JP2012138322A - 非水二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 正極合剤層を厚くしても、高出力放電時における容量の大きな非水二次電池を提供する。
【解決手段】 正極、負極、セパレータおよび非水電解質を備えた非水二次電池であって、前記正極は、集電体の少なくとも片面に、Mnを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含有する正極合剤層を有しており、前記正極合剤層は、厚みが70〜400μmであり、比表面積が0.5m/g以上であり、空孔率が30〜45%であることを特徴とする非水二次電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、正極合剤層を厚くしても、高出力放電時における容量の大きな非水二次電池に関するものである。
近年、非水二次電池には、産業機械用または太陽光発電システムなどの蓄電池用二次電池としての用途に適用させるべく、低コストでの高容量化が望まれている。
こうした非水二次電池への要求に応える手段の一つとして、電池容量には関与しない部材を減らすことにより、電池あたりの活物質量を増加させて、高容量化を図ることが行われている。例えば、特許文献1には、集電用の導電体を使用せずに負極を構成することで、負極全体に占める活物質の割合を高め、二次電池の単位体積あたりおよび単位質量あたりのエネルギー密度の向上を図る技術が提案されている。
また、電極(正極および負極)の電極合剤層(正極合剤層および負極合剤層)の厚みを大きくすることで、非水二次電池の高容量化を図る方法もある。しかしながら、電極合剤層の厚みを単純に大きくした場合には、高出力放電時に、初期放電容量が大幅に低下するといった問題がある。
例えば、特許文献2には、正負極の活物質層(合剤層)の見かけ密度や、正負極の活物質と集電体の質量バランスを調整した非水二次電池が開示されている。特許文献2では、前記の構成を採用することで、実用的な観点からの高容量電池を提供できるとしている。
ところが、特許文献2に開示の非水二次電池でも、例えば正極合剤層の厚みを大きくすると、高出力放電時においては十分な容量を引き出すことが困難である。
一方、特許文献3には、二次電池に使用する電極の比表面積(電極合剤層の比表面積)を4m/g以上として、電極の厚み(電極合剤層の厚み)を大きくしても、高出力放電時の容量低下を抑える技術が提案されている。
特開2006−4903号公報 特開平5−74494号公報 特開平7−122262号公報
しかしながら、特許文献3に記載の技術によっても、非水二次電池に係る電極合剤層の厚みを大きくして高容量化を図った際に、高出力放電時の容量低下の抑制が必ずしも良好に達成し得ない場合のあることが、本発明者らの検討により明らかとなった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、正極合剤層を厚くしても、高出力放電時における容量の大きな非水二次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を備えており、前記正極は、集電体の少なくとも片面に、Mnを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含有する正極合剤層を有しており、前記正極合剤層は、厚みが70〜400μmであり、比表面積が0.5m/g以上であり、空孔率が30〜45%であることを特徴とするものである。
本発明によれば、正極合剤層を厚くしても、高出力放電時における容量の大きな非水二次電池を提供することができる。
本発明の非水二次電池に係る正極は、正極活物質などを含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものである。そして、正極合剤層は、厚みが70〜400μmで、比表面積が0.5m/g以上であり、空孔率が30〜45%である。
正極合剤層を厚くし、その内部の正極活物質量を増やすことで高容量化を図った非水二次電池では、高出力放電を行った場合に、その電池本来の容量を十分に引き出すことができず、放電容量が低下する。これは、以下のような理由によるものと考えられる。
正極活物質は、通常、一次粒子が凝集した二次粒子となっている。このような二次粒子の凝集した状態の正極活物質が正極合剤層中で分散していると、正極活物質における電池反応に関与し得る面積が小さくなる。また、正極合剤層の密度を高め、正極活物質量を増やして高容量化を図ると、正極合剤層中の空隙が減り、非水電解質の浸透性が低下し、非水電解質と接触し得る正極活物質の表面の面積(すなわち、正極活物質の反応面積)が小さくなる。
こうした現象は、正極合剤層が薄い場合には、あまり問題を引き起こさないが、正極合剤層が例えば70μm以上と厚くなり、その内部での抵抗が大きくなると、顕在化する。そして、低出力放電時に比べて正極合剤層内での抵抗が増大する高出力放電時においては、前記の現象による問題がより顕著となり、その結果として、正極合剤層の有する容量を十分に引き出すことができなくなって、放電容量が低下する。
そこで、本発明の非水二次電池では、正極合剤層の比表面積を前記のように調整し、かつ空孔率を前記のように調整することで、正極合剤層における非水電解質界面との反応面積を大きくし、かつ正極合剤層への非水電解質への浸透性を良好にして、正極合剤層の厚みが100μmであっても、高出力放電時における放電容量の低下を良好に抑制し得るようにした。
本発明の非水二次電池の有する正極に係る正極合剤層の比表面積は、0.5m/g以上であり、1.0m/g以上であることが好ましい。このような比表面積を有する正極合剤層は、正極活物質の凝集を抑制し、一次粒子の状態で分散している正極活物質の割合を高めることにより形成できる。よって、前記の比表面積を有する正極合剤層を備えた正極であれば、正極合剤層における非水電解質界面との反応面積を大きくし、正極合剤層内の正極活物質のうち、電池反応に関与し得るものの割合を多くすることができるため、高出力放電時における放電容量の低下を抑え得る電池を構成できる。
ただし、正極合剤層の比表面積が大きすぎると、一次粒子の極めて小さな正極活物質を使用する必要が生じたり、正極合剤層自体に特殊な加工処理が必要になったりするなど、正極の生産性が低下する虞がある。よって、正極合剤層の比表面積は、10m/g未満であることが好ましく、4m/g未満であることがより好ましい。
本明細書でいう正極合剤層の比表面積は、前処理として、正極シートから約5mm×30mmの試験片を13〜16枚切り出し、その質量を秤量後、試料管に封入し、高精度全自動ガス吸着装置(BET測定装置、日本ベル株式会社製「BELSORP36」)を用いて、室温で真空脱気後、液体窒素(77K)におけるNガスの吸着等温線を測定し、得られた等温線をBET多点法で解析することで得られる値である。
また、本発明の非水二次電池の有する正極に係る正極合剤層の空孔率は、30%以上、好ましくは35%以上である。このような空孔率を有する正極合剤層を備えた正極であれば、厚い正極合剤層であっても、非水電解質が内部に良好に浸透するようになり、正極合剤層内の正極活物質のうち、電池反応に関与し得るものの割合を多くすることができるため、高出力放電時における放電容量の低下を抑え得る電池を構成できる。
更に、本発明の非水二次電池の有する正極に係る正極合剤層の空孔率は、45%以下である。正極合剤層の比表面積を大きくすると、正極合剤層における非水電解質界面との反応面積が大きくなるが、その一方で、正極活物質粒子間の距離が広がって、これらの粒子間での接触抵抗が大きくなり、また、活物質粒子同士の導電パスを形成している導電助剤と活物質粒子との導電パスも切れてしまい、これらの粒子間での接触抵抗も大きくなる。そのため、却って電池の高出力放電時における容量が損なわれてしまう。しかしながら、正極合剤層の空孔率を前記の値に制限することで、正極合剤層内での粒子間距離の増大を抑えて、正極合剤層の比表面積を前記のように調整することによる作用が良好に発揮できるようになる。
本明細書でいう正極合剤層の空孔率は、以下の方法により求められる値である。正極合剤層を構成する各成分(正極合剤層の形成に用いた各材料)について、比重計(マイクロメリティック社製「アキュピック1330」)を用いて真密度(g/cm)を測定し、これらの各成分の真密度と正極合剤層における各成分の割合とから、正極合剤層の真密度を算出する。そして、この正極合剤層の真密度を用いて、下記計算式により正極合剤層の空孔率ε(%)を算出する。
ε=[ (1−正極合剤層のかさ密度/正極合剤層の真密度)×100]
また、前記の正極合剤層のかさ密度は、以下の方法により測定されるものである。まず、正極を1cm×1cmの大きさに切り取り、マイクロメータで厚み(l)を、精密天秤で質量(m)を測定する。次に、正極合剤層を削り取り、集電体のみを取り出して、その集電体の厚み(l)と質量(m)を正極と同様に測定する。得られた厚みと質量から、下記式によって正極合剤層のかさ密度(dca)を求める(なお、前記の厚みの単位はcm、質量の単位はgである)。
ca=(m−m)/(l−l
本発明の非水二次電池の有する正極に係る正極合剤層には、Mnを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物を使用する。Mnを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物は熱的安定性に優れているため、例えば、安全性の高い非水二次電池を構成することができる。
前記Mnを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物としては、一般式Li1+x(ここで、−0.1≦x≦0.1であり、Mは、少なくともMnを含む1種以上の元素を表し、Mを構成する全元素のうちMnの原子比は70mol%以上)で表される複合酸化物が好ましく用いられる。
Mnを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物の具体例としては、例えば、LiMn、LiNi0.5Mn1.5などの組成で代表されるスピネルマンガン複合酸化物;前記スピネルマンガン複合酸化物に係る元素の一部を他の元素、例えば、Ca、Mg、Sr、Sc、Zr、V、Nb、W、Cr、Mo、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、Ga、Ge、Snなどの元素で置換したスピネル構造を有するリチウム含有複合酸化物(前記一般式における元素Mとして、Mnと、前記例示の元素の1種以上とを含むリチウム含有複合酸化物など);などが挙げられる。
正極活物質には、Mnを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物のみを用いてもよいが、他の正極活物質を併用してもよい。このような他の正極活物質としては、例えば、Li1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mg、Zr、Tiなど)で表される層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Feなど)で表されるオリビン型化合物などが挙げられる。前記層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOやLiNi1−xCox−yAl(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などの他、少なくともCo、NiおよびMnを含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiNi3/5Mn1/5Co1/5など)などを例示することができる。
なお、Mnを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物と他の正極活物質とを併用する場合、Mnを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物の、全正極活物質中における含有量は、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
正極合剤層には、正極活物質の他に、導電助剤やバインダなどを含有させることが好ましい。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック;ケッチェンブラック;チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類;炭素繊維;などの炭素材料の他、金属繊維などの導電性繊維類;フッ化カーボン;銅、ニッケルなどの金属粉末類;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても構わない。
また、正極合剤層に係るバインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。
正極合剤層の組成としては、例えば、正極活物質を80.0〜99.8質量%とし、導電助剤を0.1〜10質量%とし、バインダを0.1〜10質量%とすることが好ましい。
また、正極合剤層の厚み(集電体の両面に正極合剤層を設ける場合には、集電体の片面あたりの厚み。正極合剤層の厚みについて、以下同じ。)は、電池の高容量化を図る観点から、70μm以上であり、100μm以上であることが好ましい。ただし、正極合剤層が厚すぎると、リチウムイオン拡散抵抗が増加し、電池の内部抵抗が増大してしまう。よって、正極合剤層の厚みは、400μm以下であり、200μm以下であることが好ましい。
正極集電体には、アルミニウム製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、アルミニウム箔が用いられる。正極集電体の厚みは、10〜30μmであることが好ましい。
正極は、例えば、正極活物質、導電助剤およびバインダなどを含有する正極合剤を、溶剤[N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶剤や水]に分散させて調製した正極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)を、集電体の片面または両面などに塗布して乾燥し、必要に応じてプレス処理を施す工程を経て製造することができる。
なお、正極合剤層の比表面積を前記の値に調整するには、正極合剤層内での正極活物質の分散性を高めればよい。具体的には、通常、二次粒子の状態で供給される正極活物質が、正極合剤層内で、できるだけ一次粒子の状態で分散するようにすることが好ましく、例えば、前記の正極合剤含有組成物の調製時に、正極活物質の二次粒子を、一次粒子の状態に解砕しておけばよい。
より具体的には、例えば、プラネタリーミキサーなどの公知の混練機を用いて、正極合剤含有組成物を構成する各成分(正極活物質、導電助剤、バインダ、溶剤など)を混練することにより、正極合剤含有組成物を調製する場合、混練時間を5〜9時間とすることが好ましい。また、このような混練による正極合剤含有組成物の調製の際には、大気圧下で混練するよりも、真空ポンプを用いて真空に引いた状態で混練する方が好ましい。より好ましい混練手順としては、例えば、導電助剤とバインダの一部とを予め混練し、その後、ここに正極活物質と残りのバインダを投入して更に混練し、最後に組成物の粘度を調整するために溶剤を添加して更に混練する手順が挙げられる。
また、正極合剤層の空孔率は、例えば、正極合剤含有組成物を集電体表面に塗布し、乾燥した後に施すプレス処理の条件を選択することにより調整できる。通常は、正極合剤層の密度を高めるために、比較的大きな線圧でプレス処理を施すが、本発明に係る正極において、空孔率を前記の値に調整するには、通常の正極に施すプレス処理よりも小さな線圧でプレス処理を施せばよい。プレス処理時の好適な線圧は、正極合剤層の成分組成や厚みなどに応じて変動するが、大凡10kgf/cm以上200kgf/cm以下であることが好ましく、また、20kgf/cm以上であることがより好ましく、100kgf/cm以下であることがより好ましい。
本発明の非水二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を備えており、かつ正極が前記の正極であればよく、その他の構成および構造については特に制限はなく、従来から知られている非水二次電池で採用されている構成および構造を適用することができる。
負極としては、例えば、集電体の少なくとも片面に、負極活物質やバインダを含有する負極合剤層を有する構造のものが使用できる。
負極活物質としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛)、人造黒鉛、膨張黒鉛などの黒鉛材料;ピッチをか焼して得られるコークスなどの易黒鉛化性炭素質材料;フルフリルアルコール樹脂(PFA)やポリパラフェニレン(PPP)およびフェノール樹脂を低温焼成して得られる非晶質炭素などの難黒鉛化性炭素質材料;などの炭素材料が挙げられる。また、炭素材料の他に、リチウムやリチウム含有化合物も負極活物質として用いることができる。リチウム含有化合物としては、Li−Alなどのリチウム合金や、Si、Snなどのリチウムとの合金化が可能な元素を含む合金が挙げられる。更にSn酸化物やSi酸化物などの酸化物系材料も用いることができる。
負極合剤層に係るバインダには、正極合剤層に使用し得るものとして先に例示した各種バインダと同じものが使用できる。
また、負極合剤層には、必要に応じて導電助剤を含有させてもよい。負極合剤層に係る導電助剤には、正極合剤層に使用し得るものとして先に例示した各種導電助剤と同じものが使用できる。
負極合剤層の組成としては、例えば、負極活物質を80.0〜99.8質量%とし、バインダを0.1〜10質量%とすることが好ましい。また、負極合剤層に導電助剤を含有させる場合には、負極合剤層における導電助剤の量を0.1〜10質量%とすることが好ましい。また、負極合剤層の厚み(集電体の両面に負極合剤層を設ける場合には、集電体の片面あたりの厚み)は、70〜350μmであることが好ましい。
負極は、例えば、負極活物質およびバインダ、更には必要に応じて導電助剤などを含有する負極合剤を、溶剤(NMPなどの有機溶剤や水)に分散させて調製した負極合剤含有組成物(ペースト、スラリーなど)を、集電体の片面または両面などに塗布して乾燥し、必要に応じてプレス処理を施す工程を経て製造することができる。
本発明の非水二次電池に係るセパレータは、80℃以上(より好ましくは100℃以上)170℃以下(より好ましくは150℃以下)において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましく、通常の非水二次電池などで使用されているセパレータ、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。セパレータの厚みは、例えば、10〜30μmであることが好ましい。
前記の正極と前記の負極と前記のセパレータとは、正極と負極との間にセパレータを介在させて重ねた積層電極体や、更にこれを渦巻状に巻回した巻回電極体の形態で本発明の非水二次電池に使用することができる。
本発明の非水二次電池に係る非水電解質には、例えば、下記の非水系溶媒中に、リチウム塩を溶解させることで調製した溶液(非水電解液)が使用できる。
溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒を1種単独で、または2種以上を混合した混合溶媒として用いることができる。
非水電解質に係る無機イオン塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO3(n≧2)、LiN(RfOSO[ここでRfはフルオロアルキル基]などのリチウム塩から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらのリチウム塩の電解液中の濃度としては、0.6〜1.8mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.6mol/lとすることがより好ましい。
また、これらの非水電解質に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
なお、本発明の非水二次電池に使用する非水電解質は非水電解液であって、25℃における動粘度が、10cSt以下であることが好ましく、5cSt以下であることがより好ましい。このような動粘度を有する非水電解液であれば、正極合剤層を厚くしても、その厚み方向に浸透しやすくなるため、非水二次電池における高出力放電時の容量低下を、より良好に抑制することができる。
なお、非水電解液の動粘度は、例えば、非水電解液用の溶媒を2種以上併用し、これらの粘度と比率とのバランスを調節することで、調整することができる。ただし、非水電解液の動粘度が小さすぎると、良好な電池特性を確保し得るような溶媒組成の非水電解液を得難くなる虞があることから、非水電解液の25℃における動粘度は、1cSt以上であることが好ましく、3cSt以上であることがより好ましい。
本明細書でいう非水電解液の25℃における動粘度は、以下の方法により測定される値である。キャノン-フェンスケ粘度計を用い、恒温層に静置した非水電解液の温度が25℃に達したら、測定を開始する。管を吸引して測時球の上標線より5〜10mm上まで液面を上げた後に、自然流下させて液面が測時球の上下標線間を通過するために要する時間(落下秒数)を測定する。同様の測定を3回以上繰り返し行い、2回の流出時間が0.2%以内で一致したときは、その平均値を用い、下記式を用いて動粘度を算出する。
動粘度(cSt) = 落下秒数×粘度計定数
前記の式における粘度計定数には、粘度計校正用標準液を用いて恒温水槽内で落下秒数を測り、この時間で標準液の動粘度を徐した数値を用いる。
本発明の非水二次電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
本発明の非水二次電池は、正極合剤層を厚くしても、高出力放電時の容量低下を良好に抑制し得ることから、産業機械の電源用途や太陽光発電システムの蓄電池用途のように、高容量であり、かつ高出力放電が要求される用途をはじめとして、従来から知られている非水二次電池が適用されている各種用途と同じ用途に用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質であるマンガン酸リチウム(LiMn):74質量%およびLiNi0.8Co0.15Al0.05:19質量%、導電助剤であるアセチレンブラック:3.5質量%、並びにバインダであるPVDF:3.2質量%およびPVP:0.3質量%からなる正極合剤に、適量のNMPを添加し、プラネタリ―ミキサーを用いて合計8時間分散を行い、正極合剤含有スラリーを調製した。このスラリーを、厚みが13μmのアルミニウム箔の片面に一定厚みで塗布し、85℃で乾燥した後、更に100℃で真空乾燥した。その後、ロールプレス機を用いて、線圧30kgf/cmでプレス処理を行った。プレス処理を施して、厚みが100μm、空孔率が41%の正極合剤層を集電体の片面に有する正極を得た。更に、この正極を、正極合剤層の面積が30mm×30mmとなるように裁断した。
<負極の作製>
負極活物質である天然黒鉛:48質量%および人造黒鉛:48質量%、並びにバインダであるCMC:2.0質量%およびSBR:2.0質量%からなる負極合剤に、適量の水を添加し、十分に混合して負極合剤含有スラリーを調製した。このスラリーを、厚みが7μmの銅箔の片面に一定厚みで塗布し、85℃で乾燥した後、更に100℃で真空乾燥した。その後、プレス処理を施して、厚みが70μmの負極合剤層を集電体の片面に有する負極を得た。更に、この負極を、負極合剤層の面積が35mm×35mmとなるように裁断した。
<電池の組み立て>
裁断後の前記正極と前記負極とを、PE製微多孔膜セパレータ(厚み18μm)を介して重ね合わせて積層電極体とし、この積層電極体を、90mm×160mmのアルミニウムラミネートシート外装体内に収容した。続いて、非水電解質(体積比がEC:DEC=3:7の混合溶媒に、LiPFを1.2mol/l濃度で溶解させた溶液、25℃における動粘度が4.2cSt)を外装体内に注入した後、外装体を封止して、ラミネート形非水二次電池を得た。
実施例2
ロールプレス機によるプレス処理時の線圧を45kgf/cmに変更して、正極合剤層の空孔率を36%とした以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は、実施例1と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。
実施例3
ロールプレス機によるプレス処理時の線圧を60kgf/cmに変更して、正極合剤層の空孔率を31%とした以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は、実施例1と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。
比較例1
ロールプレス機によるプレス処理時の線圧を10kgf/cmに変更して、正極合剤層の空孔率を48%とした以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は、実施例1と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。
比較例2
ロールプレス機によるプレス処理時の線圧を130kgf/cmに変更して、正極合剤層の空孔率を22%とした以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は、実施例1と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。
比較例3
正極合剤含有スラリーの調製の際に、プラネタリ―ミキサーでの分散の合計時間を3時間に変更した以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は、実施例1と同様にしてラミネート形非水二次電池を作製した。
実施例および比較例のラミネート形非水二次電池について、下記の充放電特性評価を行った。
<充放電特性評価>
実施例および比較例の各電池について、1Cの電流値(20mA)で4.2Vまで定電流充電を行った後、電流値が2mAになるまで4.2Vで定電圧充電する充電と、その後に所定条件でする放電とを行う一連の操作を1サイクルとして、4サイクルの充放電を行った。なお、放電は、1サイクル目の電流値を20mA、2サイクル目の電流値を40mA、3サイクル目の電流値を60mA、および4サイクル目の電流値を80mAとし、それぞれ2.5Vになるまで行った。そして、各電池の電流値20mAでの放電容量を100%として、その他の電流値での放電容量の相対値を算出した。
また、実施例および比較例の電池に使用した正極に係る正極合剤層のかさ密度、比表面積および空孔率を表1に示し、実施例および比較例の電池の前記充放電特性評価結果を表2に示す。
Figure 2012138322
Figure 2012138322
表1および表2から明らかなように、比表面積および空孔率が適正な正極合剤層を有する正極を備えた実施例1〜3の非水二次電池は、比較例の電池に比べて、放電電流を大きくした高出力放電時においても容量の低下が抑制されている。これら実施例1〜3電池は、例えば、現状の産業機械用電池に要求される電流値40mA(2C相当)での放電の場合にも、1C相当の電流値での放電容量に対して96%以上の容量が維持されており、高出力放電が要求される用途に好適であるといえる。

Claims (2)

  1. 正極、負極、セパレータおよび非水電解質を備えた非水二次電池であって、
    前記正極は、集電体の少なくとも片面に、Mnを含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含有する正極合剤層を有しており、
    前記正極合剤層は、厚みが70〜400μmであり、比表面積が0.5m/g以上であり、空孔率が30〜45%であることを特徴とする非水二次電池。
  2. 非水電解質は、25℃における動粘度が1〜10cStの非水電解液である請求項1に記載の非水二次電池。
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