JP6121849B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
従来、被記録媒体に液滴状のインク(以下、単にインク滴という。)を吐出して、被記録媒体に画像や文字を記録する装置として、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)を備えたインクジェットプリンタ(液体噴射装置)がある。
一般に、インクジェットヘッドは、複数のノズル孔からなるノズル列を有するノズルプレートと、ノズル孔に連通する複数のチャネルを有するアクチュエータプレートと、各チャネルそれぞれに連通する共通インク室を有するカバープレートと、を備えている。この構成によれば、チャネル内を収縮させてチャネル内の圧力を上昇させることで、チャネル内のインクをノズル孔から吐出させ、被記録媒体上にインク滴を着弾させるようになっている。
近時では、インクジェットヘッドにレーザヘッドを搭載し、このレーザヘッドから出射される光束を用いてインク滴を乾燥させる技術が開発されている。レーザヘッドは、発光部、及び発光部から出射された光束を集光するレンズ等を主に備えている。
この場合、インクジェットヘッドと被記録媒体とを相対移動させながら、ノズル孔からインク滴を吐出するとともに、被記録媒体上におけるインク滴の着弾位置に向けて光束を照射する。発光部から出射される光束は、レンズで集光された後、被記録媒体上に着弾したインク滴に照射される。
これにより、インク滴を瞬時に乾燥させることができるので、被記録媒体上に着弾したインク滴が濡れ拡がるのを抑制し、微細な印字パターンを得ることができるとされている。
しかしながら、上述の構成にあっては、インクジェットヘッドの外側に別体のレーザヘッドを搭載するため、ノズル孔に対するレーザヘッド(レンズ)の位置決め精度が低いという問題がある。また、ノズル孔とレーザヘッドとの間の距離が長くなるため、被記録媒体上におけるレーザヘッドの照射位置が、インク滴の着弾位置まで移動するのに時間がかかる。
その結果、インク滴への光束の照射精度が低く、インク滴の乾燥に時間がかかるため、インク滴が被記録媒体上に濡れ広がるおそれがある。
そこで、例えば下記特許文献1には、ノズルプレートのうち、ノズル孔に隣接する部分に透過液が導入される照射ノズルと、照射ノズルの上方に配設されたレーザアレイと、を備え、照射ノズルの開口端縁に、透過液の表面張力によってノズルプレートに対して被記録媒体側に向けて突出する液体レンズを形成する構成が開示されている。
この構成によれば、ノズルプレートに液体レンズを配設できるので、ノズル孔と照射ノズル(液体レンズ)との位置精度を向上できるとともに、光束の照射位置とインク滴の着弾位置との距離を短縮できるとされている。
特許第4297066号公報
しかしながら、上述した従来技術のように、液体レンズを用いる場合、正確で安定したレンズ形状を透過液の表面張力により形成することが困難である。この場合、光軸や焦点が不安定になるため、インク滴への光束の照射精度が依然低く、所望の光エネルギーをインク滴に与えることが難しい。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、液体に対して所望の光エネルギーを与え、液滴を効果的に乾燥させることができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る液体噴射ヘッドは、液体を噴射する複数の噴射孔が並設されるとともに、光透過性を有する噴射孔プレートと、前記噴射孔プレートに積層されるとともに、複数のチャネルが間隔をあけて並設されたアクチュエータプレートと、を備え、前記複数のチャネルは、液体が充填されるとともに、前記噴射孔に各別に連通する複数の噴射チャネルと、隣接する前記噴射チャネル間にそれぞれ形成され、内部が気体で満たされたダミーチャネルと、を有し、前記ダミーチャネル内には、前記ダミーチャネル内に満たされた気体を伝搬媒質として、前記噴射孔から噴射された液体を加熱するための光束が前記噴射孔プレートに向けて伝搬されることを特徴としている。
この構成によれば、ダミーチャネル内を伝搬する光束は、噴射孔プレートを透過して外部に出射される。そして、外部に出射された光束が、噴射孔から噴射された液体、または被記録媒体における液体の着弾位置に照射されることで、液体が加熱されることになる。これにより、液体を乾燥させ、液体の粘度を上昇させることができるので、被記録媒体に着弾した液体が濡れ広がるのを抑制できる。その結果、微細な印字パターンを得ることができる。
特に、本発明の構成によれば、既存のダミーチャネルを光束の導光部として機能させることで、光ファイバ等、別体の導光部材を用いることなく光束の出射位置を噴射孔に接近させることができる。
また、ダミーチャネル内に光束を伝搬させることで、従来のように光束を液体に透過させる場合に比べて、光束の光軸や焦点を安定させることができる。
その結果、光束の照射精度を向上できるため、噴射孔から噴射された液体に対して所望の光エネルギーを与えることができる。よって、液体を効率的に乾燥させ、液体が被記録媒体上に濡れ広がるのを確実に抑制できる。
また、別体のレーザヘッドを用いる構成に比べて、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
(2)上記本発明に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記アクチュエータプレートのうち、前記噴射孔プレート側とは反対側には、光束を出射する光源が搭載され、前記光源は、前記複数のダミーチャネルに各別に対応する複数の発光部がアレイ状に配列されてなるアレイレーザであってもよい。
この構成によれば、アクチュエータプレートのうち、噴射孔プレート側とは反対側に光源を搭載することで、ダミーチャネルと光源との間に別体の導光部を設ける必要がないので、簡素化及び低コスト化を図ることができる。
(3)上記本発明に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記噴射孔プレートのうち、前記ダミーチャネルに対応する部分には、前記ダミーチャネル内を伝搬した光束を集光する光学部が配設されていてもよい。
この構成によれば、光束を集光する光学部を噴射孔プレートに配設することで、液体に対してより効率的に光エネルギーを与えることができる。そのため、液体をより効率的に加熱できる。
(4)上記本発明に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記アクチュエータプレートは、前記チャネルの並設方向及び延在方向に直交する厚さ方向に分極されるとともに、互いの分極方向を反対に向けて接合された第1アクチュエータプレート及び第2アクチュエータプレートを備え、前記複数のダミーチャネルの内壁面には、駆動電圧を印加する駆動電極がそれぞれ形成され、前記ダミーチャネル内を伝搬する光束は、前記駆動電極で反射されながら、前記噴射孔プレートに導かれてもよい。
この構成によれば、既存の駆動電極を反射膜として用いることで、コスト増を抑制した上で、ダミーチャネル内において、光束を効率的に伝搬できる。
(5)上記本発明に係る液体噴射ヘッドにおいて、前記アクチュエータプレートのうち、前記噴射孔プレート側とは反対側には、光束を出射する光源が搭載され、前記光源と前記ダミーチャネルとの間には、前記ダミーチャネル内に向けて出射される光束を平行光に変換する平行光変換素子が配設されていてもよい。
この構成によれば、光束が平行光変換素子において、平行光に変換された後、ダミーチャネル内を伝搬するので、ダミーチャネル内でのビーム径の広がりを抑制できる。そのため、光源から噴射孔プレートまでの距離のトレランスが向上し、設計・製造が容易になる。
(7)上記本発明に係る液体噴射装置において、上記本発明の液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる移動機構と、を備えていることを特徴としている。
この構成によれば、上記本発明の液体噴射ヘッドを備えているため、微細な印字パターンを得ることができる。
本発明によれば、液体に対して所望の光エネルギーを与え、液滴を効果的に乾燥させることができる。
インクジェットプリンタの概略構成図である。 インクジェットヘッドの斜視図である。 ヘッドチップの斜視図である。 ヘッドチップの分解斜視図である。 アクチュエータプレートとカバープレートとを分解した状態における拡大斜視図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。 アクチュエータプレートを後端面側から見た斜視図である。 図6のC−C線に相当する断面図である。 インクジェットヘッドの動きを説明するための図であって、図6のD−D線に相当するノズルプレート及び被記録媒体の断面図である。 本実施形態の他の構成を示す図であって、図8に相当する断面図である。 本実施形態の他の構成を示す図であって、図8に相当する断面図である。 本実施形態の他の構成を示す図であって、(a)は図9に相当する断面図であり、(b)は(a)のE矢視図である。 本実施形態の他の構成を示す図であって、図9に相当する断面図である。 本実施形態の他の構成を示す図であって、図9に相当する断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下の実施形態では、本発明の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射装置の一例として、インク(液体)を利用して記録紙等の被記録媒体に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)を例に挙げて説明する。
[プリンタ]
図1はプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、被記録媒体Sを搬送する一対の搬送手段2,3と、被記録媒体Sに図示しないインク(液体)を吐出するインクジェットヘッド4と、インクジェットヘッド4にインクを供給するインク供給手段5と、インクジェットヘッド4を被記録媒体Sの搬送方向(Y方向)と直交する走査方向(X方向)に走査させる走査手段6と、インクジェットヘッド4から吐出されるインク(インク滴)を加熱するインク滴加熱手段7と、を備えている。なお、被記録媒体Sとしては、紙や、樹脂フィルム、ガラス、セラミックス等、種々の材料を用いることができる。
また、本実施形態のプリンタ1には、搬送手段2,3、インクジェットヘッド4、インク供給手段5、走査手段6、及びインク滴加熱手段7等に電気的に接続されて相互に信号を送受信する制御ユニット8が設けられている。なお、図1中符号9は、プリンタ1の外観を構成する筺体9であり、この筺体9に上述した各構成品が搭載されている。また、本実施形態では、Y方向及びX方向の2方向に直交する上下方向をZ方向とする。
一対の搬送手段2,3は、Y方向に間隔をあけて配置されており、一方の搬送手段2がY方向の上流側に位置し、他方の搬送手段3がY方向の下流側に位置している。これら搬送手段2,3は、X方向に延設されたグリッドローラ2a,3aと、このグリッドローラ2a,3aに対して平行に配置されるとともに、グリッドローラ2a,3aとの間で被記録媒体Sを挟み込むピンチローラ2b,3bと、グリッドローラ2a,3aをその軸回りに回転させるモータ等の図示しない駆動機構と、をそれぞれ備えている。
そして、一対の搬送手段2,3のグリッドローラ2a,3aを回転させることで、被記録媒体SをY方向に沿った矢印A方向に搬送することが可能とされている。
インク供給手段5は、インクが収容されたインクタンク10と、インクタンク10及びインクジェットヘッド4間を接続するインク配管11と、を備えている。
図示の例では、インクタンク10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の四色のインクがそれぞれ収容されたインクタンク10Y,10M,10C,10BがY方向に並んで配置されている。インク配管11は、例えば可撓性を有するフレキシブルホースであり、インクジェットヘッド4を支持するキャリッジ16の動作(移動)に追従可能とされている。
走査手段6は、X方向に延び、Y方向に間隔をあけて互いに平行に配置された一対のガイドレール15と、これら一対のガイドレール15に沿って移動可能に配置されたキャリッジ16と、このキャリッジ16をX方向に移動させる駆動機構17と、を備えている。
駆動機構17は、一対のガイドレール15の間に配置され、X方向に間隔をあけて配置された一対のプーリ18と、これら一対のプーリ18の間に巻回されてX方向に移動する無端ベルト19と、一方のプーリ18を回転駆動させる駆動モータ20と、を備えている。
キャリッジ16は、無端ベルト19に連結されており、一方のプーリ18の回転駆動による無端ベルト19の移動に伴ってX方向に移動可能とされている。また、キャリッジ16には、複数のインクジェットヘッド4がX方向に並んだ状態で搭載されている。図示の例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各インクをそれぞれ吐出する4つのインクジェットヘッド4、すなわちインクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bがキャリッジ16に搭載されている。なお、上述した搬送手段2,3及び走査手段6により、インクジェットヘッド4と被記録媒体Sとを相対的に移動させる搬送手段を構成している。
<インクジェットヘッド>
次に、上述したインクジェットヘッド4について詳述する。図2は、インクジェットヘッド4の斜視図である。なお、インクジェットヘッド4Y,4M,4C,4Bは、供給されるインクの色以外は何れも同一の構成からなるため、以下の説明では、まとめてインクジェットヘッド4として説明する。
図2に示すように、インクジェットヘッド4は、キャリッジ16に固定される固定プレート25と、この固定プレート25上に固定されたヘッドチップ26と、インク供給手段5から供給されたインクを、ヘッドチップ26の後述するインク導入孔41a(図3参照)にさらに供給するインク供給部27と、ヘッドチップ26に駆動電圧を印加する制御手段28と、を備えている。
インクジェットヘッド4は、駆動電圧が印加されることで、各色のインクを所定の吐出量で吐出する。このとき、インクジェットヘッド4が走査手段6によりX方向に移動することで、被記録媒体Sにおける所定範囲に記録を行うことができ、この走査を搬送手段2,3により被記録媒体SをY方向に搬送しながら繰り返し行うことで、被記録媒体Sの全体に記録を行うことが可能となる。
固定プレート25には、アルミ等の金属製のベースプレート30がZ方向に沿って起立した状態で固定されているとともに、ヘッドチップ26の後述するインク導入孔41aにインクを供給する流路部材31が固定されている。流路部材31の上方には、インクを貯留する貯留室を内部に有する圧力緩衝器32がベースプレート30に支持された状態で配置されている。そして、流路部材31と圧力緩衝器32とはインク連結管33を介して連結され、圧力緩衝器32にはインク配管11が接続されている。
そして、圧力緩衝器32は、インク配管11を介してインクが供給されると、インクを内部の貯留室内に一旦貯留した後、所定量のインクをインク連結管33及び流路部材31を介してインク導入孔41aに供給する。
なお、これら流路部材31、圧力緩衝器32及びインク連結管33により、上述したインク供給部27を構成している。
また、固定プレート25には、ヘッドチップ26を駆動するための集積回路等の制御回路(駆動回路)35が搭載されたIC基板36が取り付けられている。この制御回路35と、ヘッドチップ26の後述するコモン電極50及びダミー電極52と、は、図示しない配線パターンがプリント配線されたフレキシブル基板37を介して電気接続されている。これにより、制御回路35は、フレキシブル基板37を介してコモン電極50とダミー電極52との間に駆動電圧を印加することが可能とされる。
そして、これら制御回路35が搭載されたIC基板36、及びフレキシブル基板37により、上述した制御手段28を構成している。なお、IC基板36には、上述した制御ユニット8がフレキシブル基板21(図1参照)を介して接続される。
(ヘッドチップ)
続いて、ヘッドチップ26について詳細に説明する。図3はヘッドチップ26の斜視図であり、図4はヘッドチップ26の分解斜視図である。
図3、図4に示すように、ヘッドチップ26は、アクチュエータプレート40、カバープレート41、支持プレート42及びノズルプレート43を備え、後述する吐出チャネル(噴射チャネル)45Aの長手方向(Y方向)端部に臨むノズル孔43aからインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプとされている。
図5はアクチュエータプレート40とカバープレート41とを分解した状態における拡大斜視図であり、図6は図3のB−B線に沿う断面図である。
図4〜図6に示すように、アクチュエータプレート40は、分極方向が厚さ方向(X方向)で異なる第1アクチュエータプレート40A及び第2アクチュエータプレート40Bの、2枚のプレートを積層した積層プレートとされている(いわゆる、シェブロン方式)。これら第1アクチュエータプレート40A及び第2アクチュエータプレート40Bは、ともに厚さ方向(X方向)に分極処理された圧電基板、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックス基板であり、互いの分極方向を反対に向けた状態で接合されている。
アクチュエータプレート40は、平面視長方形状のものであり、その長手方向をY方向とし、短手方向をZ方向とする。なお、本実施形態のヘッドチップ26はエッジシュート対応のため、X方向、すなわち厚さ方向がプリンタ1におけるインクジェットヘッド4の走査方向に一致し、Y方向、すなわち長手方向が被記録媒体Sの搬送方向に一致し、Z方向、すなわち短手方向が走査方向に一致する。
また、本実施形態では、アクチュエータプレート40におけるZ方向の両側に位置する側面のうち、ノズルプレート43に対向する側面を前端面40aと称し、この前端面40aとはZ方向の反対側に位置する側面を後端面40bと称する。
図5、図6に示すように、アクチュエータプレート40の一方の主面(カバープレート41側に位置する面)40c(図5,6参照)には、Y方向に所定の間隔をあけて並んだ複数のチャネル45が形成されている。これら複数のチャネル45は、一方の主面40c側に開口した状態でZ方向に沿って直線状に延びる溝部であり、Z方向の一方側がアクチュエータプレート40の前端面40a側に開口している。これら複数のチャネル45の間には、断面矩形状でZ方向に延びる駆動壁46が形成され、この駆動壁46によって各チャネル45はそれぞれ区分けされている。
また、複数のチャネル45は、インクが充填される吐出チャネル45A(いわゆる、コモン溝)と、インクが充填されないダミーチャネル45B(いわゆる、アクティブ溝)と、に大別される。そして、これら吐出チャネル45Aとダミーチャネル45Bとは、Y方向に交互に並んで配置されている。なお、図示の例において、ダミーチャネル45B内は、空気で満たされている。
複数のチャネル45のうち、吐出チャネル45Aは、アクチュエータプレート40の後端面40b側に開口することなく、前端面40a側にだけ開口した状態で形成されている。なお、図示の例において、吐出チャネル45Aの後端面40b側は、後端面40bに向かうに従い漸次浅くなっている。一方、ダミーチャネル45Bについては、アクチュエータプレート40の前端面40a側だけでなく、後端面40b側にも開口するように形成されている。
吐出チャネル45Aの内壁面、すなわちY方向に向かい合う一対の側壁面及び底壁面には、コモン電極50が形成されている。このコモン電極50は、吐出チャネル45Aに沿ってZ方向に延び、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に形成されたコモン端子51(図5参照)に導通している。
なお、各コモン端子51はそれぞれ電気的に独立するようにパターン形成されている。また、本実施形態のコモン電極50は、上述したように吐出チャネル45Aにおける内壁面の全体に形成されているので、一対の側壁面上に形成された側面電極50aと、底壁面上に形成され、側面電極50a同士を接続する底面電極50bと、で断面U字状に形成された電極とされている。
一方、ダミーチャネル45Bの内壁面のうち、Y方向に向かい合う一対の側壁面には、その全面に亘ってダミー電極52がそれぞれ形成されている。これらダミー電極52は、ダミーチャネル45Bに沿ってZ方向に延び、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に形成されたダミー端子53(図5参照)に導通している。
なお、ダミー端子53は、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上における後端面40b側に形成されており、吐出チャネル45Aを挟んだ両側に位置するダミー電極52同士(異なるダミーチャネル45B内に形成されたダミー電極52同士)を接続するように形成されている。この際、ダミー端子53は、一方の主面40c上において、コモン端子51よりも後端面40b側に離間した位置でY方向に延びることで、ダミー電極52同士をブリッジ状に繋いでいる。
なお、本実施形態のダミー電極52は、上述したコモン電極50と同様に、ダミーチャネル45Bの内壁面全体に一旦形成された後、内壁面における底壁面上に形成された電極部分がレーザ加工やダイシング加工等によって分断されることで、ダミーチャネル45Bの一対の側壁面にそれぞれ電気的に切り離された状態で形成される。
図3、図4に示すように、上述したカバープレート41は、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に重ね合されている。このカバープレート41には、インク導入孔41aがY方向に長い平面視矩形状に形成されている。
図6に示すように、このインク導入孔41aには、上述した流路部材31(図2参照)を介して供給されてきたインクを吐出チャネル45A内に導入させ、かつダミーチャネル45B内への導入を規制する複数のスリット55aが形成されたインク導入板55が形成されている。つまり、複数のスリット55aは、吐出チャネル45Aに対応する位置に形成され、各吐出チャネル45A内にのみインクを充填することが可能とされる。
なお、カバープレート41は、例えばアクチュエータプレート40と同じPZTセラミックス基板で形成され、アクチュエータプレート40と同じ熱膨張をさせることで、温度変化に対する反りや変形を抑制している。但し、この場合に限られず、アクチュエータプレート40とは異なる材料でカバープレート41を形成しても構わないが、熱膨張係数が近い材料を用いることが好ましい。
図3、図4に示すように、支持プレート42は、重ね合されたアクチュエータプレート40及びカバープレート41を支持するともに、ノズルプレート43を同時に支持している。支持プレート42には、Y方向に沿って嵌合孔42aが形成されており、重ね合されたアクチュエータプレート40及びカバープレート41を嵌合孔42a内に嵌め込んだ状態で支持している。この際、支持プレート42は、アクチュエータプレート40の前端面40aと面一となるように組み合わされている。
ノズルプレート43は、支持プレート42及びアクチュエータプレート40の前端面40aに、例えば接着等により固定されている。
ノズルプレート43は、光透過性を有する材料、例えばポリイミド等の樹脂材料からなるフィルム状とされている。なお、樹脂材料の他に、ガラス等により形成してもよく、また後述するレーザ光源60として、波長が赤外領域のものを利用する場合には、赤外光に対して透明な材料であるシリコンにより形成しても構わない。
また、ノズルプレート43には、Y方向に所定の間隔をあけて複数のノズル孔43aが一列に並んだ状態で形成されている。これらノズル孔43aは、複数の吐出チャネル45Aに対してそれぞれ対向する位置に形成されており、各吐出チャネル45A内に連通する。なお、通常時にノズル孔43aからインクが吐出されないように、各ノズル孔43aにおいて適切なメニスカスが保たれている。
(インク滴加熱手段)
図7はアクチュエータプレート40を後端面40b側から見た斜視図であり、図8は図6のC−C線に相当する断面図である。
ここで、図7、図8に示すように、上述したインク滴加熱手段7は、光束を出射するレーザ光源60と、ノズルプレート43に形成されるとともに、レーザ光源60から出射された光束を導光する光学部62と、を有している。
レーザ光源60は、各ダミーチャネル45Bに対応して複数の発光部60aがアレイ状に配列された、いわゆる半導体アレイレーザ等により構成されている。なお、本実施形態では、レーザ光源60として、VCSEL(垂直共振器面発光レーザ)が好適に用いられている。
レーザ光源60は、アクチュエータプレート40の後端面40b上において、各発光部60aがダミーチャネル45B内に各別に露出するように固定されている。本実施形態では、図6に示すように、Z方向から見た平面視において、吐出チャネル45A内に連通するノズル孔43aと、ダミーチャネル45B内に露出する発光部60aと、がY方向に沿って並設されている。そして、一の発光部60aは、一の発光部60aに対してY方向の一方側に隣接する一のノズル孔43a(吐出チャネル45A)に対応しており、一のノズル孔43aから吐出されるインク滴を加熱しうるように構成されている。
また、レーザ光源60は、図示しないレーザ駆動回路に接続されており、上述した制御ユニット8から送信される画像データに基づいて制御される。レーザ駆動回路は、レーザ光源60の発光部60aをそれぞれ独立して駆動する。これにより、レーザ光源60の各発光部60aから出射された光束が、各ダミーチャネル45B内に直接供給されるようになっている。
図7に示すように、光学部62は、ノズルプレート43の外面のうち、ダミーチャネル45Bに対応する位置(具体的には、Z方向から見た平面視で各発光部60aと重なる位置)にそれぞれ形成されている。光学部62は、例えばホットエンボス加工等により形成されたものであって、ノズルプレート43の厚さ方向(Z方向)に窪む凹部62aと、凹部62a内に形成されたレンズ部62bと、を有している。レンズ部62bは、凹部62aの底面からノズルプレート43の外面側に向けて突の半球状に形成され、各発光部60aから出射される光束を集光した後、インクジェットヘッド4の外部に出射する。その後、インクジェットヘッド4の外部に出射された光束は、被記録媒体Sに照射されるようになっている。なお、レンズ部62bのレンズ径は、発光部60aから出射される光束のうち、レンズ部62b(ノズルプレート43)に入射するときのビーム径と同等、若しくはビーム径以上に設定されている。
また、光学部62は、ホットエンボス加工の他、エキシマレーザ加工や、グレースケールマスクを用いたエッチング等、種々の方法により形成しても構わない。また、エッチング等を採用した場合には、ノズル孔43aと光学部62とを一括して形成することも可能である。すなわち、ノズルプレート43のうち、ノズル孔43aの形成領域に対してはノズルプレート43の両面からハーフエッチングを行い、光学部62の形成領域に対してはノズルプレート43の外面側からのみハーフエッチングを行うことで、ノズル孔43aと光学部62とを一括して形成できる。これにより、ノズル孔43aに対して光学部62を高精度に位置決めすることができる。
[プリンタの動作方法]
次に、上述したように構成されたプリンタ1を利用して、被記録媒体Sに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
図1に示すように、例えば、一対の搬送手段2,3により被記録媒体SをY方向に搬送させながら、走査手段6によりキャリッジ16を介して各インクジェットヘッド4をX方向に往復移動させる。そしてこの間に、各インクジェットヘッド4より4色のインクを被記録媒体Sに適宜吐出させることで、文字や画像等の記録を行うことができる。
ここで、各インクジェットヘッド4の動きについて、以下に詳細に説明する。
キャリッジ16(図1参照)によって往復移動が開始されると、制御ユニット8は例えばヘッドチップ26の制御回路35、及びレーザ光源60のレーザ駆動回路に対して画像データを送信する。
まず、ヘッドチップ26の制御回路35は送信された画像データに基づいて、各吐出チャネル45Aのコモン端子51及びダミー端子53のうち、駆動させる吐出チャネル45Aのコモン端子51及びダミー端子53間に電圧を印加する。すると、駆動壁46に厚みすべり変形が生じ、駆動壁46のうち、吐出チャネル45Aを画成する駆動壁46がダミーチャネル45B側へ突出するように変形する。すなわち、本実施形態のアクチュエータプレート40は、厚さ方向(X方向)に分極処理された2枚のアクチュエータプレート40A,40Bが積層されているため、駆動電圧を印加することで、駆動壁46のZ方向中間位置を中心にしてV字状に屈曲変形する。これにより、吐出チャネル45Aがあたかも膨らむように変形する。
図9は、インクジェットヘッド4の動きを説明するための図であって、図6のD−D線に相当するノズルプレート43及び被記録媒体Sの断面図である。なお、図9では、ノズルプレート43のうち、一の発光部60aと、一の発光部60aに対応する一のノズル孔43aのみを代表して示している。
このように、図7、図9(a)に示すように、2つの駆動壁46の圧電厚み滑り効果による変形によって、吐出チャネル45Aの容積が増大する。そして、吐出チャネル45Aの容積が増大したことにより、インク導入孔41a内まで導かれているインクが吐出チャネル45A内に誘導される。そして、吐出チャネル45Aの内部に誘導されたインクは、圧力波となって吐出チャネル45Aの内部に伝搬し、この圧力波がノズル孔43aに到達したタイミングで、コモン端子51とダミー端子53に印加した駆動電圧をゼロにする。これにより、駆動壁46の変形が元に戻り、一旦増大した吐出チャネル45Aの容積が元の容積に戻る。この動作によって、吐出チャネル45Aの内部の圧力が増加し、インクが加圧される。その結果、インクをノズル孔43aから吐出させることができる。この際、インクはノズル孔43aを通過する際に、液滴状のインク滴となって吐出される。
一方、図9(b)に示すように、レーザ駆動回路は、制御ユニット8から送信される画像データに基づいて、レーザ光源60の各発光部60aのうち、インク滴が吐出されるノズル孔43aに対応する発光部60aを駆動し、発光部60aから光束を出射させる。このように、制御ユニット8から入力される画像データに基いて各発光部60aの動作が制御されることで、複数の発光部60aのそれぞれに対して選択的に光エネルギーを印加して、各発光部60aから光束を各別に出射させることが可能とされている。
なお、レーザ駆動回路は、インクジェットヘッド4の制御回路35から、実際にインクジェットヘッド4が駆動しているか否かの信号を受信し、この受信信号に基づいて、各発光部60aに駆動信号を送信するように構成されていてもよい。このように構成することで、制御ユニット8からレーザ駆動回路に画像データが送信されているにも関わらず、何らかの要因によりインクジェットヘッド4が駆動していない場合、光束が空出射されることを防止できる。
また、発光部に入力される駆動信号としては、光束の出射時間(発光部60aの駆動時間)や、出射タイミング等を含んでいる。なお、本実施形態において、各発光部60aの出射タイミングは、ノズル孔43aからインク滴が吐出される吐出タイミングと同時、または吐出タイミングの前後のうち、何れを選択しても構わない。
レーザ光源60の発光部60aから出射された光束は、ダミーチャネル45B内に供給された後、ダミーチャネル45B内に満たされた空気を伝搬媒質として、ビーム径が広がりながら、ダミーチャネル45B内をノズルプレート43に向けて伝搬する。そして、ノズルプレート43まで伝搬した光束は、ノズルプレート43を透過して、光学部62に入射する。そして、光束は光学部62のレンズ部62bで集光された後、インクジェットヘッド4の外部に向けて出射され、被記録媒体Sに照射される。これにより、被記録媒体Sが加熱されるため、被記録媒体S上に着弾したインク滴が加熱される。その結果、インク滴の溶剤が乾燥することで、インク滴の粘度が上昇することになる。
そして、図9(c)に示すように、インク滴が被記録媒体S上に着弾することで、上述したように被記録媒体Sに文字や画像等を記録することができる。この場合、インク滴は、被記録媒体Sを介して加熱されたことにより粘度が上昇するので、被記録媒体Sに着弾した後、被記録媒体S上に濡れ広がるのを抑制できる。その結果、微細な印字パターンを得ることができる。
ここで、本実施形態では、ダミーチャネル45B内に満たされた空気を伝搬媒質として、ノズルプレート43に向けて光束を伝搬させる構成とした。
この構成によれば、既存のダミーチャネル45Bを光束の導光部として機能させることで、光ファイバ等、別体の導光部材を用いることなく光束の出射位置をノズル孔43aに接近させることができる。
また、ダミーチャネル45B内に光束を伝搬させることで、従来のように光束を液体に透過させる場合に比べて、光束の光軸や焦点を安定させることができる。
その結果、光束の照射精度を向上できるため、所望の光エネルギーをインク滴に与えることができる。よって、インク滴を効率的に乾燥させ、インク滴が被記録媒体S上に濡れ広がるのを確実に抑制できる。
また、既存のダミーチャネル45Bを光束の導光部として機能させることで、別体のレーザヘッドを用いる構成に比べて、装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
しかも、アクチュエータプレート40の後端面40b上に、ダミーチャネル45Bに対応して発光部60aを有するレーザ光源60を搭載することで、ダミーチャネル45Bとレーザ光源60との間に別体の導光部を設ける必要がないので、簡素化及び低コスト化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、光束を集光する光学部62をノズルプレート43に形成しているため、インク滴(被記録媒体S)に対してより効率的に光エネルギーを与えることができる。そのため、インク滴をより効率的に加熱できる。
また、ノズルプレート43自体に光学部62を形成することで、ノズル孔43aに対する光学部62の位置決め精度を向上させることができるとともに、光束の光軸や焦点を安定させることができる。
また、本実施形態のプリンタ1においては、上述したインクジェットヘッド4を備えているため、微細な印字パターンを得ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、液体噴射装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であっても構わない。
また、上述した実施形態では、インクジェットヘッド4が複数搭載された複数色用のプリンタ1について説明したが、これに限られない。例えば、インクジェットヘッド4が一つの単色用のプリンタ1としても構わない。
また、本発明の実施形態で用いられるインクとしては、水性インクや油性インク、UVインク、微細金属粒子インク、炭素インク(カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェン)等、種々の材料を用いることができる。なお、上述したインクのうち、水性インクや油性インク、UVインクは複数色用のプリンタ1に好適に用いられ、微細金属粒子インク、炭素インクは単色用のプリンタ1に好適に用いられる。
また、上述した実施形態では、半導体アレイレーザをレーザ光源60に用いる構成について説明したが、これに限らず、YAGレーザや、炭酸ガスレーザ等を用いても構わない。
さらに、上述した実施形態では、発光部60aをノズル数と同数設ける構成について説明したが、これに限られない。例えば、複数のノズル孔43aに対して1つの発光部60aを設けてもよい。
さらに、レーザ光源60(発光部60a)の出射側端面に、発光部60aから出射される光束を平行光に変換する平行光変換素子(例えば、コリメートレンズ等)が配設されていても構わない。
この構成によれば、発光部60aから出射された光束が平行光変換素子において、平行光に変換された後、ダミーチャネル45B内を伝搬するので、ダミーチャネル45B内でのビーム径の広がりを抑制できる。そのため、レーザ光源60からノズルプレート43(光学部62)までの距離のトレランスが向上し、設計・製造が容易になる。また、光学部62のレンズ径を小さくできるので、設計の自由度を向上させることができる。
また、上述した実施形態では、ダミーチャネル45B内が空気で満たされている構成について説明したが、これに限らず、空気以外の気体であっても構わない。
また、ダミーチャネル45B内において、光束を反射させながら伝搬させても構わない。この場合、ダミーチャネル45Bの内壁面を平滑にし、これを反射面として機能させてもよく、内壁面に反射膜を形成しても構わない。例えば、反射膜として、内壁面に金属膜を形成して、光束を金属反射させたり、空気よりも屈折率の小さい誘電体を内壁面に形成して、光束を全反射させたりしても構わない。
ここで、上述した実施形態では、ダミーチャネル45Bの内壁面のうち、Y方向に向かい合う一対の側壁面に、その全面に亘ってダミー電極52がそれぞれ形成されているため、このダミー電極52を反射膜として機能させても構わない。これにより、既存のダミー電極52を反射膜として用いることで、コスト増を抑制した上で、ダミーチャネル45B内において、光束を効率的に伝搬できる。
また、上述した実施形態では、ヘッドチップ26自体にレーザ光源60を搭載した構成について説明したが、これに限らず、ヘッドチップ26から離れた場所(例えば筺体9側)にレーザ光源60を配置しても構わない。この場合には、図10に示すように、レーザ光源60の各発光部60aから出射される光束を光ファイバ70により伝搬させても構わない。図10に示す光ファイバ70は、レーザ光源60(発光部)から出射された光束を全反射条件で導くコア70aと、コア70aの屈折率より低い屈折率の材料からなり、コア70aに密着してコア70aを封止するクラッド70bと、を有する、いわゆるステップインデックス型(SI型)の光ファイバである。そして、光ファイバ70は、その出射側端面をダミーチャネル45B内に向けた状態で、アクチュエータプレート40の後端面40b上に固定されている。
この構成によれば、レーザ光源60の各発光部60aから出射された光束は、コア70aとクラッド70bとの間で全反射を繰り返しながら光ファイバ70内を出射側端面に向けて伝搬する。光ファイバ70内を出射側端面まで伝搬した光束は、ダミーチャネル45B内に向けて出射された後、上述した実施形態と同様にダミーチャネル45B内を伝搬する。これにより、ヘッドチップ26にレーザ光源60を直接搭載する必要がないので、ヘッドチップ26の小型化を図るとともに、レーザ光源60で発生する熱がヘッドチップ26に伝達されるのを抑制できる。
また、図11に示すように、SI型の光ファイバ70の出射側端面に、グレーデッドインデックスファイバ(以下、GIファイバ)71を接続しても構わない。GIファイバ(平行光変換素子)71は、光束を伝搬するフィールド内において、その中心の屈折率が外周の屈折率より大きくなっており、中心から径方向外側に向かうにつれ、連続的に屈折率が減少する光ファイバである。これにより、GIファイバ71内において、光束は正弦波的な光路で伝搬する。つまり、GIファイバ71の長さを調整することで、GIファイバ71から出射される光束の出射角を調整することができる。本実施形態では、光ファイバ70のコア70aから出射した光束が、GIファイバ71により平行光となって出射するようにGIファイバ71の長さが設定されている。なお、光ファイバ70のコア70aから出射した光束が、GIファイバ71により集光するような出射角で出射するように、GIファイバ71の長さを設定しても構わない。
さらに、光ファイバ70を用いる場合、レーザ光源60とダミーチャネル45Bとの間を、各発光部60aに対応する光ファイバ70によってそれぞれ接続してもよい。また、各発光部60aから引き出された光ファイバ(合波用光ファイバ)が接続される合波器を筺体9(制御ユニット8)側に設け、各インクジェットヘッド4側に分波器を設け、これら合波器と分波器との間を1本の連結用光ファイバにより接続する構成としても構わない。
この場合、レーザ光源60の各発光部60aは、それぞれレーザ光の波長が異なるように構成されている。また、合波器としては、いわゆるアレイ導波路回析格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)を用いることが可能であり、合波器に供給される異なる波長の光束を合波して、波長多重レーザ光として出力するようになっている。
一方、分波器についても、AWGを用いることが可能であり、連結用光ファイバを伝搬して合波器から供給された波長多重レーザ光を、それぞれ波長の異なる光束として出力するようになっている。分波器には、各吐出チャネル45A内に導かれる光ファイバ(分波用光ファイバ)が接続されており、これら分波用光ファイバから波長の異なる光束が出射されるようになっている。
この構成によれば、レーザ光源60に複数の発光部60aを設けつつ、レーザ光源60とダミーチャネル45Bとの間に配索される連結用光ファイバの本数を1本とすることができる。よって、筐体9内に無駄に光ファイバが配索されてしまうことを防止し、プリンタ1を小型化できると共に、インクジェットヘッド4を走査させる走査手段6の負荷を低減できる。なお、合波器及び分波器の個数は1つに限られるものではなく、複数ずつ設けてもよい。
また、光ファイバ70に代えて、半導体プロセスにより製造された光導波路を用いても構わない。この場合、まず光導波路を配置する基台上に、クラッドの構成材料を塗布した後、フォトリソグラフィ技術などによりパターニングする。続いて、クラッド上にコアの構成材料を塗布した後、パターニングし、再びクラッドの構成材料を塗布する。その後、パターニングすることで、光導波路を製造することが可能である。
さらに、図12に示すように、ノズルプレート43の外面にノズル孔43aと光学部62との間を仕切るインクガード74を形成しても構わない。具体的に、インクガード74は、ノズルプレート43の外面から厚さ方向に窪む溝状とされ、光学部62の周囲を取り囲むように形成されている。
この構成によれば、ノズルプレート43の外面に付着したインクが光学部62に到達するのを抑制できるので、光学部62が汚れるのを抑制できる。なお、インクガード74は、ノズル孔43aと光学部62との間を仕切る構成であれば、適宜設計変更が可能である。
また、上述した実施形態では、ノズルプレート43にレンズ状の光学部62を形成した場合について説明したが、これに限らず、プリズム形状やミラー形状等に形成しても構わない。
例えば、図13に示す光学部75は、ノズル孔43aに向けて傾斜する傾斜面75aを有するプリズム形状とされている。この構成によれば、光学部75内に入射した光束は、傾斜面75aにおいて反射された後、外部に向けて出射される。この場合、例えば光学部75の傾斜面において、光束をノズル孔43a側に向けて反射させることで、インク滴の吐出軌跡と光束を接近させることができる。
また、図14に示すように、レンズ状の光学部76を、ノズル孔43a側に向けて傾斜するように形成しても構わない。この構成によれば、光学部76内に入射した光束の光軸を曲げつつ、集光させることができる。すなわち、光学部は、光束を外部に向けて導光(例えば、集光や、屈折、反射等)するような構成であれば、適宜設計変更が可能である。
さらに、ノズルプレート43の内面に、光学部(例えば、光学部62)を形成しても構わない。この場合には、光学部が外部に曝されないので、光学部にインク滴等が付着するのを抑制できる。
また、光学部62を設けない構成としてもよく、ノズルプレート43に別体の光学部を設けても構わない。
さらに、上述した実施形態では、被記録媒体S上に光束を照射し、被記録媒体Sを介してインク滴を加熱する構成について説明したが、これに限らず、インク滴に光束を照射して、インク滴を直接加熱する構成にしても構わない。インク滴を直接加熱する方法としては、ノズル孔43aから吐出されたインク滴に対して、飛翔中に光束を照射してもよく、被記録媒体S上への着弾後に光束を照射しても構わない。これらの場合には、上述した図13や、図14に示すように、ノズルプレート43から出射される光束の光軸が、対応するノズル孔43aから吐出されるインク滴の吐出軌跡と交わるように構成することが好ましい。
さらに、上述した実施形態では、エッジシュートタイプのヘッドチップ26を例に挙げて説明したが、この場合に限定されず、吐出チャネル45Aの長手方向中央に臨むノズル孔43aからインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプとしても構わない。
この場合には、例えばアクチュエータプレート40の他方の主面側にノズルプレート43を重ね合せ、吐出チャネル45Aの長手方向中央部分にノズル孔43aに連通する連通口を形成する等すれば良い。
また、インクに加わる圧力の方向と、インク滴の吐出方向と、を同一方向とした、いわゆるルーフシュートタイプのヘッドチップ26に本発明を適用しても構わない。
また、上述した実施形態では、2枚のアクチュエータプレート40A,40Bを積層した、いわゆるシェブロン方式のアクチュエータプレート40を用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、分極方向が厚さ方向に一方向のアクチュエータプレートを用いても構わない。この場合には、駆動壁46の高さ方向中央部までコモン電極及びダミー電極を形成することで、駆動壁46を屈曲変形させることができる。
さらに、上述した実施形態では、吐出チャネル45Aとダミーチャネル45Bとが交互に並んだ、いわゆるアイソレートタイプのヘッドチップ26について説明したが、これに限られない。例えば、吐出チャネル45Aが連続的に配列された、いわゆるシェアードウォールタイプのヘッドチップ26を採用することも可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
1…インクジェットプリンタ(液体噴射装置)
2,3…搬送手段(移動機構)
4,4Y,4M,4C,4B…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
6…走査手段(移動機構)
40…アクチュエータプレート
40A…第1アクチュエータプレート
40B…第2アクチュエータプレート
41…カバープレート
43…ノズルプレート(噴射孔プレート)
43a…ノズル孔(噴射孔)
45A…吐出チャネル(噴射チャネル)
45B…ダミーチャネル
52…ダミー電極
60…レーザ光源(光源)
60a…発光部
62…光学部
71…グレーデッドインデックスファイバ(平行光変換素子)
S…被記録媒体

Claims (6)

  1. 液体を噴射する複数の噴射孔が並設されるとともに、光透過性を有する噴射孔プレートと、
    前記噴射孔プレートに積層されるとともに、複数のチャネルが間隔をあけて並設されたアクチュエータプレートと、を備え、
    前記複数のチャネルは、
    液体が充填されるとともに、前記噴射孔に各別に連通する複数の噴射チャネルと、
    隣接する前記噴射チャネル間にそれぞれ形成され、内部が気体で満たされたダミーチャネルと、を有し、
    前記ダミーチャネル内には、前記ダミーチャネル内に満たされた気体を伝搬媒質として、前記噴射孔から噴射された液体を加熱するための光束が前記噴射孔プレートに向けて伝搬されることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記アクチュエータプレートのうち、前記噴射孔プレート側とは反対側には、光束を出射する光源が搭載され、
    前記光源は、前記複数のダミーチャネルに各別に対応する複数の発光部がアレイ状に配列されてなるアレイレーザであることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記噴射孔プレートのうち、前記ダミーチャネルに対応する部分には、前記ダミーチャネル内を伝搬した光束を集光する光学部が配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記アクチュエータプレートは、前記チャネルの並設方向及び延在方向に直交する厚さ方向に分極されるとともに、互いの分極方向を反対に向けて接合された第1アクチュエータプレート及び第2アクチュエータプレートを備え、
    前記複数のダミーチャネルの内壁面には、駆動電圧を印加する駆動電極がそれぞれ形成され、
    前記ダミーチャネル内を伝搬する光束は、前記駆動電極で反射されながら、前記噴射孔プレートに導かれることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記アクチュエータプレートのうち、前記噴射孔プレート側とは反対側には、光束を出射する光源が搭載され、
    前記光源と前記ダミーチャネルとの間には、前記ダミーチャネル内に向けて出射される光束を平行光に変換する平行光変換素子が配設されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる移動機構と、を備えていることを特徴とする液体噴射装置。
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