JP2009080454A - 配向膜形成用組成物、液晶装置の製造方法 - Google Patents

配向膜形成用組成物、液晶装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液滴吐出法に適した配向膜形成用組成物、これを用いた液晶装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】配向膜形成用組成物は、液滴吐出法で配向膜を形成する際に用いられる配向膜形成用組成物であって、配向膜形成材料である溶質と、溶質を溶解する第1有機溶媒と、表面張力制御用の第2有機溶媒とを含み、末端基がアルキル基である第2有機溶媒を選定して、良溶媒である第1有機溶媒との混合溶媒を構成した。
【選択図】図9

Description

本発明は、液滴吐出法で配向膜を形成する際に用いられる配向膜形成用組成物、これを用いた液晶装置の製造方法に関する。
一対の基板により液晶を狭持する液晶装置は、基板表面において液晶分子を所定の方向に配向させる配向膜を備えている。従来の配向膜の形成方法としては、フレキソ印刷法やスピンコート法が一般的であった。フレキソ印刷法では、印刷用のフレキソ版にキズや異物が付いていると印刷不良の原因となるため、その取り扱いや保守が煩雑であった。また、フレキソ版に印刷材料を行き渡らせるためには、相当量の印刷材料が必要であり、無駄が多いという課題がある。スピンコート法においても実際に膜形成に寄与する材料は、投入材料の10%程度であって、投入材料のほとんどが一旦廃棄されてしまうので、やはり材料の無駄が多い。
このような投入材料の無駄を少なくするために、必要な個所に必要な量のインクを配することが可能なインクジェット法に代表される液滴吐出法が注目されている。
この液滴吐出法を用いて配向膜を形成するには、配向膜形成用組成物を適当な溶媒に溶解した溶液を用い、当該溶液を液滴吐出法で基板上に吐出し、加熱・乾燥して溶媒成分を除くことにより成膜化して配向膜とする。得られた配向膜は、必要により液晶分子を所定の方向に配向させるために、ラビングなどの配向処理が施される。
液滴吐出法に適した配向膜形成用組成物としては、γ−ブチロラクトンとブチルセロソルブの少なくとも一種を含有し、その合計含有量が溶剤全体に占める割合が90重量%以上である溶剤に、配向膜形成用組成物を溶解させたものが知られている(特許文献1)。
また、表面張力が39dyne/cm以上の、分子内に窒素原子を含有する第1有機溶剤、表面張力が39dyne/cm以上の、分子内に窒素原子を含有しない第2有機溶剤および表面張力が32dyne/cm以下の第3有機溶剤からなる混合溶剤ならびにポリアミック酸の部分イミド化重合体および/またはポリイミドを含有する垂直液晶配向剤が知られている(特許文献2)。
特開2003−295195号公報 特開2006−30961号公報
しかしながら、インクジェット法を用い、基板上にノズルから上記特許文献に記載された配向膜形成用組成物を液滴として吐出して塗布膜を形成すると、走査方向に沿ってスジムラが発生するといった問題が生じた。塗布膜を焼成して得られた配向膜にもスジムラの影響と思われる膜厚ムラが生じた。
このスジムラの発生要因としては、
(1)基板に対して液滴が十分に濡れ広がらない。
(2)吐出された液滴のレベリング性が悪く、不均一に溶質成分(固形分)が析出する。
(3)乾燥時に塗布された溶液が縮退してしまう。
などが考えられる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の配向膜形成用組成物は、液滴吐出法で配向膜を形成する際に用いられる配向膜形成用組成物であって、配向膜形成材料である溶質と、前記溶質を溶解する第1有機溶媒と、表面張力制御用の第2有機溶媒とを含み、前記第2有機溶媒の末端基がアルキル基であることを特徴とする。
この構成によれば、第2有機溶媒の末端基がアルキル基以外の例えば水酸基の場合、水素結合により、第1有機溶媒および第2有機溶媒からなる混合溶媒の粘度が上昇する。言い換えれば、末端基がアルキル基である第2有機溶媒を用いたほうが、混合溶媒を低粘度な状態で安定化させることができる。したがって、液滴吐出法で配向膜を形成する際に、吐出性や流動性を低下させずに成膜することができる。すなわち、液滴吐出法で安定した吐出状態を維持して、塗布ムラを抑制可能な配向膜形成用組成物を提供することができる。
[適用例2]上記適用例の配向膜形成用組成物において、前記アルキル基の炭素数が、1〜4のいずれかであることを特徴とする。
この構成によれば、炭素数が1〜4のアルキル基を末端基とすれば、低粘度の第2有機溶媒を用いて混合溶媒が構成される。したがって、液滴吐出法に適した低粘度の配向膜形成用組成物を提供することができる。
[適用例3]上記適用例の配向膜形成用組成物において、前記第2有機溶媒は、以下の化学式(1)に示すエチレングリコール骨格を有する溶媒であって、nが1または2、且つアルキル基R1,R2の炭素数が、1〜4のいずれかであることを特徴とする。
Figure 2009080454
この構成によれば、液滴吐出法に適したより低粘度の配向膜形成用組成物を提供することができる。
[適用例4]上記適用例の配向膜形成用組成物において、前記第2有機溶媒は、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルのうち少なくとも一種であることを特徴とする。
[適用例5]上記適用例の配向膜形成用組成物において、前記第1有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレンのうち少なくとも一種であることを特徴とする。
上記適用例4および適用例5によれば、工業的に入手可能な有機溶媒を用いて、液滴吐出法で安定した吐出状態を維持して塗布ムラを抑制可能な配向膜形成用組成物を提供することができる。
[適用例6]上記適用例の配向膜形成用組成物において、前記第1有機溶媒にもっとも蒸気圧が低い溶媒が含まれていることが好ましい。
この構成によれば、液滴吐出法で塗布された塗布膜を乾燥して成膜する際に、溶媒成分のうち第1有機溶媒に含まれるもっとも蒸気圧が低い溶媒が最後まで残存して乾燥される。ゆえに、第1有機溶媒が第2有機溶媒より先に蒸発して、溶質が析出することによるレベリング性の低下を防ぐことができる。すなわち、レベリング性を向上させて塗布ムラを抑制し、膜厚がより均一な配向膜を得ることができる。
[適用例7]上記適用例の配向膜形成用組成物において、前記第1有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンからなり、前記第2有機溶媒は、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルのうち少なくとも一種であることを特徴とする。
[適用例8]上記適用例の配向膜形成用組成物において、前記第1有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレンのうち炭酸プロピレンを含む少なくとも二種からなり、前記第2有機溶媒は、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルのうち少なくとも一種であることを特徴とする。
[適用例9]上記適用例の配向膜形成用組成物において、前記第1有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレンのうち炭酸プロピレンを含む少なくとも二種からなり、前記第2有機溶媒は、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルのうち少なくとも一種であることを特徴とする。
上記適用例7および適用例8並びに適用例9によれば、工業的に入手可能な有機溶媒を用いて、液滴吐出法で安定した吐出状態を維持して塗布ムラを抑制すると共に、レベリング性を向上させた配向膜形成用組成物を提供することができる。
[適用例10]上記適用例の配向膜形成用組成物において、すべての溶媒成分に占める前記第1有機溶媒の割合が、50〜95重量%であり、前記第2有機溶媒の割合が、5〜50重量%であることが好ましい。
この構成によれば、第2有機溶媒の割合が、少なくとも5重量%であるため、混合溶媒は、液滴吐出法に適した表面張力を確保することができる。また、第2有機溶媒の割合が、50重量%以下であるため、第1有機溶媒の割合を越えない。したがって、塗布後の乾燥過程で、第2有機溶媒が過多であることによる溶質の析出を防ぐことができる。すなわち、液滴吐出法に適した表面張力の配向膜形成用組成物を提供することができる。
[適用例11]上記適用例の配向膜形成用組成物において、前記溶質の固形分濃度が1重量%以上10重量%以下であって、粘度が3mPa・s以上20mPa・s以下、表面張力が30mN/m以上45mN/m以下に調整されてなることが好ましい。
固形分濃度が1重量%未満であると、得られる配向膜の膜厚が薄くなりすぎ、良好な配向膜とならなくなるおそれがある。また、固形分濃度が10重量%を超えると、得られる配向膜の膜厚が厚くなりすぎ、やはり良好な配向膜とならなくなるおそれがあるとともに、配向膜形成用組成物の粘性が増大し、液滴吐出法による吐出性が低下する。
この構成によれば、液滴吐出法に適した固形分濃度の配向膜形成用組成物とすることができる。また、粘度を3mPa・s以上20mPa・s以下に調整することで、流動性が良好となり、液滴吐出法において安定した吐出性を確保することができる。さらに、表面張力を30mN/m以上45mN/m以下に調整することで、基板表面への濡れ性が良好となり、液滴吐出法に適した配向膜形成用組成物を提供することができる。この場合、表面張力制御用の第2有機溶媒は、表面張力が32mN/m未満の有機溶媒を用いることが望ましい。
[適用例12]本適用例の液晶装置の製造方法は、上記適用例の配向膜形成用組成物を、液滴吐出法で基板表面に塗布し、配向膜を形成する工程を有することを特徴とする。
この方法によれば、吐出状態を安定させて塗布ムラを抑制可能な配向膜形成用組成物を用いるので、膜厚がより均一な配向膜を得ることができる。すなわち、塗布ムラに起因する配向ムラが低減され、高い表示品位を有する液晶装置を製造することができる。
(実施形態1)
<配向膜形成用組成物>
まず、本実施形態の配向膜形成用組成物について説明する。本実施形態の配向膜形成用組成物は、後述する液滴吐出装置を用いた液滴吐出法としてのインクジェット法によって配向膜を形成する際に用いられるインクであって、配向膜材料である溶質と、主に溶質を溶解する第1有機溶媒と、表面張力制御用の第2有機溶媒とを含んでいる。
上記第1有機溶媒および上記第2有機溶媒は単一種または複数種の有機溶媒によって構成されたものであり、第1有機溶媒にもっとも沸点の高い溶媒が含まれている。以降、第1有機溶媒と第2有機溶媒とが混合されたものを混合溶媒と呼ぶ。
第1有機溶媒としては、非プロトン性極性溶媒またはフェノール系溶媒が選択され用いられる。非プロトン性極性溶媒としては、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒、エーテル系溶媒、ニトリル系溶媒などが挙げられる。なかでも、溶質の溶解性と乾燥性の観点から、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒の使用が好ましい。
アミド系溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素などが挙げられる。
スルホキシド系溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどが挙げられる。
また、フェノール系溶媒としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのクレゾール、または、o−キシレノール、m−キシレノール、p−キシレノールなどのキシレノール、フェノール、あるいは、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノールなどのハロゲン化フェノールなどが挙げられる。
これらの中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、および炭酸プロピレンよりなる群から選択された少なくとも一種が好適に用いられる。
これらの溶媒の、沸点、25℃での表面張力および粘度は、以下の通りである(図9参照)。
N−メチル−2−ピロリドンは、沸点;204℃、表面張力;41mN/m、粘度;1.0mPa・sである。
N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンは、沸点;225℃、表面張力;38.6mN/m、粘度;1.1mPa・sである。
γ−ブチロラクトンは、沸点;204℃、表面張力;44mN/m、粘度;1.1mPa・sである。
炭酸プロピレンは、沸点;242℃、表面張力;44mN/m、粘度;2.5mPa・sである。
これらの溶媒は、後述する配向膜形成材料に対して良好な溶解性を有する良溶媒であり、これらのうちの少なくとも一種を用いることにより、配向膜形成材料に対する混合溶媒の良好な溶解性を確保することができる。
このような第1有機溶媒は、表面張力が比較的大きく、配向膜の形成面となる基板表面に対して濡れ広がり難い。したがって、この第1有機溶媒のみを配合した組成物は基板表面に対して十分な成膜ができないおそれがある。
そこで、上記混合溶媒として、表面張力が32mN/m未満と比較的小さく、濡れ性の良い第2有機溶媒を含有したものを用いる。
具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−アセトキシプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、または、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプリピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、あるいは、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネート、エチルエトキシプロピオネート、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチルなどのエステル系溶媒、さらには、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、末端基がアルキル基であって、その炭素数が1〜4の有機溶媒が望ましい。さらには、以下の化学式(1)に示す、nが1または2、且つ末端のアルキル基R1,R2の炭素数が1〜4であるエチレングリコール骨格を有する溶媒が望ましい。
Figure 2009080454
より具体的には、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテルよりなる群から選択された少なくとも一種が好適に用いられる。
これの溶媒の、沸点、25℃での表面張力および粘度、化学式は、以下の通りである(図9参照)。
ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(化学式(2))は、沸点;176℃、表面張力;26.8mN/m、粘度;1.2mPa・sである。
Figure 2009080454
ジエチレングリコールジエチルエーテル(化学式(3))は、沸点;189℃、表面張力;25mN/m、粘度;1.4mPa・sである。
Figure 2009080454
ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル(化学式(4))は、沸点;179℃、表面張力;23.9mN/m、粘度;1.3mPa・sである。
Figure 2009080454
ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(化学式(5))は、沸点;212℃、表面張力;24.1mN/m、粘度;1.6mPa・sである。
Figure 2009080454
これらの溶媒は、後述する配向膜形成材料に対しては良好な溶解性を示さない。したがって、貧溶媒となるものの、表面張力が比較的小さく基板表面に対しての濡れ性が大きいことから、配向膜形成用組成物の濡れ広がり不足に起因するスジムラや、形成した配向膜のエッジ部分におけるしみ上がり(隆起)を低減して、配向膜を所望の厚さで均一に形成することができる。また、末端基が水素結合し易い水酸基でなく、アルキル基であるため粘度が比較的に小さく配向膜形成用組成物をノズルから液滴として吐出する際に、流動性がよい。したがって、気泡を抱き込むことによるノズルの目詰まりや飛行曲がりなどの不具合が発生し難い。すなわち、安定した吐出性を確保することができる。
このような第2有機溶媒の、混合溶媒全体に占める混合割合としては、5重量%以上50重量%以下であるのが好ましい。濡れ性が大きい第2有機溶媒を5重量%以上配合することで、配向膜形成用組成物の基板(配向膜形成面)に対する良好な濡れ性を確保することができる。これにより、スジムラを低減し、均質で平坦な配向膜を形成することが可能となる。また、50重量%以下とすることで、貧溶媒である第2有機溶媒が混合溶媒中の過半を占めることがなく、配向膜形成材料に対する混合溶媒の良好な溶解性を確保して、良好な成膜性を得ることができる。なお、第1有機溶媒と第2有機溶媒との割合は、溶質の固形分濃度を考慮する必要があることは言うまでもない。溶質の固形分濃度を増やすときには、第1有機溶媒の割合を増やすことが望ましい。
また、これら第1有機溶媒と第2有機溶媒とを含有してなる混合溶媒は、第1有機溶媒に、もっとも沸点が高い溶媒が含まれている。言い換えれば、もっとも沸点が高く、配向膜形成材料に対して溶解性を有する溶媒が第1有機溶媒に含まれるように、第1有機溶媒と第2有機溶媒とを組み合わせている。
したがって、本実施形態の配向膜形成用組成物は、乾燥途中において良溶媒(第1有機溶媒)が先に蒸発してしまい、残った乾燥途中の溶液が、貧溶媒(第2有機溶媒)のみになるといったことが防止される。これにより、乾燥過程で最後まで残る良溶媒中で溶質が流動し、乾燥によって徐々に析出する。すなわち、レベリング性が向上して、乾燥後に膜厚がほぼ均一な配向膜が得られる。
<配向膜形成用材料>
次に、混合溶媒に溶解される、固形分となる配向膜形成用材料について説明する。
本実施形態の配向膜形成用組成物に含まれる配向膜形成用材料としては、特に制限されず、従来公知の配向膜形成用材料が使用できる。例えば、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ・スチレン−フェニルマレイミド誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの中でも、優れた液晶配向能を有する配向膜を形成できるなどの理由から、次の化学式(6)で示される繰り返し単位、および化学式(7)で示される繰り返し単位から選ばれる少なくとも一種を有する重合体であるのが好ましい。
Figure 2009080454
Figure 2009080454
このような重合体としては、(i)上記化学式(6)で示される繰り返し単位を有するポリアミック酸、(ii)上記化学式(7)で示される繰り返し単位を有するイミド化重合体、(iii)上記化学式(6)で示される繰り返し単位を有するアミック酸プレポリマーと、上記化学式(7)で示される繰り返し単位を有するイミドプレポリマーとを有してなるブロック共重合体などが挙げられる。これらは単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。二種以上を組み合わせて用いる場合には、ポリアミック酸とイミド化重合体とを混合して用いるのが好ましい。
(i)ポリアミック酸
ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得ることができる。
ポリアミック酸の合成に用いるテトラカルボン酸二無水物としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、シス−3,7−ジブチルシクロオクタ−1,5−ジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボニル−2−カルボキシノルボルナン−2:3,5:6−ジ無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。また、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いることも可能である。これらは一種単独で、あるいは二種以上組み合わせて用いることができる。
ポリアミック酸の合成に用いるジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジアミノベンズアニリド、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4'−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4'−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、3,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4'−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2',5,5'−テトラクロロ−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジクロロ−4,4'−ジアミノ−5,5'−ジメトキシビフェニル、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、1,4,4'−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4'−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2'−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4'−ジアミノ−2,2'−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4'−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミンが挙げられる。また、脂肪族および脂環式ジアミン、分子内に2つの1級アミノ基および該1級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミンを用いることも可能である。これらのジアミンは一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、配向膜形成用組成物にプレチルト角発現性を付与したい場合には、上記化学式(6)におけるQ1および/または上記化学式(7)におけるQ2の一部または全部が、下記化学式(8)および(9)で表される少なくとも一種の基であることが好ましい。
Figure 2009080454
(式中、X1は、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−S−またはアリーレン基であり、R14は、炭素数10〜20のアルキル基、炭素数4〜40の脂環式骨格を有する1価の有機基または炭素数6〜20のフッ素原子を有する1価の有機基である。)
Figure 2009080454
(式中、X2、X3はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−、−S−またはアリーレン基であり、R15は、炭素数4〜40の脂環式骨格を有する2価の有機基である。)
特定ジアミンの全ジアミン量に対する使用割合は、発現させたいプレチルト角の大きさによっても異なるが、TN型、STN型液晶表示素子の場合には0〜5モル%、垂直配向型液晶表示素子の場合には5〜100モル%が好ましい。
ポリアミック酸は、上述したテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、適当な有機溶媒中、通常−20〜+150℃、好ましくは0〜100℃で反応させることにより、製造することができる。
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、より好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応に用いる有機溶媒としては、ポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はない。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒;などが挙げられる。
有機溶媒の使用量(α)は、通常、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(β)が、反応溶液の全量(α+β)に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
なお、上記有機溶媒には、ポリアミック酸の貧溶媒を、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。
ポリアミック酸の貧溶媒としては、前述した配向膜形成用材料の貧溶媒として例示したものと同様のものが挙げられる。これらの溶媒は一種単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアミック酸を含む反応液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥することにより、ポリアミック酸を単離することができる。
また、得られたポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
(ii)イミド化重合体
イミド化重合体は、前述したポリアミック酸を、公知の方法、例えば、特開2003−295195号公報に記載された方法により脱水閉環させることにより得ることができる。なお、イミド化重合体は、繰り返し単位の100%が脱水閉環していなくてもよく、全繰り返し単位におけるイミド環を有する繰り返し単位の割合(以下、「イミド化率」ともいう。)が100%未満のものであってもよい。
イミド化重合体のイミド化率は特に制限されないが、好ましくは40モル%以上、より好ましくは70モル%以上である。イミド化率が40モル%以上の重合体を用いることによって、残像消去時間の短い配向膜が形成可能な配向膜形成用組成物を得ることができる。
本実施形態で用いる重合体は、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。この末端修飾型の重合体を用いることにより、配向膜形成用組成物の塗布適性などを改善することができる。
このような末端修飾型の重合体は、ポリアミック酸を合成する際に、酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを反応系に添加することにより合成することができる。ここで、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などが挙げられる。また、モノアミン化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミンなどが挙げられる。また、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどが挙げられる。
(iii)ブロック共重合体
ブロック共重合体は、末端にアミノ基または酸無水物基を有するアミック酸プレポリマーと、末端に酸無水物基またはアミノ基を有するイミドプレポリマーとをそれぞれ合成し、各プレポリマーの末端のアミノ基と酸無水物基を結合させることにより、得ることができる。
アミック酸プレポリマーは、上述したポリアミック酸の合成方法と同様の方法により合成することができる。また、イミドプレポリマーは、上述したイミド化重合体の合成方法と同様にして合成することができる。なお、末端に有する官能基の選択は、ポリアミック酸合成時のテトラカルボン酸二無水物とジアミンの量を調整することにより行うことができる。
本実施形態の配向膜形成用組成物には、基板表面に対する接着性を向上させる目的で、混合溶媒および配向膜形成用材料の他に、官能性シラン含有化合物またはエポキシ基含有化合物を含有させてもよい。
用いる官能性シラン含有化合物、エポキシ基含有化合物としては、特に制限なく、従来公知のものを使用することができる。これら官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物の配合割合は、配向膜形成用材料100重量部に対して、通常、40重量部以下、好ましくは30重量部以下である。
本実施形態の配向膜形成用組成物は、上記配向膜形成用材料および所望により官能性シラン含有化合物などを、上記混合溶媒に溶解または分散、好ましくは溶解させることによって製造することができる。
配向膜形成用材料からなる固形分の濃度については、粘性や表面張力などを考慮して選択されるが、好ましくは1重量%以上10重量%以下の範囲とされる。固形分濃度が1重量%未満であると、得られる配向膜の膜厚が薄くなりすぎ、良好な配向膜とならなくなるおそれがあるからである。また、固形分濃度が10重量%を超えると、得られる配向膜の膜厚が厚くなりすぎ、やはり良好な配向膜とならなくなるおそれがあるとともに、配向膜形成用組成物の粘性が増大し、液滴吐出法による吐出性が低下するからである。
配向膜形成用組成物の粘度については、特に制限されないものの、3mPa・s以上20mPa・s以下(25℃)の範囲に調整しておくのが好ましい。この範囲に粘度を調整することにより、流動性が良好となり、したがって液滴吐出法による良好で安定した吐出性を確保することができる。
また、表面張力については、特に制限されないものの、30mN/m以上45mN/m以下(25℃)の範囲に調整しておくのが好ましい。この範囲に表面張力を調整することにより、基板表面への濡れ性が良好となり、したがって液滴吐出法によって均一な厚みの配向膜を効率よく形成することができる。
上記実施形態1によれば、以下の効果が得られる。
(1)上記実施形態1の配向膜形成用組成物によれば、第2有機溶媒がエチレングリコール骨格を有する溶媒であって、末端基が炭素数1〜4のアルキル基であるため、第1有機溶媒との混合溶媒を液滴吐出法に適した低粘度の状態とすることができる。したがって、配向膜形成用組成物の流動性を確保し、吐出時の目詰まりや飛行曲がりを低減して、塗布ムラが少ない安定した吐出状態で配向膜を形成することができる。
(2)本実施形態の配向膜形成用組成物を用いることにより、塗布ムラが少ない配向膜を有する液晶装置を製造することができる。
(実施形態2)
次に、上記実施形態1の配向膜形成用組成物を用いた液晶装置の製造方法について、図を参照して説明する。なお、説明に用いる図は、適宜拡大または縮小されている。
<液晶装置>
まず、液晶装置について説明する。図1は、液晶装置の構造を示す概略分解斜視図である。
図1に示すように、液晶装置200は、TFT(Thin Film Transistor)透過型の液晶パネル220と、液晶パネル220を照明する照明装置218とを備えている。液晶パネル220は、カラーフィルタ205を有する対向基板201と、画素電極210に3端子のうちの1つが接続されたTFT素子211を有する素子基板208と、一対の基板201,208によって挟持された液晶(図示省略)とを備えている。また、液晶パネル220の外面側となる一対の基板201,208の表面には、透過する光を偏向させる上偏光板216と下偏光板217とが配設される。
対向基板201は、透明なガラスなどの材料からなり、液晶を挟む表面側に隔壁部204によってマトリクス状に区画された複数の膜形成領域2に、赤(R)、緑(G)、青(B)、3色のカラーフィルタ205R,205G,205Bが形成されている。隔壁部204は、Crなどの遮光性を有する金属あるいはその酸化膜からなるブラックマトリクスと呼ばれる下層バンク202と、下層バンク202の上(図面では下向き)に形成された有機化合物からなる上層バンク203とにより構成されている。また、隔壁部204とカラーフィルタ205R,205G,205Bとを覆う平坦化層206と、平坦化層206を覆うように形成されたITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなる対向電極207とを備えている。対向電極207を覆うように配向膜214が形成されている。
素子基板208は、同じく透明なガラスなどの材料からなり、液晶を挟む表面側に絶縁膜209を介してマトリクス状に形成された画素電極210と、画素電極210に対応して形成された複数のTFT素子211とを有している。TFT素子211の3端子のうち、画素電極210に接続されない他の2端子は、互いに絶縁された状態で画素電極210を囲むように格子状に配設された走査線212とデータ線213とに接続されている。また、これらの画素電極210、TFT素子211、走査線212、データ線213を覆うように配向膜215が形成されている。
上記配向膜214,215は、液晶パネル220の表示モードに応じて、液晶分子を水平配向または垂直配向させることが可能な配向膜形成材料が選択され、当該配向膜形成材料を含む上記実施形態1の配向膜形成用組成物を用いて、後述する液滴吐出法(インクジェット法)で形成されている。
照明装置218は、例えば光源として白色のLED、EL、冷陰極管などを用い、これらの光源からの光を液晶パネル220に向かって出射することができる導光板や拡散板、反射板などの構成を備えたものであれば、どのようなものでもよい。
本実施形態の液晶装置200は、配向膜214,215が上記実施形態1の配向膜形成用組成物を用いて形成されているので、塗布ムラに起因する表示不具合の少ない高い表示品質を有する。
なお、液晶装置200は、アクティブ素子としてTFT素子211に限らずTFD(Thin Film Diode)素子を有したものでもよく、さらには、画素を構成する電極が互いに交差するように配置されるパッシブ型の液晶装置でもよい。また、上下偏光板216,217は、視角依存性を改善する目的などで用いられる位相差フィルムなどの光学機能性フィルムと組み合わされたものでもよい。さらには、透過型に限定されず、反射型、半透過反射型の液晶装置でもよい。
<液晶装置の製造方法>
次に、液晶装置200の製造方法について、図2〜図8を参照して説明する。図2は、液晶装置の製造方法を示すフローチャートである。
図2に示すように、本実施形態の液晶装置200の製造方法は、対向基板201の表面に隔壁部204を形成する隔壁部形成工程(ステップS1)と、隔壁部204で区画された膜形成領域2に3色のカラーフィルタ205R,205G,205Bを形成するカラーフィルタ(CF)形成工程(ステップS2)と、隔壁部204とカラーフィルタ205とを覆うように平坦化層206を形成する平坦化層形成工程(ステップS3)と、平坦化層206を覆うように対向電極207を形成する透明導電膜形成工程(ステップS4)とを備えている。また、対向電極207を覆うように配向膜214を形成するCF側配向膜形成工程(ステップS5)と、画素電極210やTFT素子211などを覆うように配向膜215を形成する素子側配向膜形成工程(ステップS6)とを備えている。さらに、対向基板201と素子基板208とを対向させ、その隙間に液晶を充填して所定の位置で両方の基板201,208を接合する液晶充填・組立工程(ステップS7)とを備えている。
本実施形態の液晶装置200の製造方法において、CF形成工程(ステップS2)、CF側配向膜形成工程(ステップS5)および素子側配向膜形成工程(ステップS6)は、液滴吐出法(インクジェット法)を用いて所望の薄膜を形成している。そこで、液滴吐出法(インクジェット法)を具現化する代表的な液滴吐出装置について、図3および図4を参照して予め説明しておく。図3は液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図である。
図3に示すように、液滴吐出装置100は、被吐出物としてのワークW上に液状体を液滴として吐出して、液状体からなる塗布膜を形成するものである。ワークWが載置されるステージ104と、載置されたワークWに液状体を液滴として吐出する複数の液滴吐出ヘッド20(図4参照)が搭載されたヘッドユニット101とを備えている。
そして、ヘッドユニット101を副走査方向(X方向)に駆動するためのX方向ガイド軸102と、X方向ガイド軸102を回転させるX方向駆動モータ103とを備えている。また、ステージ104を副走査方向に対して直交する主走査方向(Y方向)にガイドするためのY方向ガイド軸105と、Y方向ガイド軸105に係合して回転するY方向駆動モータ106とを備えている。これらX方向ガイド軸102とY方向ガイド軸105とが上部に配設された基台107を有し、その基台107の下部に、制御装置108を備えている。
さらに、ヘッドユニット101の複数の液滴吐出ヘッド20をクリーニング(回復処理)するために、Y方向ガイド軸105に沿って移動するクリーニング機構109と、吐出された液状体を加熱し溶媒を蒸発・乾燥させるためのヒータ111とを備えている。クリーニング機構109は、Y方向ガイド軸105に係合して回転するY方向駆動モータ110を有している。
ヘッドユニット101には、液状体をワークWに塗布する複数の液滴吐出ヘッド20(図4参照)を備えている。そして、これら複数の液滴吐出ヘッド20により、制御装置108から供給される吐出用の制御信号に応じて、個別に液状体を吐出できるようになっている。
X方向駆動モータ103は、これに限定されるものではないが例えばステッピングモータなどであり、制御装置108から駆動パルス信号が供給されると、X方向ガイド軸102を回転させ、X方向ガイド軸102に係合したヘッドユニット101をX方向に移動させる。
同様にY方向駆動モータ106,110は、これに限定されるものではないが例えばステッピングモータなどであり、制御装置108から駆動パルス信号が供給されると、Y方向ガイド軸105に係合して回転し、Y方向駆動モータ106,110を備えたステージ104およびクリーニング機構109をY方向に移動させる。
クリーニング機構109は、液滴吐出ヘッド20をクリーニングする際には、ヘッドユニット101を臨む位置に移動し、液滴吐出ヘッド20のノズル面に密着して不要な液状体を吸引するキャッピング、液状体などが付着したノズル面を拭き取るワイピング、液滴吐出ヘッド20の全ノズルから液状体の吐出を行う予備吐出あるいは不要となった液状体を受けて排出させる処理を行う。クリーニング機構109の詳細は省略する。
ヒータ111は、これに限定されるものではないが例えばランプアニールによりワークWを熱処理する手段であり、ワークW上に吐出された液状体を加熱して、溶媒を蒸発させ膜に変換するための熱処理を行う。このヒータ111の電源の投入および遮断も制御装置108によって制御される。
液滴吐出装置100の塗布動作は、制御装置108から所定の駆動パルス信号をX方向駆動モータ103およびY方向駆動モータ106に送り、ヘッドユニット101を副走査方向(X方向)に、ステージ104を主走査方向(Y方向)に相対移動させる。そして、この相対移動の間に制御装置108から吐出用の制御信号を供給し、各液滴吐出ヘッド20からワークWの所定の領域に液状体を液滴として吐出し塗布を行う。
図4は、液滴吐出ヘッドの構造を示す概略図である。同図(a)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す概略斜視図、同図(b)は、複数のノズルの配置を示す概略平面図である。なお、同図は、構成を明確にするため適宜拡大または縮小している。
図4(a)に示すように液滴吐出ヘッド20は、複数のノズル22を有するノズルプレート21と、各ノズル22に対応してこれを区画する区画部24を含む液状体の流路が形成されたリザーバプレート23と、エネルギー発生手段としての圧電素子(ピエゾ)29を有する振動板28とからなる3層構造の所謂ピエゾ方式インクジェットヘッドである。ノズルプレート21とリザーバプレート23の区画部24および振動板28によって複数の圧力発生室25が構成されている。各ノズル22は、各圧力発生室25にそれぞれ連通している。また、圧電素子29は、各圧力発生室25に対応するように振動板28に複数配設されている。
リザーバプレート23には、振動板28に形成された供給孔28aを通じてタンク(図示省略)から供給される液状体が、一時的に貯留される共通流路27が設けられている。また共通流路27に充填された液状体は、供給口26を通じて各圧力発生室25に供給される。
図4(b)に示すように、液滴吐出ヘッド20は、2つのノズル列22a,22bを有しており、それぞれ複数(180個)の直径がおよそ28μmのノズル22がピッチP1で配列している。そして、2つのノズル列22a,22bは互いにピッチP1に対して半分のノズルピッチP2ずれた状態でノズルプレート21に配設されている。この場合、ピッチP1は、およそ140μmである。よって、ノズル列22a,22bに直交する方向から見ると360個のノズル22がおよそ70μmのノズルピッチP2で配列した状態となっている。したがって、2つのノズル列22a,22bを有する液滴吐出ヘッド20の有効ノズルの全長は、ノズルピッチP2×359(およそ25mm)である。また、ノズル列22a,22bの間隔は、およそ2.54mmである。
液滴吐出ヘッド20は、電気信号としての駆動波形が圧電素子29に印加されると圧電素子29自体が歪んで振動板28を変形させる。これにより、圧力発生室25の体積変動が起こり、これによるポンプ作用で圧力発生室25に充填された液状体が加圧され、ノズル22から液状体を液滴Dとして吐出することができる。
なお、本実施形態の液滴吐出ヘッド20は、所謂2連のノズル列22a,22bを有しているが、これに限定されず1連のものでもよい。さらには、ノズル22から液状体を液滴Dとして吐出させる駆動手段は、圧電素子29に限定されず、電気熱変換素子としてのヒータや電気機械変換素子としての静電アクチュエータなどでもよい。
このような液滴吐出ヘッド20を備えた液滴吐出装置100は、上位コンピュータなどの外部情報処理装置からワークW上の所望の領域に液状体を塗布するための吐出データが制御装置108に入力され、当該吐出データに基づいて液状体がノズル22から液滴Dとして吐出される。吐出データには、ワークW上における上記所望の領域に関する位置データ、吐出タイミングを規定する制御データ、液滴吐出ヘッド20とワークWとの主走査における複数のノズル22の選択(ON)/非選択(OFF)データや液滴Dの吐出回数などのノズルデータが含まれている。
以降、液晶装置200の製造方法について詳細に説明する。図5はマザー基板を示す概略平面図、図6(a)〜(f)および図7(g)〜(k)は液晶装置の製造方法を示す概略断面図である。
図5に示すように、液晶装置200の製造にあたり、実際には、対向基板201を複数取りしたマザー基板M1と、同じく素子基板208を複数取りしたマザー基板M2とを用いる。それぞれのマザー基板M1,M2には、液晶パネル220の大きさに応じた構成要素の形成領域が設計上定められている。図5において斜線部で表した膜形成領域3は、配向膜214(配向膜215)の形成領域を示すものである。すなわち、1つのマザー基板M1から4個分の液晶パネル220に相当する対向基板201が得られる構成となっている。同様に、1つのマザー基板M2から4個分の液晶パネル220に相当する素子基板208が得られる。それぞれに画素構成要素が形成されたマザー基板M1とマザー基板M2とを接合し、接合体を切断することにより、液晶パネル220を取り出している。
図2のステップS1は、隔壁部形成工程である。ステップS1では、図6(a)に示すように、まず、対向基板201の表面に、膜形成領域2を区画するように下層バンク202を形成する。形成方法としては、真空蒸着法やスパッタ法により、CrやAlなどの金属膜または金属化合物の膜を対向基板201の表面に遮光性を有するように成膜する。そしてフォトリソグラフィ法により、感光性樹脂(フォトレジスト)を塗布して膜形成領域2が開口するように露光・現像・エッチングする。続いてフォトリソグラフィ法により、感光性の隔壁部形成材料をおよそ2μmの厚みで塗布して露光・現像し、上層バンク203を下層バンク202上に形成する。隔壁部204は、下層バンク202と上層バンク203とからなる所謂二層バンク構造となっている。なお、隔壁部204は、これに限らず、遮光性を有する感光性の隔壁部形成材料を用いて形成した上層バンク203のみの一層構造としてもよい。そして、ステップS2へ進む。
図2のステップS2は、CF形成工程である。ステップS2では、図6(b)に示すように、液滴吐出装置100のステージ104にマザー基板M1(対向基板201)を載置する。そして、マザー基板M1(対向基板201)が載置されたステージ104と液滴吐出ヘッド20との主走査方向への相対移動に同期して、着色材料を含む液状体30Rが充填された液滴吐出ヘッド20の複数のノズル22から液滴Dを膜形成領域2に吐出する。膜形成領域2に吐出される液状体30Rの総吐出量は、後の乾燥工程で所定の膜厚が得られるように、予め吐出回数などが設定された吐出データに基づいて、制御装置108から適正な制御信号が液滴吐出ヘッド20に送られて制御される。液状体30Rは、赤色(R)の着色材料を含むものであり、所望の膜形成領域2に吐出される。そして、同図(c)に示すように、液滴吐出装置100に備えられたヒータ111によってマザー基板M1(対向基板201)を加熱して、吐出された液状体30Rから溶媒成分を蒸発させ固化して、赤色のカラーフィルタ205Rを形成した。
続いて緑色(G)、青色(B)の順に異なる着色材料を含む液状体を順次吐出して乾燥することにより、同図(d)に示すように3色のカラーフィルタ205R,205G,205Bを形成した。なお、これに限定されず、例えば、異なる着色材料を含む3色の液状体をそれぞれ異なる液滴吐出ヘッド20に充填し、各液滴吐出ヘッド20をヘッドユニット101に装備して、各液滴吐出ヘッド20から所望の膜形成領域2に液状体を吐出する。そして、溶媒の蒸気圧を一定にして乾燥することが可能な減圧乾燥装置にマザー基板M1(対向基板201)をセットして減圧乾燥する方法を用いてもよい。
なお、マザー基板M1は、上記液状体の吐出を行う前に、膜形成領域2内が親液性を有すると共に、隔壁部204の少なくとも上層バンク203が撥液性を有するように表面処理を施しておくことが望ましい。これによれば、着弾した液滴Dが膜形成領域2内にムラなく濡れ広がる。また、上層バンク203に着弾した液滴Dを膜形成領域2内に容易に収容することができる。そして、ステップS3へ進む。
図2のステップS3は、平坦化層形成工程である。ステップS3では、図6(e)に示すように、カラーフィルタ205と上層バンク203とを覆うように平坦化層206を形成する。形成方法としては、スピンコート法、ロールコート法などによりアクリル系樹脂をコーティングして乾燥させる方法が挙げられる。また、感光性アクリル樹脂をコーティングしてから紫外光を照射して硬化させる方法も採用することができる。膜厚は、およそ100nmである。なお、カラーフィルタ205が形成された対向基板201の表面が比較的に平坦ならば、平坦化層形成工程を省いてもよい。そして、ステップS4へ進む。
図2のステップS4は、透明導電膜形成工程である。ステップS4では、図6(f)に示すように、平坦化層206の上にITO(Indium Tin Oxide)などの導電材料からなる対向電極207を成膜する。成膜方法としては、ITOなどの導電材料をターゲットとして真空中で蒸着あるいはスパッタする方法が挙げられる。膜厚は、およそ10nmである。なお、形成された対向電極207は、適宜必要な形状(パターン)に加工される。そして、ステップS5へ進む。
図2のステップS5は、CF側配向膜形成工程である。ステップS5では、図7(g)に示すように、対向電極207を覆うように実施形態1の配向膜形成用組成物(液状体50)を塗布する。塗布方法としては、液滴吐出装置100を用い、液状体50を液滴吐出ヘッド20に充填して、図5に示した膜形成領域3に液滴Dとして吐出する。この場合も、吐出された液滴Dが対向電極207の表面においてムラなく濡れ広がるように、予めマザー基板M1(対向基板201)に表面処理を施しておくのが望ましい。表面処理の方法としては、処理ガスをO2とするプラズマ処理などが挙げられる。
図8は、液状体の吐出方法を示す概略平面図である。着弾後の液滴Dの濡れ広がり方は、次のa)〜c)の特性に依存する。
a)配向膜形成用組成物(液状体50)の表面張力や粘度
b)マザー基板M1(対向基板201)の表面処理状態(界面張力)
c)液滴Dの吐出量
a)およびb)は前述したように、調整が可能である。ここでは、c)に着目して液状体50の吐出方法について説明する。
前述したように液滴吐出ヘッド20は、2つのノズル列22a,22bを有している。各ノズル列22a,22bは、それぞれ180個のノズル22から構成されている(図4参照)。180個のノズル22からそれぞれ吐出される液滴Dの吐出量は、必ずしも一定ではない。例えば、隣り合うノズル22から同時に液滴Dを吐出すると、圧電素子29に印加される駆動電圧パルスが歪む、所謂電気的クロストークが発生する。また、隣り合うノズル22に至る液状体50の流路などの構造上の違いに起因する所謂機械的クロストークが発生する。これらの電気的クロストーク、機械的クロストークによって、吐出された液滴Dの吐出量がばらついてしまう。
そこで、本実施形態では、図8に示すように、各ノズル列22a,22bの隣り合うノズル22から同時に液滴Dを吐出しないように吐出データが生成されている。これにより、電気的クロストークや機械的クロストークに起因する液滴Dの吐出量のばらつきを低減している。また、一方のノズル列22aから吐出された液滴Dの着弾状態を補完するように、他方のノズル列22bから液滴Dを吐出している。着弾後の液滴径は、前述したように着弾面における濡れ広がり方に寄る。液滴Dの吐出量が安定すれば、上記液滴径も安定する。そして、着弾後の液滴Dが、濡れ広がって互いにムラなく混じり合うように、ノズル列22aとノズル列22bの吐出間隔を調整する。吐出間隔は、液滴吐出ヘッド20とワークWとしてのマザー基板M1との相対移動速度に対応した吐出タイミングの設定により、調整可能である。このようにすれば、主走査において、マザー基板M1の表面にムラなく液状体50を塗布することができる。本実施形態では、マザー基板M1における膜形成領域3の大きさと配置に対応して、X方向に液滴吐出ヘッド20を移動する副走査と、Y方向へ液滴Dを吐出する主走査とを組み合わせて、複数回実施することにより、各膜形成領域3に液状体50を塗布した。なお、この場合、乾燥後の膜厚がおよそ100nmとなるように、液滴Dの吐出量をおよそ10ngに設定した。
このような液滴吐出装置100を用いた液状体50の吐出方法は、配向膜形成用組成物としての液状体50が、インクジェット法に適した表面張力と粘度に調整されているので、高い駆動電圧を圧電素子29に印加しなくても、ノズル22から液滴Dを安定した吐出量で吐出することができる。言い換えれば、液滴吐出ヘッド20の低電圧駆動が可能である。さらには、高周波数駆動を可能として、描画速度を早められる。
続いて、塗布された液状体50を乾燥して成膜化する(プレベーク)。本実施形態では、塗布面において、均一に乾燥が進むように、加熱したホットプレート(HP)上に隙間をおいてマザー基板M1を載置し、乾燥させた。乾燥条件としては、例えば、HPの加熱温度を70〜100℃、好ましくは80℃に設定、上記隙間をおよそ5mmとした。数分〜5分程度の乾燥時間で、大半の溶媒成分を均一に蒸発させることができた。液状体50すなわち配向膜形成用組成物は、第1有機溶媒にもっとも沸点が高い溶媒が含まれているので、乾燥中にレベリングが進み、塗布ムラが目立ち難い、言い換えれば膜厚がほぼ均一な配向膜214が得られた。
さらに、配向膜214中の溶媒成分を除去して、固化させるためにポストベークを行う。ポストベークの条件としては、180〜250℃で10分から1時間、加熱乾燥することが望ましい。これにより図7(h)に示すように、配向膜214の形成が完了する。そして、ステップS6へ進む。
図2のステップS6は、素子側配向膜形成工程である。ステップS6では、図7(i)に示すように、マザー基板M2(素子基板208)の画素電極210などを覆うように液状体50を塗布する。塗布方法並びにプレベーク、ポストベークの方法は、ステップS5と同様である。これにより、図7(j)に示すように、配向膜215を素子基板208上に積層形成した。なお、マザー基板M2に画素電極210やTFT素子211、走査線212やデータ線213を形成する工程は、公知の方法を用いればよく、ここでは省略した。そして、ステップS7へ進む。
図2のステップS7は、液晶充填・組立工程である。ステップS7では、図7(k)に示すように、配向膜214が形成された対向基板201と配向膜215が形成された素子基板208と、を所定の位置で対向させ、シール材を介して接合する。対向基板201と素子基板208との隙間に液晶を充填して、液晶層219とする。液晶を充填する方法としては、一対の基板の一方に印刷法や吐出法で額縁状にシール材を形成する。これを受け皿に見たてて液晶を真空中で必要量滴下した後に、他方の基板と接合する方法が挙げられる。シール材としては、例えば、熱硬化型のエポキシ系接着剤が好適に用いられる。シール材中には、対向基板201と素子基板208との隙間(Gap)、すなわち液晶層219の厚みが一定になるように、Gap材が含まれている。Gap材としては、所定の径を有するガラス繊維や硬質樹脂粒子などが挙げられる。
このようにしてできたセルの表裏面に上下偏光板216,217を貼り付けることにより液晶装置200ができあがる。なお、液晶装置200は、これを照明するための照明装置218を素子基板208の背面側に備えて用いられる(図1参照)。
<実施例と比較例>
図9は、液晶装置の製造に適用した配向膜形成用組成物の実施例および比較例と、対応する評価結果とを示す表である。同図(a)は実施例を示し、同図(b)は比較例を示すものである。
(実施例1〜3)
図9(a)に示すように、実施例1〜3では、第1有機溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒としてγ−ブチロラクトンを選択して40重量%とした。従たる良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを選択して30重量%とした。そして、第2有機溶媒として、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルからなる群のうちから一種の溶媒を選択した。
(実施例4)
実施例4では、第1有機溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒として炭酸プロピレンを選択して40重量%とした。従たる良溶媒としてN,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンを選択して30重量%とした。そして、第2有機溶媒として、ジエチレングリコールブチルメチルエーテルを選択した。
実施例1〜4では、第1有機溶媒にもっとも沸点が高い溶媒が含まれるように、第2有機溶媒を選択した。
実施例1〜4において、溶質である配向膜材料は、JSR株式会社製のAL−60601(垂直配向剤)を用い、固形分濃度を4重量%とした。溶媒成分における第1有機溶媒と第2有機溶媒の割合は、70重量%:30重量%である。
また、YAMAICHI ELECTRONICS製の振動式デジタル粘度計(Model VM−100A)で測定した25℃における粘度は、次のとおりである。
実施例1;5.6mPa・s、
実施例2;5.7mPa・s、
実施例3;5.7mPa・s、
実施例4;7.6mPa・sであり、液滴吐出法に適した低粘度な状態となっている。
(比較例1〜2)
図9(b)に示すように、比較例1〜2における、第1有機溶媒は、実施例1〜3と同じである。ただし、第2有機溶媒は、一方の末端基が水酸基であるエーテル系溶媒を用いた。具体的には、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルのうち一種の溶媒を選択した。これらの第2有機溶媒の沸点、25℃の表面張力、粘度、化学式は、以下の通りである。
エチレングリコールモノブチルエーテル(化学式(10))は、沸点;170℃、表面張力;27.4mN/m、粘度;3.2mPa・sである。
Figure 2009080454
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(化学式(11))は、沸点;194℃、表面張力;34.3mN/m、粘度;4.1mPa・sである。
Figure 2009080454
(比較例3〜4)
図9(b)に示すように、比較例3〜4では、第1有機溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒としてγ−ブチロラクトンを選択して40重量%とした。従たる良溶媒としてN,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンを選択して30重量%とした。そして、第2有機溶媒は、少なくとも一方の末端基が水酸基であるエーテル系溶媒を用いた。具体的には、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールのうち一種の溶媒を選択した。これらの第2有機溶媒の沸点、25℃の表面張力、粘度、化学式は、以下の通りである。
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(化学式(12))は、沸点;202℃、表面張力;31.8mN/m、粘度;4.5mPa・sである。
Figure 2009080454
ジエチレングリコール(化学式(13))は、沸点;245℃、表面張力;48.5mN/m、粘度;35.7mPa・sである。
Figure 2009080454
これらの比較例1〜4において、溶質と、その固形分濃度、溶媒成分における第1有機溶媒と第2有機溶媒の割合は、実施例1〜4と同様である。また、比較例1〜3では、第1有機溶媒にもっとも沸点が高い溶媒が含まれるように、第2有機溶媒を選択した。比較例4では、第1有機溶媒に比べて、沸点、表面張力、粘度がいずれも高い第2有機溶媒を選択した。
得られた配向膜形成用組成物を、液滴吐出装置100を用いて、ITO基板上へ乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布し、配向膜の成膜を行った。
得られた配向膜のムラ(スジムラやエッジ部分の隆起など)を目視によって観察し、吐出性、濡れ性、膜レベリング性の3つの評価項目に対して、良好なものを○、やや塗布ムラが見られるものを△、膜化していないものを×として評価した。その結果を表にまとめた。なお、配向膜形成用組成物の吐出条件(ノズル列22a,22bごとのノズル選択、吐出間隔の設定)は、前述したステップS5で設定した吐出条件をいずれも適用している。
実施例1〜4の配向膜形成用組成物を用いた成膜方法では、吐出性、濡れ性、膜レベリング性においていずれも良好な結果が得られ、均一な配向膜を形成することができた。
比較例1の配向膜形成用組成物を用いた成膜方法では、吐出性においては、目詰まりなどの問題がないものの、濡れ性、膜レベリング性において、実施例1〜4に劣り、スジムラが認められ、良好な配向膜を形成することができなかった。
比較例2〜3の配向膜形成用組成物を用いた成膜方法では、吐出性、濡れ性において、実施例1〜4に劣り、且つ、膜レベリング性においては、流動性が不足しているため、はっきりしたスジムラが認められた。
比較例4の配向膜形成用組成物を用いた成膜方法では、吐出性、濡れ性、膜レベリング性においていずれも実施例1〜4に劣り、膜化することができなかった。
実施例1〜4と比較例1〜4の配向膜形成用組成物の組成とその物性から判るとおり、混合溶媒において、両方の末端基がアルキル基である第2有機溶媒を選択した実施例1〜4の方が、吐出性に優れると共に、沸点と表面張力とが比較的に低いので、濡れ性と膜レベリング性とを確保して、均一な配向膜を形成することができた。
以上に述べた上記実施形態2によれば、以下の効果が得られる。
(1)上記実施形態2の液晶装置200の製造方法において、配向膜形成工程(ステップS5およびステップS6)では、インクジェット法で基板表面に液状体50(実施形態1の配向膜形成用組成物)を液滴Dとして塗布している。液状体50は、インクジェット法に適した表面張力と粘度とを有しており、ノズル22の目詰まりや飛行曲がりが少なく安定した吐出状態が維持されるので、塗布ムラを低減することができる。したがって、プレベーク後に、ほぼ膜厚が均一な配向膜214,215を形成することができる。ゆえに、塗布ムラに起因する配向ムラを低減し、高い表示品質を有する液晶装置200を製造することができる。
(2)上記実施形態2の液晶装置200の製造方法において、配向膜形成工程(ステップS5およびステップS6)では、液状体50を複数のノズル22から液滴Dとして吐出する際に、隣り合うノズル22から同時に吐出されないようにノズル選択がなされている。また、基板表面に着弾した液滴Dが濡れ広がって、互いにムラなく混じり合うように各ノズル列22a,22bの吐出間隔が設定されている。したがって、基板表面においてムラなく液状体50を塗布することができる。
(実施形態3)
<他の配向膜形成用組成物>
次に、本実施形態の他の配向膜形成用組成物について説明する。本実施形態の他の配向膜形成用組成物は、上記実施形態1の配向膜形成用組成物に対して、配向膜形成用材料および第1有機溶媒並びに第2有機溶媒のそれぞれにおいて、基本的な材料選択の範囲は、同じである。
注目すべきは、上記第1有機溶媒および上記第2有機溶媒は単一種または複数種の有機溶媒によって構成されたものであり、第1有機溶媒にもっとも蒸気圧が低い溶媒が含まれている点である。
前述したように、溶質を溶解する第1有機溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、および炭酸プロピレンよりなる群から選択された少なくとも一種が好適に用いられる。
これらの溶媒の、25℃での蒸気圧、沸点、25℃での表面張力および粘度は、以下の通りである(図10参照)。
・N−メチル−2−ピロリドンは、蒸気圧;0.29mmHg、沸点;204℃、表面張力;41mN/m、粘度;1.0mPa・sである。
・N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンは、蒸気圧;0.15mmHg、沸点;225℃、表面張力;38.6mN/m、粘度;1.1mPa・sである。
・γ−ブチロラクトンは、蒸気圧;0.45mmHg、沸点;204℃、表面張力;44mN/m、粘度;1.1mPa・sである。
・炭酸プロピレンは、蒸気圧;0.03mmHg、沸点;242℃、表面張力;44mN/m、粘度;2.5mPa・sである。
これらの溶媒の中では、炭酸プロピレンがもっとも沸点が高く、且つ蒸気圧が低い。しかしながら、沸点が同じN−メチル−2−ピロリドンとγ−ブチロラクトンに着目すると、N−メチル−2−ピロリドンの方が蒸気圧が低いことが分かる。すなわち、溶媒の蒸発し易さの判断は、沸点よりも蒸気圧の方が適正であることが分かる。
上記第1有機溶媒の物性を考慮すると、表面張力制御用の第2有機溶媒として、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルよりなる群から選択された少なくとも一種が好適に用いられる。
これの溶媒の、25℃での蒸気圧、沸点、25℃での表面張力および粘度は、以下の通りである(図10参照)。
ジエチレングリコールエチルメチルエーテルは、蒸気圧;0.68mmHg、沸点;176℃、表面張力;26.8mN/m、粘度;1.2mPa・sである。
ジエチレングリコールジエチルエーテルは、蒸気圧;0.38mmHg、沸点;189℃、表面張力;25mN/m、粘度;1.4mPa・sである。
ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルは、蒸気圧;0.66mmHg、沸点;179℃、表面張力;23.9mN/m、粘度;1.3mPa・sである。
ジエチレングリコールブチルメチルエーテルは、蒸気圧;0.11mmHg、沸点;212℃、表面張力;24.1mN/m、粘度;1.6mPa・sである。
エチレングリコールジブチルエーテルは、蒸気圧;0.11mmHg、沸点;203℃、表面張力;23mN/m、粘度;1.3mPa・sである。
これら第1有機溶媒と第2有機溶媒とを含有してなる混合溶媒は、第1有機溶媒に、もっとも蒸気圧が低い溶媒が含まれている。言い換えれば、もっとも蒸気圧が低く、配向膜形成材料に対して溶解性を有する溶媒が第1有機溶媒に含まれるように、第1有機溶媒と第2有機溶媒とを組み合わせている。
したがって、本実施形態の他の配向膜形成用組成物は、乾燥途中において良溶媒(第1有機溶媒)が先に蒸発してしまい、残った乾燥途中の溶液が、貧溶媒(第2有機溶媒)のみになるといったことが防止される。これにより、乾燥過程で最後まで残る良溶媒中で溶質が流動し、乾燥によって徐々に析出する。すなわち、レベリング性が向上して、乾燥後に膜厚がほぼ均一な配向膜が得られる。
<実施例と比較例>
図10(a)および(b)は、液晶装置の製造に適用した他の配向膜形成用組成物の実施例と、対応する評価結果とを示す表である。図11は、他の配向膜形成用組成物の比較例と、対応する評価結果とを示す表である。
(実施例1〜3)
図10(a)に示すように、実施例1〜3は、上記実施形態2の場合と同じであって、第1有機溶媒として、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒としてγ−ブチロラクトンを選択して40重量%とした。従たる良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを選択して30重量%とした。そして、第2有機溶媒として、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルからなる群のうちから一種の溶媒を選択した。
(実施例5,6)
図10(a)に示すように、実施例5,6では、第1有機溶媒として、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒として炭酸プロピレンを選択して40重量%とした。従たる良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを選択して30重量%とした。そして、第2有機溶媒として、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルからなる群のうちから一種の溶媒を選択した。
(実施例7,8)
図10(a)に示すように、実施例7,8では、第1有機溶媒として、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒として炭酸プロピレンを選択して40重量%とした。従たる良溶媒としてN,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンを選択して30重量%とした。そして、第2有機溶媒として、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルからなる群のうちから一種の溶媒を選択した。
(実施例9〜11)
図10(b)に示すように、実施例9〜11では、第1有機溶媒として、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを選択して30重量%とした。従たる良溶媒としてγ−ブチロラクトンおよび炭酸プロピレンを選択してそれぞれ20重量%とした。そして、第2有機溶媒として、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルからなる群のうちから一種の溶媒を選択した。
(実施例12〜14)
図10(b)に示すように、実施例12〜14では、第1有機溶媒として、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒としてN,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンを選択して30重量%とした。従たる良溶媒としてγ−ブチロラクトンおよび炭酸プロピレンを選択してそれぞれ20重量%とした。第2有機溶媒として、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルからなる群のうちから一種の溶媒を選択した。
実施例1〜3,5〜14において、第2有機溶媒の選択にあたり、第1有機溶媒にもっとも蒸気圧が低い溶媒が含まれるように、第2有機溶媒を選択した。すなわち、選択された第2有機溶媒の蒸気圧Pmin(B)から選択された第1有機溶媒の低い方の蒸気圧Pmin(A)を差し引いた値が、正の値となるように、各溶媒が組み合わされている。
実施例1〜3,5〜14において、溶質である配向膜材料は、JSR株式会社製のAL−60601(垂直配向剤)を用い、固形分濃度を4重量%とした。溶媒成分における第1有機溶媒と第2有機溶媒の割合は、70重量%:30重量%である。
なお、第1有機溶媒(良溶媒)や第2有機溶媒(貧溶媒)の選択や組成割合については、溶質に対する溶解性、蒸気圧、表面張力、粘度だけでなく、混合溶媒としての作業性や環境への配慮はもちろんのこと、塗布される配向膜形成面に与える影響をも考慮することが重要である。例えば、配向膜形成面がカラーフィルタ205や平坦化層206(図1参照)などの有機樹脂層である場合、有機溶媒による侵食などの影響を考慮する必要がある。実施例1〜3,5〜14では、他の第1有機溶媒に対して溶質に対する溶解性が比較的に高いN−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンの割合が低くなるように設定している。
(比較例1,2)
図11に示すように、比較例1,2は、上記実施形態2の場合と同じであって、実施例1〜3と同様に、第1有機溶媒として、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒としてγ−ブチロラクトンを選択して40重量%とした。従たる良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを選択して30重量%とした。そして、第2有機溶媒として、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルからなる群のうちから一種の溶媒を選択した。
(比較例5)
図11に示すように、比較例5では、実施例1〜3と同様に、第1有機溶媒として、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒としてγ−ブチロラクトンを選択して40重量%とした。従たる良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを選択して30重量%とした。そして、第2有機溶媒として、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを選択した。
(比較例6)
図11に示すように、比較例6では、実施例7,8と同様に、第1有機溶媒として、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒として炭酸プロピレンを選択して40重量%とした。従たる良溶媒としてN,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンを選択して30重量%とした。そして、第2有機溶媒として、ジエチレングリコールを選択した。
(比較例7)
図11に示すように、比較例7では、実施例9〜11と同様に、第1有機溶媒として、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを選択して30重量%とした。従たる良溶媒としてγ−ブチロラクトンおよび炭酸プロピレンを選択してそれぞれ20重量%とした。そして、第2有機溶媒として、ジエチレングリコールを選択した。
(比較例8)
図11に示すように、比較例8では、実施例12〜14と同様に、第1有機溶媒として、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、炭酸プロピレンからなる群のうち、主たる良溶媒としてN,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノンを選択して30重量%とした。従たる良溶媒としてγ−ブチロラクトンおよび炭酸プロピレンを選択してそれぞれ20重量%とした。そして、第2有機溶媒として、ジエチレングリコールを選択した。
比較例1では、第1有機溶媒にもっとも蒸気圧が低い溶媒が含まれるように、第2有機溶媒が選択されている。
比較例2,5〜8では、第2有機溶媒にもっとも蒸気圧が低い溶媒が含まれるように、第2有機溶媒を選択した。すなわち、選択された第2有機溶媒の蒸気圧Pmin(B)から選択された第1有機溶媒の低い方の蒸気圧Pmin(A)を差し引いた値が、負の値となるように、各溶媒が組み合わされている。また、溶質と、その固形分濃度、溶媒成分における第1有機溶媒と第2有機溶媒の割合は、実施例1〜3,5〜14と同様である。
得られた配向膜形成用組成物を、液滴吐出装置100を用いて、ITO基板上へ乾燥後の膜厚が100nmとなるように塗布し、配向膜の成膜を行った。
得られた配向膜のムラ(スジムラやエッジ部分の隆起)を目視によって観察し、良好に膜化している場合を○、膜化していない場合を×として評価した。その結果を表にまとめた。なお、配向膜形成用組成物の吐出条件(ノズル列22a,22bごとのノズル選択、吐出間隔の設定)は、前述したステップS5で設定した吐出条件をいずれも適用している。
実施例1〜3,5〜14の配向膜形成用組成物を用いた成膜方法では、レベリング性に起因するスジムラが発生せず、均一で良好な配向膜を形成することができた。
比較例1の配向膜形成用組成物を用いた成膜方法では、吐出性においては、目詰まりなどの問題がないものの、濡れ性、膜レベリング性において、実施例1〜3,5〜14に劣り、スジムラが認められ、良好な配向膜を形成することができなかった。これは、第2有機溶媒として、末端基が水素結合し易い水酸基を有するエチレングリコールモノブチルエーテルを用いたことにより、塗布後に粘度上昇を招きレベリング性が低下したと考えられる。
比較例2,5〜8の配向膜形成用組成物を用いた成膜方法では、スジムラおよび斑点状の乾燥ムラが発生し、良好な配向膜を形成することができなかった。特に斑点状の乾燥ムラの発生は、乾燥過程において第1有機溶媒が先に蒸発し、第1有機溶媒に対して溶質に対する溶解性が低い第2有機溶媒が残ることにより、溶質が析出して縮退が発生することに起因すると考えられる。
実施例1〜3,5〜14と比較例1,2,5〜8の配向膜形成用組成物の組成とその物性から判るとおり、混合溶媒において、第2有機溶媒の末端基がアルキル基であって、第1有機溶媒にもっとも蒸気圧が低い溶媒が含まれる組成の方が、レベリング性がよく、塗布ムラ(スジムラ)および斑点状の乾燥ムラを抑制して成膜することができる。有機溶媒は、一般的に沸点の高い方が蒸気圧が低くなる傾向を有するが、溶媒の選択によっては必ずしもそのようにならない。よって、塗布後のレベリング性を改善するには、第1有機溶媒にもっとも蒸気圧が低い溶媒を含むことが有効である。
以上に述べた上記実施形態3によれば、以下の効果が得られる。
(1)上記実施形態3の他の配向膜形成用組成物によれば、上記実施形態1の配向膜形成用組成物における配向膜形成材料を用い、第1有機溶媒にもっとも蒸気圧が低い溶媒が含まれるように、末端基がアルキル基である第2有機溶媒を選択することにより、インクジェット法における吐出性を確保しつつ、塗布膜におけるレベリング性が向上し、塗布ムラを低減することができる。したがって、プレベーク後に、ほぼ膜厚が均一な配向膜214,215を形成することができる。ゆえに、塗布ムラに起因する配向ムラを低減し、高い表示品質を有する液晶装置200を製造することができる。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記実施形態1の配向膜形成用組成物は、上記実施形態2の実施例1〜4の組成に限定されない。同様に、上記実施形態3の他の配向膜形成用組成物は、上記実施例1〜3,5〜14の組成に限定されない。例えば、第1有機溶媒は、一種の良溶媒を用いて構成してもよい。また、第2有機溶媒は、一種に限定されず、二種以上の貧溶媒を用いて構成してもよい。これによれば、液滴吐出法に適した組成の調整が容易となる。
(変形例2)上記実施形態2の液晶装置200の製造方法において、上記実施形態1の配向膜形成用組成物、または上記実施形態3の他の配向膜形成用組成物を用いる工程は、配向膜214,215を形成する工程に限定されない。例えば、液晶装置200が、液晶パネル220のセル内またはセル外側の表面に位相差層を有する構造であり、液晶性ポリマーを用いて当該位相差層を形成することがある。その場合、当該位相差層の遅相軸を規定するために、当該位相差層の形成面に予め配向膜を形成し、所定の方向に配向処理を施す。上記実施形態1の配向膜形成用組成物または上記実施形態3の他の配向膜形成用組成物は、この遅相軸を規定する配向膜の形成にも適用することができる。
液晶装置の構造を示す概略分解斜視図。 液晶装置の製造方法を示すフローチャート。 液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図。 (a)は液滴吐出ヘッドの構造を示す概略斜視図、(b)は複数のノズルの配置を示す概略平面図。 マザー基板を示す概略平面図。 (a)〜(f)は液晶装置の製造方法を示す概略断面図。 (g)〜(k)は液晶装置の製造方法を示す概略断面図。 液状体の吐出方法を示す概略平面図。 液晶装置の製造に適用した配向膜形成用組成物の実施例および比較例と、対応する評価結果とを示す表であり、(a)は実施例を示す表、(b)は比較例を示す表。 (a)および(b)は液晶装置の製造に適用した他の配向膜形成用組成物の実施例と、対応する評価結果とを示す表。 他の配向膜形成用組成物の比較例と、対応する評価結果とを示す表。
符号の説明
200…液晶装置、201…基板としての対向基板、208…基板としての素子基板、214,215…配向膜、M1,M2…基板としてのマザー基板。

Claims (12)

  1. 液滴吐出法で配向膜を形成する際に用いられる配向膜形成用組成物であって、
    配向膜形成材料である溶質と、
    前記溶質を溶解する第1有機溶媒と、
    表面張力制御用の第2有機溶媒とを含み、
    前記第2有機溶媒の末端基がアルキル基であることを特徴とする配向膜形成用組成物。
  2. 前記アルキル基の炭素数が、1〜4のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の配向膜形成用組成物。
  3. 前記第2有機溶媒は、以下の化学式(1)に示すエチレングリコール骨格を有する溶媒であって、nが1または2、且つアルキル基R1,R2の炭素数が、1〜4のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の配向膜形成用組成物。
    Figure 2009080454
  4. 前記第2有機溶媒は、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルのうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項3に記載の配向膜形成用組成物。
  5. 前記第1有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレンのうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の配向膜形成用組成物。
  6. 前記第1有機溶媒にもっとも蒸気圧が低い溶媒が含まれていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の配向膜形成用組成物。
  7. 前記第1有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンからなり、
    前記第2有機溶媒は、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルのうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項6に記載の配向膜形成用組成物。
  8. 前記第1有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレンのうち炭酸プロピレンを含む少なくとも二種からなり、
    前記第2有機溶媒は、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルのうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項6に記載の配向膜形成用組成物。
  9. 前記第1有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N’−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレンのうち炭酸プロピレンを含む少なくとも二種からなり、
    前記第2有機溶媒は、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルのうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項6に記載の配向膜形成用組成物。
  10. すべての溶媒成分に占める前記第1有機溶媒の割合が、50〜95重量%であり、
    前記第2有機溶媒の割合が、5〜50重量%であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の配向膜形成用組成物。
  11. 前記溶質の固形分濃度が1重量%以上10重量%以下であって、粘度が3mPa・s以上20mPa・s以下、表面張力が30mN/m以上45mN/m以下に調整されてなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の配向膜形成用組成物。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の配向膜形成用組成物を、液滴吐出法で基板表面に塗布し、配向膜を形成する工程を有することを特徴とする液晶装置の製造方法。
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