WO2011040238A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた表示装置並びに有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能層103において使用される無機化合物層に2種の金属化合物の勾配を設けることにより、それ以降の工程に対する十分な環境耐性、溶剤耐性を持ち、且つ高発光効率、高発光輝度、長寿命を両立することができる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。 【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子が、基板101と、前記基板上に設けられた第一電極102と、前記第一電極上に設けられた少なくとも有機発光層104とその他の1層以上の機能層103を含む発光媒体層105と、前記発光媒体層105を挟んで前記第一電極102と対向する第二電極106とを有す有機EL素子において、第一電極102と有機発光層104の間に形成される機能層103の内1層以上において、2種類の金属化合物の混合膜を持ち、第一金属化合物と第二金属化合物の混合割合が膜厚方向に勾配の有る層を有すること。

Description

有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた表示装置並びに有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略す)素子及びそれらを有する表示装置とその製造方法に関するものである。
有機EL素子は、陽極としての電極と、陰極としての電極との間に、少なくともエレクトロルミネッセンス現象を呈する有機発光層を挟持してなる構造を有し、電極間に電圧が印加されると、有機発光層に正孔と電子が注入され、この正孔と電子とが有機発光層で再結合することにより、有機発光層が発光する自発光型の素子である。
さらに、発光効率を増大させるなどの目的から、陽極と有機発光層との間に正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層や、有機発光層と陰極との間に正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層などが適宜選択して設けられている。そして、有機発光層とこれら正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層などを合わせて発光媒体層と呼ばれている。
これら発光媒体層の各層は、有機材料や無機材料からなる。有機材料には分類上では低分子系材料と高分子系材料がある。
低分子系材料を用いた例としては、例えば、正孔注入層に銅フタロシアニン(CuPc)、正孔輸送層にN,N’―ジフェニル ―N,N’―ビス(3―メチルフェニル)―1,1’―ビフェニル―4,4’ジアミン(TPD)、有機発光層にトリス(8―キノリノール)アルミニウム(Alq3)、電子輸送層に2―(4―ビフェニリル)―5―(4―tert―ブチル―フェニル)―1,3,4,―オキサジゾール(PBD)、電子注入層にLiFなどを用いたものが挙げられる。
これら低分子系材料よりなる発光媒体層の各層は、一般に0.1~200nm程度の厚みで、主に抵抗加熱方式などの真空蒸着法やスパッタ法などの真空中の乾式法(ドライプロセス)によって成膜されている。
また、低分子系材料は種類が豊富で、その組み合わせによって発光効率や発光輝度、寿命などの向上が期待されている。
高分子系材料としては、例えば、有機発光層に、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾールなどの高分子中に低分子の発光色素を溶解させたものや、ポリフェニレンビニレン誘導体(以下、PPVと略す)、ポリアルキルフルオレン誘導体(以下、PAFと略す)等の高分子蛍光体、希土類金属系等の高分子燐光体が用いられている。
これら高分子系材料は一般に、溶剤に溶解または分散され、塗布や印刷などの湿式法(ウエットプロセス)を用いて、1~100nm程度の厚みで成膜されている。
湿式法を用いた場合、真空蒸着法などの真空中の乾式法を用いた場合に比べ、大気中で成膜が可能、設備が安価である、大型化が容易である、短時間に効率よく成膜可能である、などの利点がある。
また、高分子系材料を用いて成膜した有機薄膜は結晶化や凝集が起こりにくく、さらには他層のピンホールや異物を被覆するため、短絡やダークスポットなどの不良を防ぐことができる利点もある。
一方、無機材料としては、キヤリア輸送層に、Li、Na、K、Rb、Ce、およびFrなどのアルカリ金属元素や、Mg、Ca、SrおよびBaなどのアルカリ土類金属素、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Db、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどのランタノイド系元素、Thなどのアクチノイド系元素、Sc、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Ar、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Al、Ga、In、Sn、Tl、Pb、およびBiなどの金属元素、B、Si、Ge、As、Sb、Teなどの半金属元素、更にはこれらの合金、酸化物、炭化物、窒化物、硼化物、硫化物、ハロゲン化物などの無機化合物が用いられている。
無機材料は、有機材料より密着性や熱安定性が高いものが多く、リーク電流による誤発光現象の抑制やダークスポットと称される非発光領域発生の低減、発光特性や寿命向上などが期待される。また、無機材料は有機材料に比べ比較的安価で大型のディスプレイや、量産品への応用を考えた場合、コストの低減の点で重要な役割を果たす。
この特徴を利用して有機発光層と正孔注入電極である陽極との間に無機材料を用いた無機正孔注入層を設ける構成が知られている(特許文献1、特許文献3、特許文献4、特許文献5、引用文献6、引用文献7)。
また、有機発光層と電子注入電極である陰極の間に無機材料を用いた無機電子注入層を設ける構成が知られている(特許文献2、特許文献3、特許文献4、引用文献7)。
無機材料層形成以降の工程において、湿式法のような大気中で成膜を行う製造工程を含む場合、工程内で使用される溶液や、大気中の酸素、水分のような要因により、無機材料に物性の変化などの好ましくない現象が生じてしまい、発光効率及び発光輝度、寿命などの低下を引き起こす問題が生じる場合がある。
例えば酸化モリブデンは、成膜が容易であり、正孔注入電極からの正孔注入機能が高く、正孔を安定に輸送する機能に優れていることや、安定性の点など正孔輸送材料や電子注入材料の一部として有用な材料であることが知られている。
ところで、酸化モリブデンは主に三酸化モリブデン(MoO)と二酸化モリブデン(MoO)に大別される。成膜時の透過率は三酸化モリブデンが高く、二酸化モリブデンは低いため、三酸化モリブデンを用いるのが一般的である。
しかし、三酸化モリブデンは水にわずかに可溶であるため三酸化モリブデン形成後、水分と反応し、物性が変化し易い。一方、二酸化モリブデンや他の無機化合物のほとんどは水に不溶であるため物性変化は生じにくい。
特に酸化モリブデンと隣接する発光媒体層が、搬送や成膜など大気に触れる製造工程を含む場合には、大気中の水分などの劣化要因因子によって膜が劣化し、発光効率や発光輝度、寿命などの表示特性が低下する問題がある。
即ち、真空中の乾式法のみで発光媒体層を積層した場合には、三酸化モリブデン層の表面に吸着する劣化要因因子の量は少なく、影響は小さいが、大気中で成膜を行う製造工程を含む場合、表示特性の大幅な低下を引き起こす場合がある。
また、湿式法のような大気中で成膜を行う製造工程で水系、アルコール系、ケトン系、カルボン酸系、ニトリル系、エステル系の溶媒を用いる場合、三酸化モリブデンは溶解し、物性や膜厚を変化させてしまい、特に発光効率及び発光輝度の低下を引き起こす問題が生じる。
これら劣化要因因子の影響を防止する方法として、発光媒体層の1層として形成される金属化合物に、環境耐性や溶媒耐性の強い別の金属化合物を含ませ、混合膜として使用することで、環境耐性や溶剤耐性を持たせ、劣化要因因子を防止することが可能であることがわかっている。
特開平11-307259号公報 特開2002-367784号公報 特開平5-41285号公報 特開2000-68065号公報 特開2000-215985号公報 特開2006-114521号公報 特開2006-155978号公報
しかし、金属化合物混合膜と、金属化合物混合膜に接する層が持つ仕事関数を含む各種物性値との相性により、良好な発光特性が得られる第一金属化合物と第二金属化合物との組み合わせはかなり限られてしまう。その結果、製造プロセスや混合膜に接する上下2つの層の組み合わせ次第で、環境耐性、溶剤耐性が得られても発光特性が十分でない場合、又は発光特性は良好でも耐性が十分でないなど、第一金属化合物と第二金属化合物の良好な組み合わせが見つからない場合も生じてしまう。
また、金属化合物混合膜使用により、良好な溶剤耐性や環境耐性、良好な高発光効率、高発光輝度、長寿命を得られる組み合わせにおいても、さらなる発光効率、発光輝度、寿命の特性向上が求められる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、様々な製造プロセスや金属化合物混合膜に接する上下の層の組み合わせに対して、金属化合物混合膜を用いたことによる環境耐性や溶剤耐性を持たせ、且つ高効率発光、高輝度発光、高寿命な特性を両立する有機EL素子を得る方法を提供することを目的とする。また、通常の金属化合物混合膜使用により得られた特性以上の高効率発光、高輝度発光、高寿命な機EL素子とそれを用いた表示装置を得る方法を提供することを目的としている。
請求項1に係る発明は、基板と、前記基板上に設けられた第一電極と、前記第一電極上に設けられた少なくとも有機発光層とその他の1層以上の機能層を含む発光媒体層と、前記発光媒体層を挟んで前記第一電極と対向する第二電極とを有す有機EL素子において、前記第一電極と前記有機発光層の間に形成される少なくとも一層の前記機能層が第一金属化合物と第二金属化合物とを含み、前記機能層は前記第二金属化合物に対する前記第一金属化合物の割合が膜厚方向において少なくとも一部で勾配を持つ機能層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項2に係る発明は、前記勾配を持つ機能層が、正孔注入層又は正孔輸送層であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項3に係る発明は、前記勾配を持つ機能層における第一金属化合物の混合割合が、第二電極側に向けて単調増加することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項4に係る発明は、前記勾配を持つ層における第一金属化合物の混合割合が、第二電極側に向けて単調減少することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項5に係る発明は、前記勾配を持つ機能層は、前記第二金属化合物の割合が第二電極側で0となる勾配を持つ層と、該層の第二電極側に形成された第一金属化合物のみからなる層と、が連続して積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項6に係る発明は、前記勾配を持つ機能層は、層全体が前記第二金属化合物の割合が第二電極側に向けて減少する勾配を持つ層と、該層の第二電極側に接して形成された、第二金属化合物を該層の第二電極側の第二金属化合物の割合と等しい一定の割合で混合した層と、が連続して積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項7に係る発明は、前記勾配を持つ機能層は、前記第二金属化合物の割合が第一電極側で0となる勾配を持つ層と、該層の第一電極側に形成された第一金属化合物のみからなる層と、が連続して積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項8に係る発明は、前記勾配を持つ機能層は、層全体が第二金属化合物の割合が第一電極側に向けて減少する勾配を持つ層と、該層の第一電極側に接して形成された、第二金属化合物を該層の第二電極側の第二金属化合物の割合と等しい一定の割合で混合した層と、が連続して積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項9に係る発明は、前記第一金属化合物がモリブデン酸化物であることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項10に係る発明は、前記第二金属化合物が酸化インジウム、酸化チタン、酸化イリジウム、酸化タンタル、酸化ニッケル、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化錫、酸化鉛、酸化ニオブ、酸化アルミ、酸化銅、酸化マンガン、酸化プラセオジム、酸化クロム、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化セシウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、窒化ガリウム、窒化ガリウムインジウム、マグネシウム銀、アルミリチウム、銅リチウム、のいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子である。
請求項11に係る発明は、請求項1~10のいずれか一項に記載の有機エレクトロニクスルミネッセンス素子の製造方法であって、前記第一金属化合物と前記第二金属化合物の混合割合を膜厚方向に勾配を持たせる成膜工程を持つことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項12に係る発明は、前記成膜工程が蒸着法、スパッタ法,CVD法のいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法方法である。
請求項13に係る発明は、前記勾配を持つ機能層に接する前記発光媒体層の少なくとも1層を形成する工程が湿式法で形成することを特徴とする請求項8~9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項14に係る発明は、前記湿式法が印刷法であることを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項15に係る発明は、前記印刷法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項16に係る発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を、表示媒体として備えたことを特徴とする表示装置である。
本発明によれば、第一電極と有機発光層の間に形成される機能層の内1層以上において、2種類の金属化合物の混合膜を持ち第一金属化合物と第二金属化合物の混合割合が膜厚方向に勾配を持つことにより、混合層における耐性コントロール、物性値コントロールの自由度が増え、様々な製造プロセスや混合膜に接する上下の層の組み合わせに対して、金属化合物の混合膜を用いたことによる環境耐性や溶剤耐性を持たせ、且つ高効率発光、高輝度発光、高寿命な特性を両立する有機EL素子とそれを用いた表示装置を得ることが可能となる。
また金属化合物混合層の勾配効果により、正孔注入性、正孔輸送性を有機EL素子構造や接する層の物性に合わせ、より最適化することが可能であり、従来よりも低電圧駆動、高輝度、高効率、高寿命な有機EL素子及び有機EL表示装置を提供することができた。
本発明の有機EL素子の一例を示す説明図である。 本発明の有機EL素子を用いた表示装置の一例を示す説明図である。 本発明の混合勾配層の混合割合分布の一例を示す説明図である。 本発明の混合勾配層の混合割合分布の一例を示す説明図である。 本発明の混合勾配層の混合割合分布の一例を示す説明図である。 本発明の混合勾配層の混合割合分布の一例を示す説明図である。 本発明の混合勾配層の混合割合分布の一例を示す説明図である。 本発明の混合勾配層の混合割合分布の一例を示す説明図である。 本発明の凸版印刷法の一例を示す説明図である。 実施例における本発明の有機EL素子及び混合勾配層の混合割合分布を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明において参照する図面は、本発明の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さ、寸法等は、実際のものとは異なる。また、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1に、本発明の有機EL素子の一例を示す。図1は、本発明有機EL素子の断面の模式図である。図1に示す構造には基板101、第一電極(陽極)102、発光媒体層105、第二電極(陰極)106を備えている。発光媒体層105は1層以上の層構成を持つ有機発光層104及び1層以上で構成される機能層103の積層構造となっている。機能層103層は正孔輸送層、正孔注入層、インターレイヤ層、電子ブロック層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層などが構成要素としては考えられ、よく利用される配置として103aに正孔輸送層、103bに正孔注入層又はインターレイヤ層又は電子ブロック層、103cに電子注入層又は正孔ブロック層、103dに電子輸送層などと構成する。本発明の有機EL素子では、発光媒体層として少なくとも、界面あるいは層内で発光させるための有機発光層と、後述の混合勾配層を含む一層の機能層103とを含むが、これ以外の積層構造は任意である。例えば、第一電極を陰極、第二電極を陽極とした逆構造でも良く、複数の正孔輸送層あるいは正孔注入層が積層されていても良い。
図2は、有機EL表示装置の断面図である。図1に示す本発明の実施形態に係る有機EL素子を基板上に配列した表示装置100では、基板101に、各発光層領域(画素)毎に具備された画素電極(陽極)102と、画素電極の画素間を区画する絶縁層107とを備えている。絶縁層はショートを防ぐために画素電極の端部を覆うことが好ましく、一般的にはストライプ状あるいは格子状に形成される。アクティブマトリクス駆動の場合には、絶縁層で薄膜トランジスタ(TFT)を形成した構成としても良い。また後述のようにウェットプロセスで発光媒体層105を形成する場合には、塗液の混入を防ぐバンクの機能を有する絶縁層107を有する。さらに発光媒体層として、図2の有機EL表示装置では、画素電極の上方に形成された正孔輸送層103aと、この正孔輸送層上に形成されたインターレイヤ103bと、インターレイヤ上に形成された有機発光層104と、有機発光層上に全面を被覆するように形成された対向電極(陰極)106と、画素電極、絶縁層、正孔輸送層とインターレイヤと有機発光層を含む機能層105、対向電極を覆うように基板101と接触した封止体108とを備えた構成としている。
<混合勾配層>
本発明の実施の形態に係る混合勾配層は、機能層103として構成する。より最適な配置としては陽極102と有機発光層104の間に配置することが好ましい。また特に陽極上に形成することで、正孔注入性と正孔輸送性を備えた層とすることができる。
混合勾配層は、キャリア(電子/正孔)注入輸送性を有する第一金属化合物と、当該第一金属化合物と異なる特性を有する第二金属化合物を含み、混合勾配層の膜面法線方向、すなわち電極から有機発光層までの経路でこれらの混合割合が変化する層である。
ここで、第一電極界面からの距離をx1とし、第一金属化合物の混合割合をf(x)とした場合、混合割合の関数f(x)がx1<x2でf(x1)≦f(x2)となる広義の単調増加関数、あるいは、f(x1)≧f(x2)となる広義の単調減少関数、即ち混合割合の傾きが増加または減少で一定となることが好ましい。単調増加あるいは単調減少であれば、エネルギー関数もこれに相関することから、キャリア(電子/正孔)注入効率が良い。例えば、正孔輸送層103aとして混合勾配層を使用する場合において、第一金属化合物に対して第二金属化合物を混合した効果として電荷注入性と耐性は改善されるが、移動度が低くなり輸送性が悪くなる場合に、陽極102と接する層付近において第二金属化合物の混合割合を最大とし陰極側に向かうに従い第二金属化合物の混合割合を減らすというような選択が一例として使用できる。以下では、混合層全体で主成分(50%wt以上)となる金属化合物を第一金属化合物と定義し、さらに詳細に説明する。なお以下の説明では第一電極を陽極、第二電極を陰極として説明するが、これに限られるものではない。
混合勾配層における第一金属化合物としては、膜厚100nm以下で遷移金属、または、III-B属の酸化物、フッ化物、ホウ化物、窒化物より選択できるが、電荷注入性、輸送性に優れた酸化モリブデンがより好ましい。
混合勾配層における第二金属化合物としては、遷移金属やIII-B族元素のまたはそれらの化合物が挙げられるが、酸化インジウム、酸化チタン、酸化イリジウム、酸化タンタル、酸化ニッケル、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化錫、酸化鉛、酸化ニオブ、酸化アルミ、酸化銅、酸化マンガン、酸化プラセオジム、酸化クロム、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化セシウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウムのうちのいずれか、又はこれらのいくつかと共に第一金属化合物と共蒸着し、その際に一方の金属化合物の成膜速度を所望の混合割合の勾配を持たせるように制御する方法、または2元スパッタにおいて一方の金属化合物の成膜速度を制御する方法がある。また、第一金属化合物と第二金属化合物よりなる混合ターゲットにおいて異なる混合割合のものを並列に並べ、混合割合に勾配を持たせる方法や、前記蒸着を並列複数並べる方法などが考えられ、任意に選択することができる。なお、第二金属化合物には、複数の金属化合物を含んでいても良い。
混合勾配層の形成方法としては、公知の蒸着法・スパッタ法を用いることができ、第一金属化合物と第二金属化合物を真空中で共蒸着する方法、または第一金属化合物の原料の単体金属と第二金属化合物の原料の単体金属からなる混合ターゲットを酸素等のガスと不活性ガスの混合ガス中でスパッタする方法のいずれかを任意に選択することができるが、プロセス安定性や簡便性を考慮すると混合ターゲットをスパッタする方法がより好ましい。
図3は、本発明の有機EL素子の第一の様態での混合勾配層の混合割合の変化を表すグラフである。この様態では、第一電極(例として陽極)102上に正孔注入層及び正孔注入層の機能を有する混合勾配層が積層されており、第一電極から有機発光層までの距離と混合割合(wt%)の関係を示している。図3では、第一電極側で第二金属化合物が最も多く、有機発光層側(第二電極側、例として陰極)に進むにつれて第一金属化合物の割合が増加し、層全体が勾配を有している。なお、仕事関数の面から第一金属化合物及び第二金属化合物を選択する際には、それぞれが隣接する層の仕事関数と近いものと選択することがキャリア注入性の点から好ましい。
さらにこのとき第一電極側の界面では第二金属化合物が50wt%以上であり、第二電極側の界面では第一金属化合物が50wt%以上であると、それぞれの界面での注入性に優れた機能層とすることができ、好ましい。主成分となる金属化合物の特性が機能するためである。これは以下に述べる第二の様態、第三の様態も同様である。
図4は、本発明の有機EL素子の第二の様態での混合勾配層の混合割合の変化を表すグラフである。この様態では、第一電極102上に積層された混合勾配層が積層されており、第二金属化合物の割合が途中で0となり、その後は第一金属化合物のみが形成される。従って、層全体が第二金属化合物の割合が第二電極側に向けて0となる勾配を持つ層と、第一金属化合物のみからなる層の2層と考えることもできる。第一金属化合物が酸化モリブデンのように正孔輸送性に優れた材料からなる場合、この構成によれば、第一電極と接する層付近において第二金属化合物の混合割合を最大とすることで正孔注入性を向上させ、さらに途中から第一金属化合物のみにすることによって、正孔輸送性が確保できる。
図5は、本発明の有機EL素子の第三の様態での混合勾配層の混合割合の変化を表すグラフである。この様態では、第一電極102上に積層された混合勾配層が積層されており、第二金属化合物の割合が途中まで減少する勾配となり、その後は第一金属化合物と第二金属化合物が一定の混合割合で形成される。従って、層全体が第二金属化合物の割合が第二電極側に向けて減少する勾配を持つ層と、第一金属化合物と第二金属化合物が一定の混合割合で形成された層との2層と考えることもできる。ただしこのとき2層の界面での混合割合が等しくなることが重要である。第二の様態との相違点は、一定の割合で第二電極側まで第二金属化合物が存在していることにより、第二電極側の界面でも第二金属化合物の特性が生かせるという点である。すなわち、第一金属化合物が酸化モリブデンのように正孔輸送性は良いが純水やアルカリ等に耐性の少ない材料を用いた場合、第二金属を一定の割合で混合しておくことによって、耐性を持たせることが可能である。例えば、酸化ニッケルや酸化チタン等は特に耐性に優れているので好ましい。なおこのとき一定割合領域の第二金属化合物の割合が5wt%以上30wt%以下であることが好ましい。
図6は、本発明の有機EL素子の第四の様態での混合勾配層の混合割合の変化を表すグラフである。第一~三の様態と異なり、第四の様態では、第二電極側の界面で第二金属化合物の割合が最大となるように層全体で第一金属化合物の割合が第一電極側から第二電極側に向けて単調減少する勾配となっている。このような混合割合分布は第二金属化合物の有機発光媒体層への注入効率が良い場合に好適である。このとき第一電極側の界面では第一金属化合物が50wt%以上であり、第二電極側の界面では第二金属化合物が50wt%以上であると、それぞれの界面での注入性に優れた機能層とすることができ、好ましい。主成分となる金属化合物の特性が機能するためである。また、第二電極側で第二金属化合物の割合が高いと混合勾配層の表面の耐性を向上させることができ、有機発光媒体層形成工程における雰囲気中の酸素や水分、有機発光媒体層形成のための溶媒等によって混合勾配層表面が劣化するのを防ぐことが出来る。
また第二の様態を第四の様態に応用した第5の様態として、図7のように第一電極側に第一金属化合物単体の層が積層され、その上に第二金属化合物の割合が0から単調増加する勾配層が積層された混合勾配層が考えられる。この構成によれば、第二電極側の発光媒体層と接する界面付近において第二金属化合物の混合割合を最大とすることで注入性を向上させ、さらにそれ以外の領域ではから第一金属化合物のみにすることによって、正孔輸送性が確保できる。なお第二電極側の界面では第二金属化合物が50wt%以上であると、この界面での注入性に優れた機能層とすることができる。
また第三の様態を第四の様態に応用した第6の様態として、図8のように第一電極側に一定割合で第一金属化合物と第二金属化合物が積層された層が持ち、さらにその混合割合から第二金属化合物の割合が単調増加する勾配層が積層された混合勾配層が考えられる。この構成によれば、耐性と第二電極側の発光媒体層への注入性に優れた第二金属化合物の特性を生かすことができる。なおこのとき一定割合領域の第二金属化合物の割合が5wt%以上30wt%以下であり、第二電極側の界面では第二金属化合物が50wt%以上であることが好ましい。
さらに、以上の第1から第6の様態では陽極側又は陰極側の界面のいずれかで第二金属化合物の重量濃度比が50wt%であるとしたが、機能層の正孔輸送性と環境耐性及び溶媒耐性とを両立する場合には、第二金属化合物の陰極側での物質量濃度比が20mol%以上75mol%以下としても良い。この場合には用いる第二金属化合物の種類によって重量濃度比を決めることが好ましい。例えば、酸化チタンを第二金属化合物として用いた場合には、20mol%以上75mol%以下で15wt%以上62wt%以下となる。この場合にも上記第1から第6の様態のように、陰極側から陽極側に向かって第二金属化合物の濃度は単調増加又は単調減少の勾配を持つ。
<基板>
基板101側が表示側である場合、基板101には、透光性があり、ある程度の強度がある基材を使用することができる。例えば、ガラス基板やプラスチック製のフィルムまたはシートを用いることができ、0.2から1.0mmの薄いガラス基板を用いれば、バリア性が非常に高い薄型の有機EL素子を得ることができる。
<第一電極>
第一電極102には、透明または半透明の電極を形成することのできる導電性物質を好適に使用することができる。
第一電極102が陽極である場合、例えば、インジウムと錫の複合酸化物(以下、ITOと略す)、インジウムと亜鉛の複合酸化物(以下、IZOと略す)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等が挙げられる。
低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性が高い等からITOを好ましく用いることができ、前記基板101上に蒸着またはスパッタリング法などにより成膜することができる。
また、オクチル酸インジウムやアセトンインジウムなどの前駆体を基板101上に塗布後、熱分解により酸化物を形成する塗布熱分解法等により形成することもできる。あるいは、金属としてアルミニウム、金、銀等の金属を半透明状に蒸着することもできる。あるいはポリアニリン等の有機半導体も用いることができる。
上記、第一電極102は、必要に応じてエッチング等によりパターニングを行うことができる。また、UV処理、プラズマ処理などにより表面の活性化を行うこともできる。
<絶縁層>
 絶縁層107は、各画素に対応した発光領域を区画するように形成することができる。画素電極102の端部を覆うように形成するのが好ましい。一般的にアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置100は、各画素に対して画素電極102が形成され、それぞれの画素ができるだけ広い面積を占有しようとするため、画素電極102の端部を覆うように形成される。絶縁層107の最も好ましい形状は各画素電極102を最短距離で区切る格子状を基本とする。
絶縁層107の材料としては、絶縁性を有する必要があり、感光性材料等を用いることができる。感光性材料としては、ポジ型であってもネガ型であってもよく、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることができる。また、無機の絶縁層形成材料として、SiO、TiO等の無機絶縁材料を用いることもできる。
 絶縁層107の好ましい高さは0.1μm以上30μm以下であり、より好ましくは0.5μm以上2μm以下程度である。20μmより高すぎると対向電極107の形成及び封止を妨げ、0.1μmより低すぎると画素電極102の端部を覆い切れない、あるいは発光媒体層109形成時に隣接する画素とショートしたり混色したりしてしまうからである。
絶縁層107の形成方法としては、材料に応じて、無機材料では抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法、有機材料ではインクジェット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法など既存の成膜法を用いることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
絶縁層107のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、基体(基材101及び画素電極102)上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法や、基体上に感光性樹脂を塗工し、フォトリソグラフィ法により所定のパターンとする方法が挙げられるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。必要に応じてレジスト及び感光性樹脂に撥水剤を添加したり、親水性材料と疎水性材料の多層構造にしたり、プラズマやUVを照射したりして形成後に次の成膜材料に対する撥水性または親水性を付与することもできる。
さらに、隔壁は例えば2層構造で設けられた多段隔壁となっていてもよい。この場合には、一段目の隔壁は基板上の第一電極の端部を覆うように形成され、逆テーパー形状、順テーパー形状等の形状とすることが出来る。用いる材料としては、例えば酸化シリコン、酸化スズ、酸化アルミ、酸化チタン等の無機酸化物、窒化シリコン、窒化チタン、窒化モリブデン等の無機窒化物、窒化酸化シリコンのような無機窒化酸化膜といった物が上げられるがこれらに限定するものでは無い。これら、無機絶縁膜のなかでも特に好適なのが窒化シリコン、酸化シリコン、酸化チタンである。これらの材料は、スパッタリング法,プラズマCVD法,抵抗加熱蒸着法に代表されるドライコーティング法を用いて形成することが出来る。また、スピンコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の公知の塗布方法を用いて無機絶縁材料が含有されたインキを塗布したのち、大気乾燥、加熱乾燥などの焼成工程で溶剤を除去し無機絶縁膜としても良い。次に、無機絶縁膜上に感光性樹脂を塗工し、露光,現像を行い一段目の隔壁をパターン形成する。感光性樹脂としては、ポジ型レジスト又はネガ型レジストのどちらも用いられる。市販されているレジストを用いてもよい。パターンを形成する工程としては、フォトリソグラフィ法を用いて所定のパターンを得る方法が挙げられる。なお、本発明においては、上記の方法に限定されず、他の方法が用いられてもよい。必要に応じて、無機絶縁膜上にプラズマ照射又はUV照射等の表面処理を施してもよい。一段目の隔壁の膜厚は、酸化珪素など厚みによっては導電性を有する材料があるため、絶縁性を確保するため50nm以上1000nm以下が好ましい。更に150nm以上であれば好適に用いる事ができる。一段目の隔壁を形成した後には感光性樹脂からなる二段目の隔壁を上記の方法で形成することが出来る。
<発光媒体層>
発光媒体層105は1層以上の層構成を持つ有機発光層104及び1層以上で構成される機能層103の積層構造となっている。機能層103層は正孔輸送層、正孔注入層、インターレイヤ層、電子ブロック層、電子輸送層、電子注入層、正孔ブロック層などが構成要素としては考えられ、よく利用される配置として103aに正孔輸送層、103bに正孔注入層又はインターレイヤ層又は電子ブロック層、103cに電子輸送層又は正孔ブロック層、103dに正孔注入層と構成される。混合勾配層は機能層103のいずれかで用いることができるが、好ましくは103a又は103bに配置され、正孔注入層、正孔輸送層として働くか、あるいはそれら層に接する層として形成される。より好ましくは103aに配置され正孔輸送層として形成する。
本発明の実施の形態に係る正孔輸送層103aの材料には、前記混合勾配層の他に正孔輸送材料として用いられているものを好適に使用することができ、例えば、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、無機材料などが挙げられる。より好ましくは前記混合勾配層を用いる。
無機材料には、Li、Na、K、Rb、Ce、およびFrなどのアルカリ金属元素や、Mg、Ca、SrおよびBaなどのアルカリ土類金属元素、La、Ce、Sm、Eu、Gd、Ybなどのランタノイド系元素、Au、Cu、Al、Fe、Ni、Ru、Sn、Pb、Cr、Ir、Nb、Pt、W、Mo、Ta、PaおよびCoなどの金属元素、Si、Ge、またはこれらの酸化物、炭化物、窒化物、硼化物などの化合物がある。
本発明の実施の形態に係る正孔注入層103bの材料には、前記混合勾配層も使用することも可能である。その他の材料を用いる場合としてはポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、スピンコータ等を用いた各種塗布方法や凸版印刷方法を用いて形成される。またインターレイヤ層103bの材料として無機材料を用いる場合、金属酸化物を真空蒸着法やスパッタリング法やCVD法を用いて形成される。
有機発光層と電極との間の層として、インターレイヤ層を形成しても良い。電子ブロック層としてのインターレイヤ層を有機発光層と正孔注入層の間に設けることが好ましく、インターレイヤ層により有機EL素子の発光寿命を向上させことができる。正孔注入層を形成した後に、インターレイヤを正孔注入層の上に積層することができる。通常、正孔注入層を被覆するように、インターレイヤは形成されるが、必要に応じてパターニングによってインターレイヤを形成してもよい。
インターレイヤの材料としては、有機材料ではポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等の、芳香族アミンを含むポリマー等が挙げられる。また、無機材料では、Cu2O、Cr2O3、Mn2O3、NiO、CoO、Pr2O3、Ag2O、MoO2、ZnO、TiO2、V2O5、Nb2O5、Ta2O5、MoO3、WO3、MnO2等の遷移金属酸化物およびこれらの窒化物、硫化物を一種以上含んだ無機化合物が挙げられる。なお、本発明においては、上記の材料に限定されず、他の材料が用いられてもよい。
インターレイヤの有機材料は、溶媒に溶解され、又は安定に分散され、有機インターレイヤインキ(有機インターレイヤの液体材料)として用いられる。有機インターレイヤの材料を溶解又は分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独又はこれらの混合溶媒が用いられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機インターレイヤ材料の溶解性の観点から好適に用いられる。また、有機インターレイヤインキには、必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
これらインターレイヤの材料として、正孔注入層よりも仕事関数が同等以上である材料を選択することが好ましく、更に、有機発光層16よりも仕事関数が同等以下である材料を選択することがより好ましい。この理由は、正孔注入層から有機発光層16に向けて正孔が注入される時に、不必要な注入障壁を形成しないためである。また、有機発光層16から発光に寄与できなかった電荷を閉じ込める効果を得るため、バンドギャップが3.0eV以上である材料を採用することが好ましく、3.5eV以上である材料を採用することより好ましい。
インターレイヤの形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の乾式成膜法又は、インクジェット印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の湿式成膜法等既存の成膜法を用いることができる。なお、本発明においては、上記の方法に限定されず、他の方法が用いられてもよい。
本発明の実施の形態に係る有機発光層104に用いる有機発光体としては、一般に有機発光材料として用いられているものを好適に使用することができ、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’-ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’-ジアリール置換ピロロピロール系等、一重項状態から発光可能な蛍光性低分子系材料や、希土類金属錯体系の三重項状態から発光可能な公知の燐光性低分子系材料が挙げられ、これらは真空中の真空蒸着法等のドライプロセスで成膜ができる。
また、前述した材料をトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて有機発光塗布液として用いれば、大気中のウエットプロセスによる成膜ができる。
また、有機発光層104の高分子系材料としては、クマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’-ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’-ジアリール置換ピロロピロール系等の蛍光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させたものや、PPV系やPAF系等の高分子蛍光発光体や、希土類金属錯体を含む高分子燐光発光体などの高分子発光体を用いることができる。
これら高分子系材料はトルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて有機発光塗布液とし大気中のウエットプロセスにより成膜できる。
特にトルエン、キシレン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メシチレン、テトラリン、アミルベンゼン等の芳香族系溶媒は高分子系材料の溶解性が良く、扱いも容易であることからより好ましい。
本発明の実施の形態に係る103c、103dの材料には、前記混合勾配層も使用することも可能である。その他の材料を用いる場合としては、一般に電子輸送材料として用いられているものであれば良く、トリアゾール系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、シロール系、ボロン系等の低分子系材料、フッ化リチウムや酸化リチウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩や酸化物等を用いて真空蒸着法による成膜が可能である。また、これらの電子輸送性材料およびこれら電子輸送材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて電子注入塗布液とし、印刷法により成膜できる。
発光媒体層105の各層の厚みは任意であるが0.1nm~200nmが好ましい。
<ウエットプロセスによる発光媒体層の形成方法>
上述のウエットプロセスには塗布法、印刷法などがあり、塗布法にはスピンコータ、バーコータ、ロールコータ、ダイコータ、グラビアコータ等があるが、これらは直接パターンを形成することが困難であるのに対し、印刷法は容易に直接パターンを形成することができる。
このことから、ウエットプロセスにより発光媒体層105を成膜する際には、凸版印刷法、凹版印刷法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法などの印刷法を好適に用いることができる。
特に凸版印刷法は、塗布液の粘性特性が良好な粘度範囲で、基材を傷つけることのなく印刷することができ、塗布液材料の利用効率が良い点から有機EL素子の製造に適す。
図9には、発光媒体層105の材料を有する塗布液を、電極等が形成された被印刷基板201上にパターン印刷する際の、凸版印刷装置200の概略断面図を示している。
本発明の実施の形態に係る凸版印刷装置200は、インクタンク202、インクチャンバ203、アニロックスロール204、凸版が設けられた版205がマウントされた版胴206を有している。インクタンク202には、発光媒体層103の材料を有する塗布液が収容されており、インクチャンバ203にはインクタンク202より塗布液が送り込むことができる。アニロックスロール204はインクチャンバ203の塗布液供給部に接して回転可能に指示されている。
アニロックスロール204の回転に伴い、アニロックスロール204の表面に供給された塗布液の塗布層204aは均一な膜厚に形成される。この塗布層204aはアニロックスロール204に近接して回転駆動される版胴206にマウントされた版205の凸部に転移する。
平台207には、被印刷基板201が版205の凸部による印刷位置にまで図示していない搬送手段によって搬送されるようになっている。そして、版205の凸部にあるインクは被印刷基板201に対して印刷され、必要に応じて乾燥工程を経ることで、被印刷基板201上に、好適に発光媒体層103を成膜することができる。
凸版が設けられた版205は、感光性樹脂凸版が好ましい。感光性樹脂凸版は、露光した樹脂版を現像する際に用いる現像液が有機溶剤である溶剤現像タイプのものと現像液が水である水現像タイプのものがあるが、溶剤現像タイプのものは水系のインクに対し耐性を示し、水現像タイプのものは有機溶剤系のインクに耐性を示す。発光媒体層105の材料を有する塗布液の特性に従い、溶剤現像タイプ、水現像タイプを好適に選ぶことができる。
例えば、正孔注入層103aを真空中で設けた後、インターレイヤ層103b、有機発光層104を、大気中で凸版印刷装置200を用いた凸版印刷法により形成し、真空中で電子注入層103cを形成し製造することができる。
<第二電極>
第二電極106を陰極とする場合には、発光媒体層105への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いる。具体的にはMg,Al,Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体層と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
第二電極106の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。
<封止体>
有機EL素子に大気のガスが到達しないようにするために通常は、外部と遮断するために第二電極上にパッシベーション層と、封止材と、パッシベーション層と封止剤とを密着させるための樹脂層とを設けることができる。あるいはキャップ状の封止材をと接着剤を用いて密閉封止した封止体の構成としても良い。
パッシベーション層としては、酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化炭素などの金属窒化物、酸窒化珪素などの金属酸窒化物、炭化ケイ素などの金属炭化物、必要に応じて、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜との積層膜を用いてもよい。特に、バリア性と透明性の面から、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素を用いることが好ましく、さらには、成膜条件により、膜密度を可変した積層膜や勾配膜を使用してもよい。
パッシベーション層の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法を用いることができるが、特に、バリア性や透光性の面でCVD法を用いることが好ましい。CVD法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、触媒CVD法、VUV-CVD法などを用いることができる。また、CVD法における反応ガスとしては、モノシランや、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)やテトラエトキシシランなどの有機シリコン化合物に、N、O、NH、H、NOなどのガスを必要に応じて添加してもよく、例えば、シランの流量を変えることにより膜の密度を変化させてもよく、使用する反応性ガスにより膜中に水素や炭素が含有させることもできる。封止層の膜厚としては、有機EL素子の電極段差や基板の隔壁高さ、要求されるバリア特性などにより異なるが、10nm以上10000以下程度が一般的に用いられている。
封止材としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、封止材の材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10-6g/m/day以下であることが好ましい。
樹脂層の材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。樹脂層を封止材の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL素子の大きさや形状により任意に決定されるが、5μm~500μmが望ましい。なお、ここでは封止材上に樹脂層として形成したが直接有機EL素子側に形成することもできる。
最後に、有機EL素子と封止体との貼り合わせを封止室で行う。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。
以下、第一電極を陽極、第二電極を陰極とした場合の本発明の実施例について説明する。なお、本発明はこれに限るものではない。
(実施例1)
まず、ガラス基板を基板として用いる。この基板上に、陽極材料であるITOをスパッタ法により真空中で形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして発光電極部を設けた。
次に発光電極部を形成したガラス基板上に、絶縁層材料として、アクリル系のフォトレジスト材料を全面にスピンコートした。スピンコートの条件を150rpmで5秒間回転させた後、500rpmで20秒間回転させ、高さ1.5μmの塗膜を得た。その後、フォトリソ法により、発光電極部に格子状のパターンを形成した。
次に、正孔注入層及び正孔輸送層として酸化モリブデンと酸化チタンを真空中で共蒸着し、その際に酸化チタンの蒸着速度をコントロールすることで、それらの混合割合に勾配を持たせた。混合勾配膜の混合割合は図10右上のグラフに示すような勾配となった。酸化チタン濃度は陽極側において66wt/%とし、陰極側では20wt/%となるように成膜した。
次に、有機発光材料であるPPV誘導体の重量濃度が1%、キシレン及びアニソールの重量濃度がそれぞれ84%、15%の塗布液を使用し、同じく大気中で凸版印刷法にて、正孔輸送層上に有機発光層を形成した。このとき、アニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用し、乾燥後膜厚が80nmの有機発光層を形成した。
次に、電子注入材料であるBaを、真空中で真空蒸着法により、マスクを使用し、厚さ5nmの電子注入層を形成した。
最後に、陰極材料であるAlを使用し、ITOで形成された陽極と直交するように、真空中の真空蒸着法により、マスクを使用し、厚さ150nmの電極を形成した。そしてガラスキャップと接着剤を用いて密閉封止し有機EL素子を得た。
作成した素子の発光はムラやダークスポットも無く良好であった。また7Vにおける輝度が1220cd/mであり、また初期輝度1500cd/mにおける輝度半減時間は305時間の低電圧駆動、高輝度、高効率、高寿命な素子特性が得られた。また加速試験におけるダークスポットなどの不具合は認められなかった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法及び材料を用いて素子作成を行った。その際、混合勾配膜を、酸化チタン濃度を陽極側において66wt/%とし、陰極側では0wt/%となるように勾配を付け成膜した。混合勾配膜の混合割合は図10右下のグラフに示すような勾配となった。
作成した素子の発光はムラやダークスポットも無く良好であった。また7Vにおける輝度が1360cd/mであり、また初期輝度1500cd/mにおける輝度半減時間は290時間の低電圧駆動、高輝度、高寿命な素子特性が得られた。また加速試験におけるダークスポットなどの不具合は認められなかった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法及び材料を用いて素子作成を行った。その際、混合勾配膜を、酸化チタン濃度を陽極側において12wt/%とし、陰極側では62wt/%となるように勾配を付け成膜した。混合勾配膜の混合割合は図6のグラフに示すような勾配となった。
作成した素子の発光はムラやダークスポットも無く良好であった。また7Vにおける輝度が1280cd/mであり、また初期輝度1500cd/mにおける輝度半減時間は325時間の低電圧駆動、高輝度、高寿命な素子特性が得られた。また加速試験におけるダークスポットなどの不具合は認められなかった。
(実施例4)
実施例1と同様の方法及び材料を用いて素子作成を行った。その際、混合勾配膜を、酸化チタン濃度を陽極側において66wt/%とし、陰極側では0wt/%となるように勾配を付け成膜した。混合勾配膜の混合割合は図7のグラフに示すような勾配となった。
作成した素子の発光はムラやダークスポットも無く良好であった。また7Vにおける輝度が1310cd/mであり、また初期輝度1500cd/mにおける輝度半減時間は315時間の低電圧駆動、高輝度、高寿命な素子特性が得られた。また加速試験におけるダークスポットなどの不具合は認められなかった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法及び材料を用いて、混合勾配膜を勾配の無い混合膜の構造に置き換えた。混合勾配膜は酸化チタンの混合割合を20wt/%とした。
作成した素子の発光はムラやダークスポットも無く良好であった。また7Vにおける輝度は930cd/mであり、初期輝度1500cd/mにおける輝度半減時間は220時間であった。
(比較例2)
実施例1と同様の方法及び材料を用いて、混合勾配膜を酸化モリブデン単膜の構造に置き換えた。
作成した素子の発光にダークスポットが確認され、加速試験におけるダークスポットの拡大が確認された。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
101:基板
102:第一電極(例として陽極)
103:機能層
103a:正孔輸送層
103b:インターレイヤ層又は正孔注入層又は電子ブロック層
103c:電子注入層又は正孔ブロック層
103d:電子輸送層
104:有機発光層
105:発光媒体層
106:第二電極(例として陰極)
107:絶縁層
108:封止体
109:樹脂層
110:封止材
200:凸版印刷機
201:被印刷基板
202:インキタンク
203:インキチャンバ
204:アニロックスロール
204a:塗布層
205:版
206:版胴
207:平台

Claims (16)

  1. 基板と、前記基板上に設けられた第一電極と、前記第一電極上に設けられた少なくとも有機発光層とその他の1層以上の機能層を含む発光媒体層と、前記発光媒体層を挟んで前記第一電極と対向する第二電極とを有す有機EL素子において、
    前記第一電極と前記有機発光層の間に形成される少なくとも一層の前記機能層が第一金属化合物と第二金属化合物とを含み、前記機能層は前記第二金属化合物に対する前記第一金属化合物の割合が膜厚方向において少なくとも一部で勾配を持つ機能層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記勾配を持つ機能層が、正孔注入層又は正孔輸送層であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記勾配を持つ機能層における第一金属化合物の混合割合が、第二電極側に向けて単調増加することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記勾配を持つ層における第一金属化合物の混合割合が、第二電極側に向けて単調減少することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記勾配を持つ機能層は、
    前記第二金属化合物の割合が第二電極側で0となる勾配を持つ層と、
    該層の第二電極側に形成された第一金属化合物のみからなる層と、
    が連続して積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記勾配を持つ機能層は、
    層全体が前記第二金属化合物の割合が第二電極側に向けて減少する勾配を持つ層と、
    該層の第二電極側に接して形成された、第二金属化合物を該層の第二電極側の第二金属化合物の割合と等しい一定の割合で混合した層と、
    が連続して積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記勾配を持つ機能層は、
    前記第二金属化合物の割合が第一電極側で0となる勾配を持つ層と、
    該層の第一電極側に形成された第一金属化合物のみからなる層と、
    が連続して積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記勾配を持つ機能層は、
    層全体が第二金属化合物の割合が第一電極側に向けて減少する勾配を持つ層と、
    該層の第一電極側に接して形成された、第二金属化合物を該層の第二電極側の第二金属化合物の割合と等しい一定の割合で混合した層と、
    が連続して積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記第一金属化合物がモリブデン酸化物であることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記第二金属化合物が酸化インジウム、酸化チタン、酸化イリジウム、酸化タンタル、酸化ニッケル、酸化タングステン、酸化バナジウム、酸化錫、酸化鉛、酸化ニオブ、酸化アルミ、酸化銅、酸化マンガン、酸化プラセオジム、酸化クロム、酸化ビスマス、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化セシウム、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、セレン化亜鉛、テルル化亜鉛、窒化ガリウム、窒化ガリウムインジウム、マグネシウム銀、アルミリチウム、銅リチウム、のいずれか又はこれらの混合物であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 請求項1~10のいずれか一項に記載の有機エレクトロニクスルミネッセンス素子の製造方法であって、前記第一金属化合物と前記第二金属化合物の混合割合を膜厚方向に勾配を持たせる成膜工程を持つことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  12. 前記成膜工程が蒸着法、スパッタ法,CVD法のいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  13. 前記勾配を持つ機能層に接する前記発光媒体層の少なくとも1層を形成する工程が湿式法で形成することを特徴とする請求項8~9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  14. 前記湿式法が印刷法であることを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  15. 前記印刷法が凸版印刷法であることを特徴とする請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  16. 請求項1~7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を、表示媒体として備えたことを特徴とする表示装置。
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