JP6852706B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は、非水電解質二次電池に関する。
特開2008−123988号公報(特許文献1)は、融点が80〜130℃である樹脂(A)を主成分とする微多孔膜からなるセパレータ層(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質のセパレータ層(II)とを有し、上記セパレータ層(I)および上記セパレータ層(II)の少なくとも一方に板状粒子を含有しているセパレータを開示する。
特開2008−123988号公報
従来より、耐熱層(HRL)が配置されたポリオレフィン系樹脂からなるセパレータが非水電解質二次電池に用いられている。しかしながら、HRLはたとえば電池外部からの衝撃等(以下「外部入力」とも記される)により剥離、脱落、割れ等が生じやすい。一般的にHRLはセラミック主体の層であるため、脆いことが一因であると考えられる。なお、外部入力はたとえば釘刺し試験により模擬され得る。
外部入力の一例として釘刺しが発生した際には、低抵抗体である釘を介して正極と負極とが低抵抗で短絡し、大きなジュール熱が発生する。係るジュール熱により釘周辺のセパレータが溶けて正極合材層と負極合材層とが接触して、より大きな短絡電流が継続して流れて発熱し、熱暴走に至る。また、釘を介した短絡だけでなく、正極(負極)集電体が負極(正極)合材層と直接接触すると、短絡が発生し、結果的に更なる熱暴走に至る。
特許文献1において開示されるセパレータを含む非水電解質二次電池は、外部入力により多孔質のセパレータ層(II)が剥離したり、脱落するおそれがある。たとえば外部入力により多孔質のセパレータ層(II)が剥離した場合、低抵抗な短絡が生じて熱暴走に至り、非水電解質二次電池の温度が上昇すると考えられる。すなわち、特許文献1において開示されるセパレータを含む非水電解質二次電池は、外部入力による短絡時の発熱の抑制において改善の余地があった。以下「外部入力による短絡時」が「短絡時」と略記され得る。
また、非水電解質二次電池に一般的に求められる特性として、大きな電池容量を有することが挙げられる。しかしながら、短絡時の発熱を抑制しようとすると、電池抵抗が増加し、電池容量が低下することがある。
本開示の目的は、電池外部からの衝撃等により短絡が生じた場合における発熱の抑制と、電池容量の低減の抑制とが両立された非水電解質二次電池を提供することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により特許請求の範囲が限定されるべきではない。以下、非水電解質二次電池は単に「電池」とも記される。
〔1〕非水電解質二次電池は、正極、負極、および中間層を少なくとも含む。中間層は、正極および負極の間に配置されている。中間層は、骨格およびセラミックフィラーを含む。骨格は、多孔質なポリイミド樹脂により形成される多孔質三次元構造である。ポリイミド樹脂は空隙を有し、空隙にはセラミックフィラーが充填されている。ポリイミド樹脂は、セラミックフィラーが充填されていない状態において60%以上80%以下の多孔度を有し、かつ、セラミックフィラーが充填されている状態において40%以上52%以下の多孔度を有する。セラミックフィラーは、酸化チタンまたはアルミナのいずれかである。セラミックフィラーは、その平均粒径が0.3μm以上0.5μm以下である。中間層は、セラミックフィラーを5質量%以上40質量%以下含む。中間層の厚さは、12μm以上25μm以下である。
図1は本開示の作用メカニズムを説明するための第1断面概念図であり、図2は本開示の作用メカニズムを説明するための第2断面概念図である。図1には、正極10、負極20、および中間層1を含む電極群40が示されている。非水電解質二次電池は、正極、負極、および中間層を少なくとも含む。中間層1は、ポリイミド樹脂により形成される多孔質三次元構造である骨格を含んでいる。図2には、外部入力として釘刺しが発生した際の、電池の一部が示されている。
中間層1に含まれる骨格は、ポリイミド樹脂により形成される多孔質三次元構造であるため、柔軟性が高いものと考えられる。ポリイミド樹脂は空隙を有し、空隙には耐熱性の高いセラミックフィラーが充填されている。したがって、図2に示されるように外部入力の例として釘刺しが生じたとしても、中間層1が剥離することや中間層1に割れが生じることが抑制され、低抵抗な短絡が発生することが抑制されるものと考えられる。加えて中間層1は、一般的に用いられる微多孔膜セパレータと比して多孔度が大きいと考えられる。そのため、電池容量の低減が抑制されると考えられる。すなわち、電池外部からの衝撃等により短絡が生じた場合における発熱の抑制と、電池容量の低減の抑制とが両立されるものと期待される。
〔2〕中間層は、正極および負極と直接接するように配置されていてもよい。すなわち、本開示に係る非水電解質二次電池は、セパレータを含まない構成としてもよい。
中間層1は、ポリイミド樹脂および多孔質三次元構造由来の柔軟性を有している。そのため、中間層をたとえば5μmより厚くしても絶縁性が維持され、中間層1は単独で正極10と負極20とを電気的に隔離し得ると考えられる。非水電解質二次電池がセパレータを含まないことにより、外部入力により短絡が生じた際に、セパレータ収縮による短絡の拡大を防止し得る。
図1は、本開示の作用メカニズムを説明するための第1断面概念図である。 図2は、本開示の作用メカニズムを説明するための第2断面概念図である。 図3は、中間層の構成の一例を示す断面概略図である。 図4は、参考形態における釘刺し時の構成を示す断面概念図である。 図5は、本実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。
以下、本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」と記される)が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
以下、一例としてリチウムイオン二次電池が説明される。ただし本実施形態の非水電解質二次電池はリチウムイオン二次電池に限定されるべきではない。本実施形態の非水電解質二次電池は、たとえばナトリウムイオン二次電池等であってもよい。
<非水電解質二次電池>
図5は、本実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。
電池100は、外装材50を含む。外装材50は、たとえばアルミラミネートフィルム製である。すなわち電池100は、ラミネート型電池である。ただし本実施形態において、電池100の型式および形式は特に限定されるべきではない。電池100は、たとえば角形電池であってもよいし、円筒形電池であってもよい。正極タブ51および負極タブ52は、それぞれ外装材50の内外を連通している。正極タブ51は、たとえばアルミニウム(Al)薄板である。負極タブ52は、たとえば銅(Cu)薄板である。外装材50は、CID、ガス排出弁、注液孔等を備えていてもよい(いずれも、図示せず)。
<正極>
正極10は帯状のシートであり得る。正極10は、正極集電体11および正極合材層12を含む。正極合材層12は、正極集電体11の表面に形成されている。正極合材層12は、正極集電体11の表裏両面に形成されていてもよい。正極集電体11は、たとえばアルミニウム(Al)箔等であってもよい。正極集電体11は、たとえば10〜30μmの厚さを有してもよい。
《正極合材層》
正極合材層12は、正極活物質、導電材およびバインダを含む。正極合材層12は、たとえば80〜98重量%の正極活物質、1〜15重量%以下の導電材および1〜5重量%以下のバインダを含んでもよい。正極合材層12は、たとえば100〜200μmの厚さを有してもよい。
(正極活物質、導電材およびバインダ)
正極活物質、導電材およびバインダは特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえばLiCoO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)、LiNi0.8Co0.15Al0.05(NCA)、LiMnO、LiMn、LiFePO等であってもよい。導電材は、たとえばアセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。バインダは、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってもよい。
<負極>
負極20は帯状のシートであり得る。負極20は、負極集電体21および負極合材層22を含む。負極合材層22は、負極集電体21の表面に形成されている。負極合材層22は、負極集電体21の表裏両面に形成されていてもよい。負極集電体21は、たとえば銅(Cu)箔等であってもよい。負極集電体21は、たとえば5〜30μmの厚さを有してもよい。
《負極合材層》
負極合材層22は、負極活物質、導電材およびバインダを含む。負極合材層22は、たとえば95〜99質量%の負極活物質および1〜5質量%のバインダを含んでもよい。負極合材層22は、導電助剤を更に含んでもよい。
(負極活物質およびバインダ)
負極活物質は特に限定されるべきではない。負極活物質は、たとえば、黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、珪素、酸化珪素、珪素基合金、錫、酸化錫、錫基合金等であってもよい。1種の負極活物質が単独で使用されてもよい。2種以上の負極活物質が組み合わされて使用されてもよい。バインダも特に限定されるべきではない。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。
<中間層>
図1に示されるように、中間層1は正極10および負極20の間に配置されている。図3に示されるように、中間層1は多孔質なポリイミド樹脂61で構成される骨格、およびセラミックフィラー60を含む。
中間層1は、セラミックフィラー60を5質量%以上40質量%以下含む。中間層1におけるセラミックフィラー60の含有量が5質量%未満の場合、ポリイミド樹脂61の空隙62に充填されるセラミックフィラー60の量が十分でない可能性がある。そのため、短絡時における発熱の抑制が不十分になると考えられる。中間層1におけるセラミックフィラー60の含有量が40質量%を超える場合、ポリイミド樹脂61の空隙62にセラミックフィラー60が過度に充填され、セラミックフィラー60が充填されている状態におけるポリイミド樹脂61の多孔度が低下すると考えられる。そのため、電池抵抗が上昇し、電池容量が低くなると考えられる。
中間層1の厚さは、12μm以上25μm以下である。中間層1の厚さが12μm未満の場合、短絡時において発熱の抑制が不十分になるおそれがある。間層1の厚さが25μmよりも大きい場合、電池抵抗が増加し、電池容量が低下するおそれがある。
《骨格》
骨格は、多孔質なポリイミド樹脂61により形成される多孔質三次元構造である。骨格の形成方法としては、たとえば正極10または負極20の表面にポリアミック酸を塗布し、熱処理することが挙げられる。骨格の形成方法の例としては、下記反応式に示すように、ピロリメット酸二水和物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを重合させたポリアミック酸に対して、熱処理を行うことでイミド化する方法を挙げることができる。これにより、ポリイミド樹脂6 1 からなる骨格が形成され得る。該骨格にセラミックフィラー60を充填することにより、中間層1を製造し得る。
Figure 0006852706
《ポリイミド樹脂》
ポリイミド樹脂61は空隙62を有する。空隙62にはセラミックフィラー60が充填されている。ポリイミド樹脂61は、セラミックフィラー60が充填されていない状態において60%以上80%以下の多孔度を有し、かつ、空隙62にセラミックフィラー60が充填されている状態において40%以上52%以下の多孔度を有する。
セラミックフィラー60が充填されていない状態におけるポリイミド樹脂61の多孔度(以下、「骨格部元来の多孔度」とも記される)が60%以上80%以下であるポリイミド樹脂61は、空隙62にセラミックフィラー60が充填された際、セラミックフィラー60が充填されている状態におけるポリイミド樹脂61の多孔度(以下、「フィラー充填後の骨格部多孔度」とも記される)が40%以上52%以下になるものと考えられる。なお、上記多孔度の測定は、中間層1の厚み、中間層1の重量、および中間層1の比重から算出することができる。
フィラー充填後の骨格部多孔度が40%未満の場合、電池抵抗が上昇し、電池容量が低くなると考えられる。フィラー充填後の骨格部多孔度が52%よりも大きい場合、骨格とセラミックフィラー60との密着性が低下するおそれがある。そのため、短絡時における発熱の抑制が不十分になると考えられる。
《セラミックフィラー》
セラミックフィラー60は、酸化チタンまたはアルミナのいずれかである。酸化チタンおよびアルミナは、電気的絶縁性があり耐熱性が高いため、短絡時における発熱の抑制が期待される。なお、一般的には水酸基を含むベーマイトや水酸化アルミニウム等も難燃剤として用いられるが、これらの水酸基を含む難燃剤により短絡時の発熱を抑制するためには、大量の水酸基を含む難燃剤が必要となるおそれがある。
セラミックフィラー60は、0.3μm以上0.5μm以下の平均粒径を有する。なお、本明細書において、「平均粒径」とは、レーザ回折・散乱法によって測定された体積基準の粒度分布において、積算値50%での粒径(「d50」とも記載され得る。)を示す。
セラミックフィラー60の平均粒径が0.3μm未満の場合、フィラー充填後の骨格部多孔度が52%よりも大きくなる可能性がある。係る場合、骨格とセラミックフィラー60の密着性が十分でないと考えられ、短絡時に骨格からセラミックフィラー60が剥がれる可能性がある。そのため、短絡時における発熱の抑制が不十分となる可能性がある。セラミックフィラー60の平均粒径が0.5μmを超える場合、フィラー充填後の骨格部多孔度が40%未満となる可能性がある。係る場合、電池抵抗が上昇し、電池容量が低くなる可能性がある。
<セパレータ>
セパレータは、一般的に正極10と負極20とを電気的に隔離するために用いられる。本開示においては、中間層1が単独で正極10と負極20とを電気的に隔離し得る。そのため、セパレータは必須ではないが、中間層1に加えてセパレータを含む構成としてもよい。
セパレータは、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の微多孔膜が好適である。セパレータは、PEの単層構造であってもよいし、PP膜、PE膜、およびPP膜がこの順序で積層される3層構造を有してもよい。セパレータの厚さは、たとえば9〜30μm程度であってもよい。セパレータが上述の3層構造を有する場合、PE層の厚さは、たとえば3〜10μm程度であってもよく、PP層の厚さは、たとえば3〜10μm程度であってもよい。セパレータは、その表面に耐熱層(HRL)を含んでいてもよい。HRLは、耐熱材料を含む。耐熱材料としては、たとえばアルミナ等の金属酸化物粒子、ポリイミド等の高融点樹脂等が挙げられる。
ここで、セパレータの平均的な細孔径は0.1μmであると考えられる。そのため、仮にセパレータを含む構成とした場合において、本開示で用いるセラミックフィラー60をセパレータの細孔に充填することは困難であると考えられる。また、セパレータの多孔度は約60%である。そのため、仮にセパレータの細孔に充填し得たとしても、フィラー充填後のセパレータの多孔度が低下し、電池容量が低下するおそれがある。
<非水電解質>
電池は、非水電解質を含む。非水電解質は、非水溶媒および支持塩を含む。非水溶媒は、たとえばエチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の環状あるいは鎖状の炭酸エステル類でよい。支持塩は、たとえばヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF6)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)等のLi塩でよい。Li塩の濃度は、たとえば0.5〜2.0mоl/L程度でよい。非水電解質は、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等の添加剤を含んでいてもよい。
<非水電解質二次電池の製造方法>
本実施形態の非水電解質二次電池は、たとえば以下の(1)〜(3)を少なくとも含む製造方法により製造され得る。
(1)上記正極および上記負極を準備すること。
(2)上記正極または上記負極のいずれかの表面に、ポリアミドの塗料(たとえば、ポリアミック酸溶液)を塗布し、乾燥させることにより多孔質三次元構造を有する骨格を形成すること。
(3)骨格を形成するポリアミド樹脂の空隙にセラミックフィラーを充填すること。
図4は、参考形態における釘刺し時の構成を示す断面概念図である。
電池は、正極合材層12と正極集電体11とを含む正極10、負極合材層22と負極集電体21とを含む負極20、および、正極10と負極20との間に配置されたセパレータ30を含んでいる。セパレータ30の表面には、セラミックフィラーを含むHRL31が配置されている。
係る電池にたとえば外部入力として釘刺しが発生した場合、図4に示すように釘70に起因して負極合材層22の一部の剥離(すなわち、負極20の一部の剥離)や、HRL31の一部の剥離が発生する可能性がある。HRL31はセラミックフィラーを含んでおり、釘刺し時において脆いという性質を有すると考えられる。負極20の一部やHRL31の一部において剥離が発生するため、短絡時における発熱の抑制に改善の余地がると考えられる。
以下本開示の実施例が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
1.負極の準備
以下の材料が準備された。
負極活物質:黒鉛(平均粒径:25μm)
バインダ:SBRおよびCMC
溶媒:水
負極集電体:Cu箔
プラネタリミキサにより、負極活物質、バインダおよび溶媒が混合された。これにより負極合材層用スラリーが調製された。負極合材層用スラリーの固形分組成は、質量比で「黒鉛:SBR:CMC=98:1:1」とされた。該スラリーが負極集電体21の表面にアプリケータにより塗布された。負極合材層用スラリーが乾燥された。これにより、負極合材層22が形成された。負極合材層22が所定の密度を有するように圧延された。以上より負極20が製造された。負極20が所定のサイズに切断された。
2.中間層の形成
(骨格の形成)
ポリアミック酸溶液が用意された。負極20の表面にポリアミック酸溶液がダイコータにより塗布された。塗布されたポリアミック酸溶液が140℃において2時間乾燥された。これにより、溶媒が除去され、負極20の表面にポリイミド樹脂61より形成される多孔質三次元構造が形成された。すなわち、骨格が形成された。ポリアミド樹脂の多孔度(すなわち、骨格部元来の多孔度)は80%であった。多孔度の測定方法は、前述の通りである。
(セラミックフィラーの充填)
セラミックフィラー60として、平均粒径が0.3μmの酸化チタンフィラーが準備された。該酸化チタンフィラーが、CMC水溶液とアクリル系バインダ内に分散され、セラミックフィラースラリーが調製された。セラミックフィラースラリーが、グラビアコータにてポリイミド樹脂61により形成される骨格に塗布された。これにより、ポリイミド樹脂61が有する空隙62に酸化チタンフィラー(すなわち、セラミックフィラー60)が充填された。以上により、負極20の表面に中間層1が形成された。中間層1における酸化チタンフィラーの含有量は40質量%とされ、酸化チタンフィラーが充填されたポリアミド樹脂の多孔度(すなわち、フィラー充填後の骨格部多孔度)は43%とされ、中間層1の厚さは15μmとされた。
3.正極の準備
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi0.8Co0.15Mn0.05(NCA)
導電材:AB
バインダ:PVdF
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
正極集電体:Al箔
プラネタリミキサにより、NCA、AB、PVdF、およびNMPが混合された。これにより正極合材層用スラリーが調製された。正極合材層用スラリーの固形分組成は、質量比で「NCA:AB:PVdF=98:1:1」とされた。コンマコータ(登録商標)により、正極合材層用スラリーが中間層1の表面および正極集電体11の表面に塗布され、乾燥された。これにより、中間層1の表面に正極合材層12が形成され、正極合材層12の表面に正極集電体11が配置された。正極合材層12が3.5/cmの密度を有するように圧延された。以上より正極10が製造された。すなわち、正極10、負極20、および正極10と負極20との間に配置された中間層1からなる、電極群40が製造された。
4.組み立て
電極群40がアルミラミネートフィルムからなる外装材50に収納された。外装材50に電解液が注入された。電解液は以下の成分を含む。外装材50が密封された。以上より、実施例1に係る電池100が製造された。電池100は、1Ahの定格容量を有している。
Li塩:LiPF(1mоl/l)
溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
<実施例2〜実施例12、比較例1〜比較例7>
下記表1に示されるように、骨格部元来の多孔度、セラミックフィラー60の種類、セラミックフィラー60の平均粒径、セラミックフィラー60の含有量、フィラー充填後の骨格部多孔度、中間層1の厚さが変更されたことを除いては、実施例1と同様に電池100が製造された。
<実施例13>
下記表1に示されるように、厚さ12μmのセパレータ30が正極10と負極20との間に配置されたことを除いては、実施例12と同様に電池が製造された。なお、セパレータ30はHRL31を有しており、HRL31の多孔度は58%とされた。
<比較例8>
下記表1に示されるように、ポリイミドからなる骨格を形成しなかったこと、96質量%のアルミナを含むフィラースラリーが負極20の上に塗布され、アルミナからなる中間層1が形成されたこと、中間層1の厚さが4μmとされたこと、および、厚さ20μmのセパレータ30が正極10と負極20との間に配置されたことを除いては、実施例1と同様に電池が製造された。なお、セパレータ30はHRL31を有しており、HRL31の多孔度は58%であった。
<比較例9>
下記表1に示されるように、中間層1の厚さを20μmとしたこと、およびセパレータ30を配置しなかったことを除いては、比較例8と同様に電池が製造された。
<評価>
1.釘刺し試験
電池が満充電にされた。電池が65℃に加温された。3mmの胴部径を有する釘70が準備された。電池に釘70を速度10mm/secで貫通させた。釘70が刺し込まれた位置から1cm離れた位置において、電池表面の温度が監視された。釘刺し後の最高到達温度が測定された。結果は、下記表1「到達温度」の欄に示されている。最高到達温度が低い程、釘刺し試験時における電池温度上昇が抑制されていること、すなわち、短絡時における発熱が抑制されていることを意味している。
2.OCV不良率測定試験
上記の実施例および比較例の各々について、10個の電池を作製し、電池完成(初期充電を含む)までに発生した不良数をカウントした。なお、不良の発生の有無については、OCV不良以外の不良の有無も含めてカウントしたが、今回発生した不良は、全て、OCV不良)であった。なお、OCV不良とは、(初期充電時に)充電してもOCV(開放電圧)が低下する不良である。結果は、下記表1「OCV不良率」の欄に示されている。値が低いほど、OCV不良率が低いことを意味している。
3.電池容量の測定
以下の条件で、電池が充放電された。これによりCC放電の容量(初期容量)が測定された。測定結果は、下記表1の「電池容量」の欄に示されている。
CCCV充電:CC電流=1/3C、CV電圧=4.2V、カット電流=0.1C
CC放電:CC電流=1/3C、カット電圧=2.5V
Figure 0006852706
<結果>
上記表1に示されるように、実施例1−実施例13は、短絡時における発熱の抑制と、電池容量の低減の抑制とが両立されていた。
実施例5−実施例6の結果から、骨格部元来の多孔度が上昇すると、フィラー充填後の骨格部多孔度も上昇することが理解できる。フィラー充填後の骨格部多孔度の上昇に伴い電池容量は上昇するものの、到達温度が上昇することが確認された。
実施例12と実施例13との比較から、中間層1は正極10および負極20の両方に直接接していてもよいし、正極10と負極20の間にセパレータ30が配置されてもよいことが示された。すなわち、本開示に係る電池100は、セパレータ30を省略し得ることが示された。
比較例1は、到達温度が高かった。比較例1においては中間層1におけるセラミックフィラーの含有量が5質量%未満であり、フィラー充填後の骨格部多孔度が52%よりも大きかった。そのため、短絡時における発熱の抑制が不十分になったものと考えられる。
比較例2は、電池容量が低かった。比較例2においては中間層1におけるセラミックフィラーの含有量が40質量%よりも高く、フィラー充填後の骨格部多孔度が40%未満であった。そのため電池抵抗が上昇し、電池容量が低くなったものと考えられる。
比較例3は、電池容量が低かった。比較例3においては、骨格部元来の多孔度が60%未満であった。そのため、フィラー充填後の骨格部多孔度が40%未満となった。結果として電池抵抗が上昇し、電池容量が低くなったものと考えられる。
比較例4は、到達温度が高かった。比較例4においては、セラミックフィラーの平均粒径が0.3μm未満であった。そのため、フィラー充填後の骨格部多孔度が52%よりも大きくなった。結果として短絡時における発熱の抑制が不十分になったものと考えられる。
比較例5は、電池容量が低かった。比較例5においては、セラミックフィラーの平均粒径が0.5μmよりも大きかった。そのため、フィラー充填後の骨格部多孔度が40%未満となった。結果として電池抵抗が上昇し、電池容量が低くなったものと考えられる。
比較例6は、到達温度が高かった。比較例6においては、中間層1の厚さが12μm未満であった。そのため、短絡時における発熱の抑制が不十分になったものと考えられる。
比較例7は、電池容量が低かった。比較例7においては、中間層1の厚さが25μmよりも大きかった。そのため電池抵抗が上昇し、電池容量が低くなったものと考えられる。
比較例8は、到達温度が高かった。釘刺しが発生した際に、負極20の一部の剥離や、HRL31の一部の剥離が発生した可能性がある。
比較例9は、OCV不良率が100%であった。比較例9に係る電池100は、ポリイミド樹脂61により形成される中間層1を含んでおらず、かつ、セパレータ30も含んでいない。そのため、OCV不良率が高い値になったものと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
1 中間層、10 正極、11 正極集電体、12 正極合材層、20 負極、21 負極集電体、22 負極合材層、30 セパレータ、31 HRL、40 電極群、50 外装材、51 正極タブ、52 負極タブ、60 セラミックフィラー、61 ポリイミド樹脂、62 空隙、70 釘。

Claims (1)

  1. 正極、負極、および中間層を少なくとも含み、
    前記中間層は、前記正極および前記負極の間に配置されており、
    前記中間層は、骨格およびセラミックフィラーを含み、
    前記骨格は、多孔質なポリイミド樹脂により形成される多孔質三次元構造であり、
    前記ポリイミド樹脂は、空隙を有し、
    前記空隙には、前記セラミックフィラーが充填されており、
    前記ポリイミド樹脂は、前記セラミックフィラーが充填されていない状態において60%以上80%以下の多孔度を有し、かつ、前記セラミックフィラーが充填されている状態において40%以上52%以下の多孔度を有し、
    前記セラミックフィラーは、酸化チタンまたはアルミナのいずれかであり、
    前記セラミックフィラーは、その平均粒径が0.3μm以上0.5μm以下であり、
    前記平均粒径は、レーザ回折・散乱法によって測定された体積基準の粒度分布における積算値50%での粒径であり、
    前記中間層は、前記セラミックフィラーを5質量%以上40質量%以下含み、
    前記中間層の厚さは、12μm以上25μm以下である、
    非水電解質二次電池。
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