JP2006314931A - 液滴吐出装置及びパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 着弾した液滴の乾燥状態を検出して、パターンの生産性を向上した液滴吐出装置及びパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 液滴吐出装置のキャリッジに、乾燥強度と焼成強度のレーザ光Bを選択可能な半導体レーザLDと、液滴Fbに照射した前記レーザ光Bの戻り光Lを検出するフォトセンサ38を配設するようにした。そして、目標吐出位置Pに着弾した液滴Fbに乾燥強度のレーザ光Bを照射して、フォトセンサ38からの検出信号が、予め設定された目標乾燥光量データに相対するタイミングで、前記液滴Fbに焼成強度のレーザ光Bを照射するようにした。そして、フォトセンサ38からの検出信号が、予め設定された目標焼成光量データと相対するタイミングで、前記焼成強度のレーザ光Bの照射を停止するようにした。
【選択図】 図7

Description

本発明は、液滴吐出装置及びパターン形成方法に関する。
従来、液晶表示装置等の電気光学装置には、画像を表示するための透明ガラス基板(以下単に、基板という。)が備えられている。この種の基板には、品質管理や製造管理を目的として、その製造元や製品番号等の製造情報をコード化した識別コード(例えば、2次元コード)が形成されている。こうした識別コードは、配列された多数のパターン形成領域(データセル)の一部に、コード全体を再生するために必要となる、識別可能なコードパターン(例えば、有色の薄膜や凹部等のドット)を備え、各データセルのコードパターンの有無によって前記製造情報をコード化している。
上記する識別コードの製造方法には、金属箔にレーザ光を照射してコードパターンをスパッタ成膜するレーザスパッタ法や、研磨材を含んだ水を基板等に噴射してコードパターンを刻印するウォータージェット法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
しかし、前記レーザスパッタ法では、所望のコードパターンを得るために、金属箔と基板の間隙を、数〜数十μmの距離に調整しなければならない。そのため、基板や金属箔の表面に、極めて高い精度の平坦性が要求され、しかも、これらの間隙をμmオーダの精度で調整しなければならない。その結果、識別コードを形成できる対象基板が制限されて、汎用性を損なう問題があった。また、ウォータージェット法では、基板の刻印時に、水や塵埃、研磨剤等が飛散するため、処理基板を汚染する問題があった。
近年、こうした生産上の問題を解消する方法として、インクジェット法が注目されている。インクジェット法は、金属微粒子を分散させた機能液の液滴を液滴吐出装置から吐出し、前記液滴を乾燥させることによってコードパターンを形成する。そのため、識別コードを形成する基板の対象範囲を拡大することができ、基板の汚染等を回避して識別コードを形成することができる。
特開平11−77340号 公報 特開2003−127537号 公報
しかしながら、インクジェット法では、吐出した液滴を乾燥してコードパターンを形成するために、以下の問題を招いていた。
すなわち、基板に着弾した液滴は、その乾燥状態が、前記基板の表面状態や前記機能液の構成材料によって異なる。そのため、液滴の乾燥速度が遅くなると、着弾した液滴は、十分に乾燥していない(基板に密着していない)状態で、所定の乾燥工程を終了する。その結果、乾燥してない状態の液滴が、後工程(例えば、基板の洗浄工程)で消失し、コードパターンの抜けを生じる、ひいてはコードパターンの生産性を損なう問題があった。
また、前記液滴吐出装置では、液滴を吐出する吐出ノズルが長時間にわたって大気に晒されると、吐出ノズルの近傍で前記機能液が乾燥し、一部の吐出ノズルに目詰まりを来たす。その結果、目詰まりした吐出ノズルと相対するデータセルに、コードパターンの抜けを生じる、ひいてはコードパターンの生産性を損なう問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、着弾した液滴の乾燥状態を検出して、パターンの生産性を向上した液滴吐出装置及びパターン形成方法を提供することである。
本発明の液滴吐出装置は、パターン形成材料を含む液滴を被吐出面に吐出する液滴吐出手段と、前記被吐出面に着弾した前記液滴を乾燥する乾燥手段を備えた液滴吐出装置において、前記乾燥手段は、前記液滴の目標吐出位置にレーザ光を照射するレーザ照射手段と、前記液滴の乾燥状態に対応した前記目標吐出位置の領域からの光を検出する光検出手段と、を備えた。
本発明の液滴吐出装置によれば、目標吐出位置に着弾した液滴からの光に基づいて、液滴の乾燥状態を検出することができる。その結果、目標吐出位置に着弾した液滴の乾燥不足を回避することができ、パターン形成材料からなるパターンを確実に形成することができる。従って、パターンの生産性を向上することができる。
この液滴吐出装置において、前記光検出手段は、少なくとも前記目標吐出位置の領域からの光の光量、波長、波長分布、偏光状態、位相分布、強度分布のいずれか1つを検出するようにしてもよい。
この液滴吐出装置によれば、目標吐出位置に着弾した液滴からの光の少なくとも光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布のいずれか1つに基づいて、着弾した液滴の乾燥状態を検出することができる。例えば、液滴からの光の光量計測や干渉計による測長(位相分布の計測)、さらには空間的な強度分布の計測によって、乾燥状態に応じた液滴の大きさや表面状態を検出することができる。また、液滴からの光の波長分布の計測やピーク波長の変化を計測することによって、乾燥状態に応じた液滴の光吸収状態を検出することができる。さらには、液滴からの光の偏向状態の変化を計測することによって、液滴が、液体から固体に変わるタイミングを検出することができる。
その結果、液滴の乾燥状態を、液滴の構成材料や形状、サイズ等に応じて、より詳細に検出することができる。
この液滴吐出装置において、前記レーザ照射手段は、前記目標吐出位置の前記液滴を乾燥可能な前記レーザ光を照射するようにしてもよい。
この液滴吐出装置によれば、乾燥状態を検出するためのレーザ光によって液滴を乾燥させることができる。その結果、別途液滴を乾燥させるための手段(例えば、乾燥状態を検出するためのレーザ光と異なる光学特性のレーザ光等を照射する光照射手段や、ホットプレート等の加熱手段、あるいは真空チャンバー等の減圧手段)を設けることなく、目標吐出位置の液滴を確実に乾燥させることができる。
この液滴吐出装置において、前記乾燥手段は、前記光検出手段の検出した前記光の光学特性と、予め設定された前記光学特性に基づいて、前記液滴の乾燥状態に対応した前記レーザ光を照射するように、前記レーザ照射手段を駆動制御する照射制御手段を備えるようにしてもよい。
この液滴吐出装置によれば、目標吐出位置に着弾した液滴からの光の光学特性に基づいて、レーザ光を照射することができる。その結果、液滴に対応したレーザ光を照射することができ、レーザ光の照射不足やレーザ光の過剰な照射を回避することができる。従って、着弾した液滴を、確実に被吐出面上で乾燥させることができ、パターンの生産性を向上することができる。
この液滴吐出装置において、前記照射制御手段は、前記目標吐出位置の前記液滴を乾燥するように、少なくとも前記レーザ光の光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布のいずれか1つを変調するようにしてもよい。
この液滴吐出装置によれば、少なくともレーザ光の光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布のいずれか1つを変調して、目標吐出位置の液滴を乾燥することができる。その結果、液滴の構成材料や形状、サイズ等に応じたレーザ光を照射することができ、適用可能な液滴の範囲を拡張することができる。
この液滴吐出装置において、前記目標吐出位置に関する吐出位置情報に基づいて前記液滴吐出手段を駆動制御する吐出制御手段と、前記光検出手段の検出した前記目標吐出位置の領域からの光に基づいて、前記液滴の着弾した着弾位置に関する着弾位置情報を生成し、前記吐出位置情報と前記着弾位置情報を比較して、前記液滴の着弾していない前記目標吐出位置を決定する吐出位置決定手段と、を備えるようにしてもよい。
この液滴吐出装置によれば、光検出手段の検出した目標吐出位置の領域からの光に基づいて、目標吐出位置における液滴の有無を決定することができ、液滴の着弾していない目標吐出位置に対して、再度液滴を吐出することができる。その結果、着弾した液滴を乾燥する際に、目標吐出位置のパターンの有無を検出することができる。従って、パターンの有無を検査する検査工程を軽減することができ、パターンの生産性を向上することができる。
本発明のパターン形成方法は、パターン形成材料を含む液滴を被吐出面に吐出し、前記被吐出面に着弾した液滴を乾燥することによってパターンを形成するようにしたパターン形成方法において、前記液滴を乾燥するときに、前記液滴の目標吐出位置にレーザ光を照射して、前記液滴の乾燥状態に対応した前記目標吐出位置の領域からの光を検出するようにした。
本発明のパターン形成方法によれば、目標吐出位置に着弾した液滴からの光に基づいて、液滴の乾燥状態を検出することができる。その結果、目標吐出位置に着弾した液滴の乾燥不足を回避することができ、パターン形成材料からなるパターンを確実に形成することができる。従って、パターンの生産性を向上することができる。
このパターン形成方法において、少なくとも前記目標吐出位置の領域からの光の光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布のいずれか1つを検出するようにしてもよい。
この液滴吐出装置によれば、少なくとも目標吐出位置に着弾した液滴からの光の光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布のいずれか1つに基づいて、着弾した液滴の乾燥状態を検出することができる。その結果、液滴の乾燥状態を、液滴の構成材料や形状、サイズ等に基づいて、より詳細に検出することができる。
このパターン形成方法において、前記目標吐出位置の前記液滴を乾燥可能な前記レーザ光を照射するようにしてもよい。
このパターン形成方法によれば、レーザ光を照射するだけで、目標吐出位置に着弾した液滴を乾燥しながら、その液滴の乾燥状態を検出することができる。その結果、より簡便な方法でパターンを形成することができ、パターンの生産性を向上することができる。
このパターン形成方法において、前記目標吐出位置の領域からの前記光の光学特性と、
予め設定された前記光学特性に基づいて、前記目標吐出位置の前記液滴の乾燥状態に対応した前記レーザ光を照射するようにしてもよい。
このパターン形成方法によれば、目標吐出位置に着弾した液滴からの光の光学特性に基づいて、液滴の乾燥状態に対応したレーザ光を照射することができる。その結果、パターン形成材料を含む液滴に対して、レーザ光の照射不足やレーザ光の過剰な照射を回避することができ、着弾した液滴を、確実に被吐出面上で乾燥させることができる。従って、パターンの生産性を向上することができる。
このパターン形成方法において、前記目標吐出位置の前記液滴に対応して、少なくとも前記レーザ光の光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布のいずれか1つを変調するようにしてもよい。
このパターン形成方法によれば、少なくともレーザ光の光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布のいずれか1つを変調して、着弾した液滴を乾燥することができる。その結果、液滴の構成材料や形状、サイズ等に対応したレーザ光を照射することができ、乾燥可能な液滴の範囲を拡張することができる。
このパターン形成方法において、前記目標吐出位置の領域からの光に基づいて、前記液滴の着弾した着弾位置に関する着弾位置情報を生成し、前記目標吐出位置に関する吐出位置情報と前記着弾位置情報を比較して、前記液滴の着弾していない前記目標吐出位置を決定し、決定した前記目標吐出位置に、再度前記液滴を吐出するようにしてもよい。
このパターン形成方法によれば、目標吐出位置の領域からの光に基づいて、目標吐出位置の液滴の有無を決定することができ、液滴の着弾していない目標吐出位置に対して、再度液滴を吐出することができる。その結果、着弾した液滴を乾燥する際に、目標吐出位置のパターンの有無を検出することができる。従って、パターンの有無を検査する検査工程を軽減することができ、パターンの生産性を向上することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。
まず、本発明の液滴吐出装置を使って形成された識別コードを有する液晶表示装置の表示モジュールについて説明する。図1は液晶表示装置の液晶表示モジュールの正面図、図2は液晶表示モジュールの裏面に形成された識別コードの正面図、図3は液晶表示モジュールの裏面に形成された識別コードの側面図である。
図1において、液晶表示モジュール1は、四角形状に形成された光透過性の透明ガラス基板2(以下単に、基板2という。)を備えている。本実施形態では、図1において、基板2の長手方向をX矢印方向とし、X矢印方向と直交する方向をY矢印方向とする。
基板2の表面2aであって、その略中央位置には、液晶分子を封入した四角形状の表示部3が形成されている。その表示部3の外側には、走査線駆動回路4及びデータ線駆動回路5が形成されている。そして、液晶表示モジュール1は、これら走査線駆動回路4の供給する走査信号と、データ線駆動回路5の供給するデータ信号に基づいて、前記液晶分子の配向状態を制御する。そして、液晶表示モジュール1は、図示しない照明装置から照射された平面光を、液晶分子の配向状態で変調し、表示部3に、所望の画像を表示するようになっている。
基板2の被吐出面としての裏面2bであって、その右側上隅には、該液晶表示モジュー
ル1の識別コード10が形成されている。識別コード10は、図2に示すように、コード形成領域S内に形成される複数のパターンとしてのドットDによって構成されている。コード形成領域Sは、図4に示すように、16行×16列からなる256個のデータセル(以下単に、セルCという。)に均等に仮想分割されている。そして、16行×16列の各セルC内に、選択的にドットDが形成され、各セルC内のドットDの有無によって、該液晶表示モジュール1の製品番号やロット番号等を再現可能にしている。
本実施形態では、前記ドットDが形成されるセルCを黒セルC1とし、ドットDが形成されないセルCを白セルC0という。そして、各黒セルC1の中心位置を、目標吐出位置Pという。また、図4において左側(X矢印方向側)から順に、1列目のセルC、2列目のセルC、・・・、16列目のセルCとし、図4において上側(Y矢印方向側)から順に、1行目のセルC、2行目のセルC、・・・、16行目のセルCという。
前記ドットDは、図2及び図3に示すように、基板2に密着した半球状に形成されている。ドットDは、後述する液滴吐出装置20(図5参照)の吐出ノズルN(図7参照)から、パターン形成材料としての金属微粒子(例えば、ニッケル微粒子)を分散媒に分散させた機能液F(図7参照)の液滴Fb(図7参照)を黒セルC1に吐出させ、黒セルC1に着弾した液滴Fbを乾燥及び焼成させることによって形成されている。この乾燥・焼成は、黒セルC1に着弾した液滴Fbに、レーザ光B(図7参照)を照射することによって行われる。尚、本実施形態では、液滴Fbを乾燥・焼成することによってドットDを形成するようにしたが、これに限らず、例えば乾燥のみによって形成するようにしてもよい。
次に、前記識別コード10を形成するために使用する液滴吐出装置20について説明する。図5は、液滴吐出装置20の構成を示す斜視図である。
図5に示すように、液滴吐出装置20には、前記基板2を載置する状態で、その長手方向が前記X矢印方向に沿う直方体形状に形成された基台21が備えられ、その基台21の上面には、前記X矢印方向に延びる1対の案内溝22が形成されている。基台21の上側には、X軸モータMX(図8参照)に連結駆動されて、前記案内溝22に沿って、X矢印方向及び反X矢印方向に直動する基板ステージ23が取り付けられている。そして、所定の駆動信号がX軸モータMXに入力されると、X軸モータMXが正転又は逆転して、基板ステージ23が、X矢印方向又は反X矢印方向に移動するようになっている。本実施形態では、図5に示すように、最も反X矢印方向に位置する基台21の配置位置を往動位置とし、最もX矢印方向の配置位置(図5に示す2点鎖線)を復動位置という。
基板ステージ23の上面(載置面24)には、図示しない吸引式のチャック機構が設けられて、基板2が、その裏面2b(コード形成領域S)を上側にして位置決め固定されるようになっている。尚、載置面24に位置決めされる基板2は、その1列目のセルCが、最もX矢印方向側(復動位置側)となるように配置される。
基台21のY矢印方向両側には、一対の支持台25a、25bが立設されて、その一対
の支持台25a、25bには、Y矢印方向に延びる案内部材26が架設されている。案内
部材26は、その長手方向の幅が基板ステージ23のY矢印方向の幅よりも長く形成されて、その一端が、支持台25a側に張り出すように配設されている。支持台25aの張り
出した部分の直下には、後述する吐出ノズルN(図7参照)から機能液Fを吸引して、各吐出ノズルNの目詰まりを解消し、後述する吐出ヘッドFHを洗浄するメンテナンスユニットMUが配設されている。
案内部材26の上側には、前記機能液Fを収容する収容タンク27が配設されて、その収容タンク27が、収容する機能液Fを、後述する液滴吐出ヘッドFHに導出するようになっている。また、案内部材26の下側には、Y矢印方向に延びる上下一対の案内レール
28がY矢印方向全幅にわたり凸設されている。
案内部材26には、Y軸モータMY(図8参照)に連結駆動されて、前記案内レール28に沿って、Y矢印方向及び反Y矢印方向に直動するキャリッジ29が取り付けられている。そして、所定の駆動信号がY軸モータMYに入力されると、Y軸モータMYが正転又は逆転して、キャリッジ29が、Y矢印方向又は反Y矢印方向に移動するようになっている。本実施形態では、図5に示すように、最も支持台25a側(反Y矢印方向側)に位置するキャリッジ29の配置位置を往動位置とし、最も支持台25b側(Y矢印方向側)に位置する配置位置(図5に示す2点鎖線)を復動位置という。
図5に示すように、キャリッジ29の下側には、液滴吐出手段を構成する液滴吐出ヘッドFH(以下単に、吐出ヘッドFHという。)が設けられている。図6は、吐出ヘッドFHの下面(基板ステージ23側の面)を上方に向けた斜視図であって、図7は、吐出ヘッドFHの内部構造を説明する説明図である。
吐出ヘッドFHには、その下側にノズルプレート31が備えられて、そのノズルプレート31の下面(ノズル形成面31a)が前記基板2(裏面2b)と平行となるように、前記キャリッジ29に配設されている。ノズル形成面31aには、液滴Fb(図7参照)を吐出するための16個の吐出ノズルN(以下単に、ノズルNという。)が、Y矢印方向(前記セルCの列方向)に一列となって等間隔に形成されている。ノズルNは、その形成ピッチが、セルCの形成ピッチと同じ幅で形成され、前記基板ステージ23に載置された基板2の法線方向(Z矢印方向)に沿って貫通形成されている。そして、各ノズルNは、基板2(コード形成領域S)がX矢印方向に沿って往復直線移動するときに、それぞれ各行のセルC(目標吐出位置P)と対峙するようになっている。
図7において、各ノズルNのZ矢印方向には、キャビティ32が形成されている。各キャビティ32は、それぞれ対応する連通孔33と各連通孔33に共通する供給路34を介して、前記収容タンク27に連通し、収容タンク27の導出する機能液Fを、対応するノズルN内に供給するようになっている。各キャビティ32の上側には、Z矢印方向及び反Z矢印方向(上下方向)に振動可能な振動板35が貼り付けられて、キャビティ32内の容積を拡大・縮小するようになっている。振動板35の上側には、各ノズルNに対応する16個の圧電素子PZが配設されている。各圧電素子PZは、それぞれ圧電素子PZを駆動制御するための信号(圧電素子駆動信号COM:図8参照)を受けて上下方向に収縮・伸張し、対応する前記振動板35を、Z矢印方向及び反Z矢印方向に振動させるようになっている。
そして、図7に示すように、前記目標吐出位置Pが対応するノズルNの直下に位置する状態で、各圧電素子PZが収縮・伸張すると、対応するキャビティ32内の容積が拡大・縮小し、縮小した容積に対応する機能液Fが、対応するノズルNから、液滴Fbとして吐出される。そして、吐出された各液滴Fbが、図7の2点鎖線で示すように、対応する黒セルC1の目標吐出位置Pに着弾するようになっている。
本実施形態では、液滴Fbの着弾する位置、すなわち各ノズルNの直下であって、基板2(裏面2b)上の位置を着弾位置Paという。
図6及び図7に示すように、前記吐出ヘッドFHのX矢印方向側には、光検出手段としてのフォトセンサ38を有したレーザ照射手段を構成するレーザヘッドLHが配設されている。そのレーザヘッドLHの下面LHaであって、各ノズルNのX矢印方向側には、各ノズルNに対応する16個の受光口36及び照射口37が形成されている。
図7に示すように、レーザヘッドLHの内部には、前記照射口37に対応して、前記照
射口37側から順に、それぞれ集光レンズLz1、コリメータLz2及び半導体レーザLDが備えられている。各半導体レーザLDは、前記液滴Fbの分散媒を蒸発可能な光(レーザ光B)と前記金属微粒子を焼成可能な光(レーザ光B)を出射するレーザ発振源であって、それぞれ半導体レーザLDを駆動制御するための信号を受けて、前記レーザ光Bを、照射口37側に向かって出射するようになっている。詳述すると、各半導体レーザLDは、それぞれ後述するレーザ駆動回路52からの乾燥強度出力信号IL1(図8参照)を受けて、前記液滴Fbの分散媒を蒸発させるための照射強度(乾燥強度)を有したレーザ光Bを出射するようになっている。また、各半導体レーザLDは、それぞれ後述するレーザ駆動回路52からの焼成強度出力信号IL2(図8参照)を受けて、乾燥強度よりも強い照射強度であって、前記液滴Fbの金属微粒子を焼成させるための照射強度(焼成強度)を有したレーザ光Bを出射するようになっている。
各コリメータLz2は、対応する半導体レーザLDからのレーザ光Bを平行光束にして前記集光レンズLz1に導くようになっている。各集光レンズLz1は、コリメータLz2を介したレーザ光Bを、基板2側に集光し、照射口37の直下に配設された反射ミラーMを介して、対応するノズルNの直下、すなわち前記着弾位置Paに、所定のレーザ光断面(ビームスポット)を成形するようになっている。
そして、図7の2点鎖線で示すように、前記液滴Fbが前記着弾位置Paに着弾したときに、対応する半導体レーザLDに前記乾燥強度出力信号IL1が入力されると、乾燥強度のレーザ光Bが、対応する照射口37から出射されて、前記着弾位置Pa(目標吐出位置P)の領域、すなわち液滴Fbに照射される。すると、目標吐出位置Pに位置する液滴Fbの分散媒が蒸発して、その液滴Fbが乾燥される。続いて、その半導体レーザLDに焼成強度出力信号IL2が入力されると、焼成強度のレーザ光Bが、対応する照射口37から出射されて、前記目標吐出位置Pの領域、すなわち乾燥した液滴Fbに照射される。すると、乾燥された液滴Fbの金属微粒子が黒セルC1に相対するサイズで焼成されて、前記ドットDが形成される。尚、本実施形態におけるビームスポットは、前記セルC(液滴Fb)を覆う略円形に成形されているが、これに限られるものではない。
図7に示すように、前記レーザヘッドLHの内部には、前記受光口36に対応したフォトセンサ38が配設されている。各フォトセンサ38には、それぞれ前記受光口36に対応した受光レンズLz3と、フォトダイオード等からなる受光素子39が備えられている。受光レンズLz3は、対応する目標吐出位置P(着弾位置Pa)の領域(液滴Fb)からの前記レーザ光Bの散乱光や反射光等の戻り光Lを受光して、受光素子39に導くようになっている。受光素子39は、受光レンズLz3を介した前記戻り光Lを受光して、受光した光の光学特性(本実施形態では戻り光Lの光量:実光量)に相対する検出信号を逐次出力するようになっている。
尚、本実施形態の受光素子39は、戻り光Lの光学特性として、その実光量に相対する検出信号を出力するようになっているが、これに限らず、例えば戻り光Lの波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布等を、戻り光Lの光学特性として出力する構成にしてもよい。
そして、乾燥強度のレーザ光Bによって液滴Fbが乾燥すると、フォトセンサ38は、受光素子39の出力する検出信号に基づいて、前記液滴Fbの乾燥状態に対応した実光量に相対する光量データ(実光量データDAI)を、後述するレーザ駆動回路52(図8参照)に出力するようになっている。すなわち、フォトセンサ38は、乾燥する前の液滴Fbからの実光量に相対する実光量データDAIを出力し、その後に、乾燥した液滴Fbからの実光量に相対する実光量データDAIを出力するようになっている。
また、焼成強度のレーザ光Bによって液滴Fbの金属微粒子が焼成されると、フォトセンサ38は、受光素子39の出力する検出信号に基づいて、焼成した液滴Fb(ドットD)からの実光量に相対する実光量データDAIが出力するようになっている。
尚、本実施形態では、着弾位置Paの液滴Fbが乾燥されるに連れて、戻り光Lの実光量が増大し、着弾位置Paの液滴Fbが焼成されるに連れて、さらに、戻り光Lの実光量が増大するようになっているが、これに限られるものではない。
次に、上記のように構成した液滴吐出装置20の電気的構成を図8に従って説明する。
図8において、制御装置40には、入力装置41から各種データを受信するI/F部42と、CPU等からなる制御部43、各種データを格納するRAM44、各種制御プログラム(例えば、識別コード10を製造するためのコード製造プログラムや吐出ヘッドFHを洗浄するためのメンテナンスプログラム)を格納するROM45が備えられている。また、制御装置40には、前記圧電素子駆動信号COMを生成する駆動信号生成回路46、各種駆動信号を同期するためのクロック信号を生成する発振回路47、各種駆動信号を送信するI/F部48が備えられている。そして、制御装置40では、これらI/F部42、制御部43、RAM44、ROM45、駆動信号生成回路46、発振回路47及びI/F部48が、バス49を介して接続されている。
入力装置41は、予め試験等に基づいて求めた前記乾燥強度と、その乾燥強度のレーザ光Bによって乾燥した液滴Fbからの実光量(乾燥光量)が、既定形成式の乾燥照射データIaとして入力されるようになっている。また、入力装置41は、予め試験等に基づいて求めた前記焼成強度と、その焼成強度のレーザ光Bによって乾燥した液滴Fbからの実光量(焼成光量)が、既定形成式の焼成照射データIbとして入力されるようになっている。さらに、入力装置41は、前記基板2の製品番号やロット番号等の識別データを公知の方法で2次元コード化した識別コード10の画像を既定形式の描画データIcとして入力されるようになっている。
I/F部42は、入力装置41からの前記乾燥照射データIa、前記焼成照射データIb及び前記描画データIcを受信するようになっている。
制御部43は、I/F部42の受信した乾燥照射データIa及び焼成照射データIbに所定の展開処理を施し、前記半導体レーザLDに印加する前記乾燥強度出力信号IL1及び焼成強度出力信号IL2を生成するようになっている。そして、制御部43は、これら乾燥強度出力信号IL1及び焼成強度出力信号IL2を、I/F部48を介して、後述するレーザ駆動回路52(スイッチ回路63)に出力するようになっている。
また、制御部43は、前記乾燥照射データIa及び焼成照射データIbに所定の展開処理を施し、前記フォトセンサ38からの実光量データDAIに基づく実光量が、前記乾燥光量に相対するか否かを規定する目標乾燥光量データDDIと、前記実光量が、前記焼成光量に相対するか否かを規定する目標焼成光量データDCIを生成する。そして、制御部43は、生成した目標乾燥光量データDDIと目標焼成光量データDCIを、I/F部48を介して、後述するレーザ駆動回路52(比較回路62)に出力するようになっている。
制御部43は、I/F部42の受信した描画データIcに所定の展開処理を施し、二次元描画平面(コード形成領域S)上における各セルCに、液滴Fbを吐出するか否かを示す吐出位置情報としてのビットマップデータBMDを生成してRAM44に格納する。このビットマップデータBMDは、前記各セルCに対応して16×16ビットのビット長を有したシリアルデータであり、各ビットの値(本実施形態では0あるいは1)に応じて、圧電素子PZのオンあるいはオフを規定するシリアルデータである。そして、制御部43
は、I/F部48を介して、前記ビットマップデータBMDを、発振回路47の生成するクロック信号に同期させた吐出制御信号SIとして、後述するヘッド駆動回路51(シフトレジスタ56)に順次シリアル転送する。また、制御部43は、転送した吐出制御信号SIをラッチするためのラッチ信号LATをヘッド駆動回路51に出力するようになっている。
また、制御部43は、前記描画データIcに所定の展開処理を施し、前記圧電素子PZに印加する圧電素子駆動信号COMの波形データを生成して、駆動信号生成回路46に出力するようになっている。駆動信号生成回路46は、制御部43からの波形データに基づいて、各圧電素子PZに印加する前記圧電素子駆動信号COMを生成する。そして、制御部43は、駆動信号生成回路46の生成した前記圧電素子駆動信号COMを、後述するヘッド駆動回路51(スイッチ回路59)に出力するようになっている。
制御装置40には、I/F部48を介して、吐出制御手段を構成するヘッド駆動回路51、照射制御手段を構成するレーザ駆動回路52、基板検出装置53、X軸モータ駆動回路54及びY軸モータ駆動回路55が接続されている。
ヘッド駆動回路51には、シフトレジスタ56、ラッチ回路57、レベルシフタ58及びスイッチ回路59が備えられている。シフトレジスタ56は、制御装置40(制御部43)からの吐出制御信号SIを、各圧電素子PZに対応させてシリアル/パラレル変換する。ラッチ回路57は、シフトレジスタ56のパラレル変換した吐出制御信号SIを、制御装置40(制御部43)から入力されるラッチ信号LATによってラッチし、ラッチした吐出制御信号SIを、レベルシフタ58及びレーザ駆動回路52(遅延パルス生成回路61)に出力する。レベルシフタ58は、ラッチ回路57のラッチした吐出制御信号SIを、スイッチ回路59が駆動する電圧まで昇圧して、各圧電素子PZに対応する開閉信号GSを生成する。スイッチ回路59には、各圧電素子PZに対応する図示しないスイッチ素子が備えられ、各スイッチ素子の入力側には、共通する前記圧電素子駆動信号COMが入力され、出力側には、それぞれ対応する圧電素子PZに接続されている。
そして、各スイッチ素子には、レベルシフタ58からの対応する前記開閉信号GSが入力され、前記開閉信号GSに応じて、対応する圧電素子PZに共通の圧電素子駆動信号COMを供給するか否かを制御するようになっている。すなわち、本実施形態の液滴吐出装置20は、駆動信号生成回路46の生成した圧電素子駆動信号COMを、各スイッチ素子を介して対応する各圧電素子PZに共通に印加するとともに、そのスイッチ素子の開閉を、制御装置40(制御部43)からの吐出制御信号SI(開閉信号GS)で制御するようにしている。そして、スイッチ素子が閉じると、そのスイッチ素子に対応する圧電素子に前記圧電素子駆動信号COMが供給されて、同圧電素子PZに対応するノズルNから液滴Fbが吐出される。
レーザ駆動回路52には、遅延パルス生成回路61、比較回路62及びスイッチ回路63が備えられている。
遅延パルス生成回路61は、前記ラッチ回路57のラッチした吐出制御信号SIを、所定の時間(待機時間T)だけ遅延させたパルス信号(乾燥開始信号SS1)を生成し、その乾燥開始信号SS1をスイッチ回路63に出力する。尚、本実施形態における前記待機時間Tは、予め試験等に基づいて計測した時間であって、各圧電素子PZの吐出動作の開始時(圧電素子駆動信号COMの立ち上がる時)から液滴Fbが着弾するまでの時間である。
比較回路62には、制御装置40からの前記目標乾燥光量データDDI、前記目標焼成光量データDCI、各フォトセンサ38からの実光量データDAIが入力される。そして
、比較回路62は、各フォトセンサ38からの実光量データDAIに基づく実光量と前記目標乾燥光量データDDIに基づく乾燥光量とを比較するようになっている。そして、比較回路62は、各液滴Fbからの実光量が乾燥光量になるときに、それぞれ対応する目標吐出位置Pの液滴Fbが乾燥されたことを示す信号(焼成開始信号SS2)を生成して、その焼成開始信号SS2を前記スイッチ回路63に出力するようになっている。また、比較回路62は、各フォトセンサ38からの実光量データDAIに基づく実光量と前記目標焼成光量データDCIに基づく焼成光量とを比較するようになっている。そして、比較回路62は、各液滴Fbからの実光量が焼成光量になるときに、それぞれ対応する目標吐出位置Pの液滴Fb(金属微粒子)が焼成されたことを示す信号(照射終了信号SS3)を生成して、その照射終了信号SS3をスイッチ回路63に出力するようになっている。
スイッチ回路63には、各半導体レーザLDに対応する図示しないスイッチ素子が備えられて、各スイッチ素子の入力側には、前記制御装置40からの乾燥強度出力信号IL1及び焼成強度出力信号IL2が入力され、各スイッチ素子の出力側には、各半導体レーザLDが接続されている。そして、各スイッチ素子には、遅延パルス生成回路61からの乾燥開始信号SS1、比較回路62からの焼成開始信号SS2、照射終了信号SS3が入力されるようになっている。そして、各スイッチ素子は、これら乾燥開始信号SS1、焼成開始信号SS2及び照射終了信号SS3に応じて、各半導体レーザLDに、対応する乾燥強度出力信号IL1もしくは焼成強度出力信号IL2の供給をするか否かを制御するようになっている。
すなわち、スイッチ回路63は、遅延パルス生成回路61からの乾燥開始信号SS1を受けて、制御装置40からの前記乾燥強度出力信号IL1を、対応する半導体レーザLDに出力するようになっている。また、スイッチ回路63は、比較回路62からの焼成開始信号SS2を受けて、制御装置40からの前記焼成強度出力信号IL2を、対応する半導体レーザLDに出力するようになっている。そして、スイッチ回路63は、比較回路62からの照射終了信号SS3を受けて、対応する半導体レーザLDへの焼成強度出力信号IL2の供給を停止するようになっている。
制御装置40には、I/F部48を介して基板検出装置53が接続されている。基板検出装置53は、基板2の端縁を検出し、制御装置40によって吐出ヘッドFH(ノズルN)の直下を通過する基板2(セルC)の位置を算出する際に利用される。
制御装置40には、I/F部48を介してX軸モータ駆動回路54が接続され、X軸モータ駆動回路54にX軸モータ駆動制御信号を出力するようになっている。X軸モータ駆動回路54は、制御装置40からのX軸モータ駆動制御信号に応答して、前記基板ステージ23を往復移動させるX軸モータMXを正転又は逆転させるようになっている。
制御装置40には、前記X軸モータ駆動回路54を介してX軸モータ回転検出器54aが接続され、X軸モータ回転検出器54aからの検出信号が入力されるようになっている。制御装置40は、この検出信号に基づいて、X軸モータMXの回転方向及び回転量を検出し、吐出ヘッドFH(ノズルN)に対する基板ステージ23(セルC)のX矢印方向の移動量と、移動方向とを演算するようになっている。
制御装置40には、I/F部48を介してY軸モータ駆動回路55が接続され、Y軸モータ駆動回路55にY軸モータ駆動制御信号を出力するようになっている。Y軸モータ駆動回路55は、制御装置40からのY軸モータ駆動制御信号に応答して、前記キャリッジ29を往復移動させるY軸モータMYを正転又は逆転させ、同キャリッジ29を往復移動するようになっている。
制御装置40には、前記Y軸モータ駆動回路55を介してY軸モータ回転検出器55aが接続され、Y軸モータ回転検出器55aからの検出信号が入力されるようになっている。制御装置40は、Y軸モータ回転検出器55aからの検出信号に基づいて、Y軸モータMYの回転方向及び回転量を検出し、キャリッジ29のY矢印方向の移動方向及び移動量を演算するようになっている。
次に、液滴吐出装置20を使用して識別コード10を形成する方法について説明する。
まず、図5に示すように、往動位置に位置する基板ステージ23上に、基板2を、裏面2bが上側になるように配置固定する。このとき、基板2のX矢印方向側の辺は、案内部材26より反X矢印方向側に配置されている。また、キャリッジ29は、基板2がX矢印方向に移動したとき、各ノズルN(受光口36及び照射口37)の直下(着弾位置Pa)を、識別コード10を形成する前記セルC(黒セルC1)の中心位置(目標吐出位置P)が通過する位置にセットされている。
この状態から、制御装置40は、X軸モータMXを駆動制御し、基板ステージ23を介して、基板2をX矢印方向に搬送させる。やがて、基板検出装置53が基板2のX矢印方向側の端縁を検出すると、制御装置40は、X軸モータ回転検出器54aからの検出信号に基づいて、1列目のセルC(黒セルC1)の目標吐出位置Pが、対応するノズルNの着弾位置Paまで搬送されたかどうか演算する。
この間、制御装置40は、入力装置41からの乾燥照射データIa及び焼成照射データIbに基づいて、乾燥強度出力信号IL1及び焼成強度出力信号IL2を生成し、これら乾燥照射データIa及び焼成照射データIbをレーザ駆動回路52のスイッチ回路63に出力する。また、制御装置40は、入力装置41からの乾燥照射データIa及び焼成照射データIbに基づいて、目標乾燥光量データDDI及び目標焼成光量データDCIを生成し、これら目標乾燥光量データDDI及び目標焼成光量データDCIを、レーザ駆動回路52の比較回路62に出力する。さらに、制御装置40は、入力装置41からの描画データIcに基づいて、前記圧電素子駆動信号COMの波形データを生成し、駆動信号生成回路46の生成した圧電素子駆動信号COMを、ヘッド駆動回路51のスイッチ回路59に出力する。
そして、制御装置40は、入力装置41からの描画データIcに基づいて、前記ビットマップデータBMDを生成してRAM44に格納し、RAM44に格納したビットマップデータBMDに基づく吐出制御信号SIをヘッド駆動回路51のシフトレジスタ56に出力する。そして、制御装置40は、ラッチ信号LATを出力するタイミングを待つ。
ここで、1列目の黒セルC1の目標吐出位置Pが着弾位置Paに搬送されると、制御装置40は、Y軸モータ駆動回路55を駆動制御して基板ステージ23の搬送を停止させ、前記ラッチ信号LATを、ヘッド駆動回路51に出力する。
ヘッド駆動回路51は、制御装置40からのラッチ信号LATを受けると、吐出制御信号SIに基づいて開閉信号GSを生成して、その開閉信号GSを、スイッチ回路59に出力する。そして、閉じた状態のスイッチ素子に対応する圧電素子PZに、圧電素子駆動信号COMを供給して、対応するノズルNから、圧電素子駆動信号COMに相対する液滴Fbを一斉に吐出する。
一方、レーザ駆動回路52の遅延パルス生成回路61は、前記ラッチ信号LATがヘッド駆動回路51に入力されると、ラッチ回路57のラッチした吐出制御信号SIを受けて、乾燥開始信号SS1の生成を開始し、その乾燥開始信号SS1を、スイッチ回路63に出力するタイミングを待つ。
そして、前記圧電素子駆動信号COMの立ち上がる時から待機時間Tだけ経過すると、レーザ駆動回路52は、遅延パルス生成回路61の生成した乾燥開始信号SS1をスイッチ回路63に出力し、対応する半導体レーザLDに、乾燥強度出力信号IL1を供給する。すると、対応する半導体レーザLDから乾燥強度のレーザ光Bが一斉に出射されて、対応する目標吐出位置Pの領域、すなわち液滴Fbに、乾燥強度のレーザ光Bが照射される。これによって、目標吐出位置Pに位置する液滴Fbの分散媒が蒸発して、液滴Fbの乾燥が開始される。
この間、フォトセンサ38は、戻り光Lの実光量に相対する実光量データDAIを比較回路62に出力し、比較回路62は、フォトセンサ38からの実光量データDAIに基づく実光量と目標乾燥光量データDDIに基づく乾燥光量とを比較して、焼成開始信号SS2を、スイッチ回路63に出力するタイミングを待つ。
そして、乾燥強度のレーザ光Bによって液滴Fbが乾燥すると、レーザ駆動回路52は、各液滴Fbの乾燥したタイミングで、比較回路62からの焼成開始信号SS2をスイッチ回路63に出力し、対応する半導体レーザLDに、それぞれ焼成強度出力信号IL2を供給する。すると、対応する半導体レーザLDから、焼成強度のレーザ光Bが出射されて、対応する目標吐出位置Pの領域、すなわち乾燥した液滴Fbに、焼成強度のレーザ光Bが照射される。これによって、目標吐出位置Pに位置する液滴Fbの金属微粒子の焼成が開始される。
この間、フォトセンサ38は、戻り光Lの実光量に相対する実光量データDAIを比較回路62に出力し、比較回路62は、フォトセンサ38からの実光量データDAIに基づく実光量と目標焼成光量データDCIに基づく焼成光量とを比較して、照射終了信号SS3を、スイッチ回路63に出力するタイミングを待つ。
そして、液滴Fbの金属微粒子が焼成されると、レーザ駆動回路52は、比較回路62からの照射終了信号SS3をスイッチ回路63に出力し、対応する半導体レーザLDへの焼成強度出力信号IL2の供給を停止してレーザ光Bの出射を終了する。
つまり、1列目の黒セルC1(目標吐出位置P)に着弾した液滴Fbには、対応する半導体レーザLDから、乾燥強度のレーザ光Bが一斉に照射され、各液滴Fbが乾燥したタイミングで、それぞれ焼成強度のレーザ光Bが照射される。そして、各液滴Fbの金属微粒子が焼成したタイミングで、それぞれレーザ光Bの照射が終了する。これによって、1列目の全ての黒セルC1にドットDが形成される。
以後、同様に、制御装置40は、基板2をX矢印方向に移動させて、各列の黒セルC1(目標吐出位置P)が着弾位置Paに位置する毎に、対応するノズルNから、液滴Fbを一斉に吐出し、着弾した液滴Fbに対して、一斉に乾燥強度と焼成強度のレーザ光Bを照射させる。
そして、コード形成領域Sに形成される識別コード10の全てドットDを形成されると、制御装置40は、X軸モータMXを制御して、基板2を吐出ヘッドFHの下方位置から退出させる。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、液滴吐出装置20のキャリッジ29に、乾燥強度と焼成強度のレーザ光Bを選択可能な半導体レーザLDと、液滴Fbに照射した前記レーザ光Bの戻り光Lを検出するフォトセンサ38を配設するようにした。そして、目標吐出位置P
に着弾した液滴Fbに乾燥強度のレーザ光Bを照射して、フォトセンサ38からの実光量データDAIが、予め設定された目標乾燥光量データDDIとなるタイミングで、前記液滴Fbに焼成強度のレーザ光Bを照射するようにした。そして、フォトセンサ38からの実光量データDAIが、予め設定された目標焼成光量データDCIとなるタイミングで、前記焼成強度のレーザ光Bの照射を停止するようにした。
その結果、目標吐出位置Pに着弾した各液滴Fbを、確実に乾燥して焼成することができ、基板2に密着したドットDを形成することができる。従って、液滴Fbの乾燥不足や焼成不足に起因したドットDの抜けを回避することができ、ドットD(識別コード10)の生産性を向上することができる。
(2)上記実施形態によれば、フォトセンサ38によって、液滴Fbからの戻り光Lの光量を検出するようにした。その結果、例えば戻り光Lの有無のみを検出する場合に比べて、液滴Fbの乾燥状態や焼成状態を、より詳細に検出することができ、液滴Fbの乾燥不足や焼成不足を、さらに回避することができる。
(3)上記実施形態によれば、液滴Fbを乾燥・焼成するレーザ光Bの戻り光Lを検出するようにした。その結果、液滴Fbの乾燥状態や焼成状態を検出するための光の光源を別途設けることなく、液滴Fbの乾燥不足や焼成不足を回避することができる。従って、より簡便な構成によって、ドット(識別コード10)の生産性を向上することができる。
(4)上記実施形態によれば、レーザ駆動回路52(比較回路62)によって、フォトセンサ38からの実光量データDAIと、予め設定した乾燥強度出力信号IL1(焼成強度出力信号DCI)を比較するようにした。そして、比較回路62からの焼成開始信号SS2及び照射終了信号SS3に基づいて、乾燥強度と焼成強度のレーザ光Bを照射するようにした。
その結果、各液滴Fbの乾燥されたタイミングで、それぞれ焼成強度のレーザ光Bを照射することができ、各液滴Fbの焼成されたタイミングで、それぞれレーザ光Bの照射を停止することができる。従って、各液滴Fbの間の乾燥状態や焼成状態を均一にすることができ、確実に液滴Fbの乾燥不足や焼成不足を回避することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、図9に従って説明する。尚、第2実施形態では、液滴吐出装置20の長期間の未使用等によって、ノズルNの一部に目詰まりが発生し、第1実施形態における黒セルC1の一部に、対応する液滴Fbが着弾していない場合の構成について説明する。図9は、第2実施形態の液滴吐出装置20の電気的構成を説明する電気ブロック回路図である。
図9において、入力装置41は、予め試験等に基づいて求めた基板2(裏面2b)からの戻り光Lの光量、すなわち目標吐出位置Pに液滴Fbが着弾していない状態の戻り光Lの光量(基板反射光量)が、既定形式の着弾検出強度データIdとして入力されるようになっている。吐出位置決定手段を構成する制御部43は、I/F部42の受信した前記着弾検出強度データIdに所定の展開処理を施し、実光量データDAIに基づく実光量が、前記基板反射光量に相対するか否かを規定する非着弾光量データDNIを生成するようになっている。そして、制御部43は、生成した非着弾光量データDNIを、I/F部48を介して、レーザ駆動回路52(比較回路62)に出力するようになっている。
レーザ駆動回路52の比較回路62には、第1実施形態の目標乾燥光量データDDI、目標焼成光量データDCI、実光量データDAI及び制御装置40からの前記非着弾光量データDNIが入力されるようになっている。そして、比較回路62は、各フォトセンサ
38からの実光量データDAIに基づく実光量と、前記非着弾光量データDNIに基づく前記基板反射光量とを比較するようになっている。そして、比較回路62は、実光量が前記基板反射光量になるときに、対応する目標吐出位置Pに対して液滴Fbが着弾していないことを示す信号(非着弾検出信号SS4)を生成し、その非着弾検出信号SS4を、後述する着弾データ生成回路65に出力するようになっている。また、比較回路62は、実光量が前記基板反射光量になるときに、対応するスイッチ回路63のスイッチ素子に、照射終了信号SS3を出力して、対応する半導体レーザLDからのレーザ光Bの出射を終了させるようになっている。
図9に示すように、レーザ駆動回路52には、着弾データ生成回路65が備えられている。
着弾データ生成回路65には、前記比較回路62からの前記非着弾検出信号SS4が入力されるようになっている。そして、着弾データ生成回路65は、各列の目標吐出位置Pが着弾位置Paに搬送される毎に、各列の16個のセルC(ノズルN)に対応させて、非着弾検出信号SS4に対応したビットの値(本実施形態では1)と、それ以外のビットの値(本実施形態では0)とからなるデータを生成し、16×16ビットのビット長を有したシリアルデータ(着弾位置情報としての着弾データATD)を生成するようになっている。そして、着弾データ生成回路65は、前記着弾データATDを、制御装置40に出力するようになっている。すなわち、着弾データ生成回路65は、フォトセンサ38からの実光量データDAIに基づいて、各黒セルC1に液滴Fbが着弾したか否かを示す着弾データATDを生成し、その着弾データATDを、制御装置40に出力するようになっている。
制御部43は、レーザ駆動回路52(着弾データ生成回路65)からの着弾データATDを受けて、RAM44に格納したビットマップデータBMDと着弾データATDとを比較し、前記圧電素子PZをオンさせたときの着弾位置Paの黒セルC1に、それぞれ液滴Fbが着弾したか否かを判断する。
そして、制御部43は、液滴Fbの着弾していない黒セルC1(非着弾セルC1n)が有ると判断すると、予めROM45に格納されるメンテナンスプログラムを読み出し、前記メンテナンスユニットMU(図5参照)に、吐出ヘッドFHの洗浄を実行させるようになっている(吐出ノズルNの目詰まりを解消するようになっている)。そして、制御部43は、前記ビットマップデータBMD及び前記着弾データATDに基づいて、前記非着弾セルC1nの目標吐出位置Pが着弾位置Paに位置するときに、対応する圧電素子PZをオンさせるためのビットマップデータBMDを生成して、RAM44に格納したビットマップデータBMDを更新するようになっている。
次に、液滴吐出装置20を使用して前記非着弾セルC1nにドットDを形成する方法について説明する。
今、液滴吐出装置20の長期間の未使用等によって、図6に示す吐出ヘッドFHの最もY矢印方向側のノズルN(第1ノズルN1)に目詰まりが生じているものとする。
まず、第1実施形態に示すように、制御装置40は、基板2を往動位置からX矢印方向に移動させて、各列の目標吐出位置Pが着弾位置Paに位置する毎に、対応する圧電素子PZをオンさせて、着弾した液滴Fbに、乾燥強度と焼成強度のレーザ光Bを順次照射させる。すると、前記第1ノズルN1に対応する1行目以外の黒セルC1にドットDが形成され、1行目の全ての黒セルC1が、前記非着弾セルC1nとなる。
この間、レーザ駆動回路52は、非着弾光量データDNIに基づく基板反射光量と各フォトセンサ38からの実光量データDAIに基づく実光量とを比較し、目標焼成光量デー
タDCIに基づく焼成光量と前記実光量とを比較する。そして、レーザ駆動回路52は、実光量が基板反射光量になるときに、すなわち1行目の各黒セルC1の目標吐出位置Pに乾燥強度のレーザ光Bが照射される毎に、前記非着弾検出信号SS4を生成する。また、レーザ駆動回路52は、実光量が焼成光量になるときに、すなわち1行目以外の黒セルC1にドットDが形成される毎に、照射終了信号SS3を生成する。そして、レーザ駆動回路52は、前記非着弾検出信号SS4と前記照射終了信号SS3に基づいて、1行目の黒セルC1に液滴Fbが着弾していないことを示す着弾データATDを生成し、その着弾データATDを制御装置40に出力する。
制御装置40は、レーザ駆動回路52からの着弾データATDを受けて、RAM44に格納したビットマップデータBMDと前記着弾データATDとを比較し、非着弾セルC1nの有無を判断する。そして、1行目の黒セルC1が非着弾セルC1nであると判断すると、制御装置40は、メンテナンスプログラムを実行する。すなわち、制御装置40は、基板2及びキャリッジ29を、それぞれ往動位置まで移動させて、前記メンテナンスユニットMUに、吐出ヘッドFHの洗浄を実行させる。そして、第1ノズルN1の目詰まりを解消する。
メンテナンスプログラムを実行すると、制御部43は、前記ビットマップデータBMD及び前記着弾データATDに基づいて、前記1行目の目標吐出位置Pが着弾位置Paに位置するときに、対応する圧電素子PZをオンさせるビットマップデータBMDを生成し、RAM44に格納したビットマップデータBMDを更新する。
続いて、制御装置40は、キャリッジ29を往動位置からY矢印方向に移動させて、基板2がX矢印方向に移動したとき、各ノズルNの直下(着弾位置Pa)を、識別コード10を形成する前記セルC(黒セルC1)の中心位置(目標吐出位置P)が通過する位置にセットさせる。
キャリッジ29をセットすると、制御装置40は、再び基板2を往動位置からX矢印方向に移動させて、1行目の目標吐出位置Pが着弾位置Paに位置する毎に、第1ノズルN1に対応する圧電素子PZをオンさせ、着弾した液滴Fbに、乾燥強度と焼成強度のレーザ光Bを順次照射させる。これによって、前記第1ノズルN1に対応する1行目以外の黒セルC1にドットDが形成されて、全ての黒セルC1にドットDが形成される。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、各フォトセンサ38からの実光量データDAIに基づく実光量と非着弾光量データDNIに基づく基板反射光量とを比較するようにした。そして、実光量が基板反射光量になるときに、非着弾検出信号SS4を生成して、全ての黒セルC1に、液滴Fbが着弾したか否かを示す着弾データATDを生成するようにした。
その結果、液滴Fbを乾燥・焼成する工程において、目標吐出位置PのドットDの有無を検出することができる。従って、ドットDの有無(識別コード10)を検査するための検査工程を削減することができ、ドットD(識別コード10)の生産性を向上することができる。
(2)上記実施形態によれば、着弾データATDとRAM44に記憶したビットマップデータBMDを比較して、非着弾セルC1nの有無を判断し、非着弾セルC1nが有ると判断したときに、ノズルNの目詰まりを解消するメンテナンスプログラムを実行するようにした。そして、非着弾セルC1nが着弾位置Paに位置するときに、対応する圧電素子PZをオンさせるためのビットマップデータBMDを生成し、そのビットマップデータBMDに基づいて、非着弾セルC1nにドットDを形成するようにした。
その結果、ノズルNの目詰まり等によるドットDの形成不良を解消することができ、ドットD(識別コード10)の生産性を、さらに向上することができる。
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、乾燥あるいは焼成するためのレーザ光Bの戻り光Lを検出する構成にした。これに限らず、例えば、分散媒にのみ吸収される波長領域の光を別途液滴Fbに照射し、着弾した液滴Fbからの前記波長領域の光を検出する構成にしてもよい。この際、前記波長領域の光を検出したとき、すなわち液滴Fbの分散媒が乾燥したときに、前記レーザ光Bの照射強度を、乾燥強度から焼成強度に切り替えるのが好ましい。
すなわち、液滴Fb(目標吐出位置P)に対して、レーザ光Bと異なる光を照射する光源を別途設け、その光源の照射した光の液滴Fbからの散乱光、反射光、透過光等を検出する構成にしてもよい。これによれば、液滴Fbの乾燥状態や焼成状態を検出するための光の選択範囲を拡大することができる。その結果、液滴Fbの乾燥終了時や焼成終了時を検出する検出精度を向上することができる。従って、液滴Fbの乾燥状態や焼成状態を、より正確に検出することができ、ひいては液滴Fbの乾燥不足や焼成不足を、確実に回避することができる。
○上記実施形態では、液滴Fbからの戻り光Lの光量を検出する構成にした。これに限らず、例えば、フォトセンサ38に、多数のフォトダイオードからなるフォトダイオードアレイや特定の波長領域の光を得るための分光素子、さらには干渉計等を設け、液滴Fbからの光の少なくとも光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布のいずれか1つを検出する構成にしてもよい。
この構成によれば、例えば液滴Fbからの光の光量計測や干渉計による測長(位相分布の計測)、さらには空間的な強度分布の計測によって、その乾燥状態に応じた液滴Fbの大きさや表面状態を検出することができる。また、液滴Fbからの光の波長分布の計測やピーク波長の変化を計測することによって、その乾燥状態に応じた液滴Fbの光吸収状態を検出することができる。さらには、液滴Fbからの光の偏向状態の変化を計測することによって、液滴Fbが、液体から固体に変わるタイミングを検出することができる。
従って、液滴Fbの乾燥状態や焼成状態を、液滴Fbの構成材料や形状、サイズ等に応じて、より正確に検出することができる。
○上記実施形態では、照射するレーザ光Bの照射強度を制御する構成にした。これに限らず、例えば、半導体レーザLDの目標吐出位置P側に、半導体レーザLDからのレーザ光Bに所望の位相変調を施す回折素子や空間光変調器、さらには特定の波長を得るための分光素子やビームスポットの形状を所望の形状に変更するスリット等を設ける構成にしてもよい。そして、液滴Fbに対するレーザ光Bの少なくとも光量(照射時間や強度)、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布を、液滴Fbの乾燥状態に対応させて変調制御する構成であってもよい。
詳述すると、例えば、着弾した液滴Fbに対して、まず分散媒の吸収する波長領域のレーザ光Bを、液滴Fbの形状(例えば液滴Fbの厚さや外形)に相対させた乾燥強度の強度分布で、長時間照射するようにしてもよい。続いて、乾燥した液滴Fbに対して、金属微粒子の吸収する波長領域のレーザ光Bを、ドットDの形状(例えばドットDの厚さや外形)に相対させた焼成強度の強度分布で、短時間照射するようにしてもよい。
これによれば、液滴Fbの突沸等を確実に回避することができ、その乾燥条件や焼成条件の範囲を拡張することができる。その結果、液滴Fbの構成材料やそのサイズ等に対応
したレーザ光Bを照射することができ、パターンの生産性を、さらに向上させることができる。
○上記実施形態では、基板ステージ23を停止させた状態で、液滴Fbの吐出と、その液滴Fbの乾燥・焼成を行う構成にした。これに限らず、例えば、ポリゴンミラーやガルバノミラー等の走査光学系を半導体レーザLDの目標吐出位置P側に設け、基板ステージ23をX矢印方向に移動させながら、照射するレーザ光Bを、液滴Fb(基板ステージ23)の移動に相対させて、所定の走査範囲で走査(偏向)する構成にしてもよい。この際、フォトセンサ38の受光可能な領域を、レーザ光Bの走査範囲に相対させて拡大させるのが好ましい。これによれば、パターン形成の処理速度を増加することができ、パターンの生産性を、さらに向上することができる。
○上記実施形態では、レーザヘッドLHをキャリッジ29に搭載する構成にしたが、これに限らず、キャリッジ29以外の部位に配設する構成にしてもよい。さらには、液滴吐出装置20と異なるレーザ照射装置に搭載して、液滴吐出装置20によって着弾させた液滴Fbを、別途レーザ照射装置で乾燥・焼成する構成にしてもよい。
○上記第2実施形態では、非着弾セルC1nが有ると判断したときに、各ノズルNの洗浄と、非着弾セルC1nへのドットDの形成を実行する構成にした。これに限らず、例えば、非着弾セルC1nが有ることを示すメッセージを通知する構成にしてもよい。
○上記第2実施形態では、非着弾セルC1nが有ると判断したときに、各ノズルNの洗浄を実行して、目詰まりしたノズルN(第1ノズルN1)と同じノズルNから、再度非着弾セルC1nに液滴Fbを吐出させる構成にした。これに限らず、例えば、第1ノズルN1と異なるノズルN(目詰まりしていないノズルN)から、非着弾セルC1nに液滴Fbを吐出させる構成にしてもよい。
○上記実施形態では、圧電素子PZを駆動して液滴Fbを吐出するように構成した。これに限らず、例えばキャビティ32内に設けた抵抗素子等の加熱によって気泡を形成し、その気泡の圧力等によって液滴Fbを吐出する構成であってもよく、パターン形成材料を含む機能液Fを、液滴として吐出可能な構成であればよい。
○上記実施形態では、レーザ出力手段を半導体レーザLDで具体化したが、これに限らず、例えば炭酸ガスレーザやYAGレーザであってもよく、黒セルC1内に乾燥あるいは焼成可能な波長領域のレーザ光を出力するものであればよい。
○上記実施形態では、ノズルNの数量分だけ半導体レーザLDを設ける構成にしたが、これに限らず、レーザ光源から出射された単一のレーザ光Bを、回折素子等の分岐素子によって16分割する光学系によって構成してもよい。
○上記実施形態では、ドットDを半円球状に具体化したが、その形状は限定されるものではなく、例えば、その平面形状が楕円形のドットであったり、バーコードを構成するバーのように線状であったりしてもよい。
○上記実施形態では、パターンをドットDに具体化した。これに限らず、例えば、走査線駆動回路4等に接続される金属配線や、その金属配線を電気的に絶縁する絶縁膜等のパターンであってもよい。つまり、パターン形成材料を含む液滴Fbを所望のパターン形成領域に吐出し、前記パターン形成領域に着弾した液滴Fbを乾燥(焼成)することによって形成するパターンであればよい。この構成においても、パターンの生産性を向上することができる。
○上記実施形態では、ドットD(識別コード10)を液晶表示モジュール1に適用した。これに限らず、例えば有機エレクトロルミネッセンス表示装置の表示モジュールであってもよく、あるいは平面状の電子放出素子を備え、同素子から放出された電子による蛍光物質の発光を利用した電界効果型装置(FEDやSED等)を備えた表示モジュールであってもよい。
第1実施形態における液晶表示モジュールの正面図。 同じく、液晶表示モジュールの裏面に形成された識別コードの正面図。 同じく、識別コードの側面図。 同じく、識別コードの構成を説明するための説明図。 同じく、液滴吐出装置の要部斜視図。 同じく、液滴吐出ヘッドを説明するための斜視図。 同じく、液滴吐出ヘッドを説明するための要部概略断面図。 同じく、液滴吐出装置の電気的構成を説明するための電気ブロック回路図。 第2実施形態における液滴吐出装置の電気的構成を説明するための電気ブロック回路図。
符号の説明
2b…被吐出面としての裏面、20…液滴吐出装置、23…基板ステージ、43…吐出位置決定手段を構成する制御部、51…吐出制御手段を構成するヘッド駆動回路、B…レーザ光、BMD…吐出位置情報としてのビットマップデータ、D…パターンとしてのドット、ATD…着弾位置情報としての着弾データ、Fb…液滴、FH…液滴吐出手段を構成する液滴吐出ヘッド、L…戻り光、LD…レーザ照射手段を構成する半導体レーザ、P…目標吐出位置、Pa…着弾位置。

Claims (12)

  1. パターン形成材料を含む液滴を被吐出面に吐出する液滴吐出手段と、前記被吐出面に着弾した前記液滴を乾燥する乾燥手段を備えた液滴吐出装置において、
    前記乾燥手段は、
    前記液滴の目標吐出位置にレーザ光を照射するレーザ照射手段と、
    前記液滴の乾燥状態に対応した前記目標吐出位置の領域からの光を検出する光検出手段と、
    を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出装置において、
    前記光検出手段は、少なくとも前記目標吐出位置の領域からの光の光量、波長、波長分布、偏光状態、位相分布、強度分布のいずれか1つを検出することを特徴とする液滴吐出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液滴吐出装置において、
    前記レーザ照射手段は、前記目標吐出位置の前記液滴を乾燥可能な前記レーザ光を照射することを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 請求項3に記載の液滴吐出装置において、
    前記乾燥手段は、前記光検出手段の検出した前記光の光学特性と、予め設定された前記光学特性に基づいて、前記液滴の乾燥状態に対応した前記レーザ光を照射するように、前記レーザ照射手段を駆動制御する照射制御手段を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液滴吐出装置において、
    前記照射制御手段は、前記目標吐出位置の前記液滴を乾燥するように、少なくとも前記レーザ光の光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布いずれか1つを変調することを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、
    前記目標吐出位置に関する吐出位置情報に基づいて前記液滴吐出手段を駆動制御する吐出制御手段と、
    前記光検出手段の検出した前記目標吐出位置の領域からの光に基づいて、前記液滴の着弾した着弾位置に関する着弾位置情報を生成し、前記吐出位置情報と前記着弾位置情報を比較して、前記液滴の着弾していない前記目標吐出位置を決定する吐出位置決定手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  7. パターン形成材料を含む液滴を被吐出面に吐出し、前記被吐出面に着弾した液滴を乾燥することによってパターンを形成するようにしたパターン形成方法において、
    前記液滴を乾燥するときに、前記液滴の目標吐出位置にレーザ光を照射して、前記液滴の乾燥状態に対応した前記目標吐出位置の領域からの光を検出するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  8. 請求項1に記載のパターン形成方法において、
    少なくとも前記目標吐出位置の領域からの光の光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布のいずれか1つを検出するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  9. 請求項1又は2に記載のパターン形成方法において、
    前記目標吐出位置の前記液滴を乾燥可能な前記レーザ光を照射するようにしたことを特
    徴とするパターン形成方法。
  10. 請求項9に記載のパターン形成方法において、
    前記目標吐出位置の領域からの前記光の光学特性と、予め設定された前記光学特性に基づいて、前記目標吐出位置の前記液滴の乾燥状態に対応した前記レーザ光を照射するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  11. 請求項10に記載のパターン形成において、
    前記目標吐出位置の前記液滴に対応して、少なくとも前記レーザ光の光量、波長、波長分布、偏向状態、位相分布、強度分布のいずれか1つを変調するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
  12. 請求項7〜11のいずれか1つに記載のパターン形成方法において、
    前記目標吐出位置の領域からの光に基づいて、前記液滴の着弾した着弾位置に関する着弾位置情報を生成し、前記目標吐出位置に関する吐出位置情報と前記着弾位置情報を比較して、前記液滴の着弾していない前記目標吐出位置を決定し、決定した前記目標吐出位置に、再度前記液滴を吐出するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013065671A (ja) * 2011-09-16 2013-04-11 Ricoh Co Ltd 薄膜製造装置、該薄膜製造装置により製造した電気機械変換膜、電気機械変換素子、液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置
JP2017087445A (ja) * 2015-11-02 2017-05-25 株式会社リコー 画像形成装置及び画像形成方法

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