JP2006248189A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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弘綱 三浦
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Abstract

【課題】 吐出した機能材料を含む液滴に、レーザ光を精度よく照射し、効率のよい乾燥・焼成を行なうことができる液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】 液滴吐出ヘッド30は、第1基板31、第2基板32、第3基板33から構成され、第1基板31と第2基板32との間にノズルNと、これに接続されるキャビティ32cが形成される。このキャビティ32cには、吐出すると液滴Fbとなる機能液Faが収納される。キャビティ32cの側壁には、電極33aを有する静電アクチュエータにより振動する振動板32bが設けられ、この振動板32bの反対側のキャビティ32cの側壁は第1基板31となっている。この第1基板31の外側に半導体レーザLを、レーザ光がキャビティ32cの延在方向と略平行となるように配置する。ノズルNから吐出されて基板2に着弾した液滴Fbは、半導体レーザLの直下に至ると、レーザ光の照射を受けて乾燥及び焼成される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、液滴吐出装置に関する。
従来、液晶ディスプレイ装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)等の電気光学装置は、基板上に複数の電気光学素子を形成している。一般に、この種の基板には、品質管理・製品管理等の目的で、製造番号、又は製造番号をコード化した2次元コード等の固有の識別コードが描画されている。この識別コードは、認識手段としての専用のコードリーダによって読み取られ、解読される。
この基板に識別コードを描画する方法として、基板(ガラス基板)に金属箔付きフィルムを対面させレーザ光を照射して、金属膜を基板に転写させて基板にマークを形成したり、また、研磨材を含んだ水を基板等に噴射し、基板に番号等を刻印したりする方法が提案されている(特許文献1、特許文献2を参照。)。
ところで、各描画方法は、描画工程が多く、装置も高価で大型化する傾向がある。そこで、装置が小さく、描画も短時間に実現できるインクジェット法が検討されている。インクジェット法は、液滴吐出装置を用いて、ノズルから機能液(インク液滴)を基板に対して吐出させて2次元バーコード等の識別コードのパターンを形成する。
また、高密度で高精度なインクジェットに用いる液滴吐出ヘッドを簡単かつ大量に製造する技術も開示されている(特許文献3を参照。)。この特許文献3に記載の技術においては、(110)面方位のシリコンウェハ上にパターニングし、その特定の位置に孔明け加工を施す。その後に結晶異方性エッチングを行なうことにより、ウェハ表面に対して直角な(111)面で構成されたインクノズル孔とインク圧力室を一体成形した液滴吐出ヘッドを製造する。
更に、このような液滴吐出ヘッドにおいて、吐出特性を光測定器等で簡易かつ効率的に評価できる等、量産性、検査効率に優れた構造のインクジェット記録装置に関する技術も開示されている(特許文献4を参照。)。特許文献4に記載の技術によれば、液滴吐出ヘッドは、各ノズル孔に連通する独立した吐出室と、この吐出室の一部の壁が振動板から構成されている。そして、この振動板を駆動する駆動手段と、各吐出室にインクを供給する共通のインクキャビティを有する。そして、振動板下に形成される電極基板が透明基板であり、電極が透明導電膜からなる。これにより、液滴吐出ヘッド外部から内部を観察することができる。
特開平11−77340号公報 特開2003−127537号公報 特開平5−309835号公報 特開平6−23980号公報
ところで、識別コードを描画するためのインクジェット法においては、液滴を正確な位置に着弾させる工程と、基板に着弾させたインクを乾燥し、機能材料を焼成させて基板に密着させる工程がある。
まず、液滴を正確な位置に着弾させるためには、基板と液滴吐出ヘッドとを近接させる
必要がある。一方、着弾から乾燥までの時間が長いと着弾した液滴は濡れ広がったり収縮したりする可能性があり、着弾後、速やかに乾燥や焼成する工程を効率的に行なう必要がある。しかし、基板と液滴吐出ヘッドとを近接させると、着弾位置が液滴吐出ヘッドの影に入ってしまい、着弾位置がこの影から出てくるまでレーザ光の照射を待たなければならない。この場合、レーザ光による乾燥工程に遅れが生じ、適切な液滴形状を維持することが困難になる場合がある。また、透明基板・透明ステージの裏面からレーザ光を照射する場合もある。しかし、実際に用いる基板が常に透明とは限らない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、吐出した機能材料を含む液滴に、レーザ光を精度よく照射し、効率のよい乾燥・焼成を行なうことができる液滴吐出装置を提供することである。
本発明の液滴吐出装置は、液滴を吐出させるための加圧手段を側面に設けた流体経路を備えた液滴吐出手段と、前記液滴吐出手段から吐出された液滴にレーザ光を照射するレーザ照射手段とを備えた液滴吐出装置であって、前記レーザ照射手段からのレーザ光の光路と前記流体経路とが略平行になるように構成した。
この液滴吐出装置によれば、レーザ光の光路と前記流体経路とが略平行とすることにより、加圧手段を流体経路の側面に設けることができる。このため、液滴を吐出させるための加圧手段による加圧面の面積を確保し、加圧を確実に伝達することができ、かつ加圧手段を設けた側の反対側の流体経路の側壁を薄くすることができる。従って、ここにレーザ光の光路を設ければ、液滴吐出手段の近傍にレーザ光を照射することができる。このため、液滴の着弾後に速やかにレーザ光を照射して、直ちに液滴を乾燥させ機能材料を焼成させることができる。
この液滴吐出装置において、前記レーザ照射手段を、前記流体経路を介して前記加圧手段と対向するように設けてもよい。
この液滴吐出装置によれば、加圧手段を設けた側とは反対側の流体経路の側壁を構成する部材を薄くすることができるので、液滴吐出手段の近傍にレーザ光を照射することができる。
この液滴吐出装置において、前記流体経路が複数設けられており、これら流体経路のそれぞれに連通するノズルを設け、前記流体経路の列を含む面を、前記ノズルのそれぞれに対応して照射される複数のレーザ光の光路を含む面と略平行になるように構成してもよい。
この液滴吐出装置によれば、流体経路の列を含む面を、ノズルのそれぞれに対応して照射される複数のレーザ光の光路を含む面と略平行になるように構成した。このため、複数のノズルから同時に液滴を吐出させて、吐出したこれら液滴の近傍にレーザ光を照射することができる。従って、効率よく液滴の乾燥及び焼成を行なうことができる。
この液滴吐出装置において、前記流体経路を、板形状の第1基板と、溝部が形成された第2基板とにより形成し、前記溝部の一部が、加圧手段の一部を構成するようにし、前記レーザ照射手段を、前記第1基板側に配置してもよい。
この液滴吐出装置によれば、流体経路を板形状の第1基板と、溝部が形成された第2基板とに構成し、溝部の一部が、加圧手段の一部を構成するようにした。このため、液体流路の構成を簡素にすることができる。
この液滴吐出装置において、前記流体経路を構成する加工基板の溝部を形成する側面の一部に可撓領域を設け、この可撓領域を前記加圧手段の一部としてもよい。
この液滴吐出装置によれば、この可撓領域を振動させて、液滴を吐出させることができる。
この液滴吐出装置において、前記加圧手段は、前記可撓領域と、この可撓領域に対向して設けられた電極とから構成してもよい。
この液滴吐出装置によれば、静電気力により流体経路の一部を加圧し、液滴を吐出させることができる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図10に従って説明する。
(液晶表示装置の表示モジュール)
まず、液滴吐出装置を使って形成されたドットパターンが描画された液晶表示装置の表示モジュールについて説明する。図1は液晶表示装置の液晶表示モジュールの正面図、図2は液晶表示モジュールの裏面に形成されたドットパターンの正面図、図3は液晶表示モジュールの裏面に形成されたドットパターンの側面図である。
図1において、表示モジュール1は、光透過性の表示用基板としてのガラスで構成される基板2を備えている。その基板2の表面2aの略中央位置には、液晶を封入した四角形状の表示部3が形成され、その表示部3の外側には走査線駆動回路4及びデータ線駆動回路5が形成されている。そして、表示モジュール1は、走査線駆動回路4の供給する走査信号と、データ線駆動回路5の供給するデータ信号に基づいて液晶分子の配向状態を制御し、図示しない照明装置から照射された平面光を、液晶分子の配向状態で変調することによって、表示部3に、所望の画像を表示するようになっている。
基板2の着弾面としての裏面2bの右隅には、表示モジュール1のドットDで構成されたドットパターン10が形成されている。ドットパターン10は、図2に示すように、パターン形成領域Z1内に形成される複数のドットDにて構成されている。このパターン形成領域Z1の外周には予め定めた余白領域Z2が形成されている。そして、パターン形成領域Z1に形成されたドットパターン10は、本実施形態では2次元コードであって、2次元コードリーダで読み取られる。また、余白領域Z2は、前記ドットDが形成されない領域であって、2次元コードリーダがパターン形成領域Z1を特定し同パターン形成領域Z1内のドットパターン10を誤検出するのを防止するための領域である。
パターン形成領域Z1は、1〜2mm角の正方形の領域であって、図4に示すように、16行×16列の各セルCに仮想分割され、その分割された各セルCに対して選択的にドットDが形成される。なお、その分割されたセルC内にドットDが形成されるセルCを黒セルC1と、セルC内にドットDが形成されないセルCを白セルC0(非形成領域)という。そして、16行×16列の各セルCに対して選択的にドットDが形成され、その各ドットDで構成する表示モジュール1の製品番号やロット番号を識別するためのドットパターン10(2次元コード)が形成される。また、図4において上側から順に、1行目のセルC、2行目のセルC、・・・、16行目のセルCとし、図4において左側から順に、一列目のセルC、2列目のセルC、・・・、16列目のセルCという。
黒セルC1(ドット領域)に形成されるドットDは、図2及び図3に示すように、半球状に基板2に密着して形成されている。このドットDの形成方法は、本実施形態ではインクジェット法で行なう。詳述すると、ドットDは、後記する液滴吐出装置20のノズルNから機能性材料としてのマンガン微粒子を含む液状体としての機能液Fa(図7参照)の液滴FbをセルC(黒セルC1)に吐出させる。次に、その黒セルC1に着弾した液滴F
bを、乾燥しマンガン微粒子を焼成させることによって、基板2に密着したマンガンよりなる半球状のドットDが形成される。この乾燥・焼成はレーザ光を、基板2(黒セルC1)に着弾した液滴Fbに照射することによって行われる。
(液滴吐出装置)
次に、基板2の裏面2bにドットパターン10を形成するために使用される液滴吐出装置20について説明する。
図5は、基板2の裏面2bのドットパターン10を形成するための液滴Fbを吐出する液滴吐出装置20の構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置20には、図5に示すように、直方体形状に形成される基台21が備えられている。本実施形態では、この基台21の長手方向をY矢印方向とし、Y矢印方向と直交する方向をX矢印方向とする。
基台21の上面21aには、Y矢印方向に延びる一対の案内凹溝22がY矢印方向全幅にわたり形成されている。その基台21の上側には、一対の案内凹溝22に対応する図示しない直動機構を備えた基板ステージ23が取付けられている。基板ステージ23の直動機構は、例えば案内凹溝22に沿って延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸がステップモータよりなるY軸モータMY(図9参照)に連結されている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号がY軸モータMYに入力されると、Y軸モータMYが正転又は逆転して、基板ステージ23が同ステップ数に相当する分だけ、Y矢印方向に沿って所定の速度で往動又は復動する(Y方向に移動する)ようになっている。
本実施形態では、基板ステージ23の配置位置であって、図5に示すように、基台21の最も手前側に配置する位置を往動位置とし、最も奥側に配置する位置を復動位置という。
基板ステージ23の上面には、載置面24が形成され、その載置面24には、図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。そして、載置面24に基板2を載置すると、前記基板チャックによって、基板2が載置面24の所定位置に位置決め固定される。この際、パターン形成領域Z1は、各セルCの列方向がY矢印方向に沿うように設定され、かつ1行目のセルCが最もY矢印方向側となるように配置される。
基台21のX矢印方向両側には、一対の支持台25a、25bが立設され、その一対の支持台25a、25bには、X矢印方向に延びる案内部材26が架設されている。案内部材26は、その長手方向の幅が基板ステージ23のX矢印方向よりも長く形成され、その一端が支持台25a側に張り出すように配置されている。
案内部材26の上側には、前記マンガン微粒子を含む機能液Faを収容する収容タンク27が配設されている。一方、その案内部材26の下側には、X矢印方向に延びる上下一対の案内レール28がX方向全幅にわたり凸設されている。この案内レール28には、この案内レール28に対応する図示しない直動機構を備えたキャリッジ29が取付けられている。このキャリッジ29の直動機構は、例えば案内レール28に沿って延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するX軸モータMX(図9参照)に連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号をX軸モータMXに入力すると、X軸モータが正転又は逆転して、キャリッジ29が同ステップ数に相当する分だけX矢印方向に沿って往動又は復動する。
このキャリッジ29には、液滴吐出手段としての液滴吐出ヘッド30が一体に設けられている。図6は、液滴吐出ヘッド30の下面(基板ステージ23側の面)を上方に向けた場合の斜視図を示す。図7は、液滴吐出ヘッド30の構造を説明するための要部断面図である。図8は、液滴吐出ヘッド30の主要部を分解して示す斜視図であり、一部断面図で示している。
図6に示すように、液滴吐出ヘッド30は、その下面にはドットパターン10を形成するための16個の吐出口としてのノズルNがX矢印方向(セルCの行方向)に一列となって等間隔に貫通形成されている。ノズルNは、そのピッチ幅が、セルCの形成ピッチと同じ大きさで形成される孔であって、基板ステージ23の載置面24に載置された基板2の法線方向(Z矢印方向)に沿って形成されている。つまり、各ノズルNは、基板2(パターン形成領域Z1)がY矢印方向に沿って往復直線移動するときに、それぞれ列方向に沿う各セルCと対峙可能に配置形成されている。
この液滴吐出ヘッド30は、図7に示すように、第1基板31、加工基板としての第2基板32、第3基板33を重ねて接合した積層構造となっている。第1基板31は、ホウ珪酸ガラスからなる基板であり、フラットの板状をしている。第1基板31に接合される第2基板32は、加工したシリコンからなる基板である。第2基板32に接合される第3基板33は、ホウ珪酸ガラスからなる加工した基板である。そして、図7に示すように、第1基板31と第2基板32との間に基板2の法線方向(Z矢印方向)に延びるノズルNが形成されている。
詳述すると、図7に示すように、各ノズルNに相対する位置には、基板2の法線方向(Z矢印方向)に延びるキャビティ32cが形成されている。キャビティ32cは収容タンク27に連通され、収容タンク27内の機能性材料としてのマンガン微粒子を分散媒で分散させた液状体としての機能液Faを各キャビティ32c内に供給可能にする。
キャビティ32cの側壁は、左右方向に振動してキャビティ32c内の容積を拡大縮小する振動板32bとなる。更に、この振動板32bの反Y矢印方向には、振動室32fを介して電極33aを有する静電アクチュエータが配置されている。なお、本実施形態では、振動板32b、振動室32f及び静電アクチュエータが、液滴Fbを吐出させるための加圧手段として機能する。具体的には、電極33aにヘッド駆動回路51により、0Vから100Vのパルス電圧を印加し、電極33aの表面がプラスに帯電すると、対応する振動板32bはマイナス電位に帯電する。従って、振動板32bは、蓄積電荷による静電気の吸引作用により電極33a側に撓み、キャビティ32c内の容積が拡大する。そして、機能液Faが液溜部32eよりオリフィスを通じてキャビティ32c内に補給される。一方、電極33aの蓄積電荷が放電された場合、振動板32bの撓みが解放され、キャビティ32c内の容積が縮小する。この場合、縮小した容積分のマンガン微粒子を含む機能液Faが、各ノズルNから液滴Fbとなって基板2に吐出される。
次に、液滴吐出ヘッド30を構成する第2基板32及び第3基板33の構成について詳述する。
図8に示すように、第2基板32の表面には、等間隔で形成されたノズル溝32aと、ノズル溝32aのそれぞれに接続される溝部が設けられている。この溝部は、キャビティ32cを形成する領域、オリフィス32dを形成する領域、液溜部32eを形成する領域を含んで構成される。そして、この第1基板31と第2基板32とを密着させると、溝部が第1基板31で覆われ、側壁を振動板32bとするキャビティ32c、キャビティ32cに機能液Faを導くためのオリフィス32dや液溜部32eが形成される。更に、オリフィス32dに接続された凹部は、各キャビティ32cに機能液Faを供給するための液溜部32eとなる。なお、機能液供給口32gは、接続パイプ(図示せず)を介して、液
溜部32eに機能液Faを供給する収容タンク27に接続される。
更に、キャビティ32cとなる溝部の反対側の振動板32bの側面は、振動室32fを構成するための凹部となっている。この凹部は、第3基板33に配置された各電極33aに対向するように配置されている。このため、この第2基板32と第3基板33とを密着させると、凹部が第3基板33で覆われ、上述した振動室32fが形成される。
第3基板33上には、スパッタリング法により、振動板32bに対応する各々の位置に振動板形状に対応した形状に、0.1μm程度のITOからなる電極33aが形成されている。電極33aはリード部を介して端子部33bに接続される。更に、端子部33bを除いた領域に、0.2μm程度のホウ珪酸ガラスのスパッタリング膜で被覆し絶縁層33eが形成されている。この絶縁層33eは、駆動時の絶縁破壊、ショートを防止する。
なお、第1基板31と第2基板32とは陽極接合され、同条件で第2基板32と第3基板33とを接合し、液滴吐出ヘッド30が組み上がる。そして、第2基板32と電極33aの端子部33b間にヘッド駆動回路51に接続される。
一方、図6に示すように、液滴吐出ヘッド30のY矢印方向には、レーザ照射装置38が設けられている。このレーザ照射装置38は、16個の半導体レーザLの出射部がX矢印方向に一列となって等間隔に並設されている。この半導体レーザLは、それぞれのレーザ光を基板2の法線方向(Z矢印方向)に照射させて、16個のノズルNのそれぞれに対応するように設置されている。すなわち、本実施形態では、半導体レーザLの光路は、キャビティ32cの延在方向と平行になっている。従って、各半導体レーザLは、対応するノズルNから液滴Fbが吐出されることによって基板2に着弾した液滴Fbが、半導体レーザLの直下に至ると、レーザ光を照射して、液滴Fbを乾燥させ、更にマンガン微粒子を焼成させる。
なお、16個の半導体レーザLからなるレーザ列は、16個のノズルNからなるノズル列と併設されていて、対応する各半導体レーザLとノズルNの間隔はそれぞれ共に同じになるように形成されている。従って、本実施形態では、レーザ列を含む平面と、ノズル列を含む平面とが平行になっている。
(電気的ブロック回路)
次に、上記のように構成した液滴吐出装置20の電気的ブロック回路を図9に従って説明する。
図9において、制御装置40には、外部コンピュータ等の入力装置41から各種データを受信するI/F部42と、CPU等からなる制御部43、DRAM及びSRAMからなり各種データを格納するRAM44、各種制御プログラムを格納するROM45が備えられている。また、制御装置40には、駆動波形生成回路46、各種駆動信号を同期するためのクロック信号CLKを生成する発振回路47、前記半導体レーザLを駆動するためのレーザ駆動電圧VDLを生成する電源回路48、各種駆動信号を送信するI/F部49が備えられている。そして、制御装置40では、これらI/F部42、制御部43、RAM44、ROM45、駆動波形生成回路46、発振回路47、電源回路48及びI/F部49が、バス50を介して接続されている。
I/F部42は、入力装置41から、基板2の製品番号やロット番号等の識別データを公知の方法で2次元コード化したドットパターン10の画像を、既定形式の描画データIaとして受信する。
制御部43は、I/F部42の受信した描画データIaに基づいて、ドットパターン作成処理動作を実行する。すなわち、制御部43は、RAM44等を処理領域として、ROM45等に格納された制御プログラム(例えば、ドットパターン作成プログラム)に従って、基板ステージ23を移動させて基板2の搬送処理動作を行い、液滴吐出ヘッド30の電極33aと振動板32bとから構成される静電アクチュエータを駆動させて液滴吐出処理動作を行なう。また、制御部43は、ドットパターン作成プログラムに従って、各半導体レーザLを駆動させて液滴Fbを乾燥させる乾燥処理動作を行なう。
詳述すると、制御部43は、I/F部42の受信した描画データIaに所定の展開処理を施し、2次元描画平面(パターン形成領域Z1)上における各セルCに、液滴Fbを吐出するか否かを示すビットマップデータBMDを生成してRAM44に格納する。このビットマップデータBMDは、前記静電アクチュエータに対応して16×16ビットのビット長を有したシリアルデータであり、各ビットの値(0あるいは1)に応じて、振動板32bと電極33aとからなる静電アクチュエータのオンあるいはオフを規定するものである。
また、制御部43は、描画データIaに前記ビットマップデータBMDの展開処理と異なる展開処理を施し、静電アクチュエータに印加する静電駆動電圧VDCの波形データを生成して、駆動波形生成回路46に出力する。駆動波形生成回路46は、制御部43の生成した波形データを格納する波形メモリ46aと、同波形データをデジタル/アナログ変換してアナログ信号として出力するD/A変換部46bと、D/A変換部から出力されるアナログの波形信号を増幅する信号増幅部46cとを備えている。そして、駆動波形生成回路46は、波形メモリ46aに格納した波形データをD/A変換部46bによりデジタル/アナログ変換し、アナログ信号の波形信号を信号増幅部46cにより増幅して静電駆動電圧VDCを生成する。
更に、制御部43は、I/F部49を介して、前記ビットマップデータBMDに基づくデータを、発振回路47の生成するクロック信号CLKに同期させた吐出制御信号SIとして、後述するヘッド駆動回路51(シフトレジスタ56)に順次シリアル転送する。また、制御部43は、転送した吐出制御信号SIをラッチするためのラッチ信号LATをヘッド駆動回路51に出力する。更に、制御部43は、発振回路47の生成するクロック信号CLKに同期させて、静電駆動電圧VDCをヘッド駆動回路51(スイッチ素子S1)に出力する。
この制御装置40には、I/F部49を介して、ヘッド駆動回路51、レーザ駆動回路52、基板検出装置53、X軸モータ駆動回路54及びY軸モータ駆動回路55が接続されている。
ヘッド駆動回路51は、シフトレジスタ56、ラッチ回路57、レベルシフタ58及びスイッチ回路59を備えている。シフトレジスタ56は、クロック信号CLKに同期して制御装置40(制御部43)から転送された吐出制御信号SIを、16個の静電アクチュエータの電極33aに対応させてシリアル/パラレル変換する。ラッチ回路57は、シフトレジスタ56のパラレル変換した16ビットの吐出制御信号SIを、制御装置40(制御部43)からのラッチ信号LATに同期してラッチし、ラッチした吐出制御信号SIをレベルシフタ58及びレーザ駆動回路52に出力する。レベルシフタ58は、ラッチ回路57のラッチした吐出制御信号SIに基づいて、スイッチ回路59が駆動する電圧まで昇圧して、16個の各静電アクチュエータの電極33aに対応する開閉信号GS1をそれぞれ生成する。
スイッチ回路59には、各電極33aに対応するスイッチ素子S1がそれぞれ接続され
る。各スイッチ素子S1の入力側には、共通する静電駆動電圧VDCが入力され、出力側には、それぞれ対応する電極33aが接続されている。そして、各スイッチ素子S1には、レベルシフタ58から、対応する開閉信号GS1が入力され、この開閉信号GS1に応じて静電駆動電圧VDCを静電アクチュエータに供給するか否かを制御する。
すなわち、本実施形態の液滴吐出装置20は、駆動波形生成回路46の生成した静電駆動電圧VDCを、各スイッチ素子S1を介して対応する各静電アクチュエータに供給する。更に、制御装置40(制御部43)は、各スイッチ素子S1の開閉が制御するための吐出制御信号SI(開閉信号GS1)を供給し、静電駆動電圧VDCの印加を制御する。すなわち、スイッチ素子S1が閉じることにより、このスイッチ素子S1に対応する電極33aに静電駆動電圧VDCを供給し、この静電アクチュエータに対応するノズルNから液滴Fbを吐出する。この場合、ラッチ信号LATは、16個のノズルNの直下を基板2のパターン形成領域Z1の各横一列が通過する毎に出力される。そして、このラッチ信号LATに応答して、静電アクチュエータが駆動され、ノズルNから液滴Fbが吐出されることにより、パターン形成領域Z1の各セルC(黒セルC1)にドットDが形成される。
図10は、上記するラッチ信号LAT、吐出制御信号SI及び開閉信号GS1のパルス波形と、開閉信号GS1に応答して静電アクチュエータに印加される静電駆動電圧VDCの波形を示す。図10に示すように、制御部43からヘッド駆動回路51に出力されたラッチ信号LATが立ち下がると、16ビット分の吐出制御信号SIに基づいて開閉信号GS1が生成され、16個の開閉信号GS1のうち立ち上がった開閉信号GS1に対応する静電アクチュエータに静電駆動電圧VDCが供給される。この場合、振動板32bとの間でキャパシタを構成する電極33aの電圧VCは、静電駆動電圧VDCの電圧に伴い上昇する。この場合、静電気力により静電アクチュエータが収縮してキャビティ32c内に機能液Faが引き込まれる。次に、静電駆動電圧VDCの電圧値の下降とともに静電アクチュエータによりキャビティ32c内の機能液Faが押し出され、液滴Fbが吐出される。液滴Fbを吐出すると、静電駆動電圧VDCの電圧値は初期電圧まで戻り、静電アクチュエータの駆動による液滴Fbの吐出動作が終了する。
図9に示すように、レーザ駆動回路52には、遅延パルス生成回路61とスイッチ回路62が備えられている。遅延パルス生成回路61は、ラッチ回路57が前記ラッチ信号LATの立下りに応答してラッチした吐出制御信号SIを、所定の時間(待機時間T)だけ遅延させたパルス信号(開閉信号GS2)を生成し、開閉信号GS2をスイッチ回路62に出力する。ここで、待機時間Tとは、静電アクチュエータの駆動タイミング(前記ラッチ信号LATの立ち下がりタイミング)を基準(基準時間Tk)とし、その静電アクチュエータ(ノズルN)に対応する半導体レーザLの直下(レーザ照射位置)を液滴Fbが通過するに要する時間をいう。詳述すると、本実施形態における前記待機時間Tは、予め試験等に基づいて設定した時間であり、静電アクチュエータの吐出動作の開始時(静電駆動電圧VDCの立ち上がる時)から液滴Fbが着弾し、その着弾した液滴Fbがレーザ照射位置まで到達するまでの時間である。従って、遅延パルス生成回路61は、ラッチ回路57が前記ラッチ信号LATの立下りに応答してラッチした吐出制御信号SIを、待機時間T経過すると、即ち、着弾した液滴Fbが半導体レーザLの直下(レーザ照射位置)の到達したとき、開閉信号GS2をスイッチ回路62に出力する。
スイッチ回路62には、16個の各半導体レーザLに対応するスイッチ素子S2が備えられている。各スイッチ素子S2の入力側には、電源回路48の生成した共通のレーザ駆動電圧VDLが入力され、出力側には対応する各半導体レーザLが接続されている。そして、各スイッチ素子S2には、遅延パルス生成回路61から対応する開閉信号GS2が入力され、開閉信号GS2に応じてレーザ駆動電圧VDLを半導体レーザLに供給するか否かを制御する。すなわち、本実施形態の液滴吐出装置20は、電源回路48の生成したレ
ーザ駆動電圧VDLを、各スイッチ素子S2を介して対応する各半導体レーザLに共通に印加するとともに、そのスイッチ素子S2の開閉を、制御装置40(制御部43)の供給する吐出制御信号SI(開閉信号GS2)によって制御するようにしている。そして、スイッチ素子S2が閉じると、同スイッチ素子S2に対応する半導体レーザLにレーザ駆動電圧VDLが供給され、対応する半導体レーザLからレーザ光が出射される。
つまり、図10に示すように、ラッチ信号LATがヘッド駆動回路51に入力されると、待機時間T後に、開閉信号GS2が生成される。そして、開閉信号GS2が立ち上がった時に、対応する半導体レーザLにレーザ駆動電圧VDLが印加され、丁度、半導体レーザLの照射位置を通過する基板2(黒セルC1)に着弾した液滴Fbに、同半導体レーザLからレーザ光が出射される。そして、開閉信号GS2が立ち下り、レーザ駆動電圧VDLの供給が遮断されて半導体レーザLによる乾燥処理動作が終了する。
制御装置40には、I/F部49を介して基板検出装置53が接続されている。基板検出装置53は、基板2の端縁を検出し、制御装置40によって液滴吐出ヘッド30(ノズルN)の直下を通過する基板2の位置を算出する際に利用される。
制御装置40には、I/F部49を介してX軸モータ駆動回路54が接続され、X軸モータ駆動回路54にX軸モータ駆動制御信号を出力するようになっている。X軸モータ駆動回路54は、制御装置40からのX軸モータ駆動制御信号に応答して、キャリッジ29を往復移動させるX軸モータMXを正転又は逆転させるようになっている。そして、例えば、X軸モータMXを正転させると、キャリッジ29はX矢印方向に移動し、逆転させるとキャリッジ29はX矢印の反対方向に移動する。
制御装置40には、前記X軸モータ駆動回路54を介してX軸モータ回転検出器54aが接続され、X軸モータ回転検出器54aからの検出信号が入力される。制御装置40は、この検出信号に基づいて、X軸モータMXの回転方向及び回転量を検出し、液滴吐出ヘッド30(キャリッジ29)のX矢印方向の移動量と、移動方向とを演算する。
制御装置40には、I/F部49を介してY軸モータ駆動回路55が接続され、Y軸モータ駆動回路55にY軸モータ駆動制御信号を出力するようになっている。Y軸モータ駆動回路55は、制御装置40からのY軸モータ駆動制御信号に応答して、基板ステージ23を往復移動させるY軸モータMYを正転又は逆転させ、基板ステージ23を予め定めた速度で移動させる。例えば、Y軸モータMYを正転させると、基板ステージ23(基板2)は予め定めた速度でY矢印方向に移動し、逆転させると、基板ステージ23(基板2)は予め定めた速度でY矢印の反対方向に移動する。
制御装置40には、前記Y軸モータ駆動回路55を介してY軸モータ回転検出器55aが接続され、Y軸モータ回転検出器55aからの検出信号が入力される。制御装置40は、Y軸モータ回転検出器55aからの検出信号に基づいて、Y軸モータMYの回転方向及び回転量を検出し、液滴吐出ヘッド30に対する基板2のY矢印方向の移動方向及び移動量を演算する。
(ドットパターンの生成)
次に、上述した液滴吐出装置20を使ってドットパターン10を基板2の裏面2bに形成する方法について説明する。
まず、図5に示すように、往動位置に位置する基板ステージ23上に、基板2を、裏面2bが上側になるように配置固定する。このとき、基板2のY矢印方向側の辺は、案内部材26より反Y矢印方向側に配置されている。また、キャリッジ29(液滴吐出ヘッド3
0)は、基板2がY矢印方向に移動したとき、その直下を、ドットパターン10を形成する位置(パターン形成領域Z1)が通過する位置にセットされている。
この状態から、制御装置40は、Y軸モータMYを駆動制御し、基板ステージ23を介して基板2を所定の速度でY矢印方向に搬送させる。やがて、基板検出装置53が基板2のY矢印側の端縁を検出すると、制御装置40は、Y軸モータ回転検出器55aからの検出信号に基づいて、横一列のセルC(黒セルC1)がノズルNの直下まで搬送されたかどうかを演算する。
この間、制御装置40は、ドットパターン作成プログラムに従って、RAM44に格納したビットマップデータBMDに基づく吐出制御信号SIと、駆動波形生成回路46で生成した静電駆動電圧VDCをヘッド駆動回路51に出力する。また、制御装置40は、電源回路48で生成したレーザ駆動電圧VDLをレーザ駆動回路52に出力する。そして、制御装置40は、ラッチ信号LATを出力するタイミングを待つ。
そして、1行目のセルC(黒セルC1)がノズルNの直下(着弾位置)まで搬送されると、制御装置40は、ラッチ信号LATをヘッド駆動回路51に出力する。ヘッド駆動回路51は、制御装置40からのラッチ信号LATを応答して、吐出制御信号SIに基づく開閉信号GS1を生成し、同開閉信号GS1をスイッチ回路59に出力する。そして、閉じた状態のスイッチ素子S1に対応する静電アクチュエータに、静電駆動電圧VDCを供給し、対応するノズルNから、静電駆動電圧VDCに相対する液滴Fbを、一斉に吐出する。
一方、レーザ駆動回路52(遅延パルス生成回路61)は、ラッチ回路57のラッチした吐出制御信号SIを受けて開閉信号GS2の生成を開始し、待機時間T(基板2(黒セルC1)に着弾した液滴Fbが、レーサ照射位置に到達する時間)待機する。そして、ラッチ信号LATを受けて待機時間Tを経過すると、レーザ駆動回路52は、遅延パルス生成回路61の生成した開閉信号GS2をスイッチ回路62に出力し、閉じた状態のスイッチ素子S2に対応する半導体レーザLに、レーザ駆動電圧VDLを供給する。
従って、横一列の黒セルC1内に一斉に着弾した液滴Fbに、一斉に対応する半導体レーザLからレーザ光が照射される。これによって、液滴Fbの分散媒が着弾時に蒸発し、同液滴Fbが乾燥して裏面2bに定着する。
つまり、先に一斉に吐出されて基板2上に着弾した横一列のドットDを形成する液滴Fbが、一斉に対応する半導体レーザLによってレーザ光が照射される。これによって、レーザ光のエネルギーによって、液滴Fbの分散媒が蒸発し、液滴Fbに含まれていたマンガン微粒子が焼成し基板2に密着される。つまり、基板2にマンガンよりなる半球状のドットDが形成される。以後、同様に、各ノズルNから吐出され基板2に着弾した液滴Fbが、対応する半導体レーザLの直下に搬送される毎に、レーザ光が照射される。そして、ドットパターン10を構成する半球状のドットDが横一列毎に形成されてくる。
そして、パターン形成領域Z1に形成されるドットパターン10のすべてドットDを形成されると、制御装置40は、Y軸モータMYを制御して、基板2を液滴吐出ヘッド30の下方位置から退出させる。
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、キャビティ32cの側壁は、左右方向に振動してキャビティ32c内の容積を拡大縮小する振動板32bとなる。この振動板32bを振動させて液滴をより確実に吐出させるために、第2基板32及び第3基板33をより強固に密着させ
ても、振動板32bと反対側でキャビティ32cを構成する第1基板31を薄くすることができる。このため、第1基板31の外側に、半導体レーザLを設け、この半導体レーザLの光路を、キャビティ32cの延在方向と平行としても、液滴Fbを吐出するノズルNの近傍にレーザ光を照射することができる。着弾した液滴の形状は時間の経過に伴い変化するが、ノズルNの近傍で、レーザ光の照射を行なうことができるので、短時間で乾燥し、形状を固定することができる。例えば、ノズルNとレーザ光の出射位置との間隔を10μm以下にした場合、ステージの搬送速度が遅い場合でも、着弾した液滴Fbが濡れ広がったり、収縮したりする前(例えば50μ秒)にレーザ光を照射できる。
(2)本実施形態によれば、16個の半導体レーザLからなるレーザ列は、16個のノズルNからなるノズル列と併設されていて、対応する各半導体レーザLとノズルNの間隔はそれぞれ共に同じになるように形成されている。従って、本実施形態では、レーザ列を含む平面と、ノズル列を含む平面とが平行になっている。このため、複数のノズルNから同時に液滴を吐出させて、この吐出した液滴の近傍にレーザ光照射することができる。従って、効率よく液滴の乾燥及び焼成を行なうことができる。
(3)本実施形態によれば、キャビティ32cの側部を振動板32bとし、この振動板32bを振動させるための電極33aとからなる静電アクチュエータが配設されている。振動板32b、振動室32f及び静電アクチュエータが、液滴Fbを吐出させるための加圧手段として機能する。キャビティの外側に振動板を構成するガラス板やプラスチック板等を介して圧電素子を設けた構造とは異なり、微細な液滴吐出ヘッド30を製造することができる。また、圧電素子の場合、圧電素子自身の厚みや、振動板への接着剤の厚みのばらつきが生じることがある。キャビティ32cを構成する一面を振動板32bとして、静電気力を利用した吐出を行なう駆動方式を採用するため、安定した吐出特性を得ることができる。
(4)本実施形態によれば、第2基板32の表面には、等間隔で形成されたノズル溝32aと、ノズル溝32aのそれぞれに接続される溝部が設けられている。この溝部は、キャビティ32cを形成する領域、オリフィス32dを形成する領域、液溜部32eを形成する領域を含んで構成される。そして、この第1基板31と第2基板32とを密着させると、溝部が第1基板31で覆われ、側壁を振動板32bとするキャビティ32c、キャビティ32cに機能液Faを導くためのオリフィス32dや液溜部32eが形成される。このため、ノズルN、振動板32bを側壁とするキャビティ32cなどを簡単な構成で形成することができる。
(5)本実施形態によれば、半導体レーザLの駆動タイミングを、ノズルNの駆動開始を決めるラッチ信号LATの立下りを基準(基準時間Tk)、すなわち、液滴Fbを吐出させるための静電アクチュエータの駆動を基準にして決定したので、ノズルNから吐出した液滴Fbの位置を正確に把握できる。従って、レーザ光を精度よく液滴Fbに照射することができ、確実に液滴Fbを乾燥・焼成させることができる。しかも、制御部43の負荷も軽減することができる。
(6)本実施形態によれば、レーザ照射装置38は液滴吐出ヘッド30と一体化しているので、照射時の位置あわせが不要である。
(7)本実施形態によれば、16個の半導体レーザLは、駆動した静電アクチュエータに対応する半導体レーザLしか駆動させないようにしたので、半導体レーザLの消費電力を抑えることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態では、第1基板31の側面に半導体レーザLを設け、レーザ光を基板
2の法線方向(Z矢印方向)から照射するようにした。半導体レーザLからのレーザ光は、流体経路であるキャビティ32cと厳密に平行である必要はなく、略平行であればよい。
○ 上記実施形態では、半導体レーザLを第1基板31の側面に配置した。半導体レーザLの配置はこれに限られものではなく、例えば、キャビティ32cの振動板32bと反対側の側壁を構成する第1基板31を透明にして、この第1基板31にレーザ光を誘導してもよい。この場合には、ノズルNのより近くにレーザ光を照射することができる。
○ 上記実施形態では、流体経路となるキャビティ32cを基板2の法線方向(Z矢印方向)に延在させ、これと平行に半導体レーザLの光路をなるようにレーザ照射装置38を設けた。これに限らず、キャビティ32cの延在方向が、法線方向に対して傾斜している場合には、これに対して略平行となるように半導体レーザLの光路を傾斜させてもよい。
○ 上記実施形態では、レーザ駆動回路52の遅延パルス生成回路61にて、待機時間Tが経過した時、開閉信号GS2を出力するようにした。これを、制御装置40で、待機時間Tを計時して、待機時間Tが経過した時、レーザ駆動回路52に制御信号を出力する。そして、レーザ駆動回路52は、制御信号に応答して、ヘッド駆動回路51のラッチ回路57から入力した吐出制御信号SIに基づいて生成した開閉信号GS2を出力するようにしてもよい。
○ 上記実施形態では、ラッチ信号LATの立下りを基準として待機時間Tを設定したが、ラッチ信号LATの立ち上りを基準に待機時間Tを設定して実施してもよく、要は、静電アクチュエータの駆動動作を決める駆動信号を基準に待機時間Tを設定すればどんなタイミングでもよい。
○ 上記実施形態では、加圧手段として静電アクチュエータを使って液滴Fbを吐出したが、静電アクチュエータ以外の方法で、圧力室(キャビティ32c)を加圧する加圧手段を、この圧力室の側面に配置する構成であれば、他の構成であってもよい。例えば、静電アクチュエータ以外の方法(例えば、ピエゾ素子を用いる方法や気泡を用いる方法等)を用いてキャビティ32c内を加圧し、液滴Fbを吐出するようにしてもよい。例えば、ピエゾ素子を用いる場合には、キャビティ32cを構成する振動板32bにピエゾ素子を接触させ、駆動信号によりキャビティ32cの体積を変更して液滴Fbを吐出させる。また、気泡を用いる場合には、キャビティ32c内に気泡を生成して破裂させて液滴Fbを吐出させる。これらの場合にも、レーザ照射手段をキャビティ32cに対して加圧手段の反対側に配置させることにより、ノズルNから吐出されて着弾した液滴Fbに、速やかにレーザ光を照射することができる。
○ 上記実施形態では、ドットパターン10を構成するドットDを形成するための液滴吐出装置20に具体化したが、例えば、機能性材料として配線材料を含む液滴を基板に吐出させて、基板上に金属配線を形成する液滴吐出装置や絶縁膜を形成するための液滴吐出装置などに応用してもよい。この場合にも、効率よく後工程の乾燥・焼成が液滴吐出装置で行なうことができる。
○ 上記実施形態では、半球状のドットDで具体化したが、その形状は限定されるものではなく、例えば、その平面形状が楕円形のドットであったり、バーコードを構成するバーのように線状であったりしてもよい。
○ 上記実施形態では、パターンは2次元コードの識別コードであったが、これに限定
されるものではなく、例えばバーコードであってもよい。更に、パターンは、文字、数字、記号等であってもよい。
○ 上記実施形態では、ドットパターン10を表示用基板として基板2に形成したが、これをシリコンウェハ、樹脂フィルム、金属板等でもよい。
○ 上記実施形態では、表示モジュール1に具体化した。これに限らず、例えば有機エレクトロルミネッセンス表示装置の表示モジュールであってもよく、あるいは平面状の電子放出素子を備え、同素子から放出された電子による蛍光物質の発光を利用した電界効果型装置(FEDやSED等)を備えた表示モジュールであってもよい。また、ドットパターン10が形成された基板2等は、これらの表示装置のみでなく、他の電子機器に使用してもよい。
次に、上記各実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(a) 流体経路内の液体を加圧して液滴として下方に吐出するための加圧手段と、この加圧手段により押圧される第1側壁によって一部が形成される前記流体経路が形成された液滴吐出手段と、レーザ光を照射するレーザ照射手段とを備えた液滴吐出装置であって、前記流体経路を形成するための前記第1側壁とは別の側壁の部材側に、前記レーザ照射手段を設けたことを特徴とする液滴吐出装置。
従って、この(a)に記載の発明によれば、液滴を吐出させるための加圧手段からの加圧力をより確実に伝達するような構成にしても、この加圧手段からの加圧を受ける第1側壁を形成した部材とは別であって流体経路の側壁を形成する部材を薄くすることができる。従って、レーザ照射手段からのレーザ光を曲げなくても、液滴吐出手段の近傍にレーザ光を照射することができる。このため、液滴の着弾後に速やかにレーザ光を照射して、直ちに液滴を乾燥させ機能材料を焼成させることができる。
(b) 前記(a)に記載の液滴吐出装置において、前記流体経路は、板形状の第1基板と、溝部又は凹部が形成された第2基板により形成されており、前記加圧手段は、前記溝部又は凹部の一部に形成されており、前記レーザ照射手段は、前記第1基板側に配置されていることを特徴とする液滴吐出装置。
従って、この(b)に記載の発明によれば、第1基板と第2基板によって流体経路を構成することができる。
液晶表示装置の液晶表示モジュールの正面図。 液晶表示モジュールの裏面に形成されたドットパターンの正面図。 液晶表示モジュールの裏面に形成されたドットパターンの側面図。 ドットパターンの構成を説明するための説明図。 本実施形態の液滴吐出装置の要部斜視図。 液滴吐出ヘッドを説明するための斜視図。 液滴吐出ヘッドを説明するための要部断面図。 液滴吐出ヘッドを説明するための分解斜視図。 液滴吐出装置の電気的構成を説明するための電気ブロック回路図。 吐出ヘッドの駆動と半導体レーザの駆動のタイミングを説明するためのタイミングチャート。
符号の説明
N…ノズル、Fb…液滴、L…レーザ照射手段としての半導体レーザ、2…基板、20
…液滴吐出装置、30…液滴吐出手段としての液滴吐出ヘッド、31…第1基板、32…加工基板としての第2基板、32b…加圧手段を構成する振動板、32c…流体経路としてのキャビティ、32f…振動室、33a…加圧手段を構成する電極。

Claims (6)

  1. 液滴を吐出させるための加圧手段を側面に設けた流体経路を備えた液滴吐出手段と、
    前記液滴吐出手段から吐出された液滴にレーザ光を照射するレーザ照射手段とを備えた液滴吐出装置であって、
    前記レーザ照射手段からのレーザ光の光路と前記流体経路とが略平行になるように構成したことを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液滴吐出装置において、
    前記レーザ照射手段を、前記流体経路を介して前記加圧手段と対向するように設けたことを特徴とする液滴吐出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の液滴吐出装置において、
    前記流体経路が複数設けられており、これら流体経路のそれぞれに連通するノズルを設け、
    前記流体経路の列を含む面を、前記ノズルのそれぞれに対応して照射される複数のレーザ光の光路を含む面と略平行になるように構成したことを特徴とする液滴吐出装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の液滴吐出装置において、
    前記流体経路を、板形状の第1基板と、溝部が形成された第2基板とにより形成し、
    前記溝部の一部が、加圧手段の一部を構成するようにし、
    前記レーザ照射手段を、前記第1基板側に配置したことを特徴とする液滴吐出装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、
    前記流体経路を構成する加工基板の溝部を形成する側面の一部に可撓領域を設け、この可撓領域を前記加圧手段の一部としたことを特徴とする液滴吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液滴吐出装置において、
    前記加圧手段は、前記可撓領域と、この可撓領域に対向して設けられた電極とから構成したことを特徴とする液滴吐出装置。
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