JP2015057644A - 光学異方性積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材、配向膜及び光学異方性フィルムを含む光学異方性積層体の製造方法であって、配向膜形成用材料及び溶剤を含み、且つ、25℃における粘度が4mPa・s以下である配向膜形成用組成物を、基材上に塗布して乾燥することにより、配向膜を形成し、重合性液晶化合物を含む光学異方層形成用組成物を、得られた配向膜上に塗布して乾燥させ、重合性液晶化合物を基材表面に対して垂直配向させることにより光学異方性フィルムを形成する、製造方法。
【選択図】図1
Description
[1] 基材、配向膜及び光学異方性フィルムを含む光学異方性積層体の製造方法であって、
配向膜形成用材料及び溶剤を含み、且つ、25℃における粘度が4mPa・s以下である配向膜形成用組成物を、基材上に塗布して乾燥することにより、配向膜を形成し、
重合性液晶化合物を含む光学異方層形成用組成物を、得られた配向膜上に塗布して乾燥させ、重合性液晶化合物を基材表面に対して垂直配向させることにより光学異方性フィルムを形成する、製造方法。
[2] 配向膜形成用材料がポリイミド、ポリアミド及びポリアミック酸から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]に記載の製造方法。
[3] 基材がポリオレフィンからなる[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4] 配向膜形成用組成物を、ダイコーター、グラビアコーター又はスリットコーターにより塗布する[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5] 配向膜形成用組成物を基材に塗布して乾燥する際の、基材の搬送速度が5m/min以上である[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6] 光学異方性フィルムが位相差フィルムである[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7] 積層体がIPS(in-plane switching)液晶表示装置用の積層体である[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法により製造された積層体を有する偏光板。
[9] [1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法により製造された積層体を備えた表示装置。
[配向膜形成用材料]
配向膜形成用材料としては、配向性ポリマー及び光配向性ポリマーが挙げられ、好ましくは配向性ポリマーである。
配向膜形成用材料は、後述する重合性液晶化合物を含む組成物を塗布する際に用いられる溶剤に溶解しない溶剤耐性と、有機溶媒の除去や重合性液晶化合物の配向性を調整するための加熱処理における耐熱性とを有する。
市販の配向性ポリマーとしては、サンエバー(登録商標、日産化学社製)、オプトマー(登録商標、JSR製)等が挙げられる。
配向性ポリマーから形成される配向膜は、重合性液晶化合物の液晶配向を容易にする。また、配向性ポリマーの種類やラビング条件によって、水平配向、垂直配向、ハイブリッド配向、傾斜配向等の様々な液晶配向の制御が可能であり、各種液晶パネルの視野角改善等に利用できる。
粘度測定の方法としては、例えば、振動粘度計、落球粘度計、共軸二重円筒形回転粘度計、単一円筒形回転粘度計又は円錐−平板形回転粘度計などが挙げられる。
基材は、樹脂基材であることが好ましい。
樹脂基材は、通常、透光性樹脂基材である。透光性樹脂基材とは、光、特に可視光を透過し得る透光性を有する樹脂基材を意味し、透光性とは、波長380〜780nmにわたる光線に対しての透過率が80%以上となる特性をいう。樹脂基材は、通常フィルム状のものが用いられる。
大気圧近傍の圧力下で、対向した電極間に樹脂基材を設置し、コロナまたはプラズマを発生させて、樹脂基材の表面処理を行う方法、
対向した電極間にガスを流し、電極間でガスをプラズマ化し、プラズマ化したガスを樹脂基材に吹付ける方法、および、
低圧条件下で、グロー放電プラズマを発生させて、樹脂基材の表面処理を行う方法が挙げられる。
中でも、配向膜上に形成される重合性液晶化合物の液晶配向の均一性、製造時間及び製造コストの観点から、配向性ポリマーを含む配向膜形成用組成物を塗布し乾燥する方法、及び、塗布し乾燥しその表面をラビングする方法が好ましい。
乾燥することにより溶剤などの低沸点成分が除去される。
続いて、重合性液晶化合物を含む光学異方層形成用組成物を、得られた配向膜上に塗布して乾燥させ、重合性液晶化合物を基材表面に対して垂直配向させることにより光学異方性フィルムを形成する。本発明において、垂直配向とは基材平面に対して垂直な方向に、重合性液晶化合物が重合性液晶化合物の長軸を有することを表し、水平配向とは基材平面に対して平行な方向に、重合性液晶化合物が重合性液晶化合物の長軸を有することを表す。
重合性液晶化合物とは、重合性基を有する液晶化合物のことである。重合性液晶化合物は、通常、配向膜表面に液晶配向した後に重合することで光学異方性フィルムを形成する。
例えば、配向膜が配向規制力として水平配向を発現させる材料であれば、重合性液晶化合物は水平配向またはハイブリッド配向を形成することができ、垂直配向を発現させる材料であれば、重合性液晶化合物は垂直配向または傾斜配向を形成することができる。
配向規制力は、配向膜が配向性ポリマーから形成されている場合は、表面状態やラビング条件によって任意に調整することが可能であり、光配向性ポリマーから形成されている場合は、偏光照射条件等によって任意に調整することが可能である。また、重合性液晶化合物の、表面張力や液晶性等の物性を選択することにより、液晶配向を制御することもできる。
P11−B11−E11−B12−A11−B13− (X)
[式(X)中、P11は、重合性基を表わす。
A11は、2価の脂環式炭化水素基または2価の芳香族炭化水素基を表わす。該2価の脂環式炭化水素基および2価の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6アルコキシ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよく、該炭素数1〜6のアルキル基および該炭素数1〜6アルコキシ基に含まれる水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。
B11は、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−、−CO−NR16−、−NR16−CO−、−CO−、−CS−または単結合を表わす。R16は、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表わす。
B12およびB13は、それぞれ独立に、−C≡C−、−CH=CH−、−CH2−CH2−、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−C(=O)−NR16−、−NR16−C(=O)−、−OCH2−、−OCF2−、−CH2O−、−CF2O−、−CH=CH−C(=O)−O−、−O−C(=O)−CH=CH−または単結合を表わす。
E11は、炭素数1〜12のアルカンジイル基を表わし、該アルカンジイル基に含まれる水素原子は、炭素数1〜5のアルコキシ基で置換されていてもよく、該アルコキシ基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。また、該アルカンジイル基を構成する−CH2−は、−O−または−CO−に置き換わっていてもよい。]
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、へキサン−1,6−ジイル基、へプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基およびドデカン−1,12−ジイル基等の炭素数1〜12の直鎖状アルカンジイル基;−CH2−CH2−O−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−および−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH2−等が挙げられる。
B11としては、−O−、−S−、−CO−O−、−O−CO−が好ましく、中でも、−CO−O−がより好ましい。
B12およびB13としては、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−が好ましく、中でも、−O−または−O−C(=O)−O−がより好ましい。
[式(P−11)〜(P−13)中、
R17〜R21はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基または水素原子を表わす。]
P11−B11−で表わされる基が、アクリロイルオキシ基またはメタアクリロイルオキシ基であることがさらに好ましい。
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-B16-E12-B17-P12 (I)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-A14-F11 (II)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-B15-E12-B17-P12 (III)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-A13-F11 (IV)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-B14-E12-B17-P12 (V)
P11-B11-E11-B12-A11-B13-A12-F11 (VI)
(式中、
A12〜A14はそれぞれ独立に、A11と同義であり、B14〜B16はそれぞれ独立に、B12と同義であり、B17は、B11と同義であり、E12は、E11と同義である。
F11は、水素原子、炭素数1〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ジメチルアミノ基、ヒドロキシ基、メチロール基、ホルミル基、スルホ基(−SO3H)、カルボキシ基、炭素数1〜10のアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表わし、該アルキル基およびアルコキシ基を構成する−CH2−は、−O−に置き換っていてもよい。)
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、光照射によりラジカルを発生する光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、ベンジルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、α−アセトフェノン化合物、トリアジン化合物、ヨードニウム塩およびスルホニウム塩が挙げられる。具体的には、イルガキュア(Irgacure)(登録商標)907、同184、同651、同819、同250、同369(以上、全てチバ・ジャパン株式会社製)、セイクオール(登録商標)BZ、同Z、同BEE(以上、全て精工化学株式会社製)、カヤキュアー(kayacure)(登録商標)BP100(日本化薬株式会社製)、UVI−6992(ダウ社製)、アデカオプトマー(登録商標)SP−152、同SP−170(以上、全て株式会社ADEKA製)、TAZ−A、TAZ−PP(以上、日本シイベルヘグナー社製)およびTAZ−104(三和ケミカル社製)等が挙げられる。中でも、α−アセトフェノン化合物が好ましく、α−アセトフェノン化合物としては、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−(4−メチルフェニルメチル)ブタン−1−オン等が挙げられ、より好ましくは2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン及び2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジルブタン−1−オンが挙げられる。α−アセトフェノン化合物の市販品としては、イルガキュア(登録商標)369、379EG、907(以上、BASFジャパン(株)製)及びセイクオール(登録商標)BEE(精工化学社製)等が挙げられる。
重合禁止剤としては、ハイドロキノンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するハイドロキノン類;ブチルカテコール等のアルキルエーテル等の置換基を有するカテコール類;ピロガロール類、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル等のラジカル補足剤;チオフェノール類;β−ナフチルアミン類およびβ−ナフトール類が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。上記範囲内であれば、重合性液晶化合物の液晶配向を乱し難く、また、重合性液晶化合物の液晶配向を乱さずに重合することができるため好ましい。
光増感剤としては、キサントン、チオキサントン等のキサントン類;アントラセンおよびアルキルエーテル等の置換基を有するアントラセン類;フェノチアジン;ルブレンが挙げられる。
光増感剤を用いることにより、光重合開始剤を高感度化することができる。光増感剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは0.5〜10質量部である。
レベリング剤としては、有機変性シリコーンオイル系、ポリアクリレート系およびパーフルオロアルキル系のレベリング剤が挙げられる。具体的には、DC3PA、SH7PA、DC11PA、SH28PA、SH29PA、SH30PA、ST80PA、ST86PA、SH8400、SH8700、FZ2123(以上、全て東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341、X22−161A、KF6001(以上、全て信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(以上、全てモメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ジャパン合同会社製)、フロリナート(fluorinert)(登録商標)FC−72、同FC−40、同FC−43、同FC−3283(以上、全て住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)R−08、同R−30、同R−90、同F−410、同F−411、同F−443、同F−445、同F−470、同F−477、同F−479、同F−482、同F−483(以上、いずれもDIC(株)製)、エフトップ(商品名)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(以上、全て三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S−381、同S−382、同S−383、同S−393、同SC−101、同SC−105、KH−40、SA−100(以上、全てAGCセイミケミカル(株)製)、商品名E1830、同E5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)、BM−1000、BM−1100、BYK−352、BYK−353、BYK−361N(いずれも商品名:BM Chemie社製)が挙げられる。2種以上のレベリング剤を組み合わせてもよい。
カイラル剤としては、公知のカイラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)が挙げられる。
カイラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物としては、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファンおよびこれらの誘導体が挙げられる。
具体的には、特開2007−269640号公報、特開2007−269639号公報、特開2007−176870号公報、特開2003−137887号公報、特表2000−515496号公報、特開2007−169178号公報および特表平9−506088号公報に記載されているような化合物が挙げられ、好ましくはBASFジャパン(株)製のpaliocolor(登録商標)LC756である。
カイラル剤の含有量は、重合性液晶化合物100質量部に対して、通常0.1〜30質量部であり、好ましくは1.0〜25質量部である。上記範囲内であれば、重合性液晶化合物の液晶配向を乱し難く、また、重合性液晶化合物の液晶配向を乱さずに重合することができるため好ましい。
反応性添加剤としては、その分子内に炭素−炭素不飽和結合と活性水素反応性基とを有するものが好ましい。なお、ここでいう「活性水素反応性基」とは、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2)等の活性水素を有する基に対して反応性を有する基を意味し、グリシジル基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、アジリジン基、イミド基、イソシアナト基、チオイソシアナト基、無水マレイン酸基等がその代表例である。
[式(Y)中、
nは1〜10までの整数を表わし、R1’は、炭素数2〜20の2価の脂肪族又は脂環式炭化水素基、或いは炭素数5〜20の2価の芳香族炭化水素基を表わす。各繰り返し単位にある2つのR2’は、一方が−NH−であり、他方が>N−C(=O)−R3’で示される基である。R3’は、水酸基又は炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す。
式(Y)中のR3’のうち、少なくとも1つのR3’は炭素−炭素不飽和結合を有する基である。]
化合物(YY)には、市販品をそのまま又は必要に応じて精製して用いることができる。市販品としては、Laromer(登録商標)LR−9000(BASF社製)等が挙げられる。
光学異方層形成用組成物は、光学異方性フィルム製造の操作性を良好にするために溶剤、特に有機溶剤を含むことが好ましい。有機溶剤としては、重合性液晶化合物等の光学異方層形成用組成物の構成成分を溶解し得る有機溶剤が好ましく、重合性液晶化合物等の光学異方層形成用組成物の構成成分を溶解し得る溶剤であって、且つ、重合性液晶化合物の重合反応に不活性な溶剤がより好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、フェノール等のアルコール溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の非塩素化脂肪族炭化水素溶剤;トルエン、キシレン等の非塩素化芳香族炭化水素溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル溶剤;およびクロロホルム、クロロベンゼン等の塩素化炭化水素溶剤;が挙げられる。二種以上の有機溶剤を組み合わせて用いてもよい。中でも、アルコール溶剤、エステル溶剤、ケトン溶剤、非塩素化脂肪族炭化水素溶剤および非塩素化芳香族炭化水素溶剤が好ましい。
前記光学異方性積層体のヘイズ値は、通常1.5%以下であり、好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0.3%以下であり、さらに好ましくは0.25%以下である。
nx>ny≒nzのポジティブAプレート、
nx≒ny>nzのネガティブCプレート、
nx≒ny<nzのポジティブCプレート、
nx≠ny≠nzのポジティブOプレートおよびネガティブOプレート
前記積層体をポジティブCプレートとして用いる場合は、正面位相差値Re(549)は0〜10nmの範囲に、好ましくは0〜5nmの範囲に調整すればよく、厚み方向の位相差値Rthは、−10〜−300nmの範囲に、好ましくは−20〜−200nmの範囲に調整すればよく、特に液晶セルの特性に合わせて、適宜選択するのが好ましい。
R0 =(nx−ny)×d (9)
R40=(nx−ny')×d/cos(φ) (10)
(nx+ny+nz)/3=n0 (11)
ここで、
φ=sin−1〔sin(40°)/n0〕
ny'=ny×nz/〔ny 2×sin2(φ)+nz 2×cos2(φ)〕1/2
位相差フィルム1及び1’に、光学異方性フィルムが位相差フィルムである光学異方性積層体を用いることができ、偏光フィルム2に、光学異方性フィルムが偏光フィルムである光学異方性積層体を用いることができる。
配向性ポリマーに、N−メチル−2−ピロリドン及びブチルセロソルブを加えた溶液中に、エチルシクロヘキサンを添加して配向膜形成用組成物(1)〜(3)、(H1)〜(H3)を得た。
表1に各成分を示す。表1における括弧内の数値は、組成物の全量に対する各成分の割合を表す。配向性ポリマーについては、固形分量を納品仕様書に記載の濃度から換算した。
表2に示す各成分を混合し、得られた溶液を80℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却して、光学異方層形成用組成物(1)を得た。
重合性液晶化合物:下記式で示される重合性液晶化合物、BASF社製
光重合開始剤:イルガキュア(登録商標)369(商品名、BASFジャパン社製)
レベリング剤:BYK−361N(商品名、ビックケミージャパン社製)
反応性添加剤:Laromer(登録商標)LR−9000、BASFジャパン社製
溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート
シクロオレフィンポリマーフィルム(ZF−14、日本ゼオン株式会社製)を5m/minの速度で搬送しながら、その表面を積水化学工業株式会社製 常圧プラズマ表面処理装置(ロールダイレクトヘッド型 AP−T04S−R890)を用いてプラズマ処理を実施した。プラズマ処理を施した表面に、配向膜形成用組成物(1)をダイコーターで塗布し、乾燥して、厚さ40nmの配向膜が付いた配向膜及び基材からなる積層体を作成した。当該積層体の配向膜表面に光学異方層形成用組成物(1)を、ダイコーターを用いて塗布し、100℃に加熱して乾燥し、室温まで冷却した。その後、高圧水銀ランプを用いて、紫外線を照射し、樹脂基材と配向膜と光学異方性フィルムとをこの順に積層する、光学異方性積層体(1)を得た。
実施例1における、配向膜形成用組成物(1)を配向膜形成用組成物(2)、(3)、(H1)〜(H3)とした以外は、実施例1と同様の条件で実施し、光学異方性積層体(2)、(3)、(H1)〜(H3)を作製した。
配向膜形成用組成物(1)〜(3)、(H1)〜(H3)について、振動式粘度計(VM−10A、CBCマテリアルズ株式会社製)を用いて、25℃における粘度を測定した。結果を表3に示す。
スガ試験機株式会社製 ヘイズメーター(型式HZ−2)を用いて、ダブルビーム法で、積層体(1)〜(3)、(H1)〜(H3)のヘイズ値を測定した。結果を表3に示す。
光学異方性積層体(1)〜(3)、(H1)〜(H3)に含まれる重合後の重合性液晶化合物の配向方向を測定機(KOBRA−WR、王子計測機器社製)により測定した。サンプルへの光の入射角を変えて測定し、液晶が垂直配向しているかどうか確認した。結果を表3に示す。
積層体(1)〜(3)、(H1)〜(H3)に含まれる欠陥の有無について、偏光顕微鏡(BX−51、オリンパス株式会社製)を用いて、200倍の倍率でクロスニコル下の光漏れの有無として確認した。結果を表3に示す。
2、2’:偏光フィルム
3、3’:接着剤層
4a、4b、4c、4d、4e、4、4’:偏光板
5、5’:接着層
6:液晶パネル
10a、10b:液晶表示装置
Claims (9)
- 基材、配向膜及び光学異方性フィルムを含む光学異方性積層体の製造方法であって、
配向膜形成用材料及び溶剤を含み、且つ、25℃における粘度が4mPa・s以下である配向膜形成用組成物を、基材上に塗布して乾燥することにより、配向膜を形成し、
重合性液晶化合物を含む光学異方層形成用組成物を、得られた配向膜上に塗布して乾燥させ、重合性液晶化合物を基材表面に対して垂直配向させることにより光学異方性フィルムを形成する、製造方法。 - 配向膜形成用材料がポリイミド、ポリアミド及びポリアミック酸から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の製造方法。
- 基材がポリオレフィンからなる請求項1又は2に記載の製造方法。
- 配向膜形成用組成物を、ダイコーター、グラビアコーター又はスリットコーターにより塗布する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 配向膜形成用組成物を基材に塗布して乾燥する際の、基材の搬送速度が5m/min以上である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 光学異方性フィルムが位相差フィルムである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 積層体がIPS(in-plane switching)液晶表示装置用の積層体である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により製造された積層体を有する偏光板。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により製造された積層体を備えた表示装置。
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