JP2015044358A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体上にインク滴が濡れ拡がることを防止し、かつ光源部や液体噴射ヘッドの動作を安定させることができる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を噴射する複数のノズル孔43aが並設されているノズルプレート43を有するインクジェットヘッド4と、複数のノズル孔43aから噴射されたインクを加熱させるためのレーザ光を出力するレーザ光源部60と、レーザ光を伝搬する連結用光ファイバ71と、を備え、インクジェットヘッド4とレーザ光源部60は、それぞれ離間して配置され、インクジェットヘッド4とレーザ光源部60とが連結用光ファイバ71を介して接続されている。
【選択図】図7

Description

この発明は、液体噴射装置に関するものである。
従来、被記録媒体に液滴状のインク(以下、単にインク滴という。)を吐出して、被記録媒体に画像や文字を記録する装置として、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)を備えたインクジェットプリンタ(液体噴射装置)がある。
一般に、インクジェットヘッドは、複数のノズル孔からなるノズル列を有するノズルプレートと、ノズル孔に連通する複数のチャネルを有するアクチュエータプレートと、各チャネルそれぞれに連通する共通インク室を有するカバープレートと、を備えている。この構成によれば、チャネル内を収縮させてチャネル内の圧力を上昇させることで、チャネル内のインクをノズル孔から吐出させ、被記録媒体上にインク滴を着弾させることができる。
また、近年、インクジェットヘッドにレーザヘッドを搭載し、このレーザヘッドから出射されるレーザ光を用いてインク滴を加熱させる技術が開発されている。この場合、インクジェットヘッドと被記録媒体とを相対移動させながら、ノズル孔からインク滴を吐出すると共に、被記録媒体上におけるインク滴の着弾位置に向けてレーザ光を照射する。レーザヘッドから出射されるレーザ光は、レンズで集光された後、被記録媒体上に着弾したインク滴に照射される。
これにより、インク滴を瞬時に乾燥させることができるので、被記録媒体上に着弾したインク滴が濡れ拡がるのを抑制し、微細な印字パターンを得ることができる。
ここで、レーザ光の照射位置(出射口)とノズル孔の位置は、できる限り近いことが望ましい。これは、レーザ光の照射位置とノズル孔の位置との間の距離が長いと、ノズル孔から吐出されるインク滴に、出射されたレーザ光が到達するまでの距離、時間が長くなるからである。このように、ノズル孔から吐出されるインク滴に、出射されたレーザ光が到達するまでの距離、時間が長くなると、インク滴へのレーザ光の照射精度が悪化すると共に、インク滴の乾燥に時間がかかり、記録媒体上にインク滴が濡れ拡がるおそれがある。
このため、例えば特許文献1には、ノズルプレートのうち、ノズル孔に隣接する部分に透過液が導入される照射ノズルと、照射ノズルの上方に配設されたレーザアレイ(光源部)と、を備え、照射ノズルの開口端縁に、透過液の表面張力によってノズルプレートに対して被記録媒体側に向けて突出する液体レンズを形成する構成が開示されている。
この構成によれば、ノズルプレートに液体レンズを配設できるので、ノズル孔と照射ノズル(液体レンズ)との位置精度を向上できると共に、レーザ光の照射位置とインク滴の着弾位置との距離を短縮できる。
特許第4297066号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、レーザアレイの発熱が大きく、さらに、インクジェットヘッドの発熱も大きいので、レーザアレイやインクジェットヘッドの動作を安定させにくいという課題がある。インクジェットヘッドにレーザアレイを冷却するための冷却機構を設けることも考えられるが、インクジェットヘッドが大型化してしまい、好ましくない。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、記録媒体上にインク滴が濡れ拡がることを防止し、かつ光源部や液体噴射ヘッドの動作を安定させることができる液体噴射装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る液体噴射装置は、液体を噴射する複数の噴射孔が並設されている噴射プレートを有する液体噴射ヘッドと、前記複数の噴射孔から噴射された液体を加熱させるための光束を出力する光源部と、前記光束を伝搬する光導波路と、を備え、前記液体噴射ヘッドと前記光源部は、それぞれ離間して配置され、前記液体噴射ヘッドと前記光源部とが前記光導波路を介して接続されていることを特徴とする。
このように構成することで、液体噴射ヘッドから離間した位置に光源部を配置しつつ、この光源部から出力された光束を、光導波路を用いて液体噴射ヘッドの噴射孔近傍に導くことができる。すなわち、液体噴射ヘッドから離れた位置に光源部が配置されているにも関わらず、光束の照射位置を、できる限り噴射孔に近づけることができる。このため、記録媒体上にインク滴が濡れ拡がることを防止し、かつ光源部や液体噴射ヘッドの動作を安定させることができる。
本発明に係る液体噴射装置は、前記複数の噴射孔に対応するように、これら噴射孔の近傍に、それぞれ前記光導波路の出射側端が配置されていることを特徴とする。
このように構成することで、噴射孔に対してレーザ光の照射位置が限りなく近づき、インク滴へのレーザ光の照射精度を向上させることができる。
本発明に係る液体噴射装置の前記光源部は、それぞれ波長の異なる前記光束を出力する複数の光束出力部を有し、前記光源部に、各光束出力部から出力された複数の前記光束を合波して波長多重光束として出力する合波器を設ける一方、前記液体噴射ヘッドに、前記波長多重光束を波長の異なる複数の前記光束に分波して出力する分波器を設け、各光束出力部と前記合波器、前記合波器と前記分波器、および前記分波器と前記ノズルプレートを、それぞれ前記光導波路により接続したことを特徴とする。
このように構成することで、光源部と液体噴射ヘッドとの間に配置される光導波路の本数を減少させることができる。このため、光導波路の嵩張りを抑えて液体噴射装置を小型化できる。
本発明に係る液体噴射装置の前記合波器および前記分波器は、アレイ導波路回析格子であることを特徴とする。
このように構成することで、合波器および分波器を簡素な構造とすることができる。
本発明に係る液体噴射装置の前記光源部は、前記複数の噴射孔から前記液体が吐出されてから前記光束が出力されるまでの間の時間を調整可能な制御部を有していることを特徴とする。
このように構成することで、液体噴射装置の仕様や液体の仕様に応じて、液体の加熱時間を調整することができる。このため、より高品質な印刷物を提供できる。
本発明に係る液体噴射装置は、前記液体が着弾される被記録媒体に対し、前記液体噴射ヘッドを走査させる走査手段を備えていることを特徴とする。
このように、走査手段を備えた液体噴射装置に、レーザ光源部、液体吐出ヘッド、および光導波路を好適に用いることができる。
本発明によれば、液体噴射ヘッドから離間した位置に光源部を配置しつつ、この光源部から出力された光束を、光導波路を用いて液体噴射ヘッドの噴射孔近傍に導くことができる。すなわち、液体噴射ヘッドから離れた位置に光源部が配置されているにも関わらず、光束の照射位置を、できる限り噴射孔に近づけることができる。このため、記録媒体上にインク滴が濡れ拡がることを防止し、かつ光源部や液体噴射ヘッドの動作を安定させることができる。
本発明の実施形態におけるプリンタの概略構成図である。 本発明の実施形態におけるインクジェットヘッドの斜視図である。 本発明の実施形態におけるヘッドチップの斜視図である。 本発明の実施形態におけるヘッドチップの分解斜視図である。 本発明の実施形態におけるアクチュエータプレートとカバープレートとを分解した状態における拡大斜視図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。 本発明の実施形態におけるインク滴加熱手段の概略構成図である。 本発明の実施形態における合波器の概略構成図である。 本発明の実施形態における分波器の概略構成図である。 図5をC矢視方向からみた断面図である。 本発明の実施形態におけるインクジェットヘッドの動きを説明するための説明図であって、(a)〜(c)は、各工程を示す。 本発明の第1変形例におけるヘッドチップの断面図である。 本発明の第2変形例におけるチャネルの構成を示し、(a),(b)は、チャネルの断面図である。 本発明の第3変形例におけるチャネルの構成を示し、(a)はチャネルの断面図、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図である。 本発明の第4変形例におけるチャネルの断面図である。 本発明の第5変形例におけるチャネルの断面図である。 本発明の第6変形例における光学部の構成を示し、(a)は光学部の断面図、(b)は(a)のE矢視図である。 本発明の第7変形例における光学部の断面図である。 本発明の第8変形例における光学部の断面図である。
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、以下の実施形態では、本発明の液体吐出ヘッドを具備する液体吐出装置の一例として、インク(液体)を利用して記録紙等の被記録媒体に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)を例に挙げて説明する。
(プリンタ)
図1は、プリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、被記録媒体Sを搬送する一対の搬送手段2,3と、被記録媒体Sに図示しないインク(液体)を吐出するインクジェットヘッド4と、インクジェットヘッド4にインクを供給するインク供給手段5と、インクジェットヘッド4を被記録媒体Sの搬送方向(Y方向)と直交する走査方向(X方向)に走査させる走査手段6と、インクジェットヘッド4から吐出されるインク(インク滴)を加熱するインク滴加熱手段7と、を備えている。
なお、被記録媒体Sとしては、紙や、樹脂フィルム、ガラス、セラミックス等、種々の材料を用いることができる。
また、プリンタ1には、搬送手段2,3、インクジェットヘッド4、インク供給手段5、走査手段6、およびインク滴加熱手段7等に電気的に接続されて相互に信号を送受信する制御ユニット12が設けられている。なお、図1中符号9は、プリンタ1の外観を構成する筺体9であり、この筺体9に上述した各構成品が搭載されている。また、本実施形態では、Y方向およびX方向の2方向に直交する上下方向をZ方向とする。
一対の搬送手段2,3は、Y方向に間隔をあけて配置されており、一方の搬送手段2がY方向の上流側に位置し、他方の搬送手段3がY方向の下流側に位置している。これら搬送手段2,3は、X方向に延設されたグリッドローラ2a,3aと、このグリッドローラ2a,3aに対して平行に配置されると共に、グリッドローラ2a,3aとの間で被記録媒体Sを挟み込むピンチローラ2b,3bと、グリッドローラ2a,3aをその軸回りに回転させるモータ等の図示しない駆動機構と、をそれぞれ備えている。
そして、一対の搬送手段2,3のグリッドローラ2a,3aを回転させることで、被記録媒体SをY方向に沿った矢印A方向に搬送することが可能とされている。
インク供給手段5は、インクが収容されたインクタンク10と、インクタンク10およびインクジェットヘッド4間を接続するインク配管11と、を備えている。
図示の例では、インクタンク10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の四色のインクがそれぞれ収容されたインクタンク10Y,10M,10C,10BがY方向に並んで配置されている。なお、インクとしては、水性インクや油性インク、UVインク、微細金属粒子インク、炭素インク(カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェン)等、種々の材料を用いることができる。
インク配管11は、例えば可撓性を有するフレキシブルホースであり、インクジェットヘッド4を支持するキャリッジ16の動作(移動)に追従可能とされている。
走査手段6は、X方向に延び、Y方向に間隔をあけて互いに平行に配置された一対のガイドレール15と、これら一対のガイドレール15に沿って移動可能に配置されたキャリッジ16と、このキャリッジ16をX方向に移動させる駆動機構17と、を備えている。
駆動機構17は、一対のガイドレール15の間に配置され、X方向に間隔をあけて配置された一対のプーリ18と、これら一対のプーリ18の間に巻回されてX方向に移動する無端ベルト19と、一方のプーリ18を回転駆動させる駆動モータ20と、を備えている。
キャリッジ16は、無端ベルト19に連結されており、一方のプーリ18の回転駆動による無端ベルト19の移動に伴ってX方向に移動可能とされている。また、キャリッジ16には、複数のインクジェットヘッド4がX方向に並んだ状態で搭載されている。図示の例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各インクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド4、すなわちインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bがキャリッジ16に搭載されている。なお、上述した搬送手段2,3および走査手段6により、インクジェットヘッド4と被記録媒体Sとを相対的に移動させる搬送手段を構成している。
(インクジェットヘッド)
次に、上述したインクジェットヘッド4について詳述する。図2は、インクジェットヘッド4の斜視図である。なお、インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bは、供給されるインクの色以外は何れも同一の構成からなるため、以下の説明では、まとめてインクジェットヘッド4として説明する。
図2に示すように、インクジェットヘッド4は、キャリッジ16に固定される固定プレート25と、この固定プレート25上に固定されたヘッドチップ26と、インク供給手段5から供給されたインクを、ヘッドチップ26の後述するインク導入孔41a(図3参照)にさらに供給するインク供給部27と、ヘッドチップ26に駆動電圧を印加する制御手段28と、を備えている。
インクジェットヘッド4は、駆動電圧が印加されることで、各色のインクを所定の吐出量で吐出する。このとき、インクジェットヘッド4が走査手段6によりX方向に移動することで、被記録媒体Sにおける所定範囲に記録を行うことができ、この走査を搬送手段2,3により被記録媒体SをY方向に搬送しながら繰り返し行うことで、被記録媒体Sの全体に記録を行うことが可能となる。
固定プレート25には、アルミ等の金属製のベースプレート30がZ方向に沿って起立した状態で固定されているとともに、ヘッドチップ26の後述するインク導入孔41aにインクを供給する流路部材31が固定されている。流路部材31の上方には、インクを貯留する貯留室を内部に有する圧力緩衝器32がベースプレート30に支持された状態で配置されている。そして、流路部材31と圧力緩衝器32とはインク連結管33を介して連結され、圧力緩衝器32にはインク配管11が接続されている。
そして、圧力緩衝器32は、インク配管11を介してインクが供給されると、インクを内部の貯留室内に一旦貯留した後、所定量のインクをインク連結管33および流路部材31を介してインク導入孔41aに供給する。
なお、これら流路部材31、圧力緩衝器32およびインク連結管33により、上述したインク供給部27を構成している。
また、固定プレート25には、ヘッドチップ26を駆動するための集積回路等の制御回路(駆動回路)35が搭載されたIC基板36が取り付けられている。この制御回路35と、ヘッドチップ26の後述するコモン電極50およびダミー電極52と、は、図示しない配線パターンがプリント配線されたフレキシブル基板37を介して電気的に接続されている。これにより、制御回路35は、フレキシブル基板37を介してコモン電極50とダミー電極52との間に、駆動電圧を印加することが可能とされる。
そして、これら制御回路35が搭載されたIC基板36、およびフレキシブル基板37により、上述した制御手段28を構成している。なお、IC基板36には、上述した制御ユニット12がフレキシブル基板21(図1参照)を介して接続される。
(ヘッドチップ)
続いて、ヘッドチップ26について詳細に説明する。図3は、ヘッドチップ26の斜視図、図4は、ヘッドチップ26の分解斜視図である。
図3、図4に示すように、ヘッドチップ26は、アクチュエータプレート40、カバープレート41、支持プレート42およびノズルプレート43を備え、後述する吐出チャネル(吐出チャネル)45Aの長手方向(Y方向)端部に臨むノズル孔43aからインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプとされている。
図5は、アクチュエータプレート40とカバープレート41とを分解した状態における拡大斜視図、図6は図3のB−B線に沿う断面図である。
図4〜図6に示すように、アクチュエータプレート40は、分極方向が厚さ方向(X方向)で異なる第1アクチュエータプレート40Aおよび第2アクチュエータプレート40Bの、2枚のプレートを積層した積層プレートとされている(いわゆる、シェブロン方式)。これら第1アクチュエータプレート40Aおよび第2アクチュエータプレート40Bは、共に厚さ方向(X方向)に分極処理された圧電基板、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックス基板であり、互いの分極方向を反対に向けた状態で接合されている。
アクチュエータプレート40は、平面視長方形状のものであり、その長手方向をY方向とし、短手方向をZ方向とする。なお、本実施形態のヘッドチップ26はエッジシュート対応のため、X方向、すなわち厚さ方向がプリンタ1におけるインクジェットヘッド4の走査方向に一致し、Y方向、すなわち長手方向が被記録媒体Sの搬送方向に一致し、Z方向、すなわち短手方向が走査方向に一致する。
なお、本実施形態では、アクチュエータプレート40におけるZ方向の両側に位置する側面のうち、ノズルプレート43に対向する側面を前端面40aと称し、この前端面40aとはZ方向の反対側に位置する側面を後端面40bと称する。
図5、図6に示すように、アクチュエータプレート40の一方の主面(カバープレート41側に位置する面)40c(図5,6参照)には、Y方向に所定の間隔をあけて並んだ複数のチャネル45が形成されている。これら複数のチャネル45は、一方の主面40c側に開口した状態でZ方向に沿って直線状に延びる溝部であり、Z方向の一方側がアクチュエータプレート40の前端面40a側に開口している。これら複数のチャネル45の間には、断面矩形状でZ方向に延びる駆動壁46が形成され、この駆動壁46によって各チャネル45はそれぞれ区分けされている。
また、複数のチャネル45は、インクが充填される吐出チャネル45A(いわゆる、コモン溝)と、インクが充填されないダミーチャネル45B(いわゆる、アクティブ溝)と、に大別される。そして、これら吐出チャネル45Aとダミーチャネル45Bとは、Y方向に交互に並んで配置されている。
複数のチャネル45のうち、吐出チャネル45Aは、アクチュエータプレート40の後端面40b側に開口することなく、前端面40a側にだけ開口した状態で形成されている。なお、図示の例において、吐出チャネル45Aの後端面40b側は、後端面40bに向かうに従い漸次浅くなっている。一方、ダミーチャネル45Bについては、アクチュエータプレート40の前端面40a側だけでなく、後端面40b側にも開口するように形成されている。
吐出チャネル45Aの内壁面、すなわちY方向に向かい合う一対の側壁面および底壁面には、コモン電極50が形成されている。このコモン電極50は、吐出チャネル45Aに沿ってZ方向に延び、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に形成されたコモン端子51(図5参照)に導通している。
なお、各コモン端子51はそれぞれ電気的に独立するようにパターン形成されている。また、本実施形態のコモン電極50は、上述したように吐出チャネル45Aにおける内壁面の全体に形成されているので、一対の側壁面上に形成された側面電極50aと、底壁面上に形成され、側面電極50a同士を接続する底面電極50bと、で断面U字状に形成された電極とされている。
一方、ダミーチャネル45Bの内壁面のうち、Y方向に向かい合う一対の側壁面には、その全面に亘ってダミー電極52がそれぞれ形成されている。これらダミー電極52は、ダミーチャネル45Bに沿ってZ方向に延び、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に形成されたダミー端子53(図5参照)に導通している。
なお、ダミー端子53は、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上における後端面40b側に形成されており、吐出チャネル45Aを挟んだ両側に位置するダミー電極52同士(異なるダミーチャネル45B内に形成されたダミー電極52同士)を接続するように形成されている。この際、ダミー端子53は、一方の主面40c上において、コモン端子51よりも後端面40b側に離間した位置でY方向に延びることで、ダミー電極52同士をブリッジ状に繋いでいる。
なお、本実施形態のダミー電極52は、上述したコモン電極50と同様に、ダミーチャネル45Bの内壁面全体に一旦形成された後、内壁面における底壁面上に形成された電極部分がレーザ加工やダイシング加工等によって分断されることで、ダミーチャネル45Bの一対の側壁面にそれぞれ電気的に切り離された状態で形成される。
図3、図4に示すように、上述したカバープレート41は、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に重ね合わされている。このカバープレート41には、インク導入孔41aがY方向に長い平面視矩形状に形成されている。
図6に示すように、インク導入孔41aには、上述した流路部材31(図2参照)を介して供給されてきたインクを吐出チャネル45A内に導入させ、かつダミーチャネル45B内への導入を規制する複数のスリット55aが形成されたインク導入板55が形成されている。つまり、複数のスリット55aは、吐出チャネル45Aに対応する位置に形成され、各吐出チャネル45A内にのみインクを充填することが可能とされる。
なお、カバープレート41は、例えばアクチュエータプレート40と同じPZTセラミックス基板で形成され、アクチュエータプレート40と同じ熱膨張をさせることで、温度変化に対する反りや変形を抑制している。但し、この場合に限られず、アクチュエータプレート40とは異なる材料でカバープレート41を形成しても構わないが、熱膨張係数が近い材料を用いることが好ましい。
図3、図4に示すように、支持プレート42は、重ね合わされたアクチュエータプレート40およびカバープレート41を支持すると共に、ノズルプレート43を同時に支持している。支持プレート42には、Y方向に沿って嵌合孔42aが形成されており、重ね合わされたアクチュエータプレート40およびカバープレート41を嵌合孔42a内に嵌め込んだ状態で支持している。この際、支持プレート42は、アクチュエータプレート40の前端面40aと面一となるように組み合わされている。
ノズルプレート43は、支持プレート42およびアクチュエータプレート40の前端面40aに、例えば接着等により固定されている。
ノズルプレート43は、光透過性を有する材料、例えばポリイミド等の樹脂材料からなるフィルム状とされている。なお、樹脂材料の他に、ガラス等により形成してもよく、また、後述するレーザ光源部60として、波長が赤外領域のものを利用する場合には、赤外光に対して透明な材料であるシリコンにより形成しても構わない。
また、ノズルプレート43には、Y方向に所定の間隔をあけて複数のノズル孔43aが一列に並んだ状態で形成されている。これらノズル孔43aは、複数の吐出チャネル45Aに対してそれぞれ対向する位置に形成されており、各吐出チャネル45A内に連通する。なお、通常時にノズル孔43aからインクが吐出されないように、各ノズル孔43aにおいて適切なメニスカスが保たれている。
(インク滴加熱手段)
図7は、インク滴加熱手段7の概略構成図である。
図1、図7に示すように、インク滴加熱手段7は、筺体9内に設けられ、レーザ光(光束)を出力するレーザ光源部60と、レーザ光源部60から出力されるレーザ光を伝搬させる連結用光ファイバ71と、を備えている。そして、この連結用光ファイバ71を介して、レーザ光源部60とインクジェットヘッド4とが光学的に接続されている。
ここで、レーザ光源部60および連結用光ファイバ71は、各インクジェットヘッド4について、1つずつ設けられている。しかしながら、以下の説明においては、説明を分かり易くするため、1つのインクジェットヘッド4に設けられているレーザ光源部60および連結用光ファイバ71についてのみ説明し、他のインクジェットヘッド4に設けられているレーザ光源部60および連結用光ファイバ71の説明については省略する。
レーザ光源部60は、ノズル数(ノズル孔43aおよび吐出チャネル45Aの数)と同数のレーザ出力部81と、各レーザ出力部81から出力された複数のレーザ光を合波して波長多重レーザ光として出力する合波器82と、を備えている。
レーザ出力部81は、いわゆる半導体アレイレーザ等により構成されたものであって、アレイ状に配列されている。また、各レーザ出力部81は、それぞれ出力されるレーザ光の波長が異なるように構成されている。
例えば、各レーザ光の波長は、数nm〜数10nm(例えば、5nm)の一定間隔で分布するように設定されており、その中央値は1500nm程度の赤外光に設定されている。赤外光とするのは、液体を透過しにくく、インク(インク滴)の加熱効率が良いからである。但し、レーザ光は赤外光に限られるものではなく、さまざまな波長のもの(例えば、紫外光)を採用することが可能である。
各レーザ出力部81には、それぞれ合波用光ファイバ72の一端が接続されている。各合波用光ファイバ72の他端は、合波器82に接続されている。
図8は、合波器82の概略構成図である。
同図に示すように、合波器82は、いわゆるアレイ導波路回析格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)であって、基板83と、基板83に形成されたAWG導波路84と、を備えている。
AWG導波路84は、入力導波路84a、第1スラブ導波路84b、アレイ導波路84c、第2スラブ導波路84d、および出力導波路84eが順次連結して構成されている。入力導波路84aは、波長単位の光伝搬路として複数本設けられている。そして、各入力導波路84aに、それぞれ合波用光ファイバ72の他端が光学的に接続される。
すなわち、入力導波路84aの本数に応じて合波用光ファイバ72の接続本数が決定する。なお、本実施形態では、合波器82を1つ設け、入力導波路84aの本数は、合波用光ファイバ72の本数と同数に設定されているものとして説明する。しかしながら、合波器82の個数は1つに限られるものではなく、入力導波路84aの本数に応じて、合波器82を複数設けてもよい。
各合波用光ファイバ72から入力導波路84aに入力された各波長のレーザ光は、第1スラブ導波路84b、アレイ導波路84c、および第2スラブ導波路84dを介して合波され、波長多重レーザ光として出力導波路84eに出力される。この出力導波路84eに、連結用光ファイバ71の一端が光学的に接続されている。そして、連結用光ファイバ71の他端が、インクジェットヘッド4に光学的に接続されている。
なお、本実施形態では、合波器82が1つなので、これに対応して連結用光ファイバ71の本数も1本である。しかしながら、合波器82を複数設けた場合、合波器82の個数に応じて連結用光ファイバ71の本数も増加する。
ここで、インクジェットヘッド4には、インク滴加熱手段7を構成する分波器85が設けられており、この分波器85に連結用光ファイバ71の他端が光学的に接続されている。さらに、分波器85とヘッドチップ26とが複数の分波用光ファイバ73によって接続されている。分波用光ファイバ73は、ノズル数(ノズル孔43aおよび吐出チャネル45Aの数)と同数に設定されている。すなわち、合波用光ファイバ72と同数に設定されている。
図9は、分波器85の概略構成図である。
同図に示すように、分波器85の構成は、合波器82の構成と同一であって、合波器82を反転させて使用している。すなわち、合波器82は、いわゆるアレイ導波路回析格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)であって、基板86と、基板86に形成されたAWG導波路87と、を備えている。
AWG導波路87は、入力導波路87a、第1スラブ導波路87b、アレイ導波路87c、第2スラブ導波路87d、および出力導波路87eが順次連結して構成されている。そして、入力導波路87aに、連結用光ファイバ71の他端が光学的に接続されている。
連結用光ファイバ71から入力導波路87aに入力された波長多重レーザ光は、第1スラブ導波路87b、アレイ導波路87c、および第2スラブ導波路87dを介して分配される。出力導波路87eは、波長単位の光伝搬路として複数本設けられており、分配された波長毎のレーザ光は、互いに異なる出力導波路87eに伝搬される。各出力導波路87eには、それぞれ分波用光ファイバ73の一端が光学的に接続されており、他端からそれぞれ波長の異なるレーザ光が出力されるようになっている。分波用光ファイバ73の他端は、流路部材31に引き回されてノズルプレート43に接続されている。なお、分波用光ファイバ73の引き回しについての詳細は、後述する。
ここで、分波器85の出力導波路87eの本数も、前述の合波器82の入力導波路84aと同様に設定される。すなわち、本実施形態では、分波器85を1つ設け、出力導波路87eの本数は、分波用光ファイバ73の本数と同数に設定されているものとして説明する。しかしながら、分波器85の個数は1つに限られるものではなく、出力導波路87eの本数に応じて、分波器85を複数設けてもよい。
なお、各光ファイバ71,72,73の構成は、何れも同一構成である。すなわち、図6の分波用光ファイバ73を代表して示すように、各光ファイバ71,72,73は、レーザ光源部60から出力されたレーザ光を全反射条件で導くコア74aと、コア74aの屈折率より低い屈折率の材料からなり、コア74aに密着してコア74aを封止するクラッド74bと、を有する、いわゆるステップインデックス型(SI型)の光ファイバであって、断面視円形状とされている。なお、各光ファイバ71,72,73は、石英やプラスチック等により構成されている。
この他に、レーザ光源部60には、レーザ駆動回路88が設けられている。レーザ駆動回路88は、各レーザ出力部81、筐体9に設けられた制御ユニット12、およびインクジェットヘッド4の制御回路35に電気的に接続されている。なお、レーザ駆動回路88とインクジェットヘッド4の制御回路35は、フレキシブル基板21(図1参照)を介して電気的に接続されている。
また、レーザ駆動回路88は、各レーザ出力部81に対応する複数のスイッチ素子(不図示)を有している。そして、制御ユニット12から送信される画像データに基づいて、各レーザ出力部81に対して選択的に駆動信号が送信される。さらに、レーザ駆動回路88には、インクジェットヘッド4の制御回路から、インクジェットヘッド4が正常に動作しているか否か等の信号が受信される。
図2に示すように、流路部材31まで引き回された分波用光ファイバ73の他端は、インク導入孔41a内のうち、Y方向に沿う一端部に形成された貫通孔64内に挿通されている。さらに、分波用光ファイバ73の他端は、カバープレート41のインク導入孔41a内のうち、Y方向に沿う一端側に引き回されている。
なお、貫通孔64内には、分波用光ファイバ73と、貫通孔64の内面との隙間を封止する樹脂材料等からなる図示しない封止剤が設けられている。
インク導入孔41a内に引き回された各分波用光ファイバ73の他端は、インク導入孔41a内をY方向の他端側に向けて配索され、Y方向に並んで配列された各吐出チャネル45A内に1本ずつ分配されている。
各吐出チャネル45A内に分配された分波用光ファイバ73は、各吐出チャネル45A内でそれぞれ保持されている。具体的に、分波用光ファイバ73の他端は、各吐出チャネル45A内を底壁面に沿ってZ方向に配索されており、ノズルプレート43の内面(アクチュエータプレート40との接着面)に突き当たっている。
この場合、Z方向から見た平面視において、分波用光ファイバ73の他端は、インクジェットヘッド4の走査方向(X方向)でノズル孔43aと重なる位置に配置されている。本実施形態では、インクジェットヘッド4の走査方向(X方向)に沿う奥側(吐出チャネル45Aの底壁面側)に、分波用光ファイバ73の他端が配置されている。このように、分波用光ファイバ73の他端は、各吐出チャネル45A内に保持されることで、アクチュエータプレート40に対する位置決めが行われている。すなわち、本実施形態において、各吐出チャネル45Aは、分波用光ファイバ73の位置決めを行う位置決め溝として機能する。
また、分波用光ファイバ73の他端は、コア74aと同等の屈折率を有する材料からなる接着剤により、ノズルプレート43の内面に接着されている。これにより、分波用光ファイバ73の他端と、ノズルプレート43の内面との間にインクが入り込むことが防止されている。また、分波用光ファイバ73のうち、各吐出チャネル45A内に位置する部分は、各吐出チャネル45Aの底壁面に接着剤等により固定されている。
図10は、図5をC矢視方向からみた断面図である。
同図に示すように、ノズルプレート43の外面(インク滴が吐出される側の面)には、分波用光ファイバ73の他端が接着されている箇所に、この分波用光ファイバ73内に伝搬されたレーザ光を集光する光学部62が形成されている。光学部62は、例えばホットエンボス加工等により形成されたものであって、ノズルプレート43の厚さ方向(Z方向)に窪む凹部62aと、凹部62a内に形成されたレンズ部62bと、を有している。
レンズ部62bは、凹部62aの底面からノズルプレート43の外面側に向けて略半球状に形成されている。そして、分波用光ファイバ73の他端から出力されるレーザ光を集光した後、インクジェットヘッド4の外部に出射する。なお、以下の説明において、分波用光ファイバ73の他端を出射側端という。
ここで、光学部62は、ホットエンボス加工の他、エキシマレーザ加工や、グレースケールマスクを用いたエッチング等、種々の方法により形成しても構わない。また、エッチング等を採用した場合には、ノズル孔43aと光学部62とを一括して形成することも可能である。すなわち、ノズルプレート43のうち、ノズル孔43aの形成領域に対してはノズルプレート43の両面からハーフエッチングを行い、光学部62の形成領域に対してはノズルプレート43の外面側からのみハーフエッチングを行うことで、ノズル孔43aと光学部62とを一括して形成できる。これにより、ノズル孔43aに対して光学部62を高精度に位置決めすることができる。
また、レーザ光源部60に設けられている複数のレーザ出力部81と、各吐出チャネル45A内に分配された各分波用光ファイバ73は、対応付けされている。すなわち、各レーザ出力部81から出力されるレーザ光は、それぞれ波長が異なっているので、特定のレーザ出力部81から出力されたレーザ光は、一旦合波器82に入光されるが、さらに分波器85を介して特定の分波用光ファイバ73を通って出射される。このため、特定のノズル孔43aからインク滴が吐出された場合、このインク滴が吐出されたノズル孔43aに対応する分波用光ファイバ73から、レーザ光を出力することができるようになっている。以下、プリンタ1の動作についてより詳しく説明する。
(プリンタの動作)
次に、プリンタ1を利用して、被記録媒体Sに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
図1に示すように、例えば、一対の搬送手段2,3により被記録媒体SをY方向に搬送させながら、走査手段6によりキャリッジ16を介して各インクジェットヘッド4をX方向に往復移動させる。そしてこの間に、各インクジェットヘッド4より4色のインクを被記録媒体Sに適宜吐出させることで、文字や画像等の記録を行うことができる。
ここで、各インクジェットヘッド4の動きについて、以下に詳細に説明する。
キャリッジ16(図1参照)によって往復移動が開始されると、制御ユニット12は、例えばインクジェットヘッド4の制御回路35、およびインク滴加熱手段7のレーザ光源部60のレーザ駆動回路88に対して画像データを送信する。
(インクジェットヘッドの動作)
まず、ヘッドチップ26の制御回路35は送信された画像データに基づいて、各吐出チャネル45Aのコモン端子51およびダミー端子53のうち、駆動させる吐出チャネル45Aのコモン端子51およびダミー端子53間に電圧を印加する。すると、駆動壁46に厚みすべり変形が生じ、駆動壁46のうち、吐出チャネル45Aを画成する駆動壁46がダミーチャネル45B側へ突出するように変形する。
すなわち、本実施形態のアクチュエータプレート40は、厚さ方向(X方向)に分極処理された2枚のアクチュエータプレート40A,40Bが積層されているため、駆動電圧を印加することで、駆動壁46のZ方向中間位置を中心にしてV字状に屈曲変形する。これにより、吐出チャネル45Aがあたかも膨らむように変形する。
図11(a)〜図11(c)は、インクジェットヘッド4の動きを説明するための説明図であって、図10に相当している。
図11(a)に示すように、2つの駆動壁46の圧電厚み滑り効果による変形によって、吐出チャネル45Aの容積が増大する。そして、吐出チャネル45Aの容積が増大したことにより、インク導入孔41a内まで導かれているインクが、吐出チャネル45A内に誘導される。
そして、吐出チャネル45Aの内部に誘導されたインクは、圧力波となって吐出チャネル45Aの内部に伝搬し、この圧力波がノズル孔43aに到達したタイミングで、コモン端子51とダミー端子53に印加した駆動電圧をゼロにする。これにより、駆動壁46の変形が元に戻り、一旦増大した吐出チャネル45Aの容積が元の容積に戻る。この動作によって、吐出チャネル45Aの内部の圧力が増加し、インクが加圧される。その結果、インクをノズル孔43aから吐出させることができる。この際、インクはノズル孔43aを通過する際に、液滴状のインク滴となって吐出される。
(インク滴加熱手段の動作)
一方、レーザ駆動回路88は、制御ユニット12から送信される画像データに基づいて、レーザ光源部60の複数のレーザ出力部81のうち、駆動させる吐出チャネル45Aに対応するレーザ出力部81のスイッチ素子を閉じる。スイッチ素子が閉じられると、それらスイッチ素子に対応するレーザ出力部81に駆動信号が送信され、この駆動信号に基づいてレーザ出力部81からレーザ光が出力される。
このように、制御ユニット12から入力される画像データに基づいて各レーザ出力部81の動作が制御されることで、複数のレーザ出力部81のそれぞれに対して選択的に光エネルギーを印加して、各レーザ出力部81からレーザ光を各別に出射させることが可能とされている。
なお、レーザ駆動回路88は、インクジェットヘッド4の制御回路35から、実際にインクジェットヘッド4が駆動しているか否かの信号を受信し、この受信信号に基づいて、レーザ出力部81に駆動信号を送信するように構成されていてもよい。このように構成することで、制御ユニット12からレーザ駆動回路88に画像データが送信されているにも関わらず、何らかの要因によりインクジェットヘッド4が駆動していない場合、レーザ光が空出射されることを防止できる。
また、レーザ出力部81に入力される駆動信号としては、レーザ光の出力時間(レーザ出力部81の駆動時間)や、出力タイミング等を含んでいる。本実施形態において、各レーザ出力部81の出力タイミングは、例えばノズル孔43aからインク滴が吐出される吐出タイミングに対して所定時間Tだけ遅れるように設定されている。
この場合、レーザ出力部81から出力されるレーザ光が、ノズル孔43aから吐出されて被記録媒体Sに向けて飛翔するインク滴の飛翔中に照射されるように、所定時間Tが設定されている。すなわち、所定時間Tとは、インクジェットヘッド4が走査手段6によりX方向に移動することで、インク滴が吐出されたノズル孔43aに対応する分波用光ファイバ73の出射側端面が、ノズル孔43aから吐出されたインク滴に、インク滴の吐出方向(Z方向)から見て到達するまでの時間である。
なお、所定時間Tは、制御ユニット12に予め記憶しておいてもよい。また、インクジェットヘッド4の制御回路35が各吐出チャネル45Aを駆動させた信号をレーザ駆動回路88が受信し、この信号を受信してからの経過時間を所定時間Tとして設定してもよい。
図11(b)に示すように、分波用光ファイバ73から出射されたレーザ光は、光学部62に入射される。そして、レーザ光は、光学部62のレンズ部62bで集光された後、インクジェットヘッド4の外部に向けて出射される。本実施形態において、レーザ光はインク滴の吐出方向(Z方向)、すなわち被記録媒体Sに向けて真直ぐ出射される。出射されたレーザ光は、対応する吐出チャネル45Aのノズル孔43aから吐出された飛翔中のインク滴に照射される。これにより、インク滴が加熱され、インク滴の溶剤が乾燥することで、インク滴の粘度が上昇することになる。
そして、図11(c)に示すように、レーザ光が照射されたインク滴が被記録媒体S上に着弾することで、上述したように被記録媒体Sに文字や画像等を記録することができる。この場合、インク滴は、レーザ光が照射されたことにより粘度が上昇しているので、被記録媒体Sに着弾した後、被記録媒体S上に濡れ広がるのを抑制できる。この結果、微細な印字パターンを得ることができる。
ここで、プリンタ1は、インク滴加熱手段7の熱源となるレーザ光源部60がインクジェットヘッド4から離れた筐体9内に設けられており、レーザ光源部60から出力されたレーザ光を、連結用光ファイバ71を用いてインクジェットヘッド4に導いている。さらに、インクジェットヘッド4に導かれたレーザ光を、分波器85を介して分波用光ファイバ73に導き、インク滴が吐出されるノズル孔43aの近傍からレーザ光を出射させている。このため、レーザ光を精度よくインク滴に照射させることができる。
したがって、上述の実施形態によれば、被記録媒体Sにインク滴が濡れ拡がることを確実に防止し、かつレーザ光源部60やインクジェットヘッド4の動作を安定させることができる。
また、各吐出チャネル45A内に、それぞれ分波用光ファイバ73が分配されている。すなわち、各ノズル孔43aに対してレーザ光の照射位置が限りなく近づき、インク滴へのレーザ光の照射精度をより確実に向上させることができる。
さらに、レーザ光源部60に設けられた複数のレーザ出力部81から出力されるレーザ光の波長が全て異なるように構成し、レーザ光源部60に合波器82を設けると共に、インクジェットヘッド4に分波器85を設けた。このため、レーザ光源部60に複数のレーザ出力部81を設けつつ、レーザ光源部60とインクジェットヘッド4との間に配索される連結用光ファイバ71の本数を1本とすることができる。よって、筐体9内に無駄に光ファイバが配索されてしまうことを防止し、プリンタ1を小型化できると共に、インクジェットヘッド4を走査させる走査手段6の負荷を低減できる。
また、合波器82および分波器85を、アレイ導波路回析格子により構成することで、合波器82および分波器85を簡素な構造とすることができる。
さらに、レーザ光源部60のレーザ駆動回路88により、ノズル孔43aからインク滴が吐出されてからレーザ光が出射されるまでの間の所定時間Tを調整可能としている。このため、プリンタ1やインクの仕様に応じて、インクの加熱時間を調整することができる。よって、より高品質な印刷物を提供できる。
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、レーザ光源部60に設けられた複数のレーザ出力部81から出力されるレーザ光の波長が全て異なるように構成し、レーザ光源部60に合波器82を設けると共に、インクジェットヘッド4に分波器85を設けた場合について説明した。そして、レーザ光源部60とインクジェットヘッド4とを光学的に接続する連結用光ファイバ71の本数を、合波器82および分波器85の個数に応じて決定する(例えば、本実施形態では、連結用光ファイバ71の本数は1本とした)場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、合波器82および分波器85を設けずに、各レーザ出力部81とインクジェットヘッド4とを、直接光ファイバにより光学的に接続するように構成してもよい。この場合、各レーザ出力部81から出力されるレーザ光が合波されることがないので、それぞれレーザ光の波長が異なるように構成する必要はない。
また、上述の実施形態では、レーザ光源部60に複数のレーザ出力部81を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、少なくともレーザ出力部81が1つ設けられていればよい。レーザ出力部81が1つの場合、ここから出力されるレーザ光を分配して各吐出チャネル45A内に光ファイバを配索する。そして、インクジェットヘッド4の駆動に応じて、全ての光ファイバからレーザ光が出射されるようになる。
さらに、上述の実施形態では、レーザ出力部81から出力されるレーザ光が、ノズル孔43aから吐出されて被記録媒体Sに向けて飛翔するインク滴の飛翔中に照射されるように、所定時間Tが設定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、被記録媒体Sにインク滴が着弾してからインク滴にレーザ光が照射されるように、所定時間Tを設定してもよいし、インク滴が着弾する前の被記録媒体Sに予めレーザ光を照射して被記録媒体Sを予熱させるように、所定時間Tを設定してもよい。レーザ光により、被記録媒体Sを予熱する場合、インクジェットヘッド4の走査方向(X方向)に沿う手前側に分波用光ファイバ73を配置し、奥側にノズル孔43aを配置することが好ましい。このように構成することで、被記録媒体Sが予熱された後に、この被記録媒体Sにインク滴が着弾することになる。このため、被記録媒体S上でインク滴が濡れ広がる前にインク滴を乾燥させることができる。
そして、上述の実施形態では、液体吐出装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明した。しかしながら、プリンタに限られるものではなく、例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であっても構わない。
また、上述の実施形態では、レーザ出力部81は、いわゆる半導体アレイレーザ等により構成されたものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、レーザ出力部81として、YAGレーザや、炭酸ガスレーザ等を用いても構わない。
さらに、上述の実施形態では、レーザ駆動回路88は、各レーザ出力部81に対応する複数のスイッチ素子(不図示)を有している場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、複数のレーザ出力部81に対して1つのスイッチ素子で対応するように構成してもよい。
そして、上述の実施形態では、各光ファイバ71,72,73として、SI型の分波用光ファイバ73を用いる構成について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、適宜設計変更が可能である。また、SI型の分波用光ファイバ73の出射側端面に、例えばグレーデッドインデックスファイバ(以下、GIファイバという)を接続しても構わない。GIファイバは、レーザ光を伝搬するフィールド内において、その中心の屈折率が外周の屈折率より大きくなっており、中心から径方向外側に向かうに従い、連続的に屈折率が減少する光ファイバである。GIファイバ内において、レーザ光は正弦波的な光路で伝搬する。
この場合、GIファイバの長さを調整することで、GIファイバから出射されるレーザ光の出射角を調整することができるため、分波用光ファイバ73のコア61aから出射したレーザ光を、GIファイバにより平行光となって出射させたり、集光するような出射角で出射させたりすることができる。つまり、GIファイバが光学部材として機能することになるので、このGIファイバを分波用光ファイバ73に直接接続することで、分波用光ファイバ73に対して光学部材(GIファイバ)を高精度に位置決めできる。
また、上述の実施形態では、インクジェットヘッド4の走査方向で重なる位置にノズル孔43aと分波用光ファイバ73の出射側端面とを配置する構成について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、インクジェットヘッド4と被記録媒体Sとの相対移動方向で重なっていれば構わない。
さらに、上述した実施形態では、エッジシュートタイプのヘッドチップ26を例に挙げて説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、吐出チャネル45Aの長手方向中央に臨むノズル孔43aからインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプとしても構わない。
この場合、例えばアクチュエータプレート40の他方の主面側にノズルプレート43を重ね合せ、吐出チャネル45Aの長手方向中央部分にノズル孔43aに連通する連通口を形成する等すればよい。
また、インクに加わる圧力の方向と、インク滴の吐出方向と、を同一方向とした、いわゆるルーフシュートタイプのヘッドチップ26に本発明を適用しても構わない。
そして、上述の実施形態では、2枚のアクチュエータプレート40A,40Bを積層した、いわゆるシェブロン方式のアクチュエータプレート40を用いる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、分極方向が厚さ方向に一方向のアクチュエータプレートを用いても構わない。この場合、駆動壁46の高さ方向中央部までコモン電極およびダミー電極を形成することで、駆動壁46を屈曲変形させることができる。
また、上述の実施形態では、インクジェットヘッド4が複数搭載された複数色用のプリンタ1について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、インクジェットヘッド4が1つの単色用のプリンタ1としても構わない。この場合、上述したインクのうち、微細金属粒子インクや炭素インクは、単色用のプリンタ1に好適に用いられる。
さらに、上述した実施形態では、吐出チャネル45Aとダミーチャネル45Bとが交互に並んだ、いわゆるアイソレートタイプのヘッドチップ26について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば、吐出チャネル45Aが連続的に配列された、いわゆるシェアードウォールタイプのヘッドチップ26を採用することも可能である。
そして、上述の実施形態では、各吐出チャネル45A内に、分波用光ファイバ73を保持させる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、分波用光ファイバ73を、さまざまな方法で保持させることが可能である。以下に、より具体的に説明する。
(第1変形例)
図12は、第1変形例におけるヘッドチップ26の断面図であって、図6に相当している。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図12に示すように、各ダミーチャネル45B内には、分波用光ファイバ73の出射側端が保持されている。具体的に、分波用光ファイバ73は、各ダミーチャネル45B内を底壁面に沿ってZ方向に沿って配索されており、その出射側端がノズルプレート43の内面に接着剤を介して突き当たっている。また、分波用光ファイバ73の出射側端のうち、各ダミーチャネル45B内に位置する部分は、各ダミーチャネル45Bの底壁面に接着剤等により固定されている。
なお、分波用光ファイバ73の外径は、チャネル幅(Y方向に沿う幅)よりも小さく設定されていることが好ましい。これにより、インク滴の吐出時(駆動壁46の駆動時)において、駆動壁46と分波用光ファイバ73との干渉を抑制して、液体吐出性能を維持できる。
また、第1変形例では、Z方向から見た平面視において、分波用光ファイバ73の出射側端と、ノズル孔43aと、がX方向及びY方向それぞれに交差する斜め方向で離間している。この場合、被記録媒体Sとインクジェットヘッド4との相対移動方向(インクジェットヘッド4の走査方向、および被記録媒体Sの搬送方向のうち、少なくとも何れか一方)を、上述した斜め方向に設定することで、分波用光ファイバ73の出射側端およびノズル孔43aを走査方向で重なる位置に配置することができる。
また、図9では示されないが、ノズルプレート43のうち、各分波用光ファイバ73の出射側端とZ方向で重なる部分には、上述した光学部62(図10参照)が形成されている。
また、第1変形例において、ダミーチャネル45Bは、後端面40b側に開口しているため、この開口部分から分波用光ファイバ73をヘッドチップ26の外部に引き出すことが可能である。ヘッドチップ26の外部に引き出された分波用光ファイバ73は、その後上述した第1実施形態と同様に分波器85まで引き回されている。なお、各分波用光ファイバ73は、カバープレート41のうち、インク導入孔41aを避けた位置を貫通して、ヘッドチップ26の外部まで引き出しても構わない。
したがって、上述の第1変形例によれば、インクが充填されないダミーチャネル45B内に分波用光ファイバ73を保持させることで、ダミーチャネル45Bの外部に分波用光ファイバ73を引き出す際に、封止等を行う必要がなくなる。このため、より構成の簡素化を図ることができる。また、吐出チャネル45A内に分波用光ファイバ73を保持させる構成と異なり、分波用光ファイバ73を追加することによる吐出チャネル45A内の容積の変化等がない。このため、安定した吐出性能を維持することができる。
なお、上述の第1変形例では、分波用光ファイバ73の出射側端がノズルプレート43に突き当たっている構成について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、分波用光ファイバ73の出射側端をノズルプレート43から離間して配置しても構わない。例えば、ダミーチャネル45B内に分波用光ファイバ73を保持し、ダミーチャネル45B内に光束を直接出射させる等の構成を採用できる。この場合、ダミーチャネル45B内に満たされた空気を伝搬媒質としてレーザ光を伝搬させることができる。
(第2変形例)
次に、図13(a)、図13(b)に基づいて、第2変形例について説明する。
図13(a)、図13(b)は、第2変形例におけるチャネル45(45A,45B)の断面図である。
図13(a)に示すように、各チャネル45A,45Bのうち、分波用光ファイバ73が保持されるチャネル45A,45Bの底壁面は、V字状に形成されている。
また、図13(b)に示すように、各チャネル45A,45Bのうち、分波用光ファイバ73が保持される各チャネル45A,45Bの底壁面は、U字状に形成されている。
これらのように、各チャネル45A,45Bの深さ(X方向)が、幅方向(Y方向)の中央部に向かうに従い漸次深くなるように位置決め溝を形成しても構わない。
したがって、上述の第2変形例によれば、各チャネル45A,45B内に分波用光ファイバ73をより安定して保持させることができるとともに、インク滴の吐出時において、駆動壁46と分波用光ファイバ73との干渉を抑制して、液体吐出性能を維持できる。
(第3変形例)
次に、図14(a)、図14(b)に基づいて、第3変形例について説明する。
図14(a)は、第3変形例におけるチャネル45(45A,45B)の断面図、図14(b)は、図14(a)のD−D線に沿う断面図である。
ここで、上述した実施形態では、吐出チャネル45Aまたはダミーチャネル45Bを位置決め溝として機能させる構成について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、アクチュエータプレート40およびカバープレート41のうち、何れか一方側に位置決め溝が形成されていれば構わない。
すなわち、図14(a)に示すように、アクチュエータプレート40の外面のうち、吐出チャネル45AとX方向で重なる部分にV字状の位置決め溝90を設け、この位置決め溝90内に分波用光ファイバ73を保持させても構わない。この場合、図14(b)に示すように、ノズルプレート43のうち、吐出チャネル45Aの外側に位置する部分に、上述した光学部62を形成しても構わない。
(第4変形例)
次に、図15に基づいて、第4変形例について説明する。
図15は、第5変形例におけるチャネル45(45A,45B)の断面図である。
同図に示すように、カバープレート41の外面のうち、吐出チャネル45AとX方向で重なる部分に位置決め溝91を設けてもよい。
このように、さまざまな分波用光ファイバ73の保持方法を採用することができる。また、この他に、上述の実施形態の変形例として、以下のような形態を採用することができる。
(第5変形例)
次に、図16に基づいて、第5変形例について説明する。
図16は、第5変形例におけるチャネル45(45A,45B)の断面図である。
同図に示すように、カバープレート41の内面(アクチュエータプレート40側に位置する面)のうち、吐出チャネル45A内に露出する部分に位置決め溝92を設けてもよい。
(第6変形例)
図17(a)は、第6変形における光学部62の断面図、図17(b)は、図17(a)のE矢視である。
図17(a)、図17(b)に示すように、ノズルプレート43の外面にノズル孔43aと光学部62との間を仕切るインクガード74を形成しても構わない。具体的に、インクガード74は、ノズルプレート43の外面から厚さ方向に窪む溝状とされ、光学部62の周囲を取り囲むように形成されている。
したがって、上述の第6変形例によれば、ノズルプレート43の外面に付着したインクが光学部62に到達するのを抑制できるので、光学部62が汚れるのを抑制できる。なお、インクガード74は、ノズル孔43aと光学部62との間を仕切る構成であれば、適宜設計変更が可能である。
(第7変形例)
図18は、第7変形例における光学部762の断面図である。
ここで、上述した実施形態では、ノズルプレート43の光学部62をレンズ形状に形成した場合について説明したが、これに限らず、プリズム形状やミラー形状等としても構わない。すなわち、例えば、図18に示す光学部762は、ノズル孔43aに向けて傾斜する傾斜面762aを有するプリズム形状とされている。
したがって、上述の第7変形例によれば、光学部762内に入射したレーザ光は、傾斜面762aにおいて反射された後、外部に向けて出射される。この場合、例えば光学部762の傾斜面において、レーザ光をノズル孔43a側に向けて反射させることで、インク滴の吐出軌跡と光束を接近させることができるため、インク滴の吐出タイミングと、分波用光ファイバ73の出射タイミングと、のタイムラグを縮小することができる。
(第8変形例)
図19は、第8変形例における光学部862の断面図である。
同図に示すように、レンズ状の光学部862を、ノズル孔43a側に向けて傾斜するように形成しても構わない。
したがって、上述の第8変形例によれば、光学部862内に入射した光束の光軸を曲げつつ、集光させることができる。すなわち、光学部は、光束を外部に向けて導光(例えば、集光や、屈折、反射等)するような構成であれば、適宜設計変更が可能である。
さらに、ノズルプレート43の内面のうち、分波用光ファイバ73の出射側端面と重なる位置に、光学部(例えば、光学部862)を形成しても構わない。この場合には、光学部が外部に曝されないので、光学部にインク滴等が付着するのを抑制できる。
なお、光学部862を設けない構成としてもよく、ノズルプレート43に別体の光学部を設けても構わない。
1…プリンタ(液体噴射装置)
4…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
6…走査手段
43…ノズルプレート(噴射プレート)
43a…ノズル孔(噴射孔)
60…レーザ光源部(光源部)
71…連結用光ファイバ(光導波路)
72…合波用光ファイバ(光導波路)
73…分波用光ファイバ(光導波路)
81…レーザ出力部(光束出力部)
82…合波器
85…分波器
88…レーザ駆動回路(制御部)

Claims (6)

  1. 液体を噴射する複数の噴射孔が並設されている噴射プレートを有する液体噴射ヘッドと、
    前記複数の噴射孔から噴射された液体を加熱させるための光束を出力する光源部と、
    前記光束を伝搬する光導波路と、を備え、
    前記液体噴射ヘッドと前記光源部は、それぞれ離間して配置され、
    前記液体噴射ヘッドと前記光源部とが前記光導波路を介して接続されていることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記複数の噴射孔に対応するように、これら噴射孔の近傍に、それぞれ前記光導波路の出射側端が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記光源部は、それぞれ波長の異なる前記光束を出力する複数の光束出力部を有し、
    前記光源部に、各光束出力部から出力された複数の前記光束を合波して波長多重光束として出力する合波器を設ける一方、
    前記液体噴射ヘッドに、前記波長多重光束を波長の異なる複数の前記光束に分波して出力する分波器を設け、
    各光束出力部と前記合波器、前記合波器と前記分波器、および前記分波器と前記ノズルプレートを、それぞれ前記光導波路により接続したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記合波器および前記分波器は、アレイ導波路回析格子であることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
  5. 前記光源部は、前記複数の噴射孔から前記液体が吐出されてから前記光束が出力されるまでの間の時間を調整可能な制御部を有していることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記液体が着弾される被記録媒体に対し、前記液体噴射ヘッドを走査させる走査手段を備えていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の液体噴射装置。
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