JP2000223272A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

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JP2000223272A
JP2000223272A JP11018776A JP1877699A JP2000223272A JP 2000223272 A JP2000223272 A JP 2000223272A JP 11018776 A JP11018776 A JP 11018776A JP 1877699 A JP1877699 A JP 1877699A JP 2000223272 A JP2000223272 A JP 2000223272A
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layer
organic
electron injection
electrode
inorganic
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Michio Arai
三千男 荒井
Isamu Kobori
勇 小堀
Etsuo Mihashi
悦央 三橋
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Original Assignee
TDK Corp
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/17Carrier injection layers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
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    • H10K50/17Carrier injection layers
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    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y10S428/917Electroluminescent

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子/ホール注入効率に優れ、発光効率が改
善され、動作電圧が低く、しかも低コストな有機EL素
子を実現する。 【解決手段】 ホール注入電極と、電子注入電極と、こ
れらの電極間に設けられた1種以上の少なくとも1層は
発光機能を有する有機層とを有し、この有機層と電子注
入電極の間には、第1成分としてアルカリ金属元素、ア
ルカリ土類金属元素、ランタノイド系元素から選択され
る1種以上の酸化物と、第2成分として仕事関数3〜5
eVの金属の1種以上の元素とを含有し、ホールをブロッ
クし、電子を搬送するための導通パスを有する高抵抗の
無機電子注入層を有し、前記発光層とホール注入電極と
の間には、シリコンおよび/またはゲルマニウムの酸化
物を主成分とし、主成分の平均組成を、(Si1-x
x)Oyと表したとき 0≦x≦1 1.7≦y≦1.99 である無機絶縁性ホール注入輸送層を有する有機EL素
子とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL(エレク
トロルミネッセンス)素子に関し、詳しくは、有機化合
物の薄膜に電界を印加して光を放出する素子に用いられ
る無機/有機接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL素子は、ガラス上に大面積で素
子を形成できるため、ディスプレー用等に研究開発が進
められている。一般に有機EL素子は、ガラス基板上に
ITO等の透明電極を形成し、その上に有機アミン系の
ホール輸送層、電子導電性を示しかつ強い発光を示すた
とえばAlq3 材からなる有機発光層を積層し、さら
に、MgAgなどの仕事関数の小さい電極を形成し、基
本素子としている。
【0003】これまでに報告されている素子構造として
は、ホール注入電極及び電子注入電極の間に1層または
複数層の有機化合物層が挟まれた構造となっており、有
機化合物層としては、2層構造あるいは3層構造があ
る。
【0004】2層構造の例としては、ホール注入電極と
電子注入電極の間にホール輸送層と発光層が形成された
構造または、ホール注入電極と電子注入電極の間に発光
層と電子輸送層が形成された構造がある。3層構造の例
としては、ホール注入電極と電子注入電極の間にホール
輸送層と発光層と電子輸送層とが形成された構造があ
る。また、単一層に全ての役割を持たせた単層構造も高
分子や混合系で報告されている。
【0005】図3および図4に、有機EL素子の代表的
な構造を示す。
【0006】図3では基板11上に設けられたホール注
入電極12と電子注入電極13の間に有機化合物である
ホール輸送層14と発光層15が形成されている。この
場合、発光層15は、電子輸送層の機能も果たしてい
る。
【0007】図4では、基板11上に設けられたホール
注入電極12と電子注入電極13の間に有機化合物であ
るホール輸送層14と発光層15と電子輸送層16が形
成されている。
【0008】これら有機EL素子において、発光効率を
向上させる試みも種々なされている。しかしながら、従
来の素子構成では電子注入輸送層での電子注入効率性が
劣る等して、発光層における効果的な再結合を行うこと
が困難であり、十分満足しうる効率の素子を得ることが
困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
・ホール注入効率に優れ、発光効率が改善され、動作電
圧が低く、しかも低コストな有機EL素子を実現するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記目的は、
以下の構成により達成される。 (1) ホール注入電極と、陰電極と、これらの電極間
に設けられた1種以上の有機層とを有し、少なくとも前
記有機層の1層は発光機能を有し、この発光層と陰電極
の間には、高抵抗の無機電子注入層を有し、この高抵抗
の無機電子注入層は、第1成分として仕事関数4eV以下
であって、アルカリ金属元素、およびアルカリ土類金属
元素、およびランタノイド系元素から選択される1種以
上の酸化物と、第2成分として仕事関数3〜5eVの金属
の1種以上とを含有し、かつ、ホールをブロックすると
ともに電子を搬送するための導通パスを有し、前記発光
層とホール注入電極との間には無機絶縁性ホール注入輸
送層を有し、この無機絶縁性ホール注入輸送層は、シリ
コンおよび/またはゲルマニウムの酸化物を主成分と
し、ラザフォード後方散乱により得られる主成分の平均
組成を、(Si1-xGex)Oyと表したとき 0≦x≦1 1.7≦y≦1.99 である有機EL素子。 (2) 前記第2成分は、Zn,Sn,V,Ru,Sm
およびInから選択される1種以上である有機EL素
子。 (3) 前記アルカリ金属元素は、Li,Na,K,R
b,CsおよびFrの1種以上であり、アルカリ土類金
属元素は、Mg,CaおよびSrの1種以上であり、ラ
ンタノイド系元素はLaおよびCeから選択される1種
以上を有する上記(1)または(2)の有機EL素子。 (4) 前記高抵抗のホール注入層は、その抵抗率が1
〜1×1011Ω・cmである上記(1)〜(3)のいずれ
かの有機EL素子。 (5) 前記高抵抗の無機電子注入層は、第2成分を全
成分に対して、0.2〜40 mol%含有する上記(1)
〜(4)のいずれかの有機EL素子。 (6) 前記高抵抗の無機電子注入層の膜厚は、0.3
〜30nmである上記(1)〜(5)のいずれかの有機E
L素子。 (7) 前記無機絶縁性ホール注入輸送層は、さらに安
定剤として酸化シリコン、および/または酸化ゲルマニ
ウムを含有する上記(1)〜(6)のいずれかの有機E
L素子。 (8) 前記無機絶縁性ホール注入輸送層の膜厚が0.
1〜5nmである上記(1)〜(7)のいずれかの有機E
L素子。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の有機EL素子は、ホール
注入電極と、陰電極と、これらの電極間に設けられた1
種以上の有機層とを有し、少なくとも前記有機層の1層
は発光機能を有し、この発光層と陰電極の間には、高抵
抗の無機電子注入層を有し、この高抵抗の無機電子注入
層は、第1成分として仕事関数4eV以下であって、アル
カリ金属元素、およびアルカリ土類金属元素、およびラ
ンタノイド系元素から選択される1種以上の酸化物と、
第2成分として仕事関数3〜5eVの金属の1種以上とを
含有し、かつ、ホールをブロックするとともに電子を搬
送するための導通パスを有し、前記発光層とホール注入
電極との間には無機絶縁性ホール注入輸送層を有し、こ
の無機絶縁性ホール注入輸送層は、シリコンおよび/ま
たはゲルマニウムの酸化物を主成分とし、ラザフォード
後方散乱により得られる主成分の平均組成を、(Si
1-xGex)Oyと表したとき 0≦x≦1 1.7≦y≦1.99 である。
【0012】このように、電子の導通パスを有し、ホー
ルをブロックできる無機電子注入層を有機層と電子注入
電極(陰極)の間に配置することで、発光層へ電子を効
率よく注入することができ、発光効率が向上するととも
に駆動電圧が低下する。
【0013】また、好ましくは無機電子注入層の第2成
分を、全成分に対して0.2〜40mol%含有させて導
電パスを形成することにより、電子注入電極から発光層
側の有機層へ効率よく電子を注入することができる。し
かも、有機層から電子注入電極へのホールの移動を抑制
することができ、発光層でのホールと電子との再結合を
効率よく行わせることができる。また、無機材料の有す
るメリットと、有機材料の有するメリットとを併せもっ
た有機EL素子とすることができる。本発明の有機EL
素子は、従来の有機電子注入層を有する素子と同等かそ
れ以上の輝度が得られ、しかも、耐熱性、耐候性が高い
ので従来のものよりも寿命が長く、リークやダークスポ
ットの発生も少ない。また、比較的高価な有機物質ばか
りではなく、安価で入手しやすく製造が容易な無機材料
も用いることで、製造コストを低減することもできる。
【0014】高抵抗の無機電子注入層は、その抵抗率が
好ましくは1〜1×1011Ω・cm、特に1×103 〜1
×108 Ω・cmである。無機電子注入層の抵抗率を上記
範囲とすることにより、高い電子ブロック性を維持した
まま電子注入効率を飛躍的に向上させることができる。
無機電子注入層の抵抗率は、シート抵抗と膜厚からも求
めることができる。
【0015】高抵抗の無機電子注入層は、好ましくは第
1成分として仕事関数4eV以下、より好ましくは1〜4
eVであって、好ましくはLi,Na,K,Rb,Csお
よびFrから選択される1種以上のアルカリ金属元素、
または、好ましくはMg,CaおよびSrから選択され
る1種以上のアルカリ土類金属元素、または、好ましく
はLaおよびCeから選択される1種以上のランタノイ
ド系元素のいずれかの酸化物を含有する。これらのなか
でも、特に酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化カル
シウム、酸化セリウムが好ましい。これらを混合して用
いる場合の混合比は任意である。また、これらの混合物
中には酸化リチウムがLi2O換算で、50 mol%以上
含有されていることが好ましい。
【0016】高抵抗の無機電子注入層は、さらに第2成
分としてZn,Sn,V,Ru,SmおよびInから選
択される1種以上の元素を含有する。この場合の第2成
分の含有量は、好ましくは0.2〜40 mol%、より好
ましくは1〜20 mol%である。含有量がこれより少な
いと電子注入機能が低下し、含有量がこれを超えるとホ
ールブロック機能が低下してくる。2種以上を併用する
場合、合計の含有量は上記の範囲にすることが好まし
い。第2成分は金属元素の状態でも、酸化物の状態であ
ってもよい。
【0017】高抵抗である第1成分中に導電性(低抵
抗)の第2成分を含有させることにより、絶縁性物質中
に導電物質が島状に存在するようになり、電子注入のた
めのホッピングパスが形成されるものと考えられる。
【0018】上記第1成分の酸化物は通常化学量論組成
(stoichiometric composition)であるが、これから多
少偏倚して非化学量論的組成(non-stoichiometry)と
なっていてもよい。また、第2成分も、通常、酸化物と
して存在するが、この酸化物も同様である。
【0019】高抵抗の無機電子注入層には、他に、不純
物として、Hやスパッタガスに用いるNe、Ar、K
r、Xe等を合計5at%以下含有していてもよい。
【0020】なお、無機電子注入層全体の平均値として
このような組成であれば、均一でなくてもよく、膜厚方
向に濃度勾配を有する構造としてもよい。
【0021】高抵抗の無機電子注入層は、通常、非晶質
状態である。
【0022】高抵抗の無機電子注入層の膜厚としては、
好ましくは0.3〜30nm、特に1〜20nm程度が好ま
しい。電子注入層がこれより薄くても厚くても、電子注
入層としての機能を十分に発揮できなくなくなってく
る。
【0023】上記の無機電子注入層の製造方法として
は、スパッタ法、蒸着法などの各種の物理的または化学
的な薄膜形成方法などが考えられるが、スパッタ法が好
ましい。なかでも、上記第1成分と第2成分のターゲッ
トを別個にスパッタする多元スパッタが好ましい。多元
スパッタにすることで、それぞれのターゲットに好適な
スパッタ法を用いることができる。また、1元スパッタ
とする場合には、第1成分と第2成分の混合ターゲット
を用いてもよい。
【0024】高抵抗の無機電子注入層をスパッタ法で形
成する場合、スパッタ時のスパッタガスの圧力は、0.
1〜1Paの範囲が好ましい。スパッタガスは、通常のス
パッタ装置に使用される不活性ガス、例えばAr,N
e,Xe,Kr等が使用できる。また、必要によりN2
を用いてもよい。スパッタ時の雰囲気としては、上記ス
パッタガスに加えO2 を1〜99%程度混合して反応性
スパッタを行ってもよい。
【0025】スパッタ法としてはRF電源を用いた高周
波スパッタ法や、DCスパッタ法等が使用できる。スパ
ッタ装置の電力としては、好ましくはRFスパッタで
0.1〜10W/cm2 の範囲が好ましく、成膜レートは
0.5〜10nm/min 、特に1〜5nm/min の範囲が好
ましい。
【0026】成膜時の基板温度としては、室温(25
℃)〜150℃程度である。
【0027】無機絶縁性ホール注入層は、シリコンおよ
び/またはゲルマニウムの酸化物を主成分とする。
【0028】また、好ましくは、ラザフォード後方散乱
により得られる主成分の平均組成を、(Si1-xGex
yと表したとき 0≦x≦1 1.7≦y≦1.99 である。
【0029】このように、無機絶縁性ホール注入輸送層
の主成分である酸化物を上記組成範囲とすることによ
り、ホール注入電極から発光層側の有機層へ効率よくホ
ールを注入することができる。しかも、有機層からホー
ル注入電極への電子の移動を抑制することができ、発光
層でのホールと電子との再結合を効率よく行わせること
ができる。また、ホール注入輸送を目的としているた
め、逆バイアスをかけると発光しない。特に、時分割駆
動方式など、高い発光輝度が要求されるディスプレイに
効果的に応用でき、耐候性が向上するなど、無機材料の
有するメリットと、有機材料の有するメリットとを併せ
もった有機EL素子とすることができる。
【0030】酸素の含有量を表すyは、上記組成範囲と
なっていればよく、1.7以上であって1.99以下で
ある。yがこれより大きくても、yがこれより小さくて
もホール注入能が低下し、輝度が低下してくる。また、
好ましくは1.85以上であって1.98以下である。
【0031】無機絶縁性ホール注入輸送層は、酸化ケイ
素でも酸化ゲルマニウムでもよく、それらの混合薄膜で
もよい。これらの組成比を表すxは、0≦x≦1であ
る。また、好ましくはxは0.4以下、より好ましくは
0.3以下、特に0.2以下であることが好ましい。
【0032】あるいは、xは好ましくは0.6以上、よ
り好ましくは0.7以上、特に0.8以上であってもよ
い。
【0033】上記酸素の含有量は、ラザフォード後方散
乱により得られた膜中の平均組成であるが、これと同等
な精度を有する測定方法であれば上記測定法に限定され
るものではない。
【0034】無機絶縁性ホール注入輸送層は、好ましく
はさらにCu、Fe、Ni、Ru、SnおよびAuのい
ずれか1種以上を含有する。中でも、Cu、Ni、S
n、特にNiを含有することが好ましい。これらの元素
の含有量は好ましくは10at%以下、より好ましくは
0.05〜10at%、さらには0.1〜10at%、特に
0.5〜5at%である。含有量がこれを超えるとホール
注入機能が低下してくる。2種以上を併用する場合、合
計の含有量が上記範囲内であることが好ましい。
【0035】無機絶縁性ホール注入輸送層には、他に、
不純物として、スパッタガスに用いるNe、Ar、K
r、Xe等を好ましくは合計10at%以下、より好まし
くは0.01〜2wt%、特に0.05〜1.5wt%程度
含有していてもよい。これらの元素は1種でも2種以上
を含有していてもよく、これらを2種以上用いる場合の
混合比は任意である。
【0036】これらの元素はスパッタガスとして使用さ
れ、無機絶縁性ホール注入輸送層成膜時に混入する。こ
れらの元素の含有量が多くなるとトラップ効果が極端に
低下し、所望の性能が得られない。
【0037】スパッタガスの含有量は、成膜時の圧力
と、スパッタガスと酸素の流量比、成膜レート等によ
り、特に成膜時の圧力で決められる。スパッタガスの含
有量を上記範囲とするためには、高真空側で成膜した方
が好ましく、具体的には、1Pa以下、特に0.1〜1Pa
の範囲が好ましい。
【0038】なお、無機絶縁性ホール注入輸送層全体の
平均値としてこのような組成であれば、均一でなくても
よく、膜厚方向に濃度勾配を有する構造としてもよい。
この場合は、有機層(発光層)界面側が酸素プアである
ことが好ましい。
【0039】無機絶縁性ホール注入層は、通常、非晶質
状態である。
【0040】無機絶縁性ホール注入層の膜厚としては、
特に制限はないが、0.05〜10nm、特に1〜5nm程
度が好ましい。無機絶縁性ホール注入輸送層がこれより
薄くても厚くても、ホール注入を十分には行えなくなっ
てくる。上記の高抵抗の無機電子注入輸送層、無機絶縁
性ホール注入輸送層の製造方法としては、スパッタ法、
EB蒸着法などの各種の物理的または化学的な薄膜形成
方法などが可能であるが、スパッタ法が好ましい。
【0041】高抵抗の無機電子注入輸送層、無機絶縁性
ホール注入層をスパッタ法で形成する場合、スパッタ時
のスパッタガスの圧力は、0.1〜1Paの範囲が好まし
い。スパッタガスは、通常のスパッタ装置に使用される
不活性ガス、例えばAr,Ne,Xe,Kr等が使用で
きる。また、必要によりN2 を用いてもよい。スパッタ
時の雰囲気としては、上記スパッタガスに加えO2 を1
〜99%程度混合して反応性スパッタを行ってもよい。
ターゲットとしては上記酸化物を用い、1元または多元
スパッタとすればよい。
【0042】スパッタ法としてはRF電源を用いた高周
波スパッタ法や、DC反応性スパッタ法等が使用できる
が、特にRFスパッタが好ましい。スパッタ装置の電力
としては、好ましくはRFスパッタで0.1〜10W/
cm2 の範囲が好ましく、成膜レートは0.5〜10nm/
min 、特に1〜5nm/min の範囲が好ましい。成膜時の
基板温度としては、室温(25℃)〜150℃程度であ
る。
【0043】また、反応性スパッタを行ってもよく、反
応性ガスとしては、窒素を混入する場合、N2 、N
3 、NO、NO2 、N2 O等が挙げられ、炭素を混入
する場合、CH4 、C22 、CO等が挙げられる。こ
れらの反応性ガスは単独で用いても、2種以上を混合し
て用いてもよい。
【0044】本発明の有機EL素子は、高抵抗の無機電
子注入層と、無機絶縁性ホール注入輸送層を設けること
により、耐熱性、耐候性が向上し、素子の長寿命化を図
れる。また、比較的高価な有機物質ではなく、安価で入
手しやすい無機材料を用いているので、製造が容易とな
り、製造コストを低減することができる。さらには、従
来問題のあった無機材料である電極との接続性も良好に
なる。このため、リーク電流の発生やダークスポットの
発生を抑えることができる。
【0045】本発明の有機EL素子は、例えば図1に示
すように、基板1/ホール注入電極2/無機絶縁性ホー
ル注入輸送層4/発光層5/高抵抗の無機電子注入層6
/陰電極3とが順次積層された構成とするとよい。ま
た、例えば図2に示すように、基板1/陰電極3/高抵
抗の電子注入層6/発光層5/無機絶縁性ホール注入輸
送層4/ホール注入電極2と、通常の積層構成とは逆に
積層された構成とすることもできる。逆積層とすること
により、基板と反対側からの光取り出しが容易になる。
なお、高抵抗の電子注入注入層を積層する際、有機層等
がアッシングされ、ダメージを受ける恐れがあるので、
最初に酸素を加えることなく薄く積層し、さらに酸素を
加えて厚く積層してもよい。この場合、酸素を加えない
ときの膜厚は全体の1/5〜1/2程度とする。図1、
2において、ホール注入電極2と電子注入電極3の間に
は、駆動電源Eが接続されている。なお、上記発光層5
は、広義の発光層を表し、電子輸送層、狭義の発光層、
ホール輸送層等を含む。
【0046】また、上記発明の素子は、電極層/無機物
層および発光層/電極層/無機物層および発光層/電極
層/無機物層および発光層/電極層・・・と多段に重ね
てもよい。このような素子構造により、発光色の色調調
整や多色化を行うことができる。
【0047】電子注入電極(陰電極)は、上記の高抵抗
の無機電子注入層との組み合わせでは、低仕事関数で電
子注入性を有している必要がないため、特に限定される
必要はなく、通常の金属を用いることができる。なかで
も、導電率や扱い易さの点で、Al,Ag,In,T
i,Cu,Au,Mo,W,Pt,PdおよびNi、特
にAl,Agから選択される1種または2種等の金属元
素が好ましい。
【0048】これら陰電極薄膜の厚さは、電子を高抵抗
の無機電子注入輸送層に与えることのできる一定以上の
厚さとすれば良く、50nm以上、好ましくは100nm以
上とすればよい。また、その上限値には特に制限はない
が、通常膜厚は50〜500nm程度とすればよい。
【0049】また、電子注入電極として必要に応じて下
記のものを用いてもよい。例えば、K、Li、Na、M
g、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Sn、Zn、Zr
等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそ
れらを含む2成分、3成分の合金系、例えばAg・Mg
(Ag:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:0.
01〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at
%)、Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が挙
げられる。
【0050】上記電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入
を十分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.1nm以
上、好ましくは0.5nm以上、特に1nm以上とすればよ
い。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚
は1〜500nm程度とすればよい。電子注入電極の上に
は、さらに補助電極(保護電極)を設けてもよい。
【0051】補助電極の厚さは、電子注入効率を確保
し、水分や酸素あるいは有機溶媒の進入を防止するた
め、一定以上の厚さとすればよく、好ましくは50nm以
上、さらには100nm以上、特に100〜500nmの範
囲が好ましい。補助電極層が薄すぎると、その効果が得
られず、また、補助電極層の段差被覆性が低くなってし
まい、端子電極との接続が十分ではなくなる。一方、補
助電極層が厚すぎると、補助電極層の応力が大きくなる
ため、ダークスポットの成長速度が速くなってしまう等
といった弊害が生じてくる。
【0052】補助電極は、組み合わせる電子注入電極の
材質により最適な材質を選択して用いればよい。例え
ば、電子注入効率を確保することを重視するのであれば
Al等の低抵抗の金属を用いればよく、封止性を重視す
る場合には、TiN等の金属化合物を用いてもよい。
【0053】電子注入電極と補助電極とを併せた全体の
厚さとしては、特に制限はないが、通常50〜500nm
程度とすればよい。
【0054】ホール注入電極材料は、無機絶縁性ホール
注入輸送層へホールを効率よく注入することのできるも
のが好ましく、仕事関数4.5eV〜5.5eVの物質が好
ましい。具体的には、錫ドープ酸化インジウム(IT
O)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化イン
ジウム(In23 )、酸化スズ(SnO2 )および酸
化亜鉛(ZnO)のいずれかを主組成としたものが好ま
しい。これらの酸化物はその化学量論組成から多少偏倚
していてもよい。In2 3 に対するSnO2 の混合比
は、1〜20wt%、さらには5〜12wt%が好ましい。
また、IZOでのIn2 3 に対するZnOの混合比
は、通常、12〜32wt%程度である。
【0055】ホール注入電極は、仕事関数を調整するた
め、酸化シリコン(SiO2 )を含有していてもよい。
酸化シリコン(SiO2 )の含有量は、ITOに対する
SiO2 の mol比で0.5〜10%程度が好ましい。S
iO2 を含有することにより、ITOの仕事関数が増大
する。
【0056】光を取り出す側の電極は、発光波長帯域、
通常400〜700nm、特に各発光光に対する光透過率
が50%以上、より好ましくは60%以上、特に80%
以上、さらには90%以上であることが好ましい。透過
率が低くなると、発光層からの発光自体が減衰され、発
光素子として必要な輝度を得難くなってくる。なお、コ
ントラスト比を向上させたりして視認性を向上させる目
的等のため、比較的低い透過率とする場合もある。
【0057】電極の厚さは、50〜500nm、特に50
〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制
限はないが、あまり厚いと透過率の低下や剥離などの心
配が生じる。厚さが薄すぎると、十分な効果が得られ
ず、製造時の膜強度等の点でも問題がある。
【0058】発光層は、少なくとも発光機能に関与する
1種類、または2種類以上の有機化合物薄膜の積層膜か
らなる。
【0059】発光層は、ホール(正孔)および電子の注
入機能、それらの輸送機能、ホールと電子の再結合によ
り励起子を生成させる機能を有する。発光層には、比較
的電子的にニュートラルな化合物を用いることで、電子
とホールを容易かつバランスよく注入・輸送することが
できる。
【0060】発光層の厚さは、特に制限されるものでは
なく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm
程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0061】有機EL素子の発光層には、発光機能を有
する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような
蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−26469
2号公報に開示されているような化合物、例えばキナク
リドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択
される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールま
たはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノ
リン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセ
ン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体
等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公
報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアン
トラセン誘導体、特開平8−12969号公報(特願平
6−114456号)に記載のテトラアリールエテン誘
導体等を用いることができる。
【0062】また、それ自体で発光が可能なホスト物質
と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントと
しての使用が好ましい。このような場合の発光層におけ
る化合物の含有量は0.01〜10wt% 、さらには0.
1〜5wt% であることが好ましい。ホスト物質と組み合
わせて使用することによって、ホスト物質の発光波長特
性を変化させることができ、長波長に移行した発光が可
能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上す
る。
【0063】ホスト物質としては、キノリノラト錯体が
好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体
を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このよう
なアルミニウム錯体としては、特開昭63−26469
2号、特開平3−255190号、特開平5−7073
3号、特開平5−258859号、特開平6−2158
74号等に開示されているものを挙げることができる。
【0064】具体的には、まず、トリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネ
シウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜
鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、
トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−
8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−
キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キ
ノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−
8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜
鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メ
タン]等がある。
【0065】また、8−キノリノールまたはその誘導体
のほかに他の配位子を有するアルミニウム錯体であって
もよく、このようなものとしては、ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム(III)
、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(オルト−
クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)(メタークレゾラト)アルミニウム
(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ
−クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル
−8−キノリノラト)(オルト−フェニルフェノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノ
ラト)(メタ−フェニルフェノラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ−
フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)(2,3−ジメチルフェノ
ラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キ
ノリノラト)(2,6−ジメチルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(3,4−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,5−ジメ
チルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチ
ル−8−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(2,6−ジフェニルフェノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラ
ト)(2,4,6−トリフェニルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(2,3,6−トリメチルフェノラト)アルミニウム(I
II) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,
3,5,6−テトラメチルフェノラト)アルミニウム(I
II) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(1−ナ
フトラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)
(オルト−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(パラ−
フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,
4−ジメチル−8−キノリノラト)(メタ−フェニルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチ
ル−8−キノリノラト)(3,5−ジメチルフェノラ
ト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8
−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラ
ト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4−エチ
ル−8−キノリノラト)(パラ−クレゾラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キ
ノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウ
ム(III) 、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリ
ノラト)(オルト−クレゾラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2−メチル−6−トリフルオロメチル−8−キノ
リノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(III) 等が
ある。
【0066】このほか、ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス
(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)アルミニウム
(III) −μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キ
ノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(4−エチル−
2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −
μ−オキソ−ビス(4−エチル−2−メチル−8−キノ
リノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4
−メトキシキノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オ
キソ−ビス(2−メチル−4−メトキシキノリノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(5−シアノ−2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−
ビス(5−シアノ−2−メチル−8−キノリノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−5−トリフルオ
ロメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ
−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル
−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 等であっても
よい。
【0067】このほかのホスト物質としては、特開平8
−12600号公報(特願平6−110569号)に記
載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−1296
9号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラ
アリールエテン誘導体なども好ましい。
【0068】発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであ
ってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これら
の蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0069】また、発光層は、必要に応じて、少なくと
も1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電
子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、
さらにはこの混合層中にドーパントを含有させることが
好ましい。このような混合層における化合物の含有量
は、0.01〜20wt% 、さらには0.1〜15wt% と
することが好ましい。
【0070】混合層では、キャリアのホッピング伝導パ
スができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を
移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるた
め、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命
がのびるという利点がある。また、前述のドーパントを
このような混合層に含有させることにより、混合層自体
のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長
を長波長に移行させることができるとともに、発光強度
を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0071】混合層に用いられるホール注入輸送性の化
合物および電子注入輸送性の化合物は、各々、後述のホ
ール注入輸送性の化合物および電子注入輸送性の化合物
の中から選択すればよい。なかでも、ホール注入輸送性
の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例
えばホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導
体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持
つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0072】電子注入輸送性の化合物としては、キノリ
ン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体
を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好まし
い。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラ
アリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0073】ホール注入輸送性の化合物としては、強い
蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール注入輸
送性材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらには
スチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導
体を用いるのが好ましい。
【0074】この場合の混合比は、それぞれのキャリア
移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注
入輸送性の化合物/電子注入輸送性の化合物の重量比
が、1/99〜99/1、さらに好ましくは10/90
〜90/10、特に好ましくは20/80〜80/20
程度となるようにすることが好ましい。
【0075】また、混合層の厚さは、分子層一層に相当
する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが
好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好まし
く、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすること
が好ましい。
【0076】また、混合層の形成方法としては、異なる
蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸
発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同
じ蒸着ボード内で混合させておき、蒸着することもでき
る。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ま
しいが、場合によっては、化合物が島状に存在するもの
であってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質
を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させ
てコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに
形成する。
【0077】必要により、有機のホール輸送層、有機の
電子輸送層を設けてもよい。有機の電子/ホール輸送層
は、電子/ホール注入層からの電子/ホールの注入を容
易にする機能、電子/ホールを安定に輸送する機能およ
びホール/電子を妨げる機能を有するものである。この
層は、発光層に注入されるホールや電子を増大・閉じこ
めさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を改善す
る。
【0078】有機の電子/ホール輸送層の厚さは、特に
制限されるものではなく、形成方法によっても異なる
が、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmとする
ことが好ましい。
【0079】有機の電子/ホール輸送層の厚さは、再結
合・発光領域の設計によるが、発光層の厚さと同程度ま
たは1/10〜10倍程度とすればよい。
【0080】電子輸送層には、トリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノールま
たはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノ
リン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導
体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン
誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレ
ン誘導体等を用いることができる。電子輸送層の形成
は、発光層と同様に、蒸着等によればよい。
【0081】有機の電子/ホール輸送層、発光層の形成
には、均質な薄膜が形成できることから、真空蒸着法を
用いることが好ましい。真空蒸着法を用いた場合、アモ
ルファス状態または結晶粒径が0.2μm 以下の均質な
薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を超えている
と、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を高くしなけ
ればならなくなり、ホールの注入効率も著しく低下す
る。
【0082】真空蒸着の条件は特に限定されないが、1
-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/
sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続し
て各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形
成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げる
ため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低く
したり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりする
ことができる。
【0083】これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場
合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化
合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着する
ことが好ましい。
【0084】さらに、素子の有機層や電極の酸化を防ぐ
ために、素子を封止板等により封止することが好まし
い。封止板は、湿気の侵入を防ぐために、接着性樹脂層
を用いて、基板に接着し、密封する。封止ガスは、A
r、He、N2 等の不活性ガス等が好ましい。また、こ
の封止ガスの水分含有量は、100ppm 以下、より好ま
しくは10ppm 以下、特に1ppm 以下であることが好ま
しい。この水分含有量に下限値は特にないが、通常0.
1ppm 程度である。
【0085】封止板の材料としては、好ましくは平板状
であって、ガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明材
料が挙げられるが、特にガラスが好ましい。このような
ガラス材として、コストの面からアルカリガラスが好ま
しいが、この他、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカ
ガラス等のガラス組成のものも好ましい。特に、ソーダ
ガラスで、表面処理の無いガラス材が安価に使用でき、
好ましい。封止板としては、ガラス板以外にも、金属
板、プラスチック板等を用いることもできる。
【0086】封止板は、スペーサーを用いて高さを調整
し、所望の高さに保持してもよい。スペーサーの材料と
しては、樹脂ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ、ガ
ラスファイバー等が挙げられ、特にガラスビーズ等が好
ましい。スペーサーは、通常、粒径の揃った粒状物であ
るが、その形状は特に限定されるものではなく、スペー
サーとしての機能に支障のないものであれば種々の形状
であってもよい。その大きさとしては、円換算の直径が
1〜20μm 、より好ましくは1〜10μm 、特に2〜
8μm が好ましい。このような直径のものは、粒長10
0μm 以下程度であることが好ましく、その下限は特に
規制されるものではないが、通常直径と同程度以上であ
る。
【0087】なお、封止板に凹部を形成した場合には、
スペーサーは使用しても、使用しなくてもよい。使用す
る場合の好ましい大きさとしては、前記範囲でよいが、
特に2〜8μm の範囲が好ましい。
【0088】スペーサーは、予め封止用接着剤中に混入
されていても、接着時に混入してもよい。封止用接着剤
中におけるスペーサーの含有量は、好ましくは0.01
〜30wt%、より好ましくは0.1〜5wt%である。
【0089】接着剤としては、安定した接着強度が保
て、気密性が良好なものであれば特に限定されるもので
はないが、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ
樹脂接着剤を用いることが好ましい。
【0090】本発明において、有機EL構造体を形成す
る基板としては、例えばガラス、石英等の非晶質基板、
例えばSi、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、I
nP等の結晶基板が挙げられ、また、これらの結晶基板
に結晶質、非晶質あるいは金属のバッファ層を形成した
基板も用いることができる。また、金属基板としては、
Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd等を用いることが
でき、好ましくはガラス基板が用いられる。基板は、通
常光取り出し側となるため、上記電極と同様な光透過性
を有することが好ましい。
【0091】さらに、本発明素子を、平面上に多数並べ
てもよい。平面上に並べられたそれぞれの素子の発光色
を変えて、カラーのディスプレーにすることができる。
【0092】基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む
色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコン
トロールしてもよい。
【0093】色フィルター膜には、液晶ディスプレイ等
で用いられているカラーフィルターを用いれば良いが、
有機EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルター
の特性を調整し、取り出し効率・色純度を最適化すれば
よい。
【0094】また、EL素子材料や蛍光変換層が光吸収
するような短波長の外光をカットできるカラーフィルタ
ーを用いれば、素子の耐光性・表示のコントラストも向
上する。
【0095】また、誘電体多層膜のような光学薄膜を用
いてカラーフィルターの代わりにしても良い。
【0096】蛍光変換フィルター膜は、EL発光の光を
吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させること
で、発光色の色変換を行うものであるが、組成として
は、バインダー、蛍光材料、光吸収材料の三つから形成
される。
【0097】蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高
いものを用いれば良く、EL発光波長域に吸収が強いこ
とが望ましい。実際には、レーザー色素などが適してお
り、ローダミン系化合物・ペリレン系化合物・シアニン
系化合物・フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニ
ン等も含む)ナフタロイミド系化合物・縮合環炭化水素
系化合物・縮合複素環系化合物・スチリル系化合物・ク
マリン系化合物等を用いればよい。
【0098】バインダーは、基本的に蛍光を消光しない
ような材料を選べば良く、フォトリソグラフィー・印刷
等で微細なパターニングが出来るようなものが好まし
い。また、基板上にホール注入電極と接する状態で形成
される場合、ホール注入電極(ITO、IZO)の成膜
時にダメージを受けないような材料が好ましい。
【0099】光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りな
い場合に用いるが、必要のない場合は用いなくても良
い。また、光吸収材料は、蛍光性材料の蛍光を消光しな
いような材料を選べば良い。
【0100】本発明の有機EL素子は、通常、直流駆動
型、パルス駆動型のEL素子として用いられる。印加電
圧は、通常、2〜30V 程度とされる。
【0101】本発明の有機EL素子は、ディスプレイと
しての応用の他、例えばメモり読み出し/書き込み等に
利用される光ピックアップ、光通信の伝送路中における
中継装置、フォトカプラ等、種々の光応用デバイスに用
いることができる。
【0102】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。 <実施例1>ガラス基板としてコーニング社製商品名7
059基板を中性洗剤を用いてスクラブ洗浄した。
【0103】この基板上にITO酸化物ターゲットを用
いRFマグネトロンスパッタリング法により、基板温度
250℃で、膜厚200nmのITOホール注入電極層を
形成した。
【0104】ITO電極層等が形成された基板の表面を
UV/O3 洗浄した後、スパッタ装置の基板ホルダーに
固定して、槽内を1×10-4Pa以下まで減圧した。
【0105】ターゲットにSiO2 を用い、無機絶縁性
ホール注入層を2nmの膜厚に成膜した。このときのスパ
ッタガスはArに対しO2 を5%混入して用いた、基板
温度25℃、成膜レート1nm/min 、動作圧力0.5P
a、投入電力5W/cm2 とした。成膜したホール注入層
の組成は、SiO1.9 であった。
【0106】さらに、減圧を保ったまま、N,N,
N’,N’−テトラキス(m−ビフェニル)−1,1’
−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)と、トリ
ス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)と、
ルブレンとを、全体の蒸着速度0.2nm/secとして10
0nmの厚さに蒸着し、発光層とした。TPD:Alq3
=1:1(体積比)、この混合物に対してルブレンを1
0vol%ドープした。
【0107】次いで、基板をスパッタ装置に移し、Li
2OにVを4 mol%混合したターゲットを用い、高抵抗
の無機電子注入層を10nmの膜厚に成膜した。このとき
のスパッタガスはAr:30sccm、O2:5sccmで、室
温(25℃)下、成膜レート1nm/min 、動作圧力:
0.2〜2Pa、投入電力:500Wとした。成膜した無
機電子注入層の組成は、ターゲットとほぼ同様であっ
た。
【0108】次いで、減圧を保ったまま、Alを100
nmの厚さに蒸着し、陰電極とし、最後にガラス封止して
有機EL素子を得た。
【0109】得られた有機EL素子を空気中で、10mA
/cm2 の定電流密度で駆動したところ、初期輝度は79
0cd/m2 、駆動電圧7.4V であった。
【0110】また、4端子法により高抵抗の無機電子注
入層のシート抵抗を測定したところ、膜厚100nmでの
シート抵抗は10 kΩ/cm2 であり、抵抗率に換算する
と1×109 Ω・cmであった。
【0111】<実施例2>実施例1において、高抵抗の
無機電子注入層の組成を、Li2OからNa,K,R
b,CsおよびFrのアルカリ金属元素、またはBe,
Mg,Ca,Sr,BaおよびRaのアルカリ土類金属
元素、またはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,E
u,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび
Luのランタノイド系元素から選択される1種以上の元
素の酸化物に代えても同様の結果が得られた。
【0112】また、VからRu,Zn,SmおよびIn
から選択される1種以上の元素に代えても同様であっ
た。
【0113】<実施例3>実施例1において、無機絶縁
性ホール注入層を成膜する際に、ターゲットの組成をS
iO2 とし、スパッタガスのO2 流量を変えてArに対
する混合比を5%とし、その組成をSiO1.9 とした他
は実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、寿命特
性を評価したところほぼ同様の結果が得られた。
【0114】また、ターゲットの組成をSiO2 とし、
スパッタガスのO2 流量を変えてArに対する混合比を
30%とし、その組成をSiO1.95としたもの、ターゲ
ットの組成をGeO2 とし、スパッタガスのO2 流量を
変えてArに対する混合比を30%とし、その組成をG
eO1.96としたもの、ターゲットの組成をSi0.5Ge
0.52 とし、スパッタガスのO2 流量を変えてArに
対する混合比を10%とし、その組成をSi0.5Ge0.5
1.92としたものもそれぞれ同様にして有機EL素子を
作製し、評価したところほぼ同様の結果が得られた。
【0115】<比較例1>実施例1において、高抵抗の
無機電子注入層を成膜する際、原料として酸化ストロン
チウム(SrO)、酸化リチウム(Li2O)、酸化シ
リコン(SiO2)を、全成分に対しそれぞれ、 SrO:80 mol% Li2O:10 mol% SiO2 :10 mol% となるように混合したターゲットを用い、無機電子注入
輸送層を0.5nmの膜厚に成膜した。このときの成膜条
件として、基板温度25℃、スパッタガスAr、成膜レ
ート1nm/min 、動作圧力0.5Pa、投入電力5W/cm
2 、Ar/O2 :1/1として100SCCM供給しながら
無機電子注入輸送層を成膜した。
【0116】その他は実施例1と同様にして有機EL素
子を得た。得られた有機EL素子を空気中で、10mA/
cm2 の定電流密度で駆動したところ、初期輝度は480
cd/m2 、駆動電圧9.8V であった。
【0117】さらに、上記無機電子注入層の膜厚を10
nmとしたところ、10mA/cm2 の定電流密度で、初期輝
度は1cd/m2 、駆動電圧19V となってしまった。
【0118】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子/ホ
ール注入効率に優れ、発光効率が改善され、動作電圧が
低く、しかも低コストな有機EL素子を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の第1の基本構成を示す
概略断面図である。
【図2】本発明の有機EL素子の第2の基本構成を示す
概略断面図である。
【図3】従来の有機EL素子の構成例を示した概略断面
図である。
【図4】従来の有機EL素子の他の構成例を示した概略
断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ホール注入電極 4 無機絶縁性ホール注入層 5 発光層 6 高抵抗の無機電子注入層 3 電子注入電極(陰電極) 11 基板 12 ホール注入電極 13 電子注入電極 14 ホール輸送層 15 発光層 16 電子輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三橋 悦央 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB06 AB18 CA01 CB01 DA01 DB03 EA02 EC00 EC03 FA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホール注入電極と、陰電極と、これらの
    電極間に設けられた1種以上の有機層とを有し、 少なくとも前記有機層の1層は発光機能を有し、 この発光層と陰電極の間には、高抵抗の無機電子注入層
    を有し、 この高抵抗の無機電子注入層は、第1成分として仕事関
    数4eV以下であって、 アルカリ金属元素、およびアルカリ土類金属元素、およ
    びランタノイド系元素から選択される1種以上の酸化物
    と、 第2成分として仕事関数3〜5eVの金属の1種以上とを
    含有し、 かつ、ホールをブロックするとともに電子を搬送するた
    めの導通パスを有し、 前記発光層とホール注入電極との間には無機絶縁性ホー
    ル注入輸送層を有し、 この無機絶縁性ホール注入輸送層は、シリコンおよび/
    またはゲルマニウムの酸化物を主成分とし、 ラザフォード後方散乱により得られる主成分の平均組成
    を、 (Si1-xGex)Oyと表したとき 0≦x≦1 1.7≦y≦1.99 である有機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記第2成分は、Zn,Sn,V,R
    u,SmおよびInから選択される1種以上である有機
    EL素子。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ金属元素は、Li,Na,
    K,Rb,CsおよびFrの1種以上であり、アルカリ
    土類金属元素は、Mg,CaおよびSrの1種以上であ
    り、ランタノイド系元素はLaおよびCeから選択され
    る1種以上を有する請求項1または2の有機EL素子。
  4. 【請求項4】 前記高抵抗のホール注入層は、その抵抗
    率が1〜1×1011Ω・cmである請求項1〜3のいずれ
    かの有機EL素子。
  5. 【請求項5】 前記高抵抗の無機電子注入層は、第2成
    分を全成分に対して、0.2〜40 mol%含有する請求
    項1〜4のいずれかの有機EL素子。
  6. 【請求項6】 前記高抵抗の無機電子注入層の膜厚は、
    0.3〜30nmである請求項1〜5のいずれかの有機E
    L素子。
  7. 【請求項7】 前記無機絶縁性ホール注入輸送層は、さ
    らに安定剤として酸化シリコン、および/または酸化ゲ
    ルマニウムを含有する請求項1〜6のいずれかの有機E
    L素子。
  8. 【請求項8】 前記無機絶縁性ホール注入輸送層の膜厚
    が0.1〜5nmである請求項1〜7のいずれかの有機E
    L素子。
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