JP4534811B2 - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液滴吐出装置に関する。
従来、液晶ディスプレイ装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)等の電気光学装置は、基板上に複数の電気光学素子を形成している。一般に、この種の基板には、品質管理・製品管理等の目的で、製造番号、又は製造番号をコード化した2次元コード等の固有の識別コードが描画されている。この識別コードは、認識手段としての専用のコードリーダによって読み取られ、解読される。
この基板に識別コードを描画する方法として、基板(ガラス基板)に金属箔付きフィルムを対面させレーザ光を照射して、金属膜を基板に転写させて基板にマークを形成したり、また、研磨材を含んだ水を基板等に噴射し、基板に番号等を刻印したりする方法が提案されている(特許文献1、特許文献2を参照。)。
ところで、各描画方法は、描画工程が多く、装置も高価で大型化する傾向がある。そこで、装置が小さく、描画も短時間に実現できるインクジェット法が検討されている。インクジェット法は、液滴吐出装置を用いて、ノズルから機能液(インク液滴)を基板に対して吐出させて2次元バーコード等の識別コードのパターンを形成する。
また、高密度で高精度なインクジェットに用いる液滴吐出ヘッドを簡単かつ大量に製造する技術も開示されている(特許文献3を参照。)。この特許文献3に記載の技術においては、(110)面方位のシリコンウェハ上にパターニングし、その特定の位置に孔明け加工を施す。その後に結晶異方性エッチングを行うことにより、ウェハ表面に対して直角な(111)面で構成されたインクノズル孔とインク圧力室を一体成形した液滴吐出ヘッドを製造する。
更に、このような液滴吐出ヘッドにおいて、吐出特性を光測定器等で簡易かつ効率的に評価できる等、量産性、検査効率に優れた構造のインクジェット記録装置に関する技術も開示されている(特許文献4を参照。)。特許文献4に記載の技術によれば、液滴吐出ヘッドは、各ノズル孔に連通する独立した吐出室と、この吐出室の一部の壁が振動板から構成されている。そして、この振動板を駆動する駆動手段と、各吐出室にインクを供給する共通のインクキャビティを有する。そして、振動板下に形成される電極基板が透明基板であり、電極が透明導電膜からなる。これにより、液滴吐出ヘッド外部から内部を観察することができる。
特開平11−77340号公報 特開2003−127537号公報 特開平5−309835号公報 特開平6−23980号公報
ところで、識別コードを描画するためのインクジェット法においては、液滴を正確な位置に着弾させる工程と、基板に着弾させたインクを乾燥し、機能材料を焼成させて基板に密着させる工程がある。
まず、液滴を正確な位置に着弾させるためには、基板と液滴吐出ヘッドとを近接させる
必要がある。一方、着弾から乾燥までの時間が長いと着弾した液滴は濡れ広がったり収縮したりする可能性があり、着弾後、速やかに乾燥や焼成する工程を効率的に行なう必要がある。しかし、基板と液滴吐出ヘッドとを近接させると、着弾位置が液滴吐出ヘッドの影に入ってしまい、着弾位置がこの影から出てくるまでレーザ光の照射を待たなければならない。この場合、レーザ光による乾燥工程に遅れが生じ、適切な液滴形状を維持することが困難になる場合がある。また、透明基板・透明ステージの裏面からレーザ光を照射する場合もある。しかし、実際に用いる基板が常に透明とは限らない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、吐出した機能材料を含む液滴に、レーザ光を精度よく照射し、効率のよい乾燥・焼成を行なうことができる液滴吐出装置を提供することである。
本発明の液滴吐出装置は、液滴を吐出させるための加圧手段を側面に設けた流体経路を備えた液滴吐出手段と、前記液滴吐出手段から吐出された液滴にレーザ光を照射するレーザ照射手段とを備えた液滴吐出装置であって、前記流体経路を構成する部材の少なくとも一部を、前記レーザ光に対して透明部材を用いて構成し、前記透明部材内で前記レーザ光を誘導する。この液滴吐出装置によれば、流体経路を構成する部材を用いてレーザ光を誘導し、液滴の着弾後に速やかにレーザ光を照射して、直ちに液滴を乾燥させ機能材料を焼成させることができる。
この液滴吐出装置において、前記配透明部材に、前記レーザ光を基板上の液滴の着弾位置近傍に導く光路変更手段を備えてもよい。この液滴吐出装置によれば、光路変更を行ない、着弾した液滴に精度よく、かつ迅速にレーザ光を照射することができる。
この液滴吐出装置において、少なくとも、前記加圧手段を設けた側面の対向面に、前記レーザ光を誘導するための透明部材を用いて構成してもよい。この液滴吐出装置によれば、加圧手段とレーザ光を誘導するための透明部材とを対向して設けることができるので、液滴吐出装置の側面を有効に利用することができる。
この液滴吐出装置において、前記液滴吐出手段は、流体経路となる溝部が形成された加工基板と、前記溝部の縁部においてこの加工基板に密着させたカバー材とから構成され、前記カバー材が、前記レーザ光を誘導するための透明部材を用いて構成してもよい。この液滴吐出装置によれば、加工基板とカバー材とを用いて、簡単に液滴吐出装置を形成することができる。
この液滴吐出装置において、前記加工基板の溝を形成する側面の一部に可撓領域を設け、この可撓領域に加圧手段を設けてもよい。この液滴吐出装置によれば、この可撓領域を振動させて、液滴を吐出させることができる。
この液滴吐出装置において、前記加圧手段は、前記可撓領域と、この可撓領域に対向して設けられた電極とから構成してもよい。この液滴吐出装置によれば、静電気力により流体経路の一部を加圧し、液滴を吐出させることができる。
この液滴吐出装置において、前記加圧手段は、圧電素子を用いて構成してもよい。この液滴装置によれば、電圧を印加して圧電素子を伸縮させることによって流体経路の一部を加圧し、液滴を吐出口から吐出させる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図10に従って説明する。
(液晶表示装置の表示モジュール)
まず、液滴吐出装置を使って形成されたドットパターンが描画された液晶表示装置の表示モジュールについて説明する。図1は液晶表示装置の液晶表示モジュールの正面図、図2は液晶表示モジュールの裏面に形成されたドットパターンの正面図、図3は液晶表示モジュールの裏面に形成されたドットパターンの側面図である。
図1において、表示モジュール1は、光透過性の表示用基板としてのガラス基板2を備えている。そのガラス基板2の表面2aの略中央位置には、液晶を封入した四角形状の表示部3が形成され、その表示部3の外側には走査線駆動回路4及びデータ線駆動回路5が形成されている。そして、表示モジュール1は、走査線駆動回路4の供給する走査信号と、データ線駆動回路5の供給するデータ信号に基づいて液晶分子の配向状態を制御し、図示しない照明装置から照射された平面光を、液晶分子の配向状態で変調することによって、表示部3に、所望の画像を表示するようになっている。
ガラス基板2の着弾面としての裏面2bの右隅には、表示モジュール1のドットDで構成されたドットパターン10が形成されている。ドットパターン10は、図2に示すように、パターン形成領域Z1内に形成される複数のドットDにて構成されている。このパターン形成領域Z1の外周には予め定めた余白領域Z2が形成されている。そして、パターン形成領域Z1に形成されたドットパターン10は、本実施形態では2次元コードであって、2次元コードリーダで読み取られる。また、余白領域Z2は、前記ドットDが形成されない領域であって、2次元コードリーダがパターン形成領域Z1を特定し同パターン形成領域Z1内のドットパターン10の誤検出を防止するための領域である。
パターン形成領域Z1は、1〜2mm角の正方形の領域であって、図4に示すように、16行×16列の各セルCに仮想分割され、その分割された各セルCに対して選択的にドットDが形成される。なお、その分割されたセルC内にドットDが形成されるセルCを黒セルC1と、セルC内にドットDが形成されないセルCを白セルC0(非形成領域)という。そして、16行×16列の各セルCに対して選択的にドットDが形成され、その各ドットDで構成する表示モジュール1の製品番号やロット番号を識別するためのドットパターン10(2次元コード)が形成される。また、図4において上側から順に、1行目のセルC、2行目のセルC、・・・、16行目のセルCとし、図4において左側から順に、1列目のセルC、2列目のセルC、・・・、16列目のセルCという。
黒セルC1(ドット領域)に形成されるドットDは、図2及び図3に示すように、半球状にガラス基板2に密着して形成されている。このドットDの形成方法は、本実施形態ではインクジェット法で行う。詳述すると、ドットDは、後記する液滴吐出装置20のノズルNから機能性材料としてのマンガン微粒子を含む液状体としての機能液Fa(図8参照)の液滴FbをセルC(黒セルC1)に吐出させる。次に、その黒セルC1に着弾した液滴Fbを、乾燥しマンガン微粒子を焼成させることによって、ガラス基板2に密着したマンガンよりなる半球状のドットDが形成される。この乾燥・焼成はレーザ光を、ガラス基板2(黒セルC1)に着弾した液滴Fbに照射することによって行われる。
(液滴吐出装置)
次に、ガラス基板2の裏面2bにドットパターン10を形成するために使用される液滴吐出装置20について説明する。
図5は、ガラス基板2の裏面2bのドットパターン10を形成するための液滴Fbを吐出する液滴吐出装置20の構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置20には、図5に示すように、直方体形状に形成される基台21が備えられている。本実施形態では、この基台21の長手方向をY矢印方向とし、Y矢印方向と直
交する方向をX矢印方向とする。
基台21の上面21aには、Y矢印方向に延びる1対の案内凹溝22がY矢印方向全幅にわたり形成されている。その基台21の上側には、一対の案内凹溝22に対応する図示しない直動機構を備えた基板ステージ23が取付けられている。基板ステージ23の直動機構は、例えば案内凹溝22に沿って延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸がステップモータよりなるY軸モータMY(図9参照)に連結されている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号がY軸モータMYに入力されると、Y軸モータMYが正転又は逆転して、基板ステージ23が同ステップ数に相当する分だけ、Y矢印方向に沿って所定の速度で往動又は復動する(Y方向に移動する)ようになっている。
本実施形態では、基板ステージ23の配置位置であって、図5に示すように、基台21の最も手前側に配置する位置を往動位置とし、最も奥側に配置する位置を復動位置という。
基板ステージ23の上面には、載置面24が形成され、その載置面24には、図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。そして、載置面24にガラス基板2を載置すると、前記基板チャックによって、ガラス基板2が載置面24の所定位置に位置決め固定される。この際、パターン形成領域Z1は、各セルCの列方向がY矢印方向に沿うように設定され、かつ1行目のセルCが最もY矢印方向側となるように配置される。
基台21のX矢印方向両側には、一対の支持台25a、25bが立設され、その一対の支持台25a、25bには、X矢印方向に延びる案内部材26が架設されている。案内部材26は、その長手方向の幅が基板ステージ23のX矢印方向よりも長く形成され、その一端が支持台25a側に張り出すように配置されている。
案内部材26の上側には、前記マンガン微粒子を含む機能液Faを収容する収容タンク27が配設されている。一方、その案内部材26の下側には、X矢印方向に延びる上下一対の案内レール28がX方向全幅にわたり凸設されている。この案内レール28には、この案内レール28に対応する図示しない直動機構を備えたキャリッジ29が取付けられている。このキャリッジ29の直動機構は、例えば案内レール28に沿って延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するX軸モータMX(図9参照)に連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号をX軸モータMXに入力すると、X軸モータが正転又は逆転して、キャリッジ29が同ステップ数に相当する分だけX矢印方向に沿って往動又は復動する。
このキャリッジ29には、液滴吐出ヘッド30が一体に設けられている。図6は、液滴吐出ヘッド30の下面(基板ステージ23側の面)を上方に向けた場合の斜視図を示す。液滴吐出ヘッド30は、その下面にはドットパターン10を形成するための16個の吐出口としてのノズルNがX矢印方向(セルCの行方向)に一列となって等間隔に貫通形成されている。ノズルNは、そのピッチ幅が、セルCの形成ピッチと同じ大きさで形成される孔であって、基板ステージ23の載置面24に載置されたガラス基板2の法線方向(Z矢印方向)に沿って形成されている。つまり、各ノズルNは、ガラス基板2(パターン形成領域Z1)がY矢印方向に沿って往復直線移動するときに、それぞれ列方向に沿う各セルCと対峙可能に配置形成されている。
図7は液滴吐出ヘッド30の主要部を分解して示す斜視図であり、一部断面図で示している。図7に示すように、液滴吐出ヘッド30は、第1基板31、第2基板32、第3基
板33を重ねて接合した積層構造となっている。
第1基板31は、カバー材として機能し、ホウ珪酸ガラスからなる透明基板である。
第1基板31に接合される第2基板32は、シリコン基板の加工基板である。この第2基板32の表面には複数のノズルNが形成される。このノズルNには、等間隔で形成されたノズル溝32aと、各ノズル溝32aに接続され、側壁を振動板32bとする溝部、すなわちキャビティ32cが構成される。この振動板32bの領域は、薄膜の可撓領域となる。このキャビティ32cは流体経路として機能し、ノズルN〜キャビティ32cが液滴吐出手段として機能する。このキャビティ32cには、オリフィス32dを介して機能液を供給するための液溜部32eが設けられている。また、振動板32bには、後述する電極との間隙を構成する振動室32fとなる凹部が設けられている。そして、第2基板32には液溜部32eに連通する機能液供給口32gを設ける。
この第1基板31と第2基板32との接合によって、各溝部の縁部が密着され、ノズルN、キャビティ32c、オリフィス32d及び液溜部32eが構成される。機能液供給口32gは接続パイプを介して図示しない収容タンク27に接続される。
第2基板32に接合される第3基板33は、ホウ珪酸ガラスを使用する。第3基板33上には、スパッタリング法により、振動板32bに対応する各々の位置に振動板形状に対応した形状に、0.1μm程度のITOからなる電極33aを設ける。電極33aはリード部を介して端子部33bに接続される。さらに端子部33bを除いた領域に、0.2μm程度のホウ珪酸ガラスのスパッタリング膜で被覆し絶縁層33eを形成する。この絶縁層33eは、駆動時の絶縁破壊、ショートを防止する。そして、第2基板32と第3基板33の接合によって振動室32fを構成する。
次に第1基板31と第2基板32とを陽極接合し、同条件で第2基板32と第3基板33とを接合し、液滴吐出ヘッド30を組み立てる。さらに、第2基板32と電極33aの端子部33b間にヘッド駆動回路51を接続した。
図8は、液滴吐出ヘッド30の構造を説明するための要部断面図である。図8に示すように、ノズルNと相対する位置には、キャビティ32cが形成されている。キャビティ32cは収容タンク27に連通され、収容タンク27内の機能性材料としてのマンガン微粒子を分散媒で分散させた液状体としての機能液Faを各キャビティ32c内に供給可能にする。
キャビティ32cには、左右方向に振動してキャビティ32c内の容積を拡大縮小する振動板32bと、この振動板32bを振動させるための電極33aとからなる静電アクチュエータが構成されている。この静電アクチュエータが、液滴Fbを吐出させるための加圧手段として機能する。具体的には、電極33aにヘッド駆動回路51により、0Vから100Vのパルス電圧を印加し、電極33aの表面がプラスに帯電すると、対応する振動板32bはマイナス電位に帯電する。したがって、振動板32bは、蓄積電荷による静電気の吸引作用により電極33a側に撓み、キャビティ32c内の容積が拡大する。そして、機能液Faが液溜部32eよりオリフィスを通じてキャビティ32c内に補給される。一方、電極33aの蓄積電荷が放電された場合、振動板32bの撓みが解放され、キャビティ32c内の容積が縮小する。この場合、縮小した容積分のマンガン微粒子を含む機能液Faが、各ノズルNから液滴Fbとなってガラス基板2に吐出される。
液滴吐出ヘッド30の下面には、図6に示すように、第1基板31、第2基板32、第3基板33から構成され、第1基板31と第2基板32との間にノズルNが形成される。そして、レーザ照射装置38は、16個のノズルNに対応した設けられた16個の半導体
レーザLから出射部がX矢印方向に一列となって等間隔に並設されている。本実施形態では、第1基板の出射端面に、光路変更手段としてのマイクロレンズを形成する。このマイクロレンズは、UV硬化樹脂をインクジェット法で塗布して硬化させて形成した。これによってレーザ光は着弾位置で集光され、効率よく乾燥や焼成を行なうことができる。各半導体レーザLは、対応するノズルNから液滴Fbが吐出されることによってガラス基板2に着弾した液滴Fbにレーザ光を照射して、液滴Fbを乾燥させ、更にマンガン微粒子を焼成させる。本実施形態では、レーザ照射装置38は、第1基板31とその上部に設けられた半導体レーザLとから構成される。この場合、第1基板31は、レーザ光に対して透明部材を用い、半導体レーザLからのレーザ光の光路(ガイド)として利用される。そして、半導体レーザL〜マイクロレンズがレーザ照射手段として機能し、振動板32bの対向面に配置される。
(電気的ブロック回路)
次に、上記のように構成した液滴吐出装置20の電気的ブロック回路を図9に従って説明する。
図9において、制御装置40には、外部コンピュータ等の入力装置41から各種データを受信するI/F部42と、CPU等からなる制御部43、DRAM及びSRAMからなり各種データを格納するRAM44、各種制御プログラムを格納するROM45が備えられている。また、制御装置40には、駆動波形生成回路46、各種駆動信号を同期するためのクロック信号CLKを生成する発振回路47、前記半導体レーザLを駆動するためのレーザ駆動電圧VDLを生成する電源回路48、各種駆動信号を送信するI/F部49が備えられている。そして、制御装置40では、これらI/F部42、制御部43、RAM44、ROM45、駆動波形生成回路46、発振回路47、電源回路48及びI/F部49が、バス50を介して接続されている。
I/F部42は、入力装置41から、ガラス基板2の製品番号やロット番号等の識別データを公知の方法で2次元コード化したドットパターン10の画像を、既定形式の描画データIaとして受信する。
制御部43は、I/F部42の受信した描画データIaに基づいて、ドットパターン作成処理動作を実行する。すなわち、制御部43は、RAM44等を処理領域として、ROM45等に格納された制御プログラム(例えば、ドットパターン作成プログラム)に従って、基板ステージ23を移動させてガラス基板2の搬送処理動作を行い、液滴吐出ヘッド30の電極33aと振動板32bとから構成される静電アクチュエータを駆動させて液滴吐出処理動作を行う。また、制御部43は、ドットパターン作成プログラムに従って、各半導体レーザLを駆動させて液滴Fbを乾燥させる乾燥処理動作を行う。
詳述すると、制御部43は、I/F部42の受信した描画データIaに所定の展開処理を施し、二次元描画平面(パターン形成領域Z1)上における各セルCに、液滴Fbを吐出するか否かを示すビットマップデータBMDを生成してRAM44に格納する。このビットマップデータBMDは、前記静電アクチュエータに対応して16×16ビットのビット長を有したシリアルデータであり、各ビットの値(0あるいは1)に応じて、振動板32bと電極33aとからなる静電アクチュエータのオンあるいはオフを規定するものである。
また、制御部43は、描画データIaに前記ビットマップデータBMDの展開処理と異なる展開処理を施し、静電アクチュエータに印加する静電駆動電圧VDCの波形データを生成して、駆動波形生成回路46に出力する。駆動波形生成回路46は、制御部43の生成した波形データを格納する波形メモリ46aと、同波形データをデジタル/アナログ変
換してアナログ信号として出力するD/A変換部46bと、D/A変換部から出力されるアナログの波形信号を増幅する信号増幅部46cとを備えている。そして、駆動波形生成回路46は、波形メモリ46aに格納した波形データをD/A変換部46bによりデジタル/アナログ変換し、アナログ信号の波形信号を信号増幅部46cにより増幅して静電駆動電圧VDCを生成する。
更に、制御部43は、I/F部49を介して、前記ビットマップデータBMDに基づくデータを、発振回路47の生成するクロック信号CLKに同期させた吐出制御信号SIとして、後述するヘッド駆動回路51(シフトレジスタ56)に順次シリアル転送する。また、制御部43は、転送した吐出制御信号SIをラッチするためのラッチ信号LATをヘッド駆動回路51に出力する。さらに、制御部43は、発振回路47の生成するクロック信号CLKに同期させて、静電駆動電圧VDCをヘッド駆動回路51(スイッチ素子S1)に出力する。
この制御装置40には、I/F部49を介して、ヘッド駆動回路51、レーザ駆動回路52、基板検出装置53、X軸モータ駆動回路54及びY軸モータ駆動回路55が接続されている。
ヘッド駆動回路51は、シフトレジスタ56、ラッチ回路57、レベルシフタ58及びスイッチ回路59を備えている。シフトレジスタ56は、クロック信号CLKに同期して制御装置40(制御部43)から転送された吐出制御信号SIを、16個の静電アクチュエータの電極33aに対応させてシリアル/パラレル変換する。ラッチ回路57は、シフトレジスタ56のパラレル変換した16ビットの吐出制御信号SIを、制御装置40(制御部43)からのラッチ信号LATに同期してラッチし、ラッチした吐出制御信号SIをレベルシフタ58及びレーザ駆動回路52に出力する。レベルシフタ58は、ラッチ回路57のラッチした吐出制御信号SIに基づいて、スイッチ回路59が駆動する電圧まで昇圧して、16個の各静電アクチュエータの電極33aに対応する開閉信号GS1をそれぞれ生成する。
スイッチ回路59には、各電極33aに対応するスイッチ素子S1がそれぞれ接続される。各スイッチ素子S1の入力側には、共通する静電駆動電圧VDCが入力され、出力側には、それぞれ対応する電極33aが接続されている。そして、各スイッチ素子S1には、レベルシフタ58から、対応する開閉信号GS1が入力され、この開閉信号GS1に応じて静電駆動電圧VDCを静電アクチュエータに供給するか否かを制御する。
すなわち、本実施形態の液滴吐出装置20は、駆動波形生成回路46の生成した静電駆動電圧VDCを、各スイッチ素子S1を介して対応する各静電アクチュエータに供給する。更に、制御装置40(制御部43)は、各スイッチ素子S1の開閉が制御するための吐出制御信号SI(開閉信号GS1)を供給し、静電駆動電圧VDCの印加を制御する。すなわち、スイッチ素子S1が閉じることにより、このスイッチ素子S1に対応する電極33aに静電駆動電圧VDCを供給し、この静電アクチュエータに対応するノズルNから液滴Fbを吐出する。この場合、ラッチ信号LATは、16個のノズルNの直下をガラス基板2のパターン形成領域Z1の各横1列が通過する毎に出力される。そして、このラッチ信号LATに応答して、静電アクチュエータが駆動され、ノズルNから液滴Fbが吐出されることにより、パターン形成領域Z1の各セルC(黒セルC1)にドットDが形成される。
図10は、上記するラッチ信号LAT、吐出制御信号SI及び開閉信号GS1のパルス波形と、開閉信号GS1に応答して静電アクチュエータに印加される静電駆動電圧VDCの波形を示す。図10に示すように、制御部43からヘッド駆動回路51に出力されたラ
ッチ信号LATが立ち下がると、16ビット分の吐出制御信号SIに基づいて開閉信号GS1が生成され、16個の開閉信号GS1のうち立ち上がった開閉信号GS1に対応する静電アクチュエータに静電駆動電圧VDCが供給される。この場合、振動板32bとの間でキャパシタを構成する電極33aの電圧VCは、静電駆動電圧VDCの電圧に伴い上昇する。この場合、静電気力により静電アクチュエータが収縮してキャビティ32c内に機能液Faが引き込まれる。次に、静電駆動電圧VDCの電圧値の下降とともに静電アクチュエータによりキャビティ32c内の機能液Faが押し出され、液滴Fbが吐出される。液滴Fbを吐出すると、静電駆動電圧VDCの電圧値は初期電圧まで戻り、静電アクチュエータの駆動による液滴Fbの吐出動作が終了する。
図9に示すように、レーザ駆動回路52には、遅延パルス生成回路61とスイッチ回路62が備えられている。遅延パルス生成回路61は、ラッチ回路57が前記ラッチ信号LATの立下りに応答してラッチした吐出制御信号SIを、所定の時間(待機時間T)だけ遅延させたパルス信号(開閉信号GS2)を生成し、開閉信号GS2をスイッチ回路62に出力する。ここで、待機時間Tとは、静電アクチュエータの駆動タイミング(前記ラッチ信号LATの立ち下がりタイミング)を基準(基準時間Tk)とし、その静電アクチュエータ(ノズルN)に対応する半導体レーザLの直下(レーザ照射位置)を液滴Fbが通過するに要する時間をいう。詳述すると、本実施形態における前記待機時間Tは、予め試験等に基づいて設定した時間であり、静電アクチュエータの吐出動作の開始時(静電駆動電圧VDCの立ち上がる時)から液滴Fbが着弾し、その着弾した液滴Fbがレーザ照射位置まで到達するまでの時間である。従って、遅延パルス生成回路61は、ラッチ回路57が前記ラッチ信号LATの立下りに応答してラッチした吐出制御信号SIを、待機時間T経過すると、即ち、着弾した液滴Fbが半導体レーザLの直下(レーザ照射位置)の到達したとき、開閉信号GS2をスイッチ回路62に出力する。
スイッチ回路62には、16個の各半導体レーザLに対応するスイッチ素子S2が備えられている。各スイッチ素子S2の入力側には、電源回路48の生成した共通のレーザ駆動電圧VDLが入力され、出力側には対応する各半導体レーザLが接続されている。そして、各スイッチ素子S2には、遅延パルス生成回路61から対応する開閉信号GS2が入力され、開閉信号GS2に応じてレーザ駆動電圧VDLを半導体レーザLに供給するか否かを制御する。すなわち、本実施形態の液滴吐出装置20は、電源回路48の生成したレーザ駆動電圧VDLを、各スイッチ素子S2を介して対応する各半導体レーザLに共通に印加するとともに、そのスイッチ素子S2の開閉を、制御装置40(制御部43)の供給する吐出制御信号SI(開閉信号GS2)によって制御するようにしている。そして、スイッチ素子S2が閉じると、同スイッチ素子S2に対応する半導体レーザLにレーザ駆動電圧VDLが供給され、対応する半導体レーザLからレーザ光が出射される。
つまり、図10に示すように、ラッチ信号LATがヘッド駆動回路51に入力されると、待機時間T後に、開閉信号GS2が生成される。そして、開閉信号GS2が立ち上がった時に、対応する半導体レーザLにレーザ駆動電圧VDLが印加され、丁度、半導体レーザLの照射位置を通過するガラス基板2(黒セルC1)に着弾した液滴Fbに、同半導体レーザLからレーザ光が出射される。そして、開閉信号GS2が立下り、レーザ駆動電圧VDLの供給が遮断されて半導体レーザLによる乾燥処理動作が終了する。
制御装置40には、I/F部49を介して基板検出装置53が接続されている。基板検出装置53は、ガラス基板2の端縁を検出し、制御装置40によって液滴吐出ヘッド30(ノズルN)の直下を通過するガラス基板2の位置を算出する際に利用される。
制御装置40には、I/F部49を介してX軸モータ駆動回路54が接続され、X軸モータ駆動回路54にX軸モータ駆動制御信号を出力するようになっている。X軸モータ駆
動回路54は、制御装置40からのX軸モータ駆動制御信号に応答して、キャリッジ29を往復移動させるX軸モータMXを正転又は逆転させるようになっている。そして、例えば、X軸モータMXを正転させると、キャリッジ29はX矢印方向に移動し、逆転させるとキャリッジ29はX矢印の反対方向に移動する。
制御装置40には、前記X軸モータ駆動回路54を介してX軸モータ回転検出器54aが接続され、X軸モータ回転検出器54aからの検出信号が入力される。制御装置40は、この検出信号に基づいて、X軸モータMXの回転方向及び回転量を検出し、液滴吐出ヘッド30(キャリッジ29)のX矢印方向の移動量と、移動方向とを演算する。
制御装置40には、I/F部49を介してY軸モータ駆動回路55が接続され、Y軸モータ駆動回路55にY軸モータ駆動制御信号を出力するようになっている。Y軸モータ駆動回路55は、制御装置40からのY軸モータ駆動制御信号に応答して、基板ステージ23を往復移動させるY軸モータMYを正転又は逆転させ、基板ステージ23を予め定めた速度で移動させる。例えば、Y軸モータMYを正転させると、基板ステージ23(ガラス基板2)は予め定めた速度でY矢印方向に移動し、逆転させると、基板ステージ23(ガラス基板2)は予め定めた速度でY矢印の反対方向に移動する。
制御装置40には、前記Y軸モータ駆動回路55を介してY軸モータ回転検出器55aが接続され、Y軸モータ回転検出器55aからの検出信号が入力される。制御装置40は、Y軸モータ回転検出器55aからの検出信号に基づいて、Y軸モータMYの回転方向及び回転量を検出し、液滴吐出ヘッド30に対するガラス基板2のY矢印方向の移動方向及び移動量を演算する。
(ドットパターンの生成)
次に、上述した液滴吐出装置20を使ってドットパターン10をガラス基板2の裏面2bに形成する方法について説明する。
まず、図5に示すように、往動位置に位置する基板ステージ23上に、ガラス基板2を、裏面2bが上側になるように配置固定する。このとき、ガラス基板2のY矢印方向側の辺は、案内部材26より反Y矢印方向側に配置されている。また、キャリッジ29(液滴吐出ヘッド30)は、ガラス基板2がY矢印方向に移動したとき、その直下を、ドットパターン10を形成する位置(パターン形成領域Z1)が通過する位置にセットされている。
この状態から、制御装置40は、Y軸モータMYを駆動制御し、基板ステージ23を介してガラス基板2を所定の速度でY矢印方向に搬送させる。やがて、基板検出装置53がガラス基板2のY矢印側の端縁を検出すると、制御装置40は、Y軸モータ回転検出器55aからの検出信号に基づいて、横1列のセルC(黒セルC1)がノズルNの直下まで搬送されたかどうかを演算する。
この間、制御装置40は、ドットパターン作成プログラムに従って、RAM44に格納したビットマップデータBMDに基づく吐出制御信号SIと、駆動波形生成回路46で生成した静電駆動電圧VDCをヘッド駆動回路51に出力する。また、制御装置40は、電源回路48で生成したレーザ駆動電圧VDLをレーザ駆動回路52に出力する。そして、制御装置40は、ラッチ信号LATを出力するタイミングを待つ。
そして、1行目のセルC(黒セルC1)がノズルNの直下(着弾位置)まで搬送されると、制御装置40は、ラッチ信号LATをヘッド駆動回路51に出力する。ヘッド駆動回路51は、制御装置40からのラッチ信号LATを応答して、吐出制御信号SIに基づく
開閉信号GS1を生成し、同開閉信号GS1をスイッチ回路59に出力する。そして、閉じた状態のスイッチ素子S1に対応する静電アクチュエータに、静電駆動電圧VDCを供給し、対応するノズルNから、静電駆動電圧VDCに相対する液滴Fbを、一斉に吐出する。
一方、レーザ駆動回路52(遅延パルス生成回路61)は、ラッチ回路57のラッチした吐出制御信号SIを受けて開閉信号GS2の生成を開始し、待機時間T(ガラス基板2(黒セルC1)に着弾した液滴Fbが、レーサ照射位置に到達する時間)待機する。そして、ラッチ信号LATを受けて待機時間Tを経過すると、レーザ駆動回路52は、遅延パルス生成回路61の生成した開閉信号GS2をスイッチ回路62に出力し、閉じた状態のスイッチ素子S2に対応する半導体レーザLに、レーザ駆動電圧VDLを供給する。
従って、横1列の黒セルC1内に一斉に着弾した液滴Fbに、一斉に対応する半導体レーザLからレーザ光が照射される。これによって、液滴Fbの分散媒が着弾時に蒸発し、同液滴Fbが乾燥して裏面2bに定着する。
つまり、先に一斉に吐出されてガラス基板2上に着弾した横一列のドットDを形成する液滴Fbが、一斉に対応する半導体レーザLによってレーザ光が照射される。これによって、レーザ光のエネルギーによって、液滴Fbの分散媒が蒸発し、液滴Fbに含まれていたマンガン微粒子が焼成しガラス基板2に密着される。つまり、ガラス基板2にマンガンよりなる半球状のドットDが形成される。以後、同様に、各ノズルNから吐出されガラス基板2に着弾した液滴Fbが、対応する半導体レーザLの直下に搬送される毎に、レーザ光が照射される。そして、ドットパターン10を構成する半球状のドットDが横一列毎に形成されてくる。
そして、パターン形成領域Z1に形成されるドットパターン10の全ドットDが形成されると、制御装置40は、Y軸モータMYを制御して、ガラス基板2を液滴吐出ヘッド30の下方位置から退出させる。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、一回のガラス基板2の搬送で、液滴吐出工程と乾燥・焼成工程が完了するため、パターン形成作業が短時間となり作業効率の向上を図ることができる。特に、液滴吐出工程後の乾燥・焼成工程に用いる半導体レーザLからのレーザ光は、第1基板31を光路として供給されるために、液滴の着弾後に比較的短時間内で照射することが可能である。着弾した液滴の形状は時間の経過に伴い変化するが、ノズルNの近傍で、レーザ光の照射を行なうことができるので、短時間で乾燥し、形状を固定することができる。例えば、ノズルNとレーザ光の出射位置との間隔を10μm以下にした場合、ステージの搬送速度が遅い場合でも、着弾した液滴Fbが濡れ広がったり、収縮したりする前(例えば50μ秒)にレーザ光を照射できる。
(2)本実施形態によれば、振動板32bと、この振動板32bを振動させるための電極33aとからなる静電アクチュエータが配設されている。この静電アクチュエータが、液滴Fbを吐出させるための加圧手段として機能する。キャビティの外側に振動板を構成するガラス板やプラスチック板等を介して圧電素子を設けた構造とは異なり、微細な液滴吐出ヘッド30を製造することができる。また、圧電素子の場合、圧電素子自身の厚みや、振動板への接着剤の厚みのばらつきが生じることがある。キャビティ32cを構成する一面を振動板32bとして、静電気力を利用した吐出を行なう駆動方式を採用するため、安定した吐出特性を得ることができる。
(3)本実施形態によれば、半導体レーザLの駆動タイミングを、ノズルNの駆動開始
を決めるラッチ信号LATの立下りを基準(基準時間Tk)、すなわち、液滴Fbを吐出させるための静電アクチュエータの駆動を基準にして決定したので、ノズルNから吐出した液滴Fbの位置を正確に把握できる。従って、レーザ光を精度よく液滴Fbに照射することができ、確実に液滴Fbを乾燥・焼成させることができる。しかも、制御部43の負荷も軽減することができる。
(4)本実施形態によれば、レーザ照射装置38の光路である第1基板31は液滴吐出ヘッド30と一体化しているので、照射時の位置あわせが不要である。
(5)本実施形態によれば、16個の半導体レーザLは、駆動した静電アクチュエータに対応する半導体レーザLしか駆動させないようにしたので、半導体レーザLの消費電力を抑えることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態では、第1基板31と第2基板32とを接合することにより、複数のノズルNを形成する。これに代えて、図11に示すように、第1基板31に孔を設けてノズルNを形成してもよい。この場合、ノズルNの近傍に光路変更手段(例えば、反射鏡34)を設ける。これにより、キャビティ32cを水平にしてレーザ光を照射することができる。特に、反射鏡34の位置を変更することにより、着弾位置と照射位置とを調整することができる。
○ 上記実施形態では、第1基板31の上部に半導体レーザLを設ける。半導体レーザLの配置はこれに限られものではなく、吐出装置の一部を透明にして、レーザ光を誘導できるものであればよい。例えば、図12に示すように、第1基板31の正面に半導体レーザLを設けてもよい。この場合、第1基板31内に光路変更手段(例えば、反射鏡34)を設け、ノズルN近傍において、光路を変更させて、着弾した液滴Fbにレーザ光を照射する。これにより、側面からレーザ光を入射することができる。
また、図13に示すように、第1基板31の側面に半導体レーザLを設けてもよい。この場合、第1基板31内に光路変更手段(例えば、プリズム35)を、第1基板31への入射位置、出射位置に設ける。これにより、側面からレーザ光を入射することができる。このようにレーザ光源の設置場所のフレキシビリティを確保することができる。
○ 上記実施形態では、光路変更手段としてマイクロレンズを用いる。光路変更手段は、レーザ光の光路を変更し、液滴の着弾位置近傍に導けるものであれば、これらに限られるものではなく、反射鏡やプリズム、回折格子等を用いることも可能である。
○ 上記実施形態では、ラッチ信号LATの立下りを基準として待機時間Tを設定したが、ラッチ信号LATの立ち上りを基準に待機時間Tを設定して実施してもよく、要は、静電アクチュエータの駆動動作を決める駆動信号を基準に待機時間Tを設定すればどんなタイミングでもよい。
○ 上記実施形態では、加圧手段として静電アクチュエータを使って液滴Fbを吐出したが、静電アクチュエータ以外の方法で圧力室(キャビティ32c)を加圧する加圧手段を用いて実施してもよい。例えば、静電アクチュエータ以外の方法(例えば、ピエゾ素子を用いる方法や気泡を用いる方法等)を用いてキャビティ32c内を加圧し、液滴Fbを吐出するようにしてもよい。例えば、ピエゾ素子を用いる場合には、キャビティ32cを構成する振動板32bにピエゾ素子を接触させ、駆動信号によりキャビティ32cの体積を変更して液滴Fbを吐出させる。また、気泡を用いる場合には、キャビティ32c内に気泡を生成して破裂させて液滴Fbを吐出させる。これらの場合にも、液滴Fbを吐出させるノズル孔を設けたノズルプレートを透明にして、レーザ光の光路とする。
○ 上記実施形態では、第1基板と第2基板とを接合し、レーザ光の照射位置を固定した。これに代えて、レーザ光の照射位置を稼動にしてもよい。この場合、例えば、移動可能なマイクロレンズを第1基板に設けたり、第1基板と第2基板との位置関係をずらしたりすることができる調整手段を設ける。これにより、描画ピッチを変えるために液滴吐出ヘッド30を傾けた場合にも、着弾位置に応じてレーザ光を照射することができる。
○ 上記実施形態では、ドットパターン10を構成するドットDを形成するための液滴吐出装置20に具体化したが、例えば、機能性材料として配線材料を含む液滴を基板に吐出させて、基板上に金属配線を形成する液滴吐出装置や絶縁膜を形成するための液滴吐出装置などに応用してもよい。この場合にも、効率よく後工程の乾燥・焼成が液滴吐出装置で行なうことができる。
○ 上記実施形態では、半球状のドットDで具体化したが、その形状は限定されるものではなく、例えば、その平面形状が楕円形のドットであったり、バーコードを構成するバーのように線状であったりしてもよい。
○ 上記実施形態では、パターンは2次元コードの識別コードであったが、これに限定されるものではなく、例えばバーコードであってもよい。さらに、パターンは、文字、数字、記号等であってもよい。
○ 上記実施形態では、ドットパターン10を表示用基板としてガラス基板2に形成したが、これをシリコンウェハ、樹脂フィルム、金属板等でもよい。
○ 上記実施形態では、レーザ駆動回路52の遅延パルス生成回路61にて、待機時間Tが経過した時、開閉信号GS2を出力するようにした。これを、制御装置40で、待機時間Tを計時して、待機時間Tが経過した時、レーザ駆動回路52に制御信号を出力する。そして、レーザ駆動回路52は、制御信号に応答して、ヘッド駆動回路51のラッチ回路57から入力した吐出制御信号SIに基づいて生成した開閉信号GS2を出力するようにしてもよい。
○ 上記実施形態では、表示モジュール1に具体化した。これに限らず、例えば有機エレクトロルミネッセンス表示装置の表示モジュールであってもよく、あるいは平面状の電子放出素子を備え、同素子から放出された電子による蛍光物質の発光を利用した電界効果型装置(FEDやSED等)を備えた表示モジュールであってもよい。また、ドットパターン10が形成されたガラス基板2等は、これらの表示装置のみでなく、他の電子機器に使用してもよい。
液晶表示装置の液晶表示モジュールの正面図。 液晶表示モジュールの裏面に形成されたドットパターンの正面図。 液晶表示モジュールの裏面に形成されたドットパターンの側面図。 ドットパターンの構成を説明するための説明図。 本実施形態の液滴吐出装置の要部斜視図。 液滴吐出ヘッドを説明するための斜視図。 液滴吐出ヘッドを説明するための分解斜視図。 液滴吐出ヘッドを説明するための要部断面図。 液滴吐出装置の電気的構成を説明するための電気ブロック回路図。 吐出ヘッドの駆動と半導体レーザの駆動のタイミングを説明するためのタイミングチャート。 他の形態の液滴吐出ヘッドを説明するための要部断面図。 他の形態の液滴吐出ヘッドを説明するための要部断面図。 他の形態の液滴吐出ヘッドを説明するための概略斜視図。
符号の説明
1…表示モジュール、2…ガラス基板、2b…裏面、10…ドットパターン、20…液滴吐出装置、30…液滴吐出ヘッド、31…第1基板、32…第2基板、33…第3基板、32b…振動板、32c…キャビティ、33a…電極、34…光路変更手段としての反射鏡、40…制御装置、43…制御部、51…ヘッド駆動回路、52…レーザ駆動回路、61…遅延パルス生成回路、N…ノズル、Fb…液滴、L…半導体レーザ、LAT…ラッチ信号、GS1…第1開閉信号、GS2…第2開閉信号、T…待機時間、Tk…基準時間、Z1…パターン形成領域、Z2…余白領域、C…セル、D…ドット。

Claims (7)

  1. 液滴を吐出させるための加圧手段を側面に設けた流体経路を備えた液滴吐出手段と、
    前記液滴吐出手段から吐出された液滴にレーザ光を照射するレーザ照射手段とを備えた液滴吐出装置であって、
    前記流体経路を構成する部材の少なくとも一部を、前記レーザ光に対して透明部材を用いて構成し、前記透明部材内で前記レーザ光を誘導することを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出装置において、
    前記透明部材に、前記レーザ光を基板上の液滴の着弾位置近傍に導く光路変更手段を備えることを特徴とする液滴吐出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液滴吐出装置において、
    少なくとも、前記加圧手段を設けた側面の対向面に、前記レーザ光を誘導するための透明部材を用いて構成したことを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、
    前記液滴吐出手段は、流体経路となる溝部が形成された加工基板と、前記溝部の縁部においてこの加工基板に密着させたカバー材とから構成され、
    前記カバー材を、前記レーザ光を誘導するための透明部材を用いて構成したことを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液滴吐出装置において、
    前記加工基板の溝部を形成する側面の一部に可撓領域を設け、この可撓領域に加圧手段を設けたことを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液滴吐出装置において、
    前記加圧手段は、前記可撓領域と、この可撓領域に対向して設けられた電極とから構成したことを特徴とする液滴吐出装置。
  7. 請求項5に記載の液滴吐出装置において、
    前記加圧手段は、圧電素子を用いて構成したことを特徴とする液滴吐出装置。
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