JP2015041462A - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】非水電解質二次電池の生産性の向上と電池性能とを両立させる。【解決手段】本発明の非水電解質二次電池の製造方法は、電極活物質と、重量平均分子量が1000000以上のポリフッ化ビニリデンと、有機溶媒とを含む電極合材ペーストを形成する工程αと、該電極合材ペーストを集電体上に塗工する工程βと、該集電体上に塗工された該電極合材ペーストを乾燥する工程γと、を備えている。そして、工程αは、ポリフッ化ビニリデンに対し、ポリビニルアセタールおよびその誘導体のうち少なくとも1種を、5質量%以上50質量%以下含有させる工程を含む。【選択図】図1
Description
本発明は非水電解質二次電池の製造方法に関する。
現在、リチウムイオン電池をはじめとする非水電解質二次電池が広く普及している。非水電解質二次電池は、通常、正負の電極と非水電解質とを備えるものである。一般に、非水電解質二次電池の電極は、電極活物質と結着材とを含む電極合材ペーストを集電体上に塗工、乾燥することにより製造される。従来、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVdF:Polyvinylidene Fluoride)等が用いられている(たとえば、特開2006−253091号公報(特許文献1)参照)。
近年、環境負荷低減の観点から、非水電解質二次電池の用途が拡大している。たとえば、非水電解質二次電池を搭載したハイブリッド車両(Hybrid Vehicle)や電気自動車(Electric Vehicle)等が開発されている。そして、旺盛な需要に応えるため、非水電解質二次電池の生産性の向上が望まれている。
非水電解質二次電池の製造過程において、電極作製工程は、電池性能を左右する重要な工程の一つである。通常、電極作製工程は、電極活物質や結着材等を溶媒とともに混練して電極合材ペーストを得る工程と、電極合材ペーストを集電体上に塗工する工程と、電極合材ペーストを乾燥する工程と、を含むものである。そして、電極作製工程における乾燥速度の高速化は、非水電解質二次電池の生産性を向上させる有力の手段の一つである。
乾燥速度を高速化するためには、乾燥温度や乾燥風量を上げることが必要となる。しかしながら、本発明者が検討を行なったところ、このような手段によって乾燥速度を速めると、乾燥中にペーストが対流して電極合材層の表層に結着材が偏在してしまうことが判明した。
このように、結着材が電極合材層の表層に偏在すると、電極合材層と集電体との接着強度が低下し、電池の充放電を繰り返すと電極合材層が集電体から剥離して、電池性能が低下する。すなわち、従来技術において、非水電解質二次電池の生産性の向上と電池性能とを両立することは極めて困難であった。
特許文献1では、結着材としてPVdFとポリビニルアセタール(Polyvinyl Acetals)とを併用することにより、接着強度を向上させているが、この技術は高速乾燥時における結着材の偏在を解消し得るものではない。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、非水電解質二次電池の生産性の向上と電池性能とを両立させることにある。
(1)本発明の非水電解質二次電池の製造方法は、電極活物質と、重量平均分子量が1000000以上(1×106以上)のポリフッ化ビニリデン(PVdF)と、有機溶媒とを含む電極合材ペーストを形成する工程αと、該電極合材ペーストを集電体上に塗工する工程βと、該集電体上に塗工された該電極合材ペーストを乾燥する工程γと、を備えている。そして、工程αは、PVdFに対し、ポリビニルアセタールおよびその誘導体のうち少なくとも1種を、5質量%以上50質量%以下含有させる工程を含む。
上記のように、電極合材ペーストにおけるPVdFの分子量と、ポリビニルアセタールおよびその誘導体の含有量を特定することにより、電極合材ペーストに次のような特性が付与される。すなわち、本発明に係わる電極合材ペーストは、極低速せん断領域において、従来の電極合材ペーストに比し、顕著に高いせん断粘度を有する。ここで、「極低速せん断領域」とは、せん断速度が0.1s-1〜1s-1程度である領域を示す。そして、この領域におけるせん断粘度は、電極合材ペーストが静置された状態での流体挙動を表わすものである。したがって、上記のような電極合材ペーストを用いることにより、ペーストが集電体上に塗工され、静置状態で乾燥される際、非常に流動し難く、結着材が表層へと移動することを抑制することができる。そしてこれにより、従来に比し、乾燥速度の高速化が可能となる。また同時に、仕上がり電極において結着材の偏在が抑制され、以って電極合材層と集電体との接着強度が高まり、電池性能を向上させることができる。
さらに、上記の電極合材ペーストは、次のような特性を兼ね備える。すなわち、本発明に係わる電極合材ペーストは、通常せん断領域および高速せん断領域において、従来の電極合材ペーストと同程度のせん断粘度を有する。ここで、「通常せん断領域」とは、せん断速度が1s-1以上である領域を示し、「高速せん断領域」とは、せん断速度が100s-1以上10000s-1以下である領域を示す。このように、上記の電極合材ペーストは、特定のせん断領域においてのみ、高いせん断粘度を有するという特異的な流体挙動を示すものである。
そして、通常〜高速せん断領域におけるせん断粘度は、電極合材ペーストが配管内を圧送される際の流体挙動を表わすものである。したがって、上記のような電極合材ペーストは、極低速せん断領域では高粘度を有するにもかかわらず、通常せん断領域〜高速せん断領域では従来と同様の流体挙動を示すこととなる。これにより、配管送液や塗工における電極合材ペーストの安定性が確保される。すなわち、上記の電極合材ペーストは、配管送液、フィルタ通過、塗工等の場面で、従来に比し設備負荷を増大させることなく、従来と同様の取り扱いが可能である。
なお、PVdFの重量平均分子量は、好ましくは1500000以下(1.5×106以下)である。
(2)本発明の非水電解質二次電池の製造方法において、電極合材ペーストは、せん断速度が0.1s-1以上0.4s-1以下の領域において、10Pa・s以上のせん断粘度を有し、かつせん断速度が100s-1以上10000s-1以下の領域において、4Pa・s以下のせん断粘度を有することが好ましい。これにより、さらに確実に乾燥時における電極合材ペーストの対流を抑制しつつ、生産性の向上を図ることができる。
(3)本発明の非水電解質二次電池の製造方法において、ポリビニルアセタールおよびその誘導体は、ポリビニルブチラール(PVB:Poly Vinyl Butyral)であることが好ましい。PVBを5質量%以上50質量%以下含有することにより、重量平均分子量が1000000以上のPVdFと、PVBとが相乗的に作用し、電極合材ペーストの極低速せん断領域のおけるせん断粘度を顕著に高めることができる。
本発明の非水電解質二次電池の製造方法によれば、非水電解質二次電池の生産性の向上と電池性能とを両立させることができる。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と記す)についてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<非水電解質二次電池の製造方法>
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究を行なったところ、電極合材ペーストにおいて、特定の組成の結着材成分を採用することにより、静置状態で流動し難く、かつ塗工安定性の高い電極合材ペーストを得られるとの知見を得、該知見に基づきさらに研究を重ねることにより、本発明を完成させるに至った。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究を行なったところ、電極合材ペーストにおいて、特定の組成の結着材成分を採用することにより、静置状態で流動し難く、かつ塗工安定性の高い電極合材ペーストを得られるとの知見を得、該知見に基づきさらに研究を重ねることにより、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法は、電極活物質と、重量平均分子量が1000000以上のポリフッ化ビニリデンと、有機溶媒とを含む電極合材ペーストを作製する工程αと、該電極合材ペーストを集電体上に塗工する工程βと、該集電体上に塗工された前記電極合材ペーストを乾燥する工程γと、を備え、当該工程αは、該ポリフッ化ビニリデンに対し、ポリビニルアセタールおよびその誘導体のうち少なくとも1種を、5質量%以上50質量%以下含有させる工程を含む。
上記の製造方法によれば、乾燥中における電極合材ペーストの対流が抑制されるため、乾燥速度の高速化が可能であるとともに、仕上がり電極において結着材の偏在が抑制されているため、優れた電池性能を有する非水電解質二次電池を製造することができる。
以下、本実施形態の製造方法の各工程について説明する。図2は、本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法の概略を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態の製造方法は、工程α、工程βおよび工程γを備えている。
<工程α>
工程αは、電極活物質と、重量平均分子量が1000000以上のPVdFと、有機溶媒とを含む電極合材ペーストを作製する工程である。そして、工程αは、PVdFに対し、ポリビニルアセタールおよびその誘導体のうち少なくとも1種を、5質量%以上50質量%以下含有させる工程を含むものである。
工程αは、電極活物質と、重量平均分子量が1000000以上のPVdFと、有機溶媒とを含む電極合材ペーストを作製する工程である。そして、工程αは、PVdFに対し、ポリビニルアセタールおよびその誘導体のうち少なくとも1種を、5質量%以上50質量%以下含有させる工程を含むものである。
ここで、電極合材ペーストが上記の成分を含むことを除いて、電極合材ペーストを作製する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。たとえば、遊星運動する撹拌翼を備えたプラネタリーミキサーに、電極合材ペーストを構成する各成分を投入し、混練することにより、電極合材ペーストを作製することができる。
(電極合材ペースト)
本実施形態の電極合材ペーストは、電極活物質と、有機溶媒と、結着材成分として、重量平均分子量が1000000以上のPVdFとを含み、当該結着材成分には、ポリビニルアセタールおよびその誘導体(以下、「ポリビニルアセタール類」とも記す)のうち少なくとも1種が添加剤として含まれている。
本実施形態の電極合材ペーストは、電極活物質と、有機溶媒と、結着材成分として、重量平均分子量が1000000以上のPVdFとを含み、当該結着材成分には、ポリビニルアセタールおよびその誘導体(以下、「ポリビニルアセタール類」とも記す)のうち少なくとも1種が添加剤として含まれている。
ここで、本実施形態の電極合材ペーストは、上記の成分を含む限り、他に任意の成分を含むことができ、他の成分が含まれていたとしても、本発明の範囲を逸脱するものではない。
(他の成分)
他の成分としては、たとえば、アセチレンブラック(AB:Acetylene Black)、カーボンブラック(CB:Carbon Black)、カーボンナノファイバー(CNF:Carbon nanofiber)等の導電助材や、界面活性剤、顔料分散剤等の分散剤等を挙げることができる。
他の成分としては、たとえば、アセチレンブラック(AB:Acetylene Black)、カーボンブラック(CB:Carbon Black)、カーボンナノファイバー(CNF:Carbon nanofiber)等の導電助材や、界面活性剤、顔料分散剤等の分散剤等を挙げることができる。
また、重量平均分子量が1000000以上のPVdFの他に、重量平均分子量が1000000未満であるPVdFが含まれていても差し支えなく、PVdFの他に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:Polytetrafluoroethylene)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC:Polyvinylidene Chloride)、ポリエチレンオキサイド(PEO:Polyethylene Oxide)等の結着材成分をさらに含んでいてもよい。なお、重量平均分子量が1000000以上のPVdFは、結着材成分の総質量に対して、50質量%以上を占めることが好ましい。
(PVdF)
本実施形態において、PVdFの重量平均分子量は、1000000以上である。これにより、低速せん断領域における電極合材ペーストのせん断粘度を高め、乾燥時におけるペーストの対流を抑制することができる。なお、PVdFの重量平均分子量は、好ましくは1500000以下である。ここで、重量平均分子量は、たとえば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)によって測定することができる。また、本実施形態では、PVdFを主成分として含む共重合体を用いることもできる。たとえば、PVdFとPTFEとの共重合体、PVdFとPVDCとの共重合体等を用いることもできる。
本実施形態において、PVdFの重量平均分子量は、1000000以上である。これにより、低速せん断領域における電極合材ペーストのせん断粘度を高め、乾燥時におけるペーストの対流を抑制することができる。なお、PVdFの重量平均分子量は、好ましくは1500000以下である。ここで、重量平均分子量は、たとえば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)によって測定することができる。また、本実施形態では、PVdFを主成分として含む共重合体を用いることもできる。たとえば、PVdFとPTFEとの共重合体、PVdFとPVDCとの共重合体等を用いることもできる。
(ポリビニルアセタールおよびその誘導体)
本実施形態の工程αは、上記PVdFに対し、ポリビニルアセタールおよびその誘導体(ポリビニルアセタール類)のうち少なくとも1種を、5質量%以上50質量%以下含有させる工程を含む。ここで、PVdFに対し、5質量%以上50質量%以下含有させるとは、電極合材ペースト中において、PVdFとポリビニルアセタール類の質量比が、5質量%以上50質量%以下であることを示す。なお、「質量比」とは、下記式(i)によって算出される数値である。
本実施形態の工程αは、上記PVdFに対し、ポリビニルアセタールおよびその誘導体(ポリビニルアセタール類)のうち少なくとも1種を、5質量%以上50質量%以下含有させる工程を含む。ここで、PVdFに対し、5質量%以上50質量%以下含有させるとは、電極合材ペースト中において、PVdFとポリビニルアセタール類の質量比が、5質量%以上50質量%以下であることを示す。なお、「質量比」とは、下記式(i)によって算出される数値である。
質量比[単位:質量%]={(ポリビニルアセタール類の質量)÷(PVdFの質量)}×100・・・(i)
また、該質量比は、好ましくは5質量%以上30質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以上15質量%以下である。
また、該質量比は、好ましくは5質量%以上30質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以上15質量%以下である。
PVdFに対して、ポリビニルアセタール類を含有させる方法は、特に限定されない。たとえば、PVdFを溶解させた溶液に、ポリビニルアセタール類を溶解させてもよいし、PVdFを含む電極合材ペーストを作製した後、さらにポリビニルアセタール類を溶解させた溶液を添加し、混練してもよい。
本実施形態の電極合材ペーストは、このようにポリビニルアセタール類を特定の範囲で含有することにより、重量平均分子量が1000000以上であるPVdFと、ポリビニルアセタール類とが、電極合材ペーストの流動特性(レオロジー特性)に相乗的に作用し、極低速せん断領域における高粘度と、通常〜高速せん断領域における好適な粘度とを両立することができる。ここで、本実施形態の電極合材ペーストは、好ましくは、せん断速度が0.1s-1以上0.4s-1以下の領域において、10Pa・s以上のせん断粘度を有し、かつせん断速度が100s-1以上10000s-1以下の領域において、4Pa・s以下のせん断粘度を有する。電極合材ペーストがこのようなレオロジー特性を備えることは、従来公知の粘弾性測定装置を用いて計測することができる。
本実施の形態におけるポリビニルアセタール類とは、下記式(I)で表わされる第1構成単位と、下記式(II)で表わされる第2構成単位と、下記式(III)で表わされる第3構成単位と、を含む高分子化合物である。
式(I)中、Rは、水素原子(H)、または炭素原子(C)の数が1〜3のアルキル基を示し、式(I)〜(III)中、L、M、Nは整数を示す。
式(I)〜(III)に示すように、ポリビニルアセタール類において、第1構成単位はアセタール基を有し、第2構成単位は水酸基を有し、第3構成単位はアセチル基を有する。ポリビニルアセタール類は、分子鎖中の水酸基等の作用により、電極合材層と集電体との接着強度を高めることができる。
このようなポリビニルアセタール類は、ポリビニルアルコール(PVA:Polyvinyl Alcohol)に、アルデヒドを反応させ、1,3ジオール基をホルマール化することにより、得られる高分子化合物である。すなわち、本実施形態におけるポリビニルアセタールおよびその誘導体には、PVAが含まれる。具体的には、PVAにホルムアルデヒドを反応させることにより、Rが水素原子であるポリビニルホルマール(PVF:Polyvinyl Formal)を得ることができる。また、PVAにブチルアルデヒドを反応させることにより、Rが炭素数3のアルキル基であるPVBを得ることができる。
したがって、本実施形態のポリビニルアセタールおよびその誘導体の少なくとも1種とは、PVA、PVF、およびPVBと、これらの高分子化合物において、分子鎖中の一部が、アセタール基、水酸基およびアセチル基以外の官能基で置換されたものと、からなる群より選ばれた1種または2種以上の混合物を示す。これらのうち、ポリビニルブチラールおよびその誘導体が、特に本発明の効果が得られやすく好適である。
本実施形態のポリビニルアセタール類の重量平均分子量は、電極合材ペーストの極低速せん断領域におけるせん断粘度を所望の範囲に制御しやすいとの観点から、好ましくは10000以上30000以下であり、より好ましくは15000以上25000以下である。
また、アセタール化度(L÷(L+M+N))は、PVdFとの相溶性の観点から、好ましくは30mol%以上90mol%以下であり、より好ましくは40mol%以上80mol%以下であり、特に好ましくは50mol%以上70mol%以下である。
また、水酸基量(M÷(L+M+N))は、接着性の観点から、好ましくは10mol%以上50mol%以下であり、より好ましくは20mol%以上40mol%以下である。
さらに、アセチル基量(N÷(L+M+N))は、電極合材ペーストの高速せん断領域におけるせん断粘度を所望の範囲に制御しやすいとの観点から、好ましくは10mol%以下であり、より好ましくは5mol%以下であり、特に好ましくは3mol%以下である。
(電極活物質)
本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法において、電極活物質は、電気伝導を担う陽イオンを吸蔵および放出可能な物質であればよく、正極活物質および負極活物質のいずれであってもよい。
本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法において、電極活物質は、電気伝導を担う陽イオンを吸蔵および放出可能な物質であればよく、正極活物質および負極活物質のいずれであってもよい。
正極活物質としては、たとえば、リチウムイオン(Li+)を吸蔵および放出可能なリチウム含有遷移金属複合酸化物を用いることができる。具体例としては、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiNiaCobO2(a+b=1、0<a<1、0<b<1)、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiaCobMncO2(a+b+c=1、0<a<1、0<b<1、0<c<1)、LiFePO4等を挙げることができる。
負極活物質としては、たとえば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス等の炭素材料、珪素(Si)、酸化スズ(SnO2)等のリチウムと合金化し得る材料、あるいは、リチウム含有遷移金属複合酸化物(たとえば、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12))等を用いることができる。
(有機溶媒)
本実施形態の有機溶媒としては、PVdF等の結着材成分を溶質として溶解させることができるものであればよく、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:N-methylpyrrolidone)、ジメチルホルムアミド(DMF:N,N-dimethylformamide)、ジメチルスルホキシド(DMSO:Dimethyl sulfoxide)、テトラヒドロフラン(THF:Tetrahydrofuran)、アセトン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ヘキサン、トルエン等を例示することができる。これらのうち、NMPが特に好適である。
本実施形態の有機溶媒としては、PVdF等の結着材成分を溶質として溶解させることができるものであればよく、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP:N-methylpyrrolidone)、ジメチルホルムアミド(DMF:N,N-dimethylformamide)、ジメチルスルホキシド(DMSO:Dimethyl sulfoxide)、テトラヒドロフラン(THF:Tetrahydrofuran)、アセトン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ヘキサン、トルエン等を例示することができる。これらのうち、NMPが特に好適である。
(固形分濃度)
電極合材ペーストの固形分濃度は、50質量%以上であることが好ましい。固形分濃度が、50質量%未満となると、電極活物質等の不溶成分が沈降しやすくなり、結着材の偏在が起こりやすくなる場合があるからである。ここで、「固形分濃度」とは、電極合材ペーストの総質量に対して、溶媒成分以外の成分が占める質量濃度を示す。なお、固形分濃度は、60質量%以上であることがより好ましい。
電極合材ペーストの固形分濃度は、50質量%以上であることが好ましい。固形分濃度が、50質量%未満となると、電極活物質等の不溶成分が沈降しやすくなり、結着材の偏在が起こりやすくなる場合があるからである。ここで、「固形分濃度」とは、電極合材ペーストの総質量に対して、溶媒成分以外の成分が占める質量濃度を示す。なお、固形分濃度は、60質量%以上であることがより好ましい。
<工程β>
工程βは、工程αで得た電極合材ペーストを集電体上に塗工する工程である。ここで、塗工方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。たとえば、ダイコート法、グラビアコート法等を採用することができる。集電体も、特に限定されない。たとえば、正極用集電体として、アルミニウム(Al)箔およびアルミニウム合金箔、負極集電体として、銅(Cu)箔および銅合金箔を例示することができる。
工程βは、工程αで得た電極合材ペーストを集電体上に塗工する工程である。ここで、塗工方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。たとえば、ダイコート法、グラビアコート法等を採用することができる。集電体も、特に限定されない。たとえば、正極用集電体として、アルミニウム(Al)箔およびアルミニウム合金箔、負極集電体として、銅(Cu)箔および銅合金箔を例示することができる。
本実施形態の電極合材ペーストは、通常〜高速せん断領域において、従来の電極合材ペーストと同等のせん断粘度を有することができるため、工程βでは従来同様の取り扱いが可能である。そして、これにより、工程βは工業的に好適な生産性を有することができる。
<工程γ>
工程γは、工程βにおいて集電体上に塗工された電極合材ペーストを乾燥する工程である。ここで、乾燥方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。たとえば、電極合材ペーストが塗工された集電体を、所定の長さを有する熱風式乾燥炉内を走行させることにより、電極合材ペーストを乾燥することができる。このとき、乾燥効率を高めるため、乾燥炉内を複数の区間に分割し、それぞれの区間で熱風の温度や風量を調節してもよい。また、熱風乾燥に加えて、赤外線乾燥等を併用してもよい。
工程γは、工程βにおいて集電体上に塗工された電極合材ペーストを乾燥する工程である。ここで、乾燥方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。たとえば、電極合材ペーストが塗工された集電体を、所定の長さを有する熱風式乾燥炉内を走行させることにより、電極合材ペーストを乾燥することができる。このとき、乾燥効率を高めるため、乾燥炉内を複数の区間に分割し、それぞれの区間で熱風の温度や風量を調節してもよい。また、熱風乾燥に加えて、赤外線乾燥等を併用してもよい。
本実施形態の電極合材ペーストは、極低速せん断領域において、従来に比し顕著に高いせん断粘度を有するため、乾燥中にペーストが対流して、結着材成分が表層に偏在することを抑制することができる。よって、本実施形態の工程γは、従来に比し、乾燥条件の選択の自由度が高く、乾燥時間の短縮が可能である。すなわち、非水電解質二次電池の生産性を向上させることができる。
本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法において、電極合材ペーストが有機溶媒として、NMPを含む場合、工程γは、100℃以上の温度で電極合材ペーストを乾燥させる工程を含むことが好ましく、150℃以上の温度で電極合材ペーストを乾燥させる工程を含むことがより好ましく、180℃以上の温度で電極合材ペーストを乾燥させる工程を含むことが特に好ましい。これにより、非水電解質二次電池の生産性をさらに高めることができる。なお、乾燥温度の上限値は、250℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましい。
以上のように、工程α、工程βおよび工程γを経ることにより、結着材成分の偏在が抑制された電極合材層を有する電極を得ることができる。このようにして得られた電極は、通常、電極合材層の脱落を防止するため、電極合材層の密度(電極合材層の質量÷電極合材層の体積)が所定の値となるように圧縮される。電極合材層の密度は、正極であれば、2.0〜4.0g/cm3程度であり、負極であれば、0.5〜2.5g/cm3程度である。
(マイグレーション指数)
以上のようにして、得られた電極において、結着材成分(PVdF)の偏在が抑制されていることは、電極のマイグレーション指数を求めることにより、確かめることができる。ここで、「マイグレーション指数」とは、電極の厚さ方向において、PVdFの分布を評価するための指標値である。かかるマイグレーション指数は、次のようにして算出するものとする。
以上のようにして、得られた電極において、結着材成分(PVdF)の偏在が抑制されていることは、電極のマイグレーション指数を求めることにより、確かめることができる。ここで、「マイグレーション指数」とは、電極の厚さ方向において、PVdFの分布を評価するための指標値である。かかるマイグレーション指数は、次のようにして算出するものとする。
まず、測定対象となる電極を、電極の表面に対して垂直に切断し、該切断面をクロスセクションポリッシャ(CP:Cross section Polisher)等を用いて断面加工する。次に、該断面を電子線マイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)を用いて分析する。このとき、電極断面を厚さ方向に、2つの領域に均等分割して、それぞれの領域について分析を行なう。すなわち、分割された2つの領域のうち、集電体側を「集電体界面部」、電極表面側を「表層部」として、それぞれの領域で、フッ素原子(F)の存在量(原子%)を計測する。ここで計測されるフッ素原子は、PVdFに由来するため、フッ素原子の存在量は、PVdFの存在量とみなすことができる。そして、「表層部のF存在量」を、「集電体界面部のF存在量」で除すことにより、マイグレーション指数を求めることができる。
マイグレーション指数は、その値が大きいほど、電極の表層部にPVdFが偏在していることを示している。本実施形態の製造方法によって得られた電極では、PVdFの偏在が抑制されているため、マイグレーション指数は、従来に比し、1に近い値を示す。そして、このような電極を用いた非水電解質二次電池は、電極の表面抵抗が低く、好適な負荷性能を示すとともに、電極合材層と集電体との接着強度が高く、充放電を繰り返しても電極合材層の剥離に起因する性能低下が少ない。
<後工程>
本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法では、上記のようにして得た正極および負極の少なくともいずれかを用いる以外は、従来公知の手法に基づいて、非水電解質二次電池を製造することができる。以下、その一例を説明する。
本実施形態の非水電解質二次電池の製造方法では、上記のようにして得た正極および負極の少なくともいずれかを用いる以外は、従来公知の手法に基づいて、非水電解質二次電池を製造することができる。以下、その一例を説明する。
(電極体)
まず、電極体を作製する。たとえば、正極および負極に集電タブを溶接し、正極と負極とがセパレータを介して対向するように巻き取ることにより、巻回式の電極体を作製することができる。また、正極とセパレータと負極とを積層することにより、スタック式の電極体を作製してもよい。
まず、電極体を作製する。たとえば、正極および負極に集電タブを溶接し、正極と負極とがセパレータを介して対向するように巻き取ることにより、巻回式の電極体を作製することができる。また、正極とセパレータと負極とを積層することにより、スタック式の電極体を作製してもよい。
(セパレータ)
ここで、セパレータとしては、ポリオレフィン系材料からなる微多孔膜が好ましい。ここで、ポリオレフィン系材料としては、ポリエチレン(PE:Polyethylene)、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)等を用いることができ、これらを組み合わせて用いることもできる。さらに、複数の微多孔膜を積層して用いてもよい。セパレータの厚さは、たとえば、5〜40μm程度とすることができる。
ここで、セパレータとしては、ポリオレフィン系材料からなる微多孔膜が好ましい。ここで、ポリオレフィン系材料としては、ポリエチレン(PE:Polyethylene)、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)等を用いることができ、これらを組み合わせて用いることもできる。さらに、複数の微多孔膜を積層して用いてもよい。セパレータの厚さは、たとえば、5〜40μm程度とすることができる。
(電池外装体)
次に、電極体を、電池外装体に挿入する。ここで、電池外装体の形状としては、たとえば円筒形、角形等があり、電池外装体は、通常、外装缶とキャップとからなる。キャップには、正極または負極の端子部が備えられており、該端子部は、たとえば樹脂材料によって、対極と絶縁されている。電池外装体の材質は、耐電圧や強度を考慮して、各種金属または合金材料等から適宜選択すればよい。たとえば、アルミニウムおよびその合金、鉄(Fe)、ステンレス材等を用いることができる。
次に、電極体を、電池外装体に挿入する。ここで、電池外装体の形状としては、たとえば円筒形、角形等があり、電池外装体は、通常、外装缶とキャップとからなる。キャップには、正極または負極の端子部が備えられており、該端子部は、たとえば樹脂材料によって、対極と絶縁されている。電池外装体の材質は、耐電圧や強度を考慮して、各種金属または合金材料等から適宜選択すればよい。たとえば、アルミニウムおよびその合金、鉄(Fe)、ステンレス材等を用いることができる。
(非水電解質)
次に、電池外装体に非水電解質を注入する。非水電解質としては、有機溶媒に溶質(リチウム塩)を溶解した液体状の電解質を用いることができる。ここで、有機溶媒としては、たとえば、エチレンカーボネート(EC:Ethylene Carbonate)、プロピレンカーボネート(PC:Propylene Carbonate)、およびビニレンカーボネート(VC:Vinylene Carbonate)等の環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート(DMC:Dimethyl Carbonate)、エチルメチルカーボネート(EMC:Ethyl Methyl Carbonate)およびジエチルカーボネート(DEC:Diethyl Carbonate)等の鎖状カーボネート類等を用いることができる。溶質であるリチウム塩としては、たとえば、ヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF6)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)等を用いることができる。なお、本実施形態の非水電解質は、ゲル状、固体状であってもよい。
次に、電池外装体に非水電解質を注入する。非水電解質としては、有機溶媒に溶質(リチウム塩)を溶解した液体状の電解質を用いることができる。ここで、有機溶媒としては、たとえば、エチレンカーボネート(EC:Ethylene Carbonate)、プロピレンカーボネート(PC:Propylene Carbonate)、およびビニレンカーボネート(VC:Vinylene Carbonate)等の環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート(DMC:Dimethyl Carbonate)、エチルメチルカーボネート(EMC:Ethyl Methyl Carbonate)およびジエチルカーボネート(DEC:Diethyl Carbonate)等の鎖状カーボネート類等を用いることができる。溶質であるリチウム塩としては、たとえば、ヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF6)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)等を用いることができる。なお、本実施形態の非水電解質は、ゲル状、固体状であってもよい。
その後、電池外装体の開口部を所定手段で封止することにより、非水電解質二次電池を製造することができる。
以下、実施例を用いて本実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法を、より詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<工程α>
(実施例)
まず、正極活物質としてLiと3種の遷移金属元素(Co、NiおよびMn)を含むリチウム含有遷移金属複合酸化物からなる粉末と、導電助材としてABと、結着材として重量平均分子量が1000000であるPVdFと、添加剤としてPVBと、を準備した。ここで準備されたPVBの重量平均分子量は約20000、アセタール化度(ブチラール化度)は約61mol%、水酸基量は約37mol%、アセチル基量は3mol%以下である。なお、PVdFおよびその他各成分は、一般に入手可能なものである。
(実施例)
まず、正極活物質としてLiと3種の遷移金属元素(Co、NiおよびMn)を含むリチウム含有遷移金属複合酸化物からなる粉末と、導電助材としてABと、結着材として重量平均分子量が1000000であるPVdFと、添加剤としてPVBと、を準備した。ここで準備されたPVBの重量平均分子量は約20000、アセタール化度(ブチラール化度)は約61mol%、水酸基量は約37mol%、アセチル基量は3mol%以下である。なお、PVdFおよびその他各成分は、一般に入手可能なものである。
次いで、混練機を用いて、上記各成分を分散剤とともにNMP中に分散させることにより、実施例に係る電極合材ペーストを作製した。この電極合材ペーストに含まれる各成分(固形分)の配合比は、正極活物質:90.3質量%、導電助材:8.0質量%、PVdF:1.5質量%、PVB:0.15質量%、分散剤:0.05質量%である。なお、この電極合材ペーストの固形分濃度は、60.0質量%である。
(比較例1〜4)
表1に示すように、PVdFの分子量、PVBの配合比、および分散剤の配合比を変更する以外は、実施例と同様にして、比較例1〜4に係る電極合材ペーストを作製した。なお、比較例1〜4は、従来の電極合材ペーストの組成を想定したものである。
表1に示すように、PVdFの分子量、PVBの配合比、および分散剤の配合比を変更する以外は、実施例と同様にして、比較例1〜4に係る電極合材ペーストを作製した。なお、比較例1〜4は、従来の電極合材ペーストの組成を想定したものである。
<レオロジー特性の評価>
実施例および比較例1〜4に係る電極合材ペーストのレオロジー特性を、粘弾性測定装置(型式「MCR302」、Anton Paar社製)を用いて測定した。その結果を図1に示す。
実施例および比較例1〜4に係る電極合材ペーストのレオロジー特性を、粘弾性測定装置(型式「MCR302」、Anton Paar社製)を用いて測定した。その結果を図1に示す。
図1は、各電極合材ペーストのレオロジー特性を示すグラフである。図1中、横軸は、せん断速度を示す対数軸であり、縦軸は、せん断粘度を示す対数軸である。図1に示すように、実施例の電極合材ペーストは、せん断速度が0.1s-1以上1s-1以下の領域(極低速せん断領域)において、比較例1に比し、高いせん断粘度を有することが確認された。特にせん断速度が0.1s-1以上0.4s-1以下の領域では、10Pa・s(10000mPa・s)以上の高いせん断粘度を有していた。そして、せん断速度が高くなると、徐々に実施例と比較例の電極合材ペーストのせん断粘度の差異は小さくなり、100s-1以上10000s-1以下である領域(高速せん断領域)では、その差異はほとんど消失していた。また、このとき、せん断速度が100s-1以上では、各電極合材ペーストのせん断粘度は、4Pa・s以下(4000mPa・s以下)であった。このようなレオロジー特性が発現する理由の詳細は明らかではないが、重量平均分子量が1000000以上であるPVdFと、PVBとが、電極合材ペーストのレオロジー特性に相乗的に作用した結果であると推測される。
<工程β>
次に、各電極合材ペーストを、集電体であるAl箔上に塗工した。
次に、各電極合材ペーストを、集電体であるAl箔上に塗工した。
<工程γ>
続いて、Al箔上に塗工された各電極合材ペーストを180℃で高速乾燥することにより、電極合材層を形成した。これにより、実施例および比較例1〜4に係る電極を得た。
続いて、Al箔上に塗工された各電極合材ペーストを180℃で高速乾燥することにより、電極合材層を形成した。これにより、実施例および比較例1〜4に係る電極を得た。
<マイグレーション指数の評価>
実施例および比較例1〜4に係る電極のマイグレーション指数を、前述の方法によって求めた。結果を表2に示す。
実施例および比較例1〜4に係る電極のマイグレーション指数を、前述の方法によって求めた。結果を表2に示す。
表2に示すように、比較例1〜4に係る電極では、PVdFの重量平均分子量が高くなる程、PVdFに対するPVBの質量比が高くなる程、マイグレーション指数は1に近づく傾向が確認された。これに対して、実施例に係る電極では、比較例の結果から予測される範囲を超えて、大幅にマイグレーション指数が低下していた。これらの結果は、図1に示したレオロジー特性、特にせん断速度が0.1s-1以上1s-1以下の領域でのせん断粘度に対応するものである。すなわち、実施例に係る電極では、極低速せん断領域でのせん断粘度が顕著に高いため、乾燥中に電極合材ペーストが対流し難く、PVdFの偏在が抑制されたものと考えられる。また、実施例に係る電極合材ペーストは、通常〜高速せん断領域において、比較例の電極合材ペーストと同等のせん断粘度を有していることから、配管送液、フィルタ通過、塗工等の操作においても、電極合材ペーストの安定性が確保され、従来と同様の取り扱いが可能であると考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
Claims (1)
- 電極活物質と、重量平均分子量が1000000以上のポリフッ化ビニリデンと、有機溶媒とを含む電極合材ペーストを作製する工程αと、
前記電極合材ペーストを集電体上に塗工する工程βと、
前記集電体上に塗工された前記電極合材ペーストを乾燥する工程γと、を備え、
前記工程αは、前記ポリフッ化ビニリデンに対し、ポリビニルアセタールおよびその誘導体のうち少なくとも1種を、5質量%以上50質量%以下含有させる工程を含む、非水電解質二次電池の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013171212A JP2015041462A (ja) | 2013-08-21 | 2013-08-21 | 非水電解質二次電池の製造方法 |
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JP2016219212A (ja) * | 2015-05-19 | 2016-12-22 | トヨタ自動車株式会社 | 二次電池用電極の製造方法 |
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- 2013-08-21 JP JP2013171212A patent/JP2015041462A/ja active Pending
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