JP3824798B2 - 有機el素子 - Google Patents

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    • Y10S428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10S428/917Electroluminescent

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、詳しくは、有機化合物の薄膜に電界を印加して光を放出する素子に用いられる無機/有機接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子は、ガラス上に大面積で素子を形成できるため、ディスプレー用等に研究開発が進められている。一般に有機EL素子は、ガラス基板上にITO等の透明電極を形成し、その上に有機アミン系のホール輸送層、電子導電性を示しかつ強い発光を示すたとえばAlq3 材からなる有機発光層を積層し、さらに、MgAgなどの仕事関数の小さい電極を形成し、基本素子としている。
【0003】
これまでに報告されている素子構造としては、ホール注入電極及び電子注入電極の間に1層または複数層の有機化合物層が挟まれた構造となっており、有機化合物層としては、2層構造あるいは3層構造がある。
【0004】
2層構造の例としては、ホール注入電極と電子注入電極の間にホール輸送層と発光層が形成された構造または、ホール注入電極と電子注入電極の間に発光層と電子輸送層が形成された構造がある。3層構造の例としては、ホール注入電極と電子注入電極の間にホール輸送層と発光層と電子輸送層とが形成された構造がある。また、単一層に全ての役割を持たせた単層構造も高分子や混合系で報告されている。
【0005】
図3および図4に、有機EL素子の代表的な構造を示す。
【0006】
図3では基板11上に設けられたホール注入電極12と電子注入電極13の間に有機化合物であるホール輸送層14と発光層15が形成されている。この場合、発光層15は、電子輸送層の機能も果たしている。
【0007】
図4では、基板11上に設けられたホール注入電極12と電子注入電極13の間に有機化合物であるホール輸送層14と発光層15と電子輸送層16が形成されている。
【0008】
これら有機EL素子において、発光効率を向上させる試みも種々なされている。しかしながら、従来の素子構成では電子注入輸送層での電子注入効率性が劣る等して、発光層における効果的な再結合を行うことが困難であり、十分満足しうる効率の素子を得ることが困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、電子注入効率に優れ、発光効率が改善され、動作電圧が低く、しかも低コストな有機EL素子を実現することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記目的は、以下の構成により達成される。
(1) ホール注入電極と、電子注入電極と、これらの電極間に設けられた1層以上の有機層とを有し、
少なくとも前記有機層の1層は発光機能を有する発光層であり、
この発光層と電子注入電極の間には、高抵抗の無機電子注入層を有し、
この高抵抗の無機電子注入層は、
第1成分として酸化リチウムと、第2成分としてZn,RuおよびInから選択される1種以上の元素の酸化物、または、
第1成分としてアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、およびランタノイド系元素から選択される1種以上の元素の酸化物と、第2成分として酸化バナジウム、
を含有し、
前記高抵抗の無機電子注入層は、ホールをブロックするとともに電子を搬送するための導通パスを有する有機EL素子。
(2) 前記アルカリ金属元素は、Li,Na,K,Rb,CsおよびFrの1種以上であり、アルカリ土類金属元素は、Mg,CaおよびSrの1種以上であり、ランタノイド系元素はLaおよびCeから選択される1種以上を有する上記(1)の有機EL素子。
(3) 前記高抵抗の無機注入層は、その抵抗率が1〜1×1011Ω・cmである上記(1)または(2)の有機EL素子。
(4) 前記高抵抗の無機電子注入層は、第2成分を全成分に対して、0.2〜40 mol%含有する上記(1)〜(3)のいずれかの有機EL素子。
(5) 前記高抵抗の無機電子注入層の膜厚は、0.3〜30nmである上記(1)〜(4)のいずれかの有機EL素子。
(6) 前記ホール注入電極と前記有機層との間には高抵抗の無機ホール注入層を有し、
前記高抵抗の無機ホール注入層は、電子をブロックするとともにホールを搬送するための導通パスを有する上記(1)〜(5)のいずれかの有機EL素子。
(7) 前記高抵抗のホール注入層は、その抵抗率が1×10〜1×10Ω・cmである上記(6)の有機EL素子。
(8) 前記高抵抗の無機ホール注入層は、絶縁性のシリコンおよび/またはゲルマニウムの酸化物と、仕事関数4.5eV以上の金属またはその酸化物、炭化物、窒化物および硼化物のいずれか1種以上とを含有する上記(6)または(7)の有機EL素子。
(9) 前記高抵抗のホール注入層は、シリコンおよび/またはゲルマニウムの酸化物を主成分とし、この主成分を(Si1−xGe)O と表したとき
0≦x≦1、
1.7≦y≦2.2
であり、
さらに、仕事関数4.5eV以上の金属、またはその酸化物を含有する上記(6)〜(8)のいずれかの有機EL素子。
(10) 前記仕事関数4.5eV以上の金属は、Au,Cu、Fe、Ni、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,Ta,PdおよびCoのいずれか1種以上である上記(9)の有機EL素子。
(11) 前記金属および/または金属酸化物の含有量は、0.2〜40 mol%である上記(9)または(10)の有機EL素子。
(12) 前記高抵抗のホール注入層の膜厚は、1〜100nmである上記(6)〜(11)のいずれかの有機EL素子。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の有機EL素子は、ホール注入電極と、電子注入電極と、これらの電極間に設けられた1以上の有機層とを有し、少なくとも前記有機層の1層は発光機能を有する発光層であり、この発光層と電子注入電極の間には、高抵抗の無機電子注入層を有し、この高抵抗の無機電子注入層は、第1成分としてバンドギャップ4eV以下であって、Li,Na,K,Rb,CsおよびFrのアルカリ金属元素、またはBe,Mg,Ca,Sr,BaおよびRaのアルカリ土類金属元素、またはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuのランタノイド系元素から選択される1種以上の元素の酸化物と、第2成分として、バンドギャップが3〜5 eV であって、Ru,V,Sn,Zn,SmおよびInから選択される1種以上の元素の酸化物とを含有し、前記高抵抗の無機電子注入層は、ホールをブロックするとともに電子を搬送するための導通パスを有する。
【0012】
このように、電子の導通パスを有し、ホールをブロックできる無機電子注入層を有機層と電子注入電極(陰極)の間に配置することで、発光層へ電子を効率よく注入することができ、発光効率が向上するとともに駆動電圧が低下する。
【0013】
また、好ましくは無機電子注入層をの第2成分を、全成分に対して0.2〜40 mol%含有させて導電パスを形成することにより、電子注入電極から発光層側の有機層へ効率よく電子を注入することができる。しかも、有機層から電子注入電極へのホールの移動を抑制することができ、発光層でのホールと電子との再結合を効率よく行わせることができる。また、無機材料の有するメリットと、有機材料の有するメリットとを併せもった有機EL素子とすることができる。本発明の有機EL素子は、従来の有機電子注入層を有する素子と同等の輝度が得られ、しかも、耐熱性、耐候性が高いので従来のものよりも寿命が長く、リークやダークスポットの発生も少ない。また、比較的高価な有機物質ばかりではなく、安価で入手しやすく製造が容易な無機材料も用いることで、製造コストを低減することもできる。
【0014】
高抵抗の無機電子注入層は、その抵抗率が好ましくは1〜1×1011Ω・cm、特に1×103 〜1×108 Ω・cmである。無機電子注入層の抵抗率を上記範囲とすることにより、高い電子ブロック性を維持したまま電子注入効率を飛躍的に向上させることができる。無機電子注入層の抵抗率は、シート抵抗と膜厚からも求めることができる。
【0015】
高抵抗の無機電子注入層は、好ましくは第1成分として仕事関数4eV以下であって、Li,Na,K,Rb,CsおよびFrから選択される1種以上のアルカリ金属元素、または、
このましくはMg,CaおよびSrから選択される1種以上のアルカリ土類金属元素、または、
好ましくはLaおよびCeから選択される1種以上のランタノイド系元素のいずれかの酸化物を含有する。これらのなかでも、特に酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化セリウムが好ましい。これらを混合して用いる場合の混合比は任意である。また、これらの混合物中に酸化リチウムがLi2O換算で、50 mol%以上含有されていることが好ましい。
【0016】
高抵抗の無機電子注入層は、さらに第2成分としてZn,Sn,V,Ru,SmおよびInから選択される1種以上の元素の酸化物を含有する。この場合の第2成分の含有量は、好ましくは0.2〜40 mol%、より好ましくは1〜20 mol%である。含有量がこれより少ないと電子注入機能が低下し、含有量がこれを超えるとホールブロック機能が低下してくる。2種以上を併用する場合、合計の含有量は上記の範囲にすることが好ましい。
【0017】
上記第1成分の酸化物は通常化学量論組成(stoichiometric composition)であるが、これから多少偏倚して非化学量論的組成(non-stoichiometry)となっていてもよい。また、第2成分も、通常、酸化物として存在するが、この酸化物も同様である。
【0018】
高抵抗の無機電子注入層には、他に、不純物として、Hやスパッタガスに用いるNe、Ar、Kr、Xe等を合計5at%以下含有していてもよい。
【0019】
なお、無機電子注入層全体の平均値としてこのような組成であれば、均一でなくてもよく、膜厚方向に濃度勾配を有する構造としてもよい。
【0020】
高抵抗の無機電子注入層は、通常、非晶質状態である。
【0021】
高抵抗の無機電子注入層の膜厚としては、好ましくは0.3〜30nm、特に1〜20nm程度が好ましい。電子注入層がこれより薄くても厚くても、電子注入層としての機能を十分に発揮できなくなくなってくる。
【0022】
上記の無機電子注入層の製造方法としては、スパッタ法、蒸着法などの各種の物理的または化学的な薄膜形成方法などが考えられるが、スパッタ法が好ましい。なかでも、上記第1成分と第2成分のターゲットを別個にスパッタする多元スパッタが好ましい。多元スパッタにすることで、それぞれのターゲットに好適なスパッタ法を用いることができる。また、1元スパッタとする場合には、第1成分と第2成分の混合ターゲットを用いてもよい。
【0023】
高抵抗の無機電子注入層をスパッタ法で形成する場合、スパッタ時のスパッタガスの圧力は、0.1〜1Paの範囲が好ましい。スパッタガスは、通常のスパッタ装置に使用される不活性ガス、例えばAr,Ne,Xe,Kr等が使用できる。また、必要によりN2 を用いてもよい。スパッタ時の雰囲気としては、上記スパッタガスに加えO2 を1〜99%程度混合して反応性スパッタを行ってもよい。
【0024】
スパッタ法としてはRF電源を用いた高周波スパッタ法や、DCスパッタ法等が使用できる。スパッタ装置の電力としては、好ましくはRFスパッタで0.1〜10W/cm2 の範囲が好ましく、成膜レートは0.5〜10nm/min 、特に1〜5nm/min の範囲が好ましい。
【0025】
成膜時の基板温度としては、室温(25℃)〜150℃程度である。
【0026】
本発明の有機EL素子は、例えば図1に示すように、基板1/ホール注入電極2/ホール注入輸送層4/発光層5/高抵抗の無機電子注入層6/電子注入電極3とが順次積層された構成とするとよい。また、例えば図2に示すように、基板1/電子注入電極3/高抵抗の電子注入層6/発光層5/ホール注入輸送層4/ホール注入電極2と、通常の積層構成とは逆に積層された構成とすることもできる。逆積層とすることにより、基板と反対側からの光取り出しが容易になる。なお、高抵抗の電子注入注入層を積層する際、有機層等がアッシングされ、ダメージを受ける恐れがあるので、最初に酸素を加えることなく薄く積層し、さらに酸素を加えて厚く積層してもよい。この場合、酸素を加えないときの膜厚は全体の1/5〜1/2程度とする。図1、2において、ホール注入電極2と電子注入電極3の間には、駆動電源Eが接続されている。なお、上記発光層5は、広義の発光層を表し、電子注入/輸送層、狭義の発光層、ホール輸送層等を含む。
【0027】
また、上記発明の素子は、電極層/無機物層および発光層/電極層/無機物層および発光層/電極層/無機物層および発光層/電極層・・・と多段に重ねてもよい。このような素子構造により、発光色の色調調整や多色化を行うことができる。
【0028】
電子注入電極(陰電極)は、無機電子注入層に電子を注入させ、無機電子注入層から有機層に電子が注入されるので、通常の金属を用いることができる。なかでも、導電率や扱い易さの点で、Al,Ag,In,Ti,Cu,Au,Mo,W,Pt,PdおよびNi、特にAl,Agから選択される1種または2種等の金属元素が好ましい。
【0030】
また、電子注入電極として必要に応じて下記のものを用いてもよい。例えば、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Sn、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系、例えばAg・Mg(Ag:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:0.01〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)、Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が挙げられる。
【0031】
上記電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.1nm以上、好ましくは0.5nm以上、特に1nm以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚は1〜500nm程度とすればよい。電子注入電極の上には、さらに補助電極(保護電極)を設けてもよい。
【0032】
補助電極の厚さは、電子注入効率を確保し、水分や酸素あるいは有機溶媒の進入を防止するため、一定以上の厚さとすればよく、好ましくは50nm以上、さらには100nm以上、特に100〜500nmの範囲が好ましい。補助電極層が薄すぎると、その効果が得られず、また、補助電極層の段差被覆性が低くなってしまい、端子電極との接続が十分ではなくなる。一方、補助電極層が厚すぎると、補助電極層の応力が大きくなるため、ダークスポットの成長速度が速くなってしまう等といった弊害が生じてくる。
【0033】
補助電極は、組み合わせる電子注入電極の材質により最適な材質を選択して用いればよい。例えば、電子注入効率を確保することを重視するのであればAl等の低抵抗の金属を用いればよく、封止性を重視する場合には、TiN等の金属化合物を用いてもよい。
【0034】
電子注入電極と補助電極とを併せた全体の厚さとしては、特に制限はないが、通常50〜500nm程度とすればよい。
【0035】
ホール注入電極材料は、ホール注入層へホールを効率よく注入することのできるものが好ましく、仕事関数4.5eV〜5.5eVの物質が好ましい。具体的には、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、酸化インジウム(In23 )、酸化スズ(SnO2 )および酸化亜鉛(ZnO)のいずれかを主組成としたものが好ましい。これらの酸化物はその化学量論組成から多少偏倚していてもよい。In2 3 に対するSnO2 の混合比は、1〜20wt%、さらには5〜12wt%が好ましい。また、IZOでのIn2 3 に対するZnOの混合比は、通常、12〜32wt%程度である。
【0036】
ホール注入電極は、仕事関数を調整するため、酸化シリコン(SiO2 )を含有していてもよい。酸化シリコン(SiO2 )の含有量は、ITOに対するSiO2 の mol比で0.5〜10%程度が好ましい。SiO2 を含有することにより、ITOの仕事関数が増大する。
【0037】
光を取り出す側の電極は、発光波長帯域、通常400〜700nm、特に各発光光に対する光透過率が50%以上、より好ましくは60%以上、特に80%以上、さらには90%以上であることが好ましい。透過率が低くなると、発光層からの発光自体が減衰され、発光素子として必要な輝度を得難くなってくる。なお、コントラスト比を向上させたりして視認性を向上させる目的等のため、比較的低い透過率とする場合もある。
【0038】
電極の厚さは、50〜500nm、特に50〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと透過率の低下や剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、十分な効果が得られず、製造時の膜強度等の点でも問題がある。
【0039】
本発明の有機EL素子は、上記高抵抗の無機電子注入層に加え、高抵抗のホール注入層を有していてもよい。
【0040】
すなわち、ホール注入電極と有機層との間に電子をブロックするとともにホールを搬送するための導通パスを有する高抵抗の無機ホール注入輸送層を有する。
【0041】
このように、ホールの導通パスを有し、電子をブロックできる無機ホール注入層を有機層とホール注入電極の間に配置することで、発光層へホールを効率よく注入することができ、発光効率がさらに向上するとともに駆動電圧が低下する。
【0042】
また、好ましくは無機絶縁性ホール注入層の主成分としてシリコン、ゲルマニウムの酸化物を用い、これに仕事関数4.5eV以上の金属、金属酸化物、炭化物、窒化物、硼化物のいずれか1種以上を含有させて導電パスを形成することにより、ホール注入電極から発光層側の有機層へ効率よくホールを注入することができる。しかも、有機層からホール注入電極への電子の移動を抑制することができ、発光層でのホールと電子との再結合を効率よく行わせることができる。また、無機材料の有するメリットと、有機材料の有するメリットとを併せもった有機EL素子とすることができる。本発明の有機EL素子は、従来の有機ホール注入層を有する素子と同等の輝度が得られ、しかも、耐熱性、耐候性が高いので従来のものよりも寿命が長く、リークやダークスポットの発生も少ない。また、比較的高価な有機物質ばかりではなく、安価で入手しやすく製造が容易な無機材料も用いることで、製造コストを低減することもできる。
【0043】
高抵抗の無機ホール注入層は、その抵抗率が好ましくは1×10〜1×10 Ω・cmである。無機ホール注入層の抵抗率を上記範囲とすることにより、高い電子ブロック性を維持したままホール注入効率を飛躍的に向上させることができる。無機ホール注入層の抵抗率は、シート抵抗と膜厚から求めることができる。シート抵抗は、例えば4端子法により測定することができる。
【0044】
前記高抵抗の無機ホール注入層は、下記の絶縁性無機材料、またはこれに金属または金属の酸化物、炭化物、窒化物、硼化物のいずれか1種以上を含有する。
【0045】
無機絶縁材料は、シリコン、ゲルマニウムの酸化物であり、好ましくは
(Si1-xGex)Oyにおいて
0≦x≦1、
1.7≦y≦2.2、好ましくは1.7≦y≦1.99
である。無機絶縁性ホール注入層は、酸化ケイ素でも酸化ゲルマニウムでもよく、それらの混合薄膜でもよい。yがこれより大きくても小さくてもホール注入機能は低下してくる。組成は化学分析で調べればよい。
【0046】
高抵抗の無機ホール注入層は、さらに、仕事関数4.5eV以上の金属、またはその酸化物を含有する。仕事関数4.5eV以上、好ましくは4.5〜6eVの金属は、Au,Cu、Fe、Ni、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,Ta,PdおよびCoのいずれか1種また2種以上であり、これらの酸化物、炭化物、窒化物、硼化物であってもよい。これらを混合して用いる場合の混合比は任意である。これらの含有量は好ましくは0.2〜40 mol%、より好ましくは1〜20 mol%である。含有量がこれより少ないとホール注入機能が低下し、含有量がこれを超えると電子ブロック機能が低下してくる。2種以上を併用する場合、合計の含有量は上記の範囲にすることが好ましい。
【0047】
高抵抗の無機ホール注入層には、他に、不純物として、Hやスパッタガスに用いるNe、Ar、Kr、Xe等を合計5at%以下含有していてもよい。
【0048】
なお、無機ホール注入層全体の平均値としてこのような組成であれば、均一でなくてもよく、膜厚方向に濃度勾配を有する構造としてもよい。
【0049】
高抵抗の無機ホール注入層は、通常、非晶質状態である。
【0050】
高抵抗の無機ホール注入層の膜厚としては、好ましくは1〜100nm、特に5〜30nm程度が好ましい。ホール注入層がこれより薄くても厚くても、ホール注入層としての機能を十分に発揮できなくなくなってくる。
【0051】
上記の無機ホール注入層の製造方法としては、スパッタ法、蒸着法などの各種の物理的または化学的な薄膜形成方法などが考えられるが、スパッタ法が好ましい。なかでも、上記主成分と金属または金属酸化物等のターゲットを別個にスパッタする多元スパッタが好ましい。多元スパッタにすることで、それぞれのターゲットに好適なスパッタ法を用いることができる。また、1元スパッタとする場合には、主成分のターゲット上に上記金属、金属酸化物等の小片を配置し、両者の面積比を適当に調整することにより、組成を調整してもよい。
【0052】
その他のスパッタ条件等は、上記高抵抗の電子注入層と同様である。
【0053】
発光層は、少なくとも発光機能に関与する1種類、または2種類以上の有機化合物薄膜の積層膜からなる。
【0054】
発光層は、ホール(正孔)および電子の注入機能、それらの輸送機能、ホールと電子の再結合により励起子を生成させる機能を有する。発光層には、比較的電子的にニュートラルな化合物を用いることで、電子とホールを容易かつバランスよく注入・輸送することができる。
【0055】
有機の電子注入輸送層は、電子注入電極からの電子の注入を容易にする機能、電子を安定に輸送する機能およびホールを妨げる機能を有するものである。この層は、発光層に注入されるホールや電子を増大・閉じこめさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を改善する。
【0056】
発光層の厚さ、電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものではなく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0057】
電子注入輸送層の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光層の厚さと同程度または1/10〜10倍程度とすればよい。電子の注入層と輸送層とを分ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は1nm以上とするのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上限は、通常、注入層で500nm程度、輸送層で500nm程度である。このような膜厚については、注入輸送層を2層設けるときも同じである。
【0058】
有機EL素子の発光層には、発光機能を有する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−264692号公報に開示されているような化合物、例えばキナクリドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノリン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導体、特開平8−12969号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラアリールエテン誘導体等を用いることができる。
【0059】
また、それ自体で発光が可能なホスト物質と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントとしての使用が好ましい。このような場合の発光層における化合物の含有量は0.01〜10wt% 、さらには0.1〜5wt% であることが好ましい。ホスト物質と組み合わせて使用することによって、ホスト物質の発光波長特性を変化させることができ、長波長に移行した発光が可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上する。
【0060】
ホスト物質としては、キノリノラト錯体が好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このようなアルミニウム錯体としては、特開昭63−264692号、特開平3−255190号、特開平5−70733号、特開平5−258859号、特開平6−215874号等に開示されているものを挙げることができる。
【0061】
具体的には、まず、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネシウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メタン]等がある。
【0062】
また、8−キノリノールまたはその誘導体のほかに他の配位子を有するアルミニウム錯体であってもよく、このようなものとしては、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(オルト−クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(メタークレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ−クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(オルト−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(メタ−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,3−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,6−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,4−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,5−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,6−ジフェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,4,6−トリフェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,3,6−トリメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2,3,5,6−テトラメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(1−ナフトラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(オルト−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(メタ−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(3,5−ジメチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラト)(パラ−クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラト)(パラ−フェニルフェノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラト)(オルト−クレゾラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−6−トリフルオロメチル−8−キノリノラト)(2−ナフトラト)アルミニウム(III) 等がある。
【0063】
このほか、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(4−エチル−2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(4−エチル−2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−4−メトキシキノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−メトキシキノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(5−シアノ−2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(5−シアノ−2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) −μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III) 等であってもよい。
【0064】
このほかのホスト物質としては、特開平8−12600号公報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−12969号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラアリールエテン誘導体なども好ましい。
【0065】
発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これらの蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0066】
また、発光層は、必要に応じて、少なくとも1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、さらにはこの混合層中にドーパントを含有させることが好ましい。このような混合層における化合物の含有量は、0.01〜20wt% 、さらには0.1〜15wt% とすることが好ましい。
【0067】
混合層では、キャリアのホッピング伝導パスができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるため、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命がのびるという利点がある。また、前述のドーパントをこのような混合層に含有させることにより、混合層自体のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長を長波長に移行させることができるとともに、発光強度を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0068】
混合層に用いられるホール注入輸送性の化合物および電子注入輸送性の化合物は、各々、後述のホール注入輸送性の化合物および電子注入輸送性の化合物の中から選択すればよい
【0069】
電子注入輸送性の化合物としては、キノリン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好ましい。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラアリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0070】
ホール注入輸送性の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール注入輸送性材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0071】
この場合の混合比は、それぞれのキャリア移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注入輸送性の化合物/電子注入輸送性の化合物の重量比が、1/99〜99/1、さらに好ましくは10/90〜90/10、特に好ましくは20/80〜80/20程度となるようにすることが好ましい。
【0072】
また、混合層の厚さは、分子層一層に相当する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好ましく、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすることが好ましい。
【0073】
また、混合層の形成方法としては、異なる蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同じ蒸着ボード内で混合させておき、蒸着することもできる。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ましいが、場合によっては、化合物が島状に存在するものであってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させてコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに形成する。
【0074】
電子注入輸送層には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等を用いることができる。電子注入輸送層は発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。電子注入輸送層の形成は、発光層と同様に、蒸着等によればよい。
【0075】
電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層とに分けて積層する場合には、電子注入輸送層用の化合物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることができる。このとき、電子注入電極側から電子親和力の値の大きい化合物の順に積層することが好ましい。このような積層順については、電子注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。
【0076】
有機のホール注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できることから、真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法を用いた場合、アモルファス状態または結晶粒径が0.2μm 以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を超えていると、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を高くしなければならなくなり、ホールの注入効率も著しく低下する。
【0077】
真空蒸着の条件は特に限定されないが、10-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続して各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げるため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低くしたり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりすることができる。
【0078】
これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着することが好ましい。
【0079】
さらに、素子の有機層や電極の酸化を防ぐために、素子を封止板等により封止することが好ましい。封止板は、湿気の侵入を防ぐために、接着性樹脂層を用いて、基板に接着し、密封する。封止ガスは、Ar、He、N2 等の不活性ガス等が好ましい。また、この封止ガスの水分含有量は、100ppm 以下、より好ましくは10ppm 以下、特に1ppm 以下であることが好ましい。この水分含有量に下限値は特にないが、通常0.1ppm 程度である。
【0080】
封止板の材料としては、好ましくは平板状であって、ガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明材料が挙げられるが、特にガラスが好ましい。このようなガラス材として、コストの面からアルカリガラスが好ましいが、この他、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカガラス等のガラス組成のものも好ましい。特に、ソーダガラスで、表面処理の無いガラス材が安価に使用でき、好ましい。封止板としては、ガラス板以外にも、金属板、プラスチック板等を用いることもできる。
【0081】
封止板は、スペーサーを用いて高さを調整し、所望の高さに保持してもよい。スペーサーの材料としては、樹脂ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ、ガラスファイバー等が挙げられ、特にガラスビーズ等が好ましい。スペーサーは、通常、粒径の揃った粒状物であるが、その形状は特に限定されるものではなく、スペーサーとしての機能に支障のないものであれば種々の形状であってもよい。その大きさとしては、円換算の直径が1〜20μm 、より好ましくは1〜10μm 、特に2〜8μm が好ましい。このような直径のものは、粒長100μm 以下程度であることが好ましく、その下限は特に規制されるものではないが、通常直径と同程度以上である。
【0082】
なお、封止板に凹部を形成した場合には、スペーサーは使用しても、使用しなくてもよい。使用する場合の好ましい大きさとしては、前記範囲でよいが、特に2〜8μm の範囲が好ましい。
【0083】
スペーサーは、予め封止用接着剤中に混入されていても、接着時に混入してもよい。封止用接着剤中におけるスペーサーの含有量は、好ましくは0.01〜30wt%、より好ましくは0.1〜5wt%である。
【0084】
接着剤としては、安定した接着強度が保て、気密性が良好なものであれば特に限定されるものではないが、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いることが好ましい。
【0085】
本発明において、有機EL構造体を形成する基板としては、例えばガラス、石英等の非晶質基板、例えばSi、GaAs、ZnSe、ZnS、GaP、InP等の結晶基板が挙げられ、また、これらの結晶基板に結晶質、非晶質あるいは金属のバッファ層を形成した基板も用いることができる。また、金属基板としては、Mo、Al、Pt、Ir、Au、Pd等を用いることができ、好ましくはガラス基板が用いられる。基板は、通常光取り出し側となるため、上記電極と同様な光透過性を有することが好ましい。
【0086】
さらに、本発明素子を、平面上に多数並べてもよい。平面上に並べられたそれぞれの素子の発光色を変えて、カラーのディスプレーにすることができる。
【0087】
基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコントロールしてもよい。
【0088】
色フィルター膜には、液晶ディスプレイ等で用いられているカラーフィルターを用いれば良いが、有機EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルターの特性を調整し、取り出し効率・色純度を最適化すればよい。
【0089】
また、EL素子材料や蛍光変換層が光吸収するような短波長の外光をカットできるカラーフィルターを用いれば、素子の耐光性・表示のコントラストも向上する。
【0090】
また、誘電体多層膜のような光学薄膜を用いてカラーフィルターの代わりにしても良い。
【0091】
蛍光変換フィルター膜は、EL発光の光を吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させることで、発光色の色変換を行うものであるが、組成としては、バインダー、蛍光材料、光吸収材料の三つから形成される。
【0092】
蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高いものを用いれば良く、EL発光波長域に吸収が強いことが望ましい。実際には、レーザー色素などが適しており、ローダミン系化合物・ペリレン系化合物・シアニン系化合物・フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニン等も含む)ナフタロイミド系化合物・縮合環炭化水素系化合物・縮合複素環系化合物・スチリル系化合物・クマリン系化合物等を用いればよい。
【0093】
バインダーは、基本的に蛍光を消光しないような材料を選べば良く、フォトリソグラフィー・印刷等で微細なパターニングが出来るようなものが好ましい。また、基板上にホール注入電極と接する状態で形成される場合、ホール注入電極(ITO、IZO)の成膜時にダメージを受けないような材料が好ましい。
【0094】
光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りない場合に用いるが、必要のない場合は用いなくても良い。また、光吸収材料は、蛍光性材料の蛍光を消光しないような材料を選べば良い。
【0095】
本発明の有機EL素子は、通常、直流駆動型、パルス駆動型のEL素子として用いられる。印加電圧は、通常、2〜30V 程度とされる。
【0096】
本発明の有機EL素子は、ディスプレイとしての応用の他、例えばメモり読み出し/書き込み等に利用される光ピックアップ、光通信の伝送路中における中継装置、フォトカプラ等、種々の光応用デバイスに用いることができる。
【0097】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
ガラス基板としてコーニング社製商品名7059基板を中性洗剤を用いてスクラブ洗浄した。
【0098】
この基板上にITO酸化物ターゲットを用いRFマグネトロンスパッタリング法により、基板温度250℃で、膜厚200nmのITOホール注入電極層を形成した。
【0099】
ITO電極層等が形成された基板の表面をUV/O3 洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10-4Pa以下まで減圧した。
【0100】
減圧を保ったまま、N,N,N’,N’−テトラキス(m−ビフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を全体の蒸着速度0.2nm/secとして200nmの厚さに蒸着し、ホール注入輸送層とした。
【0101】
さらに、減圧を保ったまま、N,N,N’,N’−テトラキス(m−ビフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)と、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3)と、ルブレンとを、全体の蒸着速度0.2nm/secとして100nmの厚さに蒸着し、発光層とした。TPD:Alq3=1:1(体積比)、この混合物に対してルブレンを10vol%ドープした。
【0102】
次いで、基板をスパッタ装置に移し、Li2OにVを4 mol%混合したターゲットを用い、高抵抗の無機電子注入層を10nmの膜厚に成膜した。このときのスパッタガスはAr:30sccm、O2:5sccmで、室温(25℃)下、成膜レート1nm/min 、動作圧力0.2〜2Pa、投入電力500Wとした。成膜した無機電子注入層の組成は、ターゲットとほぼ同様であった。
【0103】
次いで、減圧を保ったまま、Alを100nmの厚さに蒸着し、陰電極とし、最後にガラス封止して有機EL素子を得た。
【0104】
得られた有機EL素子を空気中で、10mA/cm2 の定電流密度で駆動したところ、初期輝度は800cd/m2 、駆動電圧7.5V であった。
【0105】
また、4端子法により高抵抗の無機電子注入層のシート抵抗を測定したところ、膜厚100nmでのシート抵抗は10 kΩ/cm2 であり、抵抗率に換算すると1×109 Ω・cmであった。
【0106】
<実施例2>
実施例1において、Li2OからNa,K,Rb,CsおよびFrのアルカリ金属元素、またはBe,Mg,Ca,Sr,BaおよびRaのアルカリ土類金属元素、またはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuのランタノイド系元素から選択される1種以上の酸化物に代えても同様の結果が得られた。
【0107】
また、VからRu,Zn,SmおよびInから選択される1種以上の元素に代えても同様であった。
【0108】
<実施例3>
実施例1,2において、ホール注入輸送層を成膜する際に、基板をスパッタ装置に移し、ターゲットにSiO2 と、この上に所定の大きさのAuのペレットを配置して用い、高抵抗の無機ホール注入層を20nmの膜厚に成膜した。このときのスパッタガスはAr:30sccm、O2:5sccmで、室温(25℃)下、成膜レート1nm/min 、動作圧力0.2〜2Pa、投入電力500Wとした。成膜した無機ホール注入層の組成は、SiO1.9にAuを4 mol%含有するものであった。
【0109】
その他は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。得られた有機EL素子を実施例1と同様にして10mA/cm2 の定電流密度で駆動したところ、初期輝度は950cd/m2 、駆動電圧7V であった。
【0110】
また、高抵抗の無機ホール注入層を形成する際に、スパッタガスのO2流量、および膜組成によりターゲットを変えてその組成をSiO1.7 、SiO1.95、GeO1.96、Si0.5Ge0.51.92とした他は上記と同様にして有機EL素子を作製し、発光輝度を評価したところほぼ同様の結果が得られた。
【0111】
<比較例1>
実施例1において、高抵抗の無機電子注入層を成膜する際、さらに、減圧を保ったまま、スパッタ装置に移し、原料として酸化ストロンチウム(SrO)、酸化リチウム(Li2O)、酸化シリコン(SiO2 )を、全成分に対しそれぞれ、
SrO:80 mol%
Li2O:10 mol%
SiO2 :10 mol%
となるように混合したターゲットを用い、無機電子注入輸送層を0.5nmの膜厚に成膜した。このときの成膜条件として、基板温度25℃、スパッタガスAr、成膜レート1nm/min 、動作圧力0.5Pa、投入電力5W/cm2 、Ar/O2 :1/1として100SCCM供給しながら無機電子注入輸送層を成膜した。
【0112】
その他は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。得られた有機EL素子を空気中で、10mA/cm2 の定電流密度で駆動したところ、初期輝度は500cd/m2 、駆動電圧10V であった。
【0113】
さらに、上記無機電子注入層の膜厚を10nmとしたところ、10mA/cm2 の定電流密度で、初期輝度は2cd/m2 、駆動電圧18V となってしまった。
【0114】
実施例4
実施例1において、ホール注入電極の上に成膜するホール注入輸送層(TPD)を形成しない他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
【0115】
この有機EL素子を10mA/cm2 の電流密度で駆動したところ、初期輝度:850cd/m2 、駆動電圧7V が得られた。
【0116】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、電子注入効率に優れ、発光効率が改善され、動作電圧が低く、しかも低コストな有機EL素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL素子の第1の基本構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明の有機EL素子の第2の基本構成を示す概略断面図である。
【図3】従来の有機EL素子の構成例を示した概略断面図である。
【図4】従来の有機EL素子の他の構成例を示した概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 ホール注入電極
3 無機絶縁性ホール注入層
4 発光層
5 無機絶縁性電子注入層
6 電子注入電極
11 基板
12 ホール注入電極
13 電子注入電極
14 ホール輸送層
15 発光層
16 電子輸送層

Claims (12)

  1. ホール注入電極と、電子注入電極と、これらの電極間に設けられた1層以上の有機層とを有し、
    少なくとも前記有機層の1層は発光機能を有する発光層であり、
    この発光層と電子注入電極の間には、高抵抗の無機電子注入層を有し、
    この高抵抗の無機電子注入層は、
    第1成分として酸化リチウムと、第2成分としてZn,RuおよびInから選択される1種以上の元素の酸化物、または、
    第1成分としてアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、およびランタノイド系元素から選択される1種以上の元素の酸化物と、第2成分として酸化バナジウム、
    を含有し、
    前記高抵抗の無機電子注入層は、ホールをブロックするとともに電子を搬送するための導通パスを有する有機EL素子。
  2. 前記アルカリ金属元素は、Li,Na,K,Rb,CsおよびFrの1種以上であり、アルカリ土類金属元素は、Mg,CaおよびSrの1種以上であり、ランタノイド系元素はLaおよびCeから選択される1種以上を有する請求項1の有機EL素子。
  3. 前記高抵抗の無機電子注入層は、その抵抗率が1〜1×1011Ω・cmである請求項1または2の有機EL素子。
  4. 前記高抵抗の無機電子注入層は、第2成分を全成分に対して、0.2〜40mol%含有する請求項1〜3のいずれかの有機EL素子。
  5. 前記高抵抗の無機電子注入層の膜厚は、0.3〜30nmである請求項1〜4のいずれかの有機EL素子。
  6. 前記ホール注入電極と前記有機層との間には高抵抗の無機ホール注入層を有し、
    前記高抵抗の無機ホール注入層は、電子をブロックするとともにホールを搬送するための導通パスを有する請求項1〜5のいずれかの有機EL素子。
  7. 前記高抵抗のホール注入層は、その抵抗率が1×10〜1×10Ω・cmである請求項6の有機EL素子。
  8. 前記高抵抗の無機ホール注入層は、絶縁性のシリコンおよび/またはゲルマニウムの酸化物と、仕事関数4.5eV以上の金属またはその酸化物、炭化物、窒化物および硼化物のいずれか1種以上とを含有する請求項6または7の有機EL素子。
  9. 前記高抵抗のホール注入層は、シリコンおよび/またはゲルマニウムの酸化物を主成分とし、この主成分を(Si1−xGe)O と表したとき
    0≦x≦1、
    1.7≦y≦2.2
    であり、
    さらに、仕事関数4.5eV以上の金属、またはその酸化物を含有する請求項6〜8のいずれかの有機EL素子。
  10. 前記仕事関数4.5eV以上の金属は、Au,Cu、Fe、Ni、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,Ta,PdおよびCoのいずれか1種以上である請求項9の有機EL素子。
  11. 前記金属および/または金属酸化物の含有量は、0.2〜40 mol%である請求項9または10の有機EL素子。
  12. 前記高抵抗のホール注入層の膜厚は、1〜100nmである請求項6〜11のいずれかの有機EL素子。
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