JP2793383B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子

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JP2793383B2
JP2793383B2 JP15148691A JP15148691A JP2793383B2 JP 2793383 B2 JP2793383 B2 JP 2793383B2 JP 15148691 A JP15148691 A JP 15148691A JP 15148691 A JP15148691 A JP 15148691A JP 2793383 B2 JP2793383 B2 JP 2793383B2
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    • H10K50/17Carrier injection layers
    • H10K50/171Electron injection layers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機エレクトロルミネ
ッセンス素子に関し、詳しくは耐電圧性にすぐれると共
に、電極の付着性がよく、発光効率の高い有機エレクト
ロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】有機エ
レクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と記
す。)は、有機発光体を対向電極で挟んで構成されてお
り、一方の電極からは電子が注入され、もう一方の電極
からは正孔が注入される。この注入された電子と正孔
が、発光層内で再結合するときに発光が生じる。このよ
うな素子には、発光体として、例えば単結晶物質が用い
られていたが、単結晶物質では製造費が高く、機械的強
度の点からも問題が多かった。さらに、発光体の厚さを
薄くすることが容易でなく、1mm程度の厚さの発光体
では発光が微弱であり、また、100V以上の駆動電圧
が必要な場合があり、実用の域には達していなかった。
【0003】そこで、例えばアントラセンの1μm以下
の膜を得ようとする試みが、蒸着法(Thin Solid Film
s,94,171,1982)やラングミュア−ブロジェット法(L
B法:Thin Solid Films,99,283,1983)により行われて
いる。しかし、充分な性能を得るには、厳しく管理され
た成膜条件下で、数千オングストロームの薄膜を形成す
る必要があった。また、発光層は、高精度の薄膜として
形成されるものの、電子や正孔の移動や再結合などによ
る機能分子の励起確率が低いため、効率のよい発光が得
られず、特に消費電力や輝度の点で満足できるものでは
ない。また、陽極と発光層との間に正孔注入層を設け、
正孔の密度を挙げることにより高い発光効率を得られる
ことが知られている(特開昭57−51781号公報,
同59−194393号公報参照)。しかし、高輝度を
得ようとして高電界を印加すると素子が壊れてしまう問
題があった。
【0004】さらに、絶縁層としては、有機物層(特に
LB膜を用いて作成したもの)、あるいはSiO2 を用
いて有機層と電極の間に挿入した有機EL素子が開示さ
れている(特開昭61−37873号公報,同61−3
7882号公報,同61−37883号公報,同61−
37884号公報参照)。しかし、有機物を絶縁層とし
て用いた場合、Mg電極との接着性が乏しく、長時間有
機EL素子を駆動させると、有機物とMg電極の界面が
破壊される問題があった。また、均一発光を得ることが
できなかった。SiO2 を有機層と電極の間に挿入した
場合には、成膜方法としてスパッタリングやCVD(化
学気相蒸着法)など比較的エネルギーの高い方法(高
温,加速粒子)を用いる必要があった。この方法を用い
ると、有機EL素子を構成している発光層や正孔注入層
に用いられている有機物を溶融あるいは結晶化させ、有
機物の性能が低下するという問題があった。また、スパ
ッタ粒子が有機物を攻撃し、界面を変質させ電子や正孔
の注入特性を喪失させるという悪影響を及ぼす問題があ
った。実際、SiO2 を絶縁層として用いた発明におい
て、SiO2 はITO上でしか成膜していない。ところ
で、コダック社のTangらは、Applied Physics Lett
er,51 巻,12 号,P913. 「Organic electroluminescent
diodes 」において、発光層として電子伝達性の化合物
である8−ヒドロキシキノリン誘導体、正孔注入層とし
てジアミン誘導体を用いることにより、電子及び正孔の
障壁性が高効率の有機EL素子を実現する上で重要であ
ることを指摘している。しかし、これを実現するための
満足ができる材料は見出されていない。また、ピンホー
ル防止の目的で発光と電子注入化物による機能を分離
し、微結晶性の発光層を用い、発光層と陰極の間に電子
注入層を設けたものも試みられている(Japanease Jour
nal of Applied Physics,27,2,L269,1988 及び27,4,L71
3,1988)が、発光効率の向上がみられない。発光効率の
向上を目的として、電子注入層の代わりに発光層よりイ
オン化エネルギーの大きな正孔障壁層を設けたものも検
討されている(特開平2−195683号公報)。しか
し、正孔障壁層として有機物しか用いていないため正孔
障壁性が不充分であった。さらに、発光均一性の目的で
陰極と発光層の接着性を高めるため、電子注入層や正孔
障壁層を陰極と発光層の間に設ける技術も挙げられてい
る(特開平2−195683号公報,特開平2−255
788号公報)。しかし、素子の寿命,微細加工等の実
用化に問題があった。そこで、本発明者らは上記の問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた。
【0005】
【課題を解決するための手段】その結果、本発明者ら
は、発光層と陰極の間に絶縁性(4.0eV以上)の金属
酸化物層を挿入した有機EL素子が、耐電圧性を向上さ
せ、陰極に用いる金属の付着性を改善させ均一発光を可
能にし、さらに広いエネルギーギャップ(4.0eV以
上)の効果により正孔障壁性を有し電子と正孔の再結合
性を高め、発光効率を落とさず高効率であることを見出
した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもので
ある。
【0006】すなわち、本発明は、発光層と陰極との間
に、エネルギーギャップ(以下、Egと記す。)が4.0
eV以上の絶縁性の金属酸化物を挿入してなる有機EL
素子を提供するものである。
【0007】上記の如く、本発明の有機EL素子は、発
光層と陰極との間にEgが4.0eV以上の絶縁性の金属
酸化物を挿入してなるものである。耐電圧性を向上させ
る場合は、通常の素子構成のどの位置にこの金属酸化物
を挿入してもよく、特に発光層と陰極との間にこの金属
酸化物を挿入すると、広いEgのためイオン化エネルギ
ーも大きくなり、正孔障壁層として作用し有効に発光効
率を向上させることができる。また、陰極と発光層との
付着性も改善することができる。ところで、絶縁性を有
するものとしては、金属酸化物以外にも例えば有機物,
SiO2 などが挙げられる。しかし、有機物は金属酸化
物に比べ耐電圧性に劣り、SiO2 は薄膜作成時に表面
温度が上昇し有機EL素子の構成要素としては不適格で
ある。それらに対し、金属酸化物は耐電圧性が高く、薄
膜作成時の表面温度を低く抑えることができ、本発明に
おいて有効に利用することができる。ここで、本発明に
おいて用いられる金属酸化物とは、Egが4.0eV以
上、好ましくは4.5eV以上のものである。Egが4.0
eV未満の場合は半導体となり、絶縁性の上で好ましく
なく、耐電圧性も不充分である。
【0008】本発明で用いられるEgが4.0eV以上の
金属酸化物としては、例えばMgO,BaO,CaO,
NiO等が挙げられる。これら金属酸化物は、半導体に
比べ応用範囲が限られており、Egが詳しく測定された
例は少ない。本発明者らが調査した上記金属酸化物のE
gを、以下に示す。 MgO:4.5eV以上(光吸収スペクトルを測定し、得
られた結果を外挿した。) BaO:4.2eV以上(R.H.Bube,"Photoconductivity
of Solids"..P233,John Wiley& Sons,Inc.(1960)). CaO:7.03eV以上(Phys. Rev. P1380, 1969年) NiO:4.0eV(American Institute of Physics Ha
ndbook(McGraw-Hill,1972)3rd.9-19)
【0009】本発明の有機EL素子における金属酸化物
は、上記化合物を、例えば真空蒸着法(抵抗加熱法,電
子ビーム蒸着法,高周波誘導加熱法,反応性蒸着法,分
子線エキタピシー法,ホットウォール蒸着法,イオンプ
レーティング法,クラスターイオンビーム法,イオンア
シスト蒸着法等),スパッタ法(2極スパッタ法,2極
マグネトロンスパッタ法,3極及び4極プラズマスパッ
タ法,反応スパッタ法,イオンビームスパッタ法等),
CVD(熱CVD,プラズマCVD,レーザーCVD,
有機金属CVD(MOCVD)等)等の公知の薄膜化法
により成膜して形成することができる。この中で好まし
いものとしては、下地の有機物に悪影響を及ぼすことの
少ない電子ビーム蒸着法や反応性蒸着法が挙げられる。
金属酸化物の層としての膜厚は、特に制限はないが、通
常は1nm〜500nm、好ましくは2nm〜25nm
である。膜厚を1nm未満にした場合は均一な薄膜が得
られず、500nmを超えると電力の消費が大きくな
る。
【0010】金属酸化物の成膜条件は、成膜に用いる蒸
着法及び金属酸化物によって異なる。例えば、金属酸化
物としてMgO,蒸着法として電子ビーム蒸着法を用い
た場合は、真空チャンバーの蒸着前の真空度を1×10
-2Pa以下、好ましくは6×10-3Pa以下とし、蒸着
速度を50nm/秒以下、好ましく1nm/秒以下とし
て、蒸着原料であるMgOに電子線(約4kVで加速)
を当て2600℃以上に加熱し蒸気を飛ばして成膜す
る。このときの基板温度は、200℃以下、好ましくは
100℃以下である。また、金属酸化物としてMgO,
蒸着法として反応性蒸着法を用いた場合は、真空チャン
バーの蒸着前の真空度を1×10-2Pa以下、好ましく
は6×10-3Pa以下とし、真空チャンバー内に酸素及
び/又は水蒸気を導入する。そのとき、真空チャンバー
内の圧力を7×10-3Pa以上、好ましくは1×10-2
Pa以上にした後、蒸着原料である金属Mgを1000
℃以下、好ましくは800℃以下に加熱し、蒸着速度を
50nm/秒以下、好ましく1nm/秒以下とする。こ
のときの基板温度は、200℃以下、好ましくは100
℃以下である。
【0011】本発明の有機EL素子は、上記のEgが4.
0eV以上の絶縁性の金属酸化物を発光層と陰極との間
に、挿入することを特徴とし、その他の素子の構成,形
状,大きさ等は、有機EL素子として機能する限り限定
されない。
【0012】また、本発明で用いる有機EL素子の有機
材料としては、種々のものがある。例えば、発光材料と
して使用可能な有機化合物としては、特に限定はない
が、ベンゾチアゾール系,ベンゾイミダゾール系,ベン
ゾオキサゾール系等の螢光増白剤、金属キレート化オキ
シノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物等を挙げる
ことができる。具体的に化合物名を示せば、例えば、特
開昭59−194393号公報に記載のものがあげられ
る。その代表例としては、2,5−ビス(5,7−ジ−
t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4
−チアジアゾール;4,4′−ビス(5,7−t−ペン
チル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン;4,4′
−ビス〔5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2
−ベンゾオキサゾリル〕スチルベン;2,5−ビス
(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリ
ル)チオフェン;2,5−ビス〔5−α,α−ジメチル
ベンジル〕−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン;
2,5−ビス〔5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチ
ル)−2−ベンゾオキサゾリル〕−3,4−ジフェニル
チオフェン;2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾオ
キサゾリル)チオフェン;4,4′−ビス(2−ベンゾ
オキサイゾリル)ビフェニル;5−メチル−2−〔2−
〔4−(5−メチル−2−ベンゾオキサイゾリル)フェ
ニル〕ビニル〕ベンゾオキサイゾリル;2−〔2−(4
−クロロフェニル)ビニル〕ナフト〔1,2−d〕オキ
サゾールなどのベンゾオキサゾール系、2,2′−(p
−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾールなど
のベンゾチアゾール系、2−〔2−[4−(2−ベンゾ
イミダゾリル)フェニル]ビニル〕ベンゾイミダゾー
ル;2−〔2−(4−カルボキシフェニル)ビニル〕ベ
ンゾイミダゾールなどのベンゾイミダゾール系などの螢
光増白剤が挙げられる。さらに他の有用な化合物は、ケ
ミストリー・オブ・シンセティック・ダイズ1971,
628〜637頁及び640頁に列挙されている。前記
金属キレート化オキシノイド化合物としては、例えば特
開昭63−295695号公報記載のものを用いること
ができる。その代表例としては、トリス(8−キノリノ
ール)アルミニウム;ビス(8−キノリノール)Mg;
ビス(ベンゾ〔f〕−8−キノリノール)亜鉛;ビス
(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウムオキ
シド;トリス(8−キノリノール)In;トリス(5−
メチル−8−キノリノール)アルミニウム;8−キノリ
ノールリチウム;トリス(5−クロロ−8−キノリノー
ル)ガリウム;ビス(5−クロロ−8−キノリノール)
カルシウム;ポリ〔亜鉛(II) −ビス (8−ヒドロキ
シ−5−キノリノニル)メタン〕などの8−ヒドロキシ
キノリン系金属錯体やジリチウムエピンドリジオンなど
が挙げられる。
【0013】また、スチリルベンゼン系化合物として
は、例えば欧州特許第0319881号明細書や欧州特
許第0373582号明細書に記載のものを用いること
ができる。その代表例としては、1,4−ビス(2−メ
チルスチリル)ベンゼン;1,4−(3−メチルスチリ
ル)ベンゼン;1,4−ビス−(4−メチルスチリル)
ベンゼン;ジスチリルベンゼン;1,4−ビス(2−エ
チルスチリル)ベンゼン;1,4−ビス(3−エチルス
チリル)ベンゼン;1,4−ビス(2−メチルスチリ
ル)2−メチルベンゼン;1,4−ビス(2−メチルス
チリル)−2−エチルベンゼン等が挙げられる。
【0014】また、特開平2−252793号公報に記
載のジスチリルピラジン誘導体を発光材料として用いる
ことができる。その代表例としては、2,5−ビス(4
−メチルスチリル)ピラジン;2,5−ビス(4−エチ
ルスチリル)ピラジン;2,5−ビス〔2−(1−ナフ
チル)ビニル〕ピラジン;2,5−ビス(4−メトキシ
スチリル)ピラジン;2,5−ビス〔2−(4−ビフェ
ニル)ビニル〕ピラジン;2,5−ビス〔2−(1−ピ
レニル)ビニル〕ピラジンなどが挙げられる。その他の
ものとして、例えば欧州特許第0387715号明細書
に記載のポリフェニル系化合物も発光材料として用いる
こともできる。
【0015】さらに、前記化合物以外に、例えば12−
フタロペリノン(J.Appl.Phys., 第27巻,L713
(1988年)) ;1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエ
ン;1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジ
エン(Appl.Phys.Lett.,第56巻,L799(1990
年));ナフタルイミド誘導体(特開平2−30588
6号公報);ペリレン誘導体(特開平2−189890
号公報);オキサジアゾール誘導体(特開平2−216
791号公報、また第38回応用物理学関係連合演会で
浜田らによって開示されたオキサジアゾール誘導体);
アルダジン誘導体(特開平2−220393号公報);
ピラジリン誘導体(特開平2−220394号公報);
シクロペンタジエン誘導体(特開平2−289675号
公報);ピロロピロール誘導体(特開平2−29689
1号公報);スチリルアミン誘導体(Appl.Phys.Lett.,
第56巻,L799(1990年))あるいはクマリン
系化合物(特開平2−191694号公報)を用いるこ
とができる。さらに、発光材料としては特願平2−24
8749号明細書及び特願平2−279304号明細書
で示された二量体化合物も挙げられる。発光材料として
は、さらに、国際特許WO90/13148や、Appl.P
hys.Lett.,vol 58,18,P1982(1991) に記載されているよ
うな高分子化合物も好ましい。本発明では、特に発光材
料として、芳香族ジメチリディン系化合物(欧州特許0
388768号明細書に記載のもの)を用いることが好
ましい。具体例としては、1,4−フェニレンジメチリ
ディン;4,4’−フェニレンジメチリディン;2,5
−キシリレンジメチリディン;2,6−ナフチレンジメ
チリディン;1,4−ビフェニレンジメチリディン;
1,4−p−テレフェニレンジメチリディン;9,10
−アセトラセンジイルジメチリディン等及びそれら誘導
体が挙げられる。
【0016】上記発光材料を用いた発光層の形成方法と
しては、例えば蒸着法,スピンコート法,キャスト法,
LB法などの公知の方法により薄膜化することにより形
成することができるが、特に分子堆積膜であることがよ
り好ましい。ここで分子堆積膜とは、該化合物の気相状
態から沈着され形成された薄膜や、該化合物の溶液状態
又は液相状態から固体化され形成された膜のことであ
り、通常この分子堆積膜はLB法により形成された薄膜
(分子累積膜)とは、凝集構造,高次構造の相異や、そ
れに起因する機能的な相異により区分することができ
る。また、該発光層は、特開昭57−51781号公報
などに開示されているように、樹脂などの結着剤と該化
合物とを溶剤に溶かして溶液としたのち、これをスピン
コート法などにより薄膜化し、形成することができる。
このようにして形成された発光層の膜厚については特に
制限はなく、適宜状況に応じて選ぶことができるが、通
常5nm〜5μmの範囲が好ましい。
【0017】本発明の有機EL素子における発光層は、
電界印加時に、陽極又は正孔注入層より正孔を注入する
ことができ、かつ陰極又は電子注入層より電子を注入す
ることができる注入機能、注入した電荷(電子と正孔)
を電界の力で移動させる輸送機能、電子と正孔の再結合
の場を提供し、これを発光につなげる発光機能などを有
している。なお、正孔の注入されやすさと、電子の注入
されやすさには違いがあっても構わない。また、正孔と
電子の移動度で表される輸送機能に大小があってもよい
が、どちらか一方を移動することが好ましい。
【0018】この有機EL素子における陽極としては、
仕事関数の大きい(4eV以上)金属,合金,電気伝導
性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好
ましく用いられる。このような電極物質の具体例として
はAuなどの金属,CuI,ITO,SnO2,ZnOな
どの誘電性透明材料が挙げられる。該陽極は、これらの
電極物質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄
膜を形成させることにより作製することができる。この
電極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より
大きくすることが望ましく、また、電極としてのシート
抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料に
もよるが、通常10nm〜1μm,好ましくは10〜2
00nmの範囲で選ばれる。
【0019】一方、陰極としては、仕事関数の小さい
(4eV以下)金属,合金,電気伝導性化合物及びこれ
らの混合物を電極物質とするものが用いられる。このよ
うな電極物質の具体例としては、Na,Na−K合金,
Mg,Li,Mg/Cu混合物,Al/Al2 3 混合
物,Inなどが挙げられる。該陰極は、これらの電極物
質を蒸着やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形
成させることにより、作製することができる。また、電
極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜
厚は通常10〜500nm,好ましくは50〜200n
mの範囲で選ばれる。なお、この有機EL素子において
は、該陽極又は陰極のいずれか一方が透明又は半透明で
あることが、発光を透過するため、発光の取出し効率が
よく好都合である。
【0020】本発明において、正孔注入層,電子注入層
は特に必要な有機EL素子の構成要素ではなく、用いて
も用いなくてもよい。ここで、正孔注入材料として使用
可能な化合物としては、特に制限はないが、前記の好ま
しい性質を有するものであればよく、従来、光導伝材料
において、正孔注入材料として慣用されているものや有
機EL素子の正孔注入層に使用される公知のものの中か
ら任意のものを選択して用いることができる。この正孔
注入材料は、正孔の注入,電子の障壁性のいづれかを有
するものであり、有機物あるいは無機物どちらでもよ
い。該正孔注入材料としては、例えばトリアゾール誘導
体(米国特許第3,112,197号明細書等参照),オキサジ
アゾール誘導体(米国特許第3,189,447 号明細書等参
照),イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号
公報等参照),ポリアリールアルカン誘導体(米国特許
第3,615,402 号明細書,同3,820,989 号明細書,同3,54
2,544 号明細書,特公昭45−555号公報,同51−
10983号公報,特開昭51−93224号公報,同
55−17105号公報,同56−4148号公報,同
55−108667号公報,同55−156953号公
報,同56−36656号公報等参照),ピラゾリン誘
導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729 号明
細書,同4,278,746 号明細書,特開昭55−88064
号公報,同55−88065号公報,同49−1055
37号公報,同55−51086号公報,同56−80
051号公報,同56−88141号公報,同57−4
5545号公報,同54−112637号公報,同55
−74546号公報等参照),フェニレンジアミン誘導
体(米国特許第3,615,404 号明細書,特公昭51−10
105号公報,同46−3712号公報,同47−25
336号公報,特開昭54−53435号公報,同54
−110536号公報,同54−119925号公報等
参照),アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450
号明細書,同3,180,703 号明細書,同3,240,597 号明細
書,同3,658,520 号明細書,同4,232,103 号明細書,同
4,175,961 号明細書,同4,012,376 号明細書,特公昭4
9−35702号公報,同39−27577号公報,特
開昭55−144250号公報,同56−119132
号公報,同56−22437号公報,西独特許第1,110,
518 号明細書等参照),アミノ置換カルコン誘導体(米
国特許第3,526,501 号明細書等参照),オキサゾール誘
導体(米国特許第3,257,203 号明細書などに記載のも
の),スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46
234号公報等参照),フルオレノン誘導体(特開昭5
4−110837号公報等参照),ヒドラゾン誘導体
(米国特許第3,717,462 号明細書,特開昭54−591
43号公報,同55−52063号公報,同55−52
064号公報,同55−46760号公報,同55−8
5495号公報,同57−11350号公報,同57−
148749号公報,特開平2−311591号公報等
参照),スチルベン誘導体(特開昭61−210363
号公報,同61−228451号公報,同61−146
42号公報,同61−72255号公報,同62−47
646号公報,同62−36674号公報,同62−1
0652号公報,同62−30255号公報,同60−
93445号公報,同60−94462号公報,同60
−174749号公報,同60−175052号公報等
参照)などを挙げることができる。さらに、正孔注入輸
送材料としては、シラザン誘導体(米国特許第4950
950号明細書),ポリシラン系(特開平2−2049
96号公報),アニリン系共重合体(特開平2−282
263号公報)、また特願平1−211399号明細書
で示された導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオ
リゴマーなどが挙げられる。
【0021】本発明においては、これらの化合物を正孔
注入材料として使用することができるが、次に示すポル
フィリン化合物(特開昭63−2956965号公報な
どに記載のもの)及び芳香族第三級アミン化合物及びス
チリルアミン化合物(米国特許第4,127,412 号明細書,
特開昭53−27033号公報,同54−58445号
公報,同54−149634号公報,同54−6429
9号公報,同55−79450号公報,同55−144
250号公報,同56−119132号公報,同61−
295558号公報,同61−98353号公報,同6
3−295695号公報等参照),特に該芳香族第三級
アミン化合物を用いることが好ましい。
【0022】該ポルフィリン化合物の代表例としては、
ポルフィン;1,10,15,20−テトラフェニル−
21H,23H−ポルフィン銅(II);1,10,1
5,20−テトラフェニル21H,23H−ポルフィン
亜銅(II);5,10,15,20−テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)−21H,23H−ポルフィン;
シリコンフタロシアニンオキシド;アルミニウムフタロ
シアニンクロリド;フタロシアニン(無金属);ジリチ
ウムフタロシアニン;銅テトラメチルフタロシアニン;
銅フタロシアニン;クロムフタロシアニン;亜鉛フタロ
シアニン;鉛フタロシアニン;チタニウムフタロシアニ
ンオキシド;Mgフタロシアニン;銅オクタメチルフタ
ロシアニンなどが挙げられる。また、該芳香族第三級ア
ミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例として
は、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−
ジアミノフェニル;N,N’−ジフェニル−N,N’−
ジ(3−メチルフェニル)−4,4’−ジアミノビフェ
ニル(TPDA);2,2−ビス(4−ジ−p−トリル
アミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p
−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,
N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノ
ビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−
ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタ
ン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニ
ルメタン;N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−
メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル;
N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジア
ミノジフェニルエーテル;4,4’−ビス(ジフェニル
アミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−
トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’
−〔4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベ
ン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニル
ビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4’−N,N−ジフ
ェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾー
ルなどが挙げられる。また、発光材料として示した前述
の芳香族ジメチリディン系化合物も使用可能できる。
【0023】本発明の有機EL素子における正孔注入層
は、上記化合物を、例えば真空蒸着法,スピンコート
法,キャスト法,LB法等の公知の薄膜化法により製膜
して形成することができる。正孔注入層としての膜厚
は、特に制限はないが、通常は5nm〜5μmである。
この正孔注入層は、これらの正孔注入輸送材料一種又は
二種以上からなる一層で構成されてもよいし、あるい
は、前記正孔注入層とは別種の化合物からなる正孔注入
層を積層したものであってもよい。
【0024】また、電子注入材料として使用可能な化合
物は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能
を有している。このような電子注入材料については、特
に制限はなく、従来公知の化合物の中から任意のものを
選択して用いることができる。例えば、ニトロ置換フル
オレノン誘導体、特開昭57−149259号,同58
−55450号,同63−104061号公報等に記載
されているアントラキノジメタン誘導体、Polymer Prep
rints, Japan Vol. 37, No.3 (1988),p.681 等に記載さ
れているジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシ
ド誘導体、ナフタレンペリレン等複素環テトラカルボン
酸無水物、カルボジイミド、JapaneaseJournal of Appl
ied Physics,27,L 269(1988) 、特開昭60−6965
7号,同61−143764号,同61−148159
号公報等に記載されているフレオレニリデンメタン誘導
体、特開昭61−225151号,同61−23375
0号公報等に記載されているアントラキノジメタン誘導
体及びアントロン誘導体、 Appl. Phys. Lett.,55,15,1
489 や前述の第38回応用物理学関係連合講演会で浜田
らによって開示されたオキサジアゾール誘導体、特開昭
59−194393号公報に記載されている一連の電子
伝達性化合物等が挙げられる。この公報では該物質は発
光層を形成する材料として開示されているが、我々は検
討の結果、本発明の電子注入層を形成する材料として用
いることができることがわかった。
【0025】また、8−キノリノール誘導体の金属錯体
で具体的には次に挙げる化合物、即ち、トリス(8−キ
ノリノール)アルミニウム,トリス(5,7−ジクロロ
−8−キノリノール)アルミニウム,トリス(5,7−
ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム,トリス
(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、なら
びにアルミニウム,In以外のMg,Cu,Ga,S
n,Pb錯体等がある。メタルフリーあるいはメタルフ
タロシアニン,またはそれらの末端がアルキル基,スル
ホン酸基等で置換されているものも望ましい。また、発
光材料として示したジスチリルピラジン誘導体も電子注
入材料として挙げられる。
【0026】電子注入層として使用可能な有機化合物と
しては、上記化合物を、例えば真空蒸着法,スピンコー
ト法,キャスト法,LB法等の公知の薄膜化法により製
膜して形成することができる。電子注入層としての膜厚
は、特に制限はないが、通常は5nm〜5μmである。
この電子注入層は、これらの電子注入材料1種又は2種
以上からなる一層で構成されてもよいし、あるいは、前
記層とは別種の化合物からなる電子注入層を積層したも
のであってもよい。さらに無機物であるp型−Si,p
型−SiCによる正孔注入輸送材料、n型−Si,n型
−SiCによる電子注入輸送材料を電子注入輸送材料と
して用いることができる。例えば、国際公開公報WO9
0/05998に開示されている無機半導体等が挙げら
れる。
【0027】次に、本発明の方法において有機EL素子
を作製する好適な例を説明する。本発明の素子構成とし
ては、陽極/発光層/MgO層/陰極,陽極/正孔注入
層/発光層/MgO層/陰極,陽極/発光層/電子注入
層/MgO層/陰極,陽極/発光層/MgO層/電子注
入層/陰極,陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/
MgO層/陰極,陽極/正孔注入層/発光層/MgO層
/電子注入層/陰極等が挙げられるが、ここでは、例え
ば、陽極/正孔注入層/発光層/MgO層/陰極からな
る有機EL素子の作製法について説明する。なお、Mg
Oに代えて他の金属酸化物、例えばBaO,CaO,N
iO等を用いることもできる。まず適当な基板上に、所
望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μ
m以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚にな
るように、蒸着やスパッタリングなどの方法により形成
させ、陽極を作製する。次に、この上に正孔注入輸送材
料からなる薄膜を形成し、正孔注入層を設ける。該正孔
注入輸送材料の薄膜化の方法としては、前記のごとくス
ピンコート法,キャスト法,蒸着法などがあるが、均質
な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくいな
どの点から、真空蒸着法が好ましい。該正孔注入材料の
薄膜化に、この蒸着法を採用する場合、その蒸着条件
は、使用する化合物の種類,分子堆積膜の目的とする結
晶構造,再結合構造などにより異なるが、一般にボート
加熱温度50〜450℃,真空度10-5〜10-3Pa,
蒸着速度0.01〜50nm/sec ,基板温度−50〜3
00℃,膜厚5nm〜5μmの範囲で適宜選ぶことが望
ましい。次に発光層の形成後、前述のMgO層を形成
し、その上に陰極用物質からなる薄膜を、10〜500
nm好ましくは 50〜200nmの範囲の膜厚になる
ように、例えば蒸着やスパッタリングなどの方法により
形成させ、陰極を設けることにより、所望の有機EL素
子が得られる。なお、この有機EL素子の作製において
は、作製順序を逆にして、陰極,MgO層,発光層,正
孔注入層,陽極の順に作製することも可能である。この
ようにして得られた有機EL素子に、直流電圧を印加す
る場合には、陽極を+,陰極を−の極性として電圧5〜
40V程度を印加すると、発光が観測できる。また、逆
の極性で電圧を印加しても電流は流れずに発光は全く生
じない。さらに、交流電圧を印加する場合には、陽極が
+,陰極が−の状態になったときのみ均一な発光をす
る。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。 実施例1 25mm×75mm×1.1mmのサイズの白板ガラス基
板上にITO電極を100nmの厚さで作製したものを
透明電極基板とした。この基板をイソプロピルアルコー
ルにて30分間超音波洗浄した後、純水で30分間超音
波洗浄し、さらにイソプロピルアルコールで30分間超
音波洗浄した。この透明電極基板を市販の蒸着装置(日
本真空技術社製)の基板ホルダに固定し、モリブデン製
の抵抗加熱ボートにN,N' −ジフェニル−N,N' −
ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニ
ル〕−4,4' −ジアミン(TPDA)を200mg入
れ、また別のモリブデン製のボートに4,4’−(2,
2’−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を
200mg入れて真空層を1×10-4Paまで減圧し
た。その後、TPDA入りの前記ボートを215〜22
0℃まで加熱し、蒸着速度0.1〜0.3nm/秒で透明電
極基板上に蒸着して、膜厚60nmの正孔注入層を製膜
した。この時の基板温度は室温であった。これを真空層
より取り出すことなく、正孔注入層の上に、もう一つの
ボートよりDPVBiを発光層として60nm積層蒸着
した。蒸着条件はボート温度が250℃で蒸着速度が0.
1〜0.2nm/秒、基板温度は室温であった。次にモリ
ブデン製の抵抗加熱ボートにMgリボン1gを入れ、ま
た別のモリブデン製の抵抗加熱ボートにインジウム(I
n)500mgを装着した。その後、真空層を2×10
-4Paまで減圧してから、真空槽内に酸素ガスを8×1
-2Paになるように導入し、Mgを入れたボートを加
熱してMg蒸気を発生させ蒸着速度0.05nm/秒で発
光層上に蒸着して、膜厚10nmの酸化物層を製膜し
た。さらに、再び真空層を2×10-4Paまで減圧して
から、Inの入ったボートを500℃まで加熱して、I
nを蒸着速度0.03〜0.08nm/秒で蒸着させ、同時
に抵抗加熱法により、もう一方のボートからMgの入っ
たボートを800℃まで加熱して、Mgを蒸着速度1.7
〜2.8nm/秒で蒸着した。以上の条件で、InとMg
の混合金属電極を発光層上に150nm積層蒸着し対向
電極とした。得られた有機EL素子のITOを陽極、M
g/In混合電極を陰極として、印加電圧30V,電流
密度300mA/cm2 で3000cd/m2 の輝度の
均一な青色発光を観察した。また、この有機EL素子は
印加電圧32.5Vで破壊した。
【0029】実施例2 発光層に2,5−ビス−(2,2’−ジパラトリルビニ
ル)キシレンを用い、MgO膜厚を20nmにした以外
は、実施例1と同様にして有機EL素子を作成した。こ
の有機EL素子のITOを陽極、Mg/In混合電極を
陰極として、印加電圧35V,電流密度360mA/c
2 で1722cd/m2 の輝度の均一な青緑色発光を
観察した。また、この有機EL素子は印加電圧40Vで
破壊した。
【0030】実施例3 発光層にトリス(8−キノリノール)アルミニウム(A
lq3 )を用いた以外は、実施例1と同様にして有機E
L素子を作成した。この有機EL素子のITOを陽極、
Mg/In混合電極を陰極として、印加電圧30V,電
流密度400mA/cm2 で5000cd/m2 の輝度
の均一な青緑色発光を観察した。また、この有機EL素
子は印加電圧35Vで破壊した。
【0031】実施例4 実施例1と同様にして発光層まで作成し、MgOのペレ
ットを同じ真空槽内にある電子ビーム蒸着器に取付け4
kVの加速電圧で電子をMgOのペレットにあて表面を
加熱し、蒸着速度0.05nm/秒で蒸着させ、膜厚10
nmの酸化物層を製膜した。この有機EL素子のITO
を陽極、Mg/In混合電極を陰極として、印加電圧3
0V,電流密度300mA/cm2 で2000cd/m
2 の輝度の均一な青色発光を観察した。また、この有機
EL素子は印加電圧35Vで破壊した。
【0032】実施例5 Mgの代わりにバリウム(Ba)を用いた以外は、実施
例1と同様にして有機EL素子を作成した。即ち、Mg
Oの代わりにBaOを、陰極と発光層の間に挿入した。
このBaOは、モリブデンのボートを800℃に加熱
し、蒸着速度0.05nm/秒で蒸着させて得られた。膜
厚は10nmであった。この有機EL素子のITOを陽
極、Mg/In混合電極を陰極として、印加電圧30
V,電流密度250mA/cm2 で1200cd/m2
の輝度の均一な青色発光を観察した。また、この有機E
L素子は印加電圧32.5Vで破壊した。
【0033】比較例1 MgO膜を設けなかった以外は、実施例1と同様にして
有機EL素子を作成した。この有機EL素子のITOを
陽極、Mg/In混合電極を陰極として、印加電圧12.
5V,電流密度1500mA/cm2 で1500cd/
2 の輝度の直径100μm程度のリング状の形状の青
色発光を観察した。また、この有機EL素子は印加電圧
15Vで破壊した。
【0034】参考例(MgO膜生成の確認)実施例1と
同じ条件で、真空チャンバーに酸素を導入し、金属Mg
を抵抗加熱して蒸発させ、チャンバー内で酸化し、Au
を蒸着させた(MgOの酸素とガラス基板の酸素との測
定混同を避けるため、ガラス基板と酸化物層の間にAu
を挿入した。)ガラス基板上に蒸着させ膜厚30nmの
膜を作成した。この膜をXPS(X線光電子分光法)で
分析した結果、Mgのピークのシフトと膜内のMgと酸
素の量の割合から、この膜はMgOであることを確認し
た。
【0035】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、発光層と
陰極の間に絶縁性(4.0eV以上)の金属酸化物層を挿
入してなる有機EL素子は、耐電圧性を向上させ、陰極
に用いる金属の付着性を改善させ均一発光を可能にし、
さらに広いエネルギーギャップ(4.0eV以上)の効果
により正孔障壁性を有し、電子と正孔の再結合性を高
め、発光効率を落とさず高効率の有機EL素子を得るこ
とができる。従って、本発明は、化学工業、特に表示素
子の分野で有効に利用することが期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−83635(JP,A) 特開 平2−288092(JP,A) 特開 平2−253593(JP,A) 特開 平4−87109(JP,A) 特開 平4−19993(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 33/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光層と陰極との間に、エネルギーギャ
    ップが4.0eV以上の絶縁性の金属酸化物を挿入してな
    る有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 【請求項2】 金属酸化物が、MgOである請求項1記
    載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 【請求項3】 発光層が、芳香族メチリディン化合物で
    ある請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素
    子。
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