JP4796930B2 - 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置及びその駆動制御方法 - Google Patents
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Description
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、ウェブ状の被記録媒体に対して画像記録を行う装置において、安定的にかつ高精度に照射活性エネルギー強度を測定できる活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置及びその駆動制御方法を提供し、もって、高画質な画像記録を長期間に亘って維持可能とすることで、生産性の向上を図ることを目的とする。
(1) 活性エネルギーにより硬化するインクをインクジェットヘッドからウェブ状の被記録媒体に向けて画像信号に基づき吐出して前記被記録媒体上に画像形成した後、前記活性エネルギーを前記被記録媒体に向けて照射して前記インクを硬化させる活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置であって、
前記活性エネルギーを出射する活性エネルギー照射手段と、
該活性エネルギー照射手段から出射される照射光を前記被記録媒体へ導く導光部と、
前記被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、
所定の間隔で離間されて前記被記録媒体の裏面に接する一対の第1ローラ、前記一対の第1ローラの間で前記被記録媒体の搬送路面より下方に配設され前記被記録媒体の表面に接する第2ローラ、及び前記第1ローラと前記第2ローラの両端部をそれぞれ支持する支持部を有し、前記被記録媒体の搬送路の途中で前記被記録媒体を前記搬送路面より下方に迂回させ、前記被記録媒体の搬送路面より下方に前記被記録媒体で囲まれる収容空間を形成する搬送路変更手段と、
前記収容空間内に配置されるセンサステーションと、
前記支持部を前記被記録媒体の搬送方向に往復動させるステーション移動機構と、
前記活性エネルギー照射手段から前記活性エネルギーを照射させる制御手段と、
を備え、
前記ステーション移動機構は、前記支持部を前記被記録媒体の搬送方向に往復動することで、前記センサステーションを前記導光部の光出射面に対面配置可能とし、
前記センサステーションは、前記光出射面に対面配置され前記導光部からの照射活性エネルギー強度を検出する活性エネルギー強度検出部と、前記活性エネルギー強度検出部の周囲温度を検出する温度検出部とを有し、
前記制御手段は、前記活性エネルギー強度検出部によって得られた照射活性エネルギー強度測定値を、前記温度検出部による測定温度値に対応して補償処理し、該補償処理された照射活性エネルギー補正強度値に基づいて、前記被記録媒体に対する活性エネルギーの積分的照射量を変更することを特徴とする活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置。
また、この活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置によれば、被記録媒体の搬送路の途中で、搬送路変更手段によって被記録媒体が活性エネルギー照射部直下の位置から迂回され、活性エネルギー照射部の直下に被記録媒体で囲まれた収容空間が形成される。この収容空間にセンサステーションが配置されていることで、ウェブ状の被記録媒体を使用する画像記録装置においても、活性エネルギー照射部に対してセンサステーションが対向配置可能となる。
前記搬送路変更手段が、前記複数の導光部それぞれの光出射面位置に前記センサステーションが配置されるように、前記被記録媒体の搬送路に沿って前記支持部を順次移動することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置。
前記センサステーションが、前記導光部のそれぞれに対応して複数の活性エネルギー強度検出手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置。
前記導光部の光出射面に対面配置された活性エネルギー強度検出部により、前記導光部からの照射活性エネルギー強度を検出する処理と、
前記活性エネルギー強度検出部の周囲温度を検出する処理と、
前記周囲温度を測定した測定温度値に対応する照射活性エネルギー補正強度値をデータベースに格納したデータテーブルから設定する温度補償処理と、
前記照射活性エネルギー補正強度値に基づき前記被記録媒体に対する活性エネルギーの積分的照射量を変更する照度補償処理と、
を含むことを特徴とする活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の駆動制御方法。
また、被記録媒体の搬送路の途中の収容空間にセンサステーションが配置されていることで、ウェブ状の被記録媒体を使用する画像記録装置においても、活性エネルギー照射部に対してセンサステーションを対向配置できる。
図1は本発明の実施の形態による活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の構成概略図、図2は図1に示した活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置に装備された超高圧水銀灯の拡大斜視図、図3は図1に示した活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置に装備された区画分離手段の斜視図、図4は図1に示した活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置に装備された導光部の斜視を(a)、同側面視を(b)に表す説明図である。
活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置(インクジェット記録装置)100は、筐体11内に、被記録媒体S1を画像記録範囲13aで保持しつつ図中の矢印A方向に搬送する搬送走査部15と、画像記録範囲13aの被記録媒体S1へ活性エネルギーにより硬化するインク(活性エネルギー硬化型インク)を吐出する4個のインクジェットヘッド17a〜17dと、各インクジェットヘッド17a〜17dの少なくとも被記録媒体S1の搬送方向下流位置に配置される活性エネルギー照射手段である4列の超高圧水銀灯19a〜19dと、各インクジェットヘッド17a〜17dの搬送方向下流位置で超高圧水銀灯19a〜19dと被記録媒体S1上の活性エネルギー照射位置との間に設けられて超高圧水銀灯19a〜19dから出射される照射光を被記録媒体S1へ導く導光部21a〜21dと、超高圧水銀灯19a〜19dの少なくとも照射面を覆う透明部材により搬送走査部15とインクジェットヘッド17a〜17dと導光部21a〜21dとから各超高圧水銀灯19a〜19dを分離する区画分離手段23と、を備えている。
搬送走査部15は、送出側ロール27に巻回された被記録媒体S1を被記録媒体搬送手段(搬送ローラ)29により画像記録範囲13aに搬送し、更に、画像記録範囲13aで画像記録を済ませた被記録媒体S1を後述の搬送路変更手段49により巻き取り側ロール33に送って、巻き取り側ロール33に巻き取らせる。
各インクジェットヘッド17a〜17d相互は、被記録媒体S1の搬送方向に沿って一定の間隔を空けて装備されている。
各インクジェットヘッド17a〜17dには不図示のヘッドドライバ(制御回路)が接続されていて、該ヘッドドライバからの信号によって、割り当てられた色のインクの吐出時期及び吐出量が制御される。
各超高圧水銀灯19a〜19dは、例えば、波長250〜600nmの紫外光を出射する点状光源で、図2に示すように、各ヘッド毎に、被記録媒体S1の幅方向に沿って一直線上に複数個並べた光源列として装備され、被記録媒体S1の幅方向全域に渡る帯状の照射域を作る。
各導光部21a〜21dは、出射する照射光が拡散して迷光を誘発しないように、一端側よりも他端側が小さい略楔形に形成されている。
この各導光部21a〜21dの構成は、空洞の箱体とすることもでき、一端が対応する超高圧水銀灯へ開口し、他端が被記録媒体S1へ開口する不透明な筒状の構成とすることができる。
区画分離手段23は、不透明部材23eが導光部21a〜21dの導光範囲以外を遮光するように、各透明部材23a〜23d及び不透明部材23eの大きさを設定している。
防振手段47は、振動や衝撃を減衰させる摺動形のショックアブソーバの他、各種の免震構造、免震材料、振動吸収材料を利用することができる。また、超高圧水銀灯19a〜19dに直接配置することもできる。
図5は制御手段のブロック図である。インクジェット記録装置100には、制御手段である制御部71が設けられている。制御部71としては、例えばCPUを備えたコンピュータ等を用いることができる。制御部71にはインクジェット記録装置100に設けられる不図示の操作パネル等が接続されている。また、制御部71には、光強度センサ69、温度センサ73,搬送ローラ29,カウンタ77,タイマー79,シャッター35,紫外線照射部81,メンテナンス機構83,データベース85等が接続されている。これら構成要素は制御部71へ検出信号を入力し、或いは制御部71から送出される動作制御信号によって動作制御される。
図6は駆動制御方法の手順の一例を表したフローチャート、図7はセンサ出力と周囲温度との相関を表したグラフである。
インクジェット記録装置100において、制御部71から活性エネルギー強度検出信号が送出されると、導光部21a〜21dに設けられた光強度センサ69が、導光部21a〜21dの照射活性エネルギー強度を測定する(st1)。また、同時に、光強度センサ69の周囲温度が温度センサ73によって検出される(st2)。
しかも、活性エネルギー照射用の光源として低コストの超高圧水銀灯19a〜19dを導入したことによって、従来の高コストの光源を採用していた活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置と比較して、装置コストを安価に抑えることができる。
そして、透明部材23a〜23dの領域を小さく制限することで、導光部21a〜21dを小型化することができ、インクジェットヘッド17a〜17dの周辺における導光部21a〜21dの配置スペースの確保を容易にすることができる。
これにより、熱に弱い材料で形成された被記録媒体S1に対しても、被記録媒体S1の熱変形等を招くことなく、安定して高品位の画像記録を実現することができる。
これにより、熱に弱い材料で形成された被記録媒体S1に対しても、被記録媒体S1の熱変形等を招くことなく、安定して高品位の画像記録を実現することができる。
以上は活性エネルギー照射用の光源として低コストの超高圧水銀灯を導入した例で説明を行ったが、一部あるいはすべての光源を通常の高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、ブラックライト、蛍光灯、LEDアレイ等の光源とすることも可能である。
図8はセンサステーションを備えた実施の形態による活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の構成概略図、図9は図8に示した搬送路変更手段及びセンサステーションの拡大斜視図である。おな、以下の各実施の形態においては、図1〜図5に示した部材と同等の部材には同等の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
この実施の形態によるインクジェット記録装置200は、搬送路変更手段49が、所定間隔で離間されて被記録媒体S1の裏面に接する一対の送りローラ51,53と、この送りローラ51,53の間に配設され被記録媒体S1の表面に接するダンサローラ55,57とからなる。
図10は活性エネルギー照射部に対する活性エネルギー検出工程の一例を(a)〜(d)で表した動作説明図である。
インクジェット記録装置200において、制御部71から活性エネルギー強度検出信号が送出されると、ステーション移動機構63、搬送路変更手段49が駆動され、搬送路変更手段49及びセンサステーション65が、図10(a)に示すように、被記録媒体搬送方向の上流側へ移動される。
図11は対面位置の実施の形態による活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の構成概略図、図12は図11に示したセンサステーションを上方から見た斜視図、図13は図11に示した活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の動作説明図である。
本実施の形態によるインクジェット記録装置300は、活性エネルギー照射部である超高圧水銀灯19a〜19d、導光部21a〜21dが複数並設されている。また、センサステーション101は、上下方向に昇降自在に支持され、且つ図12に示すように、活性エネルギー照射部のそれぞれに対応して複数列の活性エネルギー強度検出部である光強度センサ103a,103b,103c,103dを備えている。また、この光強度センサ103a,103b,103c,103dのそれぞれには温度センサ73が付設されている。なお、温度センサ73は、光強度センサ103a,103b,103c,103dの温度を高精度に測定できれば、光強度センサ103a,103b,103c,103dと別体に配設されていてもよい。
特に、本発明のインクジェット記録装置では、活性エネルギー照射が、発光波長ピークが390〜420nmであり、かつ、前記被記録媒体表面での最高照度が10〜1,000mW/cm2となる紫外線を発生する発光ダイオードから照射されることが好ましい。
更に、本発明のインクジェット記録装置では、インク組成物を一定温度に加温するとともに、インク組成物の被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を、0.01〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.02〜0.3秒、更に好ましくは0.03〜0.15秒である。このようにインク組成物の被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。
本発明のインク組成物を適用しうる被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料或いは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
本発明のインク組成物において、硬化時の熱収縮が少ない材料を選択した場合、硬化したインク組成物と被記録媒体との密着性に優れるため、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいフィルム、例えば、熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムなどにおいても、高精細な画像を形成しうるという利点を有する。
〔インク組成物〕
本発明に用いられるインク組成物は、活性エネルギーの照射により硬化可能なインク組成物であり、例えば、カチオン重合系インク組成物、ラジカル重合系インク組成物、水性インク組成物等が挙げられる。これら組成物について以下詳細に説明する。
カチオン重合系インク組成物は、(a)カチオン重合性化合物と、(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物を含有する。所望により、更に着色剤、紫外線吸収剤、増感剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、界面活性剤等を含有してもよい。
以下、カチオン重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
本発明に用いられる(a)カチオン重合性化合物は、後述する(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物から発生する酸により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されている、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いうる単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
具体的には、単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインク組成物と被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
本発明で使用するオキセタン化合物の中でも、インク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
インク組成物中の(a)カチオン重合性化合物の含有量は、組成物の全固形分に対し、10〜95質量%が適当であり、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは50〜85質量%の範囲である。
本発明のインク組成物は、活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物(以下、適宜、「光酸発生剤」と称する。)を含有する。
本発明に用いうる光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、或いはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
インク組成物中の(b)光酸発生剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明のインク組成物は、着色剤を添加することで、可視画像を形成することができる。例えば、平版印刷版の画像部領域を形成する場合などには、必ずしも添加する必要はないが、得られた平版印刷版の検版性の観点からは着色剤を用いることも好ましい。
ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、又は顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
本発明に用いる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基及びこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vsSCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vsSCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vsSCE)以上のものが特に好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
本発明のインク組成物には、前記の必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。これらの任意成分について説明する。
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5〜15質量%程度である。
本発明のインク組成物には、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光酸発生剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、光酸発生剤に対し0.01〜1モル%、好ましくは0.1〜0.5モル%で使用される。
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
ラジカル重合系インク組成物は、(d)ラジカル重合性化合物と(e)重合開始剤を含有する。所望により、更に、着色剤、増感色素、共増感剤等を含有してもよい。
以下、ラジカル重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、以下に挙げるような付加重合化能なエチレン性不飽和結合を有する化合物が含まれる。
本発明のインク組成物に用い得る付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等があげられる。
また、特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレー卜類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。本発明において、これらのモノマーはプレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態で使用しうる。
次に本発明のラジカル重合系インク組成物に使用される光重合開始剤について説明する。
本発明における光重合開始剤は光の作用、または、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸および塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。
カチオン重合系インク組成物に記載した着色剤と同じものを利用することができる。
本発明のインク組成物には、前記の必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。これらの任意成分について説明する。
〔増感色素〕
本発明においては、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加しても良い。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
さらに本発明のインクには、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えても良い。
この他に、必要に応じて公知の化合物を用いることができ、例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を適宜選択して用いることができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
水性インク組成物は、重合性化合物と活性エネルギーの作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤を含有する。所望により、更に、色材、等を含有してもよい。
本発明の水性インク組成物に含まれる重合性化合物としては、公知の水性インク組成物に含まれる重合性化合物を用いることができる。
水性インク組成物は、硬化速度、密着性、柔軟性などのエンドユーザー特性を考慮した処方を最適化するために、反応性材料を加えることができる。このような反応性材料としては、(メタ)クリレート(即ち、アクリレート及び/又はメタクリレート)モノマー及びオリゴマー、エポキサイド並びにオキセタンなどが用いられる。
アクリレートモノマーの例としては、フェノキシエチルアクリレート、オクチルデシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート)、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビス(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、エトキシ化又はプロポキシ化グリコール及びポリオールのアクリレート(例えば、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート)、及びこれらの混合物が挙げられる。
アクリレートオリゴマーの例としては、エトキシ化ポリエチレングリコール、エトキシ化トリメチロールプロパンアクリレート及びポリエーテルアクリレート及びそのエトキシ化物、及びウレタンアクリレートオリゴマーが挙げられる。
メタクリレートの例としては、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
オリゴマーの添加量は、インク組成物全重量に対して1〜80重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
本発明のインク組成物に用いることができる重合開始剤について説明する。一例としては、例えば、波長400nm前後までの光重合開始剤が挙げられる。このような光重合開始剤としては、例えば、長波長領域に官能性、即ち、紫外線を受けてラジカルを生成する感受性を持つ物質である下記一般式で表される光重合開始剤(以下、TX系と略称する)が挙げられ、本発明においては、これらの中から適宜に選択して使用することが特に好ましい。
上述した水溶性重合性化合物は、上記したような色材を含有させることなく、透明な水性インクの形態とすることで、クリアインクとすることができる。特に、インクジェット記録特性を有するように調製すれば、水性光硬化型のインクジェット記録用のクリアインクが得られる。かかるインクを用いれば、色材を含有していないので、クリアな皮膜を得ることができる。色材を含有しないクリアインクの用途としては、画像印刷への適性を被記録材に付与するためのアンダーコート用としたり、或いは、通常のインクで形成した画像の表面保護、更なる装飾や光沢付与等を目的としたオーバーコート用としての用途等が挙げられる。クリアインクには、これらの用途に応じて、着色を目的としない無色の顔料や微粒子等を分散して含有させることもできる。これらを添加することによって、アンダーコート、オーバーコートいずれにおいても、印刷物の画質、堅牢性、施工性(ハンドリング性)等の諸特性を向上させることができる。
上述した水溶性重合性化合物を色材を含有するインクに利用する場合には、含有させた色材の吸収特性に合わせて、インク中における重合開始剤と重合性物質の濃度を調節することが好ましい。前記したように、配合量としては、水或いは溶剤の量を、質量基準で、40%〜90%の範囲、好ましくは60%〜75%の範囲とする。更に、インク中における重合性化合物の含有量は、インク全量に対して、質量基準で1%〜30%の範囲、好ましくは、5%〜20%の範囲とする。重合開始剤は、重合性化合物の含有量に依存するが、概ね、インク全量に対して、質量基準で0.1〜7%、好ましくは、0.3〜5%の範囲である。
本発明のインク組成物は、射出性を考慮し、射出時の温度において、インク粘度が20mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは10mPa・s以下であり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。
このインクにより得られた印刷物は、画像部が紫外線などの活性エネルギー照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
19a〜19d 超高圧水銀灯(活性エネルギー照射手段)
21a〜21d 導光部(活性エネルギー照射部)
29 搬送ローラ(記録媒体搬送手段)
49,105 搬送路変更手段
55,57 ダンサローラ
59 収容空間
65,101 センサステーション
69 光強度センサ(活性エネルギー強度検出部)
71 制御部
73 温度センサ(温度検知手段)
85 データベース
100,200,300 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置
103a,103b,103c,103d 光強度センサ(複数の活性エネルギー強度検出部)
A 搬送方向
S1 被記録媒体
Y 幅方向
Claims (7)
- 活性エネルギーにより硬化するインクをインクジェットヘッドからウェブ状の被記録媒体に向けて画像信号に基づき吐出して前記被記録媒体上に画像形成した後、前記活性エネルギーを前記被記録媒体に向けて照射して前記インクを硬化させる活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置であって、
前記活性エネルギーを出射する活性エネルギー照射手段と、
該活性エネルギー照射手段から出射される照射光を前記被記録媒体へ導く導光部と、
前記被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、
所定の間隔で離間されて前記被記録媒体の裏面に接する一対の第1ローラ、前記一対の第1ローラの間で前記被記録媒体の搬送路面より下方に配設され前記被記録媒体の表面に接する第2ローラ、及び前記第1ローラと前記第2ローラの両端部をそれぞれ支持する支持部を有し、前記被記録媒体の搬送路の途中で前記被記録媒体を前記搬送路面より下方に迂回させ、前記被記録媒体の搬送路面より下方に前記被記録媒体で囲まれる収容空間を形成する搬送路変更手段と、
前記収容空間内に配置されるセンサステーションと、
前記支持部を前記被記録媒体の搬送方向に往復動させるステーション移動機構と、
前記活性エネルギー照射手段から前記活性エネルギーを照射させる制御手段と、
を備え、
前記ステーション移動機構は、前記支持部を前記被記録媒体の搬送方向に往復動することで、前記センサステーションを前記導光部の光出射面に対面配置可能とし、
前記センサステーションは、前記光出射面に対面配置され前記導光部からの照射活性エネルギー強度を検出する活性エネルギー強度検出部と、前記活性エネルギー強度検出部の周囲温度を検出する温度検出部とを有し、
前記制御手段は、前記活性エネルギー強度検出部によって得られた照射活性エネルギー強度測定値を、前記温度検出部による測定温度値に対応して補償処理し、該補償処理された照射活性エネルギー補正強度値に基づいて、前記被記録媒体に対する活性エネルギーの積分的照射量を変更することを特徴とする活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置。 - 前記第2ローラは、前記被記録媒体の張力を調整するダンサローラを含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置。
- 前記活性エネルギー照射手段と前記導光部とが複数並設され、
前記搬送路変更手段が、前記複数の導光部それぞれの光出射面位置に前記センサステーションが配置されるように、前記被記録媒体の搬送路に沿って前記支持部を順次移動することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置。 - 前記活性エネルギー照射手段と前記導光部とが複数並設され、
前記センサステーションが、前記導光部のそれぞれに対応して複数の活性エネルギー強度検出部を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置。 - 前記センサステーションの活性エネルギー強度検出部が、前記被記録媒体の搬送方向と直交する幅方向に沿って複数配置されたことを特徴とする請求項4記載の活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置。
- 前記活性エネルギーが紫外線であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれか一項記載の活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の駆動制御方法であって、
前記導光部の光出射面に対面配置された活性エネルギー強度検出部により、前記導光部からの照射活性エネルギー強度を検出する処理と、
前記活性エネルギー強度検出部の周囲温度を検出する処理と、
前記周囲温度を測定した測定温度値に対応する照射活性エネルギー補正強度値をデータベースに格納したデータテーブルから設定する温度補償処理と、
前記照射活性エネルギー補正強度値に基づき前記被記録媒体に対する活性エネルギーの積分的照射量を変更する照度補償処理と、
を含むことを特徴とする活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置の駆動制御方法。
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