JP2003072068A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置Info
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Abstract
ズル配列を実現するとともに、簡素な構成で廉価に複数
の分岐流路に十分な音響容量を確保し、音響クロストー
クを抑制しインク供給不足を防止し、高速なインクリフ
ィル動作が実現できる構成のインクジェット記録ヘッド
を提供する。 【解決手段】 本インクジェット記録ヘッド26では、
インクプール17が、インク供給口19に連通する主流
路16と、主流路16から分岐する複数の分岐流路15
とを備え、イジェクタが、分岐流路15に連通する圧力
室12と、圧力室12内に充填されたインクに圧力波を
発生させる圧力発生手段と、圧力波で圧縮された圧力室
12内のインクを吐出するノズル11とを備える。分岐
流路15を構成する壁面の少なくとも一つが、分岐流路
15内の圧力変化に応じて弾性変形するダンパ部材18
によって構成されている。
Description
録ヘッド及びインクジェット記録装置に関し、更に詳し
くは、マトリクス状に配列された複数のイジェクタから
インク滴を吐出するインクジェット記録ヘッド、及び該
インクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記
録装置に関する。
質・低騒音などの特長を有し、現在、プリンタの主流を
なしている。中でも複数のノズルからインク滴を飛翔さ
せ、記録紙上に文字、図形、写真等の印刷を行うインク
ジェットプリンタは、小型・低価格・写真画質の印刷が
可能であるなどの特長を有し広く普及している。
主走査方向に移動しながら、例えば一色当たり24個〜
300個といった複数ノズルから、印字データに基づい
た電気信号に応じて選択的にインク滴を吐出し、記録用
紙等の被記録媒体表面にインク滴を付着させる構成を有
する。この記録ヘッドは更に、主走査方向と直交する副
走査方向に記録媒体を移送する動作とを組み合わせるこ
とによって、被記録媒体上に文字や図形を印刷すること
ができる。
は、複数のノズルに対し共通に設けられたインクプール
にインクが蓄えられており、このインクプール内のイン
クはノズル毎に設けられた狭いインレットを経由して圧
力室内に導入される。更に、電気信号に応答して作動す
る圧電素子等の圧力発生手段によって圧力室内のインク
に圧力を発生し、ノズルからインク滴を吐出する。以
下、ノズル、圧力室、インレット及び圧力発生手段から
構成されるインク滴吐出機構をイジェクタと呼ぶ。
一例が、特開平8−58089号公報に記載されてい
る。図16及び図17は夫々、上記公報に記載のインク
ジェット式記録ヘッドを示す断面図及び平面図である。
ェット式記録ヘッドは、順次に積層されたノズル形成プ
レート61、インクプールプレート62、インク供給絞
り63a(インレットに相当)を有する絞り形成プレー
ト63、封止プレート64、圧力室形成プレート65、
及び、加圧プレート66を備えている。圧力発生手段
は、加圧プレート66と圧電素子67から構成され、上
部電極68aと下部電極68bとの間に電圧制御信号を
印加することにより、圧力室71内のインクに圧力波
(音響波)を発生させる。プレート61〜66によっ
て、インクプール69から、インク供給絞り63a、連
通孔70、圧力室71及びインク連通孔72を経由して
ノズル73に至るインク流路が形成されている。
では、加圧プレート66と圧電素子67とから構成され
る圧力発生手段と、ノズル73、圧力室71及びインク
供給絞り63aとを備えたイジェクタとが、図17に示
すように一列に直線状に配列されてイジェクタアレイ7
4を構成している。以下、イジェクタを直線状に配列し
たインクジェット式記録ヘッドを「直線状配列ヘッド」
と呼ぶ。
用いた直線状配列ヘッドでは、圧力発生手段の特性限界
と製造技術の制約から、イジェクタの高密度配置の実現
に課題があった。直線状配列ヘッドでイジェクタを高密
度に配置するためには、圧力室幅を狭める必要があり、
縦横比の大きな細長いイジェクタによってインクジェッ
ト式記録ヘッドを構成することが必要になる。
するために圧力室の幅を狭めると、加圧プレート可動領
域の幅も狭まり加圧プレートの撓み剛性が増大する。こ
のため、加圧プレートの変形量が十分に得られなくな
り、所望とするインク滴量の吐出が困難になる課題が生
じる。また、圧力室はエッチングや機械加工、或いは樹
脂成形等で形成することができるが、機械加工の精度限
界から圧力室幅の微細化にも限界が存在する。
ら構成される圧力発生手段を用いた直線状配列ヘッドで
は、圧力発生手段の性能限界と製造技術の制約とから、
実質的に120本/インチ〜180本/インチ程度に高
密度配列の限界が存在した。直線状配列ヘッドにおいて
は、イジェクタを千鳥状に配列しノズル密度を倍増させ
ることは可能であるが、その場合には、ヘッドサイズの
大型化とともに、ヘッドコストが倍増するという新たな
問題が生じる。
ヘッドとして、縦横比が1に近い圧力室を有する多数の
イジェクタをマトリクス状に配列し、ノズルの高密度化
を図った記録ヘッドが知られている。このような構成の
記録ヘッドが、特許第2806386号公報、特開平9
−156095公報、及び特表平10−508808号
公報に夫々記載されている。
6号公報に記載されたインクジェット式の記録ヘッドの
要部構成を示す。この記録ヘッドは、ノズル75がマト
リクス状に配列されているので、以下、「マトリクス状
配列ヘッド」と呼ぶ。
積層されたノズル75を有するノズル板82と、インク
供給溝79及びインク通路77を有する分配板83と、
圧力室76及び枝路81を有するキャビティ板84と、
加圧プレート85とを備えている。加圧プレート85上
には、圧電素子86が固定されている。
に示すように、隣接するノズル75及びインク通路77
の各列間に、図示しないインク供給源(主流路に相当)
に連通する複数のインク供給溝79(分岐流路に相当)
が相互に平行に形成されている。更に、各連通孔80
と、圧力室76毎に設けられた枝路81とを連結するこ
とによってインク流路が構成されている。このようなマ
トリクス状配列ヘッドでは、圧力室76の幅を狭めるこ
となく、副走査方向のノズル密度を増大できる利点を有
する。
は、インクプールに十分な音響容量を確保することは極
めて重要な課題である。
室に印加された圧力波の伝播によって、この圧力室に連
通するノズルからインク滴を吐出するだけでなく、この
圧力室に連通しているインクプールにも圧力波がインレ
ットを介して伝播する、所謂、音響クロストークという
現象が生じる。圧力波がインクプールを介して隣接する
他のイジェクタに伝播すると、所望ノズル以外のノズル
の吐出状態に悪影響を与えることがある。この影響が顕
著な場合には、インクを吐出すべきノズル以外の隣接ノ
ズルからも少量のインクが吐出する現象が生じる。この
ような音響クロストークによる隣接ノズルへの悪影響を
抑制するためには、インレットを経由してインクプール
に伝播した圧力波をインクプール内で吸収減衰させ、隣
接イジェクタには圧力波を伝播させないようにすること
が重要であり、このためにはインクプールに十分な音響
容量を設けることが必要になる。
場合には、インク滴の吐出周波数を増加した場合、或い
は同時にインク滴を吐出するノズル数を増加した場合
に、インクプールから各圧力室へ供給するインク量が不
足し、安定な吐出状態が得られなくなる。
ル部のメニスカス動作を模式的に示した図である。初め
ほぼ平坦な状態であったメニスカス45(図20
(a))は、圧力発生室が圧縮されるとノズル外部に向
かって移動し、インク滴46を吐出させる(図20
(b))。インク滴の吐出が行われると、ノズル内部の
インク量が減少するため、凹形状のメニスカス45が形
成される(図20(c))。凹形状になったメニスカス
45は、インクの表面張力の作用によって徐々にノズル
開口部まで復帰し(図20(d))、以後、メニスカス
面の僅かなオーバシュート(図20(e))、僅かな凹
形状(図20(d))といった振動を繰り返した後に吐
出前の状態に回復する(図20(f))。ここで図20
(c)に示すように、ノズル面を基準としたメニスカス
面の引き込み位置をyと定義する。
カスの位置変化の一例を示したグラフ図である。吐出直
後(t=0)に大きく後退したメニスカス(y=−60
μm)は、このグラフに示されるように振動しながら初
期位置(y=0)に復帰する。このようなインク滴吐出
後におけるメニスカス復帰動作のことを、本明細書の中
ではリフィルと呼び、インク滴吐出後に最初にメニスカ
スがノズル開口面(y=0)に復帰するまでの時間(t
r)をリフィル時間と呼ぶことにする。図20における
リフィル時間(tr)は、図20(d)から図20
(e)の間に存在する。
めには、リフィルが完了した後に次の吐出を実行するこ
とが重要となる。また、インク滴を安定した状態で連続
吐出するためには、インク滴吐出直前のメニスカス形状
が常に一定の状態となるようにすることが重要となる。
例えば、リフィルが完了する前の図20(c)に示した
ようなメニスカス状態で次の吐出を行うような場合に
は、吐出するインク滴径が極端に小さくなったり、正常
なインク滴の吐出が不能となったり、ノズル表面から気
泡を巻き込んで吐出が不能となったりする。
リフィル後にメニスカスがオーバーシュートした状態で
次の吐出を行うと、メニスカス形状の軸対称性が崩れや
すく、ノズル表面から気泡を巻き込み不吐出に至るよう
な場合も生じる。このように、インク滴を吐出した後、
tr以上の時間が経過してからでなければ、次のインク
滴吐出を安定に行うことができない。このため、インク
プールに十分な音響容量を確保して高速にインク供給を
実現することは、インクジェット記録ヘッドの最大吐出
周波数(即ち、記録速度)を支配する重要な特性パラメ
ータとなる。また、各イジェクタのリフィル時間が一定
でない場合には、安定した連続吐出を実現できなくなる
ため、各イジェクタ間のリフィル特性に差が生じないよ
うに、インクプールに十分な音響容量を確保しインク供
給不足を抑制することは極めて重要となる。
ってリフィル時間を短くすること、すなわちインク供給
不足を抑制することは可能であるが、その場合には十分
な印刷濃度を得ることができなくなる。同時吐出するノ
ズル数を制限したり、吐出周波数を低下することによ
り、インクの供給不足を防止することは可能であるが、
その場合には十分な印刷速度を得ることができなくな
る。
は、音響クロストークの防止とインクの供給不足とを防
止するために、インクプールに十分な音響容量を確保す
ることが極めて重要となる。インクプール内もしくはイ
ンクプール壁に圧力緩衝手段を配置した直線状配列ヘッ
ドが、特開昭59−98860号公報、特開平9−14
1864号公報、及び特開平1−308644号公報な
どに記載されている。
インク室内(インクプールに相当)に圧力波を吸収する
圧力パルス吸収部材が備えられた直線状配列ヘッドが開
示されている。圧力吸収部材はプラスチックフィルムの
薄い膜で包まれたカプセルで構成され、内部には空気、
水蒸気等の気体が入っている。特開平9−141864
号公報では、インクプール内に発泡樹脂などからなる圧
力吸収部材が設けられた直線状配列ヘッドが開示されて
いる。特開平1−308644号公報では、インクプー
ル内もしくはインクプールに隣接した位置に、有機材料
や弾性材料で構成された0.01mm3/atm以上の
圧力−体積変換体が設けられた直線状配列ヘッドが開示
されている。
しやすい緩衝部材で構成した例が、特開昭59−429
64号公報や特開平9−314836号公報等に記載さ
れている。特開昭59−42964号公報には、インク
プールのノズル面とは異なる壁面の一部が可撓性膜材か
らなる緩衝部材で構成されたドロップオンデマンド型プ
リントヘッドが開示されている。特開平9−31483
6には、インクプールの内面に弾性変形可能な領域が形
成された積層型インクジェット記録ヘッドが開示されて
いる。弾性変形可能な領域は、ノズル面側の表層面では
なくイジェクタの内部に形成されており、インクプール
を形成する一面に金属材料からなる薄肉部(凹部)を設
けることで実現している。
も複数のイジェクタが共通な一つの幅の広いインクプー
ルに連通する「直線状配列ヘッド」に関する開示例であ
る。図17に示すように、直線状配列ヘッドでは、イジ
ェクタアレイ74とは別の領域にインクプール69を配
置することができるので、イジェクタアレイ74のノズ
ル密度とは関係なく、幅の広いインクプール69を配置
できる利点を有する。このため、直線状配列ヘッドで
は、前記したようにイジェクタの高密度配置には課題が
あるが、圧力波吸収部材等の設置により、容易にインク
プールに十分な容量を確保することができる。
和手段や薄肉部などのダンパ機構をイジェクタ内部に構
成したものであり、圧力ダンパを構成するために特別な
構成部材と特別な加工工程とを必要とするものであり、
構成が複雑で、加工プロセスが煩雑であった。
状配列ヘッドでは、ノズルの高密度化を容易に実現でき
る利点を有する反面、幅の狭い分岐流路でヘッドを構成
する必要があるため、十分な容量の圧力ダンパの実現が
困難である。また、直線状配列ヘッドとは異なり、ヘッ
ド内には複数の分岐流路に連通する多数の圧力室が存在
し、上述のように、圧力室を含む各イジェクタ内部に圧
力ダンパを配設したのでは、直線状配列ヘッドに比して
構成が更に複雑になり、加工プロセス一層煩雑になっ
て、製造コストが高くなる等の問題を生じる。
ヘッドにおいて高密度なノズル配列を実現するととも
に、簡素な構成で廉価に複数の分岐流路に十分な音響容
量を確保し、音響クロストークを抑制しインク供給不足
を防止し、高速なインクリフィル動作が実現できる構成
のインクジェット記録ヘッド、及びこのようなインクジ
ェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録ヘッドを
提供することを目的とする。
に、本発明に係るインクジェット記録ヘッドは、インク
供給口と、該インク供給口を介して外部からインクが供
給されるインクプールと、マトリクス状に配列された複
数のイジェクタとを備えたインクジェット記録ヘッドで
あって、前記インクプールが、前記インク供給口に連通
する主流路と、該主流路から分岐する複数の分岐流路と
を備え、各イジェクタが、前記分岐流路に連通する圧力
室と、該圧力室内に充填されたインクに圧力波を発生さ
せる圧力発生手段と、前記圧力波で圧縮された前記圧力
室内のインクを吐出するノズルとを備え、前記分岐流路
を構成する壁面の少なくとも一つが、前記分岐流路内の
圧力変化に応じて弾性変形するダンパ部材によって構成
されることを特徴とする。
波を緩衝する手段や壁面の一部を構成する極めて変形し
やすい部材を総称している。
は、マトリクス状配列ヘッドで、ヘッド内に複数の分岐
流路に連通する多数の圧力室が存在しながらも、圧力室
を含む各イジェクタ内部に圧力ダンパを配設する等の複
雑な構成が不要で、加工プロセスが簡素になり、これに
よるコストダウンを期待することができる。また、特別
な圧力緩和手段を設けたり、凹部を形成したり、薄肉部
を形成したりする等、特別な構成部材や加工工程を追加
することなく、分岐流路に十分な音響容量を確保するこ
とができる。この場合、分岐流路壁の一面を外部空気層
との界面となるノズル側表層面に形成し、分岐流路壁を
ヤング率が小さいダンパ部材で構成することが好まし
い。
通な一部材で構成すると、複数の分岐流路に対し廉価で
且つ簡易な構成により、充分な音響容量を有し音響スト
ロークを充分に抑制できる構成を備えたインクジェット
記録ヘッドを得ることができる。
タ1個当たりの前記分岐流路の音響容量をcp、前記ノ
ズルの音響容量をcnとするとき、次式 cp>10cn …………(1) を満足することが好ましい。或いは、上記に代えて、前
記ダンパ部材が、前記イジェクタ1個当たりの前記分岐
流路の音響容量をcp、前記圧力室の音響容量をccとす
るとき、次式 cp>20cc …………(2) を満足することも好ましい態様である。これらの場合、
音響クロストークを抑制できるとともに、分岐流路から
各イジェクタに十分な量のインクを高速に供給できるた
め、高い周波数で全イジェクタ同時に安定吐出すること
が可能となる。
分岐流路の音響容量cp」とは、一つの分岐流路の音響
容量を該分岐流路に連通して配置されたイジェクタの数
で除算した値を意味している。
ストークを抑制し、且つインク供給不足を防止するため
のインクプールの音響容量条件が、特開昭56−758
63号公報や特開昭59−26269号公報に開示され
ている。特開昭56−75863号公報(従来技術A)
では、共通インク流路の容積を圧力発生室容積(近傍流
路含む)の総和の2倍以上に設定することによってクロ
ストークの発生を抑制可能であることが開示されてい
る。 特開昭59−26269号公報(従来技術B)で
は、共通インク流路に接続されたイジェクタの数N及び
インク供給路のインピーダンスZSに基づいて、共通イ
ンク流路のインピーダンスZRをZR≦ZS/(10N)
となるように設定することにより、クロストークの発生
を抑制するインクジェット記録ヘッドが開示されてい
る。このように上記の開示例(従来技術A及びB)で
は、圧力発生室の容量又はインク供給路のインピーダン
スに基づいて共通インク流路の容量又はインピーダンス
を設定していたが、後述する本発明者らの実験結果か
ら、これらの条件では安定なインク滴吐出を実現できな
いことが分かった。
察実験、流体解析、等価回路解析などを行った結果、同
時吐出イジェクタ数に対するリフィル時間の変化量が、
cnとcpの比率によって支配されること、また、クロス
トークがccとcpの比率によって支配されることを見出
した。すなわち、本発明に係るインクジェット記録ヘッ
ドでは、cp/cn及びcp/ccの値を式(1)及び式
(2)で示した条件を満足するように設定することによ
り、マトリクス状配列ヘッドのように、幅の狭い分岐流
路を複数個有するヘッドにおいても、音響クロストーク
を抑制し、且つインク供給不足を防止でき、多数のイジ
ェクタから同時に安定した連続吐出を実現することを可
能とした。以下に、このような発明に至った経緯につい
て述べる。
ち、音響クロストークを防止する条件を見出した経緯に
ついて述べる。本発明者らは、多数のヘッド試作評価と
図13に示すヘッドの等価回路を用いた音響解析を行っ
た結果、音響クロストークの発生率は、実質的にcpと
ccの比率のみに依存することを発見した。ここで、図
13における記号c、m、rは夫々、音響容量、イナー
タンス、音響抵抗を示し、添字のd、n、i、pは夫
々、圧電素子、ノズル、インレット、分岐流路を示す。
例えば、cdとは、圧電素子の音響容量を示す。なお、
幅の広い主流路は、十分な音響容量を有するものとして
解析を行った。
ロストークの発生率がcp/ccの変化によりどのように
変化するかを調べた結果を図14に示した。ここで、音
響クロストーク発生率とは、1個のイジェクタを単独吐
出させた場合の滴速v1と、全イジェクタを同時吐出さ
せた際の滴速v2から、 音響クロストーク発生率=(v2−v1)/v1 と定義した。
トーク発生率はcp/ccの増加に伴い徐々に増加し、c
p/ccが0.1を超えたあたりから急激に増加し、cp
/ccが1〜2の間でピークに達する。以後、cp/cc
の増加に伴い、音響クロストークは急激に減少し、cp
>20ccの条件を満たせば、音響クロストーク発生率
を7〜8%以下に抑えることができることが分かる。
響クロストークを5%以下に、cp>100ccであれば
音響クロストークを1%以下に夫々抑制できることが分
かる。cp/ccの値が1〜2の間で音響クロストークが
著しく増加する原因は、圧力室から伝播した圧力波によ
って分岐流路内のインクにも圧力波の振動が生じ、この
分岐流路内に発生した圧力波振動と圧力室内の圧力波振
動との振動周波数が近いため、双方の振動が干渉し、一
種の共振現象が発生するためと考えられる。
音響抵抗rpも音響クロストーク発生率に影響を及ぼす
が、通常のインクジェット記録ヘッドではその影響は極
めて小さく、実質的に音響クロストークの発生率は、上
記のようにcp/ccによって支配されることを見出し
た。音響クロストークの発生率の絶対値は、ノズル形
状、インレット形状や圧力室形状等、ヘッド形状毎に異
なるが、上記したcp/ccの値による音響クロストーク
発生率の増減の相対的な関係は、ヘッド形状に依らず一
定であり、図14に示すようになることを確認した。
び等価回路解析を実施することにより、インクリフィル
時間がcpとcnの比率に依存することを見出した。図1
5に、cp/cnとリフィル時間trとの関係を調べた結
果をグラフで示す。グラフから、cp/cn=1まではc
p/cnの値によらずほぼ一定のリフィル時間を示すが、
cp/cn=1を超えるとリフィル時間は急激に増加し、
以後、cp/cn=3〜4の間でピークに達することが分
かる。以後、cp/cnの増加に伴い、リフィル時間は急
激に減少し、cp>10cnの条件を満たせば、リフィル
時間の急増を防止できることが明らかになった。
急増しピークに達する原因は、上記音響クロストークの
場合と同様に、圧力室内の圧力波と分岐流路内の圧力波
との間に干渉が生じるためと考えられる。リフィル時間
の絶対値は、ノズル形状、インレット形状や圧力室形状
等、ヘッド形状毎に異なるが、上記したcp/cnの値と
リフィル時間の増減の相対的な関係は、ヘッド形状に依
らず一定であり、図15に示すような関係になることを
確認した。
のイナータンスmp及び音響抵抗rpの影響は小さく、通
常のインクジェット記録ヘッドでは、cp/cnに基づい
て分岐流路の特性設定を行えばよいことが、複数種類の
インクジェット記録ヘッドを試作した結果から明らかに
なった。
トークとインク供給不足とを抑制するためには、cp>
10cn及びcp>20ccの二つの条件を満たせば良い
ことを見出した。また、特に0.1<cp/cc<10又
は1<cp/cn<10の範囲内に設定した場合には、極
めて大きな音響クロストークが発生し、又はリフィル時
間が急激に増加することを見出した。本発明のインクジ
ェット記録ヘッドは、上記結果に基づいて、cp>10
cn及びcp>20ccという二つの条件を満足するよう
にインクプールの音響容量を最適設定した点に特徴があ
り、この条件を満たすことにより、幅の狭い分岐流路を
有すマトリクス状配列ヘッドにおいても、リフィル時間
増加の抑制及び音響クロストークの抑制が可能となる。
は、マトリクス状配列ヘッドにおいてノズル表層面側に
ダンパ部材を配置すると、ダンパ部材をノズルプレート
と兼用することができ、ダンパ部材上にノズルを直接に
形成することができる。この構成によると、部品点数及
び製造工程を減少させ、複数の分岐流路を有するマトリ
クス状配列ヘッドにおいても廉価に圧力ダンパを構成す
ることが可能となる。
は、ダンパ部材の板厚が20μm以上100μm以下で
あることが好ましい。ダンパ部材上にノズルを形成する
場合には、圧力ダンパ機能とノズル機能とを両立させ得
るように、ダンパ部材の板厚を最適化することが重要で
ある。ダンパ部材の板厚を減少させることにより、イン
クプールの音響容量を増加することが可能となるが、一
方で板厚を極端に減少すると、インク滴吐出時にノズル
表面から気泡を巻き込みやすくなる課題が生じることが
判明した。
との関係を調査した結果、気泡巻き込みを防止するため
には、ノズル長さが20μm以上必要であることを実験
的に確認した。一方、ノズルの長さが極端に長くなる
と、ノズルのイナータンスが増加するため、吐出効率が
低下しリフィル時間が増加する問題が生じる。また、通
常のインクジェット記録ヘッドは、ノズル径がφ30μ
m前後以下であるが、このような微細なノズルをノズル
プレート上に高精度に形成する上で、ノズルの長さには
加工上の制限が存在する。上記の条件を満足するために
は、ノズル長さは少なくとも100μm以下であるこ
と、好ましくは75μm以下であることが必要となるこ
とを実験的に確認した。
は、分岐流路に圧力ダンパを付与する具体的な実現手段
に関しては一切記載されていない。例えば、特許第28
06386号公報では、インク供給溝(分岐流路に相
当)の一面がノズル板で構成されているが、ノズル板の
厚さ、材質など圧力ダンパ性能に関する記載は一切無
い。特開平9−156095号公報においても、インク
共通流路(分岐流路に相当)を構成する材料や厚さに関
する記載は一切なく、また、インク共通路(分岐流路に
相当)を構成する被覆体は夫々が独立しており、本発明
のように1個の共通部材で構成する記載もない。特表平
10−508808号公報では、インク供給ダクトの一
面がノズル表層面側に形成されており、該インク供給ダ
クトの壁面が一枚のオリフィスプレートで構成されるも
のではあるが、オリフィスプレートは金属材料より構成
されたものであり、またオリフィスプレートの板厚など
圧力ダンパ性能に関する技術は一切開示されていない。
は、ダンパ部材がフィルム状の有機化合物で構成される
ことが望ましい。フィルム状の有機化合物として、例え
ば、アクリル系樹脂、アラミド系樹脂、ポリイミド系樹
脂、芳香族ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リスチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、及び、ポリエチレ
ン系樹脂等を挙げることができる。
レス等の金属材料、ガラス、セラッミック、有機化合物
等を用いることができるが、十分な圧力ダンパ機能を実
現するためには弾性係数(ヤング率)が小さい有機化合
物を用いることが好ましい。また、本発明のインクジェ
ット記録ヘッドでは、ダンパ部材上にノズルを形成する
必要があるが、フィルム状の有機化合物であればエキシ
マレーザ加工により、高精度なノズルを容易に形成する
ことが可能となる。金属材料やセラミックによりダンパ
部材を構成することも可能であるが、幅が狭い分岐流路
を有するマトリクス状配列ヘッドに対し、ヤング率が有
機化合物に比べて1桁乃至2桁大きな金属材料乃至セラ
ミックを適用する場合には、ダンパ部材の厚さを極めて
薄く形成する必要が生じる。
うに構成することが可能な本インクジェット記録ヘッド
では、用紙のジャム等によりダンパ部材に予期せぬ過大
応力が作用する場合がある。このため、極端に板厚の薄
い金属材料をダンパ部材として用いることは、実用的に
は困難である。これに対し、ダンパ部材をフィルム状の
有機化合物により形成した場合には、金属材料を用いた
場合に比べ、板厚を数倍に厚くすることが可能であり、
用紙ジャム等の外力に対しても破損が生じないという効
果が得られる。
脂から成る場合、ポリイミド系樹脂は耐熱温度が高い。
従って、ダンパ部材にポリイミド系樹脂を用いると、ヘ
ッドの組立ての後工程において例えば270℃といった
熱工程を用いることが可能となる。一般に、インクジェ
ット記録ヘッドの組立てには各種接着工程が用いられる
が、ダンパ部材としてポリイミド系樹脂を用いた場合に
は、種々の熱硬化性接着剤、或いは熱可塑性接着剤を使
用可能となる。例えば、ダンパ部材としてポリスチレン
系樹脂を用いた場合には、硬化温度が200℃といった
エポキシ系接着剤は使用できなくなる。また、ポリイミ
ド系樹脂は化学的に安定な材料であり、インクに対する
耐化学薬品性に優れる特徴を有する。更に、ポリイミド
系樹脂は、エキシマレーザにより、バリなどの無い極め
て高精度なノズル加工が可能である特徴も有する。な
お、本明細書で言う「ポリイミド系樹脂」とは、主鎖中
にイミド結合を持つ高分子化合物を意味している。
ドでは、前記圧力発生手段が、圧電素子と、該圧電素子
の変位を前記圧力室内のインクに伝達する加圧プレート
とを備え、前記圧力発生手段による吐出可能な最大滴量
が15pl(ピコリットル)以上に設定される。この場
合、15pl以上の大きなインク滴が吐出できるので、
300dpi乃至600dpiの印刷解像度で良好な画
像形成が可能となり、1200dpiといった高解像度
で印刷する場合に比べ、大幅な高速印刷が可能となる。
また、前記圧電素子及び加圧プレートを備える前記圧力
発生手段は、前記圧電素子の伸縮変形により前記加圧プ
レートが撓み変形する圧電アクチュエータによって構成
されることが好ましい。この場合、マトリクス状配列ヘ
ッドを容易に実現できる。
し画像を印刷するためには、少なくとも300dpi、
好ましくは600dpi以上の印字解像度が必要とな
る。現在、製品化されているほぼ全てのインクジェット
記録方式プリンタが、300dpi以上の解像度を有し
ていることからも、上記した解像度が画像品質を確保す
る上での必須条件となることが分かる(但し、高速印刷
を目的としたドラフト印刷モードは除く)。
用いて300dpiの印刷解像度で印字を行う場合、白
抜けの無い十分な画像濃度を得るためには、少なくとも
15pl以上、好ましくは20pl以上の最大吐出滴量
が必要となる。同様に、600dpiの印刷解像度で印
字を行うためには、記録紙上で画質を極端に低下させな
い範囲でドット径が広がるように組成を調整したインク
を用いる場合でも、10pl以上、好ましくは15pl
以上の最大吐出滴量が必要となる。印刷解像度を更に高
めた場合には、所要の最大滴量は減少するが、この場合
には下記に示すように、印刷速度が低下する課題が生じ
る。例えば、1200dpiの解像度で印刷を行う場合
には、最大滴量として4〜5pl程度の滴量で十分な濃
度の画像を形成することが可能となる。ところが、印刷
解像度を向上させると、印刷データ量が増加するため同
一ノズル数であれば、解像度の増加に伴い印刷速度が低
下する課題が生じる。一方で、高速印字を実現するため
に印刷解像度を低下させると画像品質が低下する課題が
生じる。
と画像品質とを両立させる印字方法として、吐出液滴の
滴量を制御する滴径変調記録方式が知られている。滴径
変調記録方式では、圧力発生手段として圧電素子を用
い、圧電素子に印加する駆動電圧波形を制御することに
より、滴量の小さな小滴から滴量の大きな大滴を同一の
ノズルから吐出できる特長を有する。このような滴径変
調技術と組合わせることにより、300dpi乃至60
0dpiの印刷解像度で、1200dpiといった高解
像度記録と同等の画像品質を実現することが可能とな
る。ただし、滴径変調技術を用いても文字品質に関して
は、印刷解像度が支配的であり、少なくとも300dp
i、好ましくは600dpiの印字解像度が必要とな
る。
ような印刷速度と画像品質との両立を実現するものであ
る。また、滴径変調技術の適用により300dpi乃至
600dpiの解像度で良好な画像と高速印字を実現す
るために、圧力発生手段として圧電素子と該圧電素子の
変位を前記圧力室内のインクに伝達する加圧プレートと
を含んで構成するとともに、15pl以上の滴量を吐出
可能に構成される。本インクジェット記録ヘッドでは、
15plといった大滴を吐出させる場合においても、高
い吐出周波数で連続して安定したインク滴吐出が可能と
なるように圧力ダンパが構成されている。
子と加圧プレートとから成るアクチュエータの撓み変形
を出力として利用する単板圧電アクチュエータと、複数
の圧電素子層を積層して圧電素子の伸縮変形を出力とし
て利用する積層アクチュエータとに大別される。イジェ
クタが2次元配列されたマトリクス状配列ヘッドでは、
実装技術と製造コストの点から積層アクチュエータを利
用することは困難であり、廉価な単板圧電アクチュエー
タを圧力発生手段として用いることが好ましい。
を総称して「インク」と呼ぶ。従って、本発明に係るイ
ンクジェット記録ヘッドのノズルから吐出されるインク
としては、印刷用インク、有機EL素子用材料を含む液
体、或いは、有機半導体用材料を含む液体を使用するこ
とができる。印刷用インクを用いる場合には、インクジ
ェット記録ヘッドを、良好な画像が得られるインクジェ
ット記録装置に適用することができる。また、有機EL
素子用材料を含む液体を用いる場合には、インクジェッ
ト記録ヘッドを、有機ELディスプレィ用基板を塗布対
象とする有機ELディスプレィ製造素子、有機ELディ
スプレィ製造ヘッド、及び有機ELディスプレィ製造装
置に適用することができる。更に、有機半導体用材料を
含む液体を用いる場合には、インクジェット記録ヘッド
を、有機半導体素子用基板を塗布対象とする有機半導体
素子製造素子、有機半導体素子製造ヘッド、及び、有機
半導体素子製造装置に適用することができる。
施形態例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。第1実施形態例 図1は本発明に係る第1実施形態例のインクジェット記
録ヘッド(以下、単に記録ヘッドとも呼ぶ)の構成を示
す平面図、図2は図1のA−A線に沿った断面図であ
る。
ジェット記録ヘッド(インクジェット吐出素子)20
は、外部のインクタンク(図示せず)からインク供給口
19を介してインクが供給されるインクプール17と、
マトリクス状に配列された複数のイジェクタとを備えて
いる。インクプール17は、1本の直線状の主流路16
と、主流路16からほぼ直交する方向に分岐する相互に
平行な直線状の分岐流路15から構成されている。各イ
ジェクタは、図2に示すように、分岐流路15にインレ
ット14を介して連通する圧力室12と、圧力室12の
底面に配置された、加圧プレート21と単板状の圧電素
子22とから成る圧力発生手段13と、ノズル11とを
備えている。
駆動電圧波形を印加すると、圧電素子22の伸縮変形に
よって加圧プレート21が撓み変形し、圧力室12の容
積を膨張、伸縮させることができる。圧力室12の急激
な体積変化により、圧力室12内のインクに圧力波を発
生させ、ノズル11からインク滴を吐出させる。ここ
で、加圧プレート21にはステンレスの圧延薄板を用
い、加圧プレート21を、圧電素子22に駆動電圧波形
を供給する共通電極として用いた。図2に示すように、
個々の圧電素子22に印加する駆動電圧波形は、圧電素
子22の下方に配置したフレキシブル配線基板24から
バンプ23を介して供給する。
面側に配置したダンパ部材18によって構成されてい
る。ダンパ部材18には、複数のノズル11がマトリク
ス状に配列して形成されている。ダンパ部材18上にお
けるノズル11の周辺には、インクを弾く撥インク材料
が塗布されている。ダンパ部材18は、ヤング率が8G
Paのポリイミド製樹脂フィルムから成り、ノズル11
は、エキシマレーザ加工によって開口径30μmとなる
ように形成されている。
対して1枚の共通なダンパ部材18で構成されている。
1枚のダンパ部材18で複数の分岐流路15を被覆する
ことにより、各分岐流路15上に一括して圧力ダンパ機
構が形成されている。本実施形態例では、主流路16の
一面も、分岐流路15と同様にノズル11側表層面に形
成されており、分岐流路15上に設けたダンパ部材18
によって、主流路16のノズル11側の表層面が形成さ
れている。このような構成とすることにより、主流16
にも、インク供給不足を生じさせない十分な音響容量を
付与することができる。
本の分岐流路15に連通するイジェクタを9個備え、副
走査方向のイジェクタ間のピッチが、300本/インチ
≒84.7μmとなるように各イジェクタが配置されて
いる。また、分岐流路15の本数は8本であり、合計7
2個のイジェクタで1色のインクジェット吐出素子20
が構成されている。
2に示すように、主流路16(図1)から分岐流路1
5、インレット14及び圧力室12を介してノズル11
に至るインク流路は、イジェクタプレート25、ダンパ
部材18及び加圧プレート21の3枚のプレートから構
成される。
状に配列された複数の圧力室12、直線状に形成された
逆三角形断面を有する複数の分岐流路15、及び、分岐
流路15と圧力室12とを連通するインレット14が形
成されている。イジェクタプレート25としてSi基板
を用い、露光現像、成膜といった一般的な半導体プロセ
スと、Siの(100)面を利用した異方性ウェットエ
ッチングのプロセスとを用いて、四角錘状の圧力室1
2、インレット14及び分岐流路15をイジェクタプレ
ート25上に一体形成した。インレット14は、幅68
μm、高さ48μmの逆三角形状断面を有しており、長
さは100μmに形成した。
るダンパ部材18を、熱可塑性接着剤でイジェクタプレ
ート25に固定した後、エキシマレーザ加工によって、
ダンパ部材18における各圧力室12に対応した位置に
ノズル11を形成した。更に、圧力室12のノズル11
とは反対側の面に、ステンレス製の加圧プレート21を
熱可塑性接着剤で固定し、加圧プレート21の圧力室1
2に対応した位置に圧電素子22を接着により固定し
た。圧電素子22の両面には、電極(図示せず)を予め
スパッタ法により形成した。最後に、フレキシブル配線
基板24と圧電素子22とを、半田バンプ23を介して
接続し、記録ヘッドの製造工程を終了した。
録ヘッドを示す平面図である。本インクジェット記録ヘ
ッド26は、主走査方向に一列に配列された4個のイン
クジェット吐出素子20a〜20dを一体的に備えてい
る。インクジェット吐出素子20a〜20dは夫々、1
本の主流路16と、複数の分岐流路15と、マトリクス
状に配列された複数のイジェクタとを備える。インクジ
ェット吐出素子20aにはブラックインクが充填され、
インクジェット吐出素子20bにはマジェンタインクが
充填され、インクジェット吐出素子20cにはシアンイ
ンクが充填され、インクジェット吐出素子20dにはイ
エローインクが充填されている。
圧力室12及び分岐流路15の音響容量の関係について
説明する。図2において、例えば分岐流路15の幅Wd
を637μmに設定し、ダンパ部材18に、板厚20μ
mでヤング率8GPaのポリイミド樹脂フィルムを使用
することができる。また、ダンパ部材18上の各ノズル
11は、エキシマレーザ加工によって直径30μmに形
成することができ、インクには、粘度が3mPa・s
で、且つ表面張力が35mN/mの水性インクを使用す
ることができる。
れる。ここで、Wcは圧力室容積[m 3]、κはインクの
体積弾性率[Pa]、Kは圧力室の剛性等に依存する補
正係数である。
ば、底面が500μm角、高さが350μmの四角錘形
状を呈し、その容積が2.9×10-11m3とされる。水
性インクの体積弾性率は2.2×109Paであり、補
正係数Kは実験評価により求めた結果0.3であったた
め、ccは4.4×10-20[m5/N]であった。
dn[m]、インク表面張力をσ[N/m]、メニスカ
スの引き込み量をy[m]とし、メニスカス形状を放物
線近似すると、次式のように表すことができる。
はメニスカスの引き込み量yに依存するが、本実施形態
例では、y=dn/4で定義することにより、次式によ
ってcnの値を見積もった。
インクの表面張力が35mN/mであるため、cnは
1.5×10-18[m5/N]である。
11側表層面がダンパ部材18で構成されており、圧力
ダンパが付与されている。本実施形態例の圧力ダンパ
は、両端支持の梁構造のために、分岐流路15上に構成
した圧力ダンパの音響容量cdは、次式で近似すること
ができる。ここで、wdは分岐流路幅[m]、tdはダン
パ部材の厚さ[m]、ldはイジェクタ1個当たりの分
岐流路の長さ[m]、Edはダンパ部材の弾性係数(ヤ
ング率)[Pa]、νdはダンパ部材のポアソン比を夫
々示している。
うに、分岐流路15の幅Wdが637μmに、各イジェ
クタ間の距離ldが700μmに夫々設定される。ま
た、弾性係数が8GPa、ポアソン比が0.4、且つ厚
さが20μmのポリイミドフィルムをダンパ部材18と
して用いた。このため、1イジェクタ当たりの圧力ダン
パの音響容量cdは、 cd=1.6×10-17[m5/N] である。本記録ヘッドでは、分岐流路15内に充填され
たインク自体の音響容量は極めて小さいため、分岐流路
15の音響容量は圧力ダンパの音響容量にほぼ等しいと
見なすことができる。従って、分岐流路15の音響容量
cpは、 cp=1.6×10-17[m5/N] である。
なように、本実施形態例の記録ヘッドでは、分岐流路1
5の音響容量cpはノズルの音響容量cnの10.7倍、
及び、分岐流路15の音響容量cpは圧力室12の音響
容量ccの約363倍であり、式(1)及び式(2)の
双方の条件を満足している。
出イジェクタ数を変化させつつ15plのインク滴を吐
出させて、リフィル時間を調べた。この結果を図4のグ
ラフに示す。このグラフで、単独吐出時と全イジェクタ
を同時吐出した場合とのリフィル時間の差は、±1μs
以下とほぼ一致することが分かる。また、全イジェクタ
を同時吐出させた場合(◆印)の平均リフィル時間は4
7.5μs、単独吐出させた場合(○印)の平均リフィ
ル時間は45.9μsであり、各イジェクタ間のリフィ
ル時間の差は±0.4μs以下の偏差で一致した。
22に印加する駆動電圧波形を調整することにより、ノ
ズル11から吐出されるインク滴径を容易に可変するこ
とができる。そこで、圧電素子22に印加する駆動電圧
波形を調整し、20plのインク滴を吐出させた場合の
リフィル時間を調べた。つまり、20plのインク滴を
吐出する場合には、15plのインク滴吐出の場合に比
べて滴体積が増加するためリフィル時間は若干長くなる
が、単独吐出時と全イジェクタを同時吐出させた場合と
で、リフィル時間は±2.0μs以内の偏差で一致する
ことを確認した。単独吐出時の全イジェクタの平均リフ
ィル時間は57.0μsであり、全イジェクタ同時吐出
時の全イジェクタの平均リフィル時間は60.4μsで
あった。また、20plのインク滴を全イジェクタ同時
吐出で、15kHzの吐出周波数で安定して連続吐出で
きることを確認した。
パ部材18により構成した圧力ダンパ機構が十分に作用
し、インク供給不足が抑制できていることを確認した。
上記リフィル時間の測定は、ノズル面のメニスカス状態
をストロボで同期をとりながら拡大観察し、メニスカス
面が初期状態に戻るまでの時間を測定することにより行
った。リフィル時間の測定精度は、約±1μsであっ
た。なお、図4の横軸であるイジェクタ番号は、図1に
おける左上端のイジェクタを1番とし、順次隣接するイ
ジェクタを2番、3番とし、右下端のイジェクタを72
番としている。
厚さ20μm、ヤング率8GPaのポリイミドフィルム
によってダンパ部材18を構成することにより、十分な
音響容量を分岐流路15に付与できることを確認した。
そこで、全イジェクタを駆動させながら連続吐出を行
い、20kHzの高い周波数で安定吐出が可能か否かを
調べた。その結果、15plのインク滴を20kHzの
周波数で全イジェクタから同時吐出させた場合にも、単
独吐出時と同等の安定した吐出を実現可能なことを確認
した。また、音響クロストークの影響を調べるために滴
速の測定を行った結果、単独吐出時及び全イジェクタ同
時吐出時で滴速の差は±2%以内の偏差で一致すること
を確認した。以上から、各イジェクタ間の音響クロスト
ークも良好に抑制できていることを確認した。
レス板(Ed=197GPa、ν=0.3)を用いた場
合について同様の評価を行った。まず式(6)により、
ダンパ部材18の厚さと分岐流路15の音響容量cpと
の関係を求め、ダンパ部材18の板厚によりcp/cn及
びcp/ccがどのように変化するかを理論式より求め
た。この結果を図5に示す。図5のグラフから、ダンパ
部材18にステンレス板を用いた場合には、インク供給
不足を抑制し高速インクリフィルを実現するための式
(1)を満たすために、ダンパ部材18の板厚を7μm
まで低減する必要があることが分かった。また、音響ク
ロストークを抑制するための式(2)を満足するために
は、ダンパ部材18の板厚を19μm以下にしなくては
ならないことが分かった。上記の解析結果を検証するた
めに、ステンレス製ダンパ部材18の板厚を種々に変化
させ、上記したポリイミド製ダンパ部材を用いた場合と
同様の評価を実施した。
0μmとした。本比較例のインクジェット記録ヘッドで
は、 cp=5.2×10-18[m5/N] (cp/cn=3.5及びcp/cc=137)であり、式
(2)は満足するが、式(1)は満足しない。
ンクリフィル時間を調べた結果を図6に示す。グラフか
ら、全イジェクタから同時吐出を行う場合にインク供給
不足が生じ、単独駆動時に比べリフィル時間が大幅に増
加することが分かる。20kHzの吐出周波数で吐出評
価を実施した結果、単独駆動では安定した吐出が可能で
あったが、全イジェクタを同時吐出した際には吐出状態
が不安定になるイジェクタが多数発生することを確認し
た。単独駆動の場合には、イジェクタ1個が一つの分岐
流路15を占有できるため、イジェクタ1個当たりの分
岐流路15の音響容量は、全イジェクタ同時吐出時に比
べ数倍に増加する。このため、単独駆動では20kHz
で安定吐出を実現できたと考えられる。
5/N]は、全イジェクタ同時吐出時の値を示す。とこ
ろが、全イジェクタ同時吐出時には、分岐流路15の音
響容量が不足し、一つの分岐流路15に連通する複数の
イジェクタ間で、以下のようなリフィル時間差が発生す
ることが分かった。図6のグラフから判るように、主流
路に近いイジェクタでは、リフィル時間は47μs前後
であり、20kHzで吐出可能なリフィル時間であっ
た。これに対し、主流路から遠い末端のイジェクタで
は、リフィル時間が60μs以上と、主流路に近いイジ
ェクタに比べ13μs以上も長くなった。
タは、20kHzの吐出周波数では吐出状態が不安定と
なり、中には不吐出に至るイジェクタも発生した。全イ
ジェクタの同時吐出では、吐出周波数を13〜15kH
z程度まで低減すると安定吐出が可能となった。単独駆
動時には、分岐流路15の音響容量は全イジェクタ駆動
時の少なくとも数倍以上に増加すると考えられる。これ
らの結果は、図15に示した解析結果とほぼ一致するも
のであり、本発明の有効性を実験的にも確認できた。
ット記録ヘッドは、従来技術A及び従来技術Bの条件は
満たしている。つまり、従来技術に基づいて共通インク
流路特性を設定しても、安定した高周波吐出を実現する
ことはできず、ノズルの音響容量cnに対応して共通イ
ンク流路の音響容量cpを最適設定することにより、初
めて安定した全ノズル同時の連続吐出が実現できること
が確認された。なお、滴速に関しては、本発明の第1実
施形態例と同様に、単独吐出時及び全イジェクタ同時吐
出時で±2%以内の偏差で一致したことから、各イジェ
クタ間の音響クロストークも良好に抑制できていること
が確認できた。
同様の吐出評価を実施した。本比較例の記録ヘッドで
は、cp=1.6×10-18[m5/N]というように、
cpは、cnの1.1倍でccの42倍であり、比較例1
と同様に、音響クロストークは発生していないことを確
認した。一方、吐出周波数20kHzの駆動では、単独
駆動でも吐出状態が不安定となった。安定した吐出が可
能となる吐出周波数は、13〜15kHzであった。こ
の結果も、図15に示した解析結果と一致することが確
認できた。
同様の吐出評価を実施した。本比較例の記録ヘッドで
は、cp=6.5×10-19[m5/N]というように、
cpは、cnの約0.4倍でccの17倍である。本比較
例では、音響クロストークの影響が現れ、単独駆動時に
比べ全イジェクタを同時吐出した場合には、滴速が7〜
8%低下した。この結果は、図14に示した解析結果と
ほぼ一致するものである。一方、全イジェクタ同時吐出
時に吐出が安定する周波数は13〜15kHz以下であ
った。この結果も図15の解析結果と一致するものであ
り、本発明の有効性が確認できた。
て、上記と同様の吐出評価を実施した。本比較例の記録
ヘッドでは、cp=1.9×10-19[m5/N]という
ように、cpは、cnの約0.13倍でccの5倍であ
る。本比較例では、音響クロストークの影響が顕著に現
れ、単独駆動時に比べ全イジェクタを同時吐出した場合
の滴速は15〜20%低下し、滴速も安定せず吐出状態
が極めて不安定になった。この結果も、図15に示した
解析結果と一致することを確認した。本比較例では、音
響クロストークが著しく発生するため、安定する吐出周
波数を求めることはできなかった。
を満足すればインク供給不足を抑制して高速なインクリ
フィルが実現できること、及び、式(2)を満足すれば
音響クロストークの抑制が実現できることを夫々確認し
た。また、分岐流路15の幅が狭いマトリクス状配列ヘ
ッドで、ダンパ部材18にステンレスなどの金属材料を
用いた場合に、15plといった大きなインク滴を20
kHzといった高い吐出周波数で連続して安定吐出する
ためには、ダンパ部材18の板厚を7μmといった極め
て薄い板厚で構成する必要があることを確認した。
はピンホールが多数存在し、強度的に製造時のハンドリ
ングが困難である。仮に、7μm厚さのステンレス材料
でヘッド製造を実現できた場合にも、用紙ジャムなどに
より圧力ダンパ部に外力が直接に作用した際には、ダン
パ部材18が破損するため、実質的にマトリクス状配列
ヘッドに適用することが極めて困難であることを確認し
た。
トリクス状配列ヘッドで、高い吐出周波数で安定吐出を
実現し、且つイジェクタの高密度配列の両立を図るため
には、ポリイミド系樹脂など、金属材料に比べて1桁乃
至2桁小さいヤング率を有するフィルム状有機化合物を
ダンパ部材18として用いることが実質的に必須条件と
なることを確認した。また、1枚のフィルム状ダンパ部
材18によって、複数の分岐流路15のノズル11側の
壁面を構成することにより、全ての分岐流路15に十分
な能力を有する圧力ダンパ機構を形成できることを確認
できた。
平面図、図8は図7のB−B線に沿った断面図である。
ッドは、外部のインクタンク(図示せず)からインク供
給口19を介してインクが供給されるインクプール17
と、マトリクス状に配列された複数のイジェクタとを備
えている。本実施形態例では、第1実施形態と異なり、
主流路16が印刷時の主走査方向に直線状に伸び、主流
路16からほぼ直交する方向に分岐する直線状の分岐流
路15は、副走査方向に伸びている。
レット14を介して分岐流路15に連通する圧力室12
と、圧力室12の底面に配置された加圧プレート21及
び単板状の圧電素子22から構成される圧力発生手段1
3と、圧力室12に連通するノズル11とを備えてい
る。圧力室12と分岐流路15とは、図7に示すよう
に、ノズル11側から見ると、オーバラップしたように
配置されている。
は、第1実施形態例と同様に、図示しない回路により圧
電素子22に駆動電圧波形を印加することによって、ノ
ズル11からインク滴を吐出させる。
面側に配置したダンパ部材18によって構成され、この
ダンパ部材18にはノズル11が形成されている。ダン
パ部材18は、全てのイジェクタに共通な1枚の弾性部
材によって複数の分岐流路15を全て被覆することによ
り、各分岐流路15上に圧力ダンパ機構を形成してい
る。本実施形態例では、主流路16の一面も、分岐流路
15と同様に、ノズル11側の表層面に形成されてお
り、分岐流路15上に設けられたダンパ部材18によっ
て、主流路16のノズル表層面側にも、主流路16に対
する圧力ダンパが形成されている。
本の分岐流路15に連通するイジェクタは15個であ
り、副走査方向のイジェクタ間のピッチは300本/イ
ンチとなるように各イジェクタが配置されている。ま
た、分岐流路15の本数は10本とされ、150個のイ
ジェクタで1色のインクジェット吐出素子20が構成さ
れる。
部材18の板厚を夫々、12.5μm、18μm、20
μm、25μm、45μm、75μm、100μmとした
インクジェット記録ヘッドを計7種類作製した。ダンパ
部材には、ヤング率5GPaのポリイミド樹脂フィルム
を用いた。ノズル11は、エキシマレーザ加工により、
開口径26μmに形成した。インクとして、粘度3.5
mPa・s、表面張力32mN/mの水性インクを使用
した。
った。図8に示すように、まず、プールプレート27、
インレートプレート28及び圧力室プレート29に夫
々、分岐流路15、インレット14、圧力室12に相当
するパターンをウェットエッチング法で形成した。
7、インレットプレート28及び圧力室プレート29の
計3枚の位置を合わせ、熱可塑性接着剤を用いて接合し
た。続いて、表面に撥インク性処理剤をコーティングし
たポリイミド系樹脂フィルムから成るダンパ部材18を
プールプレート27に接着した。更に、エキシマレーザ
加工によって、圧力室プレート29側からダンパ部材1
8上にノズル11を形成した。引き続き、加圧プレート
21を圧力室プレート29側に接着した。この後、個別
化した圧電素子22を熱硬化性の接着剤を用いて、各圧
力室12の直下に固着した。続いて、バンプ23を介し
て、フレキシブル配線基板24を各圧電素子22に接合
して、本記録ヘッドを完成させた。
インレットプレート28、及び圧力室プレート29内に
エッチングで形成される孔及び溝のパターンは、図3に
示すようなインクジェット吐出素子20a〜20dが主
走査方向に4個配列されたものであり、上述の製造方法
により、4色分が一体となった記録ヘッドを製造した。
11、圧力室12、及び分岐流路15の音響容量を表1
に示す。
m以下であれば、式(1)及び式(2)の条件、つま
り、cp>10cn及びcp>20ccを同時に満足するこ
とが理解できる。また、音響クロストークの抑制に関し
ては、ダンパ部材18の板厚が45μm以下であれば、
式(2)の条件を満足することが分かる。
種類の記録ヘッドに関し、リフィル時間を調べた結果を
図9にグラフで示す。このグラフは、一つの分岐流路1
5に連通する15個のイジェクタのリフィル時間を示
す。グラフに示されるように、ダンパ部材18の板厚が
25μm以下の場合には、分岐流路15の音響容量が十
分であるため、何れのヘッドにおいてもリフィル時間は
約45μsであった。
ッドに関しては、単独吐出させた場合と全イジェクタを
同時吐出させた場合のリフィル時間を示す。全イジェク
タを同時吐出させた場合(◆印)と単独吐出させた場合
(○印)とでは、リフィル時間がほぼ一致しており、ま
た一つの分岐流路内でのイジェクタ間のリフィル時間差
が良好に抑制されていることを確認した。
上の場合には、全イジェクタを同時吐出させた場合に、
インクリフィル時間が急激に増加することを確認した。
ダンパ部材の板厚が45μm、75m、100μmの場合
の平均リフィル時間は、夫々、90μs、81μs、7
9μsであった。ダンパ部材の板厚45μmの場合に最
もリフィル時間が長くなった理由は、図15に示したよ
うに、cp/cn=3.2のために、圧力室内の圧力波と
分岐流路内の圧力波とが干渉したためと考えられる。な
お、主流路16近傍のイジェクタと分岐流路15末端の
イジェクタとでは、同一の分岐流路に連通するイジェク
タでありながら、50〜70μsもリフィル時間の差が
生じることが分かる。
た上記記録ヘッドを用いて、15plのインク滴を20
kHzの周波数で全イジェクタから同時吐出させた。そ
の結果、ダンパ部材18の板厚が45μm以上のヘッド
では、インク供給が不足するため吐出が不安定になり、
不吐出に至るノズルが多発した。特に、ダンパ部材18
の板厚が75μm以上のヘッドでは、音響クロストーク
の影響も現れ、単独駆動時に比べ全イジェクタを同時吐
出した場合の滴速が低下した。ダンパ部材18の板厚7
5μmのヘッドでは、滴速は10%程度低下し、板厚1
00μmのヘッドでは滴速が20%程度低下した。
てノズルのイナータンスが増加するので、吐出効率が低
下し15plのインク滴を吐出するために圧電素子22
に印加する電圧が増加した。15plの液滴を吐出する
ために圧電素子22に印加した電圧は、ダンパ部材18
の板厚が75μmの場合には板厚25μmの場合に比べ
約2倍、板厚100μmの場合には板厚25μmの場合
に比べ約2.5倍が必要であった。ダンパ部材の板厚
は、吐出効率の観点から100μmが限界であり、好ま
しくは75μm以下、更に好ましくは45μm以下が必
要であることを確認した。
下のヘッドでは、式(1)及び式(2)を同時に満足す
るので、15plのインク滴を20kHzの吐出周波数
で安定吐出できることが予想された。ところが、ダンパ
部材18の板厚が18μm以下のヘッドでは、連続吐出
に伴い、不吐出に至るノズルが発生した。特に、ダンパ
部材18の板厚が12.5μmと薄いヘッドでは、連続
吐出を行うと不吐出ノズルが顕著に発生した。不吐出原
因を調査した結果、ノズル11の直下に気泡を巻き込ん
でいることを確認した。ここで、不吐出に至ったノズル
も、インクジェット記録ヘッドで通常行われる、インク
の吸引動作を実施することにより、再び吐出が可能とな
ることを確認した。
形成する場合には、式(1)及び式(2)を満足させる
ために、極端にダンパ部材18の板厚を薄くすると、イ
ンク滴吐出中に気泡を巻き込むことが明らかになった。
このため、ダンパ部材18の板厚は、少なくとも20μ
m以上に形成することが必要であることを確認した。
2実施形態例の図7と同様なので、平面図として図7を
共通に参照しつつ説明する。図10は、本実施形態例に
おける図7のB−B線に沿った断面図である。本実施形
態例の記録ヘッドでは、ダンパ部材18に加えてノズル
プレート30を配設した点以外の構成は第2実施形態と
同様である。
は、ノズル11の表層面側に配置したダンパ部材18に
よって構成される。ダンパ部材18の上方に、分岐流路
15に相当する位置が繰り抜かれたノズルプレートが設
けられている。1枚の共通な弾性部材から成るダンパ部
材18によって複数の分岐流路15が一括して被覆さ
れ、これにより各分岐流路15上に圧力ダンパ機構が形
成されている。本実施形態例では、主流路16の一面も
分岐流路15と同様にノズル11側表層面に形成されて
おり、分岐流路15上に設けられたダンパ部材18で主
流路16のノズル表層面側にも、主流路16に対する圧
力ダンパ機構が形成されている。
00μm、ダンパ部材18の板厚が25μmとされてい
る。ダンパ部材には、ヤング率5.7GPaのポリイミ
ド樹脂フィルムを用いた。ノズル11は、エキシマレー
ザ加工によって開口径26μmに形成した。インクに
は、粘度3.5mPa・s、表面張力32mN/mの水
性インクを使用した。
12、及び分岐流路15の音響容量は夫々、9.9×1
0-19[m5/N]、5.5×10-20[m5/N]、1.
9×10-17[m5/N]である。cp/cn=18.7、
cp/cc=336であるため、本実施形態例では、式
(1)及び式(2)の条件を同時に満足することが理解
できる。
出イジェクタ数を変化させながらリフィル時間を調べた
結果、第2実施形態例の記録ヘッドと同様に、全イジェ
クタを同時吐出させた場合と単独吐出させた場合とでリ
フィル時間がほぼ一致し、各イジェクタ間のリフィル時
間差も良好に抑えられていることが確認できた。また、
15plのインク滴を20kHzの吐出周波数で全イジ
ェクタ同時に安定吐出できることを確認した。なお、ノ
ズル11近傍には、インク付着を防ぐための撥インク性
材料を設けた
態が第2実施形態例の図7と同様なので、図7の平面図
を共通に参照しつつ説明する。図11は、本実施形態例
における図7のB−B線に沿った断面図である。本実施
形態例の記録ヘッドでは、圧力ダンパ機構を記録ヘッド
の内部に形成した点で、第2及び第3実施形態例と異な
る。
ヘッドでは、インクプールからノズル11に至るインク
経路は、ノズル11が形成されたノズルプレート30
と、分岐流路15が形成されたプールプレート27と、
ダンパ部材18と、凹部31が形成されたインレットプ
レート28と、圧力室プレート29と、加圧プレート2
1とをこの順に重ねて相互に接着することで得られてい
る。ノズル11は、エキシマレーザ加工により、開口径
φ30μmとなるように形成されている。分岐流路15
の幅は700μmであり、ステンレス製の薄板にエッチ
ングで形成した。
部を構成する孔をエキシマレーザ加工によって形成し
た。ダンパ部材は、ヤング率が5.7GPa、厚さが2
5μmのポリイミド樹脂フィルムによって構成されてい
る。インレットプレート28には、インレット14の丸
孔とともに、ダンパ部材18との組合わせでエアダンパ
を構成するための凹部31が、ハーフエッチングで形成
されている。ここで、ダンパ部材18は一枚の共通部材
で構成され、これにより、複数の分岐流路15に対して
一括して圧力ダンパ機構が形成されている。その他、圧
電素子22やフレキシブル配線基板24及びバンプ23
の構成は、第2及び第3実施形態例と同様である。
1、圧力室12、及び分岐流路の音響容量が夫々、1.
8×10-18[m5/N]、5.5×10-20[m5/
N]、1.9×10-17[m5/N]である。つまり、c
p/cn=10.5、cp/cc=336であり、式(1)
及び式(2)を満たす条件となっている。
実施形態例と同様に同時吐出イジェクタ数を変化させな
がらリフィル時間を調べた結果、単独吐出させた場合と
全イジェクタを同時吐出させた場合とのリフィル時間は
ほぼ一致し、±1μsの偏差であった。また、音響クロ
ストークも殆ど発生しておらず、全イジェクタ同時駆動
時の音響クロストーク発生率は、1%以下であった。
部に構成した場合にも、式(1)及び式(2)を満足す
ることにより、音響クロストークが防止でき、しかもイ
ンク供給不足を抑制し高速リフィルを実現できることを
確認することができた。
載したインクジェット式プリンタ(インク吐出装置)の
要部を示す概念図である。このインクジェット式プリン
タ44は、マイクロコンピュータ等から成る制御手段3
5と、加圧駆動手段39と、ヘッド駆動手段34と、記
録用紙32に接触しつつ記録用紙32を搬送する用紙送
り手段33とを備えている。インクジェット記録ヘッド
26は、矢印Aで示す主走査方向に沿って順次に配列さ
れたインクジェット吐出素子20A〜20Dを有する。
記録用紙32は、用紙送り手段33に接触されて、矢印
Bで示す副走査方向に搬送される。
ト記録ヘッド26を主走査方向(A)に移動させ。用紙
送り手段33は、記録用紙32を主走査方向(A)と直
交する副走査方向(B)に移動させる。
タ44の全体を統括的に制御すると共に、ヘッド駆動手
段34にインクジェット記録ヘッド26の位置を指示
し、用紙送り手段33に記録用紙32の位置を指示す
る。つまり、制御手段35は、加圧駆動手段39に加圧
制御信号41を、ヘッド駆動手段34にヘッド制御信号
36を、用紙送り手段33に用紙送り制御信号37を夫
々送信し、装置外部の上位装置から送信される外部信号
40を、ヘッド制御信号36、用紙送り制御信号37及
び加圧制御信号41に変換し、ヘッド駆動手段34、用
紙送り手段33及び加圧駆動手段39に夫々送る。加圧
制御信号41は、どの時刻に、どの単位素子の、どのア
クチュエータに、どの程度の大きさの駆動力で、どの程
度の時間駆動するかを情報として含む。
のヘッド制御信号36に応答して、インクジェット記録
ヘッド26を所定時刻に所定位置に位置するように駆動
する。用紙送り手段33は、制御手段35から送信され
る用紙送り制御信号37に応答して、記録用紙32が所
定時刻に所定位置に位置するように駆動する。外部信号
40、ヘッド制御信号36、用紙送り制御信号37及び
加圧制御信号41には、電気信号、光信号、或いは無線
信号を用いることが可能である。
ェット吐出素子20a〜20d内の各圧電素子は、加圧
駆動手段39を通じて加圧制御信号41を受けた際に作
動し、対応する圧力室12内のインクを加圧し、この圧
力室12に連通するノズルからインクを吐出する。この
ように、インクジェット記録ヘッド26の位置、記録用
紙32の位置、及び加圧制御信号41の印加を同期させ
ることで、記録用紙32の印刷範囲内の任意の位置に、
所望の色及び明暗を有する色調で画像や文字等を表現す
ることができる。
にノズル配列したマトリクス状配列ヘッドを実現できる
ため、従来に比して多ノズル且つ小型のインクジェット
吐出素子20a〜20d等のインクジェット記録ヘッド
を備えた高速印字が可能なインクジェット記録ヘッド、
及び、インクジェット記録ヘッドを搭載したより小型の
インクジェット式プリンタ等のインク吐出装置を実現す
ることができる。
料を含むインクを用いた例である。本実施形態例では、
吐出塗布対象物として有機ELディスプレィ用基板を用
いることにより、本発明のインクジェット記録ヘッドを
用いることで、有機ELディスプレィ製造素子、有機E
Lディスプレィ製造ヘッド、及び有機ELディスプレィ
製造装置を構成することができる。
裏面に夫々上電極及び下電極を備える。例えば、PED
Tポリアニリン等の有機材料を下電極の材料として用い
る場合には、それらを溶解したインクを用い、上記有機
ELディスプレィ製造装置により透明基板上にPEDT
ポリアニリンを溶解したインクを吐出し、パターン形成
を行うことができる。
してパターン化し得るその他の材料としては、例えば、
電子注入層用材料、電子輸送層用材料、発光層用材料、
正孔輸送層用材料、正孔注入層用材料、及び、上電極層
用材料を挙げることができる。3原色用の上記材料を吐
出塗布することにより、カラー表示可能な有機ディスプ
レィを製造することが可能となる。
を含むインクを用いた例である。本実施形態例では、吐
出塗布対象物として有機半導体素子用基板を用いること
により、本発明のインクジェット記録ヘッドを用いるこ
とで、有機半導体素子製造素子、有機半導体素子製造ヘ
ッド、及び、有機半導体素子製造装置を構成することが
できる。この場合には、有機半導体素子用基板上にソー
ス電極及びドレイン電極を予め形成しておき、双方に跨
るように、本インク吐出装置によって有機半導体を含む
インクを吐出する。更に、固化させた後に、ソース電極
とドレイン電極との間にゲート電極パターンを形成す
る。
この絶縁層上にゲート電極を形成する。或いは、有機半
導体素子用基板上にゲート電極を形成し、このゲート電
極上に絶縁層を形成し、この絶縁層上にソース電極及び
ドレイン電極パターンを形成する。更に、これらの上
に、インクジェット記録ヘッドを用いて有機半導体層を
形成する。各電極や絶縁層に有機材料を用い、有機半導
体用材料を含む溶液を本インクジェット記録ヘッドによ
って吐出塗布し、パターン化することも可能である。
regioregular poly (3-hexylliophene)等を用いること
ができる。また、有機電極材料としては、高ドープポリ
アニリンやPEDOT等を用いることができる。絶縁材料に
は、プロセス適合性のあるものであれば種々のものを使
用することができる。
例では何れも、ダンパ部材としてポリイミド系樹脂を用
いたが、フィルム状の有機化合物材料であれば同様の効
果が得られることは言うまでもない。
づいて説明したが、本発明に係るインクジェット記録ヘ
ッド及びインクジェット記録装置は、上記実施形態例の
構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の
構成から種々の修正及び変更を施したインクジェット記
録ヘッド及びインクジェット記録装置も、本発明の範囲
に含まれる。
マトリクス状配列ヘッドにおいて高密度なノズル配列を
実現するとともに、簡素な構成で廉価に複数の分岐流路
に十分な音響容量を確保し、音響クロストークを抑制し
インク供給不足を防止し、高速なインクリフィル動作が
実現できる構成のインクジェット記録ヘッド、及びこの
ようなインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェッ
ト記録ヘッドを得ることができる。
記録ヘッドを概略的に示す平面図である。
示す断面図である。
示す平面図である。
吐出特性を示すグラフ図である。
記録ヘッドに関し、ダンパ部材の板厚とノズル、圧力
室、及び分岐流路の音響容量の関係を示すグラフ図であ
る。
記録ヘッドの吐出特性を示すグラフ図である。
記録ヘッドを示す平面図である。
示す断面図である。
吐出特性を示す図である。
ト記録ヘッドを示す断面図である。
ト記録ヘッドを示す断面図である。
ンクジェット式プリンタの要部を示す概念図である。
クジェット記録ヘッドの等価電気回路を示す回路図であ
る。
めのグラフ図である。
めの別のグラフ図である。
成を示す断面図である。
部構成を示す断面図である。
るための模式図である。
るためのグラフ図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 インク供給口と、該インク供給口を介し
て外部からインクが供給されるインクプールと、マトリ
クス状に配列された複数のイジェクタとを備えたインク
ジェット記録ヘッドであって、 前記インクプールが、前記インク供給口に連通する主流
路と、該主流路から分岐する複数の分岐流路とを備え、
各イジェクタが、前記分岐流路に連通する圧力室と、該
圧力室内に充填されたインクに圧力波を発生させる圧力
発生手段と、前記圧力波で圧縮された前記圧力室内のイ
ンクを吐出するノズルとを備え、 前記分岐流路を構成する壁面の少なくとも一つが、前記
分岐流路内の圧力変化に応じて弾性変形するダンパ部材
によって構成されることを特徴とするインクジェット記
録ヘッド。 - 【請求項2】 前記ダンパ部材が、前記複数の分岐流路
に対して共通な一部材によって構成されることを特徴と
する請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項3】 前記ダンパ部材が、前記イジェクタ1個
当たりの前記分岐流路の音響容量をcp、前記ノズルの
音響容量をcnとするとき、次式 cp>10cn を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のイ
ンクジェット記録ヘッド。 - 【請求項4】 前記ダンパ部材が、前記イジェクタ1個
当たりの前記分岐流路の音響容量をcp、前記圧力室の
音響容量をccとするとき、次式 cp>20cc を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載のイ
ンクジェット記録ヘッド。 - 【請求項5】 前記複数のイジェクタに備えたノズルの
夫々が記録ヘッド本体の一方の面に設けられ、前記ダン
パ部材は前記一方の面側に配設されることを特徴とする
請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録
ヘッド。 - 【請求項6】 前記ノズルが形成されたノズルプレート
を備え、該ノズルプレートが前記ダンパ部材によって構
成されることを特徴とする請求項5に記載のインクジェ
ット記録ヘッド。 - 【請求項7】 前記ノズルプレートの板厚が20μm以
上100μm以下であることを特徴とする請求項6に記
載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項8】 前記ダンパ部材がフィルム状の有機化合
物から成ることを特徴とする請求項1〜7の内の何れか
1項に記載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項9】 前記有機化合物が、アクリル系樹脂、ア
ラミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、芳香族ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイ
ロン系樹脂、又はポリエチレン系樹脂から成ることを特
徴とする請求項8に記載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項10】 前記圧力発生手段が、圧電素子と、該
圧電素子の変位を前記圧力室内のインクに伝える加圧プ
レートとを備え、前記圧力発生手段による吐出可能な最
大滴量が15pl以上であることを特徴とする請求項1
〜9の何れかに記載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項11】 前記圧電素子及び加圧プレートを備え
る前記圧力発生手段は、前記圧電素子の伸縮変形により
前記加圧プレートが撓み変形する圧電アクチュエータに
よって構成されることを特徴とする請求項10に記載の
インクジェット記録ヘッド。 - 【請求項12】 前記インクが印刷用インクから成るこ
とを特徴とする請求項1〜11の内の何れか1項に記載
のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項13】 前記インクが有機EL素子用材料を含
むことを特徴とする請求項1〜11の内の何れか1項に
記載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項14】 前記インクが有機半導体用材料を含む
ことを特徴とする請求項1〜11の内の何れか1項に記
載のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項15】 請求項1〜14の内の何れか1項に記
載のインクジェット記録ヘッドと、該インクジェット記
録ヘッドを主走査方向に移動させる第1駆動手段と、イ
ンク吐出対象物を前記主走査方向と直交する副走査方向
に移動させる第2駆動手段と、前記第1駆動手段に前記
インクジェット記録ヘッドの位置を指示すると共に、前
記第2駆動手段に前記インク吐出対象物の位置を指示す
る制御手段とを備えることを特徴とするインクジェット
記録装置。
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