JP2000208252A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

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JP2000208252A
JP2000208252A JP11008456A JP845699A JP2000208252A JP 2000208252 A JP2000208252 A JP 2000208252A JP 11008456 A JP11008456 A JP 11008456A JP 845699 A JP845699 A JP 845699A JP 2000208252 A JP2000208252 A JP 2000208252A
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organic
substrate
light
sealing plate
layer
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JP11008456A
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Hiroyuki Endo
広行 遠藤
Osamu Onizuka
理 鬼塚
Akira Ebisawa
晃 海老沢
Masayuki Kawashima
真祐紀 川島
Toshio Hayakawa
敏雄 早川
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TDK Corp
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    • H05B33/02Details
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    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/87Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K59/871Self-supporting sealing arrangements
    • H10K59/8722Peripheral sealing arrangements, e.g. adhesives, sealants
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    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
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    • H10K71/861Repairing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザリペアを効果的に行うことが可能で、
不良個所を適切に補修でき、製品の歩留まりを向上さ
せ、しかも駆動時間の経過に伴う輝度の低下、ダークス
ポットの発生、拡大といった素子の劣化現象を抑制でき
る有機EL素子を実現する。 【解決手段】 基板1と、この基板1上に形成された有
機EL構造体2と、この有機EL構造体2を封止する封
止板3とを有し、前記封止板3は、少なくとも波長35
5nm、532nmまたは1064nmのいずれかの光の透過
率が80%以上であり、前記封止板3を基板1上に固定
する接合部より内側であって前記有機EL構造体2が形
成されている領域より外側には、乾燥剤が配置されてい
る有機EL素子とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機化合物を用い
た有機EL素子に関し、さらに詳細には、基板上に積層
された有機EL構造体を保護するための封止構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、少なくとも一方が概ね
透明な正負の電極間に、発光機能を有する有機層(以下
有機層と略す)を挟み込み、電極間に直流電流を流すと
有機層を構成する材料に応じた色の発光をする素子であ
る。すなわち、いわゆる無機半導体で構成されたLED
(Light Emitting Device)と同様の原理で発光する。
【0003】有機EL素子を用いた表示デバイスは、現
在主流のフラットパネルディスプレイである液晶ディス
プレイに対し以下のような優位性を持つ。 1)自発光であるために視野角が広い。 2)2〜3ミリの薄さのディスプレイが容易に製造可
能。 3)偏光板を使わないことから発光色が自然。 4)明暗のダイナミックレンジが広いため、表示が鮮明
で生々しい。 5)広い温度範囲で動作。 6)応答速度が液晶より3桁以上速いため容易に動画表
示が可能。
【0004】しかしながら、この有機ELディスプレイ
の製造には液晶ディスプレイとは異なった困難さがあ
る。
【0005】製造の困難さの要因の一つとして、有機E
L素子が水分により劣化することが知られている。水分
の影響により、例えば、発光層と電極層との間で剥離が
生じたり、構成材料が変質してしまったりして、ダーク
スポットと称する非発光領域が生じたり、発光面積が縮
小したりして所定の品位の発光が維持できなくなってし
まう。
【0006】この問題を解決するための方法として、例
えば、特開平5−36475号公報、同5−89959
号公報、同7−169567号公報等に記載されている
ように、有機EL積層構造体部分を被う気密ケース、封
止層等を基板上に密着固定して外部と遮断する技術が知
られている。
【0007】しかし、このような封止層等を設けたとし
ても、やはり、駆動時間の経過に伴い外部から侵入する
水分の影響によって、発光輝度が減少したり、ダークス
ポットが生じたり、これが拡大したりして発光面積が縮
小し、素子が劣化し、ひいては、発光不良が悪化して使
用不能になってしまう。
【0008】また、有機EL構造体を気密ケース内に収
納し、このケース内に乾燥剤を配置することが提案され
ている。例えば、特開平3−261091号公報には、
乾燥剤として五酸化二リン(P25)が開示されてい
る。しかし、P25は水分を吸収してその水に溶解(潮
解)し、リン酸となり、有機EL構造体に悪影響を及ぼ
してしまう。また、P25の封入方法が著しく限られる
ため実用的ではない。
【0009】特開平6−176867号公報には、微粉
末固体脱水剤を外部の保護ケース内に充填する有機EL
素子が開示されている。微粉末固体脱水剤としては、ゼ
オライト、活性アルミナ、シリカゲル、酸化カルシウム
が挙げられている。しかし、外部ケース内に微粉末固体
脱水剤を充填する工程や、この微粉末固体脱水剤が充填
された外部ケースを取り付ける工程を必要とし、製造工
程が煩雑となる。さらに、ゼオライトのような水分を物
理吸着する乾燥剤を直接素子と接するような状態でケー
ス内に配置することとすると、有機EL素子が発光する
際の熱で吸着した水分を放出してしまうので、十分な寿
命が得られない。
【0010】これに対し、特開平9−148066号公
報には、乾燥剤として化学的に水分を吸着するとともに
吸湿しても固体状態を維持する化合物、具体的には、ア
ルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、硫酸塩、
金属ハロゲン化物が挙げられている。これらの化合物は
水分を化学吸着するので、水分の再放出が起こらず、素
子の寿命は長くなる。しかし、固体乾燥剤を気密ケース
内に保持することは容易でなく、しかも新たな工程を必
要とし、素子の寿命としてもまだ不十分である。
【0011】特開平5−114486号公報、特開平5
−41281号公報には、素子を脱水剤を含有するフッ
素化炭化水素からなる不活性液状化合物中に保存する方
法が開示されている。この方法は、有機EL素子を水分
から保護する上である程度の効果はあるものの、前記脱
水剤を含有する不活性液状化合物を注入する工程を必要
とし、封止工程が煩雑となる。
【0012】また、製造の難しさの大きな他の要因のひ
とつに、ほとんどの場合で正負の電極間に挟まれた有機
層の膜厚が1μm 以下であることがある。すなわち、図
3に示すように、基板11上に形成された有機層13の
膜厚と同程度かそれ以上のサイズのゴミ15が、有機層
13成膜前にその下層である電極12上に付着していた
場合に、そのさらに上層として成膜される電極14と電
極12とが短絡し、欠陥が発生しやすいという問題があ
った。
【0013】欠陥がある画素では、例えば、電極間でリ
ーク電流が流れたり、ショートしたりする。さらに、リ
ーク電流が流れるような状態でディスプレイを表示させ
ると一見して明らかな不良が現れる。特に、単純マトリ
クス駆動によりディスプレイを表示させる場合には最も
深刻な不良として現れ、例えば、テレビやコンピュータ
ーディスプレイを作った場合において、選択されていな
いラインが発光したり、本来明るく表示されるべき部分
が暗くなったりするというような欠陥となる。こうした
欠陥部分は、有機ELディスプレイを完成させ、実際に
発光させて表示品質を評価するまでは発見が困難であ
る。
【0014】同様にこうしたゴミが付着した部分から水
分が浸透しやすく、非発光部(ダークスポット)が発生
し、さらに時間とともにこのダークスポットが拡大進行
する、という不具合も良く知られている。
【0015】液晶ディスプレイの製造においては、欠陥
修正法としてレーザーリペアと呼ばれる方法が一般的に
行われている。これは、例えば、図4に示すように、問
題の発生している画素の配線やパーティクルをYAGレ
ーザー等で焼き切り、ゴミを含めて有機層13や電極1
4を除去し、焼失部16を形成するという方法であり、
歩留まり向上のために有効な手段として広く用いられて
いる。
【0016】しかし、レーザーリペア法は、表示面等、
有機EL構造体に直接レーザー光を照射可能な場所から
行う必要があるが、表示面側にカラーフィルタ等が配置
されているようなディスプレイではその部分でレーザー
光が吸収ないし遮断されてしまいうまく行うことはでき
ない。
【0017】また、従来の有機EL素子とは異なり、基
板/電子注入電極/電子注入輸送層/発光層/ホール注
入輸送層/ホール注入電極という構成の、いわゆる逆積
層構造等のように、封止板側から光を取り出す構成とす
ると、上記のような従来の封止手段では乾燥剤の配置が
極めて困難である。
【0018】以上のように、従来の有機EL素子は、封
止板側からの光取り出しが困難であったり、レーザーリ
ペア法を効果的に行うことが困難であったり、封止技術
との共存が困難であった。このため、駆動時間の経過に
伴う輝度の低下、ダークスポットの発生、拡大といった
素子の劣化現象を抑制する効果が不十分であったり、あ
る程度の封止効果はあるとしても、封止工程が複雑にな
ったり、製造の歩留まりが悪くコストがかかるといった
問題を有していた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、封止
板側からの光取り出しが可能で、レーザリペアを効果的
に行わせることができ、不良個所を適切に補修でき、製
品の歩留まりを向上させ、しかも駆動時間の経過に伴う
輝度の低下、ダークスポットの発生、拡大といった素子
の劣化現象を抑制できる有機EL素子を実現することで
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の構成に
より達成される。 (1) 基板と、この基板上に形成された有機EL構造
体と、この有機EL構造体を封止する封止板とを有し、
前記封止板は、少なくとも波長355nm、532nmおよ
び1064nmのいずれかの光の透過率が80%以上であ
り、前記封止板を基板上に固定する接合部より内側であ
って前記有機EL構造体が形成されている領域より外側
には、乾燥剤が配置されている有機EL素子。 (2) 前記基板側の外部から有機EL構造体へ到達す
る光のうち、少なくとも波長355nm、532nmおよび
1064nmのいずれかの光の透過率が70%以下である
上記(1)の有機EL素子。 (3) 前記有機EL構造体は、発光を封止板側より取
り出せる積層構造を有する上記(1)または(2)の有
機EL素子。 (4) 前記有機EL構造体は、発光を基板および封止
板の両側から取り出せる積層構造を有する上記(1)〜
(3)のいずれかの有機EL素子。 (5) 基板と、この基板上に形成された有機EL構造
体と、この有機EL構造体を封止する封止板とを有し、
前記封止板は、少なくとも波長355nm、532nmおよ
び1064nmのいずれかの光の透過率が80%以上であ
り、前記封止板を基板上に固定する接合部より内側であ
って前記有機EL構造体が形成されている領域より外側
には、乾燥剤が配置され、かつ前記有機EL構造体の少
なくとも一部がレーザーリペアされている有機EL素
子。 (6) 前記基板は、少なくとも波長355nm、532
nmおよび1064nmのいずれかの光の透過率が70%以
下である上記(5)の有機EL素子。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の有機EL素子は、基板
と、この基板上に形成された有機EL構造体と、この有
機EL構造体を封止する封止板とを有し、前記封止板
は、少なくとも波長355nm、532nmまたは1064
nmのいずれかの光の透過率が80%以上であり、前記封
止板を基板上に固定する接合部より内側であって前記有
機EL構造体が形成されている領域より外側には、乾燥
剤が配置されている。
【0022】封止板は、少なくとも波長355nm、53
2nmまたは1064nmのいずれかの光の透過率が80%
以上とし、前記封止板を基板上に固定する接合部より内
側であって、有機EL構造体が形成されている領域より
外側に乾燥剤を配置することにより、乾燥剤により有機
EL素子を水分から強力に保護できるとともに封止板側
からのレーザーリペア作業が可能となり、製品の歩留ま
りが向上する。
【0023】封止板は、基板外部より基板を介して有機
EL構造体に到達する光のうち、波長:355、53
2、1064nmのいずれかの光の透過率が70%以下、
特に0〜50%程度であるときに、少なくとも波長35
5nm、532nmまたは1064nmのいずれかの光の透過
率が80%以上、特に85〜95%程度であることが好
ましい。
【0024】また、いわゆる逆積層や、素子の両面(上
下)より光を取り出す場合のように、封止板側からも光
を取り出す構成の場合、少なくとも可視光領域、さらに
は波長350〜700nm、特に450〜680nmにおけ
る光の透過率が80%以上、特に85〜95%程度であ
ることが好ましい。
【0025】封止板の材料としては、封止板として気密
状態を維持し、所定の強度を有し、上記レーザー光透過
率を有するものであれば特に限定されるものではない
が、好ましくは平板状であって、ガラスや石英、樹脂等
であり、特にガラスが好ましい。ガラス平板を用いるこ
とで、安価でしかも薄型の有機EL表示装置とすること
ができる。このようなガラス材として、コストの面から
アルカリガラスが好ましいが、この他、ソーダ石灰ガラ
ス、鉛アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケ
イ酸ガラス、シリカガラス等のガラス組成のものも好ま
しい。特に、ソーダガラスで、表面処理の無いガラス材
が安価に使用でき、好ましい。封止板としては、ガラス
板以外にも、プラスチック板等を用いることもできる。
【0026】封止板の大きさとしては、特に限定される
ものではなく、表示部位のデザイン、および回路設計等
により、適宜好適な大きさに調整される。その厚さは、
平板で通常、0.1〜5mm程度である。なお、封止板に
凹部を形成し、この部分に有機EL構造体、またはその
一部を収納するようにすることも可能である。
【0027】封止板は、スペーサーを用いて高さを調整
し、所望の高さに保持してもよい。スペーサーの材料と
しては、樹脂ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ、ガ
ラスファイバー等が挙げられ、特にガラスビーズ等が好
ましい。スペーサーは、通常、粒径の揃った粒状物であ
るが、その形状は特に限定されるものではなく、スペー
サーとしての機能に支障のないものであれば種々の形状
であってもよい。その大きさとしては、円換算の直径が
1〜20μm 、より好ましくは1〜10μm 、特に2〜
8μm が好ましい。このような直径のものは、粒長10
0μm 以下程度であることが好ましく、その下限は特に
規制されるものではないが、通常直径と同程度以上であ
る。
【0028】なお、封止板に凹部を形成した場合には、
スペーサーは使用しても、使用しなくてもよい。使用す
る場合の好ましい大きさとしては、前記範囲でよいが、
特に2〜8μm の範囲が好ましい。
【0029】スペーサーは、予め封止用接着剤中に混入
されていても、接着時に混入してもよい。封止用接着剤
中におけるスペーサーの含有量は、好ましくは0.01
〜30wt%、より好ましくは0.1〜5wt%である。
【0030】本発明に使用される封止用接着剤として
は、熱硬化型の接着剤も使用することができるが、有機
EL構造体への影響を考慮すると光硬化型の接着剤が好
ましい。例えば、エステルアクリレート,ウレタンアク
リレート,エポキシアクリレート,メラミンアクリレー
ト,アクリル樹脂アクリレート等の各種アクリレート、
ウレタンポリエステル等の樹脂を用いたラジカル系接着
剤や、エポキシ、ビニルエーテル等の樹脂を用いたカチ
オン系接着剤、チオール・エン付加型樹脂系接着剤等が
挙げられ、中でも酸素による阻害が無く、光照射後も重
合反応が進行するカチオン系接着剤が好ましい。
【0031】カチオン系接着剤としては、カチオン硬化
タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤が好ましい。
有機EL構造体部分の各層構成材料のガラス転移温度が
140℃以下、特に80〜100℃程度である。従っ
て、通常の熱硬化型の接着剤を用いると、その硬化温度
が140〜180℃程度であるため、その硬化の際に有
機EL構造体が軟化してしまい、特性の劣化が生じてし
まうという問題がある。一方、紫外線硬化型接着剤の場
合は、このような有機EL構造体の軟化というような問
題は生じないが、現在一般に用いられている紫外線硬化
型接着剤はアクリル系であり、その硬化の際にその成分
中のアクリルモノマーが揮発し、それが上記有機EL構
造体の各構成材料に悪影響を及ぼし、その特性を劣化さ
せるという問題がある。そこで、本発明においては、以
上のような問題のない、あるいは極めて少ない接着剤で
ある、上記のカチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキ
シ樹脂接着剤を用いることが好ましい。
【0032】なお、紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤と
して市販されているものの中には、紫外線加熱硬化併用
型のエポキシ樹脂接着剤が含まれる場合があるが、この
場合には、ラジカル硬化タイプのアクリル系樹脂と加熱
硬化タイプのエポキシ樹脂が混合あるいは変性してある
場合が多く、前記のアクリル系樹脂のアクリルモノマー
の揮発の問題や熱硬化型エポキシ樹脂の硬化温度の問題
が解決しておらず、本発明の有機ELディスプレイに用
いる接着剤としては好ましくない。
【0033】カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキ
シ樹脂接着剤とは、主たる硬化剤として紫外線等の光照
射による光分解でルイス酸触媒を放出するルイス酸塩型
硬化剤を含み、光照射により発生されたルイス酸が触媒
となって主成分であるエポキシ樹脂がカチオン重合型の
反応機構により重合し、硬化するタイプの接着剤であ
る。
【0034】上記接着剤の主成分たるエポキシ樹脂とし
ては、エポキシ化オレフィン樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、ノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。また、上
記硬化剤としては、芳香族ジアゾニウムのルイス酸塩、
ジアリルヨードニウムのルイス酸塩、トリアリルスルホ
ニウムのルイス酸塩、トリアリルセレニウムのルイス酸
塩等が挙げられる。これらのうちでは、ジアリルヨード
ニウムのルイス酸塩が好ましい。
【0035】接着剤の塗布量としては、積層されている
有機EL構造体の大きさや有機EL素子で構成されるデ
ィスプレイの種類や構造等にもよるが、好ましくは6×
10 -2〜2×10-4g/cm2 、特に8×10-3〜2×1
-4g/cm2 程度が好ましい。また、接着剤層の厚みと
しては、通常封止板の配置位置の高さ、すなわち積層さ
れている有機EL構造体の厚みに、所定の空隙を確保で
きる厚みとなり、特に規制されるものではないが、通常
5×105 〜1×103 nm、好ましくは5×10 4〜5
×103nm、特に2×104 〜2×103 nm程度であ
る。
【0036】接着剤を用いて、封止板を接着し密封す
る。封止ガスは、Ar、He、N2 等の不活性ガス等が
好ましい。また、この封止ガスの水分含有量は、100
ppm以下、より好ましくは10 ppm以下、特には1 ppm
以下であることが好ましい。この水分含有量に下限値は
特にないが、通常0.1 ppm程度である。
【0037】乾燥剤としては、所望の吸湿効果を発揮
し、固定用の有機化合物等と容易に反応しないようなも
のであれば特に限定されるものではないが、例えば、水
素化カルシウム(CaH2)、水素化ストロンチウム
(SrH2)、水素化バリウム(BaH2)、水素化アル
ミニウムリチウム(AlLiH4)、酸化ナトリウム
(Na 2O)、酸化カリウム(K2O)、酸化カルシウム
(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化マグネシウ
ム(MgO)等を挙げることができる。
【0038】上記乾燥剤のなかでも特に、水素化カルシ
ウム(CaH2)、水素化ストロンチウム(SrH2)、
水素化バリウム(BaH2)および水素化アルミニウム
リチウム(AlLiH4)等が好ましい。
【0039】乾燥剤は、封止板を基板上に固定する接合
部より内側であって前記有機EL構造体が形成されてい
る領域より外側に配置される。乾燥剤を有機EL素子が
成膜している領域より外側に配置することにより、封止
板側からレーザーリペアを行うことができる。また、封
止板側から光を取り出す構成の場合にも有効である。乾
燥剤は上記領域内であればいずれの場所に配置されても
よいが、有機EL構造体と接触しない位置であることが
望ましい。また好ましくは、有機EL構造体の外周部分
をすべて覆い、かつこの乾燥剤と、封止板および基板と
の間に隙間が生じないように、つまり、外部から進入し
た水分が、必ず乾燥剤層を通過して有機EL構造体に到
達するよう配置されていることが望ましい。
【0040】乾燥剤を所定の位置に、所定の形状に配置
する方法としては、バインダーを用いたり、通気性を有
する樹脂中に配置したりして固定すればよい。
【0041】バインダーとしては、ワックス、油脂等
や、高分子樹脂等を用いることができる。
【0042】ワックスは、ワックス(具体的には、パラ
フィンワックスやマイクロクリスタリンワックス等の石
油系ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物
系ワックスのような天然ワックス等)等の他、油脂(具
体的には、脂肪または固体脂と称されるもの)等のよう
にワックスと同等な性質を有する有機化合物を用いるこ
とができる。ワックスや油脂の成分は、炭化水素(具体
的には、炭素数22以上のアルカン系の直鎖炭化水素
等)、脂肪酸(具体的には、炭素数12以上のアルカン
系の直鎖炭化水素の脂肪酸等)、脂肪酸エステル(具体
的には、炭素数20以上の飽和脂肪酸とメチルアルコー
ル等の低級アルコールとから得られる飽和脂肪酸のメチ
ルエステル等)、脂肪酸アミド(具体的には、オレイン
酸アミド、エルカ酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド
等)、脂肪族アミン(具体的には、炭素数16以上の脂
肪族第1アミン)、高級アルコール(具体的には、炭素
数16以上のn−アルキルアルコール)などである。こ
れらのなかでも特に石油系ワックスが好ましい。
【0043】高分子化合物は、塗布などを容易に行うこ
とができ、乾燥剤との組み合わせにより、乾燥剤と容易
に反応しないような材料を用いることが好ましい。具体
的には、以下の材料の中から乾燥剤との組み合わせにお
いて、最適なものを選択するとよい。例えば、ポリエチ
レン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)等が挙
げられる。また、ホットメルト材として、エチレン−酢
酸ビニル共重合体〔EVA(酢酸ビニル含有率が15〜
50%程度)〕等を用いてもよい。
【0044】上記高分子有機化合物は、好ましくは炭化
水素系、またはハロゲン化炭化水素系の溶剤に溶解させ
て用いてもよい。高分子有機化合物を溶解させるための
炭化水素系、またはハロゲン(F,Cl,Brおよび
I)化炭化水素系溶剤としては、上記高分子有機化合物
が可溶であって、混合される乾燥剤と化学反応しにくい
ものであることが必要である。溶剤も、低吸湿性のもの
が好ましい。
【0045】具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジクロロメ
タン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ト
リクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパ
ン、クロロベンゼンなどの中から好適なものを選択して
使用すればよい
【0046】上記高分子有機化合物は、溶剤:100重
量部に対して10〜150重量部、特に20〜100重
量部程度添加、溶解し、使用される。
【0047】乾燥剤の含有量としては、上記有機化合物
を含めた全成分に対して、好ましくは5〜80重量%、
特に20〜70重量%である。乾燥剤の含有量が5重量
%に満たないと乾燥剤による吸水効果が十分でなくな
り、70重量%を超えると乾燥剤を有機化合物により固
定・保持することが困難となり、乾燥剤の脱落などによ
り素子にダメージを与えるおそれが生じる。乾燥剤は、
通常、上記有機化合物中に分散された状態で用いられ
る。乾燥剤の平均粒径としては、0.1〜10μm程度
である。
【0048】上記高分子有機化合物と乾燥剤との混合物
の塗布量、配置量としては、使用する材料の比重にもよ
るが、0.001〜0.5g/cm2 、特に0.01〜
0.1g/cm2 程度が好ましい。塗布方法としては、ブ
レードコート、ロールコート、刷毛塗り、印刷等の他、
ディスペンサー等を用いてもよい。また、半固形状のも
のを貼り付けるようにしてもよい。
【0049】基板材料としては、基板側から発光した光
を取り出す構成の場合、ガラスや石英、樹脂等の透明な
いし半透明材料を用いる。また、逆積層の場合には、基
板は透明でも不透明であってもよく、不透明である場合
には、金属、セラミックス等を使用してもよい。
【0050】基板側から光を取り出す構成の場合、基
板、またはこの基板のいずれかの面に成膜されている層
を透過する光、つまり基板外部側から有機EL構造体に
到達する光のうち、少なくとも波長355nm、532nm
または1064nmのいずれかの光の透過率が70%以下
の場合、封止板の少なくとも波長355nm、532nmま
たは1064nmのいずれかの光の透過率が80%以上、
特に85〜95%程度であることが好ましい。
【0051】例えば、基板に色フィルター膜や蛍光性物
質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光
色をコントロールする場合がある。こうした場合、基板
外部側から有機EL構造体に到達する光のうち、少なく
とも波長355nm、532nmまたは1064nmのいずれ
かの光の透過率が70%以下となり、基板側からのレー
ザーリペアが困難となる。そこで、封止板の少なくとも
波長355nm、532nmまたは1064nmのいずれかの
光の透過率を80%以上とすることにより、封止板側か
らのレーザーリペアが可能となる。
【0052】色フィルター膜には、液晶ディスプレイ等
で用いられているカラーフィルターを用いれば良いが、
有機EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルター
の特性を調整し、取り出し効率・色純度を最適化すれば
よい。
【0053】また、EL素子材料や蛍光変換層が光吸収
するような短波長の外光をカットできるカラーフィルタ
ーを用いることで、素子の耐光性・表示のコントラスト
も向上する。
【0054】また、誘電体多層膜のような光学薄膜を用
いてカラーフィルターの代わりにしても良い。
【0055】蛍光変換フィルター膜は、EL発光の光を
吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させること
で、発光色の色変換を行うものであるが、組成として
は、バインダー、蛍光材料、光吸収材料の三つから形成
される。
【0056】蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高
いものを用いれば良く、EL発光波長域に吸収が強いこ
とが望ましい。実際には、レーザー色素などが適してお
り、ローダミン系化合物・ペリレン系化合物・シアニン
系化合物・フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニ
ン等も含む)、ナフタロイミド系化合物・縮合環炭化水
素系化合物・縮合複素環系化合物・スチリル系化合物・
クマリン系化合物等を用いればよい。
【0057】バインダーは、基本的に蛍光を消光しない
ような材料を選べば良く、フォトリソグラフィー・印刷
等で微細なパターニングが出来るようなものが好まし
い。また、ITO、IZOの成膜時にダメージを受けな
いような材料が好ましい。
【0058】光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りな
い場合に用いるが、必要のない場合は用いなくても良
い。また、光吸収材料は、蛍光性材料の蛍光を消光しな
いような材料を選べば良い。
【0059】次に、図を参照しつつ本発明の有機EL素
子についてより具体的に説明する。図1は、本発明の有
機EL素子の一構成例を示す概略断面図である。図1に
おいて、基板1上に形成されている有機EL構造体3
と、この有機EL構造体3を覆うように所定間隔をおい
て配置されている封止板2とを有する。また、封止板2
は接着剤4により接着・固定され、封止される。そし
て、封止板を基板上に接着剤4で固定している接合部よ
り内側であって前記有機EL構造体3が形成されている
領域より外側には、乾燥剤5が配置されている。
【0060】有機EL構造体から得られる発光光は、基
板側から取り出すようにしてもよいし、封止板側から取
り出すようにしてもよい。また、その両方から取り出す
ことも可能である。これらは、有機EL構造体の積層構
成や、電極構造などにより決められる。この場合、光を
取り出す側の基板、封止板の光透過率は、少なくとも可
視光、特に波長350〜700nm、さらには450〜6
80nmにおける透過率が80%以上、特に85%以上で
あることが好ましい。
【0061】本発明の有機EL構造体は、以下のような
構成により得ることができる。ホール注入電極は、通常
基板側の電極として形成され、発光した光を取り出す構
成であるため、透明ないし半透明な電極が好ましい。透
明電極としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、
IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ZnO、SnO
2 、In2 3 等が挙げられるが、好ましくはITO
(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化
インジウム)が好ましい。ITOは、通常In2 3
SnOとを化学量論組成で含有するが、O量は多少これ
から偏倚していてもよい。
【0062】ホール注入電極の厚さは、ホール注入を十
分行える一定以上の厚さを有すればよく、好ましくは1
0〜500nm、さらには30〜300nmの範囲が好まし
い。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと
剥離、加工性の悪化、応力による障害、光透過性の低下
や、表面の粗さによるリーク等の問題が生じてくる。逆
に厚さが薄すぎると、製造時の膜強度やホール輸送能
力、抵抗値の点で問題がある。
【0063】このホール注入電極層は蒸着法等によって
も形成できるが、好ましくはスパッタ法により形成する
ことが好ましい。
【0064】光を取り出す側の電極は、発光波長帯域、
通常400〜700nm、特に各発光光に対する光透過率
が50%以上、より好ましくは60%以上、特に80%
以上、さらには90%以上であることが好ましい。透過
率が低くなると、発光層からの発光自体が減衰され、発
光素子として必要な輝度を得難くなってくる。なお、コ
ントラスト比を向上させたりして視認性を向上させる目
的等のため、比較的低い透過率とする場合もある。
【0065】電子注入電極としては、低仕事関数の物質
が好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、La、C
e、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Z
n、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させる
ためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用いるこ
とが好ましい。合金系としては、例えばAg・Mg(A
g:1〜20at%)、Al・Li(Li:0.3〜14
at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)、Al・
Ca(Ca:5〜20at%)等が好ましい。また、これ
らの酸化物を、補助電極と組み合わせて形成してもよ
い。なお、電子注入電極は蒸着法やスパッタ法で形成す
ることが可能である。
【0066】電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十
分行える一定以上の厚さとすればよく、0.1nm以上、
好ましくは1nm以上とすればよい。また、その上限値に
は特に制限はないが、通常膜厚は1〜500nm程度とす
ればよい。
【0067】正積層のときには、電子注入電極上に保護
電極を設けてもよい。保護電極の厚さは、電子注入効率
を確保し、水分や酸素あるいは有機溶媒の進入を防止す
るため、一定以上の厚さとすればよく、好ましくは50
nm以上、さらには100nm以上、特に100〜1000
nmの範囲が好ましい。保護電極層が薄すぎると、その効
果が得られず、また、保護電極層の段差被覆性が低くな
ってしまい、端子電極との接続が十分ではなくなる。一
方、保護電極層が厚すぎると、保護電極層の応力が大き
くなるため、ダークスポットの成長速度が速くなってし
まう。
【0068】電子注入電極と保護電極とを併せた全体の
厚さとしては、特に制限はないが、通常100〜100
0nm程度とすればよい。
【0069】電極成膜後に、前記保護電極に加えて、S
iOX 等の無機材料、テフロン、塩素を含むフッ化炭素
重合体等の有機材料等を用いた保護膜を形成してもよ
い。保護膜は透明でも不透明であってもよく、保護膜の
厚さは50〜1200nm程度とする。保護膜は、前記の
反応性スパッタ法の他に、一般的なスパッタ法、蒸着
法、PECVD法等により形成すればよい。
【0070】次に、有機EL構造体の有機物層について
詳述する。
【0071】発光層は、少なくとも発光機能に関与する
1種類、または2種類以上の有機化合物薄膜の積層膜か
らなる。
【0072】発光層は、ホール(正孔)および電子の注
入機能、それらの輸送機能、ホールと電子の再結合によ
り励起子を生成させる機能を有する。発光層には、比較
的電子的にニュートラルな化合物を用いることで、電子
とホールを容易かつバランスよく注入・輸送することが
できる。
【0073】発光層は、必要により、狭義の発光層の
他、さらに有機材料のホール輸送層を設けたり、電子注
入輸送層等を有していても良い。
【0074】必要により設けられるホール輸送層は、ホ
ール注入電極からのホールの注入を容易にする機能、ホ
ールを安定に輸送する機能および電子を妨げる機能を有
するものであり、電子注入輸送層は、電子注入電極から
の電子の注入を容易にする機能、電子を安定に輸送する
機能およびホールを妨げる機能を有するものである。こ
れらの層は、発光層に注入されるホールや電子を増大・
閉じこめさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を改
善する。
【0075】発光層の厚さ、ホール輸送層の厚さおよび
電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものではな
く、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm程
度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0076】ホール輸送層の厚さおよび電子注入輸送層
の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光層の
厚さと同程度または1/10〜10倍程度とすればよ
い。電子の注入層と輸送層とを分ける場合は、注入層は
1nm以上、輸送層は1nm以上とするのが好ましい。この
ときの注入層、輸送層の厚さの上限は、通常、注入層で
500nm程度、輸送層で500nm程度である。このよう
な膜厚については、注入輸送層を2層設けるときも同じ
である。
【0077】有機EL素子の発光層には、発光機能を有
する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような
蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−26469
2号公報に開示されているような化合物、例えばキナク
リドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択
される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールま
たはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノ
リン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセ
ン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体
等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公
報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアン
トラセン誘導体、特開平8−12969号公報(特願平
6−114456号)に記載のテトラアリールエテン誘
導体等を用いることができる。
【0078】また、それ自体で発光が可能なホスト物質
と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントと
しての使用が好ましい。このような場合の発光層におけ
る化合物の含有量は0.01〜10wt% 、さらには0.
1〜5wt% であることが好ましい。ホスト物質と組み合
わせて使用することによって、ホスト物質の発光波長特
性を変化させることができ、長波長に移行した発光が可
能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上す
る。
【0079】ホスト物質としては、キノリノラト錯体が
好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体
を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このよう
なアルミニウム錯体としては、特開昭63−26469
2号、特開平3−255190号、特開平5−7073
3号、特開平5−258859号、特開平6−2158
74号等に開示されているものを挙げることができる。
【0080】具体的には、まず、トリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネ
シウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜
鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、
トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−
8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−
キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キ
ノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−
8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜
鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メ
タン]等がある。
【0081】また、8−キノリノールまたはその誘導体
のほかに他の配位子を有するアルミニウム錯体であって
もよく、このようなものとしては、ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム(III)
、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(オルト−
クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)(メタークレゾラト)アルミニウム
(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ
−クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル
−8−キノリノラト)(オルト−フェニルフェノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノ
ラト)(メタ−フェニルフェノラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ−
フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)(2,3−ジメチルフェノ
ラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キ
ノリノラト)(2,6−ジメチルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(3,4−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,5−ジメ
チルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチ
ル−8−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(2,6−ジフェニルフェノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラ
ト)(2,4,6−トリフェニルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(2,3,6−トリメチルフェノラト)アルミニウム(I
II) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,
3,5,6−テトラメチルフェノラト)アルミニウム(I
II) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(1−ナ
フトラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)
(オルト−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(パラ−
フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,
4−ジメチル−8−キノリノラト)(メタ−フェニルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチ
ル−8−キノリノラト)(3,5−ジメチルフェノラ
ト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8
−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラ
ト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4−エチ
ル−8−キノリノラト)(パラ−クレゾラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キ
ノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウ
ム(III) 、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリ
ノラト)(オルト−クレゾラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2−メチル−6−トリフルオロメチル−8−キノ
リノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(III) 等が
ある。
【0082】このほか、ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス
(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)アルミニウム
(III) −μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キ
ノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(4−エチル−
2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −
μ−オキソ−ビス(4−エチル−2−メチル−8−キノ
リノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4
−メトキシキノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オ
キソ−ビス(2−メチル−4−メトキシキノリノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(5−シアノ−2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−
ビス(5−シアノ−2−メチル−8−キノリノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−5−トリフルオ
ロメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ
−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル
−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 等であっても
よい。
【0083】このほかのホスト物質としては、特開平8
−12600号公報(特願平6−110569号)に記
載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−1296
9号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラ
アリールエテン誘導体なども好ましい。
【0084】発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであ
ってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これら
の蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0085】また、発光層は、必要に応じて、少なくと
も1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電
子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、
さらにはこの混合層中にドーパントを含有させることが
好ましい。このような混合層における化合物の含有量
は、0.01〜20wt% 、さらには0.1〜15wt% と
することが好ましい。
【0086】混合層では、キャリアのホッピング伝導パ
スができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を
移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるた
め、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命
がのびるという利点がある。また、前述のドーパントを
このような混合層に含有させることにより、混合層自体
のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長
を長波長に移行させることができるとともに、発光強度
を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0087】混合層に用いられるホール注入輸送性化合
物および電子注入輸送性化合物は、各々、後述のホール
注入輸送性の化合物および電子注入輸送性の化合物の中
から選択すればよい。なかでも、ホール輸送層用の化合
物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例えばホ
ール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さら
にはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン
誘導体を用いるのが好ましい。
【0088】電子注入輸送性の化合物としては、キノリ
ン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体
を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好まし
い。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラ
アリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0089】ホール注入輸送性の化合物としては、強い
蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール輸送材
料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチリ
ルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を用
いるのが好ましい。
【0090】この場合の混合比は、それぞれのキャリア
移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注
入輸送性化合物の化合物/電子注入輸送機能を有する化
合物の重量比が、1/99〜99/1、さらに好ましく
は10/90〜90/10、特に好ましくは20/80
〜80/20程度となるようにすることが好ましい。
【0091】また、混合層の厚さは、分子層一層に相当
する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが
好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好まし
く、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすること
が好ましい。
【0092】また、混合層の形成方法としては、異なる
蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸
発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同
じ蒸着ボード内で混合させておき、蒸着することもでき
る。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ま
しいが、場合によっては、化合物が島状に存在するもの
であってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質
を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させ
てコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに
形成する。
【0093】また、ホール注入輸送層には、例えば、特
開昭63−295695号公報、特開平2−19169
4号公報、特開平3−792号公報、特開平5−234
681号公報、特開平5−239455号公報、特開平
5−299174号公報、特開平7−126225号公
報、特開平7−126226号公報、特開平8−100
172号公報、EP0650955A1等に記載されて
いる各種有機化合物を用いることができる。例えば、テ
トラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミン
ないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級ア
ミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリア
ゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有する
オキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン等である。こ
れらの化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用
してもよい。2種以上を併用するときは、別層にして積
層したり、混合したりすればよい。
【0094】ホール注入輸送層をホール注入層とホール
輸送層とに分けて設層する場合は、ホール注入輸送層用
の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いるこ
とができる。このとき、ホール注入電極(ITO等)側
からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の順に積層す
ることが好ましい。また、ホール注入電極表面には薄膜
性の良好な化合物を用いることが好ましい。このような
積層順については、ホール注入輸送層を2層以上設ける
ときも同様である。このような積層順とすることによっ
て、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポ
ットの発生・成長を防ぐことができる。また、素子化す
る場合、蒸着を用いているので1〜10nm程度の薄い膜
も均一かつピンホールフリーとすることができるため、
ホール注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視部
に吸収をもつような化合物を用いても、発光色の色調変
化や再吸収による効率の低下を防ぐことができる。ホー
ル注入輸送層は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着
することにより形成することができる。
【0095】電子注入輸送層には、トリス(8−キノリ
ノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノー
ルまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などの
キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘
導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリ
ン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオ
レン誘導体等を用いることができる。電子注入輸送層は
発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合は
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用する
ことが好ましい。電子注入輸送層の形成は、発光層と同
様に、蒸着等によればよい。
【0096】電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層
とに分けて積層する場合には、電子注入輸送層用の化合
物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることが
できる。このとき、電子注入電極側から電子親和力の値
の大きい化合物の順に積層することが好ましい。このよ
うな積層順については、電子注入輸送層を2層以上設け
るときも同様である。
【0097】ホール注入輸送層、発光層および電子注入
輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できることから、
真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法を用い
た場合、アモルファス状態または結晶粒径が0.2μm
以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を
超えていると、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を
高くしなければならなくなり、ホールの注入効率も著し
く低下する。
【0098】真空蒸着の条件は特に限定されないが、1
-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/
sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続し
て各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形
成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げる
ため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低く
したり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりする
ことができる。
【0099】これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場
合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化
合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着する
ことが好ましい。
【0100】本発明の有機EL素子は、例えば、基板/
ホール注入電極/ホール注入輸送層/発光層/電子注入
輸送層/電子注入電極とが順次積層された構成としても
よい。また、基板/電子注入電極/電子注入輸送層/発
光層/ホール注入輸送層/ホール注入電極とが順次積層
された構成(逆積層)としてもよい。
【0101】また、上記素子は、電子注入電極を透明と
するか、膜厚を極端に薄くして他の透明電極と組み合わ
せることで電子注入電極側からの光取り出しが可能とな
り、素子の両面(上下)より光を取り出す構成としても
よい。
【0102】有機EL素子は、直流駆動やパルス駆動さ
れ、また交流駆動も可能である。印加電圧は、通常、2
〜30V 程度である。
【0103】
【実施例】〔実施例1〕 <乾燥剤・樹脂混合物の調整:サンプル1>有機化合物
としてワックス(日化精工社製、商品名:プルーフワッ
クス、mp:約90℃)を用い、乾燥剤として:CaH2
を用いた。次に、水分含有率を100ppm 以下のN2
囲気下で前記ワックスを150℃まで加熱し、前記ワッ
クス:100重量部に対し乾燥剤:100重量部添加
し、混合・撹拌し、乾燥剤・樹脂混合物を得た。
【0104】次いで、前記乾燥剤・樹脂混合物を封止板
の有機EL構造体と対向する面上に塗布した。塗布領域
としては、有機EL構造体と対向する部分から封止板を
基板上に固定する接合部との間の部分とし、さらに有機
EL構造体と対向する部分と接合部から0.5mm程度離
間させた。このときの塗布量は、約0.05g/cm2とし
た。
【0105】この乾燥剤・樹脂混合物が塗布されたガラ
ス封止板を室温下で放置し冷却した。室温下で乾燥剤・
樹脂混合物は硬化し、流動現象は全く見られなかった。
【0106】<乾燥剤・樹脂混合物の調整:サンプル2
>有機化合物としてポリエチレン系樹脂(三井化学社
製、商品名:ハイワックス410P、mp:118℃)を
用い、乾燥剤として:CaH2 を用いた。次に、水分含
有率を100ppm 以下のN2 雰囲気下で前記樹脂を15
0℃まで加熱し、前記樹脂:100重量部に対し乾燥剤
を100重量部添加し、混合・撹拌し、乾燥剤・樹脂混
合物を得た。
【0107】次いで、前記乾燥剤・樹脂混合物を封止板
の有機EL構造体と対向する面上に塗布した。塗布領域
としては、有機EL構造体と対向する部分から封止板を
基板上に固定する接合部との間の部分とし、さらに有機
EL構造体と対向する部分と接合部から0.5mm程度離
間させた。このときの塗布量は、約0.05g/cm2とし
た。
【0108】次いで、この乾燥剤・樹脂混合物が塗布さ
れたガラス封止板を室温下で放置し冷却した。室温下で
乾燥剤・樹脂混合物は硬化し、流動現象は全く見られな
かった。
【0109】<乾燥剤・樹脂混合物の調整:サンプル3
>有機化合物としてポリスチレン(数平均分子量:35
0000)を用い、これに溶剤としてトルエン、乾燥剤
CaH2 を用いた。次に、N2 雰囲気下で前記溶剤10
0重量部に対して前記樹脂50重量部添加し、撹拌・混
合した後、さらに乾燥剤を前記樹脂100重量部に対し
100重量部添加して撹拌・混合し、乾燥剤・樹脂混合
物を得た。
【0110】次いで、前記乾燥剤・樹脂混合物を封止板
の有機EL構造体と対向する面上に塗布した。塗布領域
としては、有機EL構造体と対向する部分から封止板を
基板上に固定する接合部との間の部分とし、さらに有機
EL構造体と対向する部分と接合部から0.5mm程度離
間させた。また、このときの塗布量は、約0.05g/c
m2 とした。
【0111】次いで、この乾燥剤・樹脂混合物が塗布さ
れたガラス封止板を150℃で放置し脱媒・乾燥させ
た。室温下で乾燥剤・樹脂混合物は完全に硬化し、流動
現象は全く見られなかった。
【0112】<有機EL素子の作製>ガラス基板として
コーニング社製商品名7059基板を中性洗剤を用いて
スクラブ洗浄した。
【0113】ガラス基板上に補助配線11を形成し、引
き続き、顔料分散型のREDのカラーフィルター層を形
成した。これは、アクリル系樹脂に顔料を分散させた材
料で、市販の薬液をスピンコートし、プリベークした後
に露光、現像、キュアを繰り返して形成したものであ
る。
【0114】さらに、カラーフィルター層の表面を平坦
化するため、やはりアクリル系樹脂の無色透明のオーバ
ーコート層を、カラーフィルター層と同じ要領で形成し
た。これらの層にはコンタクトホールが形成されてお
り、次に形成されるITO電極層と補助配線が接続され
る構造になっている。このカラーフィルター層は、波長
532nmにおけるレーザー光の透過率が10%以下であ
った。
【0115】この、カラーフィルター層が形成された基
板上にITO酸化物ターゲットを用いRFマグネトロン
スパッタリング法により、基板温度250℃で、膜厚2
00nmのITOホール注入電極層を形成し、2mm×2mm
ドットの画素にパターニングした。
【0116】ITO電極層等が形成された基板の表面を
UV/O3 洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに
固定して、槽内を1×10-4Pa以下まで減圧した。
【0117】次いで、蒸着法により、4,4’,4”−
トリス(−N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル
アミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)を蒸
着速度0.1nm/secで55nmの厚さに蒸着してホール
注入層を形成し、N,N’−ジフェニル−N,N’−m
−トリル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェニル
(TPD)を蒸着速度0.1nm/secで20nmの厚さに
蒸着してホール輸送層を形成した。
【0118】さらに、減圧を保ったまま、N,N,
N’,N’−テトラキス(m−ビフェニル)−1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)と、トリ
ス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )と、
ルブレンとを、全体の蒸着速度0.2nm/secとして10
0nmの厚さに蒸着し、発光層とした。TPD:Alq3
=1:1(重量比)、この混合物に対してルブレンを1
0体積%ドープした。
【0119】次いで、蒸着法により、トリス(8−キノ
リノラト)アルミニウム(Alq3)を蒸着速度0.2n
m/secとして100nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層
とした。
【0120】次いで、減圧を保ったまま、AlLi(L
i:7at%)を1nmの厚さに蒸着し、続けてAlを20
0nmの厚さに蒸着し、電子注入電極および補助電極とし
た。
【0121】得られた有機EL構造体が積層されている
基板に、乾燥剤−有機化合物の混合物を塗布・配置し
た、サンプル1〜3の封止板を固定した。また、比較サ
ンプルとして、乾燥剤−有機化合物の混合物を塗布しな
い封止板を固定したサンプルを用意した。この封止板の
波長532nmおけるレーザー光の透過率は90%であっ
た。このときの接着剤は、エポキシ系光硬化型接着剤を
用いた。
【0122】得られた各有機EL素子10サンプルを、
60℃−RH95%の保存条件下で10mA/cm2の電流密
度で連続駆動させ、500時間駆動した後に発光面を観
察して各画素のダークスポットを観察した。その結果、
本発明サンプル1〜3は直径50μm 以下のダークスポ
ットが2個程度発見されたにとどまったが、比較サンプ
ルでは、直径50μm 以上のダークスポットが15個以
上確認された。
【0123】さらに、同様にして得られた多数の各発明
サンプル1〜3の中から、リーク電流の発生している画
素を探し、これに波長532nmのYAGレーザーを封止
板側より照射してレーザーリペアを行ったところ、効果
的なリペア処理が可能で、リークの発生している画素で
これを効果的に修復できることがわかった。
【0124】〔実施例2〕実施例1において、有機EL
素子を以下のようにして作製した他は、実施例1と同様
にした各サンプルを得た。
【0125】<有機EL素子の作製>ガラス基板として
コーニング社製商品名7059基板を中性洗剤を用いて
スクラブ洗浄した。
【0126】次いで、Alを200nmの厚さに蒸着し、
続けてAlLi(Li:7at%)を1nmの厚さに蒸着
し、補助電極および電子注入電極とした。
【0127】次いで、蒸着法により、トリス(8−キノ
リノラト)アルミニウム(Alq3)を蒸着速度0.2n
m/secとして100nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層
とした。
【0128】さらに、減圧を保ったまま、N,N,
N’,N’−テトラキス(m−ビフェニル)−1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)と、トリ
ス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )と、
ルブレンとを、全体の蒸着速度0.2nm/secとして10
0nmの厚さに蒸着し、発光層とした。TPD:Alq3
=1:1(重量比)、この混合物に対してルブレンを1
0体積%ドープした。
【0129】次いで、N,N’−ジフェニル−N,N’
−m−トリル−4,4’−ジアミノ−1,1’−ビフェ
ニル(TPD)を蒸着速度0.1nm/secで20nmの厚
さに蒸着してホール輸送層を形成し、4,4’,4”−
トリス(−N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル
アミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)を蒸
着速度0.1nm/secで55nmの厚さに蒸着してホール
注入層を形成した。
【0130】さらに、ITO酸化物ターゲットを用いR
Fマグネトロンスパッタリング法により、膜厚200nm
のITOホール注入電極層を形成した。
【0131】得られた有機EL構造体が積層されている
基板に、乾燥剤−有機化合物の混合物を塗布・配置し
た、サンプル1〜3の封止板を固定した。また、比較サ
ンプルとして、乾燥剤−有機化合物の混合物を塗布しな
い封止板を固定したサンプルを用意した。この封止板の
波長532nmおけるレーザー光の透過率は90%であっ
た。このときの接着剤は、エポキシ系光硬化型接着剤を
用いた。
【0132】得られた各サンプルを、実施例1と同様に
して評価したところ実施例1とほぼ同様の結果が得られ
た。また、これらのサンプルを10mA/cm2 の電流密度
で駆動したところ、封止板側から発光を確認することが
できた。
【0133】また、実施例1同様、効果的なリペア処理
が可能で、リークの発生している画素でこれを効果的に
修復できることがわかった。
【0134】〔実施例3〕実施例1において、AlLi
(Li:7at%)を1nmの厚さに蒸着し、続けてRFマ
グネトロンスパッタにより、ITOを200nmの膜厚に
成膜して電子注入電極、および補助電極とした他は実施
例1と同様にしてサンプルを得た。
【0135】得られたサンプルを実施例1と同様にして
評価したところ、実施例1と同様に結果が得られた。ま
た、これらのサンプルを10mA/cm2 の電流密度で駆動
したところ、素子の両面(上下)側から発光を確認する
ことができた。
【0136】また、実施例1同様、効果的なリペア処理
が可能で、リークの発生している画素でこれを効果的に
修復できることがわかった。
【0137】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、レーザリ
ペアを効果的に行うことが可能で、不良個所を適切に補
修でき、製品の歩留まりを向上させ、しかも駆動時間の
経過に伴う輝度の低下、ダークスポットの発生、拡大と
いった素子の劣化現象を抑制できる有機EL素子を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の基本構成を示す概略断
面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】有機EL構造体成膜時にゴミが付着した状態を
示した概略断面図である。
【図4】レーザリペアを施した状態を示した概略断面図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 有機EL構造体 3 封止板 4 接着剤 5 封止樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海老沢 晃 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 川島 真祐紀 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 早川 敏雄 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB13 AB18 BB01 BB05 BB07 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板上に形成された有機E
    L構造体と、この有機EL構造体を封止する封止板とを
    有し、 前記封止板は、少なくとも波長355nm、532nmおよ
    び1064nmのいずれかの光の透過率が80%以上であ
    り、 前記封止板を基板上に固定する接合部より内側であって
    前記有機EL構造体が形成されている領域より外側に
    は、乾燥剤が配置されている有機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記基板側の外部から有機EL構造体へ
    到達する光のうち、少なくとも波長355nm、532nm
    および1064nmのいずれかの光の透過率が70%以下
    である請求項1の有機EL素子。
  3. 【請求項3】 前記有機EL構造体は、発光を封止板側
    より取り出せる積層構造を有する請求項1または2の有
    機EL素子。
  4. 【請求項4】 前記有機EL構造体は、発光を基板およ
    び封止板の両側から取り出せる積層構造を有する請求項
    1〜3のいずれかの有機EL素子。
  5. 【請求項5】 基板と、この基板上に形成された有機E
    L構造体と、この有機EL構造体を封止する封止板とを
    有し、 前記封止板は、少なくとも波長355nm、532nmおよ
    び1064nmのいずれかの光の透過率が80%以上であ
    り、 前記封止板を基板上に固定する接合部より内側であって
    前記有機EL構造体が形成されている領域より外側に
    は、乾燥剤が配置され、 かつ前記有機EL構造体の少なくとも一部がレーザーリ
    ペアされている有機EL素子。
  6. 【請求項6】 前記基板は、少なくとも波長355nm、
    532nmおよび1064nmのいずれかの光の透過率が7
    0%以下である請求項5の有機EL素子。
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