JP2008022184A - 圧電振動片及び圧電振動片の製造方法、圧電振動子、並びに、圧電振動子を備える発振器、電子機器、及び電波時計 - Google Patents

圧電振動片及び圧電振動片の製造方法、圧電振動子、並びに、圧電振動子を備える発振器、電子機器、及び電波時計 Download PDF

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【課題】 効果的な周波数調整を行うことができるとともに、調整後に酸化などの影響を受けて共振周波数が変動してしまうこと、及び、調整した部分が剥離してしまうことを防いで、周波数精度及び信頼性を向上させた圧電振動片及びその製造方法、その圧電振動子、並びに、発振器、電子機器、及び電波時計を提供する。
【解決手段】 圧電振動片1は、所定の形状に形成された圧電材片1a上に、外部電極接続部7と、励振電極5と、微調部9とが設けられたものであり、圧電材片1aの外形を形成する外形形成工程と、導電性膜20を成膜する導電性膜形成工程と、導電性膜20をパターニングして圧電材片1aの表面の一部分を露出させる導電性膜パターン形成工程と、微調部9にイオンビームを照射して削り取ることで、微調部9の重量を調整して、圧電材片1aを所定の共振周波数に設定する周波数微調整工程とを備えた製造方法で製造される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、圧電振動片及び圧電振動片の製造方法、圧電振動子、並びに、圧電振動子を備えた発振器、電子機器、及び電波時計に関するものである。
圧電振動子は、情報通信装置、家電、携帯機器などにおいて、時計機能や周波数制御機能として広く用いられている。このような圧電振動子は、水晶振動片の表面に、外部電極と接続する外部電極接続部と、外部電極接続部を介して外部電極から電圧を印加可能な励振電極とを備えていて、特に温度特性が良い水晶振動子が好適に用いられている(例えば、特許文献1参照)。励振電極としては、例えば、安価で導通性が良好なCr(クロム)膜などが用いられている。そして、外部電極接続部を介して外部電極から励振電極に電圧を印加することで、圧電効果によって水晶振動片を振動させて、発振することが可能である。
ところで、このような圧電振動子においては、励振電極によって圧電振動片を正確に振動させる必要があるため、圧電振動片の共振周波数を所定の値に調整しておく必要がある。このため、圧電振動片の励振電極にレーザー光を照射することによって励振電極の一部を除去し、圧電振動片の重量を変化させて周波数調整する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、他の方法として、圧電振動片の表面に微調整用の金属膜を設け、これをイオンエッチングすることで周波数調整する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、圧電振動片の表面に、圧電体薄膜と、圧電体薄膜を挟み込む一対の励振電極とが設けられているとともに、最上層部には窒化アルミニウムや酸化シリコンなどで形成された調整層を備えたものが提案されている(例えば、特許文献4参照)。この圧電振動片では、調整層にレーザー光を照射して除去することで、周波数調整することが可能であるとともに、調整層が窒化アルミニウムや酸化シリコンなどで形成されていて保護層として機能することで、励振電極が酸化の影響を受けず、共振特性が変化してしまうことがないとされている。
特開2000−223994号公報 特開2003−332873号公報 特開2003−318685号公報 特開2003−37469号公報
しかしながら、特許文献1の圧電振動片において周波数調整を行う場合、特許文献2に示すように、励振電極であるCr膜にレーザー光を照射して除去することとなるが、この場合、調整後に大気中に取り出すと、レーザー光を照射した部分のCr膜が酸化などの作用を受けてしまい、共振周波数が変化してしまう問題があった。また、特許文献3に示すようなイオンエッチングによって周波数調整をする方法としても、同様にエッチングされた金属膜は、大気中において酸化などの影響を受けてしまい、共振周波数が変化してしまう。
また、特許文献4の圧電振動片においては、調整層に照射されたレーザー光は、調整層を透過して、その下層の励振電極にも作用してしまう。このため、励振電極がレーザー光によって蒸発してしまい、これにより外側に位置する調整層が剥離してしまうおそれがあり、信頼性の面で問題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、効果的な周波数調整を行うことができるとともに、調整後に、酸化などの影響を受けて共振周波数が変動してしまうこと、及び、調整した部分が剥離してしまうことを防いで、周波数精度及び信頼性を向上させた圧電振動片及びその製造方法、圧電振動片を備えた圧電振動子、並びに、圧電振動子を備えた発振器、電子機器、及び電波時計を提供するものである。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明は、所定の形状に形成された圧電材片上に、外部電極と接続される外部電極接続部と、前記圧電材片を所定の周波数で振動させる励振電極と、前記圧電材片を所定の共振周波数に設定するための微調部とが設けられた圧電振動片の製造方法であって、前記圧電材片の外形を形成する外形形成工程と、外形形成された該圧電材片の表面に導電性膜を成膜する導電性膜形成工程と、前記励振電極となる位置で前記導電性膜をパターニングするとともに、前記微調部となる位置で前記導電性膜を除去して、前記圧電材片の表面の一部分を露出させる導電性膜パターン形成工程と、該圧電材片の表面が露出して構成された前記微調部にイオンビームを照射して削り取ることで、該微調部の重量を調整して、前記圧電材片を所定の共振周波数に設定する周波数微調整工程とを備えることを特徴としている。
また、本発明の圧電振動片は、所定の形状に形成された圧電材片と、該圧電材片の表面に所定のパターンで形成された導電性膜の少なくとも一部分によって形成され、前記圧電材片を所定の周波数で振動させる励振電極と、外部電極と接続される外部電極接続部と、イオンビームを照射可能に表面を露出させた前記圧電材片の一部分であり、前記イオンビームを照射して削り取ることで重量の調整が行われる微調部とを備えることを特徴としている。
この発明に係る圧電振動片の製造方法及び圧電振動片によれば、微調部は、導電性膜パターン形成工程として導電性膜を除去することで表面が露出した圧電材片の一部分である。そして、周波数微調整工程として、微調部、すなわち圧電材片にイオンビームを照射して圧電材片の一部が削り取られることで、重量の調整を行って所定の共振周波数に設定することができる。この際、イオンビームによって削り取られる対象が圧電材であることで、安定性を有し、イオンビームの照射によって表面が活性化してしまうことが無い。このため、周波数微調整工程を行った後にイオンビームを照射した部分が酸化等の影響を受けて共振周波数が変化してしまうことを防ぐことができる。また、イオンビームは照射した圧電材片の表面のみに作用し、圧電材片を透過することが無い。このため、イオンビームを照射した部分以外に作用して、酸化等の影響を発生させてしまう、また、剥離を生じさせてしまうことなどが無い。
また、本発明は、所定の形状に形成された圧電材片上に、外部電極と接続される外部電極接続部と、前記圧電材片を所定の周波数で振動させる励振電極と、前記圧電材片を所定の共振周波数に設定するための微調部とが設けられた圧電振動片の製造方法であって、前記圧電材片の外形を形成する外形形成工程と、外形形成された該圧電材片の表面に導電性膜を成膜する導電性膜形成工程と、前記励振電極となる位置で、前記導電性膜をパターニングする導電性膜パターン形成工程と、前記微調部となる位置に、酸化物または窒化物からなる調整膜を成膜する調整膜形成工程と、前記微調部の前記調整膜にイオンビームを照射して削り取ることで、該微調部の重量を調整して、前記圧電材片を所定の共振周波数に設定する周波数微調整工程とを備えることを特徴としている。
また、本発明の圧電振動片は、所定の形状に形成された圧電材片と、該圧電材片の表面に所定のパターンで形成された導電性膜の少なくとも一部分によって形成され、前記圧電材片を所定の周波数で振動させる励振電極と、外部電極と接続される外部電極接続部と、酸化物または窒化物からなる調整膜で形成され、該調整膜にイオンビームを照射して削り取ることで重量の調整が行われる微調部とを備えることを特徴としている。
この発明に係る圧電振動片の製造方法及び圧電振動片によれば、微調部は、調整膜形成工程として成膜された酸化物または窒化物からなる調整膜で形成されている。そして、周波数微調整工程として、微調部の調整膜にイオンビームを照射して調整膜が削り取られることで、重量の調整を行って所定の共振周波数に設定することができる。この際、イオンビームによって削り取られる対象が調整膜、すなわち酸化物または窒化物であることで、安定性を有し、イオンビームの照射によって表面が活性化してしまうことが無い。このため、周波数微調整工程を行った後に、イオンビームを照射した部分を酸化等の影響を受けて共振周波数が変化してしまうことを防ぐことができる。また、イオンビームは照射した調整膜のみに作用し、調整膜を透過することが無い。このため、イオンビームを照射した部分以外に作用して、酸化等の影響を発生させてしまう、また、剥離を生じさせてしまうことなどが無い。
また、上記の圧電振動片の製造方法において、前記導電性膜パターン形成工程は、さらに前記微調部となる位置に前記導電性膜をパターニングするとともに、前記調整膜形成工程は、前記微調部となる位置に形成された前記導電性膜上に前記調整膜を成膜することがより好ましいとされている。
また、上記の圧電振動片において、前記微調部は、前記導電性膜の内の前記励振電極と異なる他の部分と、該導電性膜上に形成された前記調整膜とで構成されていることがより好ましいとされている。
この発明に係る圧電振動片の製造方法及び圧電振動片によれば、微調部の調整膜は、導電性膜上に形成されることで、付着性を良好なものとすることができる。なお、周波数微調整工程において、イオンビームを調整膜に照射したとしても、イオンビームが透過して導電性膜に作用してしまうことが無い。このため、導電性膜が酸化などの影響を受けてしまう、あるいは、導電性膜がイオンビームの作用を受けることで調整膜が剥離してしまうおそれが無い。
さらに、上記の圧電振動片の製造方法において、前記励振電極となる位置に形成された前記導電性膜上に、前記調整膜と同一膜材の電極保護膜を成膜する電極保護膜形成工程を備え、前記調整膜形成工程は、前記電極保護膜形成工程と同時に、前記微調部となる位置で前記電極保護膜を前記調整膜として成膜することがより好ましいとされている。
さらに、上記の圧電振動片において、前記励振電極に形成された前記導電性膜上には、前記調整膜と同一膜材の電極保護膜が形成されていることがより好ましいとされている。
この発明に係る圧電振動片の製造方法及び圧電振動片によれば、電極保護膜形成工程として、励振電極に調整膜と同一膜材、すなわち酸化物または窒化物からなる電極保護膜が形成されることで、励振電極同士の短絡を防ぐことができる。また、電極保護膜形成工程と調整膜形成工程を同時に行うことができるので、工程数を削減して、生産効率を向上させることができる。
さらに、上記の圧電振動片の製造方法において、前記微調部は前記圧電材片の両面に設けられ、前記周波数微調整工程は、少なくとも一方の前記微調部に前記イオンビームを照射して行い、所定の共振周波数に設定されなかった場合には、さらに他方の前記微調部に前記イオンビームを照射して行うことがより好ましいとされている。
また、上記の圧電振動片の製造方法において、前記微調部は前記圧電材片の両面に設けられ、 前記周波数微調整工程は、前記圧電材片の両面の前記微調部に同時に前記イオンビームを照射して行うものとしても良い。
さらに、上記の圧電振動片において、前記微調部は、前記圧電材片の両面に設けられていることがより好ましいとされている。
この発明に係る圧電振動片の製造方法及び圧電振動片によれば、微調部を圧電材片の両面に設けることで、周波数微調整工程として、圧電振動片の両面で周波数の微調を行うことができる。このため、調整可能な周波数の幅が増大し、より好適に共振周波数の設定を行うことが可能となる。また、両面の微調部で同時に調整することで、サイクルタイムの向上を図ることができる。
また、本発明の圧電振動子は、上記の圧電振動片の製造方法により製造された圧電振動片を備えることを特徴としている。
また、本発明の圧電振動子は、上記の圧電振動片を備えることを特徴としている。
この発明に係る圧電振動子によれば、圧電振動片の共振周波数の酸化等による変化、微調部の剥離を防ぐことができ、周波数精度及び信頼性の向上を図ることができる。
また、本発明の発振器は、上記の圧電振動子が発振子として集積回路に接続されていることを特徴としている。
また、本発明の電子機器は、上記の圧電振動子を備えることを特徴としている。
また、本発明の電波時計は、上記の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴としている。
この発明に係る発振器、電子機器、電波時計によれば、周波数精度及び信頼性をより向上した圧電振動子を備えているので、精度及び信頼性を向上させたそれぞれ発振器、電子機器、電波時計を提供することができる。
本発明の圧電振動片の製造方法によれば、周波数微調整工程を備えることで、効果的な周波数調整を行うことができるとともに、調整後に、酸化などの影響を受けて共振周波数が変動してしまうこと、及び、調整した部分が剥離してしまうことを防ぐことができ、周波数精度及び信頼性を向上させた圧電振動片を提供することができる。
また、本発明の圧電振動片によれば、イオンビームを照射可能な微調部を備えることで、効果的な周波数調整を行うことができるとともに、調整後の状態でも、酸化などの影響を受けて共振周波数が変動してしまうこと、及び、調整した部分が剥離してしまうことを防ぐことができ、周波数精度及び信頼性を向上させることができる。
また、本発明の圧電振動子によれば、上記の圧電振動片を備えることで、周波数精度及び信頼性の向上を図ることができる。
また、本発明の発振器、電子機器、及び、電波時計によれば、上記の圧電振動子を備えることで、精度及び信頼性の向上を図ることができる。
(第1の実施形態)
図1及び図8は、この発明に係る第1の実施形態を示している。図1は、本実施形態の圧電振動片の斜視図を示している。また、図2は、図1に示す切断線A−Aにおける断面図を、図3は、切断線B−Bにおける断面図を示している。
図1及び図2に示すように、本実施形態の圧電振動片1は、音叉型の振動片であり、隣接した状態で互いに平行に配設された一対の振動腕部2、3と、振動腕部2、3の基端側を一体的に固定する基部4とを備えた圧電材片である水晶片1aで形成されている。水晶片1aの表面には、所定のパターンに形成された導電性膜20が形成されている。導電性膜20の膜材としては、導電性を有するとともに、水晶片1aとの付着性が良好な材質が好適に選択され、例えば本実施形態においてはCr(クロム)が選択される。そして、振動腕部2、3の表面には、この導電性膜20の内の第1の部分20aによって形成された励振電極5が設けられている。励振電極5は、振動腕部2、3の上側主面2a、3a及び下側主面2b、3bに形成された平面電極5aと、振動腕部2、3の各側面2c、3cに形成された側面電極5bとで構成されている。これら平面電極5aと側面電極5bとは電気的に切り離されてパターニングされている。そして、これらの励振電極5に電圧を印加させることによって、振動腕部2、3を互いに接近または離間する方向に所定の共振周波数で振動させることが可能である。
また、図2及び図3に示すように、振動腕部2、3において、励振電極5上にはさらに絶縁性の電極保護膜6が覆われていて、平面電極5aと側面電極5bとの短絡を防止している。電極保護膜6は、本実施形態においてはSiO2で形成されているが、これに限らず絶縁性を有し、導電性膜20に密着を図れる組成であれば良く、酸化物及び窒化物が好適に選択される。
また、基部4において、下側主面4bには、後述する外部電極104a(以下、インナーリードと称す)と接続可能な外部電極接続部7(以下、マウントパッドと称す)が設けられている。図2に示すように、マウントパッド7は、所定のパターンで形成された導電性膜20の内の第2の部分20bと、第2の部分20bの表面に成膜された金属膜8とで構成されている。金属膜8は、本実施形態においては2層で形成されていて、導電性膜20の第2の部分20bの表面に成膜されたNiCr(ニッケルクロム合金)膜8aと、NiCr膜8a上に成膜されたAu(金)膜8bとで構成される。ここで、NiCr膜8a中のNi(ニッケル)は、後述するインナーリード104aとのハンダ接合に際し、ハンダとの合金層を形成してインナーリード104aとの接続強度を向上させることができる。また、Au膜8bは、同様にハンダとの合金層を形成するほか、NiCr膜8aの表面の酸化を防いで、ハンダの濡れ性を向上させることができる。また、最下層の導電性膜20の第2の部分20bは、上側主面4aまでパターニングされていて、それぞれ、振動腕部2、3の上側主面2a、3a及び下側主面2b、3bにおいて、励振電極5の平面電極5a及び側面電極5bを形成する第1の部分20aと連続して形成されている。
また、振動腕部2、3の励振電極5が設けられた位置よりも先端側には、水晶片1aの共振周波数を微調整するための微調部9が設けられているとともに、さらに先端側には、粗調整するための粗調部10が設けられている。本実施形態において微調部9は、振動腕部2、3の各上側主面2a、3aにのみ設けられている。微調部9は、対応する位置で各上側主面2a、3aを露出させた水晶片1aの一部分である。
粗調部10は、上側主面2a、3aにのみ設けられていて、所定のパターンで形成された導電性膜20の内の第3の部分20cと、第3の部分20cの表面に成膜されたCr膜10aと、このCr膜10a上に成膜されたAg(銀)膜10bと、Ag膜10b上に成膜されたCr膜10cとで構成されている。なお、微調部9及び粗調部10によって水晶片1aの共振周波数を調整する詳細については後述する。
図4は、この圧電振動片を備えた圧電振動子の斜視図を示している。本実施形態においては、圧電振動片1を備えた圧電振動子として、シリンダーパッケージタイプの圧電振動子を例にして説明する。図4に示すように、本実施形態の圧電振動子100は、圧電振動片1と、圧電振動片1を内部に収納する有底円筒状のケース101と、圧電振動片1をケース101内に密閉させる気密端子102とを備える。
気密端子102は、金属性材料で形成された環状のステム103と、ステム103を貫くように配設され、圧電振動片1のマウントパッド7に電気的及び物理的にそれぞれ接続された2本の外部電極であるリード104と、リード104とステム103とを絶縁状態で一体的に固定すると共にケース101内を密封させる充填剤105とで構成されている。充填剤105の材料は、例えばホウケイ酸ガラスなどである。なお、2本のリード104は、ケース101内に突出している部分がインナーリード104aとなり、ケース101外に突出している部分がアウターリード104bとなっている。そして、このアウターリード104bが、外部接続端子として機能するようになっている。ケース101は、気密端子102のステム103の外周に対して圧入されて、嵌合固定されている。このケース101の圧入は、真空雰囲気下で行われているため、ケース101内の圧電振動片1を囲む空間は、真空に保たれた状態で密閉されている。
次に、圧電振動片1及び圧電振動片1を備えた圧電振動子100の製造方法について説明する。図5に圧電振動片の製造工程のフロー図を、また、図6に工程図を示す。また、図7に製作した圧電振動片から圧電振動子を組立てる工程のフロー図を示す。
図5に示すように、まず、水晶のランバード原石をワークテーブルに配置し、X線回折法を援用して、ランバード原石の向きを所定の切断角度になるように設定する。次に、例えば、ワイヤソーなどの切断装置によってランバード原石をスライスして、略200μmの厚みのウエハに切断する(ステップS10)。通常、切断には遊離砥粒が慣用される。また、切断用のワイヤーには、線径が例えば160μm程度の高炭素鋼線が用いられる。
次に、ウエハが一定の厚みになるまで研磨を行う(ステップS20)。通常、研磨は、粒径の粗い遊離砥粒で粗ラッピングを行い、さらに、粒径の細かい遊離砥粒による仕上げのラッピングを行う。この後、表面をエッチングして加工変質層を除去した後に、ポリッシュ加工を行って所定の厚さ及び平面度を有する鏡面に仕上げる。ウエハの厚さは、振動片の小型化とともに薄くなり、略50μmから130μmに仕上げられる。
次に、外形形成工程S30を行う。まず、ウエハを純粋または超純粋で洗浄し乾燥した後、スパッタリングなどの成膜手段によって、ウエハの両面にマスク用の金属薄膜を所定の膜厚で成膜する。続いて、フォトリソグラフィー技術によって水晶片1aの外形を形成する。図6(a)、(b)は、本工程において形成される水晶片1aを示していて、(a)が平面図を、(b)が側面図を示している。具体的には、レジストを両面に塗布した後に、外形用マスクで両面を露光し、現像を行うことで、レジストによる外形のマスクパターンを得ることができる。この後、エッチング液で不要な金属パターンを除去することで、金属膜のマスクパターンを得ることができる。そして、レジストを除去した後、フッ酸系の水溶液でウエハをエッチングすることで、ウエハ上に水晶片1aとなる複数の外形を形成することができる。そして、外形形成完了後に、エッチング用マスクとして用いた金属膜をすべて剥離することで、図6(a)、(b)に示す水晶片1aが形成される。なお、図6(a)、(b)において、水晶片1aは個片化されているが、実際には図示しない連結部によって多数の水晶片1aが連結された状態で以下の工程を行っている。
次に、導電性膜形成工程S40を行う。具体的には、水晶片1aにおいて、振動腕部2、3及び基部4の各上側主面2a、3a、4a、各下側主面2b、3b、4b、及び、側面2c、3c、4cに、スパッタリングなどの成膜手段によって、Crを膜材とする導電性膜20を成膜する。図6(c)は、成膜完了後の水晶片1aの側面図を示している。なお、導電性膜20の厚みは、誇張して描いている。また、導電性膜20として選択したCrは、水晶との密着性が良好であるため、水晶片1aの表面に、導電性及び密着性が良好な膜を成膜することができる。
次に、導電性膜パターン形成工程S50として、フォトリソグラフィー技術を用いて、マウントパッド7、励振電極5、及び粗調部10と対応する各位置で導電性膜20のパターニングを行う。具体的には、導電性膜20が成膜された水晶片1aに、静電塗布技術や回転スプレーなどを用いてレジスト膜を形成し、加熱処理後、露光機を用いて、マウントパッド7、励振電極5、及び粗調部10と対応する導電性膜20のパターンに露光する。続いて現像を行い、レジスト膜にマスクとなるパターンを形成する。その後、水晶片1aをCrのエッチング液に浸漬することで導電性膜20はパターニングされる。Crのエッチング液としては、過塩素酸と硫酸セリウムアンモンの混合水溶液が慣用される。これによって、図6(d)に示すように、励振電極5、マウントパッド7、及び粗調部10と対応する導電性膜20の第1の部分20a、第2の部分20b、及び第3の部分20cがそれぞれ形成されるとともに、微調部9となる位置の導電性膜20は除去されて水晶片1aの上側主面2a、3aが露出することとなる。最後に、マスクであるレジストを剥離し、洗浄と乾燥を行う。
次に、粗調部追加成膜工程S60として、粗調部10を形成する導電性膜20の第3の部分20c上にさらに追加成膜することで、粗調部10を形成する。図6(f)に示すように、まず、導電性膜20の第3の部分20cの表面に、さらにCr膜10aを成膜する。次に、Cr膜10a上に、重りとなるAg膜10bを成膜する。なお、重りとして作用するこの層は、Ag膜に限らず他の組成によるものとしても良い。そして、図6(f)に示すように、Ag膜10b上にさらにCr膜10cを成膜することで、粗調部10が形成される。ここで、粗調部10は、まず、Crを膜材とする導電性膜20を水晶片1aの表面に成膜することによって水晶片1aとの密着性を図ることができる。さらに、重りとなるAg膜10bを成膜するにあたってCr膜10aを成膜することで、下地となる導電性膜20との密着性を向上させることができる。また、Ag膜10b上にCr膜10cを成膜することで、Ag膜10b表面の安定化を図り、酸化などによって変化してしまうことを抑制することができる。また、このようなCr膜10a、Ag膜10b、及びCr膜10cの3層構造の成膜手法としては、蒸着法が好適であり、容易に実施することができる。
次に、電極保護膜形成工程S70として、振動腕部2、3において、励振電極5として導電性膜20の第1の部分20aを形成した領域に、SiO2膜からなる電極保護膜6を成膜する。具体的には、第1の部分20aが形成された領域と対向した位置に貫通穴を配置した金属製マスクを2枚準備し、水晶片1aをこの金属マスクで挟み込む。この状態で、スパッタ装置などで水晶片1aの対象となる範囲にSiO2膜を成膜して行うことで、図6(g)に示すように、電極保護膜6が形成されることとなる。なお、電極保護膜形成工程S70は、粗調部追加成膜工程S60より先に行うものとしても良い。特に、粗調部10の最表層がAg膜など非常に酸化しやすい膜である場合で、電極保護膜6を形成する際に脱落するおそれがある場合には有効である。なお、上述のように電極保護膜6はSiO2膜であるとしたが、他の酸化物からなる膜としても良いし、窒化物からなる膜としても良い。窒化物からなる膜の場合には、スパッタリング法やECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマ法において成膜を低温で行うことが可能となる点で有利な効果を有する。
次に、外部電極接続部追加成膜工程S80として、導電性膜20の第2の部分20bにさらに金属膜8を追加成膜することで、マウントパッド7を形成する。具体的には、金属製マスクを準備し、スパッタリングなどの成膜手段によって導電性膜20上に順次NiCr膜8aと、Au膜8bを成膜する。
次に、周波数粗調整工程S90として、水晶片1aの共振周波数の調整を行う。水晶片1aの共振周波数の調整は、目標とする共振周波数を基準とする広いレンジの中に追い込むことを目的とする粗調と、最終的に要求される周波数精度まで追い込む微調とがあるが、S90では粗調を行う。
まず、図6(h)に示すように、粗調部10にレーザー光Lを瞬間的に照射して、粗調部10を構成する各層を部分的に蒸発させる。この際、下側主面2b、3b側から水晶片1aを透過させてレーザー光Lを粗調部10に照射するとともに、蒸発した粗調部10の金属蒸気を、上側主面2a、3a側から吸引することで、この金属蒸気が他の部分に再付着することを防ぐことができる。そして、粗調部10の重量を低減させることで、これに相当する分だけ周波数が高くなっていく。そして、周波数を確認しながら、目標とする共振周波数を基準とするレンジの中に周波数が入るまでレーザー光Lのスポットを粗調部10内で走査する。ここで、レーザー光Lを照射した際に、各層の温度が急上昇して、振動腕部2、3の稜線部分の膜(図示せず)が部分的に剥がれてしまう現象が発生する場合がある。これは、下地の導電性膜20の第3の部分20cと新たに成膜した膜との密着性が劣る場合に発生する現象であり、圧電振動子の共振周波数の変動の要因になる。しかしながら、下地層である導電性膜20の第3の部分20cとAg膜10bとの間には、下地層との密着性を考慮してCr膜10aを設けていることで、このような現象の発生を防ぐことができる。そして、周波数調整後に、水晶片1aを超音波洗浄して工程中で表面に付着した微粒子等を除去し乾燥させることで、圧電振動片1が完成する。
なお、この段階での周波数調整は粗調のみで、さらに微調を行うことではじめて要求される周波数精度を有する圧電振動片1となるが、本実施形態においては、微調については圧電振動片1を気密端子102に搭載して圧電振動子100を組立てる工程内において実施し、その詳細は後述する。また、本工程においてレーザー光Lが照射された導電性膜20の第3の部分20c及びCr膜10a、10cは、活性化され、大気中に曝されることで酸化等して重量がごく微小量変化してしまうこととなるが、本工程は粗調整のみを目的とするので、この段階でわずかな重量変化が問題となることは無い。
次に、この圧電振動子100を組立てる工程について、図7及び図4を参照して説明する。図7に、圧電振動子100を組立てる工程のフロー図を示す。図7に示すように、まず、上述のように製造された圧電振動片1を簡易な冶具やレーザーを用いて図示しない連結部から切断して個々の圧電振動片にした後に、所定の冶具に整列させる(ステップS100)。
次に、図4に示すように、気密端子102のインナーリード104aと圧電振動片1の位置合わせを行い、インナーリード104aの表面に形成されたSnCu(錫銅合金)やSnPb(錫鉛合金)のメッキ膜を熱風、光、放電熱等のエネルギーにより溶融させ、圧電振動片1の基部4に設けられたマウントパッド7に接続(マウント)する(ステップS110)。これにより、圧電振動片1は、インナーリード104aと機械的かつ電気的に接続される。本工程では、メッキの濡れ性及び接続強度の管理が重要である。次に、圧電振動片1を接続した気密端子102を、真空中において所定の温度をかけてアニールを行い、接合で発生した歪を緩和させる(ステップ120)。
次に、周波数微調整工程S130として、圧電振動片1の共振周波数の微調を行う。微調は、圧電振動片1を最終的に封止する環境と同一のもので行う最後の微小量の調整であり、デバイスの公称周波数の所定の範囲内に調整する。図8及び図9にその概要図を示す。図8及び図9に示すように、真空雰囲気下に圧電振動片1を配置し、微調部9と対応する位置に窓11aが形成されたマスク11を配置する。この状態で、イオンガン12によって例えばアルゴンイオンのプラズマを発生させて、イオンビームIを照射させる。イオンビームIはマスク11の窓11aから露出する微調部9である水晶片1aの表面に照射され、照射部9aで示す部分が削り取られる。このイオンビームIの照射を、発振周波数を計測しながら行って、共振振動数の微調を行う。図10は、周波数微調整工程S130におけるイオンビームIの照射時間と圧電振動片1の周波数との関係を示している。図10に示すように、イオンビームIを微調部9に照射することによって、その経過時間に従って照射部9aが削り取られて、圧電振動片1の重量が振動腕部2、3の先端側で軽くなる。このため、計測される発振周波数は経過時間に伴って高い値を示すこととなる。そして、この発振周波数が、目標とする共振周波目標値F1に対して設定される下限値F2と上限値F3との間に位置するところ(符号F4)でイオンビームIの照射を停止させることで、所定の共振周波数に調整することができる。
ここで、周波数微調整工程S130においては、微調部9として削り取る対象が圧電材である水晶であるため、安定性を有し、表面が活性化されてしまうことが無い。このため、周波数微調整工程S130を行った後にイオンビームIを照射した部分が酸化等の影響を受けてしまうことが無く、微調後の重量変動、すなわち周波数の変動を防ぐことができる。また、イオンビームIは照射した水晶片1aの表面のみに作用し、水晶片1aを透過することが無い。このため、微調部9の表面の剥離を生じさせてしまうことなどが無い。また、図8に示すように微調部9が設けられた上側主面2a、3aと反対側の下側主面2b、3bに対応する位置に、例えば導電性膜20dが形成されていたとしても、イオンビームIが。このような照射した部分以外に作用して、酸化等の影響を発生させてしまうことも無い。
次に、図4及び図7に示すように、各気密端子102に対向する位置にケース101を配置し、真空中でケース101を、圧電振動片1を覆うように圧入して気密封止する(ステップS140)。気密端子102のステム103の外環には、図示しないメッキ層が形成されており、しまりばめに設計されたケース101の内面とメッキ層が密着し気密封止を実現している。なお、ステム103の外環に形成されるメッキ層は、気密端子102のインナーリード104aの表面に形成されるメッキ層と同一の材料であり、10から15μmの厚みを有する。メッキの形成は、バレルメッキ法が慣用されている。そして、気密封止の後に、周波数の安定化のために、真空中または大気中で所定の温度でスクリーニングを行う(ステップS150)。その後、共振周波数及び共振抵抗値等の電気特性を検査する(ステップS160)。上述の工程を実施して圧電振動子100が完成する。
以上のように、本実施形態の圧電振動片1においては、微調部9によって効果的に周波数調整することができるとともに、微調後に酸化等の影響を受けて共振周波数が変化してしまうことを防ぐことができる。このため、微調を行った後の工程を、その環境下のまま行う必要が無く、必要に応じて大気中に取り出すことが可能となり、所望の周波数精度を実現可能なだけでなく、微調後の工程を容易なものとすることができる。また、微調部9として水晶片1aそのものを削り取る構成とすることで、成膜する工程を必要せず、工程数の削減を図って生産効率を向上させることができる。
また、本実施形態の圧電振動子100においては、上述のように共振周波数が酸化等によって変化してしまうことを防ぐことが可能な圧電振動片1を備えることで、周波数精度及び信頼性の向上を図ることができる。また、圧電振動片1の生産効率の向上によって、製造コストの低減を図ることができる。
(第2の実施形態)
図11から図15は、この発明に係る第2の実施形態を示している。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図11は、この実施形態の圧電振動片の断面図を示している。図11に示すように、圧電振動片30は、水晶片1aにおいて、振動腕部2、3の両面、すなわち上側主面2a、3a及び下側主面2b、3bにそれぞれ微調部31が設けられている。本実施形態においては、微調部31が設けられる位置にも導電性膜20の内の一部分である第4の部分20eが水晶片1aに形成されている。さらに、微調部31が設けられる位置で、この導電性膜20の第4の部分20e上には調整膜32が形成されている。調整膜32は、電極保護膜6の膜材と同一材質、すなわち酸化物あるいは窒化物で形成されていて、両者は連続して形成されている。本実施形態においては、電極保護膜6及び調整膜32は、ともにSiO2膜から形成されている。このため、調整膜32及び電極保護膜6を形成する一連のSiO2膜は、導電性膜20の第1の部分20a上と、第4の部分20e上とに成膜されているとともに、その間の隙間2d、3dにおいては、調整膜32と電極保護膜6との接続部32aとして水晶片1aに直接成膜されている。そして、調整膜32と導電性膜20の第4の部分20eによって微調部31が構成されている。
次に、圧電振動片30及び圧電振動片30を備えた圧電振動子の製造方法について説明する。図12に圧電振動片の製造工程のフロー図を、また、図13に説明図を示す。図12に示すように、まず、第1の実施形態同様に、ウエハの切断S10、研磨S20、外形形成工程S30、及び導電性膜形成工程S40を行う。
次に、図13(a)に示すように、第1の実施形態同様に導電性膜パターン形成工程S200を行うが、本実施形態では、さらに微調部31となる位置に、第4の部分20eをパターニングする。そして、粗調部追加成膜工程S60を行った後に、図13(b)に示すように、電極保護膜形成工程S70及び調整膜形成工程S210として、電極保護膜6を成膜するとともに、微調部31となる位置において導電性膜20の第4の部分20e上に調整膜32を成膜する。ここで、電極保護膜6と調整膜32とは同一の膜材で形成されていることから、これらの工程を同時に行うことができる。また、本実施形態において、調整膜32は導電性膜20を介して水晶片1a上に成膜されているので、水晶片1aとの密着性をより良好なものとすることができる。なお、隙間2d、3dにも同時に、接続部32aを成膜するものとする。そして、第1の実施形態同様に、外部電極部追加成膜工程S80及び周波数粗調工程S90を行うことで、図13(c)に示すように、周波数調整として粗調までを完了した圧電振動片30が完成する。微調については、第1の実施形態同様に、圧電振動子を組立てる工程内において気密端子102にマウントされた状態で行われるものとして、その詳細について以下に示す。なお、圧電振動子を組立てるための他の工程については、第1の実施形態同様であるので、その説明を省略する。
図14は、周波数微調整工程S220の模式図を示している。図14に示すように、インナーリード104aにマウントされた状態の圧電振動片30は、図示しない搬送手段によって第1のイオンガン35の直下まで搬送される。第1のイオンガン35と圧電振動片30との間には、圧電振動片30の微調部31の位置と対応する位置に窓36aが形成されたマスク36が設けられている。この状態で第1のイオンガン35からイオンビームIを照射すれば、イオンビームIによって窓36aから露出する微調部31の調整膜32は削り取られる。この際、イオンビームIの照射を発振周波数を計測しながら行い、所定の共振周波数に調整されたらイオンビームIの照射を終了する。また、所定の共振周波数に調整されなかった場合でも、調整膜32の厚さが100Å程度となった場合には、導電性膜20の第4の部分20eにイオンビームIが作用しないようにするためにイオンビームIの照射を終了させる。この場合には、圧電振動片30は、図示しない搬送手段によってさらに第2のイオンガン37の直上まで搬送される。第2のイオンガン37と圧電振動片30との間には、圧電振動片30の微調部31の位置と対応する位置に窓38aが形成されたマスク38が設けられている。この状態で第2のイオンガン37からイオンビームIを照射すれば、第1のイオンガン35によって削り取られた微調部31と反対側の微調部31の調整膜32が削り取られる。そして、所定の共振周波数に調整されたらイオンビームIの照射を終了する。なお、ここでも所定の厚さまで削り取って所定の共振周波数に調整できなかった場合には、さらに接続部32aにイオンビームIを照射して微調を行っても良い。図15は、圧電振動片30の両面の調整膜32及び接続部32aを削り取って、周波数微調整工程S220が完了した状態を示している。
ここで、本実施形態の周波数微調整工程S220においては、微調部9として削り取る対象である調整膜32が酸化物あるいは窒化物であるため、安定性を有し、表面が活性化されてしまうことが無い。さらに、上記のように調整膜32は、所定厚さ残った状態で、導電性膜20が露出しない程度までの削り込みとする。このため、周波数微調整工程S220を行った後にイオンビームIを照射した部分が酸化等の影響を受けてしまうことが無く、微調後の重量変動、すなわち周波数の変動を防ぐことができる。
また、イオンビームIは照射した調整膜32の表面のみに作用し、調整膜32を透過することが無く、このため、下層に位置する導電性膜20の第4の部分20eにイオンビームIが作用して蒸発することで、調整膜32の剥離を生じさせてしまうことなどが無い。また、イオンビームIが、透過することで調整膜32以外に作用して、酸化等の影響を発生させてしまうことも無い。また、調整膜32を形成する調整膜形成工程S210は、電極保護膜形成工程S70と同時に行うことができることで、工程数を削減して、生産効率を向上させることができる。さらに、微調部31を圧電振動片30の両面に設けることで、周波数微調整工程S220として、圧電振動片30の両面で周波数の微調を行うことができる。このため、調整可能な周波数の幅が増大し、より好適に共振周波数の設定を行うことが可能となる。
図16は、この実施形態の変形例における周波数微調整工程S230を示している。この変形例の周波数微調整工程S230では、第1のイオンガン35と第2のイオンガン37、及び、マスク36及びマスク38とがそれぞれ対向して設けられていて、圧電振動片30は図示しない搬送手段によってマスク36、38の間に搬送される。そして、第1のイオンガン35と第2のイオンガン37によって同時に、圧電振動片30の両面に設けられた微調部31の両方にイオンビームIを照射して周波数調整を行う。なお、第1のイオンガン35と第2のイオンガン37とは、各マスク36、38、若しくは圧電振動片30に照射されるため互いに干渉すること無く使用することが可能である。
この変形例の圧電振動片の製造方法によれば、微調部31が圧電振動片30の両面に設けられて、かつ、同時にイオンビームIを照射することで、周波数微調整工程S230におけるサイクルタイムを向上させることができる。また、図示しない搬送手段によって搬送する延長を短くすることができ、搬送手段の簡略化や装置スペースの削減が可能となる。
なお、第1及び第2の実施形態においては、微調部9、31を削り取る手段としてアルゴンイオンビームを使用するものとしたが、他のイオン源によるものを選択しても良い。また、第1の実施形態において、微調部9は、上側主面2a、3aのみに形成されるものとしたが、第2の実施形態同様に、下側主面2b、3bにも形成して両面で行うものとしても良い。また、圧電振動子について、圧電振動片1、30を備えたシリンダーパッケージタイプの圧電振動子について説明したが、これに限るものでは無く、セラミックパッケージタイプの圧電振動子としても良い。セラミックパッケージタイプの場合は、圧電振動片を、固定手段を用いてベースに接続するために、一方の主面はベースに対向してしまう。そのために、イオンビームによる加工は圧電振動片の片面に制限される場合が一般的であるが、本発明の第1及び第2の実施形態を適宜変更して適用することは、極めて容易である。
(第3の実施形態)
図17は、この発明に係る第3の実施形態を示している。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図17は、本発明に係る音叉型水晶発振器の構成を示す概略図であり、上述した圧電振動子を利用した表面実装型圧電発振器の平面図を示している。 図17に示すように、この実施形態の発振器120は、シリンダーパッケージタイプの圧電振動子100を、集積回路121に電気的に接続された発振子として構成したものである。なお、圧電振動子100については、第1の実施形態のものと同様であるので、その説明を省略する。この発振器120は、コンデンサ等の電子部品122が実装された基板123を備えている。基板123には、発振器用の集積回路121が実装されていて、この集積回路121の近傍に、圧電振動片1が実装されている。これら電子部品122、集積回路121及び圧電振動子100は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器120において、圧電振動子100に電圧を印加すると、圧電振動子100内の圧電振動片1が振動し、この振動が水晶の圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路121に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路121によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子100が発振子として機能する。また、集積回路121の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
上述したように、本実施形態の発振器120によれば、上述の圧電振動子100を備えることで、圧電振動子100から出力される周波数信号をより高精度なものとすることができ、発振器120としての精度及び信頼性を向上させることができる。なお、上記の発振器120は、シリンダーパッケージタイプの圧電振動子100を備えるものとして説明したが、少なくとも本発明の圧電振動片を備える圧電振動子であれば良い。例えば、表面実装型パッケージタイプの圧電振動子としても良いし、セラミックパッケージタイプの圧電振動子としても良い。
(第4の実施形態)
図18は、この発明に係る第4の実施形態を示している。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態においては、電子機器として、上述した圧電振動子100を有する携帯情報機器を例にして説明する。図18は、この電子機器の構成を示すブロック図である。図18に示すように、この実施形態の携帯情報機器130は、圧電振動子100と、電力を供給するための電源部131とを備えている。電源部131は、例えば、リチウム二次電池で構成されている。この電源部131には、各種制御を行う制御部132と、時刻等のカウントを行う計時部133と、外部との通信を行う通信部134と、各種情報を表示する表示部135と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部136とが並列に接続されている。そして、電源部131によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部132は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部132は、予めプログラムが書き込まれたROMと、ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部133は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子100とを備えている。圧電振動子100に電圧を印加すると圧電振動片1が振動し、この振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部132と信号の送受信が行われ、表示部135に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部134は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部137、音声処理部138、切替部139、増幅部140、音声入出力部141、電話番号入力部142、着信音発生部143及び呼制御メモリ部144を備えている。無線部137は、音声データ等の各種データを、アンテナ145を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部138は、無線部137又は増幅部140から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部140は、音声処理部138又は音声入出力部141から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部141は、スピーカやマイクロフォン等から構成され、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部143は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部139は、着信時に限って、音声処理部138に接続されている増幅部140を着信音発生部143に切り替えることによって、着信音発生部143において生成された着信音が増幅部140を介して音声入出力部141に出力される。なお、呼制御メモリ部144は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部142は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えていて、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部136は、電源部131によって制御部132等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部132に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部134を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部136から電圧降下の通知を受けた制御部132は、無線部137、音声処理部138、切替部139及び着信音発生部143の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部137の動作停止は、必須となる。更に、表示部135に、通信部134が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部136と制御部132とによって、通信部134の動作を禁止し、その旨を表示部135に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部135の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。なお、携帯情報機器130は、通信部134の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部146を備えており、この電源遮断部146によって、通信部134の機能が確実に停止される。
この実施形態の携帯情報機器130によれば、上述の圧電振動子100を備えることで、圧電振動子100から出力される周波数信号をより高精度なものとすることができ、携帯情報機器130としての精度及び信頼性を向上させることができる。なお、上記の携帯情報機器130は、シリンダーパッケージタイプの圧電振動子100を備えるものとして説明したが、少なくとも本発明の圧電振動片を備える圧電振動子であれば良い。例えば、表面実装型パッケージタイプの圧電振動子としても良いし、セラミックパッケージタイプの圧電振動子としても良い。また、上述の圧電振動子100を実装する場合において、予め円筒状のケース101の周囲を覆うように樹脂モールドしてある表面実装型タイプとすれば、他の電子部品と同時にプリント基板上にリフロー半田にて接続できるためより好適である。
(第5の実施形態)
図19は、この発明に係る第5の実施形態を示している。この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
この実施形態においては、電波時計の一実施形態として、上述した圧電振動子100を有する電波時計について説明する。図19は、この電波時計の構成を示すブロック図である。図19に示すように、この実施形態の電波時計150は、フィルタ部151に電気的に接続された圧電振動子100を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
アンテナ152は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ153によって増幅され、複数の圧電振動子100を有するフィルタ部151によって濾波、同調される。なお、圧電振動子100として、上記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する圧電振動子部154、155をそれぞれ備えている。
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路156により検波復調される。そして、波形整形回路157を介してタイムコードが取り出され、CPU158でカウントされる。CPU158では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC159に反映され、正確な時刻情報が表示される。搬送波は40kHz若しくは60kHzであるから、圧電振動子部154、155は、上述した音叉型の構造を持つ圧電振動子が好適である。60kHzを例にとれば、音叉型振動子片の寸法例として、全長が約2.8mm、基部の幅寸法が約0.5mmの寸法で構成することが可能である。
この実施形態の電波時計150によれば、上述の圧電振動子100を備えることで、圧電振動子100によってより高精度に時刻をカウントすることができる。このため、電波時計150としての精度及び信頼性を向上させることができる。なお、上記の電波時計150は、シリンダーパッケージタイプの圧電振動子100を備えるものとして説明したが、少なくとも本発明の圧電振動片を備える圧電振動子であれば良い。例えば、セラミックパッケージタイプの圧電振動子としても良い。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
この発明の第1の実施形態の圧電振動片の斜視図である。 この発明の第1の実施形態の圧電振動片の図1に示す切断線A−Aにおける断面図である。 この発明の第1の実施形態の圧電振動片の図1に示す切断線B−Bにおける断面図である。 この発明の第1の実施形態の圧電振動子の斜視図である。 この発明の第1の実施形態の圧電振動片の製造工程を示すフロー図である。 この発明の第1の実施形態の圧電振動片の製造工程を示す工程図である。 この発明の第1の実施形態の圧電振動子の製造工程を示すフロー図である。 この発明の第1の実施形態の圧電振動片の周波数微調整工程における説明図 である。 この発明の第1の実施形態の圧電振動片の周波数微調整工程における説明図 である。 この発明の第1の実施形態の圧電振動片の周波数微調整工程におけるイオンビーム照射時間と周波数との関係を示すグラフである。 この発明の第2の実施形態の圧電振動片の断面図である。 この発明の第2の実施形態の圧電振動片の製造工程を示すフロー図である。 この発明の第2の実施形態の圧電振動片の製造工程を示す工程図である。 この発明の第2の実施形態の圧電振動片の周波数微調整工程における説明図である。 この発明の第2の実施形態の圧電振動片の周波数微調整工程完了後の断面図である。 この発明の第2の実施形態の変形例の圧電振動片の周波数微調整工程における説明図である。 この発明の第3の実施形態の発振器の概要図である。 この発明の第4の実施形態の電子機器のブロック図である。 この発明の第5の実施形態の電波時計のブロック図である。
符号の説明
1、30 圧電振動片
1a 水晶片(圧電材片)
2a、3a、4a 上側主面
2b、3b、4b 下側主面
5 励振電極
6 電極保護膜
7 マウントパッド(外部電極接続部)
8、34 金属膜
9、31 微調部
20 導電性膜
32 調整膜
100 圧電振動子
120 発振器
130 携帯情報機器(電子機器)
150 電波時計
S30 外形形成工程
S40 導電性膜形成工程
S50 導電性膜パターン形成工程
S70 電極保護膜形成工程
S130 周波数微調整工程
S210 調整膜形成工程
I イオンビーム

Claims (16)

  1. 所定の形状に形成された圧電材片上に、外部電極と接続される外部電極接続部と、前記圧電材片を所定の周波数で振動させる励振電極と、前記圧電材片を所定の共振周波数に設定するための微調部とが設けられた圧電振動片の製造方法であって、
    前記圧電材片の外形を形成する外形形成工程と、
    外形形成された該圧電材片の表面に導電性膜を成膜する導電性膜形成工程と、
    前記励振電極となる位置で前記導電性膜をパターニングするとともに、前記微調部となる位置で前記導電性膜を除去して、前記圧電材片の表面の一部分を露出させる導電性膜パターン形成工程と、
    該圧電材片の表面が露出して構成された前記微調部にイオンビームを照射して削り取ることで、該微調部の重量を調整して、前記圧電材片を所定の共振周波数に設定する周波数微調整工程とを備えることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  2. 所定の形状に形成された圧電材片上に、外部電極と接続される外部電極接続部と、前記圧電材片を所定の周波数で振動させる励振電極と、前記圧電材片を所定の共振周波数に設定するための微調部とが設けられた圧電振動片の製造方法であって、
    前記圧電材片の外形を形成する外形形成工程と、
    外形形成された該圧電材片の表面に導電性膜を成膜する導電性膜形成工程と、
    前記励振電極となる位置で、前記導電性膜をパターニングする導電性膜パターン形成工程と、
    前記微調部となる位置に、酸化物または窒化物からなる調整膜を成膜する調整膜形成工程と、
    前記微調部の前記調整膜にイオンビームを照射して削り取ることで、該微調部の重量を調整して、前記圧電材片を所定の共振周波数に設定する周波数微調整工程とを備えることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  3. 請求項2に記載の圧電振動片の製造方法において、
    前記導電性膜パターン形成工程は、さらに前記微調部となる位置に前記導電性膜をパターニングするとともに、
    前記調整膜形成工程は、前記微調部となる位置に形成された前記導電性膜上に前記調整膜を成膜することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の圧電振動片の製造方法において、
    前記励振電極となる位置に形成された前記導電性膜上に、前記調整膜と同一膜材の電極保護膜を成膜する電極保護膜形成工程を備え、
    前記調整膜形成工程は、前記電極保護膜形成工程と同時に、前記微調部となる位置で前記電極保護膜を前記調整膜として成膜することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧電振動片の製造方法において、
    前記微調部は前記圧電材片の両面に設けられ、
    前記周波数微調整工程は、少なくとも一方の前記微調部に前記イオンビームを照射して行い、所定の共振周波数に設定されなかった場合には、さらに他方の前記微調部に前記イオンビームを照射して行うことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の圧電振動片の製造方法において、
    前記微調部は前記圧電材片の両面に設けられ、
    前記周波数微調整工程は、前記圧電材片の両面の前記微調部に同時に前記イオンビームを照射して行うことを特徴とする圧電振動片の製造方法。
  7. 所定の形状に形成された圧電材片と、
    該圧電材片の表面に所定のパターンで形成された導電性膜の少なくとも一部分によって形成され、前記圧電材片を所定の周波数で振動させる励振電極と、
    外部電極と接続される外部電極接続部と、
    イオンビームを照射可能に表面を露出させた前記圧電材片の一部分であり、前記イオンビームを照射して削り取ることで重量の調整が行われる微調部とを備えることを特徴とする圧電振動片。
  8. 所定の形状に形成された圧電材片と、
    該圧電材片の表面に所定のパターンで形成された導電性膜の少なくとも一部分によって形成され、前記圧電材片を所定の周波数で振動させる励振電極と、
    外部電極と接続される外部電極接続部と、
    酸化物または窒化物からなる調整膜で形成され、該調整膜にイオンビームを照射して削り取ることで重量の調整が行われる微調部とを備えることを特徴とする圧電振動片。
  9. 請求項8に記載の圧電振動片において、
    前記微調部は、前記導電性膜の内の前記励振電極と異なる他の部分と、該導電性膜上に形成された前記調整膜とで構成されていることを特徴とする圧電振動片。
  10. 請求項8または請求項9に記載の圧電振動片において、
    前記励振電極に形成された前記導電性膜上には、前記調整膜と同一膜材の電極保護膜が形成されていることを特徴とする圧電振動片。
  11. 請求項7から請求項10のいずれかに記載の圧電振動片において、
    前記微調部は、前記圧電材片の両面に設けられていることを特徴とする圧電振動片。
  12. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の圧電振動片の製造方法により製造された圧電振動片を備えることを特徴とする圧電振動子。
  13. 請求項7から請求項11のいずれかに記載の圧電振動片を備えることを特徴とする圧電振動子。
  14. 請求項12または請求項13に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に接続されていることを特徴とする発振器。
  15. 請求項12または請求項13に記載の圧電振動子を備えることを特徴とする電子機器。
  16. 請求項12または請求項13に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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