JP2015064431A - 携帯端末及びその製造方法 - Google Patents

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博文 村上
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Abstract

【課題】表示ユニットの表示面積をできるだけ広くしながら携帯端末自体の大きさを抑える。
【解決手段】カバー2aの背面と、正面側キャビネット3との間に接着部材10を挟持し、この挟持した状態で加圧し、カバー2aの正面側からレーザ光を照射し、カバー2aの背面に設けた発熱部11及び正面側キャビネット3の正面に形成したレーザ光を吸収しやすい発熱部の少なくとも一方を加熱し、接着部材10を加熱して軟化、溶融又は硬化させ、カバー2aを正面側キャビネット3に接着する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示ユニットの正面からキャビネットを覆うカバーを有する携帯端末及びその製造方法に関するものである。
従来より、表示ユニットを覆う透明なガラスやアクリル板よりなるカバーは、表示ユニットを収容するキャビネットに両面テープなどで接着されていた。
近年、携帯電話機に代表される携帯端末は、表示部を広くしながらも、携帯端末自体の大きさは大きくしないことが求められている。しかも、携帯端末を誤って水の中に落としてしまっても壊れない防水性能が求められている。
携帯端末が一方に長い矩形板状であった場合、特にその幅方向両側は、防水性を保つために両面テープによる接着面積をある程度大きく保つ必要がある。
そこで、特許文献1のようにレーザ光を利用して熱硬化性樹脂よりなる接着部材を加熱して接着させる接着方法を利用することが考えられる。
特開2012−218316号公報
ところで、接着面であるカバーの背面及びキャビネットの正面には、樹脂成形時のヒケや機械加工の仕上がり精度等による凹凸が残っている。このため、通常の両面テープを貼る方法を利用しても、上記凹凸に両面テープが密着できないために充分な防水性能を確保できず、接着面積を減らすのには限界がある。
一方、特許文献1のような液状の熱硬化性樹脂を塗布する方法では、狭い領域に確実に塗布を行えないおそれがある。また、粘度によっては、凹凸に充分に熱硬化性樹脂が流れ込まないことがある。凹凸により接着部材との間に隙間があると、加熱時に異常発熱してしまい、接着部材が発泡してしまって防水性が低下するおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表示ユニットの表示面積をできるだけ広くし、携帯端末自体の大きさを抑えながら、カバーをキャビネットに確実に接着することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、カバーを加圧しながら接着部材を凹凸になじませた上でレーザ光により加熱するようにした。
具体的には、本発明では、表示ユニットと、該表示ユニットを収容するキャビネットと、該表示ユニットの正面から該キャビネットを覆うカバーとを有する携帯端末を製造する製造方法を前提とする。
そして、上記製造方法は、
レーザ光を透過する上記カバーの背面と、上記キャビネットとの間に、接着部材を挟持する挟持工程と、
上記挟持した状態で加圧し、上記カバーの背面と上記キャビネットとの間に上記接着部材を押圧する加圧工程と、
上記カバーの正面側からレーザ光を照射し、該カバーの背面に設けた発熱部及び上記キャビネットの正面側に形成した発熱部の少なくとも一方を加熱し、上記接着部材を加熱し、上記カバーを上記キャビネットに接着する接着工程とを含む構成とする。
上記の構成によると、カバーをキャビネット側へ押さえ付けているので、カバー背面やキャビネット正面にある凹凸と接着部材との隙間を確実になくした状態で、レーザ光により発熱部を加熱して接着部材を溶かしてカバーとキャビネットとを接着することができる。このため、構成部品との熱伝達接合がなされ、接着部材の極小的な異常加熱が発生しないので、材料の発泡がなく、防水性を確保しやすいことから、狭い接着幅でも高い密閉性を保つことができ、できるだけ接着面積を小さくすることができる。接着部材は、熱可塑性樹脂材及び熱硬化性樹脂材のどちらでもよく、液状でも固体でもよい。
しかも、第2の発明のように、接着部材を予め接着部位に合わせた形状に成形した場合には、液体よりも取り扱いが容易で接着部材の挟持が容易となり、接着領域が狭い場合でも、確実に接着を行うことができる。
以上説明したように、本発明によれば、カバーをキャビネット側へ押さえ付けながら、レーザ光を照射して発熱部を加熱し、接着部材によってカバーをキャビネットに接着するようにしたことにより、表示ユニットの表示面積をできるだけ広くしながら携帯端末自体の大きさを抑えることができる。
図4のI部拡大断面図である。 携帯電話機を示す斜視図である。 携帯電話機を示す分解斜視図である。 図2のIV−IV線拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の実施形態の携帯端末としての携帯電話機1を示し、この携帯電話機1は、例えば上下方向に長い矩形板状のスマートフォンよりなり、例えば、正面側に表示部2を収容する正面側キャビネット3を有する。正面側キャビネット3は、例えば、矩形皿状の金属フレーム3aがインサート成形され、外周縁部に一段低くなった接着用凹部3bが連続して形成されている。この接着用凹部3bの左右幅は狭く、上下の接着用凹部3bの幅は広くなっている。この左右幅は、従来に比べて狭く、例えば0.5〜1mm程度となっている。正面側キャビネット3の材質は、樹脂成形品、金属成形品など特に限定されないが、レーザ光による発熱に耐えうるものである必要がある。
図1にも拡大して示すように、正面側キャビネット3の背面側には、背面側キャビネット4が結合され、その背面側がリアカバー5で覆われている。なお、図4では、内部に収容されている回路基板や充電池は省略している。
表示部2は、透明なガラス板よりなるカバー2aを有する。その背面側にタッチパネル(図示せず)が貼り付けられてもよいし、カバー2a自体がタッチパネルでもよい。カバー2aの背面側に液晶ディスプレイなどの表示ユニット2bが貼り付けられている。カバー2aは、アクリル板などの透明でレーザ光を透過しやすい樹脂材料で構成されていてもよいが、レーザ光による発熱に耐えうるものである必要がある。
本実施形態では、カバー2aの背面に表示ユニット2bの表示エリアの外側を隠す黒色印刷が施されている。この黒色印刷は、レーザ光を透過及び反射するのではなく、吸収しやすいので、発熱部11の役割を果たす。黒色印刷は、黒色の染料や顔料を含むインクをカバー2aの背面に付着させることによって設けられるが、レーザ光による発熱に耐えうるものである必要がある。黒色でなくても、レーザ光を吸収する色であればよく、さらに発熱部11を蒸着、フィルムの貼付、プライマーの塗布等によって設けてもよい。
カバー2aは、接着用凹部3bにおいて、接着部材10によって接着されている。接着部材10は、加熱により溶ける熱可塑性樹脂材を接着用凹部3bの形状に合わせて予め矩形枠状に成形したものである。熱可塑性樹脂材としては特に限定されないが、カバー2a及び正面側キャビネット3のいずれにも接着しやすく、これらの材料に悪影響を与えない温度で溶けるものである必要がある。
次に、本発明のカバー2aの貼付手順について説明する。
まず準備工程において、ガラス板から切り出したカバー2a、接着用凹部3bに合わせて成形した接着部材10、表示ユニット2b、正面側キャビネット3等を用意する。
次いで、挟持工程において、カバー2aの背面と、正面側キャビネット3との間に接着部材10を挟持する。接着部材10は、接着用凹部3bの形状に合わせて予め成形し、例えば位置決めの印が付けられた透明なセパレータに貼り付けておけば、接着用凹部3bに塗布する場合に比べ、特に幅方向の幅の狭い接着用凹部3bに接着部材10を設けるのが極めて容易となる。
次いで、加圧工程において、カバー2aと正面側キャビネット3との間に接着部材10を挟持した状態で、加圧する。例えば、0.2MPa〜2.5MPa、好ましくは0.3MPa〜2.0MPaのクランプ圧力とすればよい。カバー2aを損傷させないように、カバー2aを加圧治具12を介して加圧するのが望ましい。加圧治具12は、例えば、レーザ光を透過しやすく、適度な柔軟性を有するウレタン、エラストマーなどの弾性材料で構成されているのが望ましい。
次いで、接着工程において、カバー2aの正面側からレーザ光を照射する。このとき、加圧治具12がレーザ光を透過しやすい材料よりなる場合、この加圧治具12を通過したレーザ光で発熱部11を加熱する。こうすれば、接着部材10の真上を押さえ付けることができるので、接着部材10が液体のように流動性がなくても、より確実に隙間をなくして防水性を確保することができる。なお、レーザ光を加圧治具12を介して照射させないのであれば、加圧治具12は、レーザ光を透過する材料で構成する必要はない。
ここでは、カバー2aの背面に設けたレーザ光を吸収しやすい黒色印刷で構成された発熱部11がレーザ光を透過又は反射するのではなく、主に吸収することにより、加熱される。そして、接着部材10を加熱して軟化、溶融又は硬化させ、カバー2aを正面側キャビネット3に接着する。加熱のための条件は、例えば、接着部材10の温度が100〜150℃となる0.4〜1.2J好ましくは、0.6〜1.0Jとすればよい。なお、ここで、エネルギーJは、レーザ出力をWワット、レーザ焦点径をφmm、走査速度をVmm/secとすれば、J=W×φ/Vで計算される。なお、接着部材10の温度が150〜170℃となる1.0〜1.2Jのエネルギーであれば、適度に加圧した場合でも、発泡して防水性が保ちにくい。0.4Jよりも小さいと、接着部材10の発熱温度が80℃以下となり接着部材10が充分に軟化、溶融又は硬化しない。
このように、カバー2aを正面側キャビネット3側へ押さえ付けているので、カバー2a背面や正面側キャビネット3正面にある凹凸と接着部材10との隙間をなくした状態で、レーザ光により発熱部11を加熱して接着部材10を軟化、溶融又は硬化させ、カバー2aと正面側キャビネット3とを接着することができる。このため、構成部品との熱伝達接合がなされ、接着部材10の極小的な異常加熱が発生しないので、材料の発泡がなく、防水性を確保しやすいことから、できるだけ接着面積を小さくすることができる。
また、カバー2aの発熱部11である印刷層の発熱によって加熱された接着部材10により、カバー2a周縁が正面側キャビネット3の外周縁部に連続して形成した接着用凹部3bに接着される。そして、従来よりある、内部を見えなくする黒色印刷等を利用して接着部材10を加熱することができるので、発熱部11を設けるための工程を省略することができる。
そして、接着部材10により、カバー2aと正面側キャビネット3との間を防水可能に密閉させた状態で、回路基板、充電池等を収容して背面側キャビネット4を結合し、リアカバー5で覆うことにより、防水型の携帯電話機1を組み立てることができる。
このように、本実施形態では、狭い接着幅でも高い密閉性を保つことができるので、接着部材10による接着面積をできるだけ小さくすることで、防水性を確保しながら、表示面積の広いコンパクトな携帯電話機1を製造することができる。
−変形例−
上記実施形態では、発熱部11は、カバー2aの背面に印刷した黒色印刷としたが正面側キャビネット3の外周縁部に連続して形成した接着用凹部3bの正面にレーザ光を吸収しやすい発熱部11を形成してもよい。
例えば、正面側キャビネット3自体が黒色等のレーザ光を吸収しやすい色であれば、それ自体が発熱部11の役割を果たすことができる。正面側キャビネット3自体の色が、レーザ光を吸収しにくいものであれば、黒色印刷を施してもよいし、黒色のテープを貼り付けてもよい。
そして、接着工程において、カバー2aの正面側からレーザ光を照射し、正面側キャビネット3の正面に形成したレーザ光を吸収しやすい発熱部11を加熱して接着部材10を加熱して軟化、溶融又は硬化させ、カバー2aを正面側キャビネット3に接着するとよい。
本変形例によれば、カバー2a側に発熱部11を設けられない場合でも、接着用凹部3b側に発熱部11を設けることで、正面側キャビネット3側を加熱して接着部材10を軟化、溶融又は硬化させることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
すなわち、上記実施形態では、発熱部11をカバー2a背面の黒色印刷又は接着用凹部3bに設けた発熱部としているが、カバー2a背面の発熱部がレーザ光をある程度透過するものであれば、接着用凹部3bに設けた発熱部11と両方で接着部材10を加熱してもよい。さらには、接着部材10自体がレーザ光を吸収する成分を含んでいてもよい。
また、上記実施形態では、接着部材10を予め熱可塑性樹脂材を成形した枠状のものとしたので、従来の両面テープのような簡易な方法での貼付を行えるが、粘性の高い液状の接着部材10をディスペンサーなどにより接着用凹部3bに塗りつけるようにしてもよい。この場合、液状であっても粘性が高ければ表面の凹凸になじみにくいが、加圧工程により、充分に接着部材10を凹凸になじませることができる。
また、上記実施形態では、携帯端末は、携帯電話機1としたが、PHS(Personal Handy-phone System )、PDA(Personal DigitalAssistant)、スマートフォン、パソコン、モバイルツール、電子辞書、電卓、ゲーム機等であってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、各実施形態に記載された技術的特徴は、互いに組合せ可能であり、組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 携帯電話機(携帯端末)
2 表示部
2a カバー
2b 表示ユニット
3 正面側キャビネット
3a 金属フレーム
3b 接着用凹部
4 背面側キャビネット
5 リアカバー
10 接着部材
11 発熱部
12 加圧治具

Claims (5)

  1. 表示ユニットと、該表示ユニットを収容するキャビネットと、該表示ユニットの正面から該キャビネットを覆うカバーとを有する携帯端末を製造する製造方法において、
    レーザ光を透過する上記カバーの背面と、上記キャビネットとの間に、接着部材を挟持する挟持工程と、
    上記挟持した状態で加圧し、上記カバーの背面と上記キャビネットとの間に上記接着部材を押圧する加圧工程と、
    上記カバーの正面側からレーザ光を照射し、該カバーの背面に設けた発熱部及び上記キャビネットの正面側に形成した発熱部の少なくとも一方を加熱し、上記接着部材を加熱し、上記カバーを上記キャビネットに接着する接着工程とを含む
    ことを特徴とする携帯端末の製造方法。
  2. 請求項1に記載の携帯端末の製造方法において、
    上記挟持工程において、上記カバーの背面と、上記キャビネットとの間に、予め所定の形状に成形された接着部材を挟持する
    ことを特徴とする携帯端末の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の携帯端末の製造方法において、
    上記加圧工程において上記カバーを押さえ付ける加圧治具は、上記レーザ光を透過する材料よりなり、該加圧治具を通過したレーザ光で上記発熱部を加熱する
    ことを特徴とする携帯端末の製造方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の携帯端末の製造方法において、
    上記カバーの発熱部は、
    上記カバーの背面に印刷された印刷層及び上記キャビネットの外周縁部に連続して形成した接着用凹部の正面の少なくとも一方よりなり、
    上記発熱部の発熱によって加熱された接着部材により、該カバーの周縁が上記キャビネットの外周縁部に連続して形成した接着用凹部に接着される
    ことを特徴とする携帯端末の製造方法。
  5. 表示ユニットと、該表示ユニットを覆うカバーと、該カバーが接着されるカバー接着用凹部が形成されたキャビネットとを有する携帯端末であって、
    上記カバーは、レーザ光を透過する材料よりなり、
    上記カバーの外周縁における上記カバー接着用凹部に対応する角部の背面と該カバー接着用凹部の内面との少なくとも一方に上記レーザ光を吸収する発熱層が設けられ、
    上記カバーの角部の背面が上記発熱層により加熱された接着部材により上記カバー接着用凹部の内面に接着されている
    ことを特徴とする携帯端末。
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