JP2000252074A - 有機el素子 - Google Patents

有機el素子

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JP2000252074A
JP2000252074A JP11024022A JP2402299A JP2000252074A JP 2000252074 A JP2000252074 A JP 2000252074A JP 11024022 A JP11024022 A JP 11024022A JP 2402299 A JP2402299 A JP 2402299A JP 2000252074 A JP2000252074 A JP 2000252074A
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layer
organic
inorganic insulating
oxide
injecting
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Withdrawn
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JP11024022A
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Michio Arai
三千男 荒井
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Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/11OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/17Carrier injection layers
    • HELECTRICITY
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    • H10K50/00Organic light-emitting devices
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    • H10K50/17Carrier injection layers
    • H10K50/171Electron injection layers

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】従来の有機物質を用いた素子と同等かそれ以上
の性能を有し、長寿命、耐候性、安定性等を持ち、高効
率で、安価な有機EL素子を実現する。 【解決手段】基板1と、この基板上に形成されたホール
注入電極2と陰電極3と、少なくともこれらの電極間に
ある有機物質を含有する発光層とを有し、この発光層と
陰電極との間には無機電子注入輸送層を、発光層とホー
ル注入電極との間には無機絶縁性ホール注入輸送層4を
有し、無機絶縁性電子注入輸送層6は、主成分として酸
化ルビジウム及び外いくつかの酸化物から選択される1
種以上の酸化物を含有し、無機絶縁性ホール注入輸送層
は、シリコン及び/又はゲルマニウムの酸化物を主成分
とし、主成分の平均組成を、(Si1-xGeX)Oyとし
たとき、0≦x≦1、1.7≦y≦1.99であり、発
光層は、ホスト物質により形成された層にはドーパント
を含有する層を有する有機EL素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL(電界発
光)素子に関し、詳しくは、有機化合物の薄膜に電界を
印加して光を放出する素子に用いられる無機/有機接合
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に有機EL素子は、ガラス基板上に
ITOなどの透明電極を形成し、その上に有機アミン系
のホール輸送層、電子導電性を示しかつ強い発光を示す
たとえばAlq3 材からなる有機発光層を積層し、さら
に、MgAgなどの仕事関数の小さい電極を形成した構
造の基本素子としている。
【0003】これまでに報告されている素子構造として
は、ホール注入電極及び電子注入電極の間に1層または
複数層の有機化合物層が挟まれた構造となっており、有
機化合物層としては、2層構造あるいは3層構造があ
る。
【0004】2層構造の例としては、ホール注入電極と
電子注入電極の間にホール輸送層と発光層が形成された
構造または、ホール注入電極と電子注入電極の間に発光
層と電子輸送層が形成された構造がある。3層構造の例
としては、ホール注入電極と電子注入電極の間にホール
輸送層と発光層と電子輸送層とが形成された構造があ
る。また、単一層に全ての役割を持たせた単層構造も高
分子や混合系で報告されている。
【0005】図3および図4に、有機EL素子の代表的
な構造を示す。図3では基板11上に設けられたホール
注入電極12と電子注入電極13の間に有機化合物であ
るホール輸送層14と発光層15が形成されている。こ
の場合、発光層15は、電子輸送層の機能も果たしてい
る。図4では、基板11上に設けられたホール注入電極
12と電子注入電極13の間に有機化合物であるホール
輸送層14と発光層15と電子輸送層16が形成されて
いる。
【0006】これら有機EL素子においては、共通し
て、信頼性が問題となっている。すなわち、有機EL素
子は、原理的にホール注入電極と、電子注入電極とを有
し、これら電極間から効率よくホール・電子を注入輸送
するための有機層を必要とする。しかしながら、これら
の材料は、製造時にダメージを受けやすく、電極との親
和性にも問題がある。また、電子注入用の電子注入電極
に仕事関数の低い金属を用いる必要がある。そのため、
材料としてMgAg、AlLiなどを用いらざるを得な
い。しかし、これらの材料は酸化し易く、安定性に欠
け、有機EL素子の寿命を律したり、信頼性の問題を招
く大きな要因となっている。さらに、有機薄膜の劣化も
LED(発光ダイオード)、LD(レーザーダイオー
ド)に較べると著しく大きいという問題を有している。
【0007】また、有機材料は比較的高価なものが多
く、低コストの有機EL素子応用製品を提供するため
に、その一部の構成膜を安価な無機材料で置き換えるこ
とのメリットは大きい。
【0008】このような問題を解決するために、有機材
料と無機半導体材料のそれぞれのメリットを利用する方
法が考えられている。すなわち、有機ホール輸送層を無
機p型半導体に置き換えた有機/無機半導体接合であ
る。このような検討は、特許第2636341号、特開
平2−139893号公報、特開平2−207488号
公報、特開平6−119973号公報で検討されている
が、発光特性や基本素子の信頼性で素子従来の有機EL
を越える特性を得ることが不可能であった。
【0009】本発明者らは、このような点に鑑み、特願
平10−303350号、特願平10−350762号
において、それぞれ酸化物を用いた無機絶縁性電子注入
輸送層、無機絶縁性ホール注入輸送層を提案し、これら
を用いることにより良好な特性と、長寿命を備えた素子
を実現するに至った。
【0010】しかし、上記無機絶縁性電子注入輸送層、
無機絶縁性ホール注入輸送層を用いても、これら無機物
層と有機層(発光層)との界面で、有機層の劣化現象が
生じ、素子寿命を長期間維持することが困難な場合があ
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
−無機界面の劣化現象に強く、従来の有機物質を用いた
ホール注入輸送層や、電子注入輸送層を有する素子と同
等かそれ以上の性能を有し、長寿命で、耐候性を備え、
安定性が高く、高効率で、しかも安価な有機EL素子を
実現することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の構成に
より達成される。 (1) 基板と、この基板上に形成されたホール注入電
極と陰電極と、少なくともこれらの電極間に設けられた
有機物質を含有する発光層とを有し、この発光層と陰電
極との間には、無機電子注入輸送層を有し、前記発光層
とホール注入電極との間には無機絶縁性ホール注入輸送
層を有し、前記無機絶縁性電子注入輸送層は、主成分と
して酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化カル
シウム、酸化リチウム、酸化ルビジウム、酸化カリウ
ム、酸化ナトリウム、および酸化セシウムから選択され
る1種または2種以上の酸化物を含有し、前記無機絶縁
性ホール注入輸送層は、シリコンおよび/またはゲルマ
ニウムの酸化物を主成分とし、主成分の平均組成を、
(Si1-xGex)Oyと表したとき 0≦x≦1 1.7≦y≦1.99 であり、前記発光層は、前記無機絶縁性電子注入輸送層
および/または無機絶縁性ホール注入輸送層と接する側
に、ホスト物質により形成された層を有し、このホスト
物質により形成された層の少なくとも一部にはドーパン
トを含有する層を有する有機EL素子。 (2) 前記発光層の膜厚は、ホスト物質により形成さ
れた層が5〜50nmであって、ドーパンを含有する層が
5〜100nmである上記(1)の有機EL素子。 (3) 前記無機絶縁性ホール注入輸送層は、さらに安
定剤として酸化シリコン、および/または酸化ゲルマニ
ウムを含有する上記(1)または(2)の有機EL素
子。 (4) 前記陰電極は、Al,Ag,In,Ti,C
u,Au,Mo,W,Pt,PdおよびNiから選択さ
れる1種または2種以上の金属元素により形成されてい
る上記(1)〜(3)のいずれかの有機EL素子。 (5) 前記無機絶縁性ホール注入層はCu、Fe、N
i、Ru、SnおよびAuのいずれか1種以上を10at
%以下含有する上記(1)〜(4)のいずれかの有機E
L素子。 (6) 前記無機絶縁性電子注入輸送層は、各構成成分
が全成分に対して、 主成分:80〜99 mol%、 安定剤: 1〜20 mol% 含有する上記(2)〜(5)のいずれかの有機EL素
子。 (7) 前記無機絶縁性電子注入輸送層の膜厚は、0.
1〜2nmである上記(1)〜(6)のいずれかの有機E
L素子。 (8) 前記無機絶縁性ホール注入輸送層の膜厚が0.
1〜5nmである上記(1)〜(7)のいずれかの有機E
L素子。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の有機EL素子は、基板
と、この基板上に形成されたホール注入電極と陰電極
と、少なくともこれらの電極間に設けられた有機物質を
含有する発光層とを有し、この発光層と陰電極との間に
は、無機絶縁性電子注入輸送層を有し、前記発光層とホ
ール注入電極との間には無機絶縁性ホール注入輸送層を
有し、前記無機絶縁性電子注入輸送層は、主成分として
酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、酸化リチウム、酸化ルビジウム、酸化カリウム、酸
化ナトリウム、および酸化セシウムから選択される1種
または2種以上の酸化物を含有し、前記無機絶縁性ホー
ル注入輸送層は、シリコンおよび/またはゲルマニウム
の酸化物を主成分とし、主成分の平均組成を、(Si
1-xGex)Oyと表したとき 0≦x≦1 1.7≦y≦1.99 であり、前記発光層は、前記無機絶縁性電子注入輸送層
および/または無機絶縁性ホール注入輸送層と接する側
に、ホスト物質により形成された層を有し、この物質に
より形成されている層の少なくとも一部にはドーパント
を含有する層を有するものである。
【0014】このように、有機発光層の無機絶縁性電子
注入輸送層および/または無機絶縁性ホール注入輸送層
と接する部分に、ホスト物質により形成された層を有
し、このホスト物質により形成されている層のいずれか
の位置に前記ホスト物質とドーパントとを含有する層を
有することにより、発光の中心となるドーパントを有す
る層の駆動時における電気的ダメージを少なくすること
ができ、素子の長寿命化を図ることができる。
【0015】また、発光層を2層または3層構造とし、
その一方または中間の層に発光中心となるドーパントを
有する層を形成することにより、発光中心の位置を光学
的に最適な位置に調整することができる。発光中心とな
るドーパントを含有する層は、無機絶縁性電子注入輸送
層側または無機絶縁性ホール注入輸送層側のいずれかの
側に配置するか、ホスト物質を含有する層に挟まれるよ
うにその中間の任意の位置に形成、配置される。ドーパ
ントを含有する層を、無機絶縁性電子注入輸送層側また
は無機絶縁性ホール注入輸送層側のいずれか一方の側に
配置する場合、リーク電流の発生が少なくなる方に配置
するとよい。この場合、通常、ホスト物質を含有する層
が、界面での、有機層の劣化やダメージなどが生じやす
い側に形成される。ホスト物質を含有する層は、通常、
ホスト物質のみを含有する。
【0016】また、無機材料からなる無機絶縁性電子注
入輸送層、無機絶縁性ホール注入輸送層を設け、これら
の間に発光層を配置することで、無機材料の有するメリ
ットと、有機材料の有するメリットとを併せもった有機
EL素子とすることができる。すなわち、発光層と電子
注入層、ホール注入輸送層との界面での物性が安定し、
製造が容易になる。また、従来の有機ホール注入層、有
機電子注入層を有する素子と同等かそれ以上の輝度が得
られ、しかも、耐熱性、耐候性が高いので従来のものよ
りも寿命が長く、リークやダークスポットの発生も少な
い。また、比較的高価な有機物質ではなく、安価で入手
しやすい無機材料を用いているので、製造が容易とな
り、製造コストを低減することができる。
【0017】発光層は、各無機物層と接する部分に形成
され、少なくとも発光機能に関与する1種類、または2
種類以上の有機化合物であるホスト物質により形成さ
れ、発光材料としてこのホスト物質のみを有する層と、
前記ホスト物質に加え、ドーパントを含有する層との2
層または3層構造である。
【0018】発光層は、ホール(正孔)および電子の注
入機能、それらの輸送機能、ホールと電子の再結合によ
り励起子を生成させる機能を有する。発光層には、比較
的電子的にニュートラルな化合物を用いることで、電子
とホールを容易かつバランスよく注入・輸送することが
できる。
【0019】発光層のホスト物質により形成される層の
膜厚は、形成方法によっても異なるが、好ましくは5〜
50nm程度、特に10〜20nmである。これらの層に挟
まれたドーパントを含有する層の膜厚は、好ましくは5
〜100nm程度、特に20〜80nmである。発光層全体
の膜厚としては、好ましくは10〜200nm程度であ
る。
【0020】ドーパントを含有する層は、発光物質の蛍
光波長、つまり発光波長により、無機絶縁性電子注入輸
送層側か、無機絶縁性ホール注入輸送層側のいずれかに
近い位置に形成してもよい。すなわち、ドーパントを有
する層の基板に対する垂直位置を、発光波長により、光
取りだしのために最適な位置となるよう、発光層中で調
整することができる。この場合、ホスト物質により形成
される層の膜厚は、上記範囲内であればよい。
【0021】有機EL素子の発光層には、発光機能を有
する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような
蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−26469
2号公報に開示されているような化合物、例えばキナク
リドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択
される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールま
たはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノ
リン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセ
ン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体
等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公
報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアン
トラセン誘導体、特開平8−12969号公報(特願平
6−114456号)に記載のテトラアリールエテン誘
導体等を用いることができる。
【0022】それ自体で発光が可能なホスト物質と組み
合わせて使用することが好ましく、ドーパントとしての
使用が好ましい。このような場合の発光層における化合
物の含有量は0.01〜10wt% 、さらには0.1〜5
wt% であることが好ましい。ホスト物質と組み合わせて
使用することによって、ホスト物質の発光波長特性を変
化させることができ、長波長に移行した発光が可能にな
るとともに、素子の発光効率や安定性が向上する。
【0023】ホスト物質としては、キノリノラト錯体が
好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体
を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このよう
なアルミニウム錯体としては、特開昭63−26469
2号、特開平3−255190号、特開平5−7073
3号、特開平5−258859号、特開平6−2158
74号等に開示されているものを挙げることができる。
【0024】具体的には、まず、トリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネ
シウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜
鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、
トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−
8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−
キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キ
ノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−
8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜
鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メ
タン]等がある。
【0025】また、8−キノリノールまたはその誘導体
のほかに他の配位子を有するアルミニウム錯体であって
もよく、このようなものとしては、ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム(III)
、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(オルト−
クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−
8−キノリノラト)(メタークレゾラト)アルミニウム
(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ
−クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル
−8−キノリノラト)(オルト−フェニルフェノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノ
ラト)(メタ−フェニルフェノラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ−
フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)(2,3−ジメチルフェノ
ラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キ
ノリノラト)(2,6−ジメチルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(3,4−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,5−ジメ
チルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチ
ル−8−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(2,6−ジフェニルフェノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラ
ト)(2,4,6−トリフェニルフェノラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)
(2,3,6−トリメチルフェノラト)アルミニウム(I
II) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,
3,5,6−テトラメチルフェノラト)アルミニウム(I
II) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(1−ナ
フトラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8
−キノリノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(II
I) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)
(オルト−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(パラ−
フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,
4−ジメチル−8−キノリノラト)(メタ−フェニルフ
ェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチ
ル−8−キノリノラト)(3,5−ジメチルフェノラ
ト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8
−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラ
ト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4−エチ
ル−8−キノリノラト)(パラ−クレゾラト)アルミニ
ウム(III) 、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キ
ノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウ
ム(III) 、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリ
ノラト)(オルト−クレゾラト)アルミニウム(III) 、
ビス(2−メチル−6−トリフルオロメチル−8−キノ
リノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(III) 等が
ある。
【0026】このほか、ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(2−
メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス
(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)アルミニウム
(III) −μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キ
ノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(4−エチル−
2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −
μ−オキソ−ビス(4−エチル−2−メチル−8−キノ
リノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4
−メトキシキノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オ
キソ−ビス(2−メチル−4−メトキシキノリノラト)
アルミニウム(III) 、ビス(5−シアノ−2−メチル−
8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−
ビス(5−シアノ−2−メチル−8−キノリノラト)ア
ルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−5−トリフルオ
ロメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ
−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル
−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 等であっても
よい。
【0027】このほかのホスト物質としては、特開平8
−12600号公報(特願平6−110569号)に記
載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−1296
9号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラ
アリールエテン誘導体なども好ましい。
【0028】発光層は電子輸送層を兼ねたものであって
もよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)
アルミニウム等を使用することが好ましい。これらの蛍
光性物質を蒸着すればよい。
【0029】また、発光層は、必要に応じて、少なくと
も1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電
子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、
さらにはこの混合層中にドーパントを含有させ、ドーパ
ントを含有する層とすることが好ましい。このような混
合層における化合物の含有量は、0.01〜20wt%、
さらには0.1〜15wt% とすることが好ましい。
【0030】混合層では、キャリアのホッピング伝導パ
スができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を
移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるた
め、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命
がのびるという利点がある。また、前述のドーパントを
このような混合層に含有させることにより、混合層自体
のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長
を長波長に移行させることができるとともに、発光強度
を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0031】混合層に用いられるホール注入輸送性化合
物および電子注入輸送性化合物は、各々、後述のホール
注入輸送性化合物および電子注入輸送性化合物の中から
選択すればよい。なかでも、ホール注入輸送性化合物と
しては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例えばホール
輸送性化合物であるトリフェニルジアミン誘導体、さら
にはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン
誘導体を用いるのが好ましい。
【0032】電子注入輸送性の化合物としては、キノリ
ン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体
を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好まし
い。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラ
アリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0033】ホール注入輸送性の化合物としては、強い
蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール輸送性
化合物であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはス
チリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体
を用いるのが好ましい。
【0034】この場合の混合比は、それぞれのキャリア
移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注
入輸送性化合物の化合物/電子注入輸送機能を有する化
合物の重量比が、1/99〜99/1、さらに好ましく
は10/90〜90/10、特に20/80〜80/2
0程度となるようにする。
【0035】また、混合層の厚さは、分子層一層に相当
する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが
好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好まし
く、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすること
が好ましい。
【0036】また、混合層の形成方法としては、異なる
蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸
発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同
じ蒸着ボード内で混合させておき、蒸着することもでき
る。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ま
しいが、場合によっては、化合物が島状に存在するもの
であってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質
を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させ
てコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに
形成する。
【0037】また、ホール注入輸送性化合物は、例え
ば、特開昭63−295695号公報、特開平2−19
1694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−
234681号公報、特開平5−239455号公報、
特開平5−299174号公報、特開平7−12622
5号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−
100172号公報、EP0650955A1等に記載
されている各種有機化合物を用いることができる。例え
ば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジ
アミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族
三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、
トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を
有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン等であ
る。これらの化合物は、1種のみを用いても、2種以上
を併用してもよい。2種以上を併用するときは、別層に
して積層したり、混合したりすればよい。
【0038】電子注入輸送性化合物としては、トリス
(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8
−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする有機金
属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導
体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導
体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニ
トロ置換フルオレン誘導体等を用いることができる。発
光層は、電子輸送層を兼ねたものであってもよく、この
ような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム
等を使用することが好ましい。
【0039】発光層の形成には、均質な薄膜が形成でき
ることから、真空蒸着法を用いることが好ましい。真空
蒸着法を用いた場合、アモルファス状態または結晶粒径
が0.2μm 以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が
0.2μm を超えていると、不均一な発光となり、素子
の駆動電圧を高くしなければならなくなり、ホールの注
入効率も著しく低下する。
【0040】真空蒸着の条件は特に限定されないが、1
-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/
sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続し
て各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形
成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げる
ため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低く
したり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりする
ことができる。
【0041】これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場
合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化
合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着する
ことが好ましい。
【0042】無機絶縁性ホール注入輸送層は、ホール注
入電極からのホールの注入を容易にする機能、ホールを
安定に輸送する機能および電子を妨げる機能を有するも
のであり、無機絶縁性電子注入輸送層は、陰電極からの
電子の注入を容易にする機能、電子を安定に輸送する機
能およびホールを妨げる機能を有するものである。これ
らの層は、発光層に注入されるホールや電子を増大・閉
じこめさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を改善
する。
【0043】すなわち、無機絶縁性電子注入輸送層を、
上記主成分等により構成することにより、特別に電子注
入機能を有する電極を形成する必要がなく、比較的安定
性が高く、導電率の良好な金属電極を用いることができ
る。そして、無機絶縁性電子注入輸送層の電子注入輸送
効率が向上すると共に、素子の寿命が延びることにな
る。また、無機絶縁性ホール注入輸送層の主成分である
酸化物を酸素プアとし、酸素空位を生成させることによ
り、ホール注入電極から発光層側の有機層へ効率よくホ
ールを注入することができる。しかも、有機層からホー
ル注入電極への電子の移動を抑制することができ、発光
層でのホールと電子との再結合を効率よく行わせること
ができる。
【0044】無機絶縁性電子注入輸送層は、主成分とし
て酸化リチウム(Li2O)、酸化ルビジウム(Rb
2O)、酸化カリウム(K2O)、酸化ナトリウム(Na
2O)、酸化セシウム(Cs2O)、酸化ストロンチウム
(SrO)、酸化マグネシウム(MgO)、および酸化
カルシウム(CaO)の1種または2種以上を含有す
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合し
て用いてもよく、2種以上を用いる場合の混合比は任意
である。また、これらのなかでは酸化ストロンチウムが
最も好ましく、次いで酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム、さらに酸化リチウム(Li2O)の順で好ましく、
次いで酸化ルビジウム(Rb2O)、次いで酸化カリウ
ム(K2O)、および酸化ナトリウム(Na2O)が好ま
しい。これらを混合して用いる場合には、これらのなか
で酸化ストロンチウムが40 mol%以上、または酸化リ
チウムと酸化ルビジウムの総計が40 mol%以上、特に
50 mol%以上含有されていることが好ましい。
【0045】無機絶縁性電子注入輸送層は、好ましくは
安定剤として酸化シリコン(SiO 2)、および/また
は酸化ゲルマニウム(GeO2)を含有する。これらは
いずれか一方を用いてもよいし、両者を混合して用いて
もよく、その際の混合比は任意である。
【0046】上記の各酸化物は、通常、化学量論的組成
(stoichiometric composition)で存在するが、これか
ら多少偏倚し、非化学量論的組成(non-stoichiometr
y)となっていてもよい。
【0047】また、本発明の無機絶縁性電子注入輸送層
は、好ましくは上記各構成成分が全成分に対して、Sr
O、MgO、CaO、Li2O、Rb2O、K2O、Na2
O、Cs2O、SiO2、GeO2に換算して、 主成分:80〜99 mol%、より好ましくは90〜95
mol%、 安定剤: 1〜20 mol%、より好ましくは 5〜10
mol%、 含有する。
【0048】無機絶縁性電子注入輸送層の膜厚として
は、好ましくは0.1〜2nm、より好ましくは0.3〜
0.8nmである。
【0049】無機絶縁性ホール注入層は、シリコンおよ
び/またはゲルマニウムの酸化物を主成分とする。
【0050】また、主成分の平均組成、好ましくはラザ
フォード後方散乱により得られる主成分の平均組成を、
(Si1-xGex)Oyと表したとき 0≦x≦1 1.7≦y≦1.99 である。
【0051】このように、無機絶縁性ホール注入輸送層
の主成分である酸化物を上記組成範囲とすることによ
り、ホール注入電極から発光層側の有機層へ効率よくホ
ールを注入することができる。しかも、有機層からホー
ル注入電極への電子の移動を抑制することができ、発光
層でのホールと電子との再結合を効率よく行わせること
ができる。また、ホール注入輸送を目的としているた
め、逆バイアスをかけると発光しない。特に、時分割駆
動方式など、高い発光輝度が要求されるディスプレイに
効果的に応用でき、無機材料の有するメリットと、有機
材料の有するメリットとを併せもった有機EL素子とす
ることができる。本発明の有機EL素子は、従来の有機
ホール注入層を有する素子と同等の輝度が得られ、しか
も、耐熱性、耐候性が高いので従来のものよりも寿命が
長く、リークやダークスポットの発生も少ない。また、
比較的高価な有機物質ではなく、安価で入手しやすい無
機材料を用いているので、製造が容易となり、製造コス
トを低減することができる。
【0052】酸素の含有量を表すyは、上記組成範囲と
なっていればよく、1.7以上であって1.99以下で
ある。yがこれより大きくても、yがこれより小さくて
もホール注入能が低下し、輝度が低下してくる。また、
好ましくは1.85以上であって1.98以下である。
【0053】無機絶縁性ホール注入輸送層は、酸化ケイ
素でも酸化ゲルマニウムでもよく、それらの混合薄膜で
もよい。これらの組成比を表すxは、0≦x≦1であ
る。また、好ましくはxは0.4以下、より好ましくは
0.3以下、特に0.2以下であることが好ましい。
【0054】あるいは、xは好ましくは0.6以上、よ
り好ましくは0.7以上、特に0.8以上であってもよ
い。
【0055】上記酸素の含有量は、ラザフォード後方散
乱により得られた膜中の平均組成であるが、これと同等
な精度を有する測定方法であれば上記測定法に限定され
るものではない。
【0056】無機絶縁性ホール注入輸送層は、好ましく
はさらにCu、Fe、Ni、Ru、SnおよびAuのい
ずれか1種以上を含有する。中でも、Cu、Ni、S
n、特にNiを含有することが好ましい。これらの元素
の含有量は好ましくは10at%以下、より好ましくは
0.05〜10at%、さらには0.1〜10at%、特に
0.5〜5at%である。含有量がこれを超えるとホール
注入機能が低下してくる。2種以上を併用する場合、合
計の含有量が上記範囲内であることが好ましい。
【0057】無機絶縁性ホール注入輸送層には、他に、
不純物として、スパッタガスに用いるNe、Ar、K
r、Xe等を好ましくは合計10at%以下、より好まし
くは0.01〜2wt%、特に0.05〜1.5wt%程度
含有していてもよい。これらの元素は1種でも2種以上
を含有していてもよく、これらを2種以上用いる場合の
混合比は任意である。
【0058】これらの元素はスパッタガスとして使用さ
れ、無機絶縁性ホール注入輸送層成膜時に混入する。こ
れらの元素の含有量が多くなるとトラップ効果が極端に
低下し、所望の性能が得られない。
【0059】スパッタガスの含有量は、成膜時の圧力
と、スパッタガスと酸素の流量比、成膜レート等によ
り、特に成膜時の圧力で決められる。スパッタガスの含
有量を上記範囲とするためには、高真空側で成膜した方
が好ましく、具体的には、1Pa以下、特に0.1〜1Pa
の範囲が好ましい。
【0060】なお、ホール注入層全体の平均値としてこ
のような組成であれば、均一でなくてもよく、膜厚方向
に濃度勾配を有する構造としてもよい。この場合は、有
機層(発光層)界面側が酸素プアであることが好まし
い。
【0061】無機絶縁性ホール注入輸送層は、通常、非
晶質状態である。
【0062】無機絶縁性ホール注入輸送層の膜厚として
は、特に制限はないが、0.05〜10nm、特に1〜5
nm程度が好ましい。ホール注入層がこれより薄くても厚
くても、ホール注入を十分には行えなくなってくる。
【0063】上記の無機絶縁性電子注入輸送層、無機絶
縁性ホール注入輸送層の製造方法としては、スパッタ
法、EB蒸着法などの各種の物理的または化学的な薄膜
形成方法などが可能であるが、スパッタ法が好ましい。
【0064】無機絶縁性電子注入輸送層、無機絶縁性ホ
ール注入層をスパッタ法で形成する場合、スパッタ時の
スパッタガスの圧力は、0.1〜1Paの範囲が好まし
い。スパッタガスは、通常のスパッタ装置に使用される
不活性ガス、例えばAr,Ne,Xe,Kr等が使用で
きる。また、必要によりN2 を用いてもよい。スパッタ
時の雰囲気としては、上記スパッタガスに加えO2 を1
〜99%程度混合して反応性スパッタを行ってもよい。
ターゲットとしては上記酸化物を用い、1元または多元
スパッタとすればよい。
【0065】スパッタ法としてはRF電源を用いた高周
波スパッタ法や、DC反応性スパッタ法等が使用できる
が、特にRFスパッタが好ましい。スパッタ装置の電力
としては、好ましくはRFスパッタで0.1〜10W/
cm2 の範囲が好ましく、成膜レートは0.5〜10nm/
min 、特に1〜5nm/min の範囲が好ましい。成膜時の
基板温度としては、室温(25℃)〜150℃程度であ
る。
【0066】また、反応性スパッタを行ってもよく、反
応性ガスとしては、窒素を混入する場合、N2 、N
3 、NO、NO2 、N2 O等が挙げられ、炭素を混入
する場合、CH4 、C22 、CO等が挙げられる。こ
れらの反応性ガスは単独で用いても、2種以上を混合し
て用いてもよい。
【0067】本発明の有機EL素子は、無機絶縁性ホー
ル注入輸送層、無機絶縁性電子注入輸送層を設けること
により、耐熱性、耐候性が向上し、素子の長寿命化を図
れる。また、比較的高価な有機物質ではなく、安価で入
手しやすい無機材料を用いているので、製造が容易とな
り、製造コストを低減することができる。さらには、従
来問題のあった無機材料である電極との接続性も良好に
なる。このため、リーク電流の発生やダークスポットの
発生を抑えることができる。
【0068】無機絶縁性電子注入輸送層の上(発光層と
反対側:所謂逆積層のときには下側になる)には、陰電
極を有する。陰電極は、下記の無機絶縁性電子注入輸送
層との組み合わせでは、低仕事関数で電子注入性を有し
ている必要がないため、特に限定される必要はなく、通
常の金属を用いることができる。なかでも、導電率や扱
い易さの点で、Al,Ag,In,Ti,Cu,Au,
Mo,W,Pt,PdおよびNi、特にAl,Agから
選択される1種または2種等の金属元素が好ましい。
【0069】これら陰電極薄膜の厚さは、電子を無機絶
縁性電子注入輸送層に与えることのできる一定以上の厚
さとすれば良く、50nm以上、好ましくは100nm以上
とすればよい。また、その上限値には特に制限はない
が、通常膜厚は50〜500nm程度とすればよい。な
お、陰電極側から発光光を取り出す場合には、膜厚は5
0〜300nm程度が好ましい。
【0070】本発明の有機EL素子は、下記無機絶縁性
電子注入輸送層との組み合わせにおいて、陰電極として
上記金属元素を用いることが好ましいが、必要に応じて
下記のものを用いてもよい。例えば、K、Li、Na、
Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Sn、Zn、Z
r等の金属元素単体、または安定性を向上させるために
それらを含む2成分、3成分の合金系、例えばAg・M
g(Ag:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:
0.01〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80
at%)、Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が
挙げられる。
【0071】上記陰電極薄膜の厚さは、電子注入を十分
行える一定以上の厚さとすれば良く、0.1nm以上、好
ましくは0.5nm以上、特に1nm以上とすればよい。ま
た、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚は1〜
500nm程度とすればよい。陰電極の上には、さらに補
助電極(保護電極)を設けてもよい。
【0072】補助電極の厚さは、電子注入効率を確保
し、水分や酸素あるいは有機溶媒の進入を防止するた
め、一定以上の厚さとすればよく、好ましくは50nm以
上、さらには100nm以上、特に100〜500nmの範
囲が好ましい。補助電極層が薄すぎると、その効果が得
られず、また、補助電極層の段差被覆性が低くなってし
まい、端子電極との接続が十分ではなくなる。一方、補
助電極層が厚すぎると、補助電極層の応力が大きくなる
ため、ダークスポットの成長速度が速くなってしまう等
といった弊害が生じてくる。
【0073】補助電極は、組み合わせる陰電極の材質に
より最適な材質を選択して用いればよい。例えば、電子
注入効率を確保することを重視するのであればAl等の
低抵抗の金属を用いればよく、封止性を重視する場合に
は、TiN等の金属化合物を用いてもよい。
【0074】陰電極と補助電極とを併せた全体の厚さと
しては、特に制限はないが、通常50〜500nm程度と
すればよい。
【0075】ホール注入電極材料は、ホール注入層へホ
ールを効率よく注入することのできるものが好ましく、
仕事関数4.5eV〜5.5eVの物質が好ましい。具体的
には、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ
酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In2
3 )、酸化スズ(SnO2 )および酸化亜鉛(ZnO)
のいずれかを主組成としたものが好ましい。これらの酸
化物はその化学量論組成から多少偏倚していてもよい。
In2 3 に対するSnO2 の混合比は、1〜20wt
%、さらには5〜12wt%が好ましい。また、IZOで
のIn2 3 に対するZnOの混合比は、通常、12〜
32wt%程度である。
【0076】ホール注入電極は、仕事関数を調整するた
め、酸化シリコン(SiO2 )を含有していてもよい。
酸化シリコン(SiO2 )の含有量は、ITOに対する
SiO2 の mol比で0.5〜10%程度が好ましい。S
iO2 を含有することにより、ITOの仕事関数が増大
する。
【0077】光を取り出す側の電極は、発光波長帯域、
通常400〜700nm、特に各発光光に対する光透過率
が50%以上、特に60%以上、さらには70%以上で
あることが好ましい。透過率が低くなると、発光層から
の発光自体が減衰され、発光素子として必要な輝度を得
難くなってくる。
【0078】電極の厚さは、50〜500nm、特に50
〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制
限はないが、あまり厚いと透過率の低下や剥離などの心
配が生じる。厚さが薄すぎると、十分な効果が得られ
ず、製造時の膜強度等の点でも問題がある。
【0079】本発明の有機EL素子は、例えば図1に示
すように、基板1/ホール注入電極2/無機絶縁性ホー
ル注入輸送層4/第1のホスト物質により形成された層
5a/ドーパントを有する層5b/第2のホスト物質に
より形成された層5c/無機絶縁性電子注入輸送層6/
陰電極3とが順次積層された構成とする。また、図2に
示すように、基板1/陰電極3/無機絶縁性電子注入輸
送層6/第1のホスト物質により形成された層5a/ド
ーパントを有する層5b/第2のホスト物質により形成
された層5c/無機絶縁性ホール注入輸送層4/ホール
注入電極2とが順次積層された構成(逆積層)としても
よい。また、これらの構成の中から第1のホスト物質に
より形成された層5aまたは第2のホスト物質により形
成された層5cのいずれかがないものであってもよい。
図1,2において、ホール注入電極2と陰電極3の間に
は、駆動電源Eが接続されている。
【0080】これらの積層構成は、素子に求められる性
能や使用目的などにより、適宜最適な構成を選択した
り、必要な変更を加えて使用することができる。
【0081】素子の有機層や電極の酸化を防ぐために、
素子上を封止板等により封止することが好ましい。封止
板は、湿気の侵入を防ぐために、接着性樹脂層を用い
て、封止板を接着し密封する。封止ガスは、Ar、H
e、N2 等の不活性ガス等が好ましい。また、この封止
ガスの水分含有量は、100ppm 以下、より好ましくは
10ppm 以下、特には1ppm 以下であることが好まし
い。この水分含有量に下限値は特にないが、通常0.1
ppm 程度である。
【0082】封止板の材料としては、好ましくは平板状
であって、ガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明材
料が挙げられるが、特にガラスが好ましい。このような
ガラス材として、コストの面からアルカリガラスが好ま
しいが、この他、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカ
ガラス等のガラス組成のものも好ましい。特に、ソーダ
ガラスで、表面処理の無いガラス材が安価に使用でき、
好ましい。封止板としては、ガラス板以外にも、金属
板、プラスチック板等を用いることもできる。
【0083】封止板は、スペーサーを用いて高さを調整
し、所望の高さに保持してもよい。スペーサーの材料と
しては、樹脂ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ、ガ
ラスファイバー等が挙げられ、特にガラスビーズ等が好
ましい。スペーサーは、通常、粒径の揃った粒状物であ
るが、その形状は特に限定されるものではなく、スペー
サーとしての機能に支障のないものであれば種々の形状
であってもよい。その大きさとしては、円換算の直径が
1〜20μm 、より好ましくは1〜10μm 、特に2〜
8μm が好ましい。このような直径のものは、粒長10
0μm 以下程度であることが好ましく、その下限は特に
規制されるものではないが、通常直径と同程度以上であ
る。
【0084】なお、封止板に凹部を形成した場合には、
スペーサーは使用しても、使用しなくてもよい。使用す
る場合の好ましい大きさとしては、前記範囲でよいが、
特に2〜8μm の範囲が好ましい。
【0085】スペーサーは、予め封止用接着剤中に混入
されていても、接着時に混入してもよい。封止用接着剤
中におけるスペーサーの含有量は、好ましくは0.01
〜30wt%、より好ましくは0.1〜5wt%である。
【0086】接着剤としては、安定した接着強度が保
て、気密性が良好なものであれば特に限定されるもので
はないが、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ
樹脂接着剤を用いることが好ましい。
【0087】本発明において、有機EL構造体を形成す
る基板としては、非晶質基板たとえばガラス、石英な
ど、結晶基板たとえば、Si、GaAs、ZnSe、Z
nS、GaP、InPなどがあげられ、またこれらの結
晶基板に結晶質、非晶質あるいは金属のバッファ層を形
成した基板も用いることができる。また金属基板として
は、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pdなどを用いる
ことができ、好ましくはガラス基板が用いられる。基板
は、通常光取り出し側となるため、上記電極と同様な光
透過性を有することが好ましい。
【0088】さらに、本発明素子を、平面上に多数並べ
てもよい。平面上に並べられたそれぞれの素子の発光色
を変えて、カラーのディスプレーにすることができる。
【0089】基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む
色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコン
トロールしてもよい。
【0090】色フィルター膜には、液晶ディスプレイ等
で用いられているカラーフィルターを用いれば良いが、
有機EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルター
の特性を調整し、取り出し効率・色純度を最適化すれば
よい。
【0091】また、EL素子材料や蛍光変換層が光吸収
するような短波長の外光をカットできるカラーフィルタ
ーを用いれば、素子の耐光性・表示のコントラストも向
上する。
【0092】また、誘電体多層膜のような光学薄膜を用
いてカラーフィルターの代わりにしても良い。
【0093】蛍光変換フィルター膜は、EL発光の光を
吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させること
で、発光色の色変換を行うものであるが、組成として
は、バインダー、蛍光材料、光吸収材料の三つから形成
される。
【0094】蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高
いものを用いれば良く、EL発光波長域に吸収が強いこ
とが望ましい。実際には、レーザー色素などが適してお
り、ローダミン系化合物・ペリレン系化合物・シアニン
系化合物・フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニ
ン等も含む)ナフタロイミド系化合物・縮合環炭化水素
系化合物・縮合複素環系化合物・スチリル系化合物・ク
マリン系化合物等を用いればよい。
【0095】バインダーは、基本的に蛍光を消光しない
ような材料を選べば良く、フォトリソグラフィー・印刷
等で微細なパターニングが出来るようなものが好まし
い。また、基板上にホール注入電極と接する状態で形成
される場合、ホール注入電極(ITO、IZO等)の成
膜時にダメージを受けないような材料が好ましい。
【0096】光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りな
い場合に用いるが、必要のない場合は用いなくても良
い。また、光吸収材料は、蛍光性材料の蛍光を消光しな
いような材料を選べば良い。
【0097】本発明の有機EL素子は、通常、直流駆動
型、パルス駆動型のEL素子として用いられるが、交流
駆動とすることもできる。印加電圧は、通常、2〜30
V 程度とされる。
【0098】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。 <実施例1>ガラス基板としてコーニング社製商品名7
059基板を中性洗剤を用いてスクラブ洗浄した。次い
で、この基板をスパッタ装置の基板ホルダーに固定し、
ITO酸化物ターゲットを用いDCマグネトロンスパッ
タリング法により、ITOホール注入電極層を形成し
た。
【0099】ITOが成膜された基板を、中性洗剤、ア
セトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノ
ール中から引き上げて乾燥した。次いで、表面をUV/
3洗浄した後、スパッタ装置の基板ホルダーに固定し
て、槽内を1×10-4Pa以下まで減圧した。
【0100】次いで、ターゲットにSiO2 を用い、無
機絶縁性ホール注入輸送層を1nmの膜厚に成膜した。こ
のときのスパッタガスはArに対しO2 を5%混入して
用いた、基板温度25℃、成膜レート1nm/min 、動作
圧力0.5Pa、投入電力5W/cm2 とした。成膜したホ
ール注入層の組成は、SiO1.9 であった。
【0101】さらに、減圧を保ったまま、真空蒸着装置
に移し、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(A
lq3 )を、蒸着速度0.2nm/secとして、40nmの厚
さに蒸着し、ホスト物質により形成された層(発光層)
とした。
【0102】さらに、減圧を保ったまま、トリス(8−
キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )と、ルブレン
とを、全体の蒸着速度0.2nm/secとして、Alq3 に
対してルブレンを5体積%ドープし、40nmの厚さに蒸
着し、ドーパントを含有する層(発光層)とした。
【0103】さらに、減圧を保ったまま、トリス(8−
キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )を、蒸着速度
0.2nm/secとして、40nmの厚さに蒸着し、ホスト物
質により形成された層(発光層)とした。
【0104】さらに、減圧を保ったまま、スパッタ装置
に移し、原料として酸化ストロンチウム(SrO)、酸
化リチウム(Li2O)、酸化シリコン(SiO2
を、全成分に対しそれぞれ、 SrO:80 mol% Li2O:10 mol% SiO2 :10 mol% となるように混合したターゲットを用い、無機絶縁性電
子注入輸送層を0.8nmの膜厚に成膜した。このときの
成膜条件として、基板温度25℃、スパッタガスAr、
成膜レート1nm/min 、動作圧力0.5Pa、投入電力5
W/cm2 とした。このとき、初めにスパッタガスをA
r:100%として100SCCM供給しながら無機絶縁性
電子注入輸送層を0.4nmの膜厚に成膜し、続けてAr
/O2 :1/1として100SCCM供給しながら無機絶縁
性電子注入輸送層を0.4nmの膜厚に成膜した。
【0105】さらに、減圧を保ったまま、Alを20nm
の厚さに蒸着して陰電極とした。
【0106】最後にガラス封止して有機EL素子を得
た。また、比較サンプルとして、発光層を3層構造とせ
ず、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq
3 )と、ルブレンとを、全体の蒸着速度0.2nm/secと
して、Alq3 に対してルブレンを5体積%ドープし、
40nmの厚さに蒸着し、発光層とした以外上記と同様に
して有機EL素子を作製した。
【0107】得られた各サンプルについて、加速試験と
して、100mA/cm2 の一定電流で、寿命特性を調べ
た。発光層を単一層とした以外全く同様の比較サンプル
の輝度半減時間は、100時間以下であった。これに対
して本発明サンプルは、150時間以上経過しても半減
しなかった。
【0108】<実施例2>実施例1において、無機絶縁
性電子注入輸送層の主成分、安定剤を、それぞれ、Sr
OからMgO、CaO、またはこれらの混合酸化物に、
Li2OからK2O、Rb2O、K2O、Na2O、Cs
2O、またはこれらの混合酸化物に、SiO2からGeO
2 、またはSiO2 とGeO2 の混合酸化物に代えたと
ころほぼ同様な結果が得られた。また、陰電極構成材料
を、AlからAg,In,Ti,Cu,Au,Mo,
W,Pt,Pd,Ni、またはこれらの合金としても同
様であった。
【0109】<実施例3>実施例1において、無機絶縁
性ホール注入輸送層を成膜する際に、ターゲットの組成
をSiO2 とし、スパッタガスのO2 流量を変えてAr
に対する混合比を5%とし、その組成をSiO1.9 とし
た他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製し、寿
命特性を評価したところほぼ同様の結果が得られた。
【0110】また、ターゲットの組成をSiO2 とし、
スパッタガスのO2 流量を変えてArに対する混合比を
30%とし、その組成をSiO1.95としたもの、ターゲ
ットの組成をGeO2 とし、スパッタガスのO2 流量を
変えてArに対する混合比を30%とし、その組成をG
eO1.96としたもの、ターゲットの組成をSi0.5Ge
0.52 とし、スパッタガスのO2 流量を変えてArに
対する混合比を10%とし、その組成をSi0.5Ge0.5
1.92としたものもそれぞれ同様にして有機EL素子を
作製し、評価したところほぼ同様の結果が得られた。
【0111】<実施例4>実施例1において、無機絶縁
性ホール注入輸送層を成膜する際に、ターゲットにSi
2にNi:3at%添加したものを用い、1nmの膜厚に
成膜した。このときのスパッタガスはAr:50sccm、
2:5sccmで、基板温度25℃、成膜レート1nm/min
、動作圧力:0.5Pa、投入電力:5W/cm2 とし
た。成膜された無機絶縁性ホール注入輸送層の組成は、
SiO1.9にNiを2.5at%含有するものであった。
そのほかは実施例1と同様にして有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子を実施例1と同様にして評価した
ところ、実施例1とほぼ同様な結果が得られた。
【0112】また、上記において、無機絶縁性ホール注
入輸送層の組成を、SiO1.9にNiを2.5at%含有
するものから、GeO1.9にNiを2.5at%含有する
もの、Si0.5Ge0.51.98にNiを2.5at%含有す
るものに代えても同様であった。
【0113】また、Niの代わりに同量のSn、Cuを
含有させてもほぼ同等の寿命が得られた。また、Niの
代わりにFe、Ru、Auを含有させても同様の効果が
得られた。
【0114】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、有機−無
機界面の劣化現象に強く、従来の有機物質を用いたホー
ル注入輸送層や、電子注入輸送層を有する素子と同等か
それ以上の性能を有し、長寿命で、耐候性を備え、安定
性が高く、高効率で、しかも安価な有機EL素子を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の構成例を示す概略断面
図である。
【図2】本発明の有機EL素子の他の構成例を示す概略
断面図である。
【図3】従来の有機EL素子の構成例を示す概略断面図
である。
【図4】従来の有機EL素子の他の構成例を示す概略断
面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ホール注入電極 3 陰電極 4 無機絶縁性ホール注入輸送層 5a 第1のホスト物質により形成された層 5b ドーパントを有する層 5c 第2のホスト物質により形成された層 6 無機絶縁性電子注入輸送層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板上に形成されたホール
    注入電極と陰電極と、少なくともこれらの電極間に設け
    られた有機物質を含有する発光層とを有し、この発光層
    と陰電極との間には、無機電子注入輸送層を有し、 前記発光層とホール注入電極との間には無機絶縁性ホー
    ル注入輸送層を有し、 前記無機絶縁性電子注入輸送層は、主成分として酸化ス
    トロンチウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸
    化リチウム、酸化ルビジウム、酸化カリウム、酸化ナト
    リウム、および酸化セシウムから選択される1種または
    2種以上の酸化物を含有し、 前記無機絶縁性ホール注入輸送層は、シリコンおよび/
    またはゲルマニウムの酸化物を主成分とし、 主成分の平均組成を、 (Si1-xGex)Oyと表したとき 0≦x≦1 1.7≦y≦1.99 であり、 前記発光層は、前記無機絶縁性電子注入輸送層および/
    または無機絶縁性ホール注入輸送層と接する側に、ホス
    ト物質により形成された層を有し、このホスト物質によ
    り形成された層の少なくとも一部にはドーパントを含有
    する層を有する有機EL素子。
  2. 【請求項2】 前記発光層の膜厚は、ホスト物質により
    形成された層が5〜50nmであって、ドーパンを含有す
    る層が5〜100nmである請求項1の有機EL素子。
  3. 【請求項3】 前記無機絶縁性ホール注入輸送層は、さ
    らに安定剤として酸化シリコン、および/または酸化ゲ
    ルマニウムを含有する請求項1または2の有機EL素
    子。
  4. 【請求項4】 前記陰電極は、Al,Ag,In,T
    i,Cu,Au,Mo,W,Pt,PdおよびNiから
    選択される1種または2種以上の金属元素により形成さ
    れている請求項1〜3のいずれかの有機EL素子。
  5. 【請求項5】 前記無機絶縁性ホール注入層はCu、F
    e、Ni、Ru、SnおよびAuのいずれか1種以上を
    10at%以下含有する請求項1〜4のいずれかの有機E
    L素子。
  6. 【請求項6】 前記無機絶縁性電子注入輸送層は、各構
    成成分が全成分に対して、 主成分:80〜99 mol%、 安定剤: 1〜20 mol% 含有する請求項2〜5のいずれかの有機EL素子。
  7. 【請求項7】 前記無機絶縁性電子注入輸送層の膜厚
    は、0.1〜2nmである請求項1〜6のいずれかの有機
    EL素子。
  8. 【請求項8】 前記無機絶縁性ホール注入輸送層の膜厚
    が0.1〜5nmである請求項1〜7のいずれかの有機E
    L素子。
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