JP2020043484A - 音叉型水晶素子及び水晶デバイス - Google Patents

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Ryosuke Nakamura
亮介 中村
篤 村岡
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Abstract

【課題】量産時の発振周波数のバラツキが小さく、しかもCI値が低いなど、電気的特性を向上し得る音叉素子を提供する。【解決手段】音叉素子10は、基部11と基部11から同じ長手方向に延びた一対の腕部11a,11bとを有する水晶片19と、一対の腕部11a,11bの先端側に設けられた一対の周波数調整部17a,17bと、を備えている。一対の周波数調整部17a,17bは互いに異なる質量を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば基準信号源やクロック信号源に用いられる音叉型水晶素子(以下「音叉素子」と略称する。)、及び、これを実装した水晶デバイスに関する。
従来の音叉素子として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この音叉素子の製造方法は、フォトリソグラフィ及びウェットエッチング(以下「フォトエッチ技術」という。)により、水晶ウェーハ内に複数個の音叉型水晶片を作成する工程と、水晶ウェーハ内に作られた複数個の音叉型水晶片の一対の腕部に設けられた粗調整用金属膜を除去して、音叉型水晶片の周波数粗調整を行なう工程と、音叉型水晶片をパッケージにマウント後、音叉型水晶片の一対の腕部に設けられた微調整用金属膜を除去して、音叉型水晶片の周波数微調整を行なう工程とを有する。周波数調整工程では、粗調整用金属膜及び微調整用金属膜を一対の腕部間で均等に除去していた。
特開2003−318685号公報
従来の音叉素子では、一対の腕部間で質量が異なることがあった。例えば、フォトエッチ技術により水晶ウェーハ内に音叉型水晶片を作成する工程では、水晶のウェットエッチングが異方性エッチングになることにより、エッチング残渣の付き方に一対の腕部間で差異が生ずる。その結果、一対の腕部間で質量が微妙に異なってしまうのである。
一対の腕部間で質量差が生じると、一対の腕部間で共振周波数がずれることにより、量産時の発振周波数のバラツキが大きくなったり、振動洩れによってCI(クリスタル・インピーダンス)値が増加したりする等、電気的特性が悪化することがあった。この傾向は、近年における音叉素子の小型化に伴い、ますます顕著になっている。
そこで、本発明の目的は、量産時の発振周波数のバラツキが小さく、しかもCI値が低いなど、電気的特性を向上し得る音叉素子を提供することにある。
本発明に係る音叉素子は、
基部と前記基部から同じ長手方向に延びた一対の腕部とを有する水晶片と、
前記一対の腕部の先端側に設けられた一対の周波数調整部と、
を備えた音叉型水晶素子であって、
前記一対の周波数調整部は互いに異なる質量を有する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、一対の周波数調整部が互いに異なる質量を有することにより、一対の腕部間の質量差を縮小できるので、量産時の発振周波数のバラツキが小さく、しかもCI値が低いなど、電気的特性を向上させた音叉素子を提供できる。
実施形態1の音叉素子を示す平面図である。 図2[A]は図1におけるIIa−IIa線断面図、図2[B]は図1におけるIIb−IIb線断面図、図2[C]は図1の音叉素子を実装した水晶デバイスを示す概略断面図である。 図1の音叉素子におけるエッチング残渣の一例を示す概略平面図である。 図4[A]は変形例1の音叉素子の一部を拡大して示す概略平面図、図4[B]は図4[A]の音叉素子におけるエッチング残渣の一例を示す概略平面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という。)について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については同一の符号を用いることにより重複説明を省略する。また、図面に描かれた形状は、当業者が理解しやすいように描かれているため、実際の寸法及び比率とは必ずしも一致していない。
以下、実施形態1について図1乃至図3に基づき説明する。まず、本実施形態1の特徴を次の(1)〜(6)に分けて説明する。
(1)音叉素子10は、基部11と基部11から同じ長手方向に延びた一対の腕部11a,11bとを有する水晶片19と、一対の腕部11a,11bの先端側に設けられた一対の周波数調整部17a,17bと、を備えている。一対の周波数調整部17a,17bは互いに異なる質量を有する。
すなわち、周波数調整部17a,17bの質量をそれぞれma,mbとすると、
ma≠mb
となる。この構成によれば、周波数調整部17a,17bが互いに異なる質量を有することにより、腕部11a,11b間の質量差を縮小できるので、量産時の発振周波数のバラツキが小さく、しかもCI値が低いなど、電気的特性を向上できる。なお、質量は、実測してもよいが、例えば二次元若しくは三次元的な外観や膜厚のデータ、又は、レーザビームやイオンビームのショット数の痕跡等から推測することもできる。
(2)一対の腕部11a,11b間の質量差は、一対の周波数調整部17a,17bを除去した場合の腕部11a,11b間の質量差よりも小さい。
すなわち、腕部11a,11bの質量をそれぞれMa,Mbとし、周波数調整部17a,17bを除去した場合の腕部11a,11bの質量をそれぞれMa’,Mb’とすると、
|Ma−Mb|<|Ma’−Mb’|
ただし、Ma=Ma’+ma、Mb=Mb’+mb
が成り立つ。この式は、腕部11a,11b間の質量差が周波数調整後に縮小することを示している。なお、Ma,Mbは上式の関係を満たせばよいが、Ma=Mbとなることがより好ましい。
(3)一対の腕部11a,11bは、その先端側に設けられた一対の錘部16a,16bを有している。そして、一対の錘部16a,16bに一対の周波数調整部17a,17bが設けられている。一対の周波数調整部17a,17bは、それぞれ第一調整部171a,171b及び第二調整部172a,172bを有する。第一調整部171a,171bには水晶片19の一部からなる削成面181a,181bが付され、第二調整部172a,172bには金属膜23a,23bからなる削成面182a,182bが付されている。
第一調整部171a,171b及び第二調整部172a,172bによって、二段階の周波数調整が可能である。しかも、削成面181a,181bが水晶、削成面182a,182bが金属であることから、削成面182a,182bを形成する時に生じる金属くずが削成面181a,181bの水晶には付着しにくいので、発振周波数を誤って調整してしまうことを抑制できる。第二調整部172a,172bは、周波数調整部17a,17bの面積の50%以上を占めることが好ましい。その理由は、金属膜23a,23bによって錘部16a,16bに一定の質量を付与するためである。
(4)一対の周波数調整部17a,17bにおいて、第一調整部171a,171b間の質量差が第二調整部172a,172b間の質量差より小さい。
すなわち、第一調整部171a,171bの質量をそれぞれm1a,m1bとし、第二調整部172a,172bの質量をそれぞれm2a,m2bとすると、
|m1a−m1b|<|m2a−m2b|
ただし、ma=ma1+ma2、mb=mb1+mb2
が成り立つ。この式は、第一調整部171a,171bの削成面181a,181bは一様に形成し、第二調整部172a,172bの削成面182a,182bはそれぞれ別々に形成することを示している。つまり、第一調整部171a,171bを粗調用とし第二調整部172a,172bを微調用とすることにより、効率的かつ正確な周波数調整を実現できる
(5)水晶片19は、直交座標系のX軸、Y’軸及びZ’軸からなる結晶軸においてZ’軸方向に厚みを有する。そして、一対の腕部11a,11の長手方向はY’軸方向である。
水晶のウェットエッチングは、異方性エッチングになる。そのため、水晶片19をウェットエッチングによって形成する際に、結晶軸に応じて異なるエッチング残差が生ずる。このとき、結晶軸が定まっていれば、量産時において、エッチング残差の形状及び大きさを予測できることにより、腕部11a,11b間の質量差も予測できる。よって、腕部11a,11b間の質量差が縮小するように、周波数調整部17a,17bのそれぞれの切削量を予め設定できる。
(6)水晶デバイス30は、音叉素子10と、音叉素子10を実装した基板31と、基板31上で音叉素子10を囲む枠体32と、枠体32を介して基板31ととともに音叉素子10を封止する蓋体33と、を備えている。枠体32は基板31側に設けられ、基板31と枠体32とが一体化されたパッケージ34を構成している。
この構成によれば、音叉素子10を実装しているので、製品間での発振周波数のバラツキが小さく、低消費電力であるなど、電気的特性に優れた水晶デバイス30を得ることができる。なお、枠体32は、蓋体33側に設けてもよいし、基板31側及び蓋体33側の両方に設けてもよい。
次に、音叉素子10について更に詳しく説明する。
音叉素子10は、基部11と腕部11a,11bとを備えている。腕部11a,11bは、基端側の励振部12a,12bと、先端側の錘部16a,16bとを有する。励振部12a,12bには溝部15a,15bが直線状に設けられ、溝部15a,15bの内外には励振電極22a,22bが設けられている。溝部15a,15bは、励振部12a,12bに基部11側から錘部16a,16b側まで互いに平行に設けられた二本からなる。錘部16a,16bには、周波数調整部17a,17bが設けられている。
音叉素子10は、前述の構成要素以外にも、励振部12a,12bの間の基部11から長手方向(Y’軸方向)に突き出た突起部13と、突起部13の先端130から長手方向(Y’軸方向)に形成されたスリット14と、を備えている。そして、突起部13は、基部11側を底辺131aとし先端130側を頂点131bとする三角状突起131と、三角状突起131の頂点131b側から先端130までに設けられた四角状突起132と、を備える。
基部11、励振部12a,12b、突起部13、スリット14及び錘部16a,16bは、水晶のウェットエッチングによって形成された水晶片19からなる。音叉素子10は、水晶片19の他に、パッド電極21a,21b、励振電極22a,22b、金属膜23a,23b、配線パターン24a,24bなども備えている。
次に、音叉素子10の各構成要素について更に詳しく説明する。
基部11は、平面視略四角形の平板となっている。水晶片19は、基部11、励振部12a,12b、突起部13及び錘部16a,16bが一体となって音叉形状をなしており、水晶ウェーハからフォトエッチ技術によって製造される。なお、基部11から外側に延びる支持部を設けてもよい。
溝部15a,15bは、励振部12aの表裏面に二本ずつ及び励振部12bの表裏面に二本ずつ、基部11との境界部分から励振部12a,12bの先端に向って、励振部12a,12bの長手方向と平行に所定の長さで設けられる。なお、溝部15a,15bは、本実施形態1では励振部12aの表裏面に二本ずつ及び励振部12bの表裏面に二本ずつ設けられているが、それらの本数に制限はなく、例えば励振部12aの表裏面に一本ずつ及び励振部12bの表裏面に一本ずつ設けてもよく、また、表裏のどちらか片面にのみ設けてもよい。溝部15a,15b内には、ウェットエッチング時に貫通しないように、エッチング抑制パターンを設けてもよい。
励振部12aには、水晶を挟んで対向する平面同士が同極となるように、両側面に励振電極22aが設けられ、表裏面の溝部15aの内側に励振電極22bが設けられる。同様に、励振部12bには、水晶を挟んで対向する平面同士が同極となるように、両側面に励振電極22bが設けられ、表裏面の溝部15bの内側に励振電極22aが設けられる。したがって、励振部12aにおいては両側面に設けられた励振電極22aと溝部15a内に設けられた励振電極22bとが異極同士となり、励振部12bにおいては両側面に設けられた励振電極22bと溝部15b内に設けられた励振電極22aとが異極同士となる。
基部11にはパッド電極21a,21b及び配線パターン24a,24bが設けられ、錘部16a,16bには金属膜23a,23bが設けられる。配線パターン24aはパッド電極21aと励振電極22aとの間を電気的に接続し、配線パターン24bはパッド電極21bと励振電極22bとの間を電気的に接続する。パッド電極21a、励振電極22a及び配線パターン24aは、互いに電気的に導通している。パッド電極21b、励振電極22b及び配線パターン24bも、互いに電気的に導通している。
三角状突起131は平面視略二等辺三角形状であり、底辺131aを挟む二つの辺131c,131dは直線状になっている。四角状突起132は平面視略長方形状である。スリット14は、励振電極22aと励振電極22bとが短絡しないように、電極膜をリフトオフ法で形成する際に、その電極膜を切り離す役割を果たす。
図2[C]に示すように、音叉素子10は、パッド電極21a,21b(図1)及び導電性接着剤36を介して、パッケージ34側のパッド電極35に片持ち梁状に固定されると同時に電気的に接続される。音叉素子10が実装されたパッケージ34は、蓋体33によって封止され、水晶デバイス30となる。その封止方法には、例えば金錫封止や電気溶接や溶融ガラスが用いられる。
水晶の結晶は三方晶系である。水晶の頂点を通る結晶軸をZ軸、Z軸に垂直な平面内の稜線を結ぶ三つの結晶軸をX軸、X軸及びZ軸に直交する座標軸をY軸とする。ここで、これらのX軸、Y軸及びZ軸からなる座標系をX軸を中心として例えば±5度の範囲で回転させたときの回転後のY軸及びZ軸を、それぞれY’軸及びZ’軸とする。この場合、本実施形態1では、二本の腕部11a,11bの長手方向がY’軸の方向であり、二本の腕部11a,11bの短手方向がX軸の方向である。また、法線が+X軸方向を向く結晶面は+X面であり、法線が−X軸方向を向く結晶面は−X面である。
次に、音叉素子10の動作を説明する。
音叉素子10を屈曲振動させる場合、パッド電極21a,21bに交番電圧を印加する。印加後のある電気的状態を瞬間的に捉えると、励振部12aの表裏の溝部15aに設けられた励振電極22bはプラス電位となり、励振部12aの両側面に設けられた励振電極22aはマイナス電位となり、プラスからマイナスに電界が生じる。このとき、励振部12bの表裏の溝部15bに設けられた励振電極22aはマイナス電位となり、励振部12bの両側面に設けられた励振電極22bはプラス電位となり、励振部12aに生じた極性とは反対の極性となり、プラスからマイナスに電界が生じる。この交番電圧で生じた電界によって、励振部12a,12bに伸縮現象が生じ、所定の共振周波数の屈曲振動モードが得られる。
次に、音叉素子10及び水晶デバイス30の製造方法の一例について説明する。この製造方法の主な工程は次のとおりである。
第一工程:フォトエッチ技術によって水晶ウェーハ内に複数個の水晶片19を作成する工程。フッ酸などを用いた水晶のウェットエッチングでは、異方性エッチングになることにより、例えば図3に示すようにエッチング残渣E1〜E4が水晶片19に付着する。エッチング残渣E1〜E4は、主に+X面に生じるが、水晶片19の形状によっても複雑に変化する。その結果、腕部11a,11b間には質量差が生ずることになる。腕部11a,11b間の質量差は、量産時に予測可能である。なお、図1及び図2ではエッチング残渣の図示を省略している。
第二工程:成膜技術及びリフトオフ技術によって水晶片19に励振電極22a,22b、パッド電極21a,21b及び配線パターン24a,24bを形成する工程。成膜技術としては、例えばスパッタリングや蒸着が挙げられる。リフトオフ技術では、レジストパターンを含む水晶片19全面に金属膜を形成した後、レジストパターンとともにレジストパターン上の金属膜を除去する。
第三工程:成膜技術及びマスクによって水晶片19に周波数調整用の金属膜23a,23bを形成する工程。水晶片19をマスクで覆って成膜することにより、マスクの開口部から露出した水晶片19の一部に金属膜23a,23bを形成する。このとき、金属膜23a,23bは、第一調整部171a,171b及び第二調整部172a,172bに形成する。
第四工程:第一調整部171a,171bに削成面181a,181bを一様に形成する工程。少なくともいずれか一つの水晶片19の発振周波数を測定し、その発振周波数が一定範囲内になるまで、水晶ウェーハ内の全ての第一調整部171a,171bに対し、例えばレーザビームによって一様に削成面181a,181bを形成する。このとき、削成面181a,181bは、金属膜を越えて水晶片19にまで達する(図2[A])。これにより、腕部11a,11bの質量が減少し、発振周波数が上昇して目標周波数に近づくので、発振周波数の粗調整が行われる。ただし、第一調整部171a,171b間で切削量は均等になるので、腕部11a,11b間の質量差は変化しない。
第五工程:水晶ウェーハから個々の水晶片19を分離して音叉素子10としてパッケージ34に実装する工程。音叉素子10は、導電性接着剤36を介してパッケージ34に片持ち梁状に固定される(図2[C])。
第六工程:第二調整部172a,172bに削成面182a,182bを別々に形成する工程。音叉素子10の発振周波数を一つずつ測定し、その発振周波数が一定範囲内になるまで、第二調整部172a,172bに対し例えばイオンビームによって削成面182a,182bを形成する。このとき、削成面182a,182bは、金属膜23a,23bに留まる(図2[A])。これにより、腕部11a,11bの質量が更に減少し、発振周波数が更に上昇して一定範囲内に収まるので、発振周波数の微調整が行われる。ただし、第一工程で生ずる腕部11a,11b間の質量差が縮小するように(より好ましくはその質量差が無くなるように)、第二調整部172a,172b間で切削量に差をつける。例えば、腕部11aが腕部11bよりも重くなる場合は、第二調整部172aを第二調整部172bよりも多く切削する。第二調整部172aを第二調整部172bよりも多く切削するには、第二調整部172bに比べて、例えば、ビームの照射時間を長くする、ビームのパワーを強くする、ビームのショット回数を増やす、などが挙げられる。したがって、第六工程では、腕部11a,11b間の質量差を縮小しつつ、音叉素子10の発振周波数を微調整することになるので、従来よりも目標周波数を得やすくなる。
第七工程:音叉素子10が実装されたパッケージ34を蓋体33によって封止する工程。音叉素子10を実装しているので、製品間での発振周波数のバラツキの少ない水晶デバイス30が完成する(図2[C])。
なお、上記の例では、第一調整部171a,171bに削成面181a,181bを一様に形成し、第二調整部172a,172bに削成面182a,182bを別々に形成しているが、これとは逆に、第二調整部172a,172bに削成面182a,182bを一様に形成し、第一調整部171a,171bに削成面181a,181bを別々に形成するようにしてもよい。
次に、実施形態1の変形例1について図4に基づき説明する。
本変形例1の音叉素子40は、突起部13の先端130から腕部11aまでの間及び突起部13の先端130から腕部11bまでの間のうち、エッチング残渣が大きく生じる方に、少なくとも一本の別のスリット44が形成されている。
フッ酸などを用いた水晶のウェットエッチングでは、水晶に特有の異方性エッチングによって、エッチング残渣が水晶に付着する。実施形態1における四角状突起132(図1)には、図において左側面に+X面、右側面に−X面がそれぞれ現れる。−X面に生じるエッチング残渣は、+X面に生じるエッチング残渣よりも大きくなる。つまり、先端130から−X軸方向にあるエッチング残渣は、先端130から+X軸方向にあるエッチング残渣よりも大きくなる(図3)。そのため、本変形例1では、先端130から腕部11bまでの間に、別のスリット44が形成されている。
先端130から腕部11bまでの間にもう一本のスリット44を形成することにより、突起部13の先端130から見て−X軸方向にあるエッチング残渣の大きさを、+X軸方向にあるエッチング残渣の大きさに近づけることができる。そのため、腕部11a,11b間の質量差が縮小することにより、前述の第六工程において第二調整部172a,172b間の切削量差も縮小できるので、第六工程を簡素化できる。これに加え、二本のスリット14,44を設けたことにより、二本のうちのどちらか一本で電極膜を分離できればよいので、電極膜の分離不良を低減できる。
次に、音叉素子40の効果について、図3及び図4[B]に基づき更に詳しく説明する。
図3に示す音叉素子10では、先端130から腕部11bまでの間に別のスリットが形成されていない。そのため、先端130から−X軸方向にあるエッチング残渣E4は、先端130から+X軸方向にあるエッチング残渣E2よりも大きくなる。すなわち、(エッチング残渣E4の面積)>(エッチング残渣E2の面積)が成り立つ。
これに対し、図4[B]に示す音叉素子40では、先端130から腕部11bまでの間に別のスリット44が形成されている。そのため、先端130から−X軸方向にあるエッチング残渣E4’の大きさは、先端130から+X軸方向にあるエッチング残渣E2の大きさに近くなる。すなわち、(エッチング残渣E4’の面積)≒(エッチング残渣E2の面積)が成り立つ。
本変形例1のその他の構成、作用及び効果は、実施形態1のそれらと同様である。
以上、上記実施形態及び変形例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記実施形態及び変形例の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
本発明は、基部及び腕部を備える音叉素子であれば、どのようなものにでも利用可能である。
10,40 音叉素子
11 基部
11a,11b 腕部
12a,12b 励振部
13 突起部
130 先端
131 三角状突起
131a 底辺
131b 頂点
131c,131d 辺
132 四角状突起
14,44 スリット
15a,15b 溝部
16a,16b 錘部
17a,17b 周波数調整部
171a,171b 第一調整部
181a,181b 削成面
172a,172b 第二調整部
182a,182b 削成面
19 水晶片
21a,21b パッド電極
22a,22b 励振電極
23a,23b 金属膜
24a,24b 配線パターン
E1,E2,E3,E4,E4’ エッチング残渣
30 水晶デバイス
31 基板
32 枠体
33 蓋体
34 パッケージ
35 パッド電極
36 導電性接着剤

Claims (6)

  1. 基部と前記基部から同じ長手方向に延びた一対の腕部とを有する水晶片と、
    前記一対の腕部の先端側に設けられた一対の周波数調整部と、
    を備えた音叉型水晶素子であって、
    前記一対の周波数調整部は互いに異なる質量を有する、
    ことを特徴とする音叉型水晶素子。
  2. 前記一対の腕部間の質量差は、前記一対の周波数調整部を除去した場合の前記一対の腕部間の質量差よりも小さい、
    請求項1記載の音叉型水晶素子。
  3. 前記一対の腕部はその先端側に設けられた一対の錘部を有し、
    前記一対の錘部に前記一対の周波数調整部が設けられ、
    前記一対の周波数調整部は、それぞれ第一調整部及び第二調整部を有し、
    前記第一調整部には前記水晶片の一部からなる削成面が付され、
    前記第二調整部には金属膜からなる削成面が付された、
    請求項1又は2記載の音叉型水晶素子。
  4. 前記一対の周波数調整部において、前記第一調整部間の質量差が前記第二調整部間の質量差よりも小さい、
    請求項3記載の音叉型水晶素子。
  5. 前記水晶片は、直交座標系のX軸、Y’軸及びZ’軸からなる結晶軸において前記Z’軸方向に厚みを有し、
    前記長手方向は前記Y’軸方向である、
    請求項1乃至4のいずれか一つに記載の音叉型水晶素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つに記載の音叉型水晶素子と、
    前記音叉型水晶素子を実装した基板と、
    前記基板上で前記音叉型水晶素子を囲む枠体と、
    前記枠体を介して前記基板ととともに前記音叉型水晶素子を封止する蓋体とを備え、
    前記枠体は前記基板側及び前記蓋体側の少なくとも一方に設けられた、
    水晶デバイス。
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