JP2014014773A - インクジェット塗装方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面積の大きな盛り上がり塗装層を形成することができるインクジェット塗装方法を提供する。
【解決手段】基材1上にバインダー材料2を塗布してバインダー層3を形成し、次いで、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4をインクジェットによりバインダー層3に向けて吐出する。次いで、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4がバインダー層3に到達する前に、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4に活性エネルギー線を照射し、硬化させる。これによって、バインダー層3上に、硬化した活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の盛り上がり塗装層7を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット塗装方法に関する。
基材上に盛り上がり塗装層を形成するインクジェット塗装方法としては、以下の方法が知られている。
例えば、特許文献1記載の方法では、まず、インクジェットにより塗料主剤を飛ばして基材上に塗布している。次に、基材に塗布した塗料主剤上に、塗料主剤の硬化剤と粒子とを混合したものをインクジェットにより飛ばして塗布することで、基材上に塗料主剤と硬化剤とが反応硬化し且つ表面に粒子が存在する盛り上がり塗装層を形成している。また、特許文献1は以下の方法をも提案している。まず、インクジェットにより塗料を飛ばして基材上に塗布する。次に、基材に塗布した塗料上に、塗料に対する溶媒中に粒子を混入したものをインクジェットにより飛ばして基材上に塗料が硬化し且つ表面に粒子が存在する盛り上がり塗装層を形成する。
特開2008−183482号公報
こうして得られた盛り上がり塗装層は、その表面に、粒子を集中して存在させることができる。ここで、粒子としては、例えば匂いを発生する匂い発生粒子、光触媒粒子、抗菌作用のある抗菌粒子等の機能粒子である。このような機能粒子を盛り上がり塗装層の表面に集中して存在させると、盛り上がり塗装層は、匂い発生機能、光触媒機能、抗菌機能等、機能粒子が有する機能性を効果的に発揮することができる。
このように特許文献1では、機能粒子が有する機能性を効果的に発揮させる方法に関して、盛り上がり塗装層の内部よりも表面に機能粒子を集中して存在させることについて検討している。一方、機能粒子が有する機能性を効果的に発揮させる別のアプローチとして、盛り上がり塗装層の表面積を大きくすることが考えられる。盛り上がり塗装層の表面積が大きければ、より多くの機能粒子を盛り上がり塗装層の表面に存在させることが可能となり、機能粒子が有する機能性をより効果的に発揮させることができるからである。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、表面積の大きな盛り上がり塗装層を形成することができるインクジェット塗装方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明のインクジェット塗装方法は、活性エネルギー線硬化型樹脂材料をインクジェットにより基材上に塗布して盛り上がり塗装層を形成するインクジェット塗装方法であって、基材上にバインダー材料を塗布してバインダー層を形成し、次いで、活性エネルギー線硬化型樹脂材料をインクジェットにより前記バインダー層に向けて吐出し、次いで、前記活性エネルギー線硬化型樹脂材料が前記バインダー層に到達する前に、前記活性エネルギー線硬化型樹脂材料に活性エネルギー線を付与し、硬化させることで、硬化した前記活性エネルギー線硬化型樹脂材料を前記バインダー層に付着させ、前記バインダー層上に盛り上がり塗装層を形成することを特徴とする。
このインクジェット塗装方法においては、バインダー材料をインクジェットにより前記基材上に塗布することで、前記バインダー層を形成することが好ましい。
本発明によれば、表面積の大きな盛り上がり塗装層を形成することができる。
(a)〜(c)は本発明の一実施形態であるインクジェット塗装方法を工程順に説明するために示した模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図1を参照して詳細に説明する。
図1(a)〜(c)は、本発明の一実施形態であるインクジェット塗装方法を工程順に説明するために示した模式図である。
図1(a)に示すように、まず、基材1上にバインダー材料2を塗布してバインダー層3を形成する。このバインダー層3は、後述する活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の硬化物を固定するために形成されるものである。よって、使用されるバインダー材料2は、基材1と結合し、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の硬化物を固定化し得るように、接着性もしくは密着性を有しているものが望ましい。例えば、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂等を用いることができる。
バインダー材料2としては、常温乾燥により硬化する樹脂や、熱や活性エネルギー線を付与して硬化する樹脂等を用いることができる。活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の硬化物がバインダー層3に到達した後、バインダー材料2を硬化させることで、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の硬化物を固定化することができる。
バインダー材料2として、活性エネルギー線で硬化する樹脂を使用する場合には、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4を硬化させる活性エネルギー線とは異なる波長で硬化する樹脂材料であることが好ましい。このような樹脂材料を使用することで、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4に対して活性エネルギー線を付与しても、未硬化のバインダー層に、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の硬化物を付着させることができる。その後、未硬化のバインダー層を硬化させることで、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の硬化物をより効果的に固定化することができる。同様な観点から、常温乾燥により硬化する樹脂や熱硬化性樹脂等、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4とはその硬化方法が異なる樹脂材料を用いることが望ましい。
本実施形態において、基材1は、樹脂材料、木質材材料、窯業系材料、金属材料等、各種材料で形成されるものが使用される。基材1の形状は、シート状、板状等、種々の形状であってもよく、特に制限されるものではない。
次に、図1(b)に示すように、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4をバインダー層3に向けて吐出する。そして、吐出された活性エネルギー線硬化型樹脂材料4がバインダー層3に到達する前に、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4に活性エネルギー線を付与し、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4を硬化させる。
活性エネルギー線硬化型樹脂材料4は、後述する盛り上がり塗装層7を形成するための原料を含む液状物であって、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を付与することにより硬化可能である。例えば、活性エネルギー線硬化型オリゴマー及びモノマーを含み、所望により光重合開始剤を含む材料である。
活性エネルギー線硬化型樹脂材料4には、盛り上がり塗装層7に機能性を付与するために、機能性材料を含有することができる。例えば、匂い発生機能、光触媒機能、抗菌機能等の機能性を付与するために、匂いを発生する匂い発生粒子、酸化チタン等の光触媒粒子、銀等の抗菌作用のある抗菌粒子等の機能粒子を機能性材料として活性エネルギー線硬化型樹脂材料4に含有することができる。
活性エネルギー線硬化型樹脂材料4は、インクジェット装置のノズルヘッド5から液滴8として吐出される。インクジェット装置は公知の装置を使用することができる。このようなインクジェット装置を用いたインクジェット法は、吐出する液滴8の量をピコリットルオーダーの単位で制御可能である。また、液滴8を吐出する位置をμmオーダーの単位で制御可能である。
ノズルヘッド5から吐出された液滴8がバインダー層3に到達する前に、液滴8に向けて、公知の活性エネルギー線付与装置6で活性エネルギー線を照射し、硬化反応させる。これによって、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4を硬化した状態でバインダー層3に付着させる。
硬化した活性エネルギー線硬化型樹脂材料4(活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の硬化物)は、バインダー層3に付着した際の変形量が小さい。このため、図1(c)に示すように、活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の硬化物を、液滴8の形状(略球状)にほぼ維持した状態でバインダー層3に付着することができる。バインダー層3に付着した活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の硬化物は、盛り上がり塗装層7を形成する。形成された盛り上がり塗装層7は、液滴8の形状に維持された活性エネルギー線硬化型樹脂材料4の硬化物で形成されるので、表面積が大きなものとなる。
活性エネルギー線硬化型樹脂材料4に機能性材料を含む場合には、機能性材料が有する機能性が盛り上がり塗装層7に付与される。盛り上がり塗装層7は表面積が大きいので、機能性材料が有する機能性を効果的に発揮することができる。
基材上にバインダー層がなく、また、活性エネルギー線硬化型樹脂材料が未硬化状態の場合には、活性エネルギー線硬化型樹脂が基材に浸透しやすく、盛り上がり塗装層を得ることができない。活性エネルギー線硬化型樹脂が基材に浸透しない場合でも、活性エネルギー線硬化型樹脂は未硬化状態で基材と接触するため変形によって基材との接触面積が大きくなり、形成される盛り上がり塗装層の表面積を大きくすることができない。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。例えば、バインダー材料を基材上に塗布するにあたり、ロールコータ、フローコータ、スプレー塗装による方法で塗布することができる。インクジェット法によって塗布することもできる。インクジェット法は、吐出する液滴の量をピコリットルオーダーの単位で制御可能であり、また、液滴を吐出する位置をμmオーダーの単位で制御可能である。基材上の目的の位置に目的のパターンとなるようにバインダー材料を塗布することができ、バインダー材料のロスを小さくすることができるので、望ましい。
1 基材
2 バインダー材料
3 バインダー層
4 活性エネルギー線硬化型樹脂材料
7 盛り上がり塗装層

Claims (2)

  1. 活性エネルギー線硬化型樹脂材料をインクジェットにより基材上に塗布して盛り上がり塗装層を形成するインクジェット塗装方法であって、基材上にバインダー材料を塗布してバインダー層を形成し、次いで、活性エネルギー線硬化型樹脂材料をインクジェットにより前記バインダー層に向けて吐出し、次いで、前記活性エネルギー線硬化型樹脂材料が前記バインダー層に到達する前に、前記活性エネルギー線硬化型樹脂材料に活性エネルギー線を付与し、硬化させることで、硬化した前記活性エネルギー線硬化型樹脂材料を前記バインダー層に付着させ、前記バインダー層上に盛り上がり塗装層を形成することを特徴とするインクジェット塗装方法。
  2. バインダー材料をインクジェットにより前記基材上に塗布することで、前記バインダー層を形成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット塗装方法。
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