JP6798393B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は、非水電解質二次電池に関する。
特開2016−072221号公報(特許文献1)は、正極集電体と正極合材層との間に中間層が配置された非水電解質二次電池(以下「電池」と略記される場合がある)を開示している。
特開2016−072221号公報
釘刺し、過充電等の異常モードにおいて、電池の発熱を抑制することが求められている。「釘刺し」とは、鋭利な先端を有する導電性異物が電池を貫通する異常モードを示す。釘刺しでは、導電性異物を通じて正極と負極とが短絡する。これによりジュール熱が発生し、電池が発熱する。さらに導電性異物が正極を貫通する際の衝撃により、正極合材層が正極集電体から剥がれ、正極集電体が露出することもある。露出した正極集電体と、負極とが短絡すると、大電流が流れ、発熱量も大きくなる。
他方「過充電」とは、電池の満充電容量を超えて電池が充電される異常モードを示す。過充電における発熱は、正極活物質の相転移(構造変化)、正極活物質の分解反応等に起因していると考えられる。
特許文献1では、正極集電体と正極合材層との間に中間層が配置されている。当該中間層は、熱伝導率が高く、硬度が高く、かつ抵抗率が高い粒子を含むとされている。釘刺し時、当該中間層は、短絡によるジュール熱を逃がし、さらに正極集電体の露出も抑制するとされている。したがって中間層により、釘刺し時の発熱の抑制が期待される。ただし短絡を伴わない異常モードである過充電時の発熱も考慮に入れると、改善の余地があると考えられる。
本開示の目的は、釘刺し時の発熱が抑制され、なおかつ過充電時の発熱も抑制され得る非水電解質二次電池を提供することである。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により特許請求の範囲が限定されるべきではない。
非水電解質二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を少なくとも含む。正極は、正極集電体、中間層および正極合材層を含む。中間層は、正極集電体と正極合材層との間に介在している。中間層は、第1層および第2層を含む。第1層は、正極集電体の表面に配置されている。第2層は、第1層と正極合材層との間に介在している。第1層および第2層は、それぞれ0.5μm以上の厚さを有する。第1層は、87質量%以上100質量%未満の電気絶縁性フィラーと、その残部の第1導電性フィラーおよびバインダとを含む。第2層は、60質量%以上100質量%未満のポリアミック酸と、その残部の第2導電性フィラーとを含む。
本開示の中間層は、釘刺しおよび過充電の両方に対して発熱抑制効果を発揮することが期待される。中間層は、第1層および第2層を含む。第1層の主成分は電気絶縁性フィラーである。第1層が正極集電体の表面に配置されていることにより、釘刺し時、正極集電体の露出が抑制され得る。すなわち正極集電体と負極との短絡が抑制され得る。
第1層では電気絶縁性フィラー同士の隙間が完全には埋まらず、空孔が形成されると考えられる。第2層の主成分はポリアミック酸である。ポリアミック酸はポリイミドの前駆体である。釘刺し時のジュール熱により、まずポリアミック酸が溶融する。ポリアミック酸の溶融物は、第1層の空孔を埋めると考えられる。さらに周囲の温度が上昇すると、ポリアミック酸の分子内で脱水閉環反応(イミド化反応)が進行する。これによりポリアミック酸がポリイミドになると考えられる。
ポリイミドは、耐熱性および電気絶縁性に優れる。ポリイミドは低い熱伝導率を有する。そのためポリアミック酸がポリイミドになることにより、短絡部位の周囲が電気的かつ熱的に絶縁され得る。これにより短絡面積の拡大が抑制され、発熱が抑制されると考えられる。
ポリアミック酸は、過充電時の発熱にも応答し得る。すなわち過充電時も、ポリアミック酸の溶融物が、第1層の空孔を埋め、ポリイミドになると考えられる。これにより正極集電体と正極合材層とが電気的かつ熱的に絶縁され得る。その結果、正極活物質の充電反応の進行、および正極活物質の加熱が抑制され、正極活物質の相転移および分解反応が抑制され得る。すなわち過充電時の発熱も抑制され得る。
図1は、本開示の実施形態に係る非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。 図2は、本開示の実施形態に係る正極の構成を示す断面概念図である。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」とも記される)が説明される。ただし、以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。たとえば本明細書では、非水電解質二次電池の一例としてリチウムイオン二次電池が説明されるが、非水電解質を含む二次電池である限り、非水電解質二次電池はリチウムイオン二次電池に限定されるべきではない。本実施形態の非水電解質二次電池は、たとえば、ナトリウムイオン二次電池等でもあり得る。
<非水電解質二次電池>
図1は、本開示の実施形態に係る非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。電池100は、筐体50を含む。筐体50は円筒形である。ただし本実施形態の筐体は円筒形に限定されるべきではない。筐体は、たとえば角形(扁平直方体形)であってもよい。筐体50は、鉄(Fe)、ステンレス(SUS)、アルミニウム(Al)合金等の金属材料により構成され得る。筐体50は、たとえば、金属材料と樹脂材料との複合材料(たとえばアルミラミネートフィルム等)により構成されてもよい。筐体50は、たとえば、電流遮断機構(CID)、注液孔、ガス排出弁等を備えていてもよい。
筐体50には、電極群40および非水電解質(図示されず)が収納されている。電極群40は、正極10、負極20およびセパレータ30を含む。すなわち電池100は、正極10、負極20、セパレータ30および非水電解質を少なくとも含む。電極群40は巻回型の電極群である。すなわち電極群40は、正極10、セパレータ30、負極20およびセパレータ30がこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回されることにより構成されている。本実施形態の電極群は、積層型の電極群であってもよい。積層型の電極群は、セパレータを間に挟みつつ、正極と負極とが交互に積層されることにより構成され得る。
《正極》
正極10は帯状のシートである。図2は、本開示の実施形態に係る正極の構成を示す断面概念図である。図2では、正極10の厚さ方向断面が概念的に示されている。正極10は、正極集電体11、中間層5および正極合材層12を含む。図2では、中間層5および正極合材層12が正極集電体11の片側(片面)のみに配置されているが、中間層5および正極合材層12は、正極集電体11の両側(表裏両面)に配置されていてもよい。
正極集電体11は、たとえば、Al箔であってもよい。正極集電体11は、たとえば、10〜30μmの厚さを有してもよい。正極合材層12は、たとえば、80〜98質量%の正極活物質と、1〜15質量%の導電性フィラーと、その残部のバインダとを含んでもよい。正極合材層12は、たとえば、10〜200μmの厚さを有してもよい。
正極活物質は、特に限定されるべきではない。正極活物質は、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiNi0.82Co0.15Al0.032、LiMn24、LiFePO4等であってもよい。1種の正極活物質が単独で使用されてもよいし、2種以上の正極活物質が組み合わされて使用されてもよい。正極活物質は、たとえば、1〜30μmの平均粒径を有してもよい。本明細書の平均粒径は、レーザ回折散乱法によって測定される体積基準の粒度分布において微粒側から累積50%の粒径を示すものとする。
導電性フィラーも特に限定されるべきではない。導電性フィラーは、たとえば、アセチレンブラック(AB)、サーマルブラック、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。1種の導電性フィラーが単独で使用されてもよいし、2種以上の導電性フィラーが組み合わされて使用されてもよい。バインダも特に限定されるべきではない。バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸(PAA)等であってもよい。1種のバインダが単独で使用されてもよいし、2種以上のバインダが組み合わされて使用されてもよい。
《中間層》
中間層5は、正極集電体11と正極合材層12との間に介在している。中間層5は、第1層1および第2層2を含む。第1層1は、正極集電体11の表面に配置されている。第2層2は、第1層1と正極合材層12との間に介在している。第1層1および第2層2は、それぞれ0.5μm以上の厚さを有する。第1層1および第2層2の厚さは、中間層5の厚さ方向断面の顕微鏡画像において測定され得る。顕微鏡は光学顕微鏡であってもよいし、電子顕微鏡であってもよい。厚さは、顕微鏡画像内の少なくとも3箇所で測定される。少なくとも3箇所の算術平均が測定結果として採用される。
第1層1および第2層2が、それぞれ0.5μm以上の厚さを有することにより、釘刺し時および過充電時の両方において発熱が抑制され得る。第1層1および第2層2が厚い程、発熱抑制効果が大きくなることが期待される。ただし、第1層1および第2層2が過度に厚いと、直流抵抗が増加する可能性もある。第1層1および第2層2は、それぞれ、たとえば1μm以上の厚さを有してもよいし、1.5μm以上の厚さを有してもよい。第1層1および第2層2は、それぞれ、たとえば、2.2μm以下の厚さを有してもよいし、2μm以下の厚さを有してもよい。
第1層1および第2層2は、たとえば、合計で1μm以上の厚さを有してもよいし、合計で1.5μm以上の厚さを有してもよいし、合計で2μm以上の厚さを有してもよい。第1層1および第2層2は、たとえば、合計で3μm以下の厚さを有してもよいし、2.5μm以下の厚さを有してもよいし、2.0μm以下の厚さを有してもよい。
(第1層)
第1層1は、釘刺し時、正極集電体11の露出を抑制することにより、正極集電体11と負極20との短絡を抑制する。第1層1は、87質量%以上100質量%未満の電気絶縁性フィラーと、その残部の第1導電性フィラーおよびバインダとを含む。電気絶縁性フィラーの構成比率が87質量%以上100質量%未満であることにより、釘刺し時および過充電時の両方において発熱が抑制され得る。電気絶縁性フィラーの構成比率が高い程、釘刺し時の発熱抑制効果が大きくなることが期待される。ただし電気絶縁性フィラーの構成比率が過度に高いと、直流抵抗が増加する可能性もある。電気絶縁性フィラーの構成比率は、たとえば、93.5質量%以上であってもよい。電気絶縁性フィラーの構成比率は、たとえば、98質量%以下であってもよいし、97質量%以下であってもよい。
電気絶縁性フィラーは、特に限定されるべきではない。電気絶縁性フィラーは、たとえば、アルミナ(α−Al23)およびベーマイト(AlOOH)の少なくとも一方であってもよい。電気絶縁性フィラーの形状は、特に限定されるべきではない。電気絶縁性フィラーは、たとえば、球状、塊状、板状、針状等であり得る。電気絶縁性フィラーは、たとえば、0.1〜5μmの平均粒径を有してもよい。
第1層1は、異常モード以外の通常時は、導電性を有する必要がある。そのため第1層1は、電気絶縁性フィラーの残部として、第1導電性フィラーも含む。第1導電性フィラーの構成比率は、たとえば、1.5質量%以上であってもよいし、2.5質量%以上であってもよい。第1導電性フィラーの構成比率は、たとえば、10質量%以下であってもよいし、5質量%以下であってもよい。第1導電性フィラーは特に限定されるべきではない。第1導電性フィラーとしては、たとえば、正極合材層12の導電性フィラーとして例示された材料が使用され得る。1種の導電性フィラーが単独で使用されてもよいし、2種以上の導電性フィラーが組み合わされて使用されてもよい。
第1層1は、電気絶縁性フィラーの残部として、バインダも含む。バインダも特に限定されるべきではない。バインダとしては、たとえば、正極合材層12のバインダとして例示された材料が使用され得る。1種のバインダが単独で使用されてもよいし、2種以上のバインダが組み合わされて使用されてもよい。
(第2層)
中間層5は、第1層1に加えて第2層2を含む。これにより過充電時に、正極合材層12と正極集電体11とが電気的かつ熱的に絶縁され、発熱が抑制され得る。第2層2は、60質量%以上100質量%未満のポリアミック酸と、その残部の第2導電性フィラーとを含む。ポリアミック酸は、たとえば、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの重縮合により合成され得る。ポリアミック酸は加熱されると溶融物になり、さらに加熱されると、分子内で脱水閉環反応が起こり、ポリイミドになると考えられる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物は、たとえば、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)等であり得る。芳香族ジアミンは、たとえば、メタフェニレンジアミン(MPD)、4,4’−メチレンジアニリン(MDA)等であり得る。ポリアミック酸が溶融物となる温度、およびイミド化反応が開始される温度は、たとえば、共重合組成により調整され得る。ポリアミック酸は、たとえば、90〜120℃程度で溶融物を形成し得るものとされる。ポリアミック酸は、たとえば、120〜300℃程度でイミド化反応し得るものとされる。
ポリアミック酸の構成比率が60質量%以上100質量%未満であることにより、釘刺し時および過充電時の両方において発熱が抑制され得る。ポリアミック酸の構成比率が高くなる程、釘刺し時および過充電時の発熱抑制効果が大きくなることが期待される。ただしポリアミック酸の構成比率が過度に高くなると、直流抵抗が増加する可能性もある。ポリアミック酸の構成比率は、たとえば、80質量%以上であってもよい。ポリアミック酸の構成比率は、90質量%以下であってもよいし、80質量%以下であってもよい。
第2層2も、異常モード以外の通常時は、導電性を有する必要がある。そのため第2層2は、ポリアミック酸の残部として、第2導電性フィラーを含む。第2導電性フィラーとしては、たとえば、正極合材層12の導電性フィラーとして例示された材料が使用され得る。第2導電性フィラーは、第1導電性フィラーと同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
《負極》
負極20は帯状のシートである。負極20は負極集電体と負極合材層とを含む。負極集電体は、たとえば、銅(Cu)箔であってもよい。負極集電体は、たとえば、5〜30μmの厚さを有してもよい。負極合材層は、負極集電体の表面に配置されている。負極合材層は、負極集電体の表裏両面に配置されていてもよい。負極合材層は、たとえば、10〜200μmの厚さを有してもよい。
負極合材層は、たとえば、95〜99.5質量%の負極活物質と、残部のバインダとを含んでもよい。負極活物質は、特に限定されるべきではない。負極活物質は、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、珪素、酸化珪素、錫、酸化錫等であってもよい。1種の負極活物質が単独で使用されてもよいし、2種以上の負極活物質が組み合わされて使用されてもよい。負極活物質は、たとえば、1〜30μmの平均粒径を有してもよい。
バインダも特に限定されるべきではない。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。1種のバインダが単独で使用されてもよいし、2種以上のバインダが組み合わされて使用されてもよい。
《セパレータ》
セパレータ30は正極10と負極20との間に介在している。セパレータ30は帯状のシートである。セパレータ30は、たとえば、10〜30μmの厚さを有してもよい。セパレータ30は、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータ30は、たとえば、ポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製等であり得る。セパレータ30は、たとえば、多層構造を有してもよい。セパレータ30は、たとえば、PP製の多孔質膜、PE製の多孔質膜、およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより構成されていてもよい。
《非水電解質》
本実施形態の非水電解質は、液体電解質すなわち電解液である。電解液は、電極群40に含浸されている。ただし本実施形態の非水電解質は、ゲル電解質であってもよいし、固体電解質であってもよい。
電解液は、溶媒と支持電解質とを含む。溶媒は、非プロトン性である。溶媒は、たとえば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒でよい。混合比は、たとえば、体積比で「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5」程度でよい。環状カーボネートは、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等であってもよい。鎖状カーボネートは、たとえば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等であってもよい。環状カーボネートおよび鎖状カーボネートは、それぞれ1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。
電解液は、たとえば、0.5〜2mоl/lの支持電解質を含み得る。支持電解質は、たとえば、LiPF6、LiBF4、Li[N(FSO22]等であってもよい。1種の支持電解質が単独で使用されてもよいし、2種以上の支持電解質が組み合わされて使用されてもよい。電解液は、溶媒および支持電解質の他に、各種の機能性添加剤を含み得る。機能性添加剤としては、たとえば、ビニレンカーボネート(VC)、Li[B(C242](LiBOB)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等が挙げられる。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池の製造>
下記表1に示される試料No.1〜22が製造された。下記表1において、たとえば「試料No4*」のように「*」が付された試料は比較例である。それ以外の試料は実施例である。
《試料No.1》
1.正極の製造
1−1.第1層の形成
以下の材料が準備された。
電気絶縁性フィラー:アルミナ(住友化学社製、製品名「AKP3000」)
第1導電性フィラー:AB(デンカ社製、製品名「デンカブラック」)
バインダ:PVdF(クレハ社製、グレード「♯7200」)
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
正極集電体:帯状Al箔
エムテクニック社製の攪拌機「クレアミックス」により、電気絶縁性フィラー、第1導電性フィラー、バインダおよび溶媒が混合された。これにより第1層用スラリーが調製された。第1層用スラリーの固形分組成は、質量比で「電気絶縁性フィラー:第1導電性フィラー:バインダ=87:10:3」とされた。グラビアコータにより、第1層用スラリーが正極集電体の表面に塗布され、乾燥された。これにより第1層が形成された。第1層は1μmの厚さを有するように形成された。
1−2.第2層の形成
以下の材料が準備された。
ポリアミック酸:宇部興産社製、製品名「ユピア−AT」
第2導電性フィラー:AB(デンカ社製、製品名「デンカブラック」)
溶媒:NMP
エムテクニック社製の攪拌機「クレアミックス」により、ポリアミック酸、第2導電性フィラーおよび溶媒が混合された。これにより第2層用スラリーが調製された。第2層用スラリーの固形分組成は、質量比で「ポリアミック酸:第2導電性フィラー=70:30」とされた。グラビアコータにより、第2層用スラリーが第1層の表面に塗布され、乾燥された。これにより、第2層が形成された。第2層は、1μmの厚さを有するように形成された。以上より、中間層が形成された。中間層は、第1層および第2層を含む。
1−3.正極合材層の形成
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi0.82Co0.15Al0.032
導電性フィラー:AB(デンカ社製、製品名「デンカブラック」)
バインダ:PVdF
プラネタリミキサにより、正極活物質、導電性フィラーおよびバインダが混合された。これにより正極合材層用スラリーが調製された。正極合材層用スラリーの固形分組成は、質量比で「正極活物質:導電性フィラー:バインダ=88:10:2」とされた。コンマコータ(登録商標)により、正極合材層用スラリーが中間層の表面に塗布され、乾燥された。これにより正極合材層が形成された。正極合材層が3.0g/cm3の密度を有するように圧延された。以上より正極が製造された。
2.負極の製造
以下の材料が準備された。
負極活物質:黒鉛
バインダ:SBRおよびCMC
溶媒:水
負極集電体:帯状Cu箔
プラネタリミキサにより、負極活物質、バインダおよび溶媒が混合された。これにより負極合材層用スラリーが調製された。負極合材層用スラリーの固形分組成は、質量比で「負極活物質:SBR:CMC=98:1:1」とされた。コンマコータ(登録商標)により、負極合材層用スラリーが負極集電体の表面に塗布され、乾燥された。これにより負極合材層が形成された。負極合材層が所定の密度を有するように圧延された。以上より負極が製造された。
3.組み立て
帯状のセパレータが準備された。セパレータは25μmの厚さを有するものとされた。セパレータは、3層構造を有するものとされた。すなわちセパレータは、PP製の多孔質膜、PE製の多孔質膜およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより、構成されたものである。
正極、セパレータ、負極およびセパレータがこの順序で積層され、さらにこれらが渦巻状に巻回されることにより、電極群が製造された。円筒形の筐体が準備された。筐体は、18650サイズ(直径=18mm、高さ=65mm)を有する。筐体に電極群が収納された。
以下の組成を有する電解液が準備された。
溶媒:[EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
支持電解質:LiPF6(1mоl/l)
筐体に電解液が注入された。筐体が密閉された。以上より非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)が製造された。この非水電解質二次電池は、1Ahの定格容量を有するものである。
《試料No.2〜5》
下記表1に示されるように、第1層における各成分の構成比率が変更されることを除いては、試料No.1と同様に、電池が製造された。
《試料No.6〜9》
下記表1に示されるように、第2層の各成分の構成比率が変更されることを除いては、試料No.1と同様に、電池が製造された。
《試料No.10〜14》
下記表1に示されるように、第1層の厚さが変更されることを除いては、試料No.1と同様に、電池が製造された。
《試料No.15〜19》
下記表1に示されるように、第2層の厚さが変更されることを除いては、試料No.1と同様に、電池が製造された。
《試料No.20》
アルミナに代えてベーマイトが電気絶縁性フィラーとして使用されることを除いては、試料No.1と同様に、電池が製造された。
《試料No.21》
ポリアミック酸に代えて、PVdFが使用されることを除いては、試料No.1と同様に電池が製造された。
《試料No.22》
第2層が形成されない(中間層が第2層を含まない)ことを除いては、試料No.1と同様に、電池が製造された。
<評価>
1.釘刺し試験
定電流−定電圧充電(定電流充電時の電流=1A、定電圧充電時の電圧=4.2V、終止電流=50mA)により、電池が満充電にされた。電池に熱電対が取り付けられた。3mmの胴部径を有する釘が準備された。25℃環境において、電池の側面に120mm/秒の速度で釘が突き刺された。釘が刺さった後の最高到達温度が測定された。結果は下記表1に示されている。最高到達温度が低い程、釘刺し時の発熱が抑制されていることを示している。
2.過充電試験
電池に熱電対が取り付けられた。25℃環境において、1Cの一定電流により、電池が4.5Vまで充電された。電池の最高到達温度が測定された。結果は下記表1に示されている。最高到達温度が低い程、過充電時の発熱が抑制されていることを示している。
3.入力特性
電池のSOC(State Of Charge)が50%に調整された。25℃環境において、10Aの一定電流により、電池が10秒間充電された。充電開始から10秒後の電圧上昇量が測定された。電圧上昇量が電流で除されることにより、直流抵抗が算出された。結果は下記表1に示されている。
Figure 0006798393
<結果>
1.試料No.1〜5
第1層の電気絶縁性フィラーの構成比率が87質量%以上である試料では、釘刺し時および過充電時の両方において、発熱が抑制されていた。ただし第1層の電気絶縁性フィラーの構成比率が97質量%を超える試料では、直流抵抗の増加が認められる。直流抵抗も考慮に入れると、第1層の電気絶縁性フィラーの構成比率は、87質量%以上97質量%以下であってもよい。
2.試料No.6〜9
第2層のポリアミック酸の構成比率が60質量%以上である試料では、釘刺し時および過充電時の両方において、発熱が抑制されていた。ただし第2層のポリアミック酸の構成比率が80質量%を超える試料では、直流抵抗の増加が認められる。直流抵抗も考慮に入れると、第2層のポリアミック酸の構成比率は、60質量%以上80質量%以下であってもよい。
3.試料No.10〜14
第1層の厚さが0.5μm以上である試料では、釘刺し時および過充電時の両方において、発熱が抑制されていた。ただし第1層の厚さが2μmを超える試料(第1層および第2層の合計厚さが3μmを超える試料)では、直流抵抗の増加が認められる。直流抵抗も考慮に入れると、第1層の厚さは、0.5μm以上2μm以下であってもよい。第1層および第2層の合計厚さは、3μm以下であってもよい。
4.試料No.15〜19
第2層の厚さが0.5μm以上である試料では、釘刺し時および過充電時の両方において、発熱が抑制されていた。ただし第2層の厚さが2μmを超える試料(第1層および第2層の合計厚さが3μmを超える試料)では、直流抵抗の増加が認められる。直流抵抗も考慮に入れると、第2層の厚さは、0.5μm以上2μm以下であってもよい。第1層および第2層の合計厚さは、3μm以下であってもよい。
5.試料No.20
第1層の電気絶縁性フィラーがアルミナからベーマイトに変更されても、釘刺し時および過充電時の両方において、発熱が抑制されていた。したがって、電気絶縁性フィラーは、アルミナおよびベーマイトの少なくとも一方であってもよい。
6.試料No.21、22
第2層が無い場合、過充電時の発熱が抑制されなかった。またポリアミック酸がPVdFに置き換えられた場合も、過充電時の発熱が抑制されなかった。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
1 第1層、2 第2層、5 中間層、10 正極、11 正極集電体、12 正極合材層、20 負極、30 セパレータ、40 電極群、50 筐体、100 電池(非水電解質二次電池)。

Claims (2)

  1. 正極、負極、セパレータおよび非水電解質
    を少なくとも含み、
    前記正極は、正極集電体、中間層および正極合材層を含み、
    前記中間層は、前記正極集電体と前記正極合材層との間に介在しており、
    前記中間層は、第1層および第2層を含み、
    前記第1層は、前記正極集電体の表面に配置されており、
    前記第2層は、前記第1層と前記正極合材層との間に介在しており、
    前記第1層および前記第2層は、それぞれ0.5μm以上の厚さを有し、
    前記第1層は、87質量%以上100質量%未満の電気絶縁性フィラーと、その残部の第1導電性フィラーおよびバインダとを含み、
    前記第2層は、60質量%以上100質量%未満のポリアミック酸と、その残部の第2導電性フィラーとを含む、
    非水電解質二次電池。
  2. 前記電気絶縁性フィラーは、アルミナおよびベーマイトの少なくとも一方である、
    請求項1に記載の非水電解質二次電池。
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