JP2014170810A - レジスト塗布方法、圧電振動片の製造方法および圧電振動片 - Google Patents

レジスト塗布方法、圧電振動片の製造方法および圧電振動片 Download PDF

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Abstract

【課題】ウエハの表面と裏面との両面にレジスト材を塗布する場合において、レジスト材の回り込み付着による凹凸部分の形成を抑制することによって、露光による電極パターンのパターニング精度の低下を抑制できるレジスト塗布方法を提供することを目的とする。また、かかるレジスト塗布方法を用いた圧電振動片の製造方法、およびその製造方法によって製造される圧電振動片を提供することを目的とする。
【解決手段】ウエハの第1の面と、前記ウエハの第1の面と反対側の第2の面とにそれぞれレジスト材を塗布するとともに、前記ウエハの第1の面と、前記ウエハの第2の面とのうち少なくとも一方の面には複数回レジスト材を塗布するレジスト塗布工程を有し、前記レジスト塗布工程において、最後に前記レジスト材を塗布する前記ウエハの面は、最後より1回前に前記レジスト材を塗布する面と異なる面であることを特徴とするレジスト塗布方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、水晶やタンタル酸リチウム等の圧電材料によって形成されるウエハに対してレジスト材を塗布するレジスト塗布方法、圧電振動片の製造方法および圧電振動片に関する。
従来より、電極膜の上に塗布されたレジスト材を、フォトリソグラフィー技術を用いてパターニング化し、該パターニング化されたレジスト層をマスク手段として利用してエッチングを行うことで、ウエハ上に所定の電極パターンを形成する技術が知られている。レジスト材の塗布方法は様々な方法が知られているが、代表的な塗布方法の一つとして、スプレー塗布によってレジスト材を被対象物に塗布するスプレー塗布方法が知られている(特許文献1)。
特開2007−165651号公報
しかしながら、上記従来技術には次の課題があった。
スプレー塗布方法を用いて、ウエハの表面と裏面との両面に対してレジスト材を塗布する場合、ウエハの一方側の面にレジスト材を塗布した後に、ウエハの他方側の面に対してレジスト材を噴射する。この際、ウエハの他方側の面に対して噴射されたレジスト材のうち余分なレジスト材の一部が浮遊し、ウエハの一方側の面に回り込む可能性がある。これにより、すでにレジスト材が塗布されたウエハの一方側の面にレジスト材が付着し(回り込み付着)、ウエハの一方側の面上にレジスト材による凹凸部分が形成される。そのため、フォトリソグラフィーの露光工程の際に、レジスト材の回り込み付着によって形成された凹凸部分において露光光が屈折または反射し、電極パターンのパターニング精度が低下するという課題があった。
本願発明は上記課題を解決すべくなされた発明であり、ウエハの表面と裏面との両面にレジスト材を塗布する場合において、レジスト材の回り込み付着による凹凸部分の形成を抑制することによって、露光による電極パターンのパターニング精度の低下を抑制できるレジスト塗布方法を提供することを目的とする。また、かかるレジスト塗布方法を用いた圧電振動片の製造方法、およびその製造方法によって製造される圧電振動片を提供することを目的とする。
本発明のレジスト塗布方法は、ウエハの第1の面と、前記ウエハの第1の面と反対側の第2の面とにそれぞれレジスト材を塗布するとともに、前記ウエハの第1の面と、前記ウエハの第2の面とのうち少なくとも一方の面には複数回レジスト材を塗布するレジスト塗布工程を有し、前記レジスト塗布工程において、最後に前記レジスト材を塗布する前記ウエハの面は、最後より1回前に前記レジスト材を塗布する面と異なる面であることを特徴とする。
本発明のレジスト塗布方法によれば、最後にレジスト材を塗布するウエハの面が、最後より1回前にレジスト材を塗布するウエハの面と異なる面である。複数回のレジスト材の塗布によってレジスト膜を形成する場合、同じウエハの面に対して連続して複数回レジスト材を塗布してレジスト塗布工程を終了すると、最後に塗布した面と反対側の面には塗布複数回分の回り込んだレジスト材が付着する。これに対して、最後にレジスト材を塗布する面が、最後より1回前にレジスト材を塗布する面と異なることにより、最後にレジスト材を塗布した面の反対側の面に回り込むことによって付着するレジスト材は塗布1回分となる。そのため、ウエハの面に形成されるレジスト膜上における、レジスト材の回り込み付着によって形成される凹凸が低減され、レジスト膜の表面が平滑化される。したがって、後工程である露光工程において、露光による電極パターンのパターニング精度の低下を抑制できる。
前記ウエハの第1の面と、前記ウエハの第2の面とに、それぞれ第1の粒径のレジスト材で最初に塗布し、前記最後に塗布するレジスト材は、前記第1の粒径よりも大きい粒径の第2の粒径のレジスト材であってもよい。
この方法によれば、ウエハの第1の面と第2の面とに最初に第1の粒径のレジスト材を塗布し、最後に塗布する面には第1の粒径のレジスト材よりも粒径の大きい第2の粒径のレジスト材を塗布する。第2の粒径のレジスト材は、第1の粒径のレジスト材よりも粒径が大きいため重く、浮遊しにくい。そのため、レジスト材がウエハの塗布面の他方側の面に回り込んで付着することを抑制できる。したがって、レジスト材の回り込み付着による凹凸部分の形成を抑制でき、露光による電極パターンのパターニング精度の低下を抑制できる。
また、最初にウエハの第1の面およびウエハの第2の面に、第2の粒径のレジスト材よりも粒径の小さい第1の粒径のレジスト材を塗布するため、ウエハの塗布面に細かい凹凸部分があるような場合であっても、細かい凹凸部分にまでレジスト材を付着させやすい。
前記第1の粒径のレジスト材を、前記レジスト材を塗布する塗布部と前記ウエハとの距離が第1の距離で塗布し、前記第2の粒径のレジスト材を、前記塗布部と前記ウエハとの距離が前記第1の距離よりも小さい第2の距離で塗布してもよい。
塗布部からウエハの面上に到達するまでに移動する距離が長いと、塗布部から噴出されたレジスト材に含まれる溶媒が蒸発するため、溶媒の表面張力によるレジスト粒子同士の結びつきが弱くなる。その結果、凝集するレジスト粒子の量が少なくなり、ウエハの面上に付着するレジスト材の粒径は小さくなる。
一方、塗布部からウエハの面上に到達するまでに移動する距離が短いと、レジスト材がウエハに付着するまでの間に、レジスト材に含まれる溶媒が蒸発する量が少なく、溶媒の表面張力によるレジスト粒子の結びつきは強いままとなる。その結果、凝集するレジスト粒子の量が多いままとなり、レジスト材の粒径は大きくなる。
したがって、この方法によれば、塗布部とウエハとの距離を、第1の距離よりも小さい第2の距離とすることによって、塗布部から噴出されるレジスト材が、ウエハに付着するまでの移動距離が短くなる。そのため、容易に、第1の粒径のレジスト材よりも粒径が大きい第2の粒径のレジスト材をウエハの面上に付着させることができる。
前記最後より1回前に塗布するレジスト材は、前記第2の粒径のレジスト材であってもよい。
第1の粒径のレジスト材と第2の粒径のレジスト材とは、粒径が異なるため、ウエハに付着することによって形成されるレジスト膜の分布や密度が異なったものとなる可能性がある。そのため、たとえば、ウエハの一方の面に形成されたレジスト膜が第1の粒径のレジスト材の塗布のみによって形成され、ウエハの他方の面に形成されたレジスト膜が第1の粒径のレジスト材と第2の粒径のレジスト材とによって形成されると、各面に形成されたレジスト膜の分布や密度が互いに異なる場合がある。したがって、同一の露光条件によって露光することが困難となる可能性がある。
これに対して、この方法によれば、ウエハの第1の面と、ウエハの第2の面との両方の面に、最後に第2の粒径のレジスト材が塗布される。これにより、ウエハの第1の面に形成されるレジスト膜と、ウエハの第2の面に形成されるレジスト膜との両方が、ウエハのそれぞれの面上に第1の粒径のレジスト材が塗布された後に、第2の粒径のレジスト材が塗布されることによって形成される。そのため、ウエハの各面に形成される各レジスト膜の分布や密度が略均一となり、同一の露光条件によって容易に露光することができる。
スプレー塗布方法によって前記レジスト材を前記ウエハに塗布してもよい。
この方法によれば、ウエハの塗布面に細かい凹凸部分があるような場合であっても、厚さが略均一なレジスト膜を形成できる。
本発明の圧電振動片の製造方法は、ウエハに対して圧電振動片の外形を形成する工程と、前記ウエハの第1の面と第2の面とのそれぞれに対して電極膜を成膜する工程と、前記電極膜が成膜された前記ウエハに対して、本発明のレジスト塗布方法によって前記レジスト材を塗布する工程と、前記レジスト材をパターニングする工程と、前記電極膜をエッチングして、電極を形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明の圧電振動片の製造方法によれば、ウエハの面上における、レジスト材の回り込み付着による凹凸部分の形成が抑制され、露光による電極パターンのパターニング精度が向上する。そのため、微細、かつ複雑な電極パターンを得ることができ、小型で信頼性に優れた圧電振動片を製造できる。
本発明の圧電振動片は、本発明の圧電振動片の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明の圧電振動片によれば、ウエハの面上における、レジスト材の回り込み付着による凹凸部分の形成が抑制され、露光による電極パターンのパターニング精度が向上する。そのため、微細、かつ複雑な電極パターンを得ることができ、小型で信頼性に優れた圧電振動片が得られる。
本発明によれば、ウエハの表面と裏面との両面にレジスト材を塗布する場合において、レジスト材の回り込み付着による凹凸部分の形成を抑制することによって、露光による電極パターンのパターニング精度の低下を抑制できる。
本実施形態のレジスト塗布方法を示すフローチャートである。 本実施形態のレジスト塗布方法の各工程の手順を示す断面図である。 本実施形態のウエハを示す平面図である。 本実施形態のウエハの状態を示す断面模式図である。 従来のレジスト塗布方法におけるウエハの状態を示す断面模式図である。 レジスト材の違いによる効果を説明する説明図である。 本実施形態の圧電振動片を示す平面図である。 本実施形態の圧電振動片を示す部分拡大平面図である。 本実施形態の圧電振動片を示す、図8におけるA−A断面図である。 本実施形態の圧電振動片の製造方法を示すフローチャートである。 本実施形態の圧電振動片の製造過程を示す平面図である。 レジスト材の回り込み付着が発生した際の露光工程を説明する説明図であって、(a)断面図、(b)は(a)における拡大断面図である。 本実施形態の圧電振動片を用いた一実施形態である圧電振動子を示す外観斜視図である。 本実施形態の圧電振動片を用いた一実施形態である圧電振動子の内部構造を示す平面図である。 本実施形態の圧電振動片を用いた一実施形態である圧電振動子を示す図であって、図14におけるB−B断面図である。 本実施形態の圧電振動片を用いた一実施形態である圧電振動子を示す図であって、各部を分解した分解外観斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るレジスト塗布方法、圧電振動片の製造方法および圧電振動片について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
本明細書において、「レジスト材の粒径」とは、ウエハの面上に付着するレジスト材の粒子の凝集体の直径を意味する。
以下、図1から図5を用いて本実施形態のレジスト塗布方法について説明する。
図1は、各工程を示すフローチャートである。図2は、一部の工程の手順を示す断面図である。図3は、ウエハ43を示す平面図である。図4は、本実施形態のレジスト塗布方法の工程におけるウエハ43の表面の状態を模式的に示した断面図である。
(レジスト塗布装置)
まず、本実施形態のレジスト塗布方法を実施する際に用いる、レジスト塗布装置100について説明する。
本実施形態に用いるレジスト塗布装置100は、図2に示すように、ステージ装置70と、保持部材42と、スプレーガン(塗布部)45と、を備える。
ステージ装置70は、ステージ40と、背面板41と、を備える。
ステージ40は、平板状の部材である。
背面板41は、略平板状の部材であり、ステージ40の上面に設置されている。背面板41は、基部41aと、凸部41bと、を備えている。
凸部41bは、基部41aの中央部に設けられており、保持部材42の凹部42cと嵌合している。背面板41の材質は、特に限定されず、たとえば、Alである。
保持部材42は、ウエハ43の外縁を挟持して保持する枠状の部材である。保持部材42の中央部には、凹部42cが形成されている。保持部材42は、凹部42cが背面板41の凸部41bと嵌合して、背面板41上に設けられている。
保持部材42は、ウエハ43を保持した状態のまま、背面板41上から取り外し可能となっている。保持部材42は、ウエハ43の第1の面43aと、ウエハ43の第2の面43bと、のどちらが鉛直方向上側となるようにしても設置することができる(たとえば、図2(a)では、ウエハ43の第2の面43bが鉛直方向上側となるように設置されている)。
図2(b)に示すように、保持部材42の保持高さH4と、背面板41の凸部41bの高さH3と、の差は、背面板41の凸部41bの上面41cと、後述する第2フォトレジスト膜49の表面とが当接しない範囲内において、小さい方が好ましい。すなわち、凸部41bの上面41cと、第2フォトレジスト膜49の表面との距離H5は、小さい方が好ましい。ウエハ43の面上に形成されたフォトレジスト膜と、背面板41の凸部41bの上面41cとの間の隙間を狭くすることにより、浮遊したレジスト材が隙間に入り込みにくくなり、レジスト材の回り込み付着を抑制できるためである。
なお、保持部材42を、図2(b)とは上下反転して設置した場合における、保持部材42の保持高さについても同様である。
ウエハ43は、図3に示すように、略矩形状の平板であり、複数の圧電板2を備える。圧電板2は、音叉型の形状であり、2本の振動腕部3,4を備えている。振動腕部3,4には、それぞれ不図示の溝部が形成されている。複数の圧電板2は、連結部51によってウエハ43に連結されており、複数の圧電板2の周りには、圧電板貫通穴2aが形成されている。ウエハ43の面上に塗布されたレジスト材の一部は、圧電板貫通穴2aを通って、塗布面と反対側の面に回り込み付着する。
ウエハ43の材料は、たとえば、水晶やタンタル酸リチウム等の圧電材料である。
スプレーガン45は、図2に示すように、保持部材42の鉛直方向上側に設けられており、平面視における位置が、ウエハ43の中央となっている。
スプレーガン45としては、後述する、第1の粒径のレジスト材50aおよび第2の粒径のレジスト材50bをウエハ43上に塗布できる範囲内において、特に限定されず、いかなる公知のスプレーガンを用いることもできる。
スプレーガン45から噴出させるレジスト材としては、たとえば、レジスト剤(レジスト粒子)と、溶媒として、アセトンと、シンナーと、を所定の割合で混合したものを用いることができる。
(レジスト塗布方法)
次に、上記のレジスト塗布装置100を用いてレジスト材を塗布する方法について説明する。ここでは、ウエハ43の第1の面43aおよび第2の面43bのそれぞれにレジスト材を2回ずつ塗布する場合について説明する。
図1に示すように、本実施形態のレジスト塗布方法は、ウエハ43を設置する、ウエハ設置工程S11と、ウエハ43に後述する第1の粒径のレジスト材50aを塗布する、第1レジスト塗布工程S12と、スプレーガン45をウエハ43に接近させるスプレーガン移動工程S13と、ウエハ43に後述する第2の粒径のレジスト材50bを塗布する、第2レジスト塗布工程S14と、を有する。
ウエハ設置工程S11は、図2に示すようにして、保持部材42に保持されたウエハ43を、背面板41を介してステージ40上に設置する工程である。
ウエハ43の外縁を保持部材42によって挟持し、保持部材42にウエハ43を保持させる。そして、ウエハ43が保持された保持部材42の凹部42cと、背面板41の凸部41bとを嵌合させ、ウエハ43の第1の面43aが鉛直方向上側となるようにして、保持部材42を背面板41上に設置する。この工程により、ウエハ43がステージ40上に設置される。
次に、第1レジスト塗布工程S12は、ウエハ43の第1の面43aおよび第2の面43bに第1の粒径のレジスト材50aを塗布する工程である。
図2(a)は、第1レジスト塗布工程S12の手順を示す断面図である。より詳細には、後述する第2の面塗布工程S12cの手順を示した図である。
また、図4(a)は、後述する第1の面塗布工程S12a後のウエハ43の状態を模式的に示した断面図である。図4(b)は、後述する第2の面塗布工程S12c後のウエハ43の状態を模式的に示した断面図である。
第1レジスト塗布工程S12は、図1に示すように、第1の面塗布工程S12aと、ウエハ反転工程S12bと、第2の面塗布工程S12cと、を有する。
第1の面塗布工程S12aは、ウエハ43の第1の面43aに第1の粒径のレジスト材50aを塗布する工程である。
まず、スプレーガン45を、図2(a)に示すように、保持部材42の鉛直方向上側に、第1状態P1となるように設置する。第1状態P1における、スプレーガン45の噴出口と、ウエハ43の上面との最短距離(垂直距離)である第1の距離H1は、ウエハ43の上面に付着するレジスト材が、レジスト材の粒径がウエハ43の凹凸部(溝部)に対して十分に小さい第1の粒径のレジスト材50aとなる範囲内において、特に限定されない。第1の粒径のレジスト材50aの粒径は、たとえば、ウエハ43に備えられた圧電板2の振動腕部3,4の溝部の寸法が、長手方向長さ500μm、幅60μm、深さ55μmであるような場合において、10μm以下である。
そして、スプレーガン45からレジスト材を噴出させ、ウエハ43の第1の面43aにレジスト材を塗布する。レジスト材を噴出させる圧力は、所定圧力以上にする。レジスト材の粒径を小さくするためである。スプレーガン45の圧力を大きくすると、噴出される際にレジスト材が受ける力が大きくなる。そのため、凝集しているレジスト材が分散しやすく、レジスト材の粒径は小さくなる。所定圧力としては、たとえば、0.22MPaである。
スプレーガン45の噴出口は、ウエハ43の上面から十分離れた第1の距離H1に位置するため、スプレーガン45から噴出されたレジスト材は、ウエハ43の面上に到達する前に、溶媒が蒸発し、溶媒の表面張力によるレジスト粒子の結びつきが弱くなる。そのため、凝集するレジスト粒子の量が少なくなり、レジスト材の粒径は小さくなる。したがって、ウエハ43の第1の面43aに付着するレジスト材は、ウエハ43の面上に形成された凹凸部(溝部)の大きさに比べて十分に小さい粒径を有する、第1の粒径のレジスト材50aとなる。
上記工程により、図4(a)に示すように、ウエハ43の第1の面43aに、第1レジスト層46aが形成され、第2の面43bには、第1の粒径のレジスト材50aが、回り込みによって塗布1回分の量だけ付着する。
次に、ウエハ反転工程S12bは、ウエハ43を保持部材42ごと上下反転させる工程である。
保持部材42を、ウエハ43を保持した状態のまま、背面板41から取り外す。そして、上下反転させて、保持部材42が保持するウエハ43の第2の面43bが鉛直方向上側となるようにして、保持部材42の凹部42cと、背面板41の凸部41bと、を嵌合させる。この工程により、ウエハ43が上下反転した状態で、ステージ40上に設置される。
次に、第2の面塗布工程S12cは、第1の面塗布工程S12aと同様にして、ウエハ43の第2の面43bに第1の粒径のレジスト材50aを塗布する工程である。
この工程により、図4(b)に示すように、ウエハ43の第2の面43bに、第1レジスト層47aが形成され、第1レジスト層46aの表面(第1の面43a)には、第1の粒径のレジスト材50aが、回り込みによって塗布1回分の量だけ付着する。このとき、第1の面塗布工程S12aでウエハ43の第2の面43bに付着した第1の粒径のレジスト材50aは、第2の面43bに対する第1の粒径のレジスト材50aの塗布により、第1レジスト層47aを構成する一部として、一体化する。
以上の工程により、第1レジスト工程S12が終了する。
この工程により、ウエハ43の第1の面43aおよびウエハ43の第2の面43bにそれぞれ第1レジスト層46a,47aが形成される。
第1レジスト層46a,47aの厚さは、たとえば、0.5μm以上、1μm以下である。
次に、スプレーガン移動工程S13は、スプレーガン45をウエハ43に近づける方向に移動させる工程である。
図2(b)に示すように、スプレーガン45を鉛直方向下側に移動させ、スプレーガン45の位置を第2状態P2の位置にする。第2状態P2における、スプレーガン45の噴出口と、ウエハ43の上面との最短距離(垂直距離)である第2の距離H2は、ウエハ43の上面に付着するレジスト材が、レジスト材の粒径が第1の粒径のレジスト材50aの粒径よりも大きい、第2の粒径のレジスト材50bとなる範囲内において、特に限定されない。第2の粒径のレジスト材50bの粒径は、たとえば、10μm以上、30μm以下である。
次に、第2レジスト塗布工程S14は、ウエハ43の第1の面43aおよび第2の面43bに、それぞれの面上に形成された第1レジスト層46a,47aの上から、第2の粒径のレジスト材50bを塗布する工程である。
図2(b)は、第2レジスト塗布工程S14の手順を示す断面図である。より詳細には、後述する第1の面塗布工程S14cの手順を示した図である。
また、図4(c)は、後述する第2の面塗布工程S14a後のウエハ43の状態を模式的に示した断面図である。図4(d)は、後述する第1の面塗布工程S14c後のウエハ43の状態を模式的に示した断面図である。
第2レジスト塗布工程S14は、図1に示すように、第2の面塗布工程S14aと、ウエハ反転工程S14bと、第1の面塗布工程S14cと、を有する。
第2の面塗布工程S14aは、ウエハ43の第2の面43aに第2の粒径のレジスト材50bを塗布する工程である。
スプレーガン45からレジスト材を噴出させ、第1レジスト層47aの表面(第2の面43b)にレジスト材を塗布する。レジスト材を噴出させる圧力は、所定圧力以下にする。レジスト材の粒径を、第1レジスト塗布工程S12で塗布した第1の粒径のレジスト材50aよりも、大きくするためである。所定圧力としては、たとえば、0.22MPaである。
図2に示すように、スプレーガン45の噴出口と、ウエハ43の面との第2の距離H2は、第1状態P1における第1の距離H1より小さいため、スプレーガン45から噴出されたレジスト材は、ウエハ43の面上に到達するまでに移動する距離が第1状態P1に比べて短く、溶媒が蒸発する量が少なくなる。そのため、溶媒の表面張力によるレジスト粒子の結びつきが強いままとなり、凝集するレジスト粒子の量が多いままである。その結果、レジスト材の粒径は大きくなる。したがって、第1レジスト層47aの表面(第2の面43b)に付着するレジスト材は、第1の粒径のレジスト材50aより粒径が大きい第2の粒径のレジスト材50bとなる。
上記工程により、第1レジスト層47aの表面上に、第2の粒径のレジスト材50bが塗布され、図4(c)に示すように、第2レジスト層47bが形成される。これにより、ウエハ43の第2の面43bに、第1レジスト層47aと第2レジスト層47bからなる第2フォトレジスト膜49が形成される。第1レジスト層46aの表面(第1の面43a)には、第2の粒径のレジスト材50bが、回り込みによって塗布1回分の量だけ付着する。この時点においては、第1レジスト層46aの表面(第1の面43a)には、第1の粒径のレジスト材50aおよび第2の粒径のレジスト材50bが、それぞれ塗布一回分の量ずつ、回り込みによって付着している。
なお、後述するように、第2の粒径のレジスト材50bは、第1の粒径のレジスト材50aに比べて、回り込み付着が発生しにくいため、第2の面塗布工程S14aによって、第1レジスト層46aの表面(第1の面43a)に付着するレジスト材の量は、第1レジスト塗布工程S12における第2の面塗布工程S12cによって、第1レジスト層46aの表面(第1の面43a)に付着するレジスト材の量よりも少ない。
次に、ウエハ反転工程S14bは、ウエハ反転工程S12bと同様に、ウエハ43を保持部材42ごと上下反転させる工程である。
この工程により、ウエハ43の第1の面43aが鉛直方向上側となった状態で、ウエハ43がステージ40上に設置される。
次に、第1の面塗布工程S14cは、第2の面塗布工程S14aと同様にして、ウエハ43の第1の面43aに第2の粒径のレジスト材50bを塗布する工程である。
この工程により、図4(d)に示すように、第1レジスト層46aの表面(第1の面43a)に第2レジスト層46bが形成され、第1レジスト層46aと第2レジスト層46bとからなる第1フォトレジスト膜48が形成される。第2レジスト層47aの表面(第2の面43b)には、第2の粒径のレジスト材50bが、回り込みによって塗布1回分の量だけ付着する。このとき、第1レジスト層46aの表面(第1の面43a)に付着していたレジスト材は、前述した第2の面塗布工程S12cのときと同様にして、第2レジスト層46bを構成する一部として、一体化する。
以上の工程により、第2レジスト塗布工程S14が終了する。
この工程により、ウエハ43の第1の面43aおよびウエハ43の第2の面43bにそれぞれ第2レジスト層46b,47bが形成される。そして、図2(b)および図4(d)に示すように、ウエハ43の第1の面43aに、第1レジスト層46aおよび第2レジスト層46bからなる、第1フォトレジスト膜48が形成される。また、ウエハ43の第2の面43bに、第1レジスト層47aおよび第2レジスト層47bからなる、第2フォトレジスト膜49が形成される。
第2レジスト層46b,47bの厚さは、たとえば、0.5μm以上、1μm以下である。
第1フォトレジスト膜48および第2フォトレジスト膜49の膜厚は、たとえば、1μm以上、2μm以下である。
以上のS11からS14の各工程により、ウエハ43の両面にレジスト材を塗布し、フォトレジスト膜を形成することができる。
以上に詳細に説明した本実施形態のレジスト塗布方法によれば、最後にレジスト材を塗布するウエハ43の面が、第1の面43aであり、最後より1回前にレジスト材を塗布するウエハ43の面が、第2の面43bである。
本実施形態においては、フォトレジスト膜を形成するために、それぞれの面に2回ずつレジスト材を塗布している。このような場合において、最後にレジスト材を塗布するウエハ43の面と、最後より1回前にレジスト材を塗布するウエハ43の面とが、同一の面であると、その面の反対側の面に、塗布2回分の回り込み付着が発生することになる。
これに対して、本実施形態においては、最後にレジスト材を塗布するウエハ43の面と、最後より1回前にレジスト材を塗布するウエハ43の面とが異なるため、最後に塗布するウエハ43の第1の面43aと反対側のウエハ43の第2の面43bに回り込むことによって付着するレジスト材は塗布1回分となる。これにより、ウエハ43の第2の面43bに形成される第2フォトレジスト膜49上における、レジスト材の回り込み付着によって形成される凹凸が低減され、第2フォトレジスト膜49の表面が平滑化される。したがって、後述する後工程である露光工程(S4c)において、露光による電極パターンのパターニング精度の低下を抑制できる。
また、本実施形態においては、第1レジスト塗布工程S12によって、ウエハ43の第1の面43aおよび第2の面43bに第1の粒径のレジスト材50aを塗布して第1レジスト層46a,47aを形成した後に、第2レジスト塗布工程S14によって、第1レジスト層46a,47aの表面上に第2レジスト層46b,47bを形成する。これにより、第1フォトレジスト膜48および第2フォトレジスト膜49が形成される。そのため、ウエハ43上に、最後に塗布するレジスト材が第2の粒径のレジスト材50bとなる。第2の粒径のレジスト材50bは、第1の粒径のレジスト材50aよりも粒径が大きいため重く、浮遊しにくい。したがって、最後に塗布するウエハ43の第1の面43aと反対側の第2の面43bに、回り込むことによって付着するレジスト材の量を低減できる。
レジスト材の回り込み付着の抑制効果について、より具体的に説明する。
図5は、従来のレジスト塗布方法、すなわち、片面ずつ第1の粒径のレジスト材50aを連続して2回塗布する方法を用いた場合におけるウエハ43の表面の状態を模式的に示した断面図である。図5(a)は、第1の面43aに第1フォトレジスト膜48を形成した後を示した図であり、図5(b)は、ウエハ43の面を上下反転させて、第2の面43bに第2フォトレジスト膜49を形成した後を示した図である。
この方法を用いて、第1の面43aに第1フォトレジスト膜48を形成した際には、図5(a)に示すように、ウエハ43の第2の面43bに第1の粒径のレジスト材50aが塗布2回分の量だけ付着する。
そして、第2の面43bに第2フォトレジスト膜49を形成した際には、図5(b)に示すように、第2の面43bに付着していた第1の粒径のレジスト材50aは、第2フォトレジスト膜49と一体化するが、第1フォトレジスト膜48の表面(第1の面43a)には、第1の粒径のレジスト材50aが塗布2回分の量だけ付着する。
また、図6は、レジスト材の粒径の違いによる回り込み付着の違いを模式的に示した説明図である。図6(a)は、ウエハ43の同一面に第1の粒径のレジスト材50aを2回塗布した場合を示す図であり、図6(b)は、ウエハ43に第1の粒径のレジスト材50aを1回塗布した後に、同一面に第2の粒径のレジスト材50bを1回塗布した場合を示す図である。図6(a),(b)共に、図3に示す、ウエハ43の圧電板2の振動腕部3,4うちの1つを、振動腕部3,4の長手方向に対して垂直な面に沿って切った断面を示している。
図6(b)に示すように、レジスト材の粒径が第1の粒径のレジスト材50aよりも大きい第2の粒径のレジスト材50bは、重く、浮き上がりにくいため、塗布面の反対側の面に回り込みにくく、塗布1回分の回り込み付着の量が少なくなる。
これらを踏まえた上で、従来のレジスト塗布方法と、本実施形態のレジスト塗布方法とを比較する。レジスト塗布後を示す、図4(d)および図5(b)に示すように、従来のレジスト塗布方法では、回り込み付着が発生しやすい第1の粒径のレジスト材50aが、塗布2回分の量だけ回り込み付着している。これに対して、本実施形態のレジスト塗布方法では、回り込み付着が発生しにくい第2の粒径のレジスト材50bが、塗布1回分の量だけ回り込み付着している。すなわち、本実施形態のレジスト塗布方法においては、従来のレジスト塗布方法に比べて、回り込み付着が発生する塗布回数が半減しており、かつ、塗布1回分の回り込み付着量も低減されている。したがって、回り込み付着するレジスト材の量を従来の半分以下に低減することが可能である。
また、本実施形態においては、ウエハ43の第1の面43aおよび第2の面43bに、最初に第1の粒径のレジスト材50aを塗布する。第1の粒径のレジスト材50aは、第2の粒径のレジスト材50bに比べて粒径が小さいため、ウエハ43に備えられた圧電板2の振動腕部3,4に形成された溝部にまで、隙間なく付着しやすく、略均一な厚さでレジスト材を塗布できる。
また、第1の粒径のレジスト材50aと第2の粒径のレジスト材50bとは、粒径が異なるため、ウエハ43に付着することによって形成される第1レジスト層46a,47aと第2レジスト層46b,47bとの分布や密度は異なったものとなる可能性がある。そのため、たとえば、ウエハ43の一方の面に形成されたフォトレジスト膜が第1の粒径のレジスト材50aの塗布のみによって形成され、ウエハの他方の面に形成されたフォトレジスト膜が第1の粒径のレジスト材50aと第2の粒径のレジスト材50bとによって形成されると、各面に形成されたフォトレジスト膜の分布や密度が互いに異なる場合がある。したがって、同一の露光条件によって露光することが困難となる可能性がある。
これに対して、本実施形態においては、ウエハ43の第1の面43aに形成される第1フォトレジスト膜48と、ウエハ43の第2の面43bに形成される第2フォトレジスト膜49とは、共に、第1の粒径のレジスト材50aからなる第1レジスト層46a,47aと、第2の粒径のレジスト材50bからなる第2レジスト層46b,47bと、により構成されている。そのため、ウエハ43の各面に形成される各フォトレジスト膜の分布や密度が略均一となり、同一の露光条件によって容易に露光することができる。
また、本実施形態においては、スプレーガン45を用いたスプレー塗布方法によってレジスト材をウエハ43に塗布している。そのため、ウエハ43に備えられた振動腕部3,4の溝部にまで、略均一な厚さでレジスト材を塗布することができる。
なお、本実施形態においては、下記の方法を採用することもできる。
第1レジスト塗布工程S12と、第2レジスト塗布工程S14とで、スプレーガン45のノズル(レジスト材の噴出口)を変更してもよい。ノズルの口径を大きいものとすることによって、噴出するレジスト材の粒径を大きくすることができる。この場合においては、スプレーガン移動工程S13を省略してもよい。
第1レジスト塗布工程S12と、第2レジスト塗布工程S14とで、用いるレジスト材の粒子の粒径を変えてもよい。レジスト材の粒子の粒径を大きいものとすることで、ウエハ43に付着するレジスト材の粒径を大きくすることができる。この場合においては、スプレーガン移動工程S13を省略してもよい。
第1レジスト塗布工程S12と、第2レジスト塗布工程S14とで、用いるレジスト材のレジスト剤(レジスト粒子)と溶媒との割合を変えてもよい。レジスト材に含まれる溶媒の割合を多くすると、スプレーガン45から噴出されたレジスト材がウエハ43の面上に付着するまでの距離が長くても、レジスト材に溶媒がある程度残存する。これにより、溶媒による表面張力がある程度強いままとなるため、レジスト材の粒径を大きくすることができる。この場合においては、スプレーガン移動工程S13を省略してもよい。
第1レジスト塗布工程S12と、第2レジスト塗布工程S14とで、スプレーガン45の鉛直方向高さと、スプレーガン45のスプレー圧と、スプレーガン45のノズルの口径と、レジスト材の粒子の粒径と、レジスト材におけるレジスト剤と溶媒の割合と、のうちいずれか1つ、または2つ以上を変更することによって、レジスト材の粒径を変更してもよい。
第1レジスト塗布工程S12と、第2レジスト塗布工程S14とで、塗布条件を変更しなくてもよい。この場合においては、第1レジスト塗布工程S12と、第2レジスト塗布工程S14と、の両方の工程で第1の粒径のレジスト材50aが塗布される。第1レジスト塗布工程S12と、第2レジスト塗布工程S14とで、塗布の条件を変更することなく、回り込み付着するレジスト材を半減できるため、簡便である。
たとえば、フォトレジスト膜の厚さの増加、フォトレジスト膜の表面の平滑さの向上、ウエハ43に対するフォトレジスト膜の付着力の向上等を目的として、第1レジスト塗布工程S12を複数回行ってもよい。
また、同様に、第2レジスト塗布工程S14を複数回行ってもよい。
本実施形態においては、ウエハ43に音叉型の圧電板2が備えられ、圧電板2の振動腕部3,4には溝部6が形成されているが、これに限られない。たとえば、振動腕部3,4に溝部6が形成されていないものであっても、音叉型以外の形状の圧電板であってもよい。
(圧電振動片)
以下、本発明に係る圧電振動片の一実施形態を、図7から図12を参照して説明する。
本実施形態の圧電振動片1は、たとえば、表面実装型のセラミックパッケージタイプの圧電振動子や、シリンダーパッケージタイプの圧電振動子等に組み込まれるものであって、図7および図8に示すように、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の圧電板2を備えている。
なお、図7は、圧電振動片1の表面側の平面図である。図8は、図7に示す振動腕部3,4の基端部を中心に拡大した図である。
圧電板2は、平行に配置された一対の振動腕部3,4と、該一対の振動腕部3,4の基端部側を一体的に固定する基部5と、を備えている。また、これら一対の振動腕部3,4の主面(表裏面)上には、振動腕部3,4の基端部から先端部に向かって、一定幅で縦長の溝部6が形成されている。この溝部6は、振動腕部3,4の基端部側から中間部を越える範囲に亘って形成されている。これにより、一対の振動腕部3,4は、それぞれ図11に示すように断面H型となっている。
なお、図9は、図8に示すA−A線に沿った断面図である。
このように形成された圧電板2の外表面上には、図7および図8に示すように、一対の励振電極10,11および一対のマウント電極12,13が、叉部15を挟んで形成されている。このうち、一対の励振電極10,11は、電圧が印加されときに一対の振動腕部3,4を互いに接近または離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、主に一対の振動腕部3,4の外表面にそれぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。
具体的には、図9に示すように、一方の励振電極10が、主に一方の振動腕部3の溝部6内と他方の振動腕部4の側面上とに形成され、他方の励振電極11が、主に一方の振動腕部3の側面上と他方の振動腕部4の溝部6内とに形成されている。
ここで、この励振電極10,11についてより詳細に説明する。
本実施形態の励振電極10,11は、図7から図9に示すように、それぞれ主面電極部20と、側面電極部21と、接続電極部22と、で構成されている。
主面電極部20は、溝部6内と、該溝部6を囲む振動腕部3,4の主面上とに形成された電極である。側面電極部21は、振動腕部3,4の側面上と、該側面に連続する振動腕部3,4の主面上に形成された電極である。この際、振動腕部3,4の内方(叉部15側)の側面に形成された側面電極部21と、振動腕部3,4の外方に向いた側面に形成された側面電極部21とは、図7に示すように、溝部6よりも先端部側に形成された接続電極部22を介して導通するようになっている。
主面電極部20と側面電極部21とは、図9に示すように、一定の間隔である短絡防止用の隙間W0を設けて相互に離して配置されている。この隙間W0は、たとえば15μmという極めて狭い間隔となっている。このように隙間W0が正確に形成されていることにより、主面電極部20と側面電極部21との短絡等が防止されることになる。一方、叉部15の近傍では、図8に示すように、一方の振動腕部3の内側面に形成された側面電極部21と、他方の振動腕部4の内側面に形成された側面電極部21とが、叉部15の幅に相当する隙間U0を設けて相互に離して配置されている。
接続電極部22は、図7および図8に示すように、側面電極部21に接続されるように一方の振動腕部3の主面上に形成されると共に、表面側で、基部5の主面上を経由して他方の振動腕部4側に引き回された後、該振動腕部4側の主面電極部20に接続されるように形成された電極である。
この接続電極部22によって、表面側で、一方の振動腕部3側の主面電極部20と他方の振動腕部4側の側面電極部21とが接続されていると共に、裏面側で、一方の振動腕部3側の側面電極部21と他方の振動腕部4側の主面電極部20とが接続されている。
なお、図7および図8は、圧電振動片1の表面側を図示しているが、裏面側の電極パターンは表面側の電極パターンに対して左右対称とされている。
一対のマウント電極12,13は、図7および図8に示すように、基部5の主面および側面を含む外表面上に形成されており、引き出し電極16を介して一対の励振電極10,11にそれぞれ電気的に接続されている。よって、一対の励振電極10,11は、このマウント電極12,13を介して電圧が印加されるようになっている。
なお、上述した励振電極10,11、マウント電極12,13および引き出し電極16は、たとえば、クロム(Cr)と金(Au)との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地として成膜した後に、表面に金の薄膜を施したものである。クロム膜の膜厚は、たとえば、60nmである。金の薄膜の膜厚は、たとえば、50nmである。
ただし、この場合に限られず、たとえば、クロムとニクロム(NiCr)の積層膜の表面にさらに金の薄膜を積層しても構わないし、クロム、ニッケル、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)等の単層膜でも構わない。
また、一対の振動腕部3,4の先端部には、図7に示すように、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜17(粗調膜17aおよび微調膜17bからなる)が形成されている。この重り金属膜17を利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部3,4の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができるようになっている。
このように構成された圧電振動片1を作動させる場合には、一対の励振電極10,11間に所定の駆動電圧を印加して電流を流すことで、一対の振動腕部3,4を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この振動を、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
(圧電振動片の製造方法)
次に、上述した圧電振動片1を、圧電材料からなるウエハを利用して製造する方法について、図10,11を参照しながら以下に説明する。
図10は、圧電振動片1の製造方法を示すフローチャートである。
図11は、圧電振動片1の製造方法を説明するための工程図であって、ウエハ43の平面図である。
図10,11に示すように、まずポリッシングが終了し、所定の厚みに高精度に仕上げられたウエハ43を準備する(S1)。次いで、このウエハ43をフォトリソグラフィー技術によってエッチングして、該ウエハ43に複数の圧電板2の外形形状を形成する外形形成工程を行う(S2)。この工程について、具体的に説明する。
まず、ウエハ43の両面にエッチング保護膜をそれぞれ成膜する(S2a)。このエッチング保護膜としては、たとえば、クロム(Cr)を数μm成膜する。次いで、エッチング保護膜上にフォトレジスト膜を、フォトリソグラフィー技術によってパターニングする。この際、図7に示す、一対の振動腕部3,4と、基部5とで構成される圧電板2の周囲を囲むような形状にパターニングする。そして、このフォトレジスト膜をマスクとしてエッチング加工を行い、マスクされていないエッチング保護膜を選択的に除去する。そして、エッチング加工後にフォトレジスト膜を除去する。
これにより、図11に示すように、圧電板2の外形形状、すなわち、一対の振動腕部3,4および基部5の外形形状に沿ってパターニングされた、エッチング保護膜30が形成される(S2b)。この際、複数の圧電板2の数だけパターニングを行う。
次いで、パターニングされたエッチング保護膜30をマスクとして、ウエハ43の両面をそれぞれエッチング加工する(S2c)。これにより、エッチング保護膜30でマスクされていない領域を選択的に除去して、圧電板2の外形形状を形作ることができる。この時点で、外形形成工程(S2)が終了する。
続いて、図7に示す一対の振動腕部3,4の主面上に溝部6を形成する溝部形成工程を行う(S3)。具体的には、上述した外形形成時と同様に、パターニングされたエッチング保護膜30上にフォトレジスト膜を成膜する。そして、フォトリソグラフィー技術によって、溝部6の領域を空けるようにフォトレジスト膜をパターニングする。そして、パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとしてエッチング加工を行い、エッチング保護膜30を選択的に除去する。その後、フォトレジスト膜を除去することで、既にパターニングされたエッチング保護膜30を、溝部6の領域を空けた状態でさらにパターニングすることができる。
次いで、この再度パターニングされたエッチング保護膜30をマスクとして、ウエハ43をエッチング加工した後、マスクとしていたエッチング保護膜30を除去する。これにより、一対の振動腕部3,4の両主面上に溝部6をそれぞれ形成することができる。
なお、複数の圧電板2は、後に行う切断工程を行うまで、図3に示すように、連結部51を介してウエハ43に連結された状態となっている。
次いで、マスクを通した露光を行うことで、複数の圧電板2の外表面上に電極膜をパターニングして、励振電極10,11、引き出し電極16、マウント電極12,13をそれぞれ形成する電極形成工程を行う(S4)。この工程について、詳細に説明する。
電極形成工程では、まず、溝部6が形成された圧電板2の外表面に電極膜を、蒸着やスパッタリング等により成膜する(S4a)。成膜する電極膜としては、たとえば、前述した、クロムと金の積層構造とすることができる。
次に、電極膜上にフォトレジスト膜を成膜するフォトレジスト膜形成工程を行う(S4b)。このフォトレジストは紫外光に感光感度を持つ樹脂をベースとした化合物であり、本実施形態ではポジ型のフォトレジストを採用している。フォトレジスト膜の形成方法は、前述した、本実施形態のレジスト塗布方法を用いる。
この工程により、電極膜上にフォトレジスト膜が形成される。
続いて、励振電極10,11、引き出し電極16、およびマウント電極12,13の形成領域以外の領域が開口したフォトマスクにより、フォトレジスト膜に対して紫外光を露光する露光工程を行う(S4c)。この工程により、電極膜を残しておきたい部分が、フォトレジスト膜によって被膜されるように、フォトレジスト膜がパターニングされる。
露光条件としては、たとえば、露光量が積算量で900Jm/cm2とできる。
露光後、現像液により不要部分を除去して加熱工程等を経てフォトレジスト膜を固化させる(S4d)。そして、メタルエッチング(S4e)により、電極形成部分に対応する形状のフォトレジスト膜によるフォトレジストパターンを形成する。こうして、フォトレジスト膜を除去することによって(S4f)、励振電極10,11、引き出し電極16、マウント電極12,13を形成して電極形成工程(S4)を終了する。
最後に、ウエハ43と圧電板2とを連結していた連結部51を切断して、複数の圧電板2をウエハ43から切り離して小片化する切断工程を行う(S5)。これにより、1枚のウエハ43から、音叉型の圧電振動片1を一度に複数製造することができる。この時点で、圧電振動片1の製造工程が終了し、図7に示す圧電振動片1を得る。
図12は、レジスト材の回り込み付着が発生している場合における、露光工程(S4c)を示す図である。図12(a)は断面図、図12(b)は図12(a)における拡大断面図である。
図12に示すように、ウエハ300上に、電極膜310と、フォトレジスト膜320と、が形成されている。フォトレジスト膜320上には、余分なレジスト材が回り込み、レジスト材330が付着している。図12(a)に示すように、フォトレジスト膜320を残したい部分(電極膜310を残したい部分)に、マスク340が設けられている。
マスク340の上側からフォトレジスト膜320に露光光を照射する。
このとき、図12(b)に示すように、フォトレジスト膜320上に、回り込み付着によって付着したレジスト材330があると、露光光が屈折され、本来の露光により除去したい位置E1よりも、マスク340の内側の位置E2までフォトレジスト膜320が露光により除去されてしまう。そのため、メタルエッチングの際に、本来除去すべきでない箇所の電極膜310が除去されてしまい、形成される電極の形状精度が低下してしまう。
これに対して、本実施形態の圧電振動片1では、レジストの塗布方法として、前述した本実施形態のレジスト塗布方法およびレジスト塗布装置100を用いているため、レジスト材の回り込み付着が抑制され、電極パターンのパターニング精度を向上することができる。したがって、微細、かつ複雑な電極パターンを得ることができ、小型で信頼性に優れた圧電振動片が得られる。
なお、本実施形態の圧電振動片1は、振動腕部3,4に溝部6が形成されているが、溝部が形成されていない圧電振動片に対しても、本実施形態のレジスト塗布方法を適用できる。
(圧電振動子)
本実施形態の圧電振動片1を用いた圧電振動子の一実施形態として、セラミックパッケージタイプの表面実装型振動子について説明する。
図13から16は、本実施形態の圧電振動子500を示す図であり、図13は外観斜視図、図14は圧電振動子の内部構成を示す、封口板を取り外した状態の平面図、図15は図14におけるB−B断面図、図16は圧電振動子500の分解斜視図である。
本実施形態の圧電振動子500は、図13から図16に示すように、内部に気密封止されたキャビティCを有するパッケージ510と、キャビティC内に収容された上述した圧電振動片1と、を備える。
この圧電振動子500は、略直方体状に形成されており、本実施形態では平面視において圧電振動子500の長手方向を長さ方向といい、短手方向を幅方向といい、これら長さ方向および幅方向に対して直交する方向を厚さ方向という。
パッケージ510は、パッケージ本体(ベース部材)530と、このパッケージ本体530に対して接合されるとともに、パッケージ本体530との間にキャビティCを形成する封口板(リッド部材)540と、を備えている。
パッケージ本体530は、互いに重ね合わされた状態で接合された第1ベース基板550および第2ベース基板560と、第2ベース基板560上に接合されたシールリング570と、を備えている。
第1ベース基板550は、平面視略長方形状に形成されたセラミックス製の基板とされている。第2ベース基板560は、第1ベース基板550と同じ外形形状である平面視略長方形状に形成されたセラミックス製の基板とされており、第1ベース基板550上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。
第1ベース基板550および第2ベース基板560の四隅には、平面視1/4円弧状の切欠部580が、両基板550,560の厚さ方向の全体に亘って形成されている。これら第1ベース基板550および第2ベース基板560は、たとえば、ウエハ状のセラミック基板を2枚重ねて接合した後、両セラミック基板を貫通する複数のスルーホールを行列状に形成し、その後、各スルーホールを基準としながら両セラミック基板を格子状に切断することで作製される。その際、スルーホールが4分割されることで、上述した切欠部580となる。
また、第2ベース基板560の上面は、圧電振動片1がマウントされる実装面560aとされている。
なお、第1ベース基板550および第2ベース基板560はセラミックス製としたが、その具体的なセラミックス材料としては、たとえばアルミナ製のHTCC(High Temperature Co−Fired Ceramic)や、ガラスセラミックス製のLTCC(Low Temperature Co−Fired Ceramic)等が挙げられる。
シールリング570は、第1ベース基板550および第2ベース基板560の外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材であり、第2ベース基板560の実装面560aに接合されている。
具体的には、シールリング570は、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付けによって実装面560a上に接合、あるいは、実装面560a上に形成(たとえば、電解メッキや無電解メッキの他、蒸着やスパッタ等により)された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。
なお、シールリング570の材料としては、たとえばニッケル基合金等が挙げられ、具体的にはコバール、エリンバー、インバー、42−アロイ等から選択すれば良い。特に、シールリング570の材料としては、セラミック製とされている第1ベース基板550および第2ベース基板560に対して熱膨張係数が近いものを選択することが好ましい。たとえば、第1ベース基板550および第2ベース基板560として、熱膨張係数6.8×10-6/℃のアルミナを用いる場合には、シールリング570としては、熱膨張係数5.2×10-6/℃のコバールや、熱膨張係数4.5×10-6/℃以上、6.5×10-6/℃以下の42−アロイを用いることが好ましい。
封口板540は、シールリング570上に重ねられた導電性基板であり、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付け等によって、シールリング570と気密に接合されている。シールリング570に対する接合は、そして、この封口板540とシールリング570と第2ベース基板560の実装面560aとで画成された空間が、気密に封止された上述したキャビティCとして機能する。
なお、封口板540の溶接方法としては、たとえばローラ電極を接触させることによるシーム溶接や、レーザ溶接、超音波溶接等が挙げられる。また、封口板540とシールリング570との溶接をより確実なものとするため、互いになじみの良いニッケルや金等の接合層を、少なくとも封口板540の下面と、シールリング570の上面とにそれぞれ形成することが好ましい。
ところで、第2ベース基板560の実装面560aには、圧電振動片1との接続電極である一対の電極パッド610A,610Bが幅方向に間隔をあけて形成されているとともに、第1ベース基板550の下面には、一対の外部電極620A,620Bが長さ方向に間隔をあけて形成されている。
これら電極パッド610A,610Bおよび外部電極620A,620Bは、たとえば、蒸着やスパッタ等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜であり、互いにそれぞれ導通している。
この点詳細に説明する。
図15に示すように、第1ベース基板550には一方の外部電極620Aに導通し、第1ベース基板550を厚さ方向に貫通する一方の第1貫通電極630Aが形成されているとともに、第2ベース基板560には一方の電極パッド610Aに導通し、第2ベース基板560を厚さ方向に貫通する一方の第2貫通電極640Aが形成されている。そして、第1ベース基板550と第2ベース基板560との間には、一方の第1貫通電極630Aと一方の第2貫通電極640Aとを接続する一方の接続電極650Aが形成されている。これにより、一方の電極パッド610Aと一方の外部電極620Aとは、互いに導通している。
また、第1ベース基板550には他方の外部電極620Bに導通し、第1ベース基板550を厚さ方向に貫通する他方の第1貫通電極630Bが形成されているとともに、第2ベース基板560には他方の電極パッド610Bに導通し、第2ベース基板560を厚さ方向に貫通する他方の第2貫通電極640Bが形成されている。そして、第1ベース基板550と第2ベース基板560との間には、他方の第1貫通電極630Bと他方の第2貫通電極640Bとを接続する他方の接続電極650Bが形成されている。これにより、他方の電極パッド610Bと他方の外部電極620Bとは、互いに導通している。
なお、他方の接続電極650Bは、後述する凹部660を回避するように、たとえばシールリング570の下方をシールリング570に沿って延在するようにパターニングされている。
第2ベース基板560の実装面560aには、図14および図15に示すように、振動腕部3,4の先端部に対向する部分に、落下等による衝撃の影響によって振動腕部3,4が厚さ方向に変位(撓み変形)した際に、振動腕部3,4との接触を回避する凹部660が形成されている。この凹部660は、第2ベース基板560を貫通する貫通孔とされているとともに、シールリング570の内側において四隅が丸み帯びた平面視正方形状に形成されている。
そして、圧電振動片1は、図示しない金属バンプや導電性接着剤等を介して、マウント電極12,13が、電極パッド610A,610Bに接触するようにマウントされる。これにより、圧電振動片1は、第2ベース基板560の実装面560a上から浮いた状態で支持されると共に、一対の電極パッド610A,610Bにそれぞれ電気的に接続された状態とされている。
特に、圧電振動片1における基部5は、実装面560aに対して各別にマウントされた状態とされている。
このように構成された圧電振動子500を作動させる場合には、外部電極620A,620Bに対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片1の励振電極10,11に電流を流すことができ、一方の振動腕部3と他方の振動腕部4とを圧電振動片の面に沿って所定の周波数で振動させることができる。そして、この振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として圧電振動子500を利用することができる。
なお、本実施形態においては、圧電振動片1を用いた圧電振動子として、セラミックパッケージタイプの表面実装型振動子について説明したが、圧電振動片1を、ガラス材によって形成されるベース基板およびリッド基板が陽極接合によって接合されるガラスパッケージタイプの圧電振動子に適用することも可能である。
また、本実施形態においては、圧電振動片として、振動腕部3,4に溝部6が形成されているものを用いたが、溝部が形成されていない圧電振動片を用いてもよい。
また、本実施形態における圧電振動片1を、発振器、電子機器、または電波時計に搭載される圧電振動子に対して適用することも可能である。
1…圧電振動片、10,11…励振電極(電極)、12,13…マウント電極(電極)、16…引き出し電極(電極)、43…ウエハ、43a…ウエハの第1の面、43b…ウエハの第2の面、45…スプレーガン(塗布部)、50a…第1の粒径のレジスト材、50b…第2の粒径のレジスト材、H1…第1の距離、H2…第2の距離

Claims (7)

  1. ウエハの第1の面と、前記ウエハの第1の面と反対側の第2の面とにそれぞれレジスト材を塗布するとともに、前記ウエハの第1の面と、前記ウエハの第2の面とのうち少なくとも一方の面には複数回レジスト材を塗布するレジスト塗布工程を有し、
    前記レジスト塗布工程において、最後に前記レジスト材を塗布する前記ウエハの面は、最後より1回前に前記レジスト材を塗布する面と異なる面であることを特徴とするレジスト塗布方法。
  2. 前記ウエハの第1の面と、前記ウエハの第2の面とに、それぞれ第1の粒径のレジスト材で最初に塗布し、
    前記最後に塗布するレジスト材は、前記第1の粒径よりも大きい粒径の第2の粒径のレジスト材である、請求項1に記載のレジスト塗布方法。
  3. 前記第1の粒径のレジスト材を、前記レジスト材を塗布する塗布部と前記ウエハとの距離が第1の距離で塗布し、
    前記第2の粒径のレジスト材を、前記塗布部と前記ウエハとの距離が前記第1の距離よりも小さい第2の距離で塗布する、請求項2に記載のレジスト塗布方法。
  4. 前記最後より1回前に塗布するレジスト材は、前記第2の粒径のレジスト材である、請求項2または3に記載のレジスト塗布方法。
  5. スプレー塗布方法によって前記レジスト材を前記ウエハに塗布する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレジスト塗布方法。
  6. ウエハに対して圧電振動片の外形を形成する工程と、
    前記ウエハの第1の面と第2の面とのそれぞれに対して電極膜を成膜する工程と、
    前記電極膜が成膜された前記ウエハに対して、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレジスト塗布方法によって前記レジスト材を塗布する工程と、
    前記レジスト材をパターニングする工程と、
    前記電極膜をエッチングして、電極を形成する工程と、
    を有することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  7. 請求項6に記載の圧電振動片の製造方法によって製造されたことを特徴とする圧電振動片。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019062252A (ja) * 2017-09-25 2019-04-18 京セラ株式会社 水晶素子、水晶デバイスおよび水晶素子の製造方法

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