JP2015050275A - 基板収容ケース - Google Patents

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Abstract

【課題】基板に実装された電子部品の外形形状を象って外壁部を形成する際に、基板に実装される電子部品と対向する外壁部にウェルドラインを生じないようにすることにより、高強度の基板収容ケースを提供する。【解決手段】背高部品20の外形状を象った壁部49、49aを有する第1の外壁部42a、42b、43、49、49aと、基板30の第2の実装面30bに対向する第2の外壁部45と、第1の外壁部と第2の外壁部との間を、これらと協働して開口部41を画成しながら接続する一対の側壁部48と、開口部に対向すると共に、第1の外壁部、第2の外壁部及び一対の側壁部間を接続する縦壁部46と、を備え、基板収容ケース40、140、240の射出成形時のゲート100の位置は、縦壁部46に対応して設けられ、第1の外壁部は、第2の外壁部よりも厚肉である。【選択図】図3

Description

本発明は、基板収容ケースに関し、特に、電子部品を実装した基板を収容する樹脂製の基板収容ケースに関する。
近年、自動二輪車や自動四輪車等の車両に搭載される車両用電子制御装置においては、その防水機能や防塵機能を確保し耐衝撃性や耐振動性を向上すべく、電子部品を実装した電子回路基板等の構成部品を収容ケースに収容すると共に、収容ケースに収容される構成部品を封止して固定するために収容ケース内に樹脂を充填する構成が採用されている。
かかる状況において、特許文献1は、基板に実装される電子部品の形状に合わせて凹凸状とすることにより、基板収容ケース内に充填されるポッティング樹脂の量を低減する基板収容ケースを開示する。
具体的には、特許文献1では、基板に実装される電子部品の内で、コネクタや電解コンデンサ等の背の高い電子部品を基板の一の面に集中して実装し、基板の一の面の裏面には低背化された電子部品を実装する構成を有するものである。このような電子部品の配置にすると共に、基板を収容する基板収容ケースの形状を電子部品の形状に沿って凹凸状にすることにより、基板収容ケースの容積を小さくすることができるので、基板収容ケースの内部に充填するポッティング樹脂の量を低減することができることになる。
特許3745670号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成では、その基板収容ケースが溶融樹脂材料を射出成形することにより形成されるものであり、かかる射出成型時においては、溶融樹脂材料が合流して固化・融着されることによりウェルドラインが生じる。
ここで、本発明者の更なる検討によれば、特許文献1の構成では、基板に実装された背高電子部品に対向する基板収容ケースの外壁部の形状は、基板に実装された低背電子部品に対向する外壁部の形状と比較して複雑であるため、射出成形時に成形金型に溶融樹脂材料を注入した際に、背高電子部品に対向する外壁部を形成する部分における樹脂材料の流れる速度が、低背電子部品に対向する外壁部を形成する部分における樹脂材料の流れる速度に比べて遅くなる傾向がある。従って、特許文献1の構成では、低背電子部品に対向する外壁部を形成する部分から、背高電子部品に対向する外壁部を形成する部分に向けて、樹脂材料が回り込むことにより、背高電子部品に対向する外壁部にウェルドラインが生じることになる。ここで、かかる基板収容ケースにおいては、電子部品が実装された面と対向する外壁部は、側壁部に比較して表面積が広いためにその強度が低い傾向にあるが、かかる電子部品が実装された面と対向する外壁部にウェルドラインが生じると、その基板収容ケースの強度がより低下する事態につながることになる。
つまり、現状では、基板に実装された電子部品の外形形状に沿って外壁部を形成する際に、基板に実装される電子部品と対向する外壁部にウェルドラインを生じないようにすることにより、不要な強度の低下を防いだ基板収容ケースの実現が待望された状況にある。
本発明は、以上の検討を経てなされたもので、基板に実装された電子部品の外形形状を象って外壁部を形成する際に、基板に実装される電子部品と対向する外壁部にウェルドラインを生じないようにすることにより、高強度の基板収容ケースを提供することを目的とする。
以上の目的を達成すべく、本発明は、開口部を有して、前記開口部から複数の電子部品を実装した基板を収容自在な樹脂製の基板収容ケースであって、前記複数の電子部品の内の背高部品が実装される前記基板の第1の実装面に対向すると共に、前記背高部品の外形状を象った壁部を有する第1の外壁部と、前記基板の前記第1の実装面の裏面である第2の実装面に対向する第2の外壁部と、前記第1の外壁部と前記第2の外壁部との間を、これらと協働して前記開口部を画成しながら接続する一対の側壁部と、前記開口部に対向すると共に、前記第1の外壁部、前記第2の外壁部及び前記一対の側壁部間を接続する縦壁部と、を更に備え、前記基板収容ケースの射出成形時のゲート位置は、前記縦壁部に対応して設けられ、前記第1の外壁部は、前記第2の外壁部よりも厚肉であることを第1の局面とする。
また本発明は、かかる第1の局面に加えて、前記第1の外壁部は、前記縦壁部に接続すると共に、前記縦壁部から前記開口部側に向けて前記第2の外壁部に対して徐々に遠ざかるように傾斜する傾斜壁部を含むことを第2の局面とする。
また本発明は、かかる第1又は第2の局面に加えて、前記一対の側壁部の前記縦壁部側に、前記射出成形時に形成されるウェルドラインを有することを第3の局面とする。
本発明の第1の局面における構成によれば、開口部を有して、開口部から複数の電子部品を実装した基板を収容自在な樹脂製の基板収容ケースであって、複数の電子部品の内の背高部品が実装される基板の第1の実装面に対向すると共に、背高部品の外形状を象った壁部を有する第1の外壁部と、基板の第1の実装面の裏面である第2の実装面に対向する第2の外壁部と、第1の外壁部と第2の外壁部との間を、これらと協働して開口部を画成しながら接続する一対の側壁部と、開口部に対向すると共に、第1の外壁部、第2の外壁部及び一対の側壁部間を接続する縦壁部と、を更に備え、基板収容ケースの射出成形時のゲート位置は、縦壁部に対応して設けられ、第1の外壁部は、第2の外壁部よりも厚肉であることにより、より構造が複雑で容積も大きい第1の外壁部を形成するための成形金型のキャビティ内を流れる樹脂材料の速度を、第2の外壁部を形成するための成形金型のキャビティ内を流れる樹脂材料の速度よりも高めることができるので、樹脂製の基板収容ケースを形成する際に、ウェルドラインを、基板収容ケースにおいて強度が相対的に高い側壁部に形成する一方で、基板収容ケースにおいて強度が相対的に低い基板に対向する外壁部に形成しないようにすることができ、基板収容ケースの強度を向上することができる。
また、本発明の第2の局面における構成によれば、第1の外壁部は、縦壁部に接続すると共に、縦壁部から開口部側に向けて第2の外壁部に対して徐々に遠ざかるように傾斜する傾斜壁部を含むことにより、傾斜壁部を形成するための成形金型のキャビティ内を流れる樹脂材料の速度をより速めて樹脂材料をより流れ易くすることができるので、樹脂製の基板収容ケースを形成する際に、ウェルドラインを、基板収容ケースにおいて強度が相対的に高い側壁部により確実に形成することができ、基板収容ケースの強度をより確実に向上することができる。
また、本発明の第3の局面によれば、一対の側壁部の縦壁部側に、射出成形時に形成さ
れるウェルドラインを有することにより、樹脂製の基板収容ケースを形成する際に、ウェルドラインを、基板収容ケースにおいて強度が相対的に最も高い側壁部のより強度の高い部分に、より確実に形成することができ、基板収容ケースの強度をより確実に向上することができる。
本発明の実施形態における車両用電子制御装置を後ろ側から前側に見た斜視図であり、その収容ケースの一部を破断した状態で示すものである。 本実施形態における車両用電子制御装置を前側から後ろ側を見た斜視図である。 図3(a)は、図1のその収容ケースの一部を破断した状態でのA−A断面図であり、図3(b)は、本実施形態の第1の変形例における図3(a)に相当する断面図であり、また、図3(c)は、本実施形態の第2の変形例における図3(a)に相当する断面である。 本実施形態における車両用電子制御装置の基板収容ケースを射出成形により成形する際の成形金型内の樹脂材料の流れを示す模式的な俯瞰図であり、図4(a)から図4(f)は、成形金型に樹脂材料の注入を開始してから終了するまでの状態を、時系列順に示すものである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における車両用電子制御装置につき、詳細に説明する。なお、図中、x軸、y軸及びz軸は、3軸直交座標系を成し、x軸の方向が前後方向、y軸の方向が左右方向、及びz軸の方向が上下方向に、各々対応するものとする。
<車両用電子制御装置の構成>
まず、本実施形態における車両用電子制御装置の構成につき、図1から図3(a)を参照しながら、以下詳細に説明する。
図1は、本実施形態における車両用電子制御装置を後ろ側から前側に見た斜視図であり、その収容ケースの一部を破断した状態で示すものである。図2は、本実施形態における車両用電子制御装置を前側から後ろ側を見た斜視図である。また、図3(a)は、図1のその収容ケースの一部を破断した状態でのA−A断面図である。
なお、図1では、説明の便宜上、電子部品及び樹脂部の図示を省略している。
図1から図3(a)に示すように、本実施形態における車両用電子制御装置10は、電子部品13a、13b、13cと、発熱部品20と、基板30と、基板収容ケース40と、熱拡散カバー50と、樹脂部60と、コネクタ70と、を主として備える。
発熱部品20は、典型的には駆動回路を構成する複数のFET等のスイッチング素子から成る。発熱部品20は、図示を省略するモータ等を駆動する際にスイッチング動作することにより発熱する。
基板30は、典型的にはガラスエポキシ基板等の回路基板であり、第1の実装面30aと、第1の実装面30aの裏面である第2の実装面30bと、を有している。第1の実装面30aには、複数の電子部品13a及び13b、発熱部品20、並びにコネクタ70が実装されていると共に、発熱部品20を覆う熱拡散カバー50が取り付けられている。一方で、第2の実装面30bには、複数の電子部品13cが実装されている。
第1の実装面30aに実装される電子部品13aは、第1の実装面30aに実装される
コネクタ70、発熱部品20及び電子部品13b、並びに第2の実装面30bに実装される電子部品13cよりも上下方向の高さが高い背高部品である。また、コネクタ70は、発熱部品20、電子部品13b及び電子部品13cよりも上下方向の高さが高く、電子部品13bは、電子部品13cよりも上下方向の高さが高い。つまり、基板30の第1の実装面30aには、第2の実装面30bと比較して、複数の電子部品13a及び13b、発熱部品20、並びにコネクタ70や熱拡散カバー50といった背の高い種々の部品を装着していることになる。
基板収容ケース40は、樹脂製であり、電子部品13a、13b及び13c、発熱部品20、基板30、熱拡散カバー50、並びにコネクタ70の一部を収容している。基板収容ケース40は、外部に開放した開口部41を一端に有した袋状になっており、開口部41からコネクタ70の一部が外部に突出している。開口部41は、基板30を基板収容ケース40の内部に挿入すると共に、樹脂部60を形成するための溶融樹脂材料を内部に充填するために設けられている。基板収容ケース40には、左右一対の側壁部48から左右方向の外部に突出する一対のステー80が基板収容ケース40と一体に形成されている。基板収容ケース40は、ステー80の肉厚方向に貫通する挿通孔81を挿通する図示しないボルト等の締結部材により、車両の車体に固定される。なお、基板収容ケース40の構成の詳細については後述する。
熱拡散カバー50は、典型的には鉄等の金属製であり、発熱部品20から所定間隔を設けて発熱部品20を覆った状態で、基板30の第1の実装面30aに半田付け等で取り付けられている。
より詳しくは、熱拡散カバー50は、下方が開放された直方体状の箱型部材であり、発熱部品20を収納するための凹部51と、凹部51の周囲に設けられる4つの側壁部52a、52b、52c及び52dと、4つの側壁部52a、52b、52c及び52dの下端部53a、53b、53c及び53dより更に下方に延設され、基板30に形成されている図示を省略する複数の孔部に対応して嵌装されて基板30に半田付け等で固定される複数の脚部54と、4つの側壁部52a、52b、52c及び52dの隣接するもの同士の間に対応して各々形成された複数の隙間部55と、天板部56と、を有している。凹部51は、4つの側壁部52a、52b、52c及び52、並びに天板部56により画成される。また、熱拡散カバー50を基板30に取り付けた際に、熱拡散カバー50の下端部53a、53b、53c及び53dと、基板30の第1の実装面30aと、の間には複数の隙間部90が各々形成される。隙間部55及び隙間部90は、熱拡散カバー50の内部に樹脂材料を流入させるために設けられている。
樹脂部60は、基板収容ケース40の開口部41からその内部に充填された流動性を有する樹脂材料が熱拡散カバー50の内部及び外部に流れ込んだ後に硬化することにより形成される。この際、基板収容ケース40の内部に充填された流動性を有する樹脂材料は、熱拡散カバー50の隙間部55及び隙間部90から熱拡散カバー50の内部に流入する。樹脂部60は、熱拡散カバー50により覆われた発熱部品20を熱拡散カバー50の内部に封止して固定すると共に、電子部品13a、13b及び13c、基板30、熱拡散カバー50、並びにコネクタ70の一部を基板収容ケース40の内部に封止して固定する。
コネクタ70は、図示を省略する相手側コネクタが嵌合する凹部である嵌合部70aを有すると共に、長板上の金属部材を折り曲げて形成され、コネクタ70の外部に一部が突出する接続端子71を備える。コネクタ70は、接続端子71が基板30に半田付けされた状態で、基板30の第1の実装面30aに実装されている。つまり、接続端子71は、一端が基板30に形成された図示を省略するスルーホールに挿入されて半田付けされると共に、他端が嵌合部70aで露出して相手側コネクタの図示を省略する接続端子等に接続
可能になっている。
<基板収容ケースの構成>
次に、本実施形態における基板収容ケースの構成につき、図1から図3(a)を参照しながら、更に詳細に説明する。
基板収容ケース40は、開口部41と、低頂壁部42a及び42bと、傾斜壁部43と、底板部45と、前壁部46と、側壁部48と、高頂壁部49と、を主として備える。
底板部45は、x−y平面と平行な平坦壁部であり、車両の車体に対する取り付け面になっている。底板部45の上方には、電子部品13cが配置されて、底板部45と電子部品13cとが樹脂部60を介して上下方向で対向している。
高頂壁部49は、底板部45に上下方向で対向し、基板収容ケース40のy軸の方向の中央部、つまり左右方向の中央部において、開口部41からx軸の正方向に向かって、つまり前側に向かって延在する。高頂壁部49の下方には、背高部品であるコンデンサ等の電子部品13aが配置され、高頂壁部49と電子部品13aとが樹脂部60を介して上下方向で対向している。
基板収容ケース40の高頂壁部49以外の上壁部は高頂壁部49よりも高さの低い低頂壁部42a及び42bとなっている。低頂壁部42aは、低頂壁部42bの開口部41側において、低頂壁部42bの一部が嵩上げされた嵩上げ部である。また、高頂壁部49と低頂壁部42a及び42bとは、高頂壁部49の上面視で矩形状の輪郭に対応してコの字状の横断面形状を有した縦壁部である接続壁部49aを介して、接続されている。低頂壁部42aの下方には、電子部品13aに比べて低背化されたコネクタ70が配置されて、低頂壁部42aとコネクタ70の一部とが樹脂部60を介して上下方向で対向する。低頂壁部42bの下方には、電子部品13a及びコネクタ70に比べて共に低背化された発熱部品20、電子部品13b、及び発熱部品20を覆う熱拡散カバー50が配置されて、低頂壁部42bと、発熱部品20、電子部品13b及び発熱部品20を覆う熱拡散カバー50と、が樹脂部60を介して上下方向で対向している。
このように、基板収容ケース40は、基板30の両面に実装される電子部品13a、13b及び13c、発熱部品20を覆う熱拡散カバー50、並びにコネクタ70の各外形形状に沿った形状を有するので、車両用電子制御装置10を小型化することができると共に、樹脂部60の容積を低減することができる。
傾斜壁部43は、低頂壁部42bと前壁部46との間を接続する接続壁部である。つまり、傾斜壁部43は、前壁部46からその後ろ側に向かって上傾するように前壁部46に連なり、低頂壁部42bから後ろ側に行くに従って底板部45から徐々に遠ざかるように傾斜している。
前壁部46は、基板収容ケース40の前側の縦壁部である。側壁部48は、基板収容ケース40の左右の一対の縦壁部であり、傾斜壁部43、低頂壁部42a及び42bの各々と、底板部45と、の間を上下方向で接続すると共に、その前部が前壁部46に接続する。左右一対の側壁部48からは、それらの左右方向の外部に対応して突出する一対のステー80がそれらと一体に対応して形成されている。
つまり、低頂壁部42a、底板部45、側壁部48及び高頂壁部49の各々の後ろ側端部が協働して基板収容ケース40の開口部41を画成し、低頂壁部42a及び42b、傾斜壁部43、底板部45、前壁部46、側壁部48、高頂壁部49、並びに接続壁部49
aの各々の壁部が協働して、基板収容ケース40の内部に収容空間を画成する。
ここで、低頂壁部42a及び42b、高頂壁部49及び接続壁部49aにより上側の第1の外壁部を構成し、底板部45により下側の第2の外壁部を構成している。また、低頂壁部42a及び42b、高頂壁部49及び接続壁部49aから成る第1の外壁部の肉厚t1は、底板部45から成る第2の外壁部の肉厚t2よりも大きく設定されている(t1>t2)。前壁部46及び側壁部48の肉厚は、t1以上でt2以下に設定されていればよいが、詳細は後述する射出成形機のゲート100位置よりも上方で、前壁部46及び側壁部48の肉厚は、t1からt2に徐々に増加していてもよい。また、左右一対の側壁部48の開口部41側には、ウェルドラインWが形成されている。
<基板収容ケースの製造方法>
次に、本実施形態における車両用電子制御装置10の基板収容ケース40の製造方法につき、図3(a)に加えて更に図4をも参照しながら、詳細に説明する。
図4は、本実施形態における車両用電子制御装置の基板収容ケースを射出成形により成形する際の成形金型内の樹脂材料の流れを示す模式的な俯瞰図であり、図4(a)から図4(f)は、成形金型に樹脂材料の注入を開始してから終了するまでの状態を、時系列順に示すものである。なお、図4では、樹脂材料は成形金型のキャビティ内を流れるものであるが、説明の便宜上、成形金型のキャビティを仮想線で示し、その各部に対して基板収容ケース40の各部の符号を付している。
基板収容ケース40は、典型的には、樹脂材料を用いて射出成形によって製造されるもので、射出成形時においては、前壁部46の上下方向及び左右方向の中央位置に対応する位置を、射出成形機のゲート100が接続されるて樹脂材料が注入される注入端位置として、ゲート100から成形金型のキャビティ内に溶融状態の樹脂材料を流し込むことにより形成される。
つまり、図3(a)に模式的に示すように、ゲート100から溶融状態の樹脂材料を成形金型のキャビティ内に流し込むと、成形金型に流し込まれた樹脂材料は、上下方向に分かれた樹脂材料流n1及びn2となって、成形金型のキャビティ内を流れていく。
ゲート100の注入端位置から注入されて上方に流れた樹脂材料流n1は、前壁部46の上部に対応した成形金型のキャビティ部分を経て、上面視で放射状に広がりながら、傾斜壁部43、低頂壁部42b、接続壁部49a及び高頂壁部49の各々に対応した成形金型のキャビティ部分内にこの順番に流入して流れ、接続壁部49a及び高頂壁部49の各々の後端部並びに低頂壁部42aの各々に対応した成形金型のキャビティ部分に至る。この際、上面視で放射状に広がる樹脂材料流n1は、側壁部48の上部に対応した成形金型のキャビティ部分内に流入してその後端部に至る。一方で、ゲート100の注入端位置から注入されて下方に流れた樹脂材料流n2は、前壁部46の下部に対応した成形金型のキャビティ部分を経て、上面視で放射状に広がりながら、底板部45に対応した成形金型のキャビティ部分内を流れてその後端部に至る。この際、上面視で放射状に広がる樹脂材料流n2は、側壁部48の下部に対応した成形金型のキャビティ部分内に流入してその後端部に至る。
この際、上方に流れる樹脂材料流n1の流入抵抗は、傾斜壁部43に対応した成形金型のキャビティ部分の間隙幅t1が底板部45に対応した成形金型のキャビティ部分の間隙幅t2よりも大きく設定されているため、下方に流れる樹脂材料流n2の流入抵抗よりも小さくなっており、上方に流れる樹脂材料流n1は、下方に流れる樹脂材料流n2よりも流れやすくなっている。
また、傾斜壁部43は、前壁部46から低頂壁部42bに徐々に上昇しながら接続しているため、これに対応した成形金型のキャビティ部分内を流れる樹脂材料流n1の流入抵抗は、前壁部46に対して直交する底板部45に対応した成形金型のキャビティ部分内を流れる樹脂材料流n2の流入抵抗よりも小さくなっており、傾斜壁部43に対応した成形金型のキャビティ部分内を流れる樹脂材料流n1は、底板部45に対応した成形金型のキャビティ部分内を流れる樹脂材料流n2よりも流れやすくなっている。
更に、傾斜壁部43、低頂壁部42a及び42b、接続壁部49a並びに高頂壁部49の各々に対応した成形金型のキャビティ部分の間隙幅がt1に設定されているため、これに対応した成形金型のキャビティ部分内を流れる樹脂材料流n1の流入抵抗は、実質小さいまま維持されており、そこの樹脂材料流n1の流れは阻害されない。併せて、低頂壁部42a及び42b、接続壁部49a並びに高頂壁部49の各々に対応した成形金型のキャビティ部分を流れる樹脂材料流n1の流入抵抗は、これらに対応した成形金型のキャビティ部分の間隙幅t1が側壁部48に対応した成形金型のキャビティ部分の間隙幅以上に設定されているため、側壁部48の上部及び下部を対応して流れる樹脂材料流n1及びn2の各々の流入抵抗よりも小さくなっており、低頂壁部42a及び42b、接続壁部49a並びに高頂壁部49の各々に対応した成形金型のキャビティ部分を流れる樹脂材料流n1は、側壁部48に対応した成形金型のキャビティ部分内を流れる樹脂材料流n1及びn2よりも流れやすくなっている。
つまり、低頂壁部42a及び42b、高頂壁部49並びに接続壁部49aからなる上側の第1の外壁部に対応した成形金型のキャビティ部分内を流れる樹脂材料流n1の流入速度は、底板部45から成る下側の第2の外壁部に対応した成形金型のキャビティ部分内を流れる樹脂材料流n2の流入速度、並びに側壁部48に対応した成形金型内を流れる樹脂材料流n1及びn2の流入速度よりも大きくなる。
ここで、ゲート100の注入端位置から注入されて上方に流れた樹脂材料流n1は、前壁部46の上部に対応した成形金型のキャビティ部分内を経て、上面視で放射状に広がりながら傾斜壁部43、低頂壁部42b、接続壁部49a及び高頂壁部49の各々に対応した成形金型のキャビティ部分内のこの順番に流入して流れ、更に左右の側壁部48の上部に対応した成形金型のキャビティ部分内に流入しながら接続壁部49a及び高頂壁部49の各々の後端部並びに低頂壁部42aの各々に対応した成形金型のキャビティ部分内に至り、それらのキャビティ部分の最後端部で堰き止められる。一方で、ゲート100の注入端位置から注入されて下方に流れた樹脂材料流n2は、前壁部46の下部に対応した成形金型のキャビティ部分内を経て、上面視で放射状に広がりながら底板部45に対応した成形金型のキャビティ部分内を流れ、更に左右の側壁部48の下部に対応した成形金型のキャビティ部分内に流入しながら底板部45の後端部に対応した成形金型のキャビティ部分内に至り、それらのキャビティ部分の最後端部で堰き止められる。
この際、接続壁部49a、高頂壁部49及び低頂壁部42aの各々に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められた樹脂材料流n1は、その圧力で左右の側壁部48側に偏向して流れようとして左右の側壁部48の上部に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められている樹脂材料流n1を下方に押し、このように押される左右の側壁部48の上部に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められている樹脂材料流n1は、下方に偏向して流れようとする。一方で、底板部45及び左右の側壁部48の下部の各々に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部では、樹脂材料流n2が堰き止められている。このため、左右の側壁部48の上部に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められている樹脂材料流n1と、左右の側壁部48の下部に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められている樹脂材
料流n2と、が、合流して合流界面を画成する。これにより、左右のステー80の各々の前方で、左右の側壁部48における前後方向に延在する位置に、樹脂材料流n1と樹脂材料流n2とが上下方向に互いに押されながら合流した状態で固化・融着されて、それらの合流界面領域に対応したウェルドラインWが形成されることになる。
具体的には、ゲート100の注入端位置から成形金型に樹脂材料を注入した直後の図4(a)の状態では、成形金型のキャビティの上側部分を流れる樹脂材料は、前壁部46の上部、傾斜壁部43及び低頂壁部42bの各々に対応した成形金型のキャビティ部分内を上面視で放射状に広がりながら通過中であるが、その一部は接続壁部49aに対応した成形金型のキャビティ部分内を上昇している最中である。一方で、成形金型のキャビティの下側部分を流れる樹脂材料は、前壁部46の下部に対応した成形金型のキャビティ部分内を通過しながら、底板部45に対応した成形金型のキャビティ部分内を上面視で放射状に広がりながら通過中である。つまり、この状態では、成形金型のキャビティの上側部分を流れる樹脂材料の流入速度は相対的に大きいもののその先端界面n11は、成形金型のキャビティの下側部分を流れる樹脂材料の先端界面n12よりも、特に成形金型のキャビティの左右方向の中央部で遅れた領域にある。
次に、図4(a)から所定時間経過後の図4(b)の状態では、成形金型のキャビティの上側部分を流れる樹脂材料は、前壁部46の上部、傾斜壁部43、低頂壁部42b及び接続壁部49aの各々に対応した成形金型のキャビティ部分内を上面視で放射状に広がりながら通過中であるが、その一部は高頂壁部49に対応した成形金型のキャビティ部分内に流入し始めた所にある。一方で、成形金型のキャビティの下側部分を流れる樹脂材料は、前壁部46の下部に対応した成形金型のキャビティ部分内を通過しながら、底板部45に対応した成形金型のキャビティ部分内を半分以上通過して上面視で放射状に広がりながら流れている最中である。つまり、この状態では、成形金型のキャビティの上側部分を流れる樹脂材料の先端界面n11は、まだ、成形金型のキャビティの下側部分を流れる樹脂材料の先端界面n12よりも、特に成形金型のキャビティの左右方向の中央部で遅れた領域にある。
次に、図4(b)から所定時間経過後の図4(c)の状態では、成形金型のキャビティの上側部分を流れる樹脂材料は、前壁部46の上部、傾斜壁部43及び低頂壁部42bの各々に対応した成形金型のキャビティ部分内を経て、接続壁部49a、高頂壁部49及び低頂壁部42aの各々に対応した成形金型のキャビティ部分内を通過中であると共に、側壁部48の上部に対応した成形金型のキャビティ部分内を通過しながらステー80の上部に対応した成形金型のキャビティ部分内を通過中である。一方で、成形金型のキャビティの下側部分を流れる樹脂材料は、前壁部46の下部に対応した成形金型のキャビティ部分内を経て、ステー80の下部に対応した成形金型のキャビティの内をほぼ完全に通過し終わっているが、その一部は、底板部45及び側壁部48の下部の各々に対応した成形金型のキャビティの後端部に到達し始める状態に留まっている。つまり、この状態では、成形金型のキャビティの上側部分を流れる樹脂材料は、その相対的に大きい流入速度を維持して、その先端界面n11が成形金型のキャビティの下側部分を流れる樹脂材料の先端界面n12にかなり接近してきた状態にある。
次に、図4(c)から所定時間経過後の図4(d)の状態では、成形金型のキャビティの上側部分を流れる樹脂材料は、前壁部46の上部、傾斜壁部43及び低頂壁部42bの各々に対応した成形金型のキャビティ部分内を経て、接続壁部49a、高頂壁部49、低頂壁部42a及び側壁部48の上部の各々に対応した成形金型のキャビティ部分内をほぼ通過すると共に、ステー80の上部に対応した成形金型のキャビティ部分内をほぼ完全に通過し終わっている。一方で、成形金型のキャビティの下側部分を流れる樹脂材料は、前壁部46の下部に対応した成形金型のキャビティ部分内を経て、底板部45、側壁部48
の下部及びステー80の各々に対応した成形金型のキャビティの下部内を完全に通過し終わって、底板部45及び側壁部48の下部の各々に対応した成形金型のキャビティの最後端部で堰き止められ始められている。つまり、この状態では、成形金型のキャビティの上側部分を流れる樹脂材料は、その相対的に大きい流入速度を維持して、その先端界面n11が成形金型のキャビティの下側部分を流れる樹脂材料の先端界面n12と上面視でほぼ重なるまで接近してきた状態になっている。
次に、図4(d)から所定時間経過後の図4(e)の状態では、更に、成形金型のキャビティの上側部分を流れる樹脂材料は、前壁部46の上部、傾斜壁部43及び低頂壁部42bの各々に対応した成形金型のキャビティ部分内を経て、接続壁部49a、高頂壁部49、低頂壁部42a、側壁部48の上部及びステー80の上部の各々に対応した成形金型のキャビティ部分内を完全に通過し終わって、接続壁部49a、高頂壁部49、低頂壁部42a及び側壁部48の上部の各々に対応した成形金型のキャビティの最後端部で堰き止められると共に、その相対的に大きい流入速度により、成形金型のキャビティの下側部分を流れて底板部45及び側壁部48の下部の各々に対応した成形金型のキャビティの最後端部で堰き止められ樹脂材料を押している。そして、このように成形金型のキャビティの上側部分を流れて堰き止められる樹脂材料と、成形金型のキャビティの下側部分を流れて堰き止められる樹脂材料とは、左右のステー80の各々の前方において左右の側壁部48で合流して固化・融着され、その結果、左右のステー80の各々の前方で、左右の側壁部48で前後方向に延在するウェルドラインWが形成されることになる。なお、ウェルドラインWは、左右の側壁部48の開口部41側に位置するものであれば、その中央部に位置せずに上下方向に偏位していてもかまわない。
<車両用電子制御装置の組み立て方法>
次に、本実施形態における車両用電子制御装置10の組み立て方法につき、図1及び図2を参照しながら、以下詳細に説明する。
まず、基板30の第1の実装面30aに発熱部品20及び電子部品13a及び13bを半田付け等により実装すると共に、基板30の第2の実装面30bに電子部品13cを半田付け等により実装する。
次に、熱拡散カバー50により発熱部品20を覆った状態で、熱拡散カバー50の複数の脚部54を基板30の第1の実装面30aの複数の孔部に各々対応して嵌装した後これらを基板30に半田付けし、熱拡散カバー50を基板30に取り付ける。なお、熱拡散カバー50の基板30への取り付けは、半田付けに限らず、締結や加締め等の取付け構造を用いてもよい。
併せて、基板30に対してコネクタ70の接続端子71を半田付けして、コネクタ70を基板30に実装する。
次に、電子部品13a、13b及び13c、発熱部品20並びにコネクタ70を実装すると共に熱拡散カバー50を取り付けた基板30を、基板収容ケース40の開口部41から基板収容ケース40の内部に収容する。
最後に、開口部41から基板収容ケース40の内部に流動性を有する樹脂材料を流入させて充填した後に硬化させることにより、熱拡散カバー50により発熱部品20を覆った状態で、電子部品13a、13b及び13c、発熱部品20、基板30、熱拡散カバー50、並びにコネクタ70の一部を、基板収容ケース40内に封止して固定する。この際、基板収容ケース40の内部に充填された流動性を有する樹脂材料は、熱拡散カバー50の隙間部55及び隙間部90より熱拡散カバー50の内部にも流入して硬化することにより
、発熱部品20を熱拡散カバー50の内部に封止して固定する。
<基板収容ケースの変形例>
さて、本実施形態における車両用電子制御装置10の基板収容ケースについては、種々の変形例が考えられるので、かかる各種変形例につき、まず第1の変形例から更に図3(b)をも参照しながら、以下詳細に説明する。
図3(b)は、本実施形態の第1の変形例における車両用電子制御装置の基板収容ケースの図3(a)に相当する断面図である。
図3(b)に示すように、本変形例における基板収容ケース140は、以上説明した基板収容ケース40に対して、高頂壁部49と低頂壁部42a及び42bとを接続する接続壁部149aが、縦壁部ではなく低頂壁部42bから高頂壁部49に向けて徐々に上昇する傾斜壁部となっていることが主たる相違点であり、残余の構成は同一である。本変形例では、かかる相違点について着目して説明することとし、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
具体的には、本変形例における基板収容ケース140おいては、図3(b)に模式的に示すように、ゲート100から溶融状態の樹脂材料を成形金型のキャビティ内に流し込むと、成形金型に流し込まれた樹脂材料は、上下方向に分かれた樹脂材料流n1及びn2となって、成形金型のキャビティ内を流れていく。
上方に流れた樹脂材料流n1は、ゲート100の注入端位置から、前壁部46の上部に対応した成形金型のキャビティ部分内を流れながら、傾斜壁部43、低頂壁部42b、接続壁部149a及び高頂壁部49の各々に対応した成形金型のキャビティ部分内にこの順番に流入して流れていく。
この際、高頂壁部49と低頂壁部42a及び42bとを接続する接続壁部149aが、縦壁部ではなく低頂壁部42bから高頂壁部49に向けて徐々に上昇する傾斜壁部として構成されているため、これに対応した成形金型のキャビティ部分内を流れる樹脂材料流n1の流入抵抗は、相対的に小さくなる。
これにより、上方に流れた樹脂材料流n1を、低頂壁部42bに対応した成形金型のキャビティ部分から高頂壁部49に対応した成形金型のキャビティ部分に向けてより高い流入速度で流して、より迅速に高頂壁部49に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部に到達させることができる。
その結果、上方に流れた樹脂材料流n1を、接続壁部49a、高頂壁部49及び低頂壁部42aの各々に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部でより確実かつ迅速に堰き止めながら、その圧力で左右の側壁部48側に偏向して流れようとして左右の側壁部48の上部に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められている樹脂材料流n1をより確実かつ迅速に下方に押すことができる。このため、左右の側壁部48の上部に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められている樹脂材料流n1と、左右の側壁部48の下部に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められている樹脂材料流n2と、が、より確実に合流して合流界面を画成することができる。これにより、左右のステー80の各々の前方で、左右の側壁部48における前後方向に延在する位置に、樹脂材料流n1と樹脂材料流n2とが上下方向に押されながら合流した状態で固化・融着されて、それらの合流界面領域に対応したウェルドラインWがより確実に形成されることになる。
次に、本実施形態における車両用電子制御装置10の基板収容ケースの第2の変形例につき、更に図3(c)をも参照しながら、以下詳細に説明する。
図3(c)は、本実施形態の第2の変形例における車両用電子制御装置の基板収容ケースの図3(a)に相当する断面図である。
図3(c)に示すように、本変形例における基板収容ケース240においては、前述した基板収容ケース40に対して、傾斜壁部43が設けられておらず、前壁部46及び側壁部48が直接的に低頂壁部42bに連なって構成が簡素化されていることが主たる相違点であり、残余の構成は同一である。本変形例では、かかる相違点について着目して説明することとし、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
具体的には、本変形例における基板収容ケース240おいては、図3(c)に模式的に示すように、ゲート100から溶融状態の樹脂材料を成形金型のキャビティ内に流し込むと、成形金型に流し込まれた樹脂材料は、上下方向に分かれた樹脂材料流n1及びn2となって、成形金型のキャビティ内を流れていく。
この際、上方に流れた樹脂材料流n1は、ゲート100の注入端位置から、前壁部46の上部に対応した成形金型のキャビティ部分内を流れながら、低頂壁部42bに対応した成形金型のキャビティ部分内に流入していく。ここで、上方に流れる樹脂材料流n1の流入抵抗は、低頂壁部42bに対応した成形金型のキャビティ部分の間隙幅t1が底板部45に対応した成形金型のキャビティ部分の間隙幅t2よりも大きく設定されているため、下方に流れる樹脂材料流n2の流入抵抗よりも小さくなっており、上方に流れる樹脂材料流n1は、下方に流れる樹脂材料流n2よりも流れやすくなっている。これにより、樹脂材料流n1を、低頂壁部42bに対応した成形金型のキャビティ部分内を確実に流すことができる。
その結果、上方に流れた樹脂材料流n1を、低頂壁部42b、接続壁部49a及び高頂壁部49の各々に対応した成形金型のキャビティ部分内をこの順番に確実に流入させて流すことができるため、上方に流れた樹脂材料流n1を、接続壁部49a、高頂壁部49及び低頂壁部42aの各々に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部でより確実に堰き止めながら、その圧力で左右の側壁部48側に偏向して流れようとして左右の側壁部48の上部に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められている樹脂材料流n1を確実に下方に押すことができる。このため、左右の側壁部48の上部に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められている樹脂材料流n1と、左右の側壁部48の下部に対応した成形金型のキャビティ部分の最後端部で堰き止められている樹脂材料流n2と、が、確実に合流して合流界面を画成することができる。これにより、左右のステー80の各々の前方で、左右の側壁部48における前後方向に延在する位置に、樹脂材料流n1と樹脂材料流n2とが上下方向に押されながら合流した状態で固化・融着されて、それらの合流界面領域に対応したウェルドラインWが確実に形成されることになる。
以上の各変形例を含む本実施形態の構成によれば、開口部41を有して、開口部41から複数の電子部品13a、13b、13c、20を実装した基板30を収容自在な樹脂製の基板収容ケース40、140、240であって、複数の電子部品13a、13b、13c、20の内の背高部品20が実装される基板30の第1の実装面30aに対向すると共に、背高部品20の外形状を象った壁部49、49aを有する第1の外壁部42a、42b、43、49、49aと、基板の第1の実装面30aの裏面である第2の実装面30bに対向する第2の外壁部45と、第1の外壁部42a、42b、43、49、49aと第2の外壁部45との間を、これらと協働して開口部41を画成しながら接続する一対の側
壁部48と、開口部41に対向すると共に、第1の外壁部42a、42b、43、49、49a、第2の外壁部45及び一対の側壁部48間を接続する縦壁部46と、を更に備え、基板収容ケース40、140、240の射出成形時のゲート100の位置は、縦壁部46に対応して設けられ、第1の外壁部42a、42b、43、49、49aは、第2の外壁部45よりも厚肉であることにより、より構造が複雑で容積も大きい第1の外壁部42a、42b、43、49、49aを形成するための成形金型のキャビティ内を流れる樹脂材料の速度を、第2の外壁部45を形成するための成形金型のキャビティ内を流れる樹脂材料の速度よりも高めることができるので、樹脂製の基板収容ケース40、140、240を形成する際に、ウェルドラインWを、基板収容ケース40、140、240において強度が相対的に高い側壁部48に形成する一方で、基板収容ケース40、140、240において強度が相対的に低い基板30に対向する外壁部42a、42b、43、45、49、49aに形成しないようにすることができ、基板収容ケース40、140、240の強度を向上することができる。
また、第1の外壁部42a、42b、43、49、49aは、縦壁部46に接続すると共に、縦壁部46から開口部41側に向けて第2の外壁部45に対して徐々に遠ざかるように傾斜する傾斜壁部43を含むことにより、傾斜壁部43を形成するための成形金型のキャビティ内を流れる樹脂材料の速度をより速めて樹脂材料をより流れ易くすることができるので、樹脂製の基板収容ケース40、140、240を形成する際に、ウェルドラインWを、基板収容ケース40、140、240において強度が相対的に高い側壁部48により確実に形成することができ、基板収容ケース40、140、240の強度をより確実に向上することができる。
また、一対の側壁部48の縦壁部46側に、射出成形時に形成されるウェルドラインWを有することにより、樹脂製の基板収容ケース40、140、240を形成する際に、ウェルドラインWを、基板収容ケース40、140、240において強度が相対的に最も高い側壁部48のより強度の高い部分に、より確実に形成することができ、基板収容ケース40、140、240の強度をより確実に向上することができる。
なお、本発明は、部材の種類、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明は、基板に実装された電子部品の外形形状を象って外壁部を形成する際に、基板に実装される電子部品と対向する外壁部にウェルドラインを生じないようにすることにより、高強度の基板収容ケースを提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の車両用の電子制御装置の基板収容ケースに広く適用され得るものと期待される。
10…車両用電子制御装置
13a、13b、13c…電子部品
20…発熱部品
30…基板
30a…第1の実装面
30b…第2の実装面
40、140、240…基板収容ケース
41…開口部
42a、42b…低頂壁部
43…傾斜壁部
45…底板部
46…前壁部
48…側壁部
49…高頂壁部
49a、149a…接続壁部
50…熱拡散カバー
51…凹部
52a、52b、52c、52d…側壁部
53a、53b、53c、53d…下端部
54…脚部
55…隙間部
70…コネクタ
70a…嵌合部
71…接続端子
80…ステー
81…挿通孔
90…隙間部
100…ゲート
140…基板収容ケース
142…低頂壁部
146…先端側
149…高頂壁部
150…垂直壁

Claims (3)

  1. 開口部を有して、前記開口部から複数の電子部品を実装した基板を収容自在な樹脂製の基板収容ケースであって、
    前記複数の電子部品の内の背高部品が実装される前記基板の第1の実装面に対向すると共に、前記背高部品の外形状を象った壁部を有する第1の外壁部と、
    前記基板の前記第1の実装面の裏面である第2の実装面に対向する第2の外壁部と、
    前記第1の外壁部と前記第2の外壁部との間を、これらと協働して前記開口部を画成しながら接続する一対の側壁部と、
    前記開口部に対向すると共に、前記第1の外壁部、前記第2の外壁部及び前記一対の側壁部間を接続する縦壁部と、
    を更に備え、
    前記基板収容ケースの射出成形時のゲート位置は、前記縦壁部に対応して設けられ、前記第1の外壁部は、前記第2の外壁部よりも厚肉であることを特徴とする基板収容ケース。
  2. 前記第1の外壁部は、前記縦壁部に接続すると共に、前記縦壁部から前記開口部側に向けて前記第2の外壁部に対して徐々に遠ざかるように傾斜する傾斜壁部を含むことを特徴とする請求項1記載の基板収容ケース。
  3. 前記一対の側壁部の前記縦壁部側に、前記射出成形時に形成されるウェルドラインを有することを特徴とする請求項1又は2記載の基板収容ケース。
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