JP4423701B2 - 有機el表示装置 - Google Patents

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    • H10K59/123Connection of the pixel electrodes to the thin film transistors [TFT]

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有機EL素子と駆動素子とを有する有機EL表示装置に関し、特に非単結晶半導体薄膜を基体とする薄膜トランジスタを用い、有機無機接合構造を有する有機EL素子を駆動する有機EL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機EL表示装置(ディスプレイ)において、X−Yマトリックス回路で単純駆動をさせ画像表示を行う技術が知られている(特開平2−37385号公報,特開平3−233891号公報など)。しかし、このような単純駆動では、線順次駆動を行うので、走査数が数百本と多い場合には、要求される瞬間輝度が観察される輝度の数百倍となるため、下記のような問題があった。
【0003】
(1)駆動電圧が高くなる。電圧は直流定常電圧下の場合の通常2〜3倍以上となるため効率が低下する。従って消費電力が大きくなる。
(2)瞬間的に流れる電流量が数百倍となるため、有機発光層が劣化しやすくなる。
(3)(2)と同様に通電電流が非常に大きいため、電極配線の電圧降下が問題となる。
【0004】
上記の(1)〜(3)を解決する手法として、下記のアクティブマトリックス駆動が提案されている。すなわち、蛍光体として無機物であるZnSを用い、さらにアクティブマトリックス駆動を行うディスプレイが開示されている(米国特許第4143297号)。しかし、この技術においては、無機蛍光体を用いるため駆動電圧が100V以上と高く問題となっていた。同様な技術は、IEEETransElectronDevices,802(1971)にも記載されている。一方、有機蛍光体を用いアクティブマトリックス駆動を行うディスプレイも最近、多数開発されている(特開平7−122360号公報,特開平7−122361号公報,特開平7−153576号公報,特開平8−54836号公報,特開平7−111341号公報,特開平7−312290号公報,特開平8−109370号公報,特開平8−129359号公報,特開平8−241047号公報および特開平8−227276号公報など)。上記の技術は、有機蛍光体を用いることにより駆動電圧が10V以下と大幅に低電圧化し、高効率な有機蛍光体を用いる場合には効率は3lm/w〜15lm/wの範囲で極めて高効率であること、また、単純駆動に比べて高精細ディスプレイの駆動電圧が1/2〜1/3となり、消費電力が低減できること等の優れた特徴があったが、下記の点が問題となっていた。
【0005】
図11,12はTFT駆動回路の従来例を示した図である。以下、図面に基づいてアクティブマトリクスの従来例を説明する。
【0006】
図11は、パネルブロック図であり、ディスプレイ(表示)パネル310には、ディスプレイ画面311、X軸のシフトレジスタ312、Y軸のシフトレジスタ313を有している。
【0007】
ディスプレイ画面311には、EL電源が供給されており、またX軸のシフトレジスタ312には、シフトレジスタ電源の供給とX軸同期信号の入力が行われる。さらにY軸のシフトレジスタ313には、シフトレジスタ電源の供給とY軸同期信号の入力が行われる。また、X軸のシフトレジスタ312の出力部に画像データ信号の出力を有している。
【0008】
図12は、図11のA部の拡大説明図であり、ディスプレイ画面311の1画素(点線の四角で示す)は、トランジスタが2個、コンデンサが1個、EL素子が1個により構成されている。
【0009】
この1画素の発光動作は、例えば、Y軸のシフトレジスタ313で選択信号y1の出力があり、またX軸のシフトレジスタ312で選択信号x1の出力があった場合、トランジスタTy11とトランジスタTx1がオンとなる。
【0010】
このため、画像データ信号−VLは、ドライブトランジスタM11のゲートに入力される。これにより、このゲート電圧に応じた電流がEL電源からドライブトランジスタM11のドレイン、ソース間に流れ、EL素子EL110が発光する。
【0011】
次のタイミングでは、X軸のシフトレジスタ12は、選択信号x1の出力をオフとし、選択信号x2を出力することになるが、ドライブトランジスタM11のゲート電圧は、コンデンサc11で保持されるため、次にこの画素が選択されるまでEL素子EL110の前記発光は、持続することになる。
【0012】
そのため、走査線数が増大して1つの画素に割り当てられる時間が少なくなっても、有機EL素子の駆動が影響を受けることはなく、表示パネルに表示される画像のコントラストが低下することもない。従って、アクティブマトリックス方式によれば、単純マトリックス方式に比べてはるかに高画質な表示が可能となる。
【0013】
ところで、有機EL素子の場合、電流駆動素子であることから発光輝度は加える電流密度に依存する。このため、同一画素面積で発光輝度を向上させようとする場合や、画面全体の高精細化を図るため画素数を多くした結果、1画素あたりの駆動時間(時分割時間)が減少し、これを補うためにさらに発光輝度を高めようとする場合などには駆動電流を増加させる必要がある。この場合、回路構成にもよるが、駆動電流を増加させようとすると必然的に駆動電圧も高くなってしまう。
【0014】
ところが、大電流、高電圧に対応したスイッチング素子を構成しようとすると、オフ時のリーク電流Ioff が増大してしまい、これが誤発光やコントラストの低下を生じる原因となっていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、比較的低い電圧で高輝度の発光が可能な有機EL素子を用いることで、誤発光や、コントラストの低下を防止し、しかも動作速度が速い有機EL表示装置を実現することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記目的は下記の構成により達成される。
(1) 制御電極と一組の被制御電極とが非単結晶シリコン基体に形成されているスイッチング素子と、
このスイッチング素子により駆動され、陽電極と陰電極と、これらの電極間に少なくとも発光機能に関与する有機層を有する有機EL素子とを有し、
この有機EL素子は、前記有機層と陰電極の間にホールをブロックするとともに電子を搬送するための導通パスを有する無機電子注入輸送層と、
前記有機層と陽電極との間に電子をブロックするとともにホールを搬送するための導通パスを有する無機ホール注入輸送層とを有し、
前記無機電子注入輸送層は、
第1成分として仕事関数4eV以下であって、アルカリ金属元素、およびアルカリ土類金属元素、およびランタノイド系元素から選択される1種以上の酸化物と、
第2成分として仕事関数3〜5eVの金属の1種以上とを含有し、
前記無機ホール注入輸送層は、
シリコンおよび/またはゲルマニウムの酸化物を主成分とし、この主成分を(Si1−XGe)Oと表したとき
0≦x≦1、
1.7≦y≦2.2
であり、さらに、仕事関数4.5eV以上の金属および/または金属の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物のいずれか1種以上を含有し、
前記無機ホール注入輸送層に含有される金属および/または金属の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物の含有量は、0.2〜40mol%である有機EL表示装置。
(2) 前記第2成分は、Zn,Sn,V,Ru,SmおよびInから選択される1種以上の元素である上記(1)の有機EL表示装置。
(3) 前記アルカリ金属元素は、Li,Na,K,Rb,CsおよびFrの1種以上であり、アルカリ土類金属元素は、Mg,CaおよびSrの1種以上であり、ランタノイド系元素はLaおよびCeから選択される1種以上を有する上記(1)または(2)の有機EL表示装置。
(4) 前記無機電子注入輸送層は、その抵抗率が1〜1×1011Ω・cmである上記(1)〜(3)のいずれかの有機EL表示装置。
(5) 前記無機電子注入輸送層は、第2成分を全成分に対して、0.2〜40 mol%含有する上記(1)〜(4)のいずれかの有機EL表示装置。
(6) 前記無機電子注入輸送層の膜厚は、0.2〜30nmである上記(1)〜(5)のいずれかの有機EL表示装置。
(7) 前記無機ホール注入輸送層は、抵抗率が1〜1×1011Ω・cmである上記(1)〜(6)のいずれかの有機EL表示装置。
【0017】
(8) 前記無機ホール注入輸送層に含有される金属は、Au,Cu、Fe、Ni、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,Ta,PdおよびCoのいずれか1種以上である上記(1)〜(7)のいずれかの有機EL表示装置。
(9) 前記無機ホール注入輸送層の膜厚は、0.2〜100nmである上記(1)〜()のいずれかの有機EL表示装置。
10) 前記スイッチング素子は薄膜トランジスタである上記(1)〜()のいずれかの有機EL表示装置。
11) 前記スイッチング素子は、非単結晶シリコン基体の活性層の膜厚が100〜800Åである上記(1)〜(10)のいずれかの有機EL表示装置。
12) 前記スイッチング素子は、S値が0.8(V/decade)以上である上記(1)〜(11)のいずれかの有機EL表示装置。
13) 前記スイッチング素子のオフ電流は、1×10−8 A以下である上記(1)〜(12)のいずれかの有機EL表示装置。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の有機EL表示装置は、制御電極と一組の被制御電極とが非単結晶シリコン基体に形成されているスイッチング素子と、このスイッチング素子により駆動され、陽電極と陰電極と、これらの電極間に少なくとも発光機能に関与する有機層を有する有機EL素子とを有し、この有機EL素子は、前記有機層と陰電極の間にホールをブロックするとともに電子を搬送するための導通パスを有する高抵抗の無機電子注入輸送層を有するか、前記有機層と陽電極との間に電子をブロックするとともにホールを搬送するための導通パスを有する高抵抗の無機ホール注入輸送層を有するか、これらのいずれも有するものである。
【0019】
このように、非単結晶シリコン基体に形成されているスイッチング素子により駆動される有機EL素子の少なくとも電子注入輸送層を、高抵抗の無機電子注入輸送層とするか、ホール注入輸送層を高抵抗の無機ホール注入輸送層とすることにより、駆動電圧が低下し、発光効率が向上して、比較的低い駆動電圧で明るい発光画面を得ることができる。
【0020】
本発明の有機EL素子は、発光機能に関与する有機層と陰電極との間に、高抵抗の無機電子注入輸送層を有する。
【0021】
このように、電子の導通パスを有し、ホールをブロックできる高抵抗の無機電子注入輸送層を無機発光層と陰電極との間に配置することで、有機層へ電子を効率よく注入することができ、発光効率が向上するとともに駆動電圧が低下する。
【0022】
また、好ましくは高抵抗の無機電子注入輸送層の第2成分を、全成分に対して0.2〜40 mol%含有させて導電パスを形成することにより、陰電極(電子注入電極)から発光層側の有機層へ効率よく電子を注入することができる。しかも、有機層から電子注入電極側へのホールの移動を抑制することができ、有機層、特に発光層でのホールと電子との再結合を効率よく行わせることができる。
【0023】
本発明の有機EL素子は、従来の有機EL素子や、LEDと同等かそれ以上の輝度が得られ、しかも、耐熱性、耐候性が高いので従来のものよりも寿命が長く、リークやダークスポットの発生もない。また、比較的高価な有機物質を用いることなく、安価で入手しやすく製造が容易な無機材料を用いているので製造コストを低減できる。
【0024】
高抵抗の無機電子注入輸送層は、その抵抗率が好ましくは1〜1×1011Ω・cm、特に1×103 〜1×108 Ω・cmである。高抵抗の無機電子注入輸送層の抵抗率を上記範囲とすることにより、高い電子ブロック性を維持したまま電子注入効率を飛躍的に向上させることができる。高抵抗の無機電子注入輸送層の抵抗率は、シート抵抗と膜厚からも求めることができる。
【0025】
高抵抗の無機電子注入輸送層は、好ましくは第1成分として仕事関数4eV以下、より好ましくは1〜4eVであって、
好ましくはLi,Na,K,Rb,CsおよびFrから選択される1種以上のアルカリ金属元素、または、
好ましくはMg,CaおよびSrから選択される1種以上のアルカリ土類金属元素、または、
好ましくはLaおよびCeから選択される1種以上のランタノイド系元素のいずれかの酸化物を含有する。これらのなかでも、特に酸化リチウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化セリウムが好ましい。これらを混合して用いる場合の混合比は任意である。また、これらの混合物中には酸化リチウムがLi2O換算で、50 mol%以上含有されていることが好ましい。
【0026】
高抵抗の無機電子注入輸送層は、さらに第2成分としてZn,Sn,V,Ru,SmおよびInから選択される1種以上の元素を含有する。この場合の第2成分の含有量は、好ましくは0.2〜40 mol%、より好ましくは1〜20 mol%である。含有量がこれより少ないと電子注入機能が低下し、含有量がこれを超えるとホールブロック機能が低下してくる。2種以上を併用する場合、合計の含有量は上記の範囲にすることが好ましい。第2成分は金属元素の状態でも、酸化物の状態であってもよい。
【0027】
高抵抗である第1成分中に導電性(低抵抗)の第2成分を含有させることにより、絶縁性物質中に導電物質が島状に存在するようになり、電子注入のためのホッピングパスが形成されるものと考えられる。
【0028】
上記第1成分の酸化物は通常化学量論組成(stoichiometric composition)であるが、これから多少偏倚して非化学量論的組成(non-stoichiometry)となっていてもよい。また、第2成分も、通常、酸化物として存在するが、この酸化物も同様である。
【0029】
高抵抗の無機電子注入輸送層には、他に、不純物として、Hやスパッタガスに用いるNe、Ar、Kr、Xe等を合計5at%以下含有していてもよい。
【0030】
なお、高抵抗の無機電子注入輸送層全体の平均値としてこのような組成であれば、均一でなくてもよく、膜厚方向に濃度勾配を有する構造としてもよい。
【0031】
高抵抗の無機電子注入輸送層は、通常、非晶質状態である。
【0032】
高抵抗の無機電子注入輸送層の膜厚としては、好ましくは0.2〜30nm、特に0.2〜20nm、さらには0.2〜10nm程度が好ましい。電子注入層がこれより薄くても厚くても、電子注入層としての機能を十分に発揮できなくなくなってくる。
【0033】
上記の高抵抗の無機電子注入輸送層の製造方法としては、スパッタ法、蒸着法などの各種の物理的または化学的な薄膜形成方法などが考えられるが、スパッタ法が好ましい。なかでも、上記第1成分と第2成分のターゲットを別個にスパッタする多元スパッタが好ましい。多元スパッタにすることで、それぞれのターゲットに好適なスパッタ法を用いることができる。また、1元スパッタとする場合には、第1成分と第2成分の混合ターゲットを用いてもよい。
【0034】
高抵抗の無機電子注入輸送層をスパッタ法で形成する場合、スパッタ時のスパッタガスの圧力は、0.1〜1Paの範囲が好ましい。スパッタガスは、通常のスパッタ装置に使用される不活性ガス、例えばAr,Ne,Xe,Kr等が使用できる。また、必要によりN2 を用いてもよい。スパッタ時の雰囲気としては、上記スパッタガスに加えO2 を1〜99%程度混合して反応性スパッタを行ってもよい。
【0035】
スパッタ法としてはRF電源を用いた高周波スパッタ法や、DCスパッタ法等が使用できる。スパッタ装置の電力としては、好ましくはRFスパッタで0.1〜10W/cm2 の範囲が好ましく、成膜レートは0.5〜10nm/min 、特に1〜5nm/min の範囲が好ましい。
【0036】
成膜時の基板温度としては、室温(25℃)〜150℃程度である。
【0037】
本発明の有機EL素子は、有機層と、ホール注入電極との間に、高抵抗の無機ホール注入輸送層を有する。
【0038】
このように、ホールの導通パスを有し、電子をブロックできる高抵抗の無機ホール注入輸送層を有機層と陽電極(ホール注入電極)との間に配置することで、有機層へホールを効率よく注入することができ、さらに発光効率が向上するとともに駆動電圧が低下する。
【0039】
また、好ましくは高抵抗の無機ホール注入輸送層の主成分としてシリコンや、ゲルマニウム等の金属または半金属の酸化物を用い、これに仕事関数4.5eV以上、好ましくは4.5〜6eVの金属や、半金属および/またはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物のいずれか1種以上を含有させて導電パスを形成することにより、ホール注入電極から無機発光層側へ効率よくホールを注入することができる。しかも、有機層からホール注入電極側への電子の移動を抑制することができ、有機層、特に発光層でのホールと電子との再結合を効率よく行わせることができる。
【0040】
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、その抵抗率が好ましくは1〜1×1011Ω・cm、特に1×103〜1×108Ω・cmである。高抵抗の無機ホール注入輸送層の抵抗率を上記範囲とすることにより、高い電子ブロック性を維持したままホール注入効率を飛躍的に向上させることができる。高抵抗の無機ホール注入輸送層の抵抗率は、シート抵抗と膜厚からも求めることができる。この場合、シート抵抗は4端子法等により測定することができる。
【0041】
主成分の材料は、シリコン、ゲルマニウムの酸化物であり、好ましくは
(Si1-xGex)Oyにおいて
0≦x≦1、
1.7≦y≦2.2、好ましくは1.7≦y≦1.99
である。高抵抗の無機ホール注入輸送層の主成分は、酸化ケイ素でも酸化ゲルマニウムでもよく、それらの混合薄膜でもよい。yがこれより大きくても小さくてもホール注入機能は低下してくる傾向がある。組成は、例えばラザフォード後方散乱、化学分析等で調べればよい。
【0042】
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、さらに主成分に加え、仕事関数4.5eV以上の金属(半金属を含む)の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物を含有することが好ましい。仕事関数4.5eV以上、好ましくは4.5〜6eVの金属は、好ましくはAu,Cu、Fe、Ni、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,Ta,PdおよびCoのいずれか1種また2種以上である。これらは一般に金属としてあるいは酸化物の形で存在する。また、これらの炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物であってもよい。これらを混合して用いる場合の混合比は任意である。これらの含有量は好ましくは0.2〜40 mol%、より好ましくは1〜20 mol%である。含有量がこれより少ないとホール注入機能が低下し、含有量がこれを超えると電子ブロック機能が低下してくる。2種以上を併用する場合、合計の含有量は上記の範囲にすることが好ましい。
【0043】
上記金属または金属(半金属を含む)の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物は、通常、高抵抗の無機ホール注入輸送層中に分散している。分散粒子の粒径としては、通常、1〜5nm程度である。この導体である分散粒子同士との間で高抵抗の主成分を介してホールを搬送するためのホッピングパスが形成されるものと考えられる。
【0044】
高抵抗の無機ホール注入輸送層には、他に、不純物として、Hやスパッタガスに用いるNe、Ar、Kr、Xe等を合計5at%以下含有していてもよい。
【0045】
なお、高抵抗の無機ホール注入輸送層全体の平均値としてこのような組成であれば、均一でなくてもよく、膜厚方向に濃度勾配を有する構造としてもよい。
【0046】
高抵抗の無機ホール注入輸送層は、通常、非晶質状態である。
【0047】
高抵抗の無機ホール注入輸送層の膜厚としては、好ましくは0.2〜100nm、より好ましくは0.2〜30nm、特に0.2〜10nm程度が好ましい。高抵抗の無機ホール注入輸送層がこれより薄くても厚くても、ホール注入輸送層としての機能を十分に発揮できなくなくなってくる。
【0048】
上記の高抵抗の無機ホール注入輸送層の製造方法としては、スパッタ法、蒸着法などの各種の物理的または化学的な薄膜形成方法などが考えられるが、スパッタ法が好ましい。なかでも、上記主成分と金属または金属酸化物等のターゲットを別個にスパッタする多元スパッタが好ましい。多元スパッタにすることで、それぞれのターゲットに好適なスパッタ法を用いることができる。また、1元スパッタとする場合には、主成分のターゲット上に上記金属または金属酸化物等の小片を配置し、両者の面積比を適当に調整することにより、組成を調整してもよい。
【0049】
高抵抗の無機ホール注入輸送層をスパッタ法で形成する場合、成膜条件等は上記高抵抗の無機電子注入輸送層の場合と同様である。
【0050】
電子注入電極としては、低仕事関数の物質が好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用いることが好ましい。合金系としては、例えばAg・Mg(Ag:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:0.01〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)、Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が挙げられる。なお、電子注入電極は蒸着法やスパッタ法でも形成することが可能である。
【0051】
電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.5nm以上、好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上とすればよい。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜厚は3〜500nm程度とすればよい。電子注入電極の上には、さらに補助電極ないし保護電極を設けてもよい。
【0052】
蒸着時の圧力は好ましくは1×10-8〜1×10-5Torrで、蒸発源の加熱温度は、金属材料であれば100〜1400℃、有機材料であれば100〜500℃程度が好ましい。
【0053】
ホール注入電極は、発光した光を取り出すため、透明ないし半透明な電極が好ましい。透明電極としては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ZnO、SnO2 、In2 3 等が挙げられるが、好ましくはITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウム)が好ましい。ITOは、通常In2 3 とSnOとを化学量論組成で含有するが、O量は多少これから偏倚していてもよい。ホール注入電極は、透明性が必要でないときは、不透明の公知の金属材質であってもよい。
【0054】
ホール注入電極の厚さは、ホール注入を十分行える一定以上の厚さを有すれば良く、好ましくは50〜500nm、さらには50〜300nmの範囲が好ましい。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、製造時の膜強度やホール輸送能力、抵抗値の点で問題がある。
【0055】
このホール注入電極層は蒸着法等によっても形成できるが、好ましくはスパッタ法、特にパルスDCスパッタ法により形成することが好ましい。
【0056】
有機EL素子の有機層は、次のような構成とすることができる。
発光層は、ホール(正孔)および電子の注入機能、それらの輸送機能、ホールと電子の再結合により励起子を生成させる機能を有する。発光層には、比較的電子的にニュートラルな化合物を用いることが好ましい。
【0057】
有機のホール注入輸送層は、ホール注入電極または高抵抗の無機ホール注入輸送層からのホールの注入を容易にする機能、ホールを安定に輸送する機能および電子を妨げる機能を有するものであり、有機の電子注入輸送層は、高抵抗の無機電子注入輸送層からの電子の注入を容易にする機能、電子を安定に輸送する機能およびホールを妨げる機能を有するものである。これらの層は、発光層に注入されるホールや電子を増大・閉じこめさせ、再結合領域を最適化させ、発光効率を改善する。
【0058】
発光層の厚さ、ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものではなく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0059】
有機のホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸送層の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光層の厚さと同程度または1/10〜10倍程度とすればよい。ホールまたは電子の各々の注入層と輸送層とを分ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は1nm以上とするのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上限は、通常、注入層で500nm程度、輸送層で500nm程度である。このような膜厚については、注入輸送層を2層設けるときも同じである。なお、本発明の素子は高抵抗の無機電子注入輸送層を有する場合には、有機の電子注入輸送層は必要ではなく、高抵抗の無機ホール注入輸送層を有する場合には有機のホール注入輸送層は必要ではない。
【0060】
有機EL素子の発光層には、発光機能を有する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−264692号公報に開示されているような化合物、例えばキナクリドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノリン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導体、特開平8−12969号公報(特願平6−114456号)のテトラアリールエテン誘導体等を用いることができる。
【0061】
また、それ自体で発光が可能なホスト物質と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントとしての使用が好ましい。このような場合の発光層における化合物の含有量は0.01〜20体積% 、さらには0.1〜15体積% であることが好ましい。特にルブレン系では、0.01〜20体積%であることが好ましい。ホスト物質と組み合わせて使用することによって、ホスト物質の発光波長特性を変化させることができ、長波長に移行した発光が可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上する。
【0062】
ホスト物質としては、キノリノラト錯体が好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このようなアルミニウム錯体としては、特開昭63−264692号、特開平3−255190号、特開平5−70733号、特開平5−258859号、特開平6−215874号等に開示されているものを挙げることができる。
【0063】
具体的には、まず、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネシウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メタン]等がある。
【0064】
このほかのホスト物質としては、特開平8−12600号公報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−12969号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラアリールエテン誘導体なども好ましい。
【0065】
発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これらの蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0066】
また、発光層は、必要に応じて、少なくとも1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、さらにはこの混合層中にドーパントを含有させることが好ましい。このような混合層における化合物の含有量は、0.01〜20体積% 、さらには0.1〜15体積% とすることが好ましい。
【0067】
混合層では、キャリアのホッピング伝導パスができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるため、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命がのびるという利点がある。また、前述のドーパントをこのような混合層に含有させることにより、混合層自体のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長を長波長に移行させることができるとともに、発光強度を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0068】
混合層に用いられるホール注入輸送性化合物および電子注入輸送性化合物は、各々、後述のホール注入輸送層用の化合物および電子注入輸送層用の化合物の中から選択すればよい。なかでも、ホール注入輸送層用の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例えばホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0069】
電子注入輸送性の化合物としては、キノリン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好ましい。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラアリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0070】
ホール注入輸送層用の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0071】
この場合の混合比は、それぞれのキャリア移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注入輸送性化合物の化合物/電子注入輸送機能を有する化合物の重量比が、1/99〜99/1、さらに好ましくは10/90〜90/10、特に好ましくは20/80〜80/20程度となるようにすることが好ましい。
【0072】
また、混合層の厚さは、分子層一層に相当する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好ましく、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすることが好ましい。
【0073】
また、混合層の形成方法としては、異なる蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同じ蒸着ボート内で混合させておき、蒸着することもできる。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ましいが、場合によっては、化合物が島状に存在するものであってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させてコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに形成する。
【0074】
ホール注入輸送層には、例えば、特開昭63−295695号公報、特開平2−191694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−234681号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−299174号公報、特開平7−126225号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−100172号公報、EP0650955A1等に記載されている各種有機化合物を用いることができる。例えば、テトラアリールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサジアゾール誘導体、ポリチオフェン等である。これらの化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用するときは、別層にして積層したり、混合したりすればよい。
【0075】
ホール注入輸送層をホール注入層とホール輸送層とに分けて積層する場合は、ホール注入輸送性の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いることができる。このとき、ホール注入電極(ITO等)側からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の順に積層することが好ましい。また、ホール注入電極表面には薄膜性の良好な化合物を用いることが好ましい。このような積層順については、ホール注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。このような積層順とすることによって、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポットの発生・成長を防ぐことができる。また、素子化する場合、蒸着を用いているので1〜10nm程度の薄い膜も均一かつピンホールフリーとすることができるため、ホール注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視部に吸収をもつような化合物を用いても、発光色の色調変化や再吸収による効率の低下を防ぐことができる。ホール注入輸送層は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着することにより形成することができる。
【0076】
電子注入輸送層には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノールまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体等を用いることができる。電子注入輸送層は発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用することが好ましい。電子注入輸送層の形成は、発光層と同様に、蒸着等によればよい。
【0077】
電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層とに分けて積層する場合には、電子注入輸送性の化合物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることができる。このとき、電子注入電極側から電子親和力の値の大きい化合物の順に積層することが好ましい。このような積層順については、電子注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。
【0078】
ホール注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できることから、真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法を用いた場合、アモルファス状態または結晶粒径が0.2μm 以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を超えていると、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を高くしなければならなくなり、電荷の注入効率も著しく低下する。
【0079】
真空蒸着の条件は特に限定されないが、10-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続して各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げるため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低くしたり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりすることができる。
【0080】
これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着することが好ましい。
【0081】
本発明のスイッチング素子は、制御電極と一組の被制御電極とがシリコン基体に形成され、有機EL素子を直接駆動する半導体であれば特に規制されるものではないが、表示装置として機能させるにはTFT(Thin Film Transistor)タイプのものが好ましい。
【0082】
本発明に用いられる基板は、絶縁性であり、石英、サファイア、ガラスのような透明材料であることが好ましい。ここで、透明とは、有機EL表示装置における実際的な使用に対して充分な光を透過する性質を有することを意味する。例えば、所望の発光波長帯域で50%以上の光を透過するものは透明と考えられる。また、低歪点ガラスとは、約700℃以上の温度で歪むガラスをいう。
【0083】
本発明において、薄膜トランジスター(TFT)は有機EL素子の駆動のために用いられる。
【0084】
本発明のスイッチング素子について、図1を参照しつつさらに具体的に説明する。図1は、有機EL素子を駆動するTFTアレイの一例を示した平面図である。
【0085】
図において、ソースバス11にはソース電極13が接続され、コンタクトホール13aを介してシリコン基体21上に形成されているソース部位と接続している。このシリコン基体21上には図示しない他の画素のTFT素子と共通に接続されているゲートバス12が形成されていて、このゲートバス12がシリコン基体21と交わる部分にゲート電極が形成される。
【0086】
ソース部位とゲート電極を挟んでシリコン基体上に形成されているドレイン部位にはコンタクトホール14aを介してドレイン配線14が接続されている。このドレイン配線14はコンタクトホール14bを介してゲートライン15と接続され、このゲートライン15はTFT2を構成するシリコン基体22上に形成されるとともに、キャパシタ18の一方の電極と接続されている。キャパシタ18の他方の電極はアースバス23と接続されるとともに、ソース電極17と接続され、このソース電極17はコンタクトホール17aを介してTFT1のソース部位と接続されている。ゲートライン15がシリコン素体22と交わる部位に、ゲート電極が形成されることとなる。
【0087】
ソース部位とゲート電極15を挟んでシリコン基体上に形成されているドレイン部位にはコンタクトホール16aを介してドレイン配線16が接続され、このドレイン配線16は画素となる有機EL素子の一方の電極を構成するか、それと接続されている。
【0088】
この有機EL素子を直接駆動するTFT1が本発明におけるスイッチング素子に相当する。
【0089】
このスイッチング素子の活性層は、例えば、n+ /i/n+ 領域が形成された部分であり、n+ はN型にドーピングされた部位,iはドーピングされていない部位を示す。この活性層のドーピングがされた部位はP型にドーピングされたP+であっても良い。この活性層は、好ましくはポリシリコンで形成される。ポリシリコンは、アモルファスSiに比べ通電に対し十分な安定性を示す。
【0090】
ポリシリコンの前駆体としてのα−Si層は、各種CVD法により積層しうるが、好ましくはプラズマCVD法により積層する。その後、KrF(248nm)レーザーなどのエキシマーレーザーによりアニールし、結晶化する。具体的な方法としては、SID´96,DigestoftechnicalpapersP17〜28に示されているような方法を用いるとよい。
【0091】
エキシマレーザーのアニーリングとしては、基板温度100〜300℃に維持するのが好ましく、100〜300mJ/cm2 のエネルギー量をもつレーザー光でアニール化するのが好ましい。
【0092】
このほかに、通常用いられている熱アニール法を用いて結晶化してもよい。また、熱アニール法とレーザーアニール法を併用することにより、さらに好ましい結果を得ることができる。
【0093】
活性処理されたポリシリコンには、900℃前後の加熱処理を経て形成されるシリコン薄膜(いわゆる高温ポリシリコン膜)や600℃以下の比較的低温で形成されるシリコン薄膜(いわゆる低温ポリシリコン膜)がある。本発明の活性層は、高温ポリシリコン、低温ポリシリコンのいずれであってもよい。
【0094】
活性層、すなわちα−Siの膜厚は100〜800Å、好ましくは300〜500Åである。
【0095】
活性層(ポリシリコン層)は、フォトリソグラフィにより、スイッチング素子として必要な構成となるようアイランドにパターン化される。
【0096】
用いられる基板は、絶縁性を有する石英、セラミック、サファイア、ガラス等を用いることができるが、好ましくは低歪点ガラスのような高価でない材料である。ガラス基板が用いられるときにはTFT−ELの製造全体がガラスの溶融または歪みを回避し、能動領域内にドーパントの外側拡散(out−diffusion)を回避するため、アニーリングは低プロセス温度で実施される。このようにしてガラス基板に対して全ての製造段階は800℃以下、好ましくは600℃以下でなされなければならない。
【0097】
また、制御電極を構成するため、好ましくは絶縁ゲート材料がポリシリコンアイランド上および絶縁基板の表面にわたり積層される。絶縁材料は好ましくはプラズマCVD(PECVD)または減圧CVD(LPCVD)のような化学蒸着(CVD)により積層される二酸化シリコン(SiO2 )である。ゲート酸化物絶縁層の厚さは好ましくは約50〜200nmである。基板温度としては250〜400℃が好ましくさらに高品質の絶縁ゲート材料を得るためにはアニールを300〜600℃で1〜3時間程度施すのが好ましい。
【0098】
さらに、制御電極として、例えばゲート電極を蒸着またはスパッタリング等により形成し、ゲート電極をパターンニングする。ゲート電極の好ましい膜厚は100〜500nmである。
【0099】
好ましいゲート形成方法としてはゲートとしてポリシリコンを用いる次の技術がある。
【0100】
<n型Pドープポリシリコン>
ゲート電極は、プラズマCVD法でPドープのα−Siを形成し、これを600℃アニールにより多結晶化させ、n型の多結晶Siとし、ホトリソグラフィーの手法を用いてパターニングする。
【0101】
必要により、信号電極線および走査電極線を形成してもよい。Al合金,Al,Cr,W,Moなどの金属線をフォトリソグラフィにより形成する。
【0102】
また、Alゲートを使用するときは、絶縁するために陽極酸化を2回にわたり行うのが好ましい。陽極酸化に関しては特公平8−15120号公報に詳細に開示されている。
【0103】
さらに、イオンドーピングによりn+ またはP+ の部位を形成する。
【0104】
被制御電極としてのドレイン,ソースなどのコンタクトは、上記絶縁膜を開口した箇所で行う。上記絶縁膜の内、SiO2 は、例えばTEOS(テトラエトキシシラン)をガスとして基板温度250〜400℃の間に設定しPECVDにより得ることができる。またECR−CVDで基板温度を100〜300℃としても得ることができる。
【0105】
層間絶縁膜は、例えば、下記の方法で形成することができる。
プラズマエッチングによるエッチバック法各種CVD法,プラズマCVD,PECVD(プラズマインハンスドCVD),LPCVD(減圧CVD)法などによりSiO2 シリカを好ましくは0.2μm〜3μm成膜する。
【0106】
この方法により平坦化された層間絶縁膜(SiO2 )を得ることができる。この方法には、シリカの他,PSG,BSG(リンシリカガラス,ボロンシリカガラス)を用いることもできるし、Si34 などチッ化シリコン系化合物を用いることがもできる。
以上のようにして、スイッチング素子が形成される。
【0107】
スイッチング素子のオフ電流は、1×10-8 A以下、特に1×10-10 A以下である。その下限としては特に規制されるものではなく、少ないほど好ましいが、通常、1×10-13 A、好ましくは1×10-14 A程度である。オフ電流が多くなると、誤発光やコントラストの低下を招く。
【0108】
スイッチング素子の電界移動度は、好ましくは60(cm2 /V・sec)以下、特に30〜50(cm2 /V・sec)である。
【0109】
次に、本発明のスイッチング素子のより具体的な構成、およびその製造工程について図を参照しつつ説明する。
【0110】
先ず、図2に示すように、基板101上にスパッタ法、各種CVD法、好ましくはプラズマCVD法等により、α−Si層102を積層する。
【0111】
その後、図3に示すように、エキシマレーザー115等によりアニール、結晶化を行い、活性層102aを形成する。
【0112】
さらに、図4に示すように、結晶化された活性層(ポリシリコン層)102aをフォトリソグラフィによりアイランドにパターン化する。
【0113】
次に、図5に示すように、絶縁ゲート103をポリシリコンアイランド102a上および絶縁基板101の表面にわたり積層する。基板温度としては250〜400℃が好ましくさらに高品質の絶縁ゲート材料を得るためにはアニールを300〜600℃で1〜3時間程度施すのが好ましい。
【0114】
次に、図6に示すように、ゲート電極104を蒸着またはスパッタリングで成膜する。
【0115】
次いで、図7に示すように、ゲート電極104をパターニングし、パターニングされたゲート電極104上からイオンドーピング116を行い、n+ またはP+ の部位を形成し、さらに、信号電極線および走査電極線をフォトリソグラフィーにより形成する。
【0116】
次いで、ドレイン,ソースなどのコンタクトを形成する。コンタクトは、絶縁膜111を開口した箇所で行う。先ず、常圧CVD法により、層間絶縁層としてSiO2 膜を成膜する。次いで、層間絶縁層をエッチングしてコンタクトホールを形成し、ドレイン、ソース接続部を開口する。
【0117】
開口したドレイン、ソース接続部に、それぞれドレイン配線電極112、ソース配線電極113を成膜して、ドレイン、ソース電極と接続する。この場合、ドレイン、ソース電極のいずれか一方が、有機EL素子の第1の電極、または第2の電極として機能するか、これと接続される。図示例ではホール注入電極であるITO(115)と接続される。さらに、ドレイン配線電極112上に絶縁膜114を形成し、同時に画素部分以外を覆うエッジカバーを形成して図8に示すようなスイッチング素子を得る。
【0118】
なお、ホール注入電極等、有機EL素子の電極との接続には、例えば図9に示すように配線電極113と、ホール注入電極115との間に両者の接続性を向上させるために、TiN等の接続金属層116を形成するとよい。
【0119】
次に、本発明における有機EL素子の構成について説明する。有機EL素子は、第1の電極と、第2の電極との間に、少なくとも発光機能に関与する有機物質を含有する有機層を有する。そして、第1の電極と、第2の電極とから与えられる電子・ホールが、有機層中で再結合することにより発光する。
【0120】
第1の電極、および第2の電極は、いずれをホール注入電極、電子注入電極としてもよいが、通常、基板側の第1の電極がホール注入電極となり、第2の電極は電子注入電極となる。
【0121】
より具体的には、例えば、図10に示すように、スイッチング素子と接続されている陽電極(ホール注入電極)201と、高抵抗の無機ホール注入輸送層202と、発光層203と、高抵抗の無機電子注入輸送層204と、陰電極(電子注入電極)205とを順次有する。これらの積層順は逆であってもよいし、陰電極(電子注入電極)側をスイッチング素子と接続するようにしてもよい。いずれの構成態様を選択するかは、表示装置に求められる性能や、設計上要求される表示装置の特性などにより適宜選択すればよい。
【0122】
基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコントロールしてもよい。
【0123】
色フィルター膜には、液晶ディスプレイ等で用いられているカラーフィルターを用いれば良いが、有機EL素子の発光する光に合わせてカラーフィルターの特性を調整し、取り出し効率・色純度を最適化すればよい。
【0124】
また、EL素子材料や蛍光変換層が光吸収するような短波長の外光をカットできるカラーフィルターを用いれば、素子の耐光性・表示のコントラストも向上する。
【0125】
また、誘電体多層膜のような光学薄膜を用いてカラーフィルターの代わりにしても良い。
【0126】
蛍光変換フィルター膜は、EL発光の光を吸収し、蛍光変換膜中の蛍光体から光を放出させることで、発光色の色変換を行うものであるが、組成としては、バインダー、蛍光材料、光吸収材料の三つから形成される。
【0127】
蛍光材料は、基本的には蛍光量子収率が高いものを用いれば良く、EL発光波長域に吸収が強いことが望ましい。実際には、レーザー色素などが適しており、ローダミン系化合物・ペリレン系化合物・シアニン系化合物・フタロシアニン系化合物(サブフタロシアニン等も含む)ナフタロイミド系化合物・縮合環炭化水素系化合物・縮合複素環系化合物・スチリル系化合物・クマリン系化合物等を用いればよい。
【0128】
バインダーは、基本的に蛍光を消光しないような材料を選べば良く、フォトリソグラフィー・印刷等で微細なパターニングが出来るようなものが好ましい。また、基板上にホール注入電極と接する状態で形成される場合、ホール注入電極(ITO、IZO)の成膜時にダメージを受けないような材料が好ましい。
【0129】
光吸収材料は、蛍光材料の光吸収が足りない場合に用いるが、必要のない場合は用いなくても良い。また、光吸収材料は、蛍光性材料の蛍光を消光しないような材料を選べば良い。
【0130】
本発明における有機EL素子は、通常、直流駆動型、パルス駆動型のEL素子として用いられる。印加電圧は、通常、2〜30V 程度とされる。
【0131】
【実施例】
コーニング製1737耐熱性無アルカリガラス基板の上にアモルファス・シリコン層を約600Åの厚さでCVD法により成膜した。この成膜条件は、下記の通りである。
Si26 ガス:100SCCM、圧力:0.3Torr、温度:480℃。
【0132】
それからこのアモルファス・シリコン層を固相成長させて活性層(ポリシリコン層)とした。この固相成長は、熱アニールとレーザーアニールを併用した。その条件は下記の通りである。
【0133】
<熱アニール>
2 :1SLM、温度:600℃、処理時間:24時間
【0134】
<レーザーアニール>
KrF:254nm、エネルギー密度:200mJ/cm2 、ショット数:50
次いで、このポリシリコン層をパターニングして活性シリコン層:500Åを得た。
【0135】
この活性シリコン層の上にゲート酸化膜となるSiO2 層を、例えばプラズマCVD法により、約800Å成膜した。成膜条件は例えば下記の通りである。
投入パワー:50W、TEOS(テトラエトキシシラン)ガス:50SCCM、O2 :500SCCM、圧力:0.1〜0.5Torr、温度:350℃。
【0136】
このSiO2 層の上に、ゲート電極となるMo−Si2 層を、スパッタ法により、約1000Å成膜した。それからこのMo−Si2 層および上記で形成したSiO2 層を、例えばドライエッチングによりパターニングし、ゲート電極およびゲード酸化膜を得た。
【0137】
次いで、このゲート電極をマスクとしてシリコン活性層のソース・ドレイン領域となるべき部分にイオンドーピング法により、N型の不純物:Pをドーピングした。
【0138】
次に、これを窒素雰囲気中で約550℃で10時間加熱して、ドーパントの活性化を行った。さらに、水素雰囲気中で約400℃で30分加熱処理して水素化を行い、半導体の欠陥準位密度を減少させた。
【0139】
そして、この基板全体に層間絶縁層となるSiO2 層を、厚さ約8000Å成形した。この層間絶縁層となるSiO2 の成膜条件は、以下の通りである。
2/N2 :10SLM
5%SiH4/N2 :1SLM
1%PH3/N2 :500SCCM
2 :10SLM
温度:410℃
圧力:大気圧
【0140】
この層間絶縁層となるSiO2 膜をエッチングし、コンタクト用のホールを形成した。次いで、ドレイン、ソース配線電極としてAlを蒸着した。
【0141】
得られたTFTアレイのS値は1.0(V/decade)、オフ電流は4×10ー 10 Aであった。
【0142】
次に、有機EL素子の形成領域にホール注入電極となるITOを成膜し、前記配線電極と接続した。
【0143】
以上のように作製された、本発明サンプルTFT薄膜パターンの画素領域(ITO上)に高抵抗の電子注入輸送層および/または高抵抗の電子注入輸送層、発光層を含む有機層を真空蒸着法により成膜した。成膜した材料は以下の通りである。ここでは一例のみを挙げるが、本発明はその概念から明らかなように、蒸着法で形成可能であれば成膜材料によらずに適用できる。
【0144】
ITO電極層等が形成された基板の表面をUV/O3 洗浄した後、スパッタ装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10-4Pa以下まで減圧した。
【0145】
減圧を保ったまま、N,N,N’,N’−テトラキス(m−ビフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)を全体の蒸着速度0.2nm/secとして200nmの厚さに蒸着し、ホール注入輸送層とした。
【0146】
さらに、減圧を保ったまま、N,N,N’,N’−テトラキス(m−ビフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)と、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq3 )と、ルブレンとを、全体の蒸着速度0.2nm/secとして100nmの厚さに蒸着し、発光層とした。TPD:Alq3=1:1(体積比)、この混合物に対してルブレンを10vol%ドープした。
【0147】
次いで、基板をスパッタ装置に移し、Li2OにVを4 mol%混合したターゲットを用い、高抵抗の無機電子注入層を10nmの膜厚に成膜した。このときのスパッタガスはAr:30sccm、O2:5sccmで、室温(25℃)下、成膜レート1nm/min 、動作圧力0.2〜2Pa、投入電力500Wとした。成膜した無機電子注入層の組成は、ターゲットとほぼ同様であった。
【0148】
次いで、減圧を保ったまま、Alを100nmの厚さに蒸着し、陰電極とし、最後にガラス封止して有機EL素子を得た。
【0149】
得られた有機EL表示装置を空気中で、10mA/cm2 の定電流密度で駆動したところ、1素子(画素)当りの初期輝度は900cd/m2 、駆動電圧7.5V であった。
【0150】
また、4端子法により高抵抗の無機電子注入層のシート抵抗を測定したところ、膜厚100nmでのシート抵抗は10 kΩ/cm2 であり、抵抗率に換算すると1×109 Ω・cmであった。
【0151】
<実施例2>
実施例1において、Li2OからNa,K,Rb,CsおよびFrのアルカリ金属元素、またはBe,Mg,Ca,Sr,BaおよびRaのアルカリ土類金属元素、またはLa,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuのランタノイド系元素から選択される1種以上の酸化物に代えても同様の結果が得られた。
【0152】
また、VからRu,Zn,SmおよびInから選択される1種以上の元素に代えても同様であった。
【0153】
<実施例3>
実施例1,2において、ホール注入輸送層を成膜する際に、基板をスパッタ装置に移し、ターゲットにSiO2 と、この上に所定の大きさのAuのペレットを配置して用い、高抵抗の無機ホール注入層を20nmの膜厚に成膜した。このときのスパッタガスはAr:30sccm、O2:5sccmで、室温(25℃)下、成膜レート1nm/min 、動作圧力0.2〜2Pa、投入電力500Wとした。成膜した無機ホール注入層の組成は、SiO1.9にAuを4 mol%含有するものであった。
【0154】
その他は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。得られた有機EL表示装置を実施例1と同様にして10mA/cm2 の定電流密度で駆動したところ、1素子当りの初期輝度は950cd/m2 、駆動電圧7V であった。
【0155】
また、高抵抗の無機ホール注入層を形成する際に、スパッタガスのO2流量、および膜組成によりターゲットを変えてその組成をSiO1.7 、SiO1.95、GeO1.96、Si0.5Ge0.51.92とした他は上記と同様にして有機EL素子を作製し、発光輝度を評価したところほぼ同様の結果が得られた。
【0156】
<実施例3>
実施例1,2において、高抵抗の無機ホール注入輸送層を成膜する際、ターゲットにGeO2と、このターゲット上に所定の大きさのAuのペレットを配置し、高抵抗の無機ホール注入輸送層を20nmの膜厚に成膜した。このときのスパッタガスはAr:30sccm、O2:5sccmで、室温(25℃)下、成膜レート1nm/min 、動作圧力0.2〜2Pa、投入電力500Wとした。成膜した無機ホール注入輸送層の組成は、GeO2にAuを2 mol%含有するものであった。
【0157】
その他は実施例1と同様にして有機EL表示装置を得た。得られた素子を実施例1と同様にして評価したところ、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
【0158】
<実施例4>
実施例1,2において、高抵抗の無機ホール注入輸送層を成膜する際にスパッタガスのO2流量、および膜組成によりターゲットを変えてその主成分の組成をSiO1.7、SiO1.95、GeO1.96、Si0.5Ge0.51.92とした他は実施例1と同様にして発光ダイオードを作製し、発光輝度を評価したところほぼ同等の結果が得られた。
【0159】
<実施例5>
実施例1,2において、高抵抗の無機ホール注入輸送層の金属を、AuからCu、Fe、Ni、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,Ta,PdおよびCoのいずれか1種以上、またはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物、硼化物に代えても同等の結果が得られた。
【0160】
<実施例6>
実施例1において、高抵抗の無機ホール注入輸送層を成膜する際に、これに換えてターゲットにSiO2 を用い、無機絶縁性ホール注入層を2nmの膜厚に成膜した。このときのスパッタガスはArに対しO2 を5%混入して用いた、基板温度25℃、成膜レート1nm/min 、動作圧力0.5Pa、投入電力5W/cm2 とした。成膜したホール注入層の組成は、SiO1.9 であった。
【0161】
その他は、実施例1と同様にして有機EL表示装置を得た。得られた有機EL表示装置を実施例1と同様にして評価したところ、ほぼ同様の結果が得られた。
【0162】
本発明はその趣旨から明らかなようにこの実施例で用いた有機EL素子構成膜およびその積層順序に限るものではなく、ホール注入層、発光層、第2の電極、配線電極に他の材料を用いてもよく、ホール注入層、電子輸送層、電子注入層などをさらに形成し多層構造としても良い。言い換えると成膜される材料の種類、構造によらず適用できる。
【0163】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、比較的低い電圧で高輝度の発光が可能な有機EL素子を用いることで、誤発光や、コントラストの低下を防止し、しかも動作速度が速い有機EL表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL表示装置の一例を示す平面図である。
【図2】本発明の有機EL表示装置の一製造工程を示す一部断面図である。
【図3】本発明の有機EL表示装置の一製造工程を示す一部断面図である。
【図4】本発明の有機EL表示装置の一製造工程を示す一部断面図である。
【図5】本発明の有機EL表示装置の一製造工程を示す一部断面図である。
【図6】本発明の有機EL表示装置の一製造工程を示す一部断面図である。
【図7】本発明の有機EL表示装置の一製造工程を示す一部断面図である。
【図8】本発明の有機EL表示装置の一製造工程を示す一部断面図である。
【図9】本発明の有機EL表示装置の一製造工程を示す一部断面図である。
【図10】本発明の有機EL素子の構成例を示す概略断面図である。
【図11】有機EL表示装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】図11のA部拡大図である。
【符号の説明】
1 ゲート
2 シリコン基体
11 ソースバス
12 ゲートバス
13 ソース電極
14 ドレイン電極
15 ゲートライン
16 ドレイン電極
17 ソース電極
18 キャパシタ
21、22 シリコン基体
101 基板
102 アモルファスシリコン層
102a 活性層
103 ゲート酸化膜
104 ゲート電極
105 絶縁膜
106 レジスト

Claims (13)

  1. 制御電極と一組の被制御電極とが非単結晶シリコン基体に形成されているスイッチング素子と、
    このスイッチング素子により駆動され、陽電極と陰電極と、これらの電極間に少なくとも発光機能に関与する有機層を有する有機EL素子とを有し、
    この有機EL素子は、前記有機層と陰電極の間にホールをブロックするとともに電子を搬送するための導通パスを有する無機電子注入輸送層と、
    前記有機層と陽電極との間に電子をブロックするとともにホールを搬送するための導通パスを有する無機ホール注入輸送層とを有し、
    前記無機電子注入輸送層は、
    第1成分として仕事関数4eV以下であって、アルカリ金属元素、およびアルカリ土類金属元素、およびランタノイド系元素から選択される1種以上の酸化物と、
    第2成分として仕事関数3〜5eVの金属の1種以上とを含有し、
    前記無機ホール注入輸送層は、
    シリコンおよび/またはゲルマニウムの酸化物を主成分とし、この主成分を(Si1−XGe)Oと表したとき
    0≦x≦1、
    1.7≦y≦2.2
    であり、さらに、仕事関数4.5eV以上の金属および/または金属の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物のいずれか1種以上を含有し、
    前記無機ホール注入輸送層に含有される金属および/または金属の酸化物、炭化物、窒化物、ケイ化物および硼化物の含有量は、0.2〜40mol%である有機EL表示装置。
  2. 前記第2成分は、Zn,Sn,V,Ru,SmおよびInから選択される1種以上の元素である請求項1の有機EL表示装置。
  3. 前記アルカリ金属元素は、Li,Na,K,Rb,CsおよびFrの1種以上であり、アルカリ土類金属元素は、Mg,CaおよびSrの1種以上であり、ランタノイド系元素はLaおよびCeから選択される1種以上を有する請求項1または2の有機EL表示装置。
  4. 前記無機電子注入輸送層は、その抵抗率が1〜1×1011Ω・cmである請求項1〜3のいずれかの有機EL表示装置。
  5. 前記無機電子注入輸送層は、第2成分を全成分に対して、0.2〜40 mol%含有する請求項1〜4のいずれかの有機EL表示装置。
  6. 前記無機電子注入輸送層の膜厚は、0.2〜30nmである請求項1〜5のいずれかの有機EL表示装置。
  7. 前記無機ホール注入輸送層は、抵抗率が1〜1×1011Ω・cmである請求項1〜6のいずれかの有機EL表示装置。
  8. 前記無機ホール注入輸送層に含有される金属は、Au,Cu、Fe、Ni、Ru、Sn,Cr,Ir,Nb,Pt,W,Mo,Ta,PdおよびCoのいずれか1種以上である請求項1〜7のいずれかの有機EL表示装置。
  9. 前記無機ホール注入輸送層の膜厚は、0.2〜100nmである請求項1〜のいずれかの有機EL表示装置。
  10. 前記スイッチング素子は薄膜トランジスタである請求項1〜のいずれかの有機EL表示装置。
  11. 前記スイッチング素子は、非単結晶シリコン基体の活性層の膜厚が100〜800Åである請求項1〜10のいずれかの有機EL表示装置。
  12. 前記スイッチング素子は、S値が0.8(V/decade)以上である請求項1〜11のいずれかの有機EL表示装置。
  13. 前記スイッチング素子のオフ電流は、1×10−8 A以下である請求項1〜12のいずれかの有機EL表示装置。
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