JP2008183727A - 紫外線硬化型インクジェット記録装置 - Google Patents
紫外線硬化型インクジェット記録装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008183727A JP2008183727A JP2007016705A JP2007016705A JP2008183727A JP 2008183727 A JP2008183727 A JP 2008183727A JP 2007016705 A JP2007016705 A JP 2007016705A JP 2007016705 A JP2007016705 A JP 2007016705A JP 2008183727 A JP2008183727 A JP 2008183727A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording medium
- ink
- ultraviolet
- light source
- ultraviolet light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
Abstract
【課題】被記録媒体を均一に照射できるようになると共に、生産性が高く、色々な被記録媒体に対して記録可能で、コンパクトかつ安価なインクジェット装置を提供する。
【解決手段】被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、被記録媒体搬送手段により搬送された被記録媒体Sに向けて紫外線照射を行うことにより硬化可能なインクを画像信号に基づいて吐出する被記録媒体の幅と略同じ長さを有するフルラインインクジェットヘッド13Y〜13Bと、フルラインヘッドにより被記録媒体上に吐出されたインクを硬化させる紫外線照射手段と、を有するインクジェット装置10において、紫外線照射手段が、紫外線光源14、15と、紫外線光源に設けられて紫外線光源から発する光を被記録媒体まで導光する複数の光ファイバ19から成り、かつ複数の光ファイバに光強度均一化手段を講じた。
【選択図】図1
【解決手段】被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、被記録媒体搬送手段により搬送された被記録媒体Sに向けて紫外線照射を行うことにより硬化可能なインクを画像信号に基づいて吐出する被記録媒体の幅と略同じ長さを有するフルラインインクジェットヘッド13Y〜13Bと、フルラインヘッドにより被記録媒体上に吐出されたインクを硬化させる紫外線照射手段と、を有するインクジェット装置10において、紫外線照射手段が、紫外線光源14、15と、紫外線光源に設けられて紫外線光源から発する光を被記録媒体まで導光する複数の光ファイバ19から成り、かつ複数の光ファイバに光強度均一化手段を講じた。
【選択図】図1
Description
本発明は、紫外線硬化型インクジェット記録装置に関し、特に、ファイバ導光手段を有する紫外線硬化型インクジェット装置に関する。
インクジェットは被記録媒体に非接触でインクジェットヘッド多数配置が容易であることから高速・高画質な記録が可能であるという利点を有し、多数の産業用システムにも応用されている。近年では、被記録媒体の幅一杯に記録可能な幅のヘッドユニットを固定した状態で被記録媒体と対面して配置し、被記録媒体が該ヘッドの下を一回通過するのみで記録が完了されるいわゆるシングルパスインクジェット装置が実用化されてきている(例えば、特許文献1参照)。
図6はシングルパスインクジェット装置の従来装置である。
図6において、60は従来のシングルパスインクジェット装置である。シングルパスインクジェット装置60において、ロール状に巻回された被記録媒体ロール61から被記録媒体Sが引き出され、まず被記録媒体Sの幅方向に多数個のインクジェットノズルが並ぶY(イエロー)色のフルラインインクジェットヘッド63Yの下を搬送中にY色インクが被記録媒体Sの上に所望の画像様に記録され、被記録媒体Sに吐出された紫外線硬化型インクのY色インクは、その直後、活性エネルギー硬化用ランプ64の下を通過中に活性エネルギーを受けて定着される。
図6において、60は従来のシングルパスインクジェット装置である。シングルパスインクジェット装置60において、ロール状に巻回された被記録媒体ロール61から被記録媒体Sが引き出され、まず被記録媒体Sの幅方向に多数個のインクジェットノズルが並ぶY(イエロー)色のフルラインインクジェットヘッド63Yの下を搬送中にY色インクが被記録媒体Sの上に所望の画像様に記録され、被記録媒体Sに吐出された紫外線硬化型インクのY色インクは、その直後、活性エネルギー硬化用ランプ64の下を通過中に活性エネルギーを受けて定着される。
次いで、被記録媒体Sの幅方向(図で紙面に垂直方向)に多数個のインクジェットノズルが並ぶM(マゼンタ)色のフルラインインクジェットヘッド63Mの下を搬送中に紫外線硬化型のM色インクが被記録媒体Sの上に所望の画像様に記録され、被記録媒体Sに吐出されたM色インクは、その直後、同じく活性エネルギー硬化用ランプ64の下を通過中に活性エネルギーを受けて定着される。
さらに、被記録媒体Sの幅方向に多数個のインクジェットノズルが並ぶC(シアン)色のフルラインインクジェットヘッド63Cの下を搬送中に紫外線硬化型のC色インクが被記録媒体Sの上に所望のラベルの画像様に記録され、被記録媒体Sに吐出されたC色インクは、その直後、活性エネルギー硬化用ランプ64の下を通過中に活性エネルギーを受けて定着される。
最後に、被記録媒体Sの幅方向(図で紙面に垂直方向)に多数のインクジェットノズルが配置で並ぶB(ブラック)色のフルラインインクジェットヘッド63Bの下を搬送中に紫外線硬化型のB色インクが被記録媒体Sの上に所望のラベルの画像様に記録され、被記録媒体Sに吐出されたB色インクは、その直後、それまでの活性エネルギー硬化用ランプ64よりも光強度の大きいメタルハライドランプ65の下を通過中に活性エネルギーを受けて4色が定着され、4色のインクによる記録がなされる。
以上のように、紫外線硬化型インクは高速定着性にすぐれるという特性から、上記シングルパスインクジェット装置に適用され、高生産性を有し、種々の被記録媒体に描画可能、環境にやさしい、等の利点を有するいくつかのシステムが発売されている。
一方で、インクを硬化するためには強い光強度が必要とされ、インク硬化用の光源としては、従来では、非常に高価な高圧水銀灯、中圧水銀灯、メタルハライドランプ、等が使用されている。
シングルパスインクジェットシステムにおいては被記録媒体の幅一杯に均一な光照射可能な様にこれら光源を配置するが、被記録媒体幅に対応して光強度が均一である必要がある。
ところが、上記光源の発光端は光強度が低い傾向があり、したがって光源の発光端を隣接光源の発光端と一部重ねたり、被記録媒体の端部では光強度の弱い端部を除いた中央部のみ使用するようにしているので、結果として、被記録媒体幅に想定される数の光源よりもより多くの光源を用いたり、被記録媒体幅よりも長い光源を使用することとなってしまった。
図7は従来装置(図6)の活性エネルギー硬化用ランプ64を被記録媒体Sの幅方向から見た平面図である。図7では、活性エネルギー硬化用ランプ64が被記録媒体Sの上方に6個(64−1〜64−6)並設されている。活性エネルギー硬化用ランプ64−1の光L1の端部L1uは光強度が中央部よりも弱いので、活性エネルギー硬化用ランプ64−1に隣接するランプ64−2の光L2の端部L2uを被記録媒体Sの上で重なるようにして、中央部の光強度と同じにして、光強度の均等化をしている。
また、活性エネルギー硬化用ランプ64−1の光L1の左端部およびランプ64−6の光の右端部は光強度が弱いので不使用とし、被記録媒体Sがこの部分に達しないようにしている。
この結果、光源が多く必要となり、光源のコストが高価になり、光源の消費電力も大きくなり、幅広の被記録媒体Sに対応しづらいといった問題があった。
また上記光源は被記録媒体Sの幅より大きさが大きく、装置全体が非常に大きくなってしまうという問題があった。
特開2005−280346号公報
一方で、インクを硬化するためには強い光強度が必要とされ、インク硬化用の光源としては、従来では、非常に高価な高圧水銀灯、中圧水銀灯、メタルハライドランプ、等が使用されている。
シングルパスインクジェットシステムにおいては被記録媒体の幅一杯に均一な光照射可能な様にこれら光源を配置するが、被記録媒体幅に対応して光強度が均一である必要がある。
ところが、上記光源の発光端は光強度が低い傾向があり、したがって光源の発光端を隣接光源の発光端と一部重ねたり、被記録媒体の端部では光強度の弱い端部を除いた中央部のみ使用するようにしているので、結果として、被記録媒体幅に想定される数の光源よりもより多くの光源を用いたり、被記録媒体幅よりも長い光源を使用することとなってしまった。
図7は従来装置(図6)の活性エネルギー硬化用ランプ64を被記録媒体Sの幅方向から見た平面図である。図7では、活性エネルギー硬化用ランプ64が被記録媒体Sの上方に6個(64−1〜64−6)並設されている。活性エネルギー硬化用ランプ64−1の光L1の端部L1uは光強度が中央部よりも弱いので、活性エネルギー硬化用ランプ64−1に隣接するランプ64−2の光L2の端部L2uを被記録媒体Sの上で重なるようにして、中央部の光強度と同じにして、光強度の均等化をしている。
また、活性エネルギー硬化用ランプ64−1の光L1の左端部およびランプ64−6の光の右端部は光強度が弱いので不使用とし、被記録媒体Sがこの部分に達しないようにしている。
この結果、光源が多く必要となり、光源のコストが高価になり、光源の消費電力も大きくなり、幅広の被記録媒体Sに対応しづらいといった問題があった。
また上記光源は被記録媒体Sの幅より大きさが大きく、装置全体が非常に大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、被記録媒体を均一に照射できるようになると共に、生産性が高く、色々な被記録媒体に対して記録可能で、コンパクトかつ安価なインクジェット装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明はインクジェット装置に係り、被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、該被記録媒体搬送手段により搬送された該被記録媒体に向けて紫外線照射を行うことにより硬化可能なインクを画像信号に基づいて吐出する被記録媒体の幅と略同じ長さを有するフルラインインクジェットヘッドと、該フルラインヘッドにより被記録媒体上に吐出されたインクを硬化させる紫外線照射手段と、を有するインクジェット装置において、
前記紫外線照射手段が、紫外線光源と、該紫外線光源に設けられて該紫外線光源から発する光を前記被記録媒体まで導光する複数の光ファイバから成り、かつ前記複数の光ファイバからの出力を均一化する出力均一手段を講じたことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェット装置において、被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、該被記録媒体搬送手段により搬送された該被記録媒体に向けて紫外線照射を行うことにより硬化可能なインクを画像信号に基づいて吐出する被記録媒体の幅と略同じ長さを有するフルラインインクジェットヘッドと、該フルラインヘッドにより被記録媒体上に吐出されたインクを硬化させる紫外線照射手段と、を有するインクジェット装置において、
前記紫外線照射手段が、紫外線光源と、該紫外線光源に設けられて該紫外線光源から発する光を前記被記録媒体まで導光する複数の光ファイバから成り、各超高圧水銀灯の光ファイバから被記録媒体への出力を均一化する光強度均一化手段を講じたことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のインクジェット装置において、前記紫外線光源が超高圧水銀灯を含むことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット装置において、前記均一化手段が、ファイバからの紫外光の照射面においてファイバの配列を変えるものであることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット装置において、前記多数の光ファイバがその一方の端部が前記紫外線光源の照射面に配置され、他方の端部が前記被記録媒体側で長方形状に配列されていることを特徴としている。
前記紫外線照射手段が、紫外線光源と、該紫外線光源に設けられて該紫外線光源から発する光を前記被記録媒体まで導光する複数の光ファイバから成り、かつ前記複数の光ファイバからの出力を均一化する出力均一手段を講じたことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェット装置において、被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、該被記録媒体搬送手段により搬送された該被記録媒体に向けて紫外線照射を行うことにより硬化可能なインクを画像信号に基づいて吐出する被記録媒体の幅と略同じ長さを有するフルラインインクジェットヘッドと、該フルラインヘッドにより被記録媒体上に吐出されたインクを硬化させる紫外線照射手段と、を有するインクジェット装置において、
前記紫外線照射手段が、紫外線光源と、該紫外線光源に設けられて該紫外線光源から発する光を前記被記録媒体まで導光する複数の光ファイバから成り、各超高圧水銀灯の光ファイバから被記録媒体への出力を均一化する光強度均一化手段を講じたことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のインクジェット装置において、前記紫外線光源が超高圧水銀灯を含むことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット装置において、前記均一化手段が、ファイバからの紫外光の照射面においてファイバの配列を変えるものであることを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット装置において、前記多数の光ファイバがその一方の端部が前記紫外線光源の照射面に配置され、他方の端部が前記被記録媒体側で長方形状に配列されていることを特徴としている。
上記の構成によって、被記録媒体を均一に照射できるようになると共に、生産性が高く、色々な被記録媒体に対して記録可能で、コンパクトかつ安価なインクジェット装置が得られることとなる。
以下に、本発明について、インクジェット装置の実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るインクジェット装置である。
図1において、10は実施例1に係るシングルパスインクジェット装置、11は被記録媒体ロール、12は巻取りロール、13はフルラインインクジェットヘッド、14は活性エネルギー硬化用ランプ(超高圧水銀灯)、15はメタルハライドランプ、16は冷却ファン、19は光ファイバである。
シングルパスインクジェット装置10において、ロール状に巻回された被記録媒体ロール11から被記録媒体Sが引き出され、各色で記録・定着を繰り返したあと巻取りロール12に巻取られる。まず被記録媒体Sの幅方向に多数個のインクジェットノズルが並ぶY(イエロー)色のフルラインインクジェットヘッド13Yの下を搬送中にY色インクが被記録媒体Sの上に所望の画像様に記録され、被記録媒体Sに吐出された紫外線硬化型インクのY色インクは、その直後、活性エネルギー硬化用ランプ14の下を通過中に活性エネルギーを受けて少なくとも粘度上昇により被記録媒体上でインクの形状が変わらなくなる程度に定着される。活性エネルギー硬化用ランプ14は従来装置の非常に高価な高圧水銀灯ではなくて、ここではオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)に使用されている安価な光源である超高圧水銀灯(発生光波長250−600nm)を用いている。
超高圧水銀灯の光はすべて本発明により設けられた多数の光ファイバ19で被記録媒体Sの直近までガイドされて、そこから被記録媒体Sに向けて照射されるので、光強度を均一化することが可能となり、被記録媒体を均一に照射できるようになる。
ここで用いる光ファイバ19は、紫外線を通過させるので石英製ファイバが好ましい。
図1において、10は実施例1に係るシングルパスインクジェット装置、11は被記録媒体ロール、12は巻取りロール、13はフルラインインクジェットヘッド、14は活性エネルギー硬化用ランプ(超高圧水銀灯)、15はメタルハライドランプ、16は冷却ファン、19は光ファイバである。
シングルパスインクジェット装置10において、ロール状に巻回された被記録媒体ロール11から被記録媒体Sが引き出され、各色で記録・定着を繰り返したあと巻取りロール12に巻取られる。まず被記録媒体Sの幅方向に多数個のインクジェットノズルが並ぶY(イエロー)色のフルラインインクジェットヘッド13Yの下を搬送中にY色インクが被記録媒体Sの上に所望の画像様に記録され、被記録媒体Sに吐出された紫外線硬化型インクのY色インクは、その直後、活性エネルギー硬化用ランプ14の下を通過中に活性エネルギーを受けて少なくとも粘度上昇により被記録媒体上でインクの形状が変わらなくなる程度に定着される。活性エネルギー硬化用ランプ14は従来装置の非常に高価な高圧水銀灯ではなくて、ここではオーバーヘッドプロジェクタ(OHP)に使用されている安価な光源である超高圧水銀灯(発生光波長250−600nm)を用いている。
超高圧水銀灯の光はすべて本発明により設けられた多数の光ファイバ19で被記録媒体Sの直近までガイドされて、そこから被記録媒体Sに向けて照射されるので、光強度を均一化することが可能となり、被記録媒体を均一に照射できるようになる。
ここで用いる光ファイバ19は、紫外線を通過させるので石英製ファイバが好ましい。
次いで、被記録媒体Sの幅方向に多数個のインクジェットノズルが並ぶM(マゼンタ)色のフルラインインクジェットヘッド13Mの下を搬送中に紫外線硬化型のM色インクが被記録媒体Sの上に所望の画像様に記録され、被記録媒体Sに吐出されたM色インクは、その直後、同じく活性エネルギー硬化用ランプ14の下を通過中に光ファイバ19で照射されるので、均一に照射され、Yインクと同様に定着される。
さらに、被記録媒体Sの幅方向に多数個のインクジェットノズルが並ぶC(シアン)色のフルラインインクジェットヘッド13Cの下を搬送中に紫外線硬化型のC色インクが被記録媒体Sの上に所望のラベルの画像様に記録され、被記録媒体Sに吐出されたC色インクは、その直後、同じく活性エネルギー硬化用ランプ14の下を通過中に光ファイバ19で照射されるので、均一に照射され、Y及びMインクと同様に定着される。
最後に、被記録媒体Sの幅方向(図で紙面に垂直方向)に多数のインクジェットノズルが配置で並ぶB(ブラック)色のフルラインインクジェットヘッド13Bの下を搬送中に紫外線硬化型のB色インクが被記録媒体Sの上に所望のラベルの画像様に記録され、被記録媒体Sに吐出されたB色インクは、その直後、光強度の大きいメタルハライドランプ15の下を通過中に光ファイバ19で照射されるので、均一に照射され、活性エネルギーを受けて4色が完全に定着され、4色のインクによる記録がなされる。
以上のように、実施例1によれば、活性エネルギー硬化用ランプからの光が多数の光ファイバ19で被記録媒体Sの直近まで低光減衰でガイドされて、そこから被記録媒体Sに向けて照射される、しかも後述の光強度を均一化することが可能となるので、被記録媒体を均一に照射できるようになる。
図2は、本発明の実施例2に係る光強度均一化手段を説明する図で、(a)は概念斜視図、(b)は活性エネルギー硬化用ランプ(イ)と、光ファイバ先端(ロ)のそれぞれ俯瞰図である。
図2において、14は活性エネルギー硬化用ランプで、ここでは安価な超高圧水銀灯であり、19は光ファイバ、19aは光ファイバ先端である。光ファイバ19は超高圧水銀灯14の放射面全域を覆うように隙間なく配置されている。図2では判り易くするために、数本だけ描いている。また、光ファイバ19は実際は直径0.7mm程度と細いが、図2では判り易くするために実際より太く描いている。
図2から判るように、光ファイバ19の超高圧水銀灯14側の先端形状19aは、超高圧水銀灯14の放射面と同じく円形であるのに対して、光ファイバ19の被記録媒体側先端19bの形状は長方形となっている。その短辺の長さは被記録媒体Sが短辺の方向を所定の搬送速度で通過するまでに定着に必要十分なエネルギが与えられる長さとしてあり、残りの光ファイバを長辺側に配列している。
超高圧水銀灯14の円形放射面からは、均一な光線が放射されているわけではなく、円形放射面の中心19aoからの放射光が最も明るく、円周近傍19asからの放射光が暗くなる傾向があるので、実施例2では円形放射面の中心19ao付近からの放射光を長方形の受光面に均等に、また円形放射面の円周近傍19asからの放射光を同じく長方形の受光面に均等に配設するようにしている。
このようにすることで、超高圧水銀灯14の円形放射面からの不均一な出力が、長方形の全面に亘って均一な光強度となる。本願ではこのように1個の超高圧水銀灯14の円形放射面からの不均一な出力(光強度)を最終的に記録媒体直上で長方形の全面に亘って均一な出力(光強度)にする手段を出力均一化手段と呼ぶことにする。
図2において、14は活性エネルギー硬化用ランプで、ここでは安価な超高圧水銀灯であり、19は光ファイバ、19aは光ファイバ先端である。光ファイバ19は超高圧水銀灯14の放射面全域を覆うように隙間なく配置されている。図2では判り易くするために、数本だけ描いている。また、光ファイバ19は実際は直径0.7mm程度と細いが、図2では判り易くするために実際より太く描いている。
図2から判るように、光ファイバ19の超高圧水銀灯14側の先端形状19aは、超高圧水銀灯14の放射面と同じく円形であるのに対して、光ファイバ19の被記録媒体側先端19bの形状は長方形となっている。その短辺の長さは被記録媒体Sが短辺の方向を所定の搬送速度で通過するまでに定着に必要十分なエネルギが与えられる長さとしてあり、残りの光ファイバを長辺側に配列している。
超高圧水銀灯14の円形放射面からは、均一な光線が放射されているわけではなく、円形放射面の中心19aoからの放射光が最も明るく、円周近傍19asからの放射光が暗くなる傾向があるので、実施例2では円形放射面の中心19ao付近からの放射光を長方形の受光面に均等に、また円形放射面の円周近傍19asからの放射光を同じく長方形の受光面に均等に配設するようにしている。
このようにすることで、超高圧水銀灯14の円形放射面からの不均一な出力が、長方形の全面に亘って均一な光強度となる。本願ではこのように1個の超高圧水銀灯14の円形放射面からの不均一な出力(光強度)を最終的に記録媒体直上で長方形の全面に亘って均一な出力(光強度)にする手段を出力均一化手段と呼ぶことにする。
本発明の実施例3は被記録媒体幅方向のランプ配列に関するものである。
図3は、本発明の実施例3に係る被記録媒体幅方向のランプ配列を説明する正面図である。本発明によれば、超高圧水銀灯14の円形放射面からの不均一な放射光を光ファイバで均等な光強度の長方形受光面に変換したので、長方形受光面の被記録媒体Sの幅方向長さは超高圧水銀灯14の直径よりも長くなるため、超高圧水銀灯14−1の長方形受光面が隣接の超高圧水銀灯14−2の長方形受光面と隙間ができないように若干重ねて配置するようにすれば、被記録媒体Sの幅方向長さ全域に亘って照射するには図のように3台で十分となる。図7の従来例では均一照射のために6台も必要であったことと比べると、大きな違いが生じる。
またこの場合には、超高圧水銀灯14−1、14−2、14−3、14−4個々に各照射領域内の光強度を均一にする必要はなく、超高圧水銀灯14−1、14−2、14−3、14−4トータルで露光される長方形の全面に亘って均等な光強度となる様に、超高圧水銀灯の円形放射面の中心19ao付近からの光を導くファイバと円形放射面の円周近傍19asからの光を導くファイバを受光面に配設するようにしている。
図3は、本発明の実施例3に係る被記録媒体幅方向のランプ配列を説明する正面図である。本発明によれば、超高圧水銀灯14の円形放射面からの不均一な放射光を光ファイバで均等な光強度の長方形受光面に変換したので、長方形受光面の被記録媒体Sの幅方向長さは超高圧水銀灯14の直径よりも長くなるため、超高圧水銀灯14−1の長方形受光面が隣接の超高圧水銀灯14−2の長方形受光面と隙間ができないように若干重ねて配置するようにすれば、被記録媒体Sの幅方向長さ全域に亘って照射するには図のように3台で十分となる。図7の従来例では均一照射のために6台も必要であったことと比べると、大きな違いが生じる。
またこの場合には、超高圧水銀灯14−1、14−2、14−3、14−4個々に各照射領域内の光強度を均一にする必要はなく、超高圧水銀灯14−1、14−2、14−3、14−4トータルで露光される長方形の全面に亘って均等な光強度となる様に、超高圧水銀灯の円形放射面の中心19ao付近からの光を導くファイバと円形放射面の円周近傍19asからの光を導くファイバを受光面に配設するようにしている。
図4は実施例4に係り、被記録媒体幅方向の長方形受光面と隣接の長方形受光面と隙間ができないようにするランプ配列方法1に関するものである。
超高圧水銀灯14−1による長方形受光面14−11が隣接の超高圧水銀灯14−2の長方形受光面14−22と隙間ができないようにするため、長方形受光面14−22を長方形受光面14−11の長軸端部同士を重ねて接触させるように配置(千鳥配置または交叉配置)している。同じく、長方形受光面14−33を長方形受光面14−11の長軸方向延長上で長方形受光面14−22の長軸端部同士を重ねて接触させるように千鳥配置している。このように所望の個数の超高圧水銀灯14を千鳥配置することにより、被記録媒体の幅方向全体に亘ってその進行方向に長方形受光面14同士の間に隙間ができなくなり、良好な定着が行なわれる。
超高圧水銀灯14−1による長方形受光面14−11が隣接の超高圧水銀灯14−2の長方形受光面14−22と隙間ができないようにするため、長方形受光面14−22を長方形受光面14−11の長軸端部同士を重ねて接触させるように配置(千鳥配置または交叉配置)している。同じく、長方形受光面14−33を長方形受光面14−11の長軸方向延長上で長方形受光面14−22の長軸端部同士を重ねて接触させるように千鳥配置している。このように所望の個数の超高圧水銀灯14を千鳥配置することにより、被記録媒体の幅方向全体に亘ってその進行方向に長方形受光面14同士の間に隙間ができなくなり、良好な定着が行なわれる。
実施例5は被記録媒体幅方向の長方形受光面と隣接の長方形受光面と隙間ができないようにするランプ配列方法2に関するものである。
超高圧水銀灯14−1による長方形受光面14−11の端部近傍1aの光ファイバと隣接の超高圧水銀灯14−2の長方形受光面14−22の端部近傍2bの光ファイバと混ぜ合わすように配置(混合配置)している。同じく、長方形受光面14−22の端部近傍2aの光ファイバと隣接の超高圧水銀灯14−3の長方形受光面14−33の端部近傍3bの光ファイバと混ぜ合わすようにしている。
このように所望の個数の超高圧水銀灯14を配設することにより、被記録媒体の幅方向全体に亘ってその進行方向に長方形受光面14同士の間に隙間ができなくなり、良好な定着が行なわれる。
超高圧水銀灯14−1による長方形受光面14−11の端部近傍1aの光ファイバと隣接の超高圧水銀灯14−2の長方形受光面14−22の端部近傍2bの光ファイバと混ぜ合わすように配置(混合配置)している。同じく、長方形受光面14−22の端部近傍2aの光ファイバと隣接の超高圧水銀灯14−3の長方形受光面14−33の端部近傍3bの光ファイバと混ぜ合わすようにしている。
このように所望の個数の超高圧水銀灯14を配設することにより、被記録媒体の幅方向全体に亘ってその進行方向に長方形受光面14同士の間に隙間ができなくなり、良好な定着が行なわれる。
〈変形例〉
実施例5は超高圧水銀灯14が2個あって一方の超高圧水銀灯に属する光ファイバを他方の超高圧水銀灯の照射領域に導くことで両者間の隙間をなくすようにするものであったが、これの変形例として、一方の超高圧水銀灯に属する光ファイバを他方の超高圧水銀灯の照射領域の単に端部近傍に導くのではなくて、より積極的に照射領域の中央部にまで導くようにするものである。
すなわち、ある超高圧水銀灯と隣接する超高圧水銀灯の出力が互いに不均一な場合に、大きい出力の超高圧水銀灯に属する光ファイバの一部を小さい出力の超高圧水銀灯の照射領域に導き、逆に、小さい出力の超高圧水銀灯に属する光ファイバの一部を大きい出力の超高圧水銀灯の照射領域に導くようにすることで、最終的に記録媒体直上で複数個の超高圧水銀灯の照射する全面に亘って均一な出力(光強度)にすることができるようになる。
このように複数個の超高圧水銀灯の出力が互いに不均一であっても大きい出力の超高圧水銀灯に属する光ファイバを小さい出力の超高圧水銀灯の照射領域に導くことで最終的に記録媒体直上で複数個の超高圧水銀灯の照射する全面に亘って均一な出力(光強度)にする手段を本願では光強度均一化手段と呼ぶことにする。
実施例5は超高圧水銀灯14が2個あって一方の超高圧水銀灯に属する光ファイバを他方の超高圧水銀灯の照射領域に導くことで両者間の隙間をなくすようにするものであったが、これの変形例として、一方の超高圧水銀灯に属する光ファイバを他方の超高圧水銀灯の照射領域の単に端部近傍に導くのではなくて、より積極的に照射領域の中央部にまで導くようにするものである。
すなわち、ある超高圧水銀灯と隣接する超高圧水銀灯の出力が互いに不均一な場合に、大きい出力の超高圧水銀灯に属する光ファイバの一部を小さい出力の超高圧水銀灯の照射領域に導き、逆に、小さい出力の超高圧水銀灯に属する光ファイバの一部を大きい出力の超高圧水銀灯の照射領域に導くようにすることで、最終的に記録媒体直上で複数個の超高圧水銀灯の照射する全面に亘って均一な出力(光強度)にすることができるようになる。
このように複数個の超高圧水銀灯の出力が互いに不均一であっても大きい出力の超高圧水銀灯に属する光ファイバを小さい出力の超高圧水銀灯の照射領域に導くことで最終的に記録媒体直上で複数個の超高圧水銀灯の照射する全面に亘って均一な出力(光強度)にする手段を本願では光強度均一化手段と呼ぶことにする。
実施例6は係る被記録媒体進行方向のランプ配列に関するものである。
本発明によれば、図2(b)のように、超高圧水銀灯14の円形放射面からの不均一な放射光を光ファイバで均等な光強度の長方形受光面に変換したことにより、長方形受光面の被記録媒体Sの進行方向長さは超高圧水銀灯14の直径よりも短くなる。
したがって、実施例4は、図1から判るように、インクジェットヘッド13Yと隣接インクジェットヘッド13Mの間を幅の狭くなった光ファイバ19が通過するだけなので、インクジェットヘッド13Yと隣接インクジェットヘッド13Mの距離(間隔)を超高圧水銀灯14の直径よりも小さくすることができた。実験では、両者の間隔を2cmにすることができた。これがYMCKの4個の各インクジェットヘッド13について言えるので、4倍に効いて、装置の進行方向長さを大幅に短縮することができる。
このことは、図6の従来装置において、インクジェットヘッド63Yと隣接インクジェットヘッド63Mの間隔を高圧水銀灯64の直径よりも大きく確保しなければならなかったので、実際は両者の間隔が10cmであったことと比べてみれば、装置の小型化への効果はとても大きいことが判る。
本発明によれば、図2(b)のように、超高圧水銀灯14の円形放射面からの不均一な放射光を光ファイバで均等な光強度の長方形受光面に変換したことにより、長方形受光面の被記録媒体Sの進行方向長さは超高圧水銀灯14の直径よりも短くなる。
したがって、実施例4は、図1から判るように、インクジェットヘッド13Yと隣接インクジェットヘッド13Mの間を幅の狭くなった光ファイバ19が通過するだけなので、インクジェットヘッド13Yと隣接インクジェットヘッド13Mの距離(間隔)を超高圧水銀灯14の直径よりも小さくすることができた。実験では、両者の間隔を2cmにすることができた。これがYMCKの4個の各インクジェットヘッド13について言えるので、4倍に効いて、装置の進行方向長さを大幅に短縮することができる。
このことは、図6の従来装置において、インクジェットヘッド63Yと隣接インクジェットヘッド63Mの間隔を高圧水銀灯64の直径よりも大きく確保しなければならなかったので、実際は両者の間隔が10cmであったことと比べてみれば、装置の小型化への効果はとても大きいことが判る。
従来装置では擦りガラス等を用いて、照射面での光強度を均一化していたので、擦りガラスによって光吸収があるため光強度が低下してしまうと共に、擦りガラスで熱が発生するという欠点があった。
また、被記録媒体の搬送方向のラインヘッド間はできるだけ詰めて装置の小型化をしたいが、通常の光源は大きくて、詰めることが不可能であった。
本発明によれば、光ファイバを用いるので擦りガラスを用いる必要がないため熱が発生せず、また光ファイバを用いるので進行方向の光ファイバ部分は細くすることが可能となり、光源が大きくても、装置の小型化が可能となる。
また、被記録媒体の搬送方向のラインヘッド間はできるだけ詰めて装置の小型化をしたいが、通常の光源は大きくて、詰めることが不可能であった。
本発明によれば、光ファイバを用いるので擦りガラスを用いる必要がないため熱が発生せず、また光ファイバを用いるので進行方向の光ファイバ部分は細くすることが可能となり、光源が大きくても、装置の小型化が可能となる。
なお、UVインクの組成物としては、特に活性エネルギーを照射することにより硬化可能なインク組成物であることが好ましい。
ここで、本発明で言う「活性エネルギー」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はなく、広く、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含するものである。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点からは、紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。従って、本発明のインク組成物としては、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物であることが好ましい。
本発明のインクジェット装置において、活性エネルギーのピーク波長は、インク組成物中の増感色素の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nm、好ましくは、300〜450nm、より好ましくは、350〜450nmであることが適当である。また、本発明のインク組成物の(a)電子移動型開始系は、低出力の活性エネルギーであっても十分な感度を有するものである。従って、活性エネルギーの出力は、例えば、2,000mJ/cm2以下、好ましくは、10〜2,000mJ/cm2、より好ましくは、20〜1,000mJ/cm2、更に好ましくは、50〜800mJ/cm2の照射エネルギーであることが適当である。また、活性エネルギーは、露光面照度(被記録媒体表面の最高照度)が、例えば、10〜2,000mW/cm2、好ましくは、20〜1,000mW/cm2で照射されることが適当である。
特に、本発明のインクジェット装置では、活性エネルギー照射が、発光波長ピークが390〜420nmであり、かつ、前記被記録媒体表面での最高照度が10〜1,000mW/cm2となる活性エネルギーを発生する発光ダイオードから照射されることが好ましい。
特に、本発明のインクジェット装置では、活性エネルギー照射が、発光波長ピークが390〜420nmであり、かつ、前記被記録媒体表面での最高照度が10〜1,000mW/cm2となる活性エネルギーを発生する発光ダイオードから照射されることが好ましい。
また、本発明のインクジェット装置では、活性エネルギーは被記録媒体上に吐出されたインク組成物に対して、例えば、0.01〜120秒、好ましくは0.1〜90秒照射することが適当である。
更に、本発明のインクジェット装置では、インク組成物を一定温度に加温するとともに、インク組成物の被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を、0.01〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.02〜0.3秒、更に好ましくは0.03〜0.15秒である。このようにインク組成物の被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。
更に、本発明のインクジェット装置では、インク組成物を一定温度に加温するとともに、インク組成物の被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を、0.01〜0.5秒とすることが望ましく、好ましくは0.02〜0.3秒、更に好ましくは0.03〜0.15秒である。このようにインク組成物の被記録媒体への着弾から活性エネルギーの照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。
なお、本発明のインクジェット装置を用いてカラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。このように重ねることにより、下部のインクまで活性エネルギーが到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、臭気の低減、密着性の向上が期待できる。また、活性エネルギーの照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
本発明のインクジェットヘッドは、例えばピエゾ型のインクジェットヘッドで、1〜100pl、好ましくは、1〜30plのマルチサイズドットを例えば、320×320〜4000×4000dpi、好ましくは、400×400〜2400×2400dpiの解像度で射出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
また、上述したように、本発明のインク組成物のような活性エネルギー硬化型インクは、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが望ましいことから、インク供給カートリッジからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温による温度制御を行うことが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
また、活性エネルギー源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、活性エネルギー硬化型インクジェットには、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。更には、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更にLED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、活性エネルギー硬化型インクジェット用放射源として期待されている。
また、上記のように、活性エネルギー源として、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を用いることが可能である。特に、活性エネルギー源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に、一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性エネルギーを放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる活性エネルギー帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性エネルギー源は、UV−LEDであり、特に好ましくは、350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
〔被記録媒体〕
本発明が用いるラベル用被記録媒体としては、特に制限はなく、表紙として通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料或いは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。
本発明が用いるラベル用被記録媒体としては、特に制限はなく、表紙として通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料或いは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。
以下に、本発明で使用できるインク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
〔インク組成物〕
本発明に用いられるインク組成物は、活性エネルギーの照射により硬化可能なインク組成物であり、例えば、カチオン重合系インク組成物、ラジカル重合系インク組成物、水性インク組成物等が挙げられる。これら組成物について以下詳細に説明する。
〔インク組成物〕
本発明に用いられるインク組成物は、活性エネルギーの照射により硬化可能なインク組成物であり、例えば、カチオン重合系インク組成物、ラジカル重合系インク組成物、水性インク組成物等が挙げられる。これら組成物について以下詳細に説明する。
(カチオン重合系インク組成物)
カチオン重合系インク組成物は、(a)カチオン重合性化合物、(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物、及び、(c)着色剤を含有する。所望により、更に、紫外線吸収剤、増感剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、界面活性剤、等を含有してもよい。
以下、カチオン重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
カチオン重合系インク組成物は、(a)カチオン重合性化合物、(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物、及び、(c)着色剤を含有する。所望により、更に、紫外線吸収剤、増感剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、界面活性剤、等を含有してもよい。
以下、カチオン重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
〔(a)カチオン重合性化合物〕
本発明に用いられる(a)カチオン重合性化合物は、後述する(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物から発生する酸により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されている、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
本発明に用いられる(a)カチオン重合性化合物は、後述する(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物から発生する酸により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されている、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、脂肪族エポキシドなどが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノール或いはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールA或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等が挙げられる。その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリン或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール或いはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
エポキシ化合物は、単官能であっても多官能であってもよい。
本発明に用いうる単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いうる単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3',4'−エポキシ−6'−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中でも、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物は、単官能であっても多官能であってもよい。
具体的には、単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
具体的には、単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明におけるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526、同2001−310937、同2003−341217の各公報に記載される如き、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインク組成物と被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインク組成物と被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
このようなオキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217公報、段落番号〔0021〕乃至〔0084〕に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に使用しうる。
本発明で使用するオキセタン化合物の中でも、インク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
本発明で使用するオキセタン化合物の中でも、インク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。
本発明のインク組成物には、これらのカチオン重合性化合物を、1種のみを用いても、2種以上を併用してもよいが、インク硬化時の収縮を効果的に抑制するといった観点からは、オキセタン化合物とエポキシ化合物とから選ばれる少なくとも1種の化合物と、ビニルエーテル化合物とを併用することが好ましい。
インク組成物中の(a)カチオン重合性化合物の含有量は、組成物の全固形分に対し、10〜95質量%が適当であり、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは50〜85質量%の範囲である。
インク組成物中の(a)カチオン重合性化合物の含有量は、組成物の全固形分に対し、10〜95質量%が適当であり、好ましくは30〜90質量%、更に好ましくは50〜85質量%の範囲である。
[(b)活性エネルギーの照射により酸を発生する化合物]
本発明のインク組成物は、放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、適宜、「光酸発生剤」と称する。)を含有する。
本発明に用いうる光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、或いはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの活性エネルギー、活性エネルギー、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
本発明のインク組成物は、放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、適宜、「光酸発生剤」と称する。)を含有する。
本発明に用いうる光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、或いはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの活性エネルギー、活性エネルギー、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
このような光酸発生剤としては、例えば、放射線の照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
光酸発生剤としては、また、特開2002−122994公報、段落番号〔0029〕乃至〔0030〕に記載のオキサゾール誘導体、s−トリアジン誘導体なども好適に用いられる。更に、特開2002−122994公報、段落番号〔0037〕乃至〔0063〕に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も、本発明における光酸発生剤として、好適に使用しうる。
(b)光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク組成物中の(b)光酸発生剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
インク組成物中の(b)光酸発生剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明のインク組成物には、前記の必須成分に加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。これらの任意成分について説明する。
[(c)着色剤]
本発明のインク組成物は、着色剤を添加することで、可視画像を形成することができる。例えば、平版印刷版の画像部領域を形成する場合などには、必ずしも添加する必要はないが、得られた平版印刷版の検版性の観点からは着色剤を用いることも好ましい。
ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の着色剤、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
本発明のインク組成物は、着色剤を添加することで、可視画像を形成することができる。例えば、平版印刷版の画像部領域を形成する場合などには、必ずしも添加する必要はないが、得られた平版印刷版の検版性の観点からは着色剤を用いることも好ましい。
ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の着色剤、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。染料としては、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
〔顔料〕
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、又は顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、又は顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤或いはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G'レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青或いはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤及び分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
インク組成物において、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記(a)カチオン重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明のインク組成物は、放射線硬化型のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。このような観点から、分散媒としては、(a)カチオン重合性化合物を用い、中でも、最も粘度が低いカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
顔料の平均粒径は、0.02〜4μmにするのが好ましく、0.02〜2μmとするのが更に好ましく、より好ましくは、0.02〜1.0μmの範囲である。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
顔料粒子の平均粒径を上記好ましい範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
〔染料〕
本発明に用いる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
本発明に用いる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
本発明に用いる染料は、インク組成物に必要量溶解させるために上記記載の染料母核に対して油溶化基を導入することも好ましい。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基及びこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
油溶化基としては、長鎖、分岐アルキル基、長鎖、分岐アルコキシ基、長鎖、分岐アルキルチオ基、長鎖、分岐アルキルスルホニル基、長鎖、分岐アシルオキシ基、長鎖、分岐アルコキシカルボニル基、長鎖、分岐アシル基、長鎖、分岐アシルアミノ基長鎖、分岐アルキルスルホニルアミノ基、長鎖、分岐アルキルアミノスルホニル基及びこれら長鎖、分岐置換基を含むアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリールアミノカルボニル基、アリールアミノスルホニル基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げられる。
また、カルボン酸、スルホン酸を有する水溶性染料に対して、長鎖、分岐アルコール、アミン、フェノール、アニリン誘導体を用いて油溶化基であるアルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アリールアミノスルホニル基に変換することにより染料を得てもよい。
前記油溶性染料としては、融点が200℃以下のものが好ましく、融点が150℃以下であるものがより好ましく、融点が100℃以下であるものが更に好ましい。融点が低い油溶性染料を用いることにより、インク組成物中での色素の結晶析出が抑制され、インク組成物の保存安定性が良くなる。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vsSCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vsSCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vsSCE)以上のものが特に好ましい。
また、退色、特にオゾンなどの酸化性物質に対する耐性や硬化特性を向上させるために、酸化電位が貴である(高い)ことが望ましい。このため、本発明で用いる油溶性染料として、酸化電位が1.0V(vsSCE)以上であるものが好ましく用いられる。酸化電位は高いほうが好ましく、酸化電位が1.1V(vsSCE)以上のものがより好ましく、1.15V(vsSCE)以上のものが特に好ましい。
イエロー色の染料としては、特開2004−250483号公報の記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
特に好ましい染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]から[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
マゼンタ色の染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]から[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]から[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
シアン色の染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]から[0078]に記載されている一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]から[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]から[0081]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
特に好ましい染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]から[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]から[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いてもよい。
これらの着色剤はインク組成物中、固形分換算で1〜20質量%添加されることが好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
[その他の成分]
以下に、必要に応じて用いられる種々の添加剤について述べる。
〔紫外線吸収剤〕
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5〜15質量%程度である。
以下に、必要に応じて用いられる種々の添加剤について述べる。
〔紫外線吸収剤〕
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5〜15質量%程度である。
〔増感剤〕
本発明のインク組成物には、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光酸発生剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、光酸発生剤に対し0.01〜1モル%、好ましくは0.1〜0.5モル%で使用される。
本発明のインク組成物には、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。増感剤としては、光酸発生剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、何れでもよい。好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、光酸発生剤に対し0.01〜1モル%、好ましくは0.1〜0.5モル%で使用される。
〔酸化防止剤〕
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
〔褪色防止剤〕
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.1〜8質量%程度である。
〔導電性塩類〕
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
〔溶剤〕
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
〔高分子化合物〕
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
〔界面活性剤〕
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20〜40mN/m、更に好ましくは25〜35mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで40mN/m以下が好ましい。
このようにして調整された本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インクとして好適に用いられる。インクジェット記録用インクとして用いる場合には、インク組成物をインクジェットプリンターにより被記録媒体に射出し、その後、射出されたインク組成物に放射線を照射して硬化して記録を行う。
このインクにより得られた印刷物は、画像部が活性エネルギーなどの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
このインクにより得られた印刷物は、画像部が活性エネルギーなどの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
[ラジカル重合系インク組成物]
ラジカル重合系インク組成物は、(d)ラジカル重合性化合物、(e)重合開始剤、及び、(f)着色剤を含有する。所望により、更に、増感色素、共増感剤、等を含有してもよい。
以下、ラジカル重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
ラジカル重合系インク組成物は、(d)ラジカル重合性化合物、(e)重合開始剤、及び、(f)着色剤を含有する。所望により、更に、増感色素、共増感剤、等を含有してもよい。
以下、ラジカル重合系インク組成物に用いられる各構成成分について順次説明する。
[ラジカル重合性化合物]
ラジカル重合性化合物としては、例えば、以下に挙げるような付加重合化能なエチレン性不飽和結合を有する化合物が含まれる。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、以下に挙げるような付加重合化能なエチレン性不飽和結合を有する化合物が含まれる。
[付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物]
本発明のインク組成物に用い得る付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等があげられる。
本発明のインク組成物に用い得る付加重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、上記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等があげられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、へキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(アクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネー卜等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。さらに、前述のエステルモノマーの混合物もあげることができる。また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−へキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−へキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の例としては、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記の一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加した1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等があげられる。CH2=C(R)COOCH2CH(R')OH (A)(ただし、RおよびR'はHあるいはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレー卜類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ぺージ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。本発明において、これらのモノマーはプレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態で使用しうる。
また、特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレー卜類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートをあげることができる。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ぺージ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。本発明において、これらのモノマーはプレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態で使用しうる。
ラジカル重合性化合物の使用量はインク組成物の全成分に対して、通常1〜99.99%、好ましくは5〜90.0%、更に好ましくは10〜70%である(ここで言う%は質量%である)。
〔重合開始剤〕
次に本発明のラジカル重合系インク組成物に使用される重合開始剤について説明する。
本発明における重合開始剤は光の作用、または、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸および塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。
次に本発明のラジカル重合系インク組成物に使用される重合開始剤について説明する。
本発明における重合開始剤は光の作用、または、増感色素の電子励起状態との相互作用を経て、化学変化を生じ、ラジカル、酸および塩基のうちの少なくともいずれか1種を生成する化合物である。
好ましい重合開始剤としては(i)芳香族ケトン類、(ii)芳香族オニウム塩化合物、(iii)有機過酸化物、(iv)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(v)ケトオキシムエステル化合物、(vi)ボレート化合物、(vii)アジニウム化合物、(viii)メタロセン化合物、(ix)活性エステル化合物、(x)炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
〔増感色素〕
本発明においては、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加しても良い。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
本発明においては、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感色素を添加しても良い。好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)。
〔共増感剤〕
さらに本発明のインクには、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えても良い。
さらに本発明のインクには、感度を一層向上させる、あるいは酸素による重合阻害を抑制する等の作用を有する公知の化合物を共増感剤として加えても良い。
この様な共増感剤の例としては、アミン類、例えばM. R. Sanderら著「Journal of Polymer Society」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
別の例としてはチオールおよびスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特願平6−191605号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
また、保存性を高める観点から、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することが好ましい。本発明のインクジェト記録用インクは、40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
〔その他〕
この他に、必要に応じて公知の化合物を用いることができ、例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を適宜選択して用いることができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
この他に、必要に応じて公知の化合物を用いることができ、例えば、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を適宜選択して用いることができる。また、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーを含有させることも好ましい。具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
また、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
また、インク色材の遮光効果による感度低下を防ぐ手段として、重合開始剤寿命の長いカチオン重合性モノマーと重合開始剤とを組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも好ましい態様の一つである。
[水性インク組成物]
水性インク組成物は、重合性化合物と放射線の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤を含有する。所望により、更に、着色剤、等を含有してもよい。
水性インク組成物は、重合性化合物と放射線の作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤を含有する。所望により、更に、着色剤、等を含有してもよい。
[重合性化合物]
本発明の水性インク組成物に含まれる重合性化合物としては、公知の水性インク組成物に含まれる重合性化合物を用いることができる。
水性インク組成物は、硬化速度、密着性、柔軟性などのエンド操作者特性を考慮した処方を最適化するために、反応性材料を加えることができる。このような反応性材料としては、(メタ)クリレート(即ち、アクリレート及び/又はメタクリレート)モノマー及びオリゴマー、エポキサイド並びにオキセタンなどが用いられる。
アクリレートモノマーの例としては、フェノキシエチルアクリレート、オクチルデシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート)、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビス(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、エトキシ化又はプロポキシ化グリコール及びポリオールのアクリレート(例えば、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート)、及びこれらの混合物が挙げられる。
アクリレートオリゴマーの例としては、エトキシ化ポリエチレングリコール、エトキシ化トリメチロールプロパンアクリレート及びポリエーテルアクリレート及びそのエトキシ化物、及びウレタンアクリレートオリゴマーが挙げられる。
メタクリレートの例としては、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
オリゴマーの添加量は、インク組成物全重量に対して1〜80重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
本発明の水性インク組成物に含まれる重合性化合物としては、公知の水性インク組成物に含まれる重合性化合物を用いることができる。
水性インク組成物は、硬化速度、密着性、柔軟性などのエンド操作者特性を考慮した処方を最適化するために、反応性材料を加えることができる。このような反応性材料としては、(メタ)クリレート(即ち、アクリレート及び/又はメタクリレート)モノマー及びオリゴマー、エポキサイド並びにオキセタンなどが用いられる。
アクリレートモノマーの例としては、フェノキシエチルアクリレート、オクチルデシルアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(例えば、テトラエチレングリコールジアクリレート)、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリ(プロピレングリコール)トリアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビス(ペンタエリスリトール)ヘキサアクリレート、エトキシ化又はプロポキシ化グリコール及びポリオールのアクリレート(例えば、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート)、及びこれらの混合物が挙げられる。
アクリレートオリゴマーの例としては、エトキシ化ポリエチレングリコール、エトキシ化トリメチロールプロパンアクリレート及びポリエーテルアクリレート及びそのエトキシ化物、及びウレタンアクリレートオリゴマーが挙げられる。
メタクリレートの例としては、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
オリゴマーの添加量は、インク組成物全重量に対して1〜80重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
〔活性エネルギーの作用によってラジカルを生成する水溶性光重合開始剤〕
本発明のインク組成物に用いることができる重合開始剤について説明する。一例としては、例えば、波長400nm前後までの光重合開始剤が挙げられる。このような光重合開始剤としては、例えば、長波長領域に官能性、即ち、活性エネルギーを受けてラジカルを生成する感受性を持つ物質である下記一般式で表される光重合開始剤(以下、TX系と略称する)が挙げられ、本発明においては、これらの中から適宜に選択して使用することが特に好ましい。
本発明のインク組成物に用いることができる重合開始剤について説明する。一例としては、例えば、波長400nm前後までの光重合開始剤が挙げられる。このような光重合開始剤としては、例えば、長波長領域に官能性、即ち、活性エネルギーを受けてラジカルを生成する感受性を持つ物質である下記一般式で表される光重合開始剤(以下、TX系と略称する)が挙げられ、本発明においては、これらの中から適宜に選択して使用することが特に好ましい。
上記一般式TX−1〜TX−3中、R2は−(CH2)x−(x=0または1)、−O−(CH2)y−(y=1または2)、置換若しくは未置換のフェニレン基を表わす。またR2がフェニレン基の場合には、ベンゼン環中の水素原子の少なくとも1つが、例えば、カルボキシル基若しくはその塩、スルホン酸若しくはその塩、炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、炭素数1〜4のアルコキシル基、フェノキシ基等のアリールオキシ基等から選ばれる1つまたは2つ以上の基や原子で置換されていてもよい。Mは、水素原子若しくはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K等)を表わす。更に、R3及びR4は各々独立に、水素原子、または置換若しくは未置換のアルキル基を表わす。ここでアルキル基の例としては、例えば、炭素数1〜10程度、特には、炭素数1〜3程度の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。また、これらのアルキル基の置換基の例としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、シュウ素原子等)、水酸基、アルコキシル基(炭素数1〜3程度)等が挙げられる。また、mは1〜10の整数を表わす。
更に本発明において、下記一般式からなる光重合開始剤 Irgacure2959(商品名:Ciba Specialty Chemicals製)の水溶性の誘導体(以下、IC系と略称する)を使用することもできる。具体的には、下記式からなるIC−1〜IC−3を使用することができる。
〔クリアインクとする場合の処方〕
上述した水溶性重合性化合物は、上記したような着色剤を含有させることなく、透明な水性インクの形態とすることで、クリアインクとすることができる。特に、インクジェット記録特性を有するように調製すれば、水性光硬化型のインクジェット記録用のクリアインクが得られる。かかるインクを用いれば、着色剤を含有していないので、クリアな皮膜を得ることができる。着色剤を含有しないクリアインクの用途としては、画像印刷への適性を被記録材に付与するためのアンダーコート用としたり、或いは、通常のインクで形成した画像の表面保護、更なる装飾や光沢付与等を目的としたオーバーコート用としての用途等が挙げられる。クリアインクには、これらの用途に応じて、着色を目的としない無色の顔料や微粒子等を分散して含有させることもできる。これらを添加することによって、アンダーコート、オーバーコートいずれにおいても、印刷物の画質、堅牢性、施工性(ハンドリング性)等の諸特性を向上させることができる。
上述した水溶性重合性化合物は、上記したような着色剤を含有させることなく、透明な水性インクの形態とすることで、クリアインクとすることができる。特に、インクジェット記録特性を有するように調製すれば、水性光硬化型のインクジェット記録用のクリアインクが得られる。かかるインクを用いれば、着色剤を含有していないので、クリアな皮膜を得ることができる。着色剤を含有しないクリアインクの用途としては、画像印刷への適性を被記録材に付与するためのアンダーコート用としたり、或いは、通常のインクで形成した画像の表面保護、更なる装飾や光沢付与等を目的としたオーバーコート用としての用途等が挙げられる。クリアインクには、これらの用途に応じて、着色を目的としない無色の顔料や微粒子等を分散して含有させることもできる。これらを添加することによって、アンダーコート、オーバーコートいずれにおいても、印刷物の画質、堅牢性、施工性(ハンドリング性)等の諸特性を向上させることができる。
そのようなクリアなインクに適用する場合の処方条件としては、インクの主成分とする水溶性重合性化合物が10〜85%、光重合開始剤(例えば、活性エネルギー重合触媒)を、上記水溶性重合性化合物100質量部に対して1〜10質量部含有され、同時に、インク100部に対して光重合開始剤が最低0.5部が含有されているように調製することが好ましい。
〔着色剤含有インクにおける材料構成〕
上述した水溶性重合性化合物を着色剤を含有するインクに利用する場合には、含有させた着色剤の吸収特性に合わせて、インク中における重合開始剤と重合性物質の濃度を調節することが好ましい。前記したように、配合量としては、水或いは溶剤の量を、質量基準で、40%〜90%の範囲、好ましくは60%〜75%の範囲とする。更に、インク中における重合性化合物の含有量は、インク全量に対して、質量基準で1%〜30%の範囲、好ましくは、5%〜20%の範囲とする。重合開始剤は、重合性化合物の含有量に依存するが、概ね、インク全量に対して、質量基準で0.1〜7%、好ましくは、0.3〜5%の範囲である。
上述した水溶性重合性化合物を着色剤を含有するインクに利用する場合には、含有させた着色剤の吸収特性に合わせて、インク中における重合開始剤と重合性物質の濃度を調節することが好ましい。前記したように、配合量としては、水或いは溶剤の量を、質量基準で、40%〜90%の範囲、好ましくは60%〜75%の範囲とする。更に、インク中における重合性化合物の含有量は、インク全量に対して、質量基準で1%〜30%の範囲、好ましくは、5%〜20%の範囲とする。重合開始剤は、重合性化合物の含有量に依存するが、概ね、インク全量に対して、質量基準で0.1〜7%、好ましくは、0.3〜5%の範囲である。
インクの着色剤として顔料が使用される場合には、インク中における純顔料分の濃度は、概ね、インク全量に対して0.3質量%〜10質量%の範囲である。顔料の着色力は顔料粒子の分散状態に依存するが、約0.3〜1%の範囲であると、淡色のインクとして利用される範囲となる。また、それ以上であると、一般のカラー着色用に用いられる濃度を与える。
[インク組成物の好ましい物性]
本発明のインク組成物は、射出性を考慮し、射出時の温度において、インク粘度が7〜30mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは7〜20mPa・sであり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。なお、25〜30℃でのインク粘度は、35〜500mPa・s、好ましくは35〜200mPa・sである。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。25〜30℃におけるインク粘度が35mPa・s未満では、滲み防止効果が小さく、逆に500mPa・sより大きいと、インク液のデリバリーに問題が生じる。
本発明のインク組成物は、射出性を考慮し、射出時の温度において、インク粘度が7〜30mPa・sであることが好ましく、更に好ましくは7〜20mPa・sであり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。なお、25〜30℃でのインク粘度は、35〜500mPa・s、好ましくは35〜200mPa・sである。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。25〜30℃におけるインク粘度が35mPa・s未満では、滲み防止効果が小さく、逆に500mPa・sより大きいと、インク液のデリバリーに問題が生じる。
10 本発明に係るシングルパスインクジェット装置
11 被記録媒体ロール
12 巻取りロール
13 フルラインインクジェットヘッド
14 活性エネルギー硬化用ランプ(超高圧水銀灯)
15 メタルハライドランプ
16 冷却ファン
19 光ファイバ
S 被記録媒体
11 被記録媒体ロール
12 巻取りロール
13 フルラインインクジェットヘッド
14 活性エネルギー硬化用ランプ(超高圧水銀灯)
15 メタルハライドランプ
16 冷却ファン
19 光ファイバ
S 被記録媒体
Claims (5)
- 被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、該被記録媒体搬送手段により搬送された該被記録媒体に向けて紫外線照射を行うことにより硬化可能なインクを画像信号に基づいて吐出する被記録媒体の幅と略同じ長さを有するフルラインインクジェットヘッドと、該フルラインヘッドにより被記録媒体上に吐出されたインクを硬化させる紫外線照射手段と、を有するインクジェット装置において、
前記紫外線照射手段が、紫外線光源と、該紫外線光源に設けられて該紫外線光源から発する光を前記被記録媒体まで導光する複数の光ファイバから成り、かつ前記複数の光ファイバからの出力を均一化する出力均一手段を講じたことを特徴とするインクジェット装置。 - 被記録媒体を搬送する被記録媒体搬送手段と、該被記録媒体搬送手段により搬送された該被記録媒体に向けて紫外線照射を行うことにより硬化可能なインクを画像信号に基づいて吐出する被記録媒体の幅と略同じ長さを有するフルラインインクジェットヘッドと、該フルラインヘッドにより被記録媒体上に吐出されたインクを硬化させる紫外線照射手段と、を有するインクジェット装置において、
前記紫外線照射手段が、紫外線光源と、該紫外線光源に設けられて該紫外線光源から発する光を前記被記録媒体まで導光する複数の光ファイバから成り、各超高圧水銀灯の光ファイバから被記録媒体への出力を均一化する光強度均一化手段を講じたことを特徴とする請求項1記載のインクジェット装置。 - 前記紫外線光源が超高圧水銀灯を含むことを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット装置。
- 前記均一化手段は、ファイバからの紫外光の照射面において、ファイバの配列を変えるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット装置。
- 前記多数の光ファイバはその一方の端部が前記紫外線光源の照射面に配置され、他方の端部が前記被記録媒体側で長方形状に配列されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007016705A JP2008183727A (ja) | 2007-01-26 | 2007-01-26 | 紫外線硬化型インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007016705A JP2008183727A (ja) | 2007-01-26 | 2007-01-26 | 紫外線硬化型インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008183727A true JP2008183727A (ja) | 2008-08-14 |
Family
ID=39727077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007016705A Pending JP2008183727A (ja) | 2007-01-26 | 2007-01-26 | 紫外線硬化型インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008183727A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009061702A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 紫外線照射装置 |
JP2012166478A (ja) * | 2011-02-15 | 2012-09-06 | Seiko Epson Corp | 画像形成装置 |
JP2012218220A (ja) * | 2011-04-05 | 2012-11-12 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置、及び、液体吐出方法 |
-
2007
- 2007-01-26 JP JP2007016705A patent/JP2008183727A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009061702A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 紫外線照射装置 |
JP2012166478A (ja) * | 2011-02-15 | 2012-09-06 | Seiko Epson Corp | 画像形成装置 |
JP2012218220A (ja) * | 2011-04-05 | 2012-11-12 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置、及び、液体吐出方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4610528B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP4802076B2 (ja) | 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2008246793A (ja) | 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2008246794A (ja) | 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2008213471A (ja) | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 | |
JP2008265329A (ja) | 紫外線硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2007283716A (ja) | 印刷表面平滑化装置 | |
JP2008307827A (ja) | インクジェット画像形成方法及び画像形成装置 | |
JP2008087272A (ja) | インクジェット描画装置及びインクジェット描画方法 | |
JP2007216418A (ja) | 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2007210244A (ja) | 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2008155464A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2007090747A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP4961150B2 (ja) | 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2008087209A (ja) | 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2008173850A (ja) | 紫外線硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2008183727A (ja) | 紫外線硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2007083611A (ja) | 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置 | |
JP4820658B2 (ja) | インクジェットヘッド駆動装置及び駆動方法 | |
JP2006315289A (ja) | 光硬化型インクジェット記録装置 | |
JP2007223215A (ja) | 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置 | |
JP4928815B2 (ja) | インクジェット記録装置及び記録方法 | |
JP2007098635A (ja) | 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置 | |
JP4815320B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP4769650B2 (ja) | 活性エネルギー硬化型インクジェット記録装置 |