JP4705769B2 - ホメオトロピック配向している液晶フイルム - Google Patents

ホメオトロピック配向している液晶フイルム Download PDF

Info

Publication number
JP4705769B2
JP4705769B2 JP2004242732A JP2004242732A JP4705769B2 JP 4705769 B2 JP4705769 B2 JP 4705769B2 JP 2004242732 A JP2004242732 A JP 2004242732A JP 2004242732 A JP2004242732 A JP 2004242732A JP 4705769 B2 JP4705769 B2 JP 4705769B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
liquid crystal
film
polymerizable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004242732A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006057051A (ja
Inventor
真 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2004242732A priority Critical patent/JP4705769B2/ja
Publication of JP2006057051A publication Critical patent/JP2006057051A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4705769B2 publication Critical patent/JP4705769B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ピリジニウム化合物がホメオトロピック配向している液晶フイルムに関する。また、本発明は、液晶フイルムを用いた光学フイルムにも関する。
棒状液晶化合物のホメオトロピック配向は、液晶相の分子長軸が平均して薄膜(液晶相)を形成する基板に対して実質的に垂直である場合に生じる。棒状液晶化合物のホメオトロピック配向には、一般的に排除体積性の置換基を導入した配向膜(垂直配向膜)が用いられる(例えば、特許文献1参照)。しかし、安価に用いることのできる通常の配向膜上で自発的にホメオトロピック配向する物質は非常に僅かしかなく、高分子液晶を用いた例が報告されている(例えば、特許文献2参照)。一方、低分子液晶を用いてかかる配向を生じさせるためには、一般的に垂直配向剤が用いられる。垂直配向剤によりホメオトロピック配向させることができる液晶化合物としては、例えば、ネマチック液晶化合物の配向技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
前記液晶化合物をホメオトロピック配向させうる垂直配向剤としては各種の有機系または無機系配向剤が知られている。慣用されている配向剤の多くはガラス基板上で有効に作用するようにデザインされている。
このような慣用の有機系配向剤としては、たとえば、レシチン、シラン系界面活性剤、オクタデシルトリエトキシシラン、チタネート系界面活性剤、ピリジニウム塩系高分子界面活性剤、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムハライドまたはクロム錯体などがあげられる。これら有機系配向剤は、活性成分が非常に少量(代表的には1%よりも少ない量)となるように適当な揮発性溶剤に溶解され、次いで例えばスピンコーティングまたはその他周知の塗布方法によって基板上に塗布された後、揮発性溶剤を蒸発させることにより、ガラス基板上に有機配向剤の薄膜として形成される。これら有機系配向剤は、極性のガラス表面に引き付けられると考えられる極性末端基とガラス表面に対して垂直に配列する無極性の長鎖状アルキル鎖を有することを特徴とするものであり、このような表面上において液晶化合物にホメオトロピック配向を生じさせる。
また無機系配向剤としては、例えば、ガラス基板上にSiOまたはIn/SnOを垂直角度で蒸着させたものが知られており、液晶化合物にホメオトロピック配向を生じさせる。その他、アルキル側鎖付ポリイミド膜も液晶ディスプレイなどのホメオトロピック配向膜として用いられている。
しかしながら、前記慣用の配向剤は、いずれもガラス基板上においてのみ液晶化合物にホメオトロピック配向を与えるものであり、プラスチックフイルムやプラスチックシート等のポリマー物質からなる基板上での配向にはあまり有効に作用するものではない。ポリマー物質からなる基板の表面は前記慣用されている配向剤の極性末端基に対する親和性に乏しいものと推測され、それゆえ、一般的には、ホメオトロピック配向を全然示さないか、またはほんの僅かに配向を示すに留まる。また、アルキル側鎖付ポリイミド膜の形成には高温での熱処理が必要であるが、ポリイミド配向膜を焼成するのに耐えることができ、光学用途として使用できる透明プラスチックフイルムはほんの僅かである。
ピリジニウム化合物については、いくつか報告がある(例えば、非特許文献2、特許文献3〜5参照)。また、ディスコティック液晶の傾斜角制御剤としての応用が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
特開2002−294240号公報 特開2003−2927号公報 特開2000−86656号公報 特開平8−157456号公報 特開平10−53585号公報 特開2002−37777号公報 化学総説44(表面の改質、日本化学会編、156〜163頁) 液晶、3、85〜98頁(1999)
本発明の目的は、垂直配向膜を使用することなく棒状液晶化合物を実質的に垂直に、空気界面まで均一に配向させることである。
また、本発明の目的は、棒状液晶化合物が実質的に垂直に均一に配向している液晶フイルムを提供することでもある。
本発明は、下記式(I)で表されるピリジニウム化合物および重合性棒状液晶化合物を含み、該ピリジニウム化合物がホメオトロピック配向し、該重合性棒状液晶化合物に導入した重合性基の重合反応により配向状態が固定されている液晶フイルムを提供する:
Figure 0004705769
[式中、Lアルキレン基と−O−、−S−、−CO−、−SO −、−NR −(但し、R は炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子である)、アルケニレン基、アルキニレン基またはアリーレン基との組み合わせからなる炭素原子数が1〜20の二価の連結基であり;Rは、水素原子、アミノまたは炭素原子数が1乃至20の置換アミノ基であり;Xはアニオンであり;そして、Yは5員環または6員環を部分構造として有する炭素原子数1乃至30の一価の基である]。
また、本発明は、下記式(II)で表されるピリジニウム化合物および重合性棒状液晶化合物を含み、該ピリジニウム化合物がホメオトロピック配向し、該重合性棒状液晶化合物に導入した重合性基の重合反応により配向状態が固定されている液晶フイルムも提供する:
Figure 0004705769
[式中、Lアルキレン基と−O−、−S−、−CO−、−SO −、−NR −(但し、R は炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子である)、アルケニレン基、アルキニレン基またはアリーレン基との組み合わせからなる炭素原子数が1〜20の二価の連結基であり;Rは、水素原子、アミノまたは炭素原子数が1乃至20の置換アミノ基であり;Yは5員環または6員環を部分構造として有する二価の連結基であり;Xはアニオンであり;Zは、フェニル、ハロゲン置換フェニル、ニトロ置換フェニル、シアノ置換フェニル、炭素原子数が1〜10のアルキル基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜10のアルコキシ基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜12のアルキル基、炭素原子数が2〜20のアルキニル基、炭素原子数が1〜12のアルコキシ基、炭素原子数が2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素原子数が7〜26のアリールオキシカルボニル基および炭素原子数が7〜26のアリールカルボニルオキシ基からなる群より選ばれる一価の基である]。
さらに、本発明は、下記式(III)で表されるピリジニウム化合物および重合性棒状液晶化合物を含み、該ピリジニウム化合物がホメオトロピック配向し、該重合性棒状液晶化合物に導入した重合性基の重合反応により配向状態が固定されている液晶フイルムも提供する:
Figure 0004705769
[式中、Lは、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−または−O−CO−AL−CO−O−であって、ALは、炭素原子数が1乃至10のアルキレン基であり;Lは、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−または−N=N−であり;Rは、水素原子、アミノまたは炭素原子数が2乃至20のアルキル置換アミノ基であり;YおよびYは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい6員環であり;Xはアニオンであり;Zは水素原子、シアノ、炭素原子数が1乃至12のアルキル基または炭素原子数が1乃至12のアルコキシ基であって、アルキル基およびアルコキシ基は、炭素原子数が2乃至12のアシル基または炭素原子数が2乃至12のアシルオキシ基で置換されていてもよい;mは1または2であって、mが2の場合、二つのLおよび二つのYは、異なっていてもよく;そして、pは、1乃至10の整数である]。
また、基板上に上記のホメオトロピック配向液晶フイルムを設けたものを光学フイルムとして利用することもできる。
本発明によれば、垂直配向膜を使用することなく棒状液晶化合物を実質的に垂直に、空気界面まで均一に配向させることができる。これにより、垂直配向膜を介さずに基板上で棒状液晶化合物が実質的に垂直に均一に配向している液晶フイルムを実現することができる。
ピリジニウム化合物は、下記式(I)で表される。
Figure 0004705769
式(I)において、Lは二価の連結基である。Lは、アルキレン基と−O−、−S−、−CO−、−SO−、−NR−(但し、Rは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子である)、アルケニレン基、アルキニレン基またはアリーレン基との組み合わせからなる炭素原子数が1〜20の二価の連結基であることが好ましい。
式(I)において、Rは、水素原子、アミノまたは炭素原子数が1乃至20の置換アミノ基である。Rが置換アミノ基である場合、脂肪族基によって置換されていることが好ましい。脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基および置換アルキニル基を含む。また、Rが2置換アミノ基である場合、2つの脂肪族基が互いに結合して含窒素複素環を形成しても良い。このとき形成される含窒素複素環は、5員環または6員環が好ましい。Rは水素原子、アミノまたは炭素原子数が1〜20の置換アミノ基が好ましく、水素原子、アミノまたは炭素原子数が2〜12の置換アミノ基がさらに好ましく、水素原子、アミノまたは炭素原子数が2〜8の置換アミノ基が最も好ましい。Rがアミノである場合、ピリジニウム環の4位がアミノ置換されていることが好ましい。
式(I)において、Xは、アニオンである。アニオンの例は、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、メタンスルホネートイオン、p−トルエンスルホネートイオンおよびベンゼンスルホネートイオンを含む。
式(I)において、Yは5乃至6員環を部分構造として有する炭素原子数1乃至30の置換基である。Yに含まれる環状部分構造はシクロヘキシル環、芳香族環または複素環であることが特に好ましい。芳香族環としては、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ビフェニル環、およびピレン環を挙げることが出来る。ベンゼン環、ビフェニル環、およびナフタレン環が特に好ましい。複素環を構成する複素原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましい。複素環の例は、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環を含む。複素環は6員環であることが好ましい。Yで表される5乃至6員環を部分構造として有する置換基はさらに置換基を有していてもよい。
下記式(II)で表されるピリジニウム化合物がさらに好ましい。
Figure 0004705769
式(II)において、Yは5乃至6員環を部分構造として有する2価の連結基であり、その好ましい範囲は前記式(I)中のYと同一である。
式(II)において、Zは、フェニル、ハロゲン置換フェニル、ニトロ置換フェニル、シアノ置換フェニル、炭素原子数が1〜10のアルキル基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜10のアルコキシ基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜12のアルキル基、炭素原子数が2〜20のアルキニル基、炭素原子数が1〜12のアルコキシ基、炭素原子数が2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素原子数が7〜26のアリールオキシカルボニル基および炭素原子数が7〜26のアリールカルボニルオキシ基からなる群より選ばれる一価の基である。Zは、フェニル、シアノ置換フェニル、ハロゲン置換フェニル、炭素原子数が1〜10のアルキル基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜10のアルコキシ基で置換されたフェニル、炭素原子数が7〜26のアリールオキシカルボニル基または炭素原子数が7〜26のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。
式(II)において、L、R、及びXは、それぞれ、式(I)中のL、R及びXと同義であり、その好ましい範囲も同一である。
下記式(III)で表されるピリジニウム化合物が最も好ましい。
Figure 0004705769
式(III)において、Lは、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−または−O−CO−AL−CO−O−である。ALは、炭素原子数が1乃至10のアルキレン基である。Lは、単結合、−O−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−または−O−CO−AL−CO−O−が好ましく、−O−が最も好ましい。
式(III)において、Lは、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−または−N=N−である。
式(III)において、Rは、水素原子、アミノまたは炭素原子数が2乃至20のアルキル置換アミノ基である。Rがジアルキル置換アミノ基である場合、2つのアルキル基が互いに結合して含窒素複素環を形成してもよい。このとき形成される含窒素複素環は、5員環または6員環が好ましい。Rは水素原子、アミノまたは炭素原子数が2〜12のジアルキル置換アミノ基がさらに好ましく、水素原子、アミノまたは炭素原子数が2〜8のジアルキル置換アミノ基が最も好ましい。Rがアミノである場合、ピリジニウム環の4位がアミノ置換されていることが好ましい。
式(III)において、YおよびYは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい6員環である。6員環は、脂肪族環、芳香族環(ベンゼン環)および複素環を含む。6員脂肪族環の例は、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環およびシクロヘキサジエン環を含む。6員複素環の例は、ピラン環、ジオキサン環、ジチアン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環を含む。6員環に、他の6員環または5員環が縮合していてもよい。
置換基の例は、ハロゲン原子、シアノ、炭素原子数が1乃至12のアルキル基および炭素原子数が1乃至12のアルコキシ基を含む。アルキル基およびアルコキシ基は、炭素原子数が2乃至12のアシル基または炭素原子数が2乃至12のアシルオキシ基で置換されていてもよい。アシル基およびアシルオキシ基の定義は、後述する。
式(III)において、Xはアニオンである。Xは、一価のアニオンであることが好ましい。アニオンの例には、ハライドイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)およびスルホン酸イオン(例、メタンスルホネートイオン、p−トルエンスルホネートイオン、ベンゼンスルホネートイオン)が含まれる。
式(III)において、Zは水素原子、シアノ、炭素原子数が1乃至12のアルキル基または炭素原子数が1乃至12のアルコキシ基であって、アルキル基およびアルコキシ基は、炭素原子数が2乃至12のアシル基または炭素原子数が2乃至12のアシルオキシ基で置換されていてもよい。
mが2の場合、Zは、シアノ、炭素原子数が1乃至10のアルキル基または炭素原子数が1乃至10のアルコキシ基であることが好ましい。
mが1の場合、Zは、炭素原子数が7乃至12のアルキル基、炭素原子数が7乃至12のアルコキシ基、炭素原子数が7乃至12のアシル置換アルキル基、炭素原子数が7乃至12のアシル置換アルコキシ基、炭素原子数が7乃至12のアシルオキシ置換アルキル基または炭素原子数が7乃至12のアシルオキシ置換アルコキシ基であることが好ましい。
アシル基は−CO−R、アシルオキシ基は−O−CO−Rで表され、Rは脂肪族基(アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基)または芳香族基(アリール基、置換アリール基)である。Rは、脂肪族基であることが好ましく、アルキル基またはアルケニル基であることがさらに好ましい。
式(III)において、mは1または2であって、mが2の場合、二つのLおよび二つのYは、異なっていてもよい。
式(III)において、pは、1乃至10の整数である。C2pは、分岐構造を有していてもよい鎖状アルキレン基を意味する。C2pは、直鎖状アルキレン基であることが好ましい。
以下に、式(I)で表されるピリジニウム化合物の例を示す。
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
Figure 0004705769
(基板)
光学フイルムは、基板上にホメオトロピック配向液晶フイルムを設ける。
基板は、ガラス板、金属箔、ポリマーシート(またはポリマーフイルム)が好ましく、ガラス板または透明なポリマーフイルムがさらに好ましい。
ポリマーフイルムは、ホメオトロピック配向温度で、実質的に変化しないポリマーで構成することが好ましい。ポリマーの例は、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート)、セルロースエステル(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート)、ポリアクリレート系ポリマー(例、ポリメチルメタクリレート)、スチレン系ポリマー(例、ポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ環状オレフィン、ノルボルネン系ポリマー)、ハロゲン化ポリオレフィン(例、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン)、ポリアミド(例、ナイロン、芳香族ポリアミド)、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリオキシメチレンおよびエポキシ系ポリマーを含む。これらのコポリマーを用いてもよい。コポリマーの例は、エチレン・プロピレン共重合体を含む。これらのポリマーの混合物を用いてもよい。ポリマーフイルムは、光透過率が80%以上であることが好ましい。
ポリマーは、セルロースエステルが好ましく、セルロースの低級脂肪酸エステルがさらに好ましい。低級脂肪酸とは、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数は、2(セルロースアセテート)、3(セルロースプロピオネート)または4(セルロースブチレート)が好ましい。セルロースアセテートが最も好ましい。セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートのような混合脂肪酸エステルを用いてもよい。
基板に用いるポリマーフイルムは、光学的に等方性であることが好ましい。セルロースエステルフイルムは、一般に光学的に等方性であって、基板に有利に用いられる。
ただし、ポリカーボネートやポリスルホンのような複屈折の発現しやすいポリマーであっても、例えば、国際公開第00/26705号パンフレットに記載のように、分子を修飾することで複屈折の発現性を制御すれば、光学フイルムの基板に用いることもできる。
光学フイルムは、偏光板保護フイルムまたは位相差フイルムとして使用することもできる。それらの用途では、基板は、酢化度が55.0乃至62.5%であるセルロースアセテートを使用することが好ましい。酢化度は、57.0乃至62.0%であることがさらに好ましい。
酢化度は、セルロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度の測定及び計算によって求められる。
セルロースアセテートの粘度平均重合度(DP)は、250以上であることが好ましく、290以上であることがさらに好ましい。また、セルロースアセテートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好ましい。具体的なMw/Mnの値は、1.0〜1.7であることが好ましく、1.0〜1.65であることがさらに好ましく、1.0〜1.6であることが最も好ましい。
セルロースアセテートでは、セルロースの2位、3位、6位のヒドロキシルが均等に置換されるのではなく、6位の置換度が小さくなる傾向がある。光学フイルムの基板に用いるポリマーフイルムでは、セルロースの6位置換度が、2位、3位に比べて同程度又は多い方が好ましい。
2位、3位、6位の置換度の合計に対する、6位の置換度の割合は、30〜40%であることが好ましく、31〜40%であることがさらに好ましく、32〜40%であることが最も好ましい。6位の置換度は、0.88以上であることが好ましい。
各位置の置換度は、NMRによって測定することできる。
6位置換度が高いセルロースアセテートは、特開平11−5851号公報の段落番号0043〜0044に記載の合成例1、段落番号0048〜0049に記載の合成例2、そして段落番号0051〜0052に記載の合成例3の方法を参照して合成することができる。
光学フイルムを光学補償シートとして用いる場合、基板となるポリマーフイルムは、所望のレターデーション値を有することが好ましい。
ポリマーフイルムのレターデーション値は、光学補償フイルムが用いられる液晶セルや他の条件に応じて決定する。一般に、Reレターデーション値は0〜200nmであり、そして、Rthレターデーション値は0〜400nm範囲が好ましい。
液晶表示装置に二枚の光学的異方性層を使用する場合、基板となるポリマーフイルムのRthレターデーション値は0〜250nmの範囲にあることが好ましい。液晶表示装置に一枚の光学的異方性層を使用する場合、基板となるポリマーフイルムのRthレターデーション値は0〜400nmの範囲にあることが好ましい。
基板となるポリマーフイルムの複屈折率は、0〜0.020の範囲にあることが好ましい。また、セルロースアセテートフイルムの厚み方向の複屈折率は、0〜0.04の範囲にあることが好ましい。
ポリマーフイルムのレターデーションを調整するためには、延伸のような外力を与える方法が一般的である。光学異方性を調節するために、レターデーション上昇剤をポリマーフイルムに添加してもよい。セルロースアシレートフイルムのレターデーションを調整するには、芳香族環を少なくとも2つ有する芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用することが好ましい。芳香族化合物は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.01〜20質量部の範囲で使用することが好ましい。2種類以上の芳香族化合物を併用してもよい。芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。レターデーション上昇剤は、欧州特許0911656A2号明細書、特開2000−111914号、同2000−275434号公報に記載がある。
ポリマーフイルムの吸湿膨張係数は、30×10−5/%RH以下とすることが好ましい。吸湿膨張係数は、15×10−5/%RH以下がさらに好ましく、10×10−5/%RH以下が最も好ましい。また、吸湿膨張係数は小さいほど好ましいが、通常は、1.0×10−5/%RH以上の値になる。
吸湿膨張係数は、一定温度下において相対湿度を変化させた時の試料の長さの変化量を示す。
吸湿膨張係数を調節することで、光学異方性を維持したまま、額縁状の透過率上昇(歪みによる光漏れ)を防止することができる。
吸湿膨張係数の測定では、作製したポリマーフイルムから幅5mm、長さ20mmの試料を切り出し、片方の端を固定して25度、20%RH(R)の雰囲気下にぶら下げる。そして、他方の端に0.5gの重りをぶら下げて、10分間放置し長さ(L)を測定する。次に、温度は25度のまま、湿度を80%RH(R)にして、長さ(L)を測定する。吸湿膨張係数は下式により算出できる。測定は同一試料につき10サンプル行い、平均値を採用する。
吸湿膨張係数[/%RH]={(L−L)/L}/(R−R
ポリマーフイルムの吸湿による寸度変化を小さくするには、疎水性化合物または微粒子を添加することが好ましい。疎水性化合物は、分子中に疎水性基(例、脂肪族基や芳香族基)を有する可塑剤または劣化防止剤が好ましい。疎水性化合物の添加量は、ポリマー溶液(ドープ)に対して0.01乃至10質量%の範囲にあることが好ましい。ポリマーフイルム中の自由体積を小さくしても、寸度変化を小さくできる。具体的には、後述のソルベントキャスト方法による成膜時の残留溶剤量が少ない方が、自由堆積が小さくなる。ポリマーフイルムに対する残留溶剤量が0.01〜1.00質量%の範囲となる条件で、フイルムを乾燥することが好ましい。
ポリマーフイルムの他の添加剤の例は、紫外線防止剤、剥離剤、帯電防止剤、劣化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)、赤外吸収剤を含む。添加剤は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号の16頁〜22頁に記載がある。添加剤の使用量は、ポリマーフイルム全組成物中、0.001〜25質量%の範囲が好ましい。
ポリマーフイルムは、ソルベントキャスト法によりを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドープ)を用いてフイルムを製造する。
ドープは、ドラム又はバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固形分量が18〜35%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム又はバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好ましい。
ドープは、表面温度が10度以下のドラム又はバンド上に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に当てて乾燥することが好ましい。得られたフイルムをドラム又はバンドから剥ぎ取り、さらに100〜160度まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載がある。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。この方法を実施するためには、流延時のドラム又はバンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要である。
流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時又は逐次共流延してもよい。
上記のような二層以上の複数のセルロースアシレート溶液を共流延する方法としては、例えば、支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させる方法(例えば、特開平11−198285号公報記載の方法)、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延する方法(特開平6−134933号公報記載の方法)、高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その高、低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押出す方法(特開昭56−162617号公報記載の方法)等が挙げられる。本発明ではこれらに限定されるものではない。
ソルベントキャスト方法の製造工程については、発明協会公開技報公技番号2001−1745の22頁〜30頁に、溶解、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸が記載されている。
ポリマーフイルムの厚さは、15〜120μmであることが好ましく、更には30〜80μmが好ましい。
ポリマーフイルムは、表面処理を施すことが好ましい。表面処理には、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理及び紫外線照射処理が含まれる。表面処理は、発明協会公開技報公技番号2001−1745号の30頁〜32頁に記載がある。アルカリ処理が好ましい。ポリマーがセルロースエステルである場合、アルカリ処理は、アルカリ鹸化処理として機能する。
アルカリ鹸化処理は、鹸化液中にフイルムを浸漬する方法よりも、鹸化液をフイルムに塗布する方法が好ましい。塗布方法は、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法及びE型塗布法を採用できる。アルカリ鹸化処理液は、水酸化カリウム溶液または水酸化ナトリウム溶液が好ましい。水酸イオンの規定濃度は、0.1〜3.0Nの範囲が好ましい。アルカリ処理液に、フイルムに対する濡れ性が良好な溶媒(例、イソプロピルアルコール、ブタノール、メタノール、エタノール)、界面活性剤または湿潤剤(例、ジオール、グリセリン)を添加することで、鹸化液の透明基板に対する濡れ性、および鹸化液の経時安定性を改善できる。アルカリ鹸化液は、特開2002−82226号公報、国際公開第02/46809号パンフレットに記載がある。
表面処理に代えて、または表面処理に加えて、下塗り層(特開平7−333433号公報記載)を設けてもよい。下塗り層は、疎水性基と親水性基との両方を含有するポリマー(例、ゼラチン)の塗布層を一層のみ塗布する方法(単層法)で設けることができる。また、第1層として高分子フイルムによく密着する層(下塗第1層)を設け、その上に第2層として配向膜とよく密着する親水性ポリマー(例、ゼラチン)層(下塗第2層)を塗布する重層法(特開平11−248940号公報記載)を採用してもよい。
(配向膜)
基板と、液晶フイルムとの間に、配向膜を設けることができる。
配向膜は、液晶性分子の配向方向を規定する機能を有する。ホメオトロピック配向した液晶フイルムは、面内の配向方向はなく、配向膜は必須ではない。しかし、配向膜は液晶性組成物の配向の均一性を向上させる作用や、ポリマー基材と光学異方性層との間の密着性を向上させる作用を有するため、それらの作用のために、配向膜を設けることができる。なお、液晶性化合物を配向後にその配向状態を固定してしまえば、配向膜はその役割を果たしているために、除去することもできる。すなわち、配向状態が固定された配向膜上の液晶フイルムを、別の基板に転写して光学フイルムを作製することもできる。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で設けることができる。さらに、電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理で形成することが好ましい。配向膜に使用するポリマーは、原則として、液晶性分子を配向させる機能のある分子構造を有する。
配向膜のポリマーは、液晶性分子を配向させる機能に加えて、架橋性官能基(例、二重結合)を有する側鎖を主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する架橋性官能基を側鎖に導入することが好ましい。
配向膜のポリマーは、それ自体架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポリマーのいずれも使用することができる。これらの架橋性ポリマーを併用してもよい。
配向膜のポリマーは、特開平8−338913号公報の段落番号0022に記載がある。ポリマーの例は、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、ポリエステル(例、ポリカーボネート)、ポリイミド、ポリ酢酸ビニル、カルボキシメチルセルロースを含む。シランカップリング剤をポリマーに代えて用いることができる。水溶性ポリマー(例、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールがさらに好ましく、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。重合度が異なるポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールを2種類併用することが特に好ましい。
ポリビニルアルコールの鹸化度は、70〜100%が好ましく、80〜100%がさらに好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は、100〜5000であることが好ましい。
液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖は、一般に疎水性基を官能基として有する。具体的な官能基の種類は、液晶性分子の種類及び必要とする配向状態に応じて決定する。
変性ポリビニルアルコールの変性基は、共重合変性、連鎖移動変性またはブロック重合変性により導入できる。変性基の例には、親水性基(例、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アミノ、アンモニオ、アミド基、チオール基)、炭素数10〜100個の炭化水素基、フッ素原子置換の炭化水素基、チオエーテル基、重合性基(例、不飽和重合性基、エポキシ基、アジリニジル基)、アルコキシシリル基(例、トリアルコキシシリル、ジアルコキシシリル、モノアルコキシシリル)を含む。変性ポリビニルアルコール化合物は、特開2000−155216号公報の段落番号0022〜0145、特開2002−62426号公報の段落番号0018〜0022に記載がある。
架橋性官能基を有する側鎖を配向膜ポリマーの主鎖に結合させるか、あるいは、液晶性分子を配向させる機能を有する側鎖に架橋性官能基を導入すると、配向膜のポリマーと液晶フイルムに含まれる多官能モノマーとを共重合させることができる。その結果、多官能モノマーと多官能モノマーとの間だけではなく、配向膜ポリマーと配向膜ポリマーとの間、そして多官能モノマーと配向膜ポリマーとの間も共有結合で強固に結合される。従って、架橋性官能基を配向膜ポリマーに導入することで、配向膜と液晶フイルムとの間の強度を著しく改善することができる。
配向膜ポリマーの架橋性官能基は、多官能モノマーと同様に、重合性基を含むことが好ましい。架橋性官能基は、特開2000−155216号公報の段落番号0080〜0100に記載がある。
配向膜のポリマーは、上記の架橋性官能基とは別に、架橋剤を用いて架橋させることもできる。
架橋剤としては、アルデヒド、N−メチロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾール及びジアルデヒド澱粉が含まれる。2種類以上の架橋剤を併用してもよい。具体的には、例えば特開2002−62426号公報明細書中の段落番号[0023]〜[0024]記載の化合物等が挙げられる。反応活性の高いアルデヒド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
架橋剤の添加量は、ポリマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がさらに好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがさらに好ましい。このように調節することで、配向膜を液晶表示装置に長期使用、或は高温高湿の雰囲気下に長期間放置しても、レチキュレーション発生のない充分な耐久性が得られる。
配向膜は、基本的に、配向膜形成材料である上記ポリマーや架橋剤を含む塗布液を、基板上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、必要であればラビング処理することにより形成することができる。架橋反応は、基板上に塗布した後、任意の時期に行なうことができる。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒とすることが好ましい。その比率は質量比で、水:メタノールが0より大きく99以下:100未満1以上が好ましく、0より大きく91以下:100未満9以上であることがさらに好ましい。これにより、泡の発生が抑えられ、配向膜、更には光学異方層の層表面の欠陥が著しく減少する。
配向膜の塗布方法は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法又はロールコーティング法が好ましい。特にロッドコーティング法が好ましい。また、乾燥後の膜厚は0.1〜10μmが好ましい。乾燥温度は、20〜110℃が好ましく、60〜100℃がさらに好ましく、80〜100℃が最も好ましい。乾燥時間は、1分〜36時間が好ましく、1〜30分がさらに好ましい。pHは、使用する架橋剤に最適な値に設定することが好ましい。架橋剤としてグルタルアルデヒドを使用する場合、pH4.5〜5.5が好ましく、特に5が好ましい。
配向膜は、基板または下塗り層上に設けられる。配向膜は、上記のようにポリマー層を架橋したのち、必要であれば表面をラビング処理することにより得ることができる。
ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維を用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
次に、配向膜を機能させて、配向膜の上に設けられる液晶フイルムの液晶性分子をホメオトロピック配向させる。その後、必要に応じて、配向膜ポリマーと液晶フイルムに含まれる多官能モノマーとを反応させるか、あるいは、架橋剤を用いて配向膜ポリマーを架橋させることができる。配向膜の膜厚は、0.1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
(液晶フイルム)
液晶フイルムに用いられるピリジニウム化合物がリオトロピック液晶性あるいはサーモトロピック液晶性を示す場合には、ピリジニウム化合物のみにより液晶フイルムを形成することができる。ピリジニウム化合物に、他の棒状液晶化合物を混合して液晶性組成物とし、液晶フイルムを形成することもできる。混合する棒状液晶性化合物は、低分子液晶に限らず、高分子液晶でもよい。高分子液晶は、低分子液晶が重合または架橋され液晶性を示さなくなったものも含まれる。
ピリジニウム化合物に混合して用いることができる棒状液晶性化合物は、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類を含む。
なお、棒状液晶性化合物は、金属錯体も含む。また、棒状液晶性化合物を繰り返し単位中に含む液晶ポリマーも、棒状液晶性化合物として用いることができる。言い換えると、棒状液晶性化合物は、(液晶)ポリマーと結合していてもよい。
棒状液晶性化合物については、季刊化学総説第22巻液晶の化学(1994)日本化学会編の第4章、第7章及び第11章、及び液晶デバイスハンドブック日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載がある。
棒状液晶性化合物の複屈折率は、0.001〜0.7の範囲にあることが好ましい。
棒状液晶性分子は、その配向状態を固定するために、重合性基を有する。重合性基は、ラジカル重合性不飽基またはカチオン重合性基が好ましい。重合性基および重合性液晶化合物は、特開2002−62427号公報の段落番号0064〜0086に記載がある。
重合性棒状液晶化合物をピリジニウム化合物に混合して光学異方性層を形成させる場合、液晶性組成物中の、重合性棒状液晶化合物とピリジニウム化合物の比率は、通常、重合性液晶化合物:ピリジニウム化合物(質量比)=0.1:1〜30:1が好ましく、0.5:1〜20:1がさらに好ましく、1:1〜10:1が最も好ましい。
液晶性化合物に加えて、可塑剤、界面活性剤や重合性モノマーを液晶フイルムに添加できる。これらの添加剤により液晶フイルムの均一性、膜の強度、液晶性化合物の配向性を改善できる。液晶フイルムの添加剤は、液晶性化合物と相溶性を有し、配向を阻害しないことが好ましい。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物が好ましく、多官能性ラジカル重合性化合物がさらに好ましい。重合性基を有する液晶化合物を使用する場合、液晶性化合物の重合性基と重合性モノマーの重合性基とは、共重合することが好ましい。重合性モノマーは、特開2002−296423号公報の段落番号0018〜0020に記載がある。重合性モノマーの添加量は、液晶性分子に対して1〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。
界面活性剤は、フッ素系界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、特開2001−330725号公報の段落番号0028〜0056に記載がある。
液晶フイルムは、液晶性組成物及び必要に応じて後述の重合性開始剤や任意の成分を含む塗布液を、基板あるいは配向膜の上に塗布することで形成できる。液晶組成物の溶媒は、水または有機溶媒が好ましい。有機溶媒の例は、アルコール(例、メタノール、エタノール、2−プロパノール、t−ブチルアルコール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール)、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルコールおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。溶液の濃度は、用いる液晶性組成物の溶解性や最終的に目的とする光学フイルムの膜厚に応じて決定する。濃度は、3〜50質量%が好ましく、7〜30質量%がさらに好ましい。液晶フイルムの厚さは、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜15μmがさらに好ましく、1〜10μmが最も好ましい。
液晶性組成物の溶液を基板上に塗布する方法は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法)を採用できる。塗布後、溶媒を除去し、基板上に光学フイルムを形成する。溶媒をおおむね除去でき、液晶性組成物層が流動したり、流れ落ちないように、条件を調整する。通常、室温での乾燥、乾燥炉での乾燥、あるいは、ホットプレート上での加熱により溶媒を除去する。
次いで、基板上に形成された液晶性組成物層を液晶状態とし、ホメオトロピック配向させる。例えば、上記塗布乾燥過程において溶媒を徐々に乾燥させ、リオトロピック液晶状態を経由してホメオトロピック配向させることができる。あるいは、液晶性組成物が液晶温度範囲になるように熱処理を行い、液晶状態においてホメオトロピック配向させることもできる。
熱処理方法は、上記の乾燥方法と同様である。熱処理温度は、使用する液晶性組成物と支持基板の種類により決定する。熱処理温度は、60〜300℃が好ましく、70〜200℃がさらに好ましい。熱処理時間は、熱処理温度および使用する液晶性組成物や基板の種類により決定する。熱処理時間は、10秒〜2時間が好ましく、20秒〜30分がさらに好ましい。熱処理時間が10秒より短い場合、ホメオトロピック配向形成が充分に進行しないこともある。
熱処理によりホメオトロピック配向層を形成した場合には、熱処理終了後、冷却操作を行う。冷却操作としては、熱処理後のホメオトロピック配向液晶フイルムを、熱処理操作における加熱雰囲気中から、室温中に出すことによって行うことができる。また強制冷却(空冷、水冷)を行ってもよい。液晶性組成物のホメオトロピック配向層は、液晶性組成物の液晶転移温度以下に冷却することにより配向が固定化される。
液晶性組成物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、重合性棒状液晶化合物に導入した重合性基の重合反応により実施する。重合反応は、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とを含む。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。ディスコティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
液晶性組成物の薄膜が生成され、配向性を維持したまま固定化することにより、ホメオトロピック配向した液晶フイルムが得られる。ホメオトロピック配向した液晶フイルムは、同一の方向で配向された分子を有する。従って、この配向液晶層の配向ベクトルの凍結または安定化およびその異方性物性の保存が達成される。液晶フイルムは、それらの光学的性質に応じて、各種の用途で使用される。ホメオトロピック配向した液晶フイルムは、一軸性の正の複屈折率を有する薄膜である。
ホメオトロピック配向液晶フイルムは、光学フイルムとして用いられる。液晶フイルムは基板から剥離して用いてもよい。また、剥離することなく基板上に形成された配向液晶層として用いてもよい。
また、ホメオトロピック配向液晶フイルムは、様々な表示モードの液晶セルの光学補償シートとして利用できる。液晶性分子を用いた光学補償シートは、TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)モードの液晶セルに対応するものが既に提案されている。ホメオトロピック配向液晶フイルムは、そのような光学補償シートとして利用できる。
なお、実施例1〜3は、合成例および予備実験に相当する。
[実施例1]
(ピリジニウム化合物(4)の合成)
Liq.Cryst.,,321−335(1991)記載の方法に準じて、化合物(4)を合成した。
(ホメオトロピック配向液晶フイルムの作成)
厚さ100μmのセルローストリアセテートフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明基板として用いた。透明基板上にアルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)を0.5μmの厚さに塗布、乾燥し、その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。ピリジニウム化合物(4)10質量部を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール90質量部に溶解した溶液を、配向膜の上に、塗布液をバーコーターを用いて塗布した。ついで130℃で1分間加熱し、その後室温まで一気に冷却することにより、前記液晶層をホメオトロピック配向させ、かつ配向性を維持したままガラス化し、ホメオトロピック配向液晶層(0.7μm)を固定化したホメオトロピック配向液晶フイルムを得た。
[実施例2]
(ピリジニウム化合物(17)の合成)
4−(9−ブロモノニル)安息香酸1.72gをトルエン10mLに懸濁させ、塩化チオニル0.71gとDMF(触媒量)を加え、40℃で1時間攪拌した後に溶媒及び残った塩化チオニルを留去した。残渣をTHF10mLに溶解し、4−(4−オクチルベンゾイルオキシ)フェノール1.71g、N―エチルジイソプロピルアミン0.78g、4−ジメチルアミノピリジン(触媒量)を加え、室温にて3時間攪拌した後、反応液を水200mLにあけ、生じた沈殿物をろ過し、水で洗浄した。得られた残渣をイソプロピルアルコールで再結晶して4−(9−ブロモノニル)安息香酸4−(4’−オクチルベンゾイルオキシ)フェニル2.67gを得た。次に、得られた4−(9−ブロモノニル)安息香酸 4−(4’−オクチルベンゾイルオキシ)フェニルエステルを2−ブタノン20mLに溶解し、4−ジメチルアミノピリジン0.59gを加えて還流下にて3時間攪拌した。室温まで冷却した後、析出した結晶を酢酸エチル、アセトンで洗浄し、ピリジニウム化合物(17)2.0gを得た。
1H−NMR(300MHz, DMSO−d6)δ
0.85(t,3H)、1.2−1.4(m,20H)、1.75(m,6H)、3.20(s,6H)、4.10(t,4H)、4.15(t,2H)、7.05(d,2H)、7.15(m,4H)、7.35(s,4H)、8.10(m,4H)、8.30(d,2H)
(ホメオトロピック配向液晶フイルムの製造)
厚さ100μmのセルローストリアセテートフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明基板として用いた。透明基板上にアルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)を0.5μmの厚さに塗布、乾燥し、その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。ピリジニウム化合物(17)10質量部を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール90質量部に溶解した溶液を、配向膜の上に、塗布液をバーコーターを用いて塗布した。ついで100℃で1分間加熱し、その後室温まで一気に冷却することにより、前記液晶層をホメオトロピック配向させ、かつ配向性を維持したままガラス化し、ホメオトロピック配向液晶層(0.7μm)を固定化したホメオトロピック配向液晶フイルムを得た。
[実施例3]
(ホメオトロピック配向液晶フイルムの製造)
厚さ100μmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明基板として用いた。透明基板上にアルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)を0.5μmの厚さに塗布、乾燥し、その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。ピリジニウム化合物(14)1質量部及びピリジニウム化合物(18)9質量部を2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール90質量部に溶解した溶液を、配向膜の上に、バーコーターを用いて塗布液を塗布した。ついで100℃で1分間加熱し、その後室温まで一気に冷却することにより、前記液晶層をホメオトロピック配向させ、かつ配向性を維持したままガラス化し、ホメオトロピック配向液晶層(厚さ:0.7μm)を固定化したホメオトロピック配向液晶フイルムを得た。
[実施例4]
(ホメオトロピック配向液晶フイルムの製造)
厚さ100μm、サイズ270mm×100mmのトリアセチルセルロースフイルム(フジタック、富士写真フイルム(株)製)を透明基板として用いた。透明基板上にアルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)を0.5μmの厚さに塗布、乾燥し、その表面をラビング処理して、配向膜を形成した。配向膜の上に、以下の組成の塗布液をバーコーターを用いて0.7μmの厚さに塗布した。
────────────────────────────────────────
液晶フイルム塗布液組成
────────────────────────────────────────
ピリジニウム化合物(17) 50質量部
下記の棒状液晶性化合物 50質量部
光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 3質量部
光重合増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
メチルエチルケトン 400質量部
────────────────────────────────────────
Figure 0004705769
塗布層を100℃で1分間加熱して、棒状液晶性分子を配向させた。その温度で4秒間紫外線を照射して棒状液晶性分子を重合させ、配向状態を固定し、ホメオトロピック配向液晶層(0.7μm)を固定化したホメオトロピック配向液晶フイルムを得た。
[実施例5]
塗布液の組成を以下のように変更した以外は、実施例4と同様にしてホメオトロピック配向液晶フイルムを作製した。
────────────────────────────────────────
液晶フイルム塗布液組成
────────────────────────────────────────
ピリジニウム化合物(17) 10質量部
実施例4で用いた棒状液晶性化合物 90質量部
光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 3質量部
光重合増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製) 1質量部
メチルエチルケトン 400質量部
────────────────────────────────────────
(配向性の評価)
実施例1〜5で得られたホメオトロピック配向液晶フイルム(基板付きホメオトロピック配向液晶フイルム)をクロスニコルさせた偏光顕微鏡により、当該フイルム表面に対し垂直な方向からサンプルを観察したところ、正面からは何も見えなかった。これによりホメオトロピック配向を確認した。すなわち光学位相差が発生していないことがわかった。このフイルムを傾けて斜めから光を入射し、同様にクロスニコルで観察したところ、光の透過が観測された。
また、同フイルムの光学位相差を自動複屈折測定装置により測定した。測定光をサンプル表面に対して垂直あるいは斜めから入射して、その光学位相差と測定光の入射角度のチャートから、ホメオトロピック配向を確認した。ホメオトロピック配向では、サンプル表面に対して垂直方向での位相差(正面位相差)がほぼゼロである。このサンプルに関しては、液晶層の遅相軸方向に斜めから位相差を測定したところ、測定光の入射角度の増加に伴い、位相差値が増加したことからホメオトロピック配向が得られていると判断できた。いずれの配向フイルムともホメオトロピック配向性を有することが確認できた。

Claims (6)

  1. 下記式(I)で表されるピリジニウム化合物および重合性棒状液晶化合物を含み、該ピリジニウム化合物がホメオトロピック配向し、該重合性棒状液晶化合物に導入した重合性基の重合反応により配向状態が固定されている液晶フイルム:
    Figure 0004705769
    [式中、Lアルキレン基と−O−、−S−、−CO−、−SO −、−NR −(但し、R は炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子である)、アルケニレン基、アルキニレン基またはアリーレン基との組み合わせからなる炭素原子数が1〜20の二価の連結基であり;Rは、水素原子、アミノまたは炭素原子数が1乃至20の置換アミノ基であり;Xはアニオンであり;そして、Yは5員環または6員環を部分構造として有する炭素原子数1乃至30の一価の基である]。
  2. 下記式(II)で表されるピリジニウム化合物および重合性棒状液晶化合物を含み、該ピリジニウム化合物がホメオトロピック配向し、該重合性棒状液晶化合物に導入した重合性基の重合反応により配向状態が固定されている液晶フイルム:
    Figure 0004705769
    [式中、Lアルキレン基と−O−、−S−、−CO−、−SO −、−NR −(但し、R は炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子である)、アルケニレン基、アルキニレン基またはアリーレン基との組み合わせからなる炭素原子数が1〜20の二価の連結基であり;Rは、水素原子、アミノまたは炭素原子数が1乃至20の置換アミノ基であり;Yは5員環または6員環を部分構造として有する二価の連結基であり;Xはアニオンであり;Zは、フェニル、ハロゲン置換フェニル、ニトロ置換フェニル、シアノ置換フェニル、炭素原子数が1〜10のアルキル基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜10のアルコキシ基で置換されたフェニル、炭素原子数が1〜12のアルキル基、炭素原子数が2〜20のアルキニル基、炭素原子数が1〜12のアルコキシ基、炭素原子数が2〜13のアルコキシカルボニル基、炭素原子数が7〜26のアリールオキシカルボニル基および炭素原子数が7〜26のアリールカルボニルオキシ基からなる群より選ばれる一価の基である]。
  3. 下記式(III)で表されるピリジニウム化合物および重合性棒状液晶化合物を含み、該ピリジニウム化合物がホメオトロピック配向し、該重合性棒状液晶化合物に導入した重合性基の重合反応により配向状態が固定されている液晶フイルム:
    Figure 0004705769
    [式中、Lは、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−O−AL−O−、−O−AL−O−CO−、−O−AL−CO−O−、−CO−O−AL−O−、−CO−O−AL−O−CO−、−CO−O−AL−CO−O−、−O−CO−AL−O−、−O−CO−AL−O−CO−または−O−CO−AL−CO−O−であって、ALは、炭素原子数が1乃至10のアルキレン基であり;Lは、単結合、−O−、−O−CO−、−CO−O−、−C≡C−、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−または−N=N−であり;Rは、水素原子、アミノまたは炭素原子数が2乃至20のアルキル置換アミノ基であり;YおよびYは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい6員環であり;Xはアニオンであり;Zは水素原子、シアノ、炭素原子数が1乃至12のアルキル基または炭素原子数が1乃至12のアルコキシ基であって、アルキル基およびアルコキシ基は、炭素原子数が2乃至12のアシル基または炭素原子数が2乃至12のアシルオキシ基で置換されていてもよい;mは1または2であって、mが2の場合、二つのLおよび二つのYは、異なっていてもよく;そして、pは、1乃至10の整数である]。
  4. 重合性棒状液晶化合物に導入した重合性基が、ラジカル重合性不飽和基である請求項1乃至3のいずれかの項に記載のホメオトロピック配向液晶フイルム。
  5. 重合性棒状液晶化合物:ピリジニウム化合物の質量比が、1:1〜10:1である請求項1乃至3のいずれかの項に記載のホメオトロピック配向液晶フイルム。
  6. 基板上に、請求項1乃至5のいずれかの項に記載のホメオトロピック配向液晶フイルムが設けられている光学フイルム。
JP2004242732A 2004-08-23 2004-08-23 ホメオトロピック配向している液晶フイルム Active JP4705769B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004242732A JP4705769B2 (ja) 2004-08-23 2004-08-23 ホメオトロピック配向している液晶フイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004242732A JP4705769B2 (ja) 2004-08-23 2004-08-23 ホメオトロピック配向している液晶フイルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006057051A JP2006057051A (ja) 2006-03-02
JP4705769B2 true JP4705769B2 (ja) 2011-06-22

Family

ID=36104789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004242732A Active JP4705769B2 (ja) 2004-08-23 2004-08-23 ホメオトロピック配向している液晶フイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4705769B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5678676B2 (ja) * 2011-01-17 2015-03-04 Dic株式会社 重合性液晶組成物、それを用いた硬化物、及び、光学異方体
JP6394592B2 (ja) 2013-04-11 2018-09-26 住友化学株式会社 光学異方性フィルム用配向層
KR102177052B1 (ko) 2013-08-09 2020-11-10 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 광학 이방성 적층체의 제조 방법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001075054A (ja) * 1999-09-02 2001-03-23 Dainippon Ink & Chem Inc 高分子製光学的ローパスフィルター、その製造方法及び高分子製光学的ローパスフィルター複合体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05310896A (ja) * 1992-05-01 1993-11-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 側鎖型液晶性高分子とその製造方法およびこれを用いた液晶表示素子
JP3432584B2 (ja) * 1994-04-27 2003-08-04 住友化学工業株式会社 光学異方体フィルムとその製造方法および位相差板と液晶表示装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001075054A (ja) * 1999-09-02 2001-03-23 Dainippon Ink & Chem Inc 高分子製光学的ローパスフィルター、その製造方法及び高分子製光学的ローパスフィルター複合体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006057051A (ja) 2006-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101668489B1 (ko) 광학 필름, 위상차판, 타원 편광판, 액정 표시 장치, 및 화합물
JP4440817B2 (ja) 光学異方性膜、輝度向上フィルムおよび積層光学フィルムならびにこれらを用いた画像表示装置。
JP5186116B2 (ja) 化合物、それを含有する液晶組成物、異方性材料、偏光板保護フィルム、光学補償フィルムならびに液晶表示装置
JP4199412B2 (ja) 光学補償シートおよびその製造方法
JP2004004550A (ja) 光学補償シート、偏光板および画像表示装置
TWI422876B (zh) 遲滯板、橢圓偏光板及液晶顯示器
JP2007047696A (ja) 液晶表示装置
JP4637599B2 (ja) 光学異方性膜及び液晶表示装置
US20090212255A1 (en) Liquid Crystal Composition and Retardation Plate
JP4705769B2 (ja) ホメオトロピック配向している液晶フイルム
JP5186120B2 (ja) 化合物、それを含有する液晶組成物、異方性材料、偏光板保護フィルム、光学補償フィルムならびに液晶表示装置
JP2006293315A (ja) 光学異方性膜及び液晶表示装置
JP2006124368A (ja) 液晶性化合物、光学異方性膜及び液晶表示装置
JP2007047697A (ja) 液晶表示装置
JP4744232B2 (ja) 光学異方性膜、液晶表示装置およびそれらに用いる化合物
JP5069530B2 (ja) 組成物、位相差板、液晶表示装置および、位相差板の製造方法
JP2007304256A (ja) 光学補償フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP3996292B2 (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JP5537009B2 (ja) 液晶組成物、光学異方性膜、及び位相差板
JP4521302B2 (ja) 光学異方性膜及び液晶表示装置
JP2007304255A (ja) 光学補償素子、偏光板及び液晶表示装置、ならびに光学補償素子及び偏光板の製造方法
JP2005202212A (ja) 液晶表示装置および楕円偏光板
JP4647270B2 (ja) 位相差板、その製造方法ならびにそれを用いた偏光板及び画像表示装置
US7314654B2 (en) Optically anisotropic element comprising discotic compound
JP4241130B2 (ja) 光学補償シート、その製造方法、偏光板、及び液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061206

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100830

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4705769

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250