(C)に示したように、圧電振動片1が、第二ベース基板560の実装面560aに実装された状態で、且つ、リッド部材540(図5参照)で封止される前に行う。
詳細には、外部電極620A,620B(図5参照)に電圧を印加して圧電振動片1を振動させる。そして、周波数を計測しながらレーザー光を照射し、重量調整層40の一部を蒸発させる。これにより、一対の振動腕部の先端側の重量を変化させ、圧電振動片1の周波数を、公称周波数の所定範囲内に収まるように微調整する。
尚、微調工程においては、重量調整層40のうち孤立金属膜41a、41bが形成されていない部分(被覆金属膜42のみが形成されている部分)と平面視重なる領域にレーザー光を照射して、重量調整層40の一部を除去してもよい。
これにより、1枚のウエハから、圧電振動片1を一度に複数製造する。
以上により、圧電振動片の製造は終了する。
その前に、図14を用いて、比較例に係る圧電振動片の製造方法について説明する。
尚、ウエハを準備する工程(図10に示すステップS1)から電極形成工程(図10に示すステップS4)までは本実施形態に係る圧電振動片の製造方法と同一の工程であるため、その詳細な説明を省略する。
このようにして、一対の振動腕部の先端部に、重量調整層1040を形成する。
この場合、ガラスパッケージを透過させて外部からレーザー光を照射することができるため、圧電振動片がパッケージ内に封止された状態で、圧電振動片の周波数を微調整することができる。
尚、上記実施形態に係る重量調整層40は、下地金属層33(第二下地金属層35)の上面に、互いに間隔を空けて隣り合う位置に配置された二つの孤立金属膜41a,41bを含んでいたが、これに限定されない。例えば、重量調整層は、下地金属層33(第二下地金属層35)の上面に、互いに間隔を空けて隣り合う位置に配置された三つ以上の複数の孤立金属膜を含んでいてもよい。
図15に示すように、本変形例に係る重量調整層140は、下地金属層33(第二下地金属層35)の上面に、互いに間隔を空けて隣り合う位置に配置された四つの孤立金属膜141a,141b,141c,141dと、被覆金属膜142と、を備えている。被覆金属膜142は、四つの孤立金属膜141a,141b,141c,141dの側部を含む四つの孤立金属膜141a,141b,141c,141dの外表面全体を覆う。
尚、上記実施形態に係る重量調整層40は、平面視略長方形状を有する孤立金属膜41a,41bを含んでいたが、これに限定されない。例えば、重量調整層は、平面視略正方形状を有する孤立金属膜を含んでいてもよい。
図16に示すように、本変形例に係る重量調整層240は、下地金属層33(第二下地金属層35)の上面に、互いに間隔を空けて隣り合う位置に配置された二つの孤立金属膜241a,241bと、10の孤立金属膜を有する孤立金属膜群241cと、被覆金属膜242と、を備えている。二つの孤立金属膜241a,241bと、10の孤立金属膜とは、それぞれ平面視略正方形状を有する。被覆金属膜242は、二つの孤立金属膜241a,241b及び10の孤立金属膜のそれぞれの側部を含む二つ孤立金属膜241a,241b及び孤立金属膜群241cの外表面全体を覆う。
Claims (8)
- 振動腕部と、
前記振動腕部の先端部に設けられた重り金属膜と、を含み、
前記重り金属膜は、第一金属層と、前記第一金属層の側部を含む前記第一金属層の外表面全体を覆う第二金属層と、を含む圧電振動片。 - 前記重り金属膜は、下地金属層と、前記下地金属層の外表面上に形成された前記第一金属層と、前記第一金属層の外表面全体を覆って前記下地金属層と接する前記第二金属層と、を含む請求項1に記載の圧電振動片。
- 前記下地金属層の前記第一金属層及び前記第二金属層と接する部分と、前記第二金属層の前記第一金属層及び前記下地金属層と接する部分は、いずれも金で構成されている請求項2に記載の圧電振動片。
- 請求項1から3までのいずれか一項に記載の圧電振動片を備える圧電振動子。
- 振動腕部と、前記振動腕部の先端部に設けられた重り金属膜と、を含む圧電振動片の製造方法であって、
前記振動腕部の先端部に、互いに間隔を空けて隣り合うように配置された複数の孤立金属膜と、前記複数の孤立金属膜の側部を含む前記複数の孤立金属膜の外表面全体を覆う被覆金属膜と、を含む重量調整層を形成する重量調整層形成工程と、
前記重量調整層にレーザー光を照射し、前記重量調整層の一部を除去することにより、一又は複数の前記孤立金属膜からなる第一金属層と、前記第一金属層の側部を含む前記第一金属層の外表面全体を覆う第二金属層と、を含む前記重り金属膜を形成するレーザートリミング工程と、
を含む圧電振動片の製造方法。 - 前記複数の孤立金属膜は、前記振動腕部の長手方向に沿って配置されている請求項5に記載の圧電振動片の製造方法。
- 前記複数の孤立金属膜には、互いに面積の異なる複数の前記孤立金属膜が含まれる請求項6に記載の圧電振動片の製造方法。
- 前記振動腕部の最も先端側に配置された前記孤立金属膜の面積は、前記振動腕部の最も基端側に配置された前記孤立金属膜の面積よりも大きい請求項7に記載の圧電振動片の製造方法。
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