JP2005066530A - パターン形成装置およびパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パターンを適切に形成するパターン形成装置を提供する。
【解決手段】パターン形成装置は、基板を保持するステージ、光硬化性の微小液滴を基板に向けて吐出する吐出口を有するノズル部、ノズル部からの微小液滴の吐出に同期して微小液滴にパルス光を照射する光ファイバ、ノズル部を基板に対して相対的に移動する移動機構を有する。パターン形成装置では、所定の周期にて微小液滴が吐出されるとともに、吐出口から他の微小液滴が吐出される直前から吐出直後までを除く時間であって、微小液滴の吐出直後から基板への到達直後までの間に、吐出済みの微小液滴にパルス光が照射される。これにより、パターン形成装置では吐出口が詰まることが防止されるとともに、密着性を損なうことなく、アスペクト比の高いパターンを形成することができる。
【選択図】図6
【解決手段】パターン形成装置は、基板を保持するステージ、光硬化性の微小液滴を基板に向けて吐出する吐出口を有するノズル部、ノズル部からの微小液滴の吐出に同期して微小液滴にパルス光を照射する光ファイバ、ノズル部を基板に対して相対的に移動する移動機構を有する。パターン形成装置では、所定の周期にて微小液滴が吐出されるとともに、吐出口から他の微小液滴が吐出される直前から吐出直後までを除く時間であって、微小液滴の吐出直後から基板への到達直後までの間に、吐出済みの微小液滴にパルス光が照射される。これにより、パターン形成装置では吐出口が詰まることが防止されるとともに、密着性を損なうことなく、アスペクト比の高いパターンを形成することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、対象物上にパターンを形成する技術に関する。
従来より、微小な吐出口を有するノズルを利用することにより印刷用紙上にインクの微小液滴を吐出して画像を印刷するインクジェット方式の印刷技術が実用化されている。また、近年では、導電性材料の溶液をインクとして利用することにより、この印刷技術を配線形成の分野等に応用することが試みられており、例えば、特許文献1ではインクジェット方式の液滴付与装置を用いて回路基板上の断線箇所に微小液滴を付与して焼成することにより、配線を修正する技術が開示されている。
なお、特許文献2では紫外線硬化型のインクの微小液滴をノズルから吐出し、印刷用紙上における微小液滴の着弾位置をスポット光が通過することにより、インクを素早く硬化させる手法が開示されている。
特開平11−233009号公報
特開2002−144553号公報
ところで、インクジェット方式による印刷において利用される一般的なインクは、溶媒を多く含むため印刷用紙に吸収される量や乾燥速度に限界があること、あるいは、粘度が数〜十数mPa・sと低いことにより、付着させたインク上にさらにインクを重ねて塗る重ね印刷や、インクが広がる前に硬化させて比較的厚いパターンを形成する厚膜印刷を行うことが困難である。
また、特許文献2の手法を利用すれば、ある程度厚い膜状にインクを定着させることは可能であるが、前述のように配線形成の分野に応用する場合等、その用途によってはより厚いパターンが要求されることがある。さらに、移動するスポット光による照度を大きくしてより迅速に吐出後の微小液滴を硬化させ、より厚いパターンを形成することも考えられるが、ノズルの吐出口近傍に位置する光硬化性材料に光が照射されて吐出口が詰まったり、印刷媒体上に到達する前に微小液滴が硬化して密着不良が生じる恐れがある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、対象物上に光硬化性の微小液滴を吐出してパターンを適切に形成することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、対象物上にパターンを形成するパターン形成装置であって、対象物を保持する保持部と、光硬化性の微小液滴を対象物に向けて吐出する吐出口を有するノズル部と、前記ノズル部からの微小液滴の吐出に同期して前記微小液滴にパルス光を照射する光照射部と、前記吐出口と対象物との間の距離を一定に保ちつつ前記ノズル部を前記対象物に対して相対的に移動する移動機構とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン形成装置であって、前記光照射部が、前記吐出口からの微小液滴の吐出直後から前記微小液滴の対象物への到達直後までの間に、前記微小液滴にパルス光を照射する。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のパターン形成装置であって、前記光照射部が、前記微小液滴が対象物に到達する時刻近傍にて、前記微小液滴にパルス光を照射する。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のパターン形成装置であって、前記光照射部が、前記吐出口から微小液滴が吐出される直前から吐出直後までを除く時間に吐出済みの微小液滴にパルス光を照射する。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のパターン形成装置であって、前記光照射部が、前記吐出済みの微小液滴の吐出直後から前記対象物への到達直後までの間に、前記パルス光を出射する。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のパターン形成装置であって、前記光照射部が、前記吐出口と対象物との間に存在する微小液滴の個数が最少となる間にパルス光を出射する。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のパターン形成装置であって、前記ノズル部が、対象物上に既に付着した微小液滴上に微小液滴を吐出する。
請求項8に記載の発明は、対象物上にパターンを形成するパターン形成方法であって、ノズル部の吐出口と対象物との間の距離を一定に保って前記ノズル部を前記対象物に対して相対的に移動しつつ前記吐出口から光硬化性の微小液滴を前記対象物に向けて吐出する吐出工程と、前記微小液滴の吐出から一定時間後に前記微小液滴にパルス光を照射する光照射工程と、前記吐出工程および前記光照射工程を繰り返す工程とを備える。
本発明によれば、対象物上に光硬化性の微小液滴を吐出してパターンを適切に形成することができる。
また、請求項2および5の発明では、厚いパターンを形成することができる。
また、請求項3の発明では、微小液滴の対象物に対する密着性が損なわれることを防止することができる。
また、請求項4の発明では、吐出口が詰まることを防止することができる。
また、請求項6の発明では、吐出口と対象物との間に存在する微小液滴に不必要なパルス光が照射されることを抑制することができる。
また、請求項7の発明では、対象物上に微小液滴を重ねて付着させることができる。
図1は本発明の一の実施の形態に係るパターン形成装置1の構成を示す図である。パターン形成装置1は、ガラス基板(以下、単に「基板」という。)9を保持するステージ2、ステージ2を図1中のX方向に移動するステージ移動機構31、ステージ2上の基板9に向けて紫外線硬化性の微小液滴を吐出しつつパルス光を出射するヘッド部4、ヘッド部4をY方向に移動するヘッド移動機構32、および、パターン形成装置1の制御を行う制御ユニット5を備える。
ヘッド部4には、外部の光源ユニット41から伸びる複数の光ファイバ411(但し、図1では複数の光ファイバが1つの束として示されている。)が接続されており、複数の光ファイバ411の先端はそれぞれ後述する複数の吐出口近傍に取り付けられ、光源ユニット41からの光を基板9上へと導く。また、ヘッド部4はリニアモータであるヘッド移動機構32の移動体側に固定され、制御ユニット5がヘッド移動機構32を制御することによりヘッド部4から微小液滴が吐出される位置(以下、単に「吐出位置」という。)が基板9に対して主走査方向(図1中のY方向)へと連続的に移動する。
ステージ2はステージ移動機構31の移動体側に固定されており、吐出位置の主走査方向に対して垂直な副走査方向(X方向)に間欠的に移動する。すなわち、ヘッド移動機構32によるヘッド部4の主走査が完了する毎に、ステージ移動機構31は基板9をX方向に移動し、基板9上における微小液滴の吐出位置が次の主走査の開始位置へと移動する。
制御ユニット5は、光源ユニット41に接続される照射制御部51、ヘッド部4に接続される吐出制御部52、並びに、ステージ移動機構31およびヘッド移動機構32に接続される移動制御部53を有する。パターン形成装置1では、制御ユニット5が各構成を制御することにより、基板9上にパターンが形成される。
図2は光源ユニット41の構成を示す図である。光源ユニット41は、紫外線を出射する光源412、および、回転スリットを有するシャッタ413を有し、光源412からの光はレンズ414を介してシャッタ413へと導かれ、回転スリットの開口部を通過した光が出射される。このとき、シャッタ413の回転スリットの回転は照射制御部51により制御されるため、所定の周期およびデューティ(すなわち、パルス幅)にてパルス光が出射されることとなる。
シャッタ413からのパルス光はレンズ群415により複数の光ファイバ411の一端へと導かれ(図2では、図1と同様に複数の光ファイバが1つの束として示されている。)、光源ユニット41からパルス光が導出される。なお、光源ユニット41は必ずしも回転スリットを有するものである必要はなく、例えば、回転スリットに代えてAOM(音響光学変調器)が設けられてもよい。
図3はヘッド部4の下部を示す図であり、図1中の(−Y)側から(+Y)方向を向いて見た様子を示す図である。図3に示すように、ヘッド部4の下部には基板9に向けて開口する吐出口421を有する複数のノズル部42(例えば、ピエゾ方式やサーマル方式のノズル部)がX方向に配列して設けられる。複数のノズル部42のそれぞれはヘッド部4内に設けられたタンク43に接続しており、タンク43から供給される液状の光硬化性材料は、吐出口421から微小液滴として吐出される。また、ヘッド部4では光源ユニット41からの複数の光ファイバ411の他端がそれぞれ複数のノズル部42の吐出口421近傍に設けられる。
図4は1つのノズル部42および1つの光ファイバ411を示す図であり、図1中の(+X)側から(−X)方向を向いて見た様子を示す図である。図4に示すように、光ファイバ411の端部411aはノズル部42の(+Y)側においてノズル部42に向かって傾斜して取り付けられており、吐出口421と基板9の表面との間の空間、および、基板9の表面上において吐出口421におよそ対向する領域に光ファイバ411から光が照射される。なお、光ファイバ411として数本の光ファイバ(例えば、直径が100μm前後の微細な光ファイバ)を束ねたものが設けられてもよい。
図5はパターン形成装置1が基板9上にパターンを形成する動作の流れを示す図である。パターン形成装置1がパターンを形成する際には、まず、移動制御部53の制御によりヘッド部4が最初の主走査の開始位置に移動し、ヘッド移動機構32により主走査を開始する(ステップS11)。このとき、ヘッド部4は基板9の主面に沿って走査されるため、ノズル部42は、吐出口421と基板9の表面との間の距離を一定に保ちつつ移動する。
続いて、微小液滴の吐出とパルス光の出射が繰り返され、基板9上にパターンが形成される。以下、これらの動作について詳述する。なお、各吐出口421において微小液滴の吐出のON/OFF制御は形成するパターンに合わせて行われるが、以下の説明では、微小液滴が所定の周期で連続して吐出され、線状のパターンが形成されるものとする。
図6は、時間の経過に対する微小液滴の吐出とパルス光の照射との関係を説明するための図である。図6の上段は吐出制御部52によりノズル部42に入力される制御信号を示し、中段は照射制御部51により光源ユニット41に入力される制御信号を示し、下段は吐出口421から吐出された微小液滴の位置(基板9からの高さ)を示している。前述のように光源ユニット41からのパルス光の出射は回転スリットの回転により制御されるため、実際には図6の中段に示すような光源ユニット41のON/OFF制御を実現する回転スリット用の制御信号が光源ユニット41に入力される。また、図6の下段ではパルス光が照射される時間帯を平行斜線を付して示している。
パターン形成装置1では図6に示すように、ヘッド部4が主走査しつつ時刻T1において吐出制御部52によりノズル部42がONとされると、吐出口421から微小液滴が吐出される(ステップS12)。
図7は図6中の時刻T1におけるノズル部42と光ファイバ411の様子を示す図であり、微小液滴が吐出される直前の様子を示している。図7に示すように、時刻T1では光硬化性材料の吐出口421から外側の部分912(後述する微小液滴となる部分であり、以下、「注目微小液滴912」という。)が表面張力の影響により半球状に盛り上がった状態とされる。そして、注目微小液滴912が吐出口421から離れ(すなわち、微小液滴が吐出され)、基板9に向けて落下する。なお、図7では既に吐出された微小液滴911、および、基板9上に既に付着した微小液滴により形成されるパターン91も図示している。
図8は図6中の時刻T2におけるノズル部42と光ファイバ411の様子を示す図であり、注目微小液滴912が吐出された直後の様子を示している。図8に示すように、注目微小液滴912が吐出されることにより、吐出口421と基板9の表面との間には2つの微小液滴911,912が存在する。このとき、注目微小液滴912は吐出口421から完全に分離しており、吐出口421では光硬化性材料が吐出口421内に僅かに引き込まれた状態となる。
続いて、注目微小液滴912および微小液滴911が基板9に向かって落下し続け、時刻T3において図9に示すように微小液滴911が基板9の表面に到達する。すなわち、時刻T3以降において次の微小液滴が吐出されるまでは吐出口421と基板9の表面との間には1つの注目微小液滴912のみが存在することとなる。そして、図10に示すように注目微小液滴912の吐出から一定時間後の時刻T4において光ファイバ411から注目微小液滴912に向けて所定のパルス幅(図6中の符号W1を付して示す長さ)の光が照射され(ステップS13)、光が照射された注目微小液滴912は落下しつつ硬化を開始する。その際、前述のように光硬化性材料が吐出口421の内側に位置するため、光ファイバ411からのパルス光が直接的または間接的(例えば、基板9の表面からの反射光として)吐出口421近傍に照射される場合であっても、光硬化性材料が硬化して吐出口421が詰まることが防止される。
パルス光の照射が終了すると、時刻T5において次の微小液滴が吐出され、吐出口421と基板9の表面との間には再び2つの微小液滴が存在することとなる(図8参照)。そして、時刻T6において注目微小液滴912が基板9上に到達して付着する(図9参照)。このとき、微小液滴912は比較的粘度が高く、基板9への密着性が損なわれない、いわゆる、半硬化状態であるため基板9上において広がりすぎることがなく、高いアスペクト比(基板9に接する部分の幅に対する高さの割合)を有するパターン91が形成される。
このようにして、ノズル部42からの微小液滴の吐出に同期して微小液滴にパルス光が照射され、これらの動作はヘッド部4が主走査の終点に到達するまで繰り返される(ステップS14)。これにより、主走査方向に関して複数のノズル部42により所望のパターンが形成される。その後、ヘッド部4の移動が停止され(ステップS15)、ステージ移動機構31によりヘッド部4が基板9に対して副走査するとともに主走査の開始位置に復帰する(ステップS16,S17)。そして、ステップS11〜S17が繰り返されることにより基板9の全面にパターンが形成され(ステップS16)、パターン形成装置1によるパターン形成が終了する。
以上のように、パターン形成装置1では吐出済みの微小液滴の吐出直後から基板9への到達時までの間に、光ファイバ411からパルス光が出射される。このとき、パルス光は吐出口421から他の微小液滴が吐出される直前から吐出直後までを除く時間に、吐出済みの微小液滴に照射されるため、吐出口421に位置する光硬化性材料が硬化して吐出口421が詰まることを防止しつつ、微小液滴を半硬化状態にて基板9上に到達させることができる。また、吐出口421と基板9との間に存在する微小液滴の個数が1個である間に光ファイバ411からパルス光が出射されるため、吐出口421と基板9との間に存在する飛翔中の微小液滴に不必要な光が照射されることが抑制される。これにより、パターン形成装置1では、密着性を損なうことなく基板9上に比較的厚いパターンを適切に形成することができる。
特に、微細なパターンを形成する際に、ノズルの吐出口と基板との間の距離が100μm前後にまで小さくされることがあるため(通常は、1〜2mm)、基板に到達する直前の微小液滴にも光を照射するにはおよそ水平方向から光を照射しなければならず、従来のパターン形成装置のように連続的に光が照射される場合は、吐出口の詰まりや微小液滴の密着不良が生じる可能性が高くなる。これに対し、パターン形成装置1では微小液滴の吐出に同期してパルス光が出射されるため、微細パターンを形成する場合であっても吐出口421の詰まりや微小液滴の密着不良を抑制することができる。また、微細な線幅を有する配線パターンを形成する際にも、断面形状における高さ(アスペクト比)を大きくして配線の電気抵抗を低くすることができる。
なお、パターン形成装置1では微小液滴が基板9へと到達した後であっても、微小液滴が基板9上において広がりすぎない間にパルス光を照射すれば(すなわち、微小液滴の吐出直後から基板9への到達直後までの間にパルス光が出射されるのであれば)、比較的厚いパターンを形成することができる。また、パターン形成時において、吐出周期が長くなったり吐出口421と基板9との間の距離が長くなることにより、吐出口421と基板9との間に常時複数の微小液滴が存在する場合には、微小液滴の個数が最少となる間に光ファイバ411からパルス光を出射することにより、飛翔中の微小液滴に不必要なパルス光が照射されて密着不良が生じてしまうことを抑制することができる。さらには、吐出口421と基板9との間に微小液滴が全く存在しない間に基板9に付着した微小液滴に向けて光が照射されてもよい。
次に、パターン形成装置1によるパターン形成動作の他の例について説明する。なお、本動作例では、吐出口421と基板9との間の距離が1mmとされ、直径が1mmの光ファイバ411が利用される。また、ノズル部42からは周波数5.3kHzにて微小液滴が吐出され、微小液滴の平均飛翔速度(微小液滴の吐出直後の速度におよそ等しい)は8m/sである。
他の例に係るパターン形成動作では、ヘッド部4の主走査は(±Y)方向に往復して行われ、1回の往復移動が完了してから副走査が行われる。既述の動作例と同様にヘッド部4が主走査を開始すると(図5:ステップS11)、微小液滴の吐出とパルス光の照射とが繰り返され、この繰り返し動作はヘッド部4が主走査方向に往復する間続けられる(ステップS12〜S14)。このとき、ヘッド部4の主走査の往路において基板9上に付着した微小液滴(以下、「下側微小液滴」という。)上に復路において微小液滴(以下、「上側微小液滴」という。)が吐出されて、いわゆる、重ね塗りが行われる。
図11はパターン形成動作の他の例における時間の経過に対する微小液滴の吐出とパルス光の照射との関係を説明するための図である。図6と同様に、図11の上段は吐出制御部52によりノズル部42に入力される制御信号を示し、中段は照射制御部51により光源ユニット41に入力される制御信号を示し、下段は吐出口421から吐出された微小液滴の位置を示している。
パターン形成装置1では、ヘッド部4の主走査の往路および復路において、図11に示すように周期的な各微小液滴の吐出から一定時間後に微小液滴にパルス光が照射される。具体的には、まず、ヘッド部4の往路において、後述するタイミングにて微小液滴の吐出とパルス光の照射とを同期して行うことにより、図12に示すように基板9上に下側微小液滴913(但し、図11では説明の便宜上、1度の吐出により形成される微小液滴のみを示している。)が形成される。そして、復路において図12に示す下側微小液滴913上に上側微小液滴が重ね塗りされる。
図13は復路にて図11中の時刻T7におけるノズル部42と光ファイバ411の様子を示す図であり、上側微小液滴914が吐出される直前の様子を示している。図13に示すように、時刻T7では光硬化性材料の一部(上側微小液滴914)が吐出口421から外側に盛り上がった状態となっており、上側微小液滴914はすぐに吐出口421から離れ、時刻T7から約6.3×10−5秒後の時刻T8には、図14に示すように吐出口421と基板9との間のおよそ中間に位置する。
上側微小液滴914が基板9に到達する直前である時刻T9には、光源ユニット41がONとされて光ファイバ411からの所定のパルス幅の光の出射が開始され、時刻T9の直後(正確には、時刻T8から約6.3×10−5秒後)である時刻T10には図15に示すように上側微小液滴914が基板9上の下側微小液滴913上へと到達する。そして、上側微小液滴914の到達直後である時刻T11には光の照射が停止され、時刻T10から約6.3×10−5秒後には次の微小液滴が吐出される。
このように、パターン形成装置1ではノズル部42からの微小液滴の吐出の周波数5.3kHzの逆数として算出される約1.9×10−4秒毎に微小液滴の吐出(およびパルス光の出射)が繰り返され、微小液滴が基板9に到達する時刻T10近傍にて、次の微小液滴の吐出に重ならないパルス幅の光が微小液滴に照射される。
ヘッド部4の吐出位置が主走査の開始位置へと戻るとヘッド部4の移動が停止し(ステップS15)、ヘッド部4は基板9に対して副走査されて次の主走査開始位置へと移動し(ステップS16,S17)、主走査方向に往復して重ね塗りによるパターン形成が繰り返される(ステップS11〜S16)。これにより、基板9上の全体に重ね塗りによるパターンが形成される。
以上のように、他の例に係るパターン形成動作では、基板9上に既に付着した微小液滴上に向けて微小液滴を吐出し、吐出直後から基板9への到達直後までの間に、光ファイバ411から微小液滴にパルス光が照射される。これにより、微小液滴が基板9上の既に付着している微小液滴上に重なって付着するとともに広がる前に硬化が開始され、さらに厚いパターンを形成することができる。また、吐出口421から微小液滴が吐出される直前から吐出直後までを除く時間に吐出済みの微小液滴にパルス光が照射されるため、光の照度を大きくして硬化速度を上げた場合にも微小液滴の吐出に影響が生じることがなく、スループットの向上を図ることができる。
なお、他の例に係るパターン形成動作では、微小液滴が基板9上へ到達する直前から始まって到達時を含む時間帯にパルス光が照射されるが、パルス光は微小液滴の基板9への到達時近傍に照射されればよく、例えば、微小液滴の基板9への到達直前や到達直後のみであっても密着性を損なうことなくパターンを形成することができる。
また、パターン形成装置1では、1つのヘッド部においてY方向に関して複数のノズル部42を配列したり、複数のヘッド部をY方向に並べることにより、主走査方向への1度の移動にて重ね塗りによるパターン形成が実現されてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
上記実施の形態における重ね塗りによるパターン形成では、下側微小液滴913および上側微小液滴914の双方にパルス光を照射して厚いパターンを形成するが、例えば、図16に示すように、下側微小液滴913に対しては吐出直後から基板9への到達直後までの間にパルス光を照射し、上側微小液滴914に対しては基板9上において広がってからパルス光を照射して図15に示すパターンよりも僅かに薄いパターンを形成したり、図17に示すように、下側微小液滴913および上側微小液滴914の双方ともに基板9上において広がってからそれぞれパルス光が照射されて図16に示すパターンより薄いパターンが形成されてもよい。
なお、パターンを厚く形成する必要がない場合には、光ファイバ411からのパルス光の出射の周期をノズル部42から微小液滴を吐出する周期の整数倍として基板9上に付着した微小液滴が硬化されてもよい。このように、パターン形成装置1では様々なパターン形成が可能である。
ノズル部42から吐出される微小液滴は紫外線以外の光で硬化するものであってもよく、その場合、微小液滴に光を照射する光照射部は、必ずしも光源ユニット41と光ファイバ411とにより構成される必要はなく、例えば、微小液滴が硬化を開始する波長帯に含まれる波長の光を出射する発光素子であってもよい。
ヘッド部4においてノズル部42は、例えば、千鳥状に配列されて高密度にパターンが形成されてもよい。
上記実施の形態においてパターン形成装置1では、ヘッド部4およびステージ2はそれぞれ独立した移動機構により移動するが、ヘッド部4は基板9に対して相対的に移動すればよく、例えば、ヘッド部4が固定されてステージ2がX方向およびY方向に移動してもよい。
基板9はガラス基板以外の半導体基板等であってもよく、また、印刷用紙等の印刷媒体であってもよい。すなわち、パターン形成装置1によりパターンが形成される対象物は、いかなるものであってもよい。なお、パターン形成装置1によるパターン形成は印刷の一手法として捉えることもできる。
また、パターン形成の対象物は必ずしもステージにより保持される必要はなく、例えば、円筒形状の回転ドラムに対象物が保持されてもよい。
1 パターン形成装置
2 ステージ
9 基板
31 ステージ移動機構
32 ヘッド移動機構
41 光源ユニット
42 ノズル部
91 パターン
411 光ファイバ
421 吐出口
911〜914 微小液滴
S11〜S14 ステップ
2 ステージ
9 基板
31 ステージ移動機構
32 ヘッド移動機構
41 光源ユニット
42 ノズル部
91 パターン
411 光ファイバ
421 吐出口
911〜914 微小液滴
S11〜S14 ステップ
Claims (8)
- 対象物上にパターンを形成するパターン形成装置であって、
対象物を保持する保持部と、
光硬化性の微小液滴を対象物に向けて吐出する吐出口を有するノズル部と、
前記ノズル部からの微小液滴の吐出に同期して前記微小液滴にパルス光を照射する光照射部と、
前記吐出口と対象物との間の距離を一定に保ちつつ前記ノズル部を前記対象物に対して相対的に移動する移動機構と、
を備えることを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項1に記載のパターン形成装置であって、
前記光照射部が、前記吐出口からの微小液滴の吐出直後から前記微小液滴の対象物への到達直後までの間に、前記微小液滴にパルス光を照射することを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項1に記載のパターン形成装置であって、
前記光照射部が、前記微小液滴が対象物に到達する時刻近傍にて、前記微小液滴にパルス光を照射することを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項1に記載のパターン形成装置であって、
前記光照射部が、前記吐出口から微小液滴が吐出される直前から吐出直後までを除く時間に吐出済みの微小液滴にパルス光を照射することを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項4に記載のパターン形成装置であって、
前記光照射部が、前記吐出済みの微小液滴の吐出直後から前記対象物への到達直後までの間に、前記パルス光を出射することを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項1に記載のパターン形成装置であって、
前記光照射部が、前記吐出口と対象物との間に存在する微小液滴の個数が最少となる間にパルス光を出射することを特徴とするパターン形成装置。 - 請求項1に記載のパターン形成装置であって、
前記ノズル部が、対象物上に既に付着した微小液滴上に微小液滴を吐出することを特徴とするパターン形成装置。 - 対象物上にパターンを形成するパターン形成方法であって、
ノズル部の吐出口と対象物との間の距離を一定に保って前記ノズル部を前記対象物に対して相対的に移動しつつ前記吐出口から光硬化性の微小液滴を前記対象物に向けて吐出する吐出工程と、
前記微小液滴の吐出から一定時間後に前記微小液滴にパルス光を照射する光照射工程と、
前記吐出工程および前記光照射工程を繰り返す工程と、
を備えることを特徴とするパターン形成方法。
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