JP2012169788A - パッケージ製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計 - Google Patents

パッケージ製造方法、圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計 Download PDF

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Abstract

【課題】狭小な幅の引き回し電極を厚くかつ精度よく形成でき、耐久性に優れ安定した電気的特性が得られるパッケージ製造方法、このパッケージ製造方法により製造された圧電振動子、この圧電振動子を有する発振器、電子機器、および電波時計を提供する。
【解決手段】ベース基板用ウエハ40の上面Uに引き回し電極を形成する引き回し電極形成工程S33を有し、引き回し電極形成工程S33は、マスク部材75をベース基板用ウエハ40の上面Uに配置するマスク部材配置工程S33Bと、ベース基板用ウエハ40の上面U側に配置された噴霧器77を、上面Uに沿って往復移動させながら導電性樹脂73を噴霧するとともに、ヒータプレート71を加熱して上面Uに付着した導電性樹脂73を乾燥させる仮乾燥工程S33Cと、乾燥させた導電性樹脂73を焼成して硬化させる焼成工程S33Dと、を有することを特徴としている。
【選択図】図8

Description

この発明は、パッケージ製造方法、この製造方法により製造された圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計に関するものである。
例えば、携帯電話や携帯情報端末には、時刻源や制御信号などのタイミング源、リファレンス信号源などとして水晶などを利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが知られているが、その一つとして、2層構造タイプの表面実装型の圧電振動子が知られている。
このタイプの圧電振動子は、ベース基板(本願請求項の「第1基板」に相当)とリッド基板とが接合されることでパッケージ化されており、両基板の間に形成されたキャビティ内には、ベース基板上面に実装される圧電振動片が収納されている。
この圧電振動子のベース基板には、ベース基板を貫通してキャビティの内外を導通する貫通電極(本願請求項の「取り出し電極」に相当)が形成されている。また、貫通電極と、キャビティ内の圧電振動片とは、ベース基板の上面に形成された引き回し電極によって電気的に接続されている。
ここで、基板に電極を形成する手法としては、一般に、マスク材の上からスパッタリングにより金属膜を成膜して電極を形成するマスキングスパッタ法や、マスク材の上からスキージを走査し、銀ペースト材等の導電性樹脂材料を塗布して電極を形成するスクリーン印刷等が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平7−268603号公報
ところで、近年のパッケージの電子機器の小型化に伴い、引き回し電極の電極幅の狭小化が要求されている。しかし、引き回し電極の電極幅を狭小化することにより、引き回し電極の耐久性が低下するおそれがある。また、引き回し電極の断面積が減少して電気抵抗値が上昇し、圧電振動子の効率が低下するおそれがある。したがって、引き回し電極の電極幅を狭小化するとともに、引き回し電極を厚膜化して、引き回し電極の耐久性を向上させつつ、電気抵抗値が上昇しないように引き回し電極の断面積を確保する必要がある。
ここで、マスキングスパッタ法では、引き回し電極の電極幅を狭小に形成できる。しかしながら、マスキングスパッタ法は、所定値以上の厚さの電極を形成するのは困難である。したがって、引き回し電極の電極幅を狭小化するのに伴い、引き回し電極の耐久性が低下するとともに、電気抵抗値が上昇して圧電振動子の効率が低下するおそれがある。
また、スクリーン印刷で引き回し電極を形成する場合、狭小な幅の引き回し電極に対応した、狭小な開口を有するマスクが必要となる。このため、スクリーン印刷では、金属繊維を編み込んだメッシュマスクを用いるのが一般的である。
しかし、メッシュマスクの柾目による圧痕が引き回し電極に形成されて引き回し電極の厚みにバラつきが生じるおそれがある。さらに、銀ペースト材等の導電性樹脂材料を厚く塗布した場合、導電性樹脂材料が硬化する前は引き回し電極のパターン形状を保持できないため、導電性樹脂材料が垂れる等して精度よく引き回し電極を形成できないおそれがある。これにより、引き回し電極の耐久性が低下するとともに、電気的特性が安定しないおそれがある。
そこで本発明は、狭小な幅の引き回し電極を厚くかつ精度よく形成でき、耐久性に優れ安定した電気的特性が得られるパッケージ製造方法、このパッケージ製造方法により製造された圧電振動子、この圧電振動子を有する発振器、電子機器、および電波時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明のパッケージ製造方法は、互いに接合された複数の基板との間に形成されたキャビティ内に、電子部品を封入可能なパッケージ製造方法であって、前記キャビティ内と前記基板の外側とを導通させる取り出し電極と、前記電子部品とを電気的に接続する引き回し電極を、前記複数の基板のうちの第1基板の内面に形成する引き回し電極形成工程を有し、前記引き回し電極形成工程は、ヒータプレートに前記第1基板の外面を当接させて配置する第1基板配置工程と、前記引き回し電極に対応した形状の開口部が形成されたマスク部材を、前記第1基板の内面に配置するマスク部材配置工程と、前記第1基板の前記内面側に配置された噴霧器を、前記第1基板の前記内面に沿って往復移動させながら導電性樹脂を噴霧するとともに、前記ヒータプレートを加熱して前記第1基板の前記内面に付着した前記導電性樹脂を乾燥させる仮乾燥工程と、乾燥させた前記導電性樹脂を焼成して硬化させる焼成工程と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、噴霧器を往復移動させながら導電性樹脂を噴霧するとともに、ヒータプレートを加熱して導電性樹脂を乾燥させる仮乾燥工程を有しているので、マスク部材により形成された引き回し電極のパターン形状を保持しながら導電性樹脂を重ねて塗布できる。したがって、スクリーン印刷で引き回し電極を形成する場合よりも狭小な引き回し電極を厚くかつ精度よく形成でき、マスキングスパッタ法で引き回し電極を形成する場合よりも、耐久性に優れ安定した電気的特性が得られるパッケージを製造できる。
また、前記第1基板を正に帯電させ、前記導電性樹脂を負に帯電させたことを特徴としている。
本発明によれば、第1基板を正に帯電させ、導電性樹脂を負に帯電させることで、いわゆる静電スプレー方式により導電性樹脂を塗布することができる。したがって、第1基板に対して導電性樹脂を確実に付着させて引き回し電極を形成できる。
また、前記引き回し電極の厚さは1μm以上20μm以下であり、前記引き回し電極のうち、前記電子部品のマウント電極と前記取り出し電極とを電気的に接続する引き回し部の幅は、200μm以下であることを特徴としている。
マスキングスパッタ法により引き回し電極を形成する場合、通常、引き回し電極の厚さは0.2μm程度となる。しかし、本発明によれば、仮乾燥工程を有しているので、狭小な引き回し電極を厚くかつ精度よく形成できる。したがって、マスキングスパッタ法で引き回し電極を形成する場合よりも、耐久性に優れ安定した電気的特性が得られるパッケージを製造できる。
また、本発明の圧電振動子は、上述のパッケージ製造方法により製造した前記パッケージの内部に、圧電振動片が封入されていることを特徴としている。
本発明によれば、狭小な引き回し電極が厚くかつ精度よく形成されたパッケージの内部に圧電振動片が封入されているので、耐久性に優れ、かつ等価抵抗値が低く電気的特性に優れた圧電振動子を提供できる。
また、本発明の発振器は、上述した圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴としている。
また、本発明の電子機器は、上述した圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴としている。
また、本発明の電波時計は、上述した圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴としている。
本発明の発振器、電子機器および電波時計によれば、耐久性に優れ、かつ等価抵抗値が低く電気的特性に優れた圧電振動子を備えているので、高性能な発振器、電子機器および電波時計を提供できる。
本発明によれば、噴霧器を往復移動させながら導電性樹脂を噴霧するとともに、ヒータプレートを加熱して導電性樹脂を乾燥させる仮乾燥工程を有しているので、マスク部材により形成された引き回し電極のパターン形状を保持しながら導電性樹脂を重ねて塗布できる。したがって、スクリーン印刷で引き回し電極を形成する場合よりも狭小な引き回し電極を厚くかつ精度よく形成でき、マスキングスパッタ法で引き回し電極を形成する場合よりも、耐久性に優れ安定した電気的特性が得られるパッケージを製造できる。
圧電振動子を示す外観斜視図である。 図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態の平面図である。 図2のA−A線における断面図である。 図1に示す圧電振動子の分解斜視図である。 圧電振動子の製造方法のフローチャートである。 ウエハ体の分解斜視図である。 引き回し電極のパターン形成装置の概略構成図である。 仮乾燥工程の説明図である。 焼成工程の説明図である。 発振器の一実施形態を示す構成図である。 電子機器の一実施形態を示す構成図である。 電波時計の一実施形態を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態に係る圧電振動子を、図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、第1基板をベース基板用ウエハとして説明する。また、ベース基板(またはベース基板用ウエハ)のリッド基板(またはリッド基板用ウエハ)との接合面を上面Uとし、ベース基板(またはベース基板用ウエハ)の外側面を下面Lとして説明する。
図1は、圧電振動子1の外観斜視図である。
図2は、圧電振動子1の内部構成図であって、リッド基板3を取り外した状態の平面図である。
図3は、図2のA−A線における断面図である。
図4は、図1に示す圧電振動子1の分解斜視図である。
なお、図4においては、図面を見易くするために後述する励振電極13,14、引き出し電極19,20、マウント電極16,17および重り金属膜21の図示を省略している。
図1に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板2およびリッド基板3が接合膜35を介して陽極接合されたパッケージ9と、パッケージ9のキャビティ3aに収納された圧電振動片4と、を備えた表面実装型の圧電振動子1である。
(圧電振動片)
図2に示すように、圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、前記一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10,11の両主面上に形成された溝部18とを備えている。この溝部18は、振動腕部10,11の長手方向に沿って振動腕部10,11の基端側から略中間付近まで形成されている。
励振電極13,14および引き出し電極19,20は、後述するマウント電極16,17の下地層と同じ材料のクロムにより単層膜が形成されている。これにより、マウント電極16,17の下地層を成膜するのと同時に、励振電極13,14および引き出し電極19,20を成膜できる。
励振電極13,14は、一対の振動腕部10,11を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極である。第1の励振電極13および第2の励振電極14は、一対の振動腕部10,11の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。
マウント電極16,17は、クロムと金との積層膜であり、水晶と密着性の良いクロム膜を下地層として成膜した後に、表面に金の薄膜を仕上げ層として成膜することにより形成される。
一対の振動腕部10,11の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21aおよび微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部10,11の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
(パッケージ)
図3に示すように、ベース基板2およびリッド基板3は、ガラス材料、例えばソーダ石灰ガラスからなる陽極接合可能な基板であり、略板状に形成されている。リッド基板3におけるベース基板2との接合面側には、圧電振動片4を収容するキャビティ3aが形成されている。
リッド基板3におけるベース基板2との接合面側の全体に、陽極接合用の接合膜35(接合材)が形成されている。接合膜35は、キャビティ3aの内面全体に加えて、キャビティ3aの周囲の額縁領域に形成されている。本実施形態の接合膜35は、アルミニウムにより形成されているが、クロムやシリコン等で接合膜35を形成することも可能である。後述するように、この接合膜35とベース基板2とが陽極接合され、キャビティ3aが真空封止されている。
圧電振動子1は、ベース基板2を厚さ方向に貫通し、キャビティ3aの内側と圧電振動子1の外側とを導通する貫通電極32,33(本願請求項の「取り出し電極」に相当)を備えている。そして、貫通電極32,33は、ベース基板2を貫通する貫通孔30,31内に配置され、圧電振動片4と外部とを電気的に接続する金属ピン7と、貫通孔30,31と金属ピン7との間に充填される筒体6と、により形成されている。なお、以下には貫通電極32を例にして説明するが、貫通電極33についても同様である。また、貫通電極33、引き回し電極37および外部電極39の電気的接続についても、貫通電極32、引き回し電極36および外部電極39と同様となっている。
貫通孔30は、ベース基板2の上面U側から下面L側にかけて、内形が次第に大きくなるように形成されており、貫通孔30の中心軸Oを含む断面形状がテーパ状となるように形成されている。
金属ピン7は、銀やニッケル合金、アルミニウム等の金属材料により形成された導電性の棒状部材であり、鍛造やプレス加工により成型される。金属ピン7は、線膨張係数がベース基板2のガラス材料と近い金属、例えば、鉄を58重量パーセント、ニッケルを42重量パーセント含有する合金(42アロイ)で形成することが望ましい。
筒体6は、ペースト状のガラスフリットが焼成されたものである。筒体6の中心には、金属ピン7が筒体6を貫通するように配されており、筒体6は、金属ピン7および貫通孔30に対して強固に固着している。
図4に示すように、ベース基板2の上面U側には、一対の引き回し電極36,37がパターニングされている。
一対の引き回し電極36,37のうち、一方の引き回し電極36は、一方の貫通電極32の真上に位置するように形成されている。
また、他方の引き回し電極37は、一方の引き回し電極36に隣接した位置に形成されたマウント部37bと、他方の貫通電極33の真上に位置するように形成された貫通電極接続部37cと、マウント部37bと貫通電極接続部37cとを接続する引き回し部37aと、により構成されている。引き回し部37aは、マウント部37bから振動腕部10,11に沿って振動腕部10,11の先端側に引き回され、貫通電極接続部37cに接続するように形成されている。
引き回し電極36,37の厚さは1μm以上20μm以下に形成されている。また、引き回し電極37の引き回し部37aの幅は、200μm以下に形成される。本実施形態では、引き回し電極36,37の厚さは10μm、引き回し電極37の引き回し部37aにおける幅は、100μmに形成されている。
そして、引き回し電極36および引き回し電極37のマウント部37b上にそれぞれバンプBが形成されており、バンプBを利用して圧電振動片4の一対のマウント電極が実装されている。これにより、圧電振動片4の一方のマウント電極16が、一方の引き回し電極36を介して一方の貫通電極32に導通し、他方のマウント電極17が、他方の引き回し電極37を介して他方の貫通電極33に導通するようになっている。
ベース基板2の下面Lには、一対の外部電極38,39が形成されている。一対の外部電極38,39は、ベース基板2の長手方向の両端部に形成され、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続されている。
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極38,39に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の第1の励振電極13および第2の励振電極14に電圧を印加できるので、一対の振動腕部10,11を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部10,11の振動を利用して、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として利用できる。
(圧電振動子の製造方法)
図5は、本実施形態の圧電振動子1の製造方法のフローチャートである。
図6は、ウエハ体60の分解斜視図である。なお、図6に示す点線は、後に行う切断工程で切断する切断線Mを図示している。
次に、圧電振動子1の製造方法を、図5のフローチャートおよび図面を参照しながら説明する。
図5に示すように、本実施形態に係る圧電振動子1の製造方法は、主に、圧電振動片作製工程S10と、リッド基板用ウエハ作製工程S20と、ベース基板用ウエハ作製工程S30と、組立工程(マウント工程S50以降)とを有している。各工程のうち、圧電振動片作製工程S10、リッド基板用ウエハ作製工程S20およびベース基板用ウエハ作製工程S30は、並行して実施できる。
(圧電振動片作製工程S10)
圧電振動片作製工程S10では、圧電振動片4を作製している。具体的には、まず水晶のランバート原石を所定の角度でスライスし、ポリッシュなどの鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハとする。続いて、フォトリソグラフィ技術によって圧電振動片4の外形形状にパターニングするとともに、金属膜の成膜およびパターニングを行って、励振電極13,14、引き出し電極19,20、マウント電極16,17および重り金属膜21を形成する。その後、圧電振動片4の共振周波数の粗調を行う。以上で、圧電振動片作製工程S10が終了する。
(リッド基板用ウエハ作製工程S20)
図6に示すように、リッド基板用ウエハ作製工程S20では、後にリッド基板3となるリッド基板用ウエハ50(請求項の「第1基板」に相当)を作製する。まず、ソーダ石灰ガラスからなる円板状のリッド基板用ウエハ50を、所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチングなどにより最表面の加工変質層を除去する(S21)。次いで、キャビティ形成工程S22では、リッド基板用ウエハ50におけるベース基板用ウエハ40との接合面に、キャビティ3aを複数形成する。キャビティ3aの形成は、加熱プレス成型やエッチング加工などによって行う。次に、接合面研磨工程S23では、ベース基板用ウエハ40との接合面を研磨する。
次に、接合膜形成工程S24では、ベース基板用ウエハ40との接合面に、シリコンからなる接合膜35(図3参照)を形成する。接合膜35は、ベース基板用ウエハ40との接合面に加えて、キャビティ3aの内面全体に形成してもよい。接合膜35の形成は、スパッタリングやCVD等の成膜方法によって行うことができる。なお、接合膜形成工程S24の前に接合面研磨工程S23を行っているので、接合膜35の表面の平面度が確保され、ベース基板用ウエハ40との安定した接合を実現できる。
(ベース基板用ウエハ作製工程S30)
ベース基板用ウエハ作製工程S30では、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ40を作製する。まず、ソーダ石灰ガラスからなる円板状のベース基板用ウエハ40を、所定の厚さまで研磨加工して洗浄した後に、エッチングなどにより最表面の加工変質層を除去する(S31)。
(貫通電極形成工程S32)
次いで、ベース基板用ウエハ40に、一対の貫通電極32を形成する貫通電極形成工程S32を行う。なお、以下には貫通電極32の形成工程を説明するが、貫通電極33の形成工程についても同様である。
まず、ベース基板用ウエハ40の下面Lから上面Uにかけてプレス加工等で貫通孔30を成型する。次に、貫通孔30内に金属ピン7を挿入してガラスフリットを充填する。ガラスフリットは、主に粉末状のガラス粒子と、有機溶剤と、バインダ(固着剤)とにより構成されている。
続いて、ガラスフリットを焼成して、ガラスの筒体6、貫通孔30および金属ピン7(いずれも図3参照)を一体化させる。例えば、ベース基板用ウエハ40を焼成炉に搬送した後、ガラスフリットを焼成している。このとき、ガラスフリット内部の有機溶剤やバインダ等が蒸発して、一酸化炭素(CO)や二酸化炭素(CO2)、水蒸気(H2O)等のアウトガスが発生し、ガラスフリットの外部に放出される。
最後に、ベース基板用ウエハ40の上面Uおよび下面Lを研磨して、金属ピン7を上面Uおよび下面Lに露出させつつ平坦面とすることにより、貫通孔30内に貫通電極32を形成する。貫通電極32により、ベース基板用ウエハ40の上面U側と下面L側との導電性が確保されると同時に、ベース基板用ウエハ40の貫通孔30を封止できる。
(引き回し電極形成工程S33)
次に、貫通電極にそれぞれ電気的に接続された引き回し電極36,37をベース基板用ウエハ40の上面Uに複数形成する引き回し電極形成工程S33を行う。
図7は、引き回し電極36,37のパターン形成装置65の概略構成図である。なお、図7は、引き回し電極37の引き回し部37aに対応した位置の断面図となっている。
以下では、まず引き回し電極形成工程S33で引き回し電極36,37のパターンを形成するパターン形成装置65の構成を説明した後に、引き回し電極形成工程S33について説明する。
(パターン形成装置)
引き回し電極36,37のパターン形成装置65は、ベース基板用ウエハ40の上面Uに引き回し電極36,37の形成材料である導電性樹脂73を噴霧する噴霧器77と、ベース基板用ウエハ40の上面Uに噴霧された導電性樹脂73のパターンを形成するマスク部材75と、ベース基板用ウエハ40を加熱してベース基板用ウエハ40の上面Uに付着した導電性樹脂73を仮乾燥させるヒータプレート71と、により構成されている。
噴霧器77は、導電性樹脂73を噴霧する噴霧口77aが、ベース基板用ウエハ40の上方において法線方向に沿うように配置されている。噴霧口77aからは、導電性樹脂73がベース基板用ウエハ40の上面Uに向かって放射状に噴霧される。また、噴霧器77は、不図示の駆動装置により、ベース基板用ウエハ40の上面Uに沿って、ベース基板用ウエハ40の上面U全面に導電性樹脂73を噴霧できるように往復移動可能となっている。なお、噴霧器77は市販のスプレー等を用いてもよい。
噴霧器77により噴霧される導電性樹脂73は、例えば銀ペーストであり、主に粉末状の銀粒子と、有機溶剤と、バインダ(固着剤)とにより構成されている。導電性樹脂73の粘度は、例えば30CP〜60000CP程度まで、幅広く選択できる。
マスク部材75は、例えばステンレスからなる厚さ50μm程度のいわゆるメタルマスクであり、ベース基板用ウエハ40の上面Uに載置される。マスク部材75は、引き回し電極36,37を形成したい部分に開口を設けている。なお、図7では、引き回し電極37のうち引き回し部37aを形成する引き回し部形成用開口75aが図示されている。
マスク部材75の開口は、形成される引き回し電極36,37に対応した大きさで形成されている。例えば、引き回し部形成用開口75aの幅は、引き回し電極37の引き回し部37aの幅に対応して、約100μmに形成されている。
ヒータプレート71は、載置されるベース基板用ウエハ40よりも大きな外形を有しており、例えば、市販のホットプレート等が使用される。ヒータプレート71は、ベース基板用ウエハ40の上面Uに噴霧された導電性樹脂73の仮乾燥温度である100℃以上に加熱できるようにとなっている。
引き回し電極形成工程S33は、ヒータプレート71にベース基板用ウエハ40を配置するベース基板用ウエハ配置工程S33Aと、マスク部材75を配置するマスク部材配置工程S33Bと、導電性樹脂73を噴霧するとともにベース基板用ウエハ40に付着した導電性樹脂73を乾燥させる仮乾燥工程S33Cと、導電性樹脂73を焼成して硬化させる焼成工程S33Dとを有している。
また、本実施形態では、ベース基板用ウエハ40を正に帯電させ、導電性樹脂73を負に帯電させた、いわゆる静電スプレー方式により、ベース基板用ウエハ40に導電性樹脂73を塗布している。
(ベース基板用ウエハ配置工程S33A)
図7に示すように、ベース基板用ウエハ配置工程S33Aでは、ヒータプレート71の上面71aに、ベース基板用ウエハ40の下面Lを当接させて、ヒータプレート71にベース基板用ウエハ40を配置している。
(マスク部材配置工程S33B)
マスク部材配置工程S33Bでは、引き回し電極36,37が形成されるベース基板用ウエハ40の上面U側にマスク部材75を配置している。引き回し部形成用開口75a等のマスク部材75の開口は、引き回し電極36,37の形成領域に対応して配置されており、不図示の位置決め治具によって、ベース基板用ウエハ40とマスク部材75との位置決めがされている。
(仮乾燥工程S33C)
図8は、仮乾燥工程S33Cの説明図である。
図8に示すように、仮乾燥工程S33Cでは、ベース基板用ウエハ40の上面Uに沿って噴霧器77を往復移動させながら導電性樹脂73を噴霧するとともに、ヒータプレート71を加熱してベース基板用ウエハ40の上面Uに付着した導電性樹脂73を乾燥させている。
仮乾燥工程S33Cでは、まず、ヒータプレート71を導電性樹脂73の仮乾燥温度である100℃以上に設定し、ベース基板用ウエハ40の温度が導電性樹脂73の仮乾燥温度になるまで加熱する。続いて、導電性樹脂73を噴霧しながら、所定速度でベース基板用ウエハ40の上面Uに沿って、一方側から他方側(図8における左側から右側)に向かって噴霧器77を移動させる。これにより、マスク部材75の開口に対応した位置に、導電性樹脂73が付着する。そして、ベース基板用ウエハ40に付着した導電性樹脂73が仮乾燥温度まで加熱され、導電性樹脂73に含有される有機溶剤およびバインダが蒸発して乾燥する。
その後、導電性樹脂73を噴霧しながら、所定速度でベース基板用ウエハ40の上面Uに沿って、他方側から一方側(図8における右側から左側)に向かって噴霧器77を移動させる。これにより、マスク部材75の開口に対応した位置に、乾燥した導電性樹脂73に重ねて、噴霧された導電性樹脂73が付着する。そして、乾燥した導電性樹脂73に重ねて付着した導電性樹脂73が仮乾燥温度まで加熱され、導電性樹脂73に含有される有機溶剤およびバインダが蒸発して乾燥する。
このように、噴霧器77を所定回数往復移動させながら導電性樹脂73を噴霧するとともに、ヒータプレート71を加熱して導電性樹脂73を乾燥させることで、所定の厚さを有する引き回し電極36,37(図4参照)が仮乾燥した状態でベース基板用ウエハ40の上面Uにパターニングされる。
(焼成工程S33D)
図9は、焼成工程S33Dの説明図である。
焼成工程S33Dでは、乾燥させた複数層の導電性樹脂73を焼成して、一体的に硬化させることにより、引き回し電極36,37(図4参照)を形成している。
図9に示すように、ベース基板用ウエハ40からマスク部材75およびヒータプレート71を取り除き、不図示の焼成炉にベース基板用ウエハ40を搬送した後、例えば500℃程度の窒素雰囲気下で、パターニングされた導電性樹脂73を焼成している。
ここで、前述のとおり、引き回し電極36,37は仮乾燥した状態でベース基板用ウエハ40の上面Uにパターニングされているので、マスク部材75を取り除いても引き回し電極36,37のパターン形状を保持できる。したがって、焼成工程S33Dでは、引き回し電極36,37を精度よく焼成できる。
焼成工程S33Dの後、引き回し電極36,37上に、それぞれ金等からなるバンプB(図4参照)を形成する。なお、図6では、図面の見易さのためバンプBの図示を省略している。この時点でベース基板用ウエハ作製工程S30が終了する。
(マウント工程S50)
次に、ベース基板用ウエハ40の引き回し電極36,37上に、バンプBを介して圧電振動片4を接合するマウント工程S50を行う。具体的には、圧電振動片4の基部12をバンプB上に載置し、バンプBを所定温度に加熱しながら、圧電振動片4をバンプBに押し付けつつ超音波振動を印加する。これにより、圧電振動片4の振動腕部10,11がベース基板用ウエハ40の上面Uから浮いた状態で、基部12がバンプBに機械的に固着される(図3参照)。
(重ね合わせ工程S60)
圧電振動片4の実装が終了した後、図6に示すように、ベース基板用ウエハ40に対してリッド基板用ウエハ50を重ね合わせる重ね合わせ工程S60を行う。具体的には、図示しない基準マークなどを指標としながら、両ウエハ40、50を正しい位置にアライメントする。これにより、ベース基板用ウエハ40に実装された圧電振動片4が、リッド基板用ウエハ50とベース基板用ウエハ40とで囲まれるキャビティ3a内に収容された状態となる。
(陽極接合工程S70)
重ね合わせ工程S60の後、重ね合わせた両ウエハ40,50を図示しない陽極接合装置に入れ、所定の温度雰囲気で所定の電圧を印加して陽極接合する陽極接合工程S70を行う。具体的には、接合膜35とベース基板用ウエハ40との間に所定の電圧を印加する。すると、接合膜35とベース基板用ウエハ40との界面に電気化学的な反応が生じ、両者がそれぞれ強固に密着して陽極接合される。これにより、圧電振動片4をキャビティ3a内に封止することができ、ベース基板用ウエハ40とリッド基板用ウエハ50とが接合したウエハ体60を得ることができる。なお、図6においては、図面を見易くするために、ウエハ体60を分解した状態を図示しており、リッド基板用ウエハ50から接合膜35の図示を省略している。
(外部電極形成工程S80)
次に、ベース基板用ウエハ40の下面Lに導電性材料をパターニングして、一対の貫通電極32,33にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極38,39(図3参照)を複数形成する外部電極形成工程S80を行う。この工程により、圧電振動片4は、貫通電極32,33を介して外部電極38,39と導通する。
(微調工程S90)
次に、ウエハ体60の状態で、キャビティ3a内に封止された個々の圧電振動子の周波数を微調整して所定の範囲内に収める微調工程S90を行う。具体的には、図3に示す外部電極38,39から所定電圧を継続的に印加して、圧電振動片4を振動させつつ周波数を計測する。この状態で、ベース基板用ウエハ40の外部からレーザ光を照射し、重り金属膜21の微調膜21b(図2参照)を蒸発させる。これにより、一対の振動腕部10,11の先端側の重量が低下するため、圧電振動片4の周波数が上昇する。これにより、圧電振動子の周波数を微調整して、公称周波数の範囲内に収めることができる。
(切断工程S100)
周波数の微調が終了後、接合されたウエハ体60を図6に示す切断線Mに沿って切断する切断工程S100を行う。具体的には、まずウエハ体60のベース基板用ウエハ40の表面にUVテープを貼り付ける。次に、リッド基板用ウエハ50側から切断線Mに沿ってレーザを照射する(スクライブ)。次に、UVテープの表面から切断線Mに沿って切断刃を押し当て、ウエハ体60を割断する(ブレーキング)。その後、UVを照射してUVテープを剥離する。これにより、ウエハ体60を複数の圧電振動子1に分離できる。なお、これ以外のダイシング等の方法によりウエハ体60を切断してもよい。
なお、切断工程S100を行って個々の圧電振動子にした後に、微調工程S90を行う工程順序でも構わない。但し、上述したように、微調工程S90を先に行うことで、ウエハ体60の状態で微調を行うことができるため、複数の圧電振動子をより効率良く微調できる。よって、スループットの向上化を図ることができるため好ましい。
(電気特性検査S110)
その後、内部の電気特性検査S110を行う。即ち、圧電振動片4の共振周波数や共振抵抗値、ドライブレベル特性(共振周波数および共振抵抗値の励振電力依存性)等を測定してチェックする。また、絶縁抵抗特性等を併せてチェックする。そして、最後に圧電振動子の外観検査を行って、寸法や品質等を最終的にチェックする。これをもって圧電振動子の製造が終了する。
(効果)
本実施形態によれば、噴霧器77を往復移動させながら導電性樹脂73を噴霧するとともに、ヒータプレート71を加熱して導電性樹脂73を乾燥させる仮乾燥工程S33Cを有しているので、マスク部材75により形成された引き回し電極36,37のパターン形状を保持しながら導電性樹脂73を重ねて塗布できる。したがって、スクリーン印刷で引き回し電極36,37を形成する場合よりも狭小な引き回し電極36,37を厚くかつ精度よく形成でき、マスキングスパッタ法で引き回し電極36,37を形成する場合よりも、耐久性に優れ安定した電気的特性が得られるパッケージ9を製造できる。
また、本実施形態によれば、ベース基板用ウエハ40を正に帯電させ、導電性樹脂73を負に帯電させることで、いわゆる静電スプレー方式により導電性樹脂73を塗布することができる。したがって、ベース基板用ウエハ40に対して導電性樹脂73を確実に付着させて引き回し電極36,37を形成できる。
また、マスキングスパッタ法により引き回し電極36,37を形成する場合、通常、引き回し電極の厚さは0.2μm程度となる。しかし、本発明によれば、仮乾燥工程S33Cを有しているので、狭小な引き回し電極36,37を厚くかつ精度よく形成できる。したがって、マスキングスパッタ法で引き回し電極36,37を形成する場合よりも、耐久性に優れ安定した電気的特性が得られるパッケージ9を製造できる。
また、本実施形態によれば、狭小な引き回し電極36,37が厚くかつ精度よく形成されたパッケージ9の内部に圧電振動片4が封入されているので、耐久性に優れ、かつ等価抵抗値が低く電気的特性に優れた圧電振動子1を提供できる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図10を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器110は、図10に示すように、圧電振動子1を、集積回路111に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器110は、コンデンサ等の電子素子部品112が実装された基板113を備えている。基板113には、発振器用の前記集積回路111が実装されており、この集積回路111の近傍に、圧電振動子1の圧電振動片が実装されている。これら電子素子部品112、集積回路111および圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器110において、圧電振動子1に電圧を印加すると、圧電振動子1内の圧電振動片が振動する。この振動は、圧電振動片が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路111に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路111によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路111の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加できる。
本実施形態の発振器110によれば、耐久性に優れ、かつ等価抵抗値が低く電気的特性に優れた圧電振動子を備えているので、高性能な発振器110を提供できる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図11を参照して説明する。なお電子機器として、前述した圧電振動子1を有する携帯情報機器120を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器120は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカおよびマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化および軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器120の構成について説明する。この携帯情報機器120は、図11に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部121とを備えている。電源部121は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部121には、各種制御を行う制御部122と、時刻等のカウントを行う計時部123と、外部との通信を行う通信部124と、各種情報を表示する表示部125と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部126とが並列に接続されている。そして、電源部121によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部122は、各機能部を制御して音声データの送信や受信、現在時刻の計測、表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部122は、予めプログラムが書き込まれたROMと、該ROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、該CPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部123は、発振回路やレジスタ回路、カウンタ回路、インターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片が振動し、該振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部122と信号の送受信が行われ、表示部125に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部124は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部127、音声処理部128、切替部129、増幅部130、音声入出力部131、電話番号入力部132、着信音発生部133および呼制御メモリ部134を備えている。
無線部127は、音声データ等の各種データを、アンテナ135を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部128は、無線部127又は増幅部130から入力された音声信号を符号化および複号化する。増幅部130は、音声処理部128又は音声入出力部131から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部131は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部133は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部129は、着信時に限って、音声処理部128に接続されている増幅部130を着信音発生部133に切り替えることによって、着信音発生部133において生成された着信音が増幅部130を介して音声入出力部131に出力される。
なお、呼制御メモリ部134は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部132は、例えば、0から9の番号キーおよびその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部126は、電源部121によって制御部122等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部122に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部124を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部126から電圧降下の通知を受けた制御部122は、無線部127、音声処理部128、切替部129および着信音発生部133の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部127の動作停止は、必須となる。更に、表示部125に、通信部124が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
すなわち、電圧検出部126と制御部122とによって、通信部124の動作を禁止し、その旨を表示部125に表示できる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部125の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部124の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断できる電源遮断部136を備えることで、通信部124の機能をより確実に停止できる。
本実施形態の携帯情報機器120によれば、耐久性に優れ、かつ等価抵抗値が低く電気的特性に優れた圧電振動子を備えているので、高性能な携帯情報機器120を提供できる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図12を参照して説明する。
本実施形態の電波時計140は、図12に示すように、フィルタ部141に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、前述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計140の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ142は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ143によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部141によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、前記搬送周波数と同一の40kHzおよび60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部148、149をそれぞれ備えている。
更に、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路144により検波復調される。
続いて、波形整形回路145を介してタイムコードが取り出され、CPU146でカウントされる。CPU146では、現在の年や積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC148に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部148、149は、前述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、前述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計140を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
本実施形態の電波時計140によれば、耐久性に優れ、かつ等価抵抗値が低く電気的特性に優れた圧電振動子を備えているので、高性能な電波時計140を提供できる。
なお、この発明は上述した実施の形態に限られるものではない。
本実施形態では、本発明に係るパッケージ9の製造方法を使用しつつ、引き回し電極36,37を形成しているが、形成される電極は引き回し電極36,37に限られず、他の電極であってもよい。特に、厚さが1μm以上20μm以下、幅が200μm以下の電極を形成するのに好適である。
本実施形態では、本発明に係るパッケージ9の製造方法を使用しつつ、パッケージ9の内部に音叉型の圧電振動片4を封入して圧電振動子1を製造した。しかし、例えば、パッケージ9の内部にATカット型の圧電振動片(厚み滑り振動片)を封入して圧電振動子を製造してもよい。また、パッケージ9の内部に圧電振動片以外の電子部品を封入して、圧電振動子以外の電子デバイスを製造してもよい。
1・・・圧電振動子 2・・・ベース基板(第1基板) 3a・・・キャビティ 4・・・圧電振動片 9・・・パッケージ 16,17・・・マウント電極 32,33・・・貫通電極(取り出し電極) 36,37・・・引き回し電極 71・・・ヒータプレート 73・・・導電性樹脂 75・・・マスク部材 75a・・・引き回し部形成用開口(開口部) 110・・・発振器 120・・・携帯情報機器(電子機器) 123・・・計時部 140・・・電波時計 141・・・フィルタ部 S33・・・引き回し電極形成工程 S33A・・・ベース基板用ウエハ配置工程(第1基板配置工程) S33B・・・マスク部材配置工程 S33C・・・仮乾燥工程 S33D・・・焼成工程

Claims (7)

  1. 互いに接合された複数の基板との間に形成されたキャビティ内に、電子部品を封入可能なパッケージ製造方法であって、
    前記キャビティ内と前記基板の外側とを導通させる取り出し電極と、前記電子部品とを電気的に接続する引き回し電極を、前記複数の基板のうちの第1基板の内面に形成する引き回し電極形成工程を有し、
    前記引き回し電極形成工程は、
    ヒータプレートに前記第1基板の外面を当接させて配置する第1基板配置工程と、
    前記引き回し電極に対応した形状の開口部が形成されたマスク部材を、前記第1基板 の内面に配置するマスク部材配置工程と、
    前記第1基板の前記内面側に配置された噴霧器を、前記第1基板の前記内面に沿って 往復移動させながら導電性樹脂を噴霧するとともに、前記ヒータプレートを加熱して前 記第1基板の前記内面に付着した前記導電性樹脂を乾燥させる仮乾燥工程と、
    乾燥させた前記導電性樹脂を焼成して硬化させる焼成工程と、
    を有することを特徴とするパッケージ製造方法。
  2. 前記第1基板を正に帯電させ、前記導電性樹脂を負に帯電させたことを特徴とする請求項1に記載のパッケージ製造方法。
  3. 前記引き回し電極の厚さは1μm以上20μm以下であり、前記引き回し電極のうち、前記電子部品のマウント電極と前記取り出し電極とを電気的に接続する引き回し部の幅は、200μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のパッケージ製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のパッケージ製造方法により製造した前記パッケージの内部に、圧電振動片が封入されていることを特徴とする圧電振動子。
  5. 請求項4に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
  6. 請求項4に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
  7. 請求項4に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。

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