JP2009034616A - パターン形成方法、及び液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板Sにインクを吐出し、レーザから出射されるレーザ光Bをインクに照射することにより基板Sにパターンを形成するとき、レーザ光Bの光軸Aの上にあるインクの厚みをL、インクのレーザ光Bの吸収係数をαとするとき、0.1≦α・L≦0.7を満たすようにインクの厚みと吸収係数αとを設定する。
【選択図】図4
Description
の技術では、機能性液状体の乾燥状態を十分に均一にすることができない。
このパターン形成方法によれば、光の波長が、吸収係数に基づいて選択されるため、機能性液状体に照射される光が、該光の進行方向に沿って機能性液状体の全体に均一に吸収される。したがって、このパターン形成方法は、機能性液状体の乾燥状態を均一にすることができるため、加工精度を向上させることができる。
このパターン形成方法によれば、吸収係数に基づいて機能材料の濃度が選択されるため、機能性液状体に照射される光が、該光の進行方向に沿って機能性液状体の全体に均一に吸収される。したがって、このパターン形成方法は、機能性液状体の乾燥状態を均一にすることができるため、パターンの加工精度を向上させることができる。
以下、本発明を具体化した第一実施形態を図1〜図8に従って説明する。図1は、液滴吐出装置10の全体を示す斜視図である。
キャビティ24の内部に圧力を与える一つの圧力発生素子25とを有する。すなわち、液滴吐出ヘッド22は、ノズルNの数量と同じi個のキャビティ24と、i個の圧力発生素子25とを有する。各キャビティ24と各圧力発生素子25とは、それぞれノズルNの直上に配設されることにより、該ノズルNに対応付けられる。
各偏向器26は、それぞれ対応するレーザLDからのレーザ光Bを受けて、該レーザ光Bの光路を、+Y方向の反対方向(−Y方向)にあるノズルNの直下に向けて折り曲げる。これにより、各偏向器26は、それぞれ−Y方向にある飛行経路Kと交差する光軸Aを形成する。偏向器26としては、例えば三角プリズムや偏向ミラーを用いることができる
。
図4において、原点Pにおけるレーザ光Bの強度をI0とするとき、座標x1におけるレーザ光Bの強度は、ランバート−ベールの法則(Lambert-Beer Law )を適用すること
により、式(1−1)で表される。座標x1のインクIkによって吸収される単位時間、単位面積あたりのエネルギーを、吸収量Eとすると、座標x1と座標x1+δxとの間の吸収量Eの差分δEは、式(1−1)を用いることにより、式(1−2)で表される。式(1−2)を吸収量Eについて解くことにより、座標x1における吸収量Eが、式(1−3)で表される。
本発明においては、液滴Dを均一に乾燥させるために、原点Pとx1=Lとの間の吸収量Eの差が、原点Pの吸収量Eの80%以下でなければならない。原点P(x1=0)の吸収量Eに対するx1=Lの吸収量Eの割合は、式(1−3)を用いることにより、10−α・Lによって与えられる。よって、液滴Dを均一に乾燥させるために、α・Lは、1−10−α・L≦0.8を満たす、すなわちα・L≦0.7を満たす値に設定される。
本発明においては、レーザ光Bの使用効率を確保するために、液滴Dの吸収率ERが、0.2以上でなければならない。よって、α・Lは、式(1−4)を用いることにより、ER=1−10−α・L≧0.2を満たす、すなわちα・L≧0.1を満たす値に設定される。
ドレスに対応させて格納する。制御部31は、パターンデータIpに基づいて、液厚Lを得るための波形データを読み出す。駆動波形生成回路35は、制御部31が読み出す波形データを吐出周期のクロック信号ごとにラッチしてアナログ信号に変換し、そのアナログ信号を増幅して駆動波形信号COMを生成する。
そして、液滴吐出装置10は、基板Sの主走査により、吐出面SAの各目標点TがそれぞれノズルNの直下に位置するとき、選択した液厚Lの液滴Dを選択ノズルから吐出し、かつ着弾する前の液滴Dに対して選択レーザからのレーザ光Bを照射する。したがって、液滴吐出装置10は、式(1)を満たす条件の下で吐出処理を実行するため、吐出する各液滴Dにレーザ光Bを均一、かつ高い使用効率の下で吸収させることができる。
(1)第一実施形態において、液滴吐出装置10は、基板SにインクIkを吐出し、レーザLDから出射するレーザ光BをインクIkに照射する。そして、液滴吐出装置10は、レーザ光Bの光軸Aの上にあるインクIkの厚みをL、インクIkのレーザ光Bの吸収係数をαとするとき、0.1≦α・L≦0.7を満たすインクIkの厚みを選択して設定する。したがって、インクIkに照射されるレーザ光Bが、レーザ光Bの進行方向に沿ってインクIkの全体に均一に吸収される。よって、液滴吐出装置10は、インクIkの乾燥状態を均一にすることができるため、インクIkからなるパターンの加工精度を向上させることができる。
(2)第一実施形態において、液滴吐出装置10は、インクIkを液滴Dにして吐出し、基板Sに着弾する前の液滴Dにレーザ光Bを照射するとき、液滴Dの直径を選択して液厚Lを設定する。したがって、液滴Dに照射されるレーザ光Bが、該レーザ光Bの進行方向に沿って液滴Dの全体に均一に吸収される。
(第二実施形態)
以下、本発明を具体化した第二実施形態を図9〜図11に従って説明する。第二実施形態は、第一実施形態に加えて、吐出面SAから反射するレーザ光Bを利用するものである。そのため、以下においては、その変更点について詳しく説明する。
図9において、液滴吐出ヘッド22は、吐出面SAに複数の液滴Dを吐出して+Y方向に沿って連続する液状膜Fを形成する。本実施形態においては、液状膜Fの膜厚を、液厚Lという。この液厚Lは、液滴Dのサイズにより決定される、すなわち圧力発生素子25に入力される駆動波形信号COMにより決定される。本実施形態においては、この液厚Lが、液状膜Fを均一に乾燥させるためのサイズに選択される。
レーザヘッド23は、レーザLDから鉛直方向に延びる光軸Aを形成して液状膜Fにレーザ光Bを照射する。液状膜Fに吸収されるレーザ光Bは、インクIkの溶媒又は分散媒を蒸発してインクIkの乾燥を開始する。液状膜Fを透過するレーザ光Bは、吐出面SAに到達して反射率Rで反射される。反射されるレーザ光Bは、再び液状膜Fを照射し、液
状膜Fに吸収されることによりインクIkを、さらに乾燥する。本実施形態においては、液状膜Fに入射する光を入射光Biとし、吐出面SAから反射する光を反射光Brという。
レーザ光Bを受ける液状膜Fは、入射光Biと反射光Brによる乾燥によって増粘するため、その粘度を高くする分だけ、濡れ広がりを抑えて定着する。これにより、液滴吐出装置10は、機能材料からなる機能膜(例えば、金属膜)のパターンを高い精度の下で加工できる。
次に、インクIkが有するレーザ光Bの吸収係数αと液厚Lとの関係について以下に説明する。図10は、液状膜Fに入射する入射光Biと、吐出面SAから反射する反射光Brの状態を模式的に示す図である。図10では、入射光Biと液状膜Fの表面との交点を原点Pという。また、図10では、原点Pを含む光軸Aの上に一次元座標系を規定し、原点Pから吐出面SAに向かって座標x2を規定する。
図10において、座標x2のインクIkによって吸収されるレーザ光Bの吸収量Eは、入射光Biの吸収量Eと、反射光Brの吸収量Eとを加算した値である。本実施形態においては、入射光Biの吸収量Eを入射吸収量Eiとし、反射光Brの吸収量Eを反射吸収量Etという。
図11において、液状膜Fは、一点鎖線に示すように、最も大きな入射吸収量Eiを原点Pで示し、原点Pから離れるに従って入射吸収量Eiを減少させて、入射吸収量Eiの最小値を吐出面SAで示す。また、液状膜Fは、実線に示すように、入射吸収量Eiから連続する反射吸収量Etを吐出面SAで示し、吐出面SAから離れるに従って反射吸収量Etを減少させて、反射吸収量Etの最小値を原点Pで示す。そして、液状膜Fは、破線に示すように、吸収量Eの最大値を原点Pで示し、原点Pから離れるに従って吸収量Eを減少させて、吸収量Eの最小値を吐出面SAで示す。したがって、吐出面SA(x2=L)の吸収量Eを、原点P(x2=0)の吸収量Eに近づけることにより、液状膜Fで均一な乾燥状態を得られることが分かる。
原点P(x=0)の吸収量Eに対する、吐出面SA(x2=L)の吸収量Eの割合を、吸収比EDとすると、吸収比EDは、式(1−3)を用いることにより、式(2−1)で表される。本発明においては、液状膜Fを均一に乾燥させるために、第一実施形態と同じく、原点Pとx2=Lとの間の吸収量Eの差が、原点Pの吸収量Eの80%以下、すなわち(1−ED)≦0.8でなければならない。
吸収比EDが、ED≧ra(1>ra>0)を満たすとき、α・Lの範囲は、式(2−1)を用いることにより、式(2−2)で表される。よって、液状膜Fを均一に乾燥させるために、α・Lは、式(2−2)においてra=1−0.8を満たす値、すなわち、式(2)を満たす値に設定される。
吸収率ERが、ER≧Ea(1>Ea>0)を満たすとき、α・Lの範囲は、式(2−3)を用いることにより、式(2−4)で表される。よって、液状膜Fを均一に乾燥させるために、α・Lは、式(2−4)においてEa=0.2を満たす値、すなわち、式(3)を満たす値に設定される。
を均一にすることができるため、液状膜Fの表面と内部を均一に乾燥させることができ、ひいては液滴Dからなるパターンの加工精度を向上させることができる。また、液滴吐出装置10は、レーザ光Bの出力を低く抑えることができるため、省エネルギー化を図ることができる。
次に、上記のように構成した第二実施形態の効果を以下に記載する。
(3)上記第二実施形態において、液滴吐出装置10は、レーザ光Bの光軸Aの上にあるインクIkの厚みを液厚L、インクIkのレーザ光Bの吸収係数をα、吐出面SAのレーザ光Bの反射率をRとすると、式(2)及び式(3)を満たすように、液厚Lを選択して設定する。したがって、レーザLDからのレーザ光Bと、吐出面SAに反射されるレーザ光Bとが協同してインクIkの全体に均一に吸収される。よって、液滴吐出装置10は、インクIkの乾燥状態を均一にすることができるため、インクIkからなる加工精度を向上させることができる。
(4)上記第二実施形態において、液滴吐出装置10は、基板Sに複数の液滴Dを吐出し、基板Sに着弾する各液滴Dを合一させることにより液状膜Fを形成する。そして、液滴吐出装置10は、液状膜Fにレーザ光Bを照射するとき、液状膜Fの厚みを選択して、α・Lを、式(2)及び式(3)を満たす値に設定する。したがって、液状膜Fに照射されるレーザ光Bが、該レーザ光Bの進行方向に沿って液状膜Fの全体に均一に吸収される。
以下、本発明を具体化した第三実施形態を図12に従って説明する。第三実施形態は、第一実施形態又は第二実施形態のレーザLDを波長変調型に変更するものである。そのため、以下においては、その変更点について詳しく説明する。
また、制御装置30は、吐出面SAの反射を利用してインクIkにレーザ光Bを照射するとき、波長データWDを参照し、予め設定される液厚Lに基づいて式(2)及び式(3)を満たす吸収係数αを得るための波長を選択する。制御装置30は、選択した波長のレーザ光Bを出射させるための制御信号を生成してレーザヘッド23に出力する。
(5)第三実施形態において、液滴吐出装置10は、レーザ光Bの波長を選択することにより、式(1)、あるいは式(2)及び式(3)を満たす吸収係数αを設定する。したがって、液滴吐出装置10は、式(1)、あるいは式(2)及び式(3)を満たす条件の下で吐出処理を実行するため、吐出するインクIkにレーザ光Bを均一、かつ高い使用効率の下で吸収させることができる。しかも、液滴吐出装置10は、レーザ光Bの波長を選択可能にする分だけ、吐出処理の条件範囲を拡張することができる。
以下、本発明を具体化した第四実施形態を図13に従って説明する。第四実施形態は、第一実施形態のインクIkを色素添加インクIaに変更するものである。そのため、以下においては、その変更点について詳しく説明する。
図13において、インクIkは、機能性材料としての銀微粒子を水系溶媒に分散させた銀インクである。また、色素添加インクIaは、インクIkに赤外線吸収色素を所定の濃度で添加させたインクである。
(6)第四実施形態において、液滴吐出装置10は、色素添加インクIaの濃度を選択することにより、式(1)、あるいは式(2)及び式(3)を満たす吸収係数αを設定する。したがって、液滴吐出装置10は、式(1)、あるいは式(2)及び式(3)を満たす条件の下で吐出処理を実行するため、吐出するインクIkにレーザ光Bを均一、かつ高い使用効率の下で吸収させることができる。しかも、液滴吐出装置10は、色素添加インクIaの濃度を選択可能にする分だけ、吐出処理の条件範囲を拡張することができる。
(第五実施形態)
以下、本発明を具体化した第五実施形態を図14に従って説明する。第五実施形態は、第二実施形態の偏向器26を変更するものである。そのため、以下においては、その変更点について詳しく説明する。
(7)第五実施形態において、液滴吐出装置10は、レーザ光Bの入射角θを選択することにより、式(2)及び式(3)を満たす液厚Lを設定する。したがって、液滴吐出装置10は、式(2)及び式(3)を満たす条件の下で吐出処理を実行するため、吐出するインクIkにレーザ光Bを均一、かつ高い使用効率の下で吸収させることができる。しかも、液滴吐出装置10は、液状膜Fの膜厚を変更することなく液厚Lを設定することができるため、吐出処理の条件範囲を拡張することができる。
・上記第二実施形態において、液滴吐出装置10は、液滴Dのサイズを選択することにより、液状膜Fの液厚Lを設定する。これに限らず、例えば、図15に示すように、液滴Dの吐出する間隔、すなわち吐出ピッチDyを選択することにより、式(1)、あるいは式(2)及び式(3)を満たす液厚Lを設定する構成にしても良い。
・上記実施形態においては、ノズル列とレーザ列の数量が、それぞれ1列である。これに限らず、ノズル列又はレーザ列の数量が、2以上であっても良い。
によって、ヘッドユニット20が、基板Sに対して−Y方向に相対移動しても良い。
Claims (10)
- 請求項1又は2に記載のパターン形成方法であって、
前記機能性液状体を液滴にして吐出し、前記対象物に着弾する前の前記液滴に前記光を照射するとき、前記液滴の径を選択することにより前記厚みを設定することを特徴とするパターン形成方法。 - 請求項1又は2に記載のパターン形成方法であって、
前記機能性液状体を液滴にして吐出し、前記対象物に複数の前記液滴からなる液状膜を形成して前記液状膜に前記光を照射するとき、前記光の進行方向に沿った前記液状膜の膜厚を選択することにより前記厚みを設定することを特徴とするパターン形成方法。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載のパターン形成方法であって、
前記光はレーザ光であり、前記レーザ光の波長を選択することにより前記吸収係数を設定することを特徴とするパターン形成方法。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載のパターン形成方法であって、
前記機能材料の濃度を選択することにより前記吸収係数を設定することを特徴とするパターン形成方法。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載のパターン形成方法であって、
前記機能性液状体は前記光を吸収する色素を含む液状体であり、前記色素の濃度を選択することにより前記吸収係数を設定することを特徴とするパターン形成方法。 - 請求項1〜5のいずれか一つに記載のパターン形成方法であって、
前記機能材料は金属微粒子であり、前記金属微粒子の粒子径と、前記金属微粒子の粒子間距離の少なくともいずれか一方を選択することにより前記吸収係数を設定することを特徴とするパターン形成方法。
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